JP3218333U - 温熱治療具 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒーター線によって加温面の面全体が均一に加熱可能な温熱治療具を提供する。【解決手段】直列接続されたヒーター線3とPTCサーミスタ4が、高熱伝導性樹脂で形成される発熱板2の内部に埋設されており、発熱板は、ヒーター線への通電によって患部への加温面である表面全体が均一に加熱される。温熱治療は、被覆材が発熱板を患部に当てて被覆している状態を固定部により固定されて行われる。このとき、発熱板の温度は、PTCサーミスタの抵抗温度特性により略37℃から40℃の範囲の温度で保持される。またヒーター線への通電は、通電タイマー5により制御される。【選択図】図1
Description
本考案は、通電により発熱するヒーター線を用いて加熱治療を行う温熱治療具に関する。
温熱治療は、肩、腰、膝等の患部を加温して血液の流れを増大させて自己治癒力を高めることで、神経痛、筋肉痛等に有効な治療方法となっている。このように、身体を局部的に温めるものには、鉄粉のような被酸化性金属及び活性炭を主成分とし、空気中の酸素と接触して発熱する発熱組成物を、通気性シート体に収容させたいわゆる化学カイロが、その使用の簡便性からよく用いられてきている。
しかしながら、化学カイロは発熱温度にバラツキがあり、また低温火傷の虞もあるために、使用には肌着や衣服等に貼って間接的に肌に温熱を与えるような工夫が必要である。しかし、低温火傷を避けるのに発熱温度があまり上昇しないような仕様にすると、温熱効果がさほど期待できないことがある。
したがって、発熱温度を正確に調節できる点において、ヒーター線を使用した温熱治療具が好ましい。このような通電タイプの温熱治療具は、患部を覆う発熱パッドの全面を覆うように内部にヒーター線を蛇行して配置させ、そのヒーター線に電流を流すことにより発熱させるものが一般的である(例えば、引用文献1を参照)。
しかしながら、上記従来技術にあっては、ヒーター線が埋設された箇所とそれ以外の箇所で機器表面に温度差が生じるため、発熱パッドの表面全域を均一に加熱することができない。
上記点から本考案は、ヒーター線によって加温面の面全体が均一に加熱可能な温熱治療具を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本考案による温熱治療具は、高熱伝導性樹脂で形成される発熱板と、前記発熱板を被覆する被覆材と、前記発熱板に埋設されるヒーター線と、前記ヒーター線に接続されて前記発熱板に埋設されるPTCサーミスタと、前記ヒーター線に電流を供給する電源供給部と、を備える。
前記PTCサーミスタは前記ヒーター線が37℃から40℃の範囲内で発熱するよう抵抗値が変化する抵抗温度特性を有する。
或る実施形態では、それぞれに前記ヒーター線と前記PTCサーミスタとが埋設された前記発熱板を複数備えて、前記ヒーター線に電流を供給する通電ラインに、それぞれの前記発熱板の前記ヒーター線と前記PTCサーミスタとの各直列回路を並列に接続して成る。これにより、温熱治療する患部に応じて発熱板を増減できる。
また、前記ヒーター線への通電を制御する通電タイマーによって前記発熱板の発熱を開始から一定時間後に停止させて、長時間の加温による低温火傷が防止する。
前記被覆材はタオル地の布で構成することで吸汗性が良く、使用時の不快感を軽減できる。
本考案による温熱治療具は、高熱伝導性樹脂で形成される発熱板にヒーター線を埋設した構造であるために、発熱板の面全体で均一に患部を加温することができ治療効果が向上する。
以下、本考案を図面に基づき具体的に説明する。図1は本考案の一実施形態に係わる温熱治療具1を示している。温熱治療具1は、面全体で患部を加温する発熱板2を備えて、発熱板2は、熱伝導性、絶縁性、難燃性に優れた樹脂、例えばポリエチレンやポリカーボネート系樹脂組成物及びその成形体で形成される。
発熱板2にはビニールで被覆された高抵抗導電体のヒーター線3が直列接続のPTCサーミスタ4と共に埋設されている。ヒーター線3及びPTCサーミスタ4の埋設は、発熱板2の射出成型時に埋め込み固定して形成されるか、或いは2枚の樹脂板の一方の表面に形成した溝にヒーター線3及びPTCサーミスタ4を配置して他方の樹脂板を被せて貼り合せることで構成される。発熱板2は、外側に設けられた給電端子5に電源ラインLから供給される電流によるヒーター線3の発熱により面全体が均一に加熱される。そして、発熱板2は、患部をスポットで温めるため外径が3乃至5cm程度の略円形の板で構成されるが、患部に応じて発熱板2を増結して広範囲に温めることができる。
図2は、温熱治療具1の電気的構成図を示し、電源ラインL1,L2には、使用可能な発熱板2の数に応じた配線コネクタ6が設けられており、発熱板2の給電端子5を配線コネクタ6に接続することで、ヒーター線3とPTCサーミスタ4とは電源ラインL(L1,L2)間に直列接続されて、家庭用のコンセントから通電タイマー5を経て交流電源が供給される。通電でヒーター線3が発熱して発熱板2の温度が上昇し、PTCサーミスタ4が発熱板2の温度が特定の温度まで上昇したことを検知すると、PTCサーミスタ4はその抵抗が急激に増加してヒーター線3に流れる電流を小さくすることで、略18Wから20W程度に保持して、温度が37℃から40℃の範囲内に収まるよう設定されている。この温度は人の体温より僅かに高い温度であり、皮膚に発熱板2を当てても熱いと感じることがない。かかる構成によれば、発熱板2の表面の温度を測定し、発熱量を制御してその温度を一定にする制御装置を備える必要がない。尚、電源ラインL1,L2には、家庭用のコンセントに差し込まれたACアダプタに発生する直流電源を供給するよう構成されてもよい。
このような発熱板2は、患部が広範囲であるときには、それに応じた必要な数の発熱板2の各給電端子5が電源ラインLに接続されるよう、複数の配線コネクタ6が設けられている。そして、発熱板2の給電端子5を各配線コネクタ6に接続することで、それぞれのヒーター線3とPTCサーミスタ4との直列回路を電源ラインLに並列接続されて、複数の発熱板2で患部を温めることができる。
通電タイマー5は、長時間の使用による低温火傷を防止するために、動作開始後から例えば、最大でも2時間以内に通電タイマー5によって通電を遮断する。通電タイマー5は、2時間以内で通電時間を任意に設定できるようになっている。
温熱治療具1は、図3に示すように、発熱板2を保持して収納する収納ポケット8を有する被覆材7を備える。被覆材7には吸汗性が良いタオル地の布が好適であり、発熱板2を収容している収納ポケット8を患部に当てた状態で身体に巻き付けて装着した状態を固定するための固定部9を備える。固定部9は、例えば面ファスナーが使用でき、面ファスナーの一組のフック面とカール面とは、本例では布2の重ね合せた両側端を貼り合せて固定するように一方の側端の表側と他方の側端の裏にそれぞれ取り付けられている。固定部9は面ファスナーに限らず、ボタンとボタンホール又はスナップボタン等が種々の接合具が使用できる。
上記構成の温熱治療具1は、収納ポケット8が患部と当たるように巻き付けて、固定部9の面ファスナーのフック面とカール面とを貼り合せて固定する。図3は、1個の発熱板2を収納ポケット8を介して膝頭に当てて固定する場合を示している。図4は腰など広範囲に温熱治療を施すための温熱治療具1aを示している。温熱治療具1aの被覆材1aに設ける収納ポケット8aは、発熱板2を複数収容可能なよう細長形状を有しており、発熱板2がずれて重なったりするのを防止するために、収納ポケット8aには仕切りが設けられている。
図5は発熱板2を左右のこめかみ及び両目に当てることで、身体のリラックス効果を引き出す温熱治療具1bを示している。この温熱治療具1bでの被覆材7bは両側のこめかみとそれぞれ対向する左右一組の収納ポケット81と両目とそれぞれ対向する左右一組の収納ポケット82が設けられている。温熱治療具1bは、被覆材7bが発熱板2を収容している各一組の収納ポケット81,82がそれぞれ両こめかみと目とに接する状態で固定部9にて固定される。収納ポケット81,82に保持された発熱板2の発熱によって、両目及びこめかみの周辺を温めることで筋肉が弛緩して血行が良くなりリラックスできると共に、疲れ目や眼精疲労等の効果もある。この場合、使用者はリラックスできることから睡眠状態に陥りやすいため、通電タイマー10による通電時間は最大でも30分以内が好ましい。眠りに入るときには体温が徐々に下がり、リラックスできる副交感神経が交感神経より優位な状態となる。したがって、発熱板2が温かいままであると、交感神経が再び優位となってリラックス状態が維持できなくなる。そこで、30分以内の通電の遮断により、副交感神経が優位な状態を保持してリラックス状態に維持する。
1、1a、1b 温熱治療具
2 発熱板
3 ヒーター線
4 PTCサーモスタット
5 通電タイマー
7、7a、7b 被覆材
8、8a、81、82 収納ポケット
9 面ファスナー(固定部)
2 発熱板
3 ヒーター線
4 PTCサーモスタット
5 通電タイマー
7、7a、7b 被覆材
8、8a、81、82 収納ポケット
9 面ファスナー(固定部)
Claims (5)
- 高熱伝導性樹脂で形成される発熱板と、
前記発熱板を保持して患部を被覆する被覆材と、
前記発熱板に埋設されるヒーター線と、
前記ヒーター線に直列接続されて前記発熱板に埋設されるPTCサーミスタと、
前記被覆材を患部に固定する固定部と、
を備える温熱治療具。 - 前記PTCサーミスタは前記発熱板の温度が37℃から40℃の範囲内で発熱するよう抵抗温度特性を有することを特徴とする請求項1に温熱治療具。
- それぞれに前記ヒーター線と前記PTCサーミスタとが埋設された前記発熱板を複数備えて、
前記ヒーター線に電流を供給する通電ラインに、それぞれの前記発熱板の前記ヒーター線と前記PTCサーミスタとの各直列回路を並列に接続して成る請求項1又は2に記載の温熱治療具。 - 前記ヒーター線への通電を制御する通電タイマーを備える請求項1に記載の温熱治療具。
- 前記被覆材はタオル地の布で構成される請求項1に記載の温熱治療具。
Priority Applications (1)
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JP2018002862U JP3218333U (ja) | 2018-07-25 | 2018-07-25 | 温熱治療具 |
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JP (1) | JP3218333U (ja) |
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2018
- 2018-07-25 JP JP2018002862U patent/JP3218333U/ja not_active Expired - Fee Related
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