JP3217916B2 - コンクリート養生シート - Google Patents

コンクリート養生シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、土木工事の際、セ
メントの均質で良好な水和を行わしめ、コンクリートの
高い強度と優れた耐久性を得るために用いる養生シート
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築、土木工事でコンクリート打
設を行った後、急速にコンクリートが乾燥すると、セメ
ントの水和が困難となりコンクリートの強度や耐久性が
期待したより低下する等の支障を生じることが知られて
いる。コンクリート面は型枠を用いて、コンクリートを
打設後、1〜2日経過した時点で型枠を取り外す。取り
外した型枠は再使用されるので、早く外して回転率を上
げると経済的に有利となる。しかしながら、型枠を外す
とコンクリート面は乾燥し易くなり、養生が不充分とな
ってコンクリートの強度や耐久性を損なう。従って乾燥
を防止するために工事現場で、打設後のコンクリート面
に散水するとよいが、現実には工期短縮のために直ちに
次工程の工事を施す必要上、それに並行してしばしば散
水することはできない。また、壁面、天井等は水を掛け
にくく、掛けた後に水が垂れてくる問題点がある上に掛
けてもすぐに乾燥してしまう。
【0003】このように、常にコンクリート面が濡れて
いないとコンクリートの強度や耐久性は所期通りに向上
しない。そのため、コンクリート面の湿潤性を保つ目的
で、市販の重布または単純な不織布の養生シートをもっ
てコンクリート面を被覆することが行われているが、実
際には乾燥が早く、その効果は少ない。現在市販の養生
シートとしては、約5mmの厚さの発泡ポリウレタンシ
ートの両面に不織布をサンドイッチ状に積層した3層構
造のものが多用されている。しかし、この養生シートは
厚さが大きく、取り扱いに難があるため、主として床面
に敷いて用いられ、壁面等に取り付けるには適しない。
壁面等の取り付け難い箇所は通常の重布で覆うだけで、
養生シートとコンクリート壁面とは密着せず、両者間に
隙間が生じて殆ど保湿、保水効果はなかった。従って、
経済性を犠牲にして型枠の取り外しを遅くせざるを得な
いのが現状である。
【0004】一方、乾燥防止のため、高吸水性ポリマー
等の吸水性材料を混用した不織布等のシート状物を作製
し、打設コンクリート表面にこれを用いることが、例え
ば特開昭60−51263号公報あるいは特開昭63−
70765号公報に提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開昭60−51263号公報に記載された吸水性シート
では、未だ充分な乾燥防止効果を発揮しない。この吸水
シートは型枠を用いないスラブのコンクリート打設の際
に用いられ、コンクリートの打設後、コンクリートの固
まらない間に敷き詰められ、ブリージング水を除去し、
一旦取り外した後にコンクリート面の仕上げを行う。更
にその後、ブリージング水を含んだ養生シートをもう一
度スラブの上に載置し乾燥を防止するものである。従っ
て、この養生シートは取り付け時に既に吸水しているた
め、重くまた取り扱い難い。そのため、スラブの上に置
くことはできるが、スラブ下、柱面、梁面、壁面等に取
り付けることは至難である。また、たとえこのように既
に吸水膨潤してしまっている養生シートをコンクリート
面に取り付けてそれに更に散水しても、養生シートとコ
ンクリート面の間隙を養生シートの膨潤で埋めて、両者
を密着させることはできない。
【0006】また特開昭63−70765号公報に提案
された方法は、吸水性シートを打設コンクリート表面に
接触させ、コンクリート表面のブリージング水をいち早
く吸収除去した上、シートを取り除き、露出したコンク
リート面にセルフレベリング材を流布し効果的なセルフ
レベリングを達成しようとするもので、打設コンクリー
ト表面を養生期間中、保湿・保水することを本来目的と
しておらず、又それを示唆もしていない。従って、種々
な形態配置のコンクリート打設面に良く添着し、湿潤保
湿効果を奏する取り扱い便利なコンクリート養生シート
の出現は業界の渇仰するところである。
【0007】本発明者らは吸水シートの形状、構造およ
びその取り付け方法等を鋭意研究した結果、本発明を完
成するに至った。本発明の目的は、コンクリートの養生
施工方法に用いられる取り扱い至便にして優れた養生効
果を奏するコンクリート養生シートを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート養
生シートは、高吸水性重合体非嵩性成形物を10〜50
重量%及び熱融着繊維を15〜40重量%含有する不織
布を含む複数の不織布層からなり、第1層の前記不織布
中における高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量に対
し、第2層以後は高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量
が低いことを特徴とする。
【0009】また、本発明のコンクリート養生シートの
好適な実施態様において、上記不織布中における高吸水
性重合体非嵩性成形物の含有量が不織布の片面から他方
の面に向かって厚さ1mm当たり少なくとも2.5重量
%の傾斜を以て減少していることを特徴とする。
【0010】上記不織布は好ましくは、積層された複数
の不織布層からなり、これら不織布層の高吸水性重合体
非嵩性成形物の含有量は下層から上層に向かって少なく
とも2.5重量%/層厚1mmの傾斜をもって減少す
る。
【0011】上記不織布に含まれる高吸水性重合体非嵩
性成形物は、好ましくはカルボン酸基を有するα,β−
エチレン性不飽和単量体と、カルボン酸基と反応してエ
ステル架橋結合を形成し得るヒドロキシル基を有する
α,β−エチレン性不飽和単量体と、カルボン酸アルカ
リ金属塩基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体と
を共重合し、熱により架橋した重合体より形成され、少
なくとも800重量%且つ高々2000重量%の生理食
塩水を吸収し得るものである。
【0012】上記カルボン酸基を有するα,β−エチレ
ン性不飽和単量体とカルボン酸アルカリ金属塩基を有す
るα,β−エチレン性不飽和単量体とのモル比は好まし
くは1/1から1/10の範囲にあり、それら両者の合
計は好ましくは全単量体の70〜99.5重量%であ
り、またヒドロキシル基を有するα,β−エチレン性不
飽和単量体は上記カルボン酸基を有するα,β−エチレ
ン性不飽和単量体の遊離カルボン酸の好ましくは当量以
下で0.5重量%以上の量である。
【0013】また、本発明の養生シートは、高吸水性重
合体非嵩性成形物の含有量の少ない方の面がフィルム、
好適にはパーフォレーテッドフィルムでラミネートされ
ていることが好ましい。
【0014】更に、本発明の養生シートを構成する不織
布は、好ましくはその少なくとも片面に非吸水性繊維よ
りなる不織布を積層してなる。
【0015】以下、本発明を添付図面に基づいて詳述す
る。本発明にいう「高吸水性重合体非嵩性成形物」と
は、吸水能力が自重の800重量%程度以上である高吸
水性重合体よりなる非嵩性の成形物、即ち直径或いは厚
さがmmオーダー以下の小径或いは微細寸法の成形物、
例えば、繊維、粉体、顆粒、フレーク、スリットフィル
ム等を意味する。それらの内、繊維状成形物が特に好適
に用いられる。また、高吸水性重合体としては、特に養
生シートとしての用途で要求されるコンクリートより溶
出するカルシウム化合物等の成分を含有した水分の吸水
能力に優れたものが好ましい。このような吸水能力の評
価は、例えば生理食塩水の吸水能力をもって代用するこ
とができる。
【0016】本発明に用いる高吸水性重合体としては、
でんぷんのアクリル酸グラフト重合物、ポリアクリル酸
ナトリウム塩の架橋物、ポリエチレンオキシドの架橋
物、例えば特開昭61−26661号公報に記載されて
いる水不溶性のポリエチレンオキシド変性物等がある。
中でも塩類に影響され難いポリエチレンオキシドの架橋
物が好ましい。市販されている高吸水性重合体の例とし
ては、(株)クラレのKI−ゲル201K、昭和電工
(株)のビスコメートPX−112、東亜合成化学
(株)のアロンザップRS−2、荒川化学工業(株)の
アラソープS−100、積水化成品工業(株)のアクア
メイトAQ−100、住友化学工業(株)のスミカゲル
S−50(いずれも商標名)等がある。
【0017】繊維製造用として最も好適に適用される高
吸水性重合体としては、カルボン酸基を有するα,β−
エチレン性不飽和単量体と、カルボン酸基と反応してエ
ステル架橋結合を形成し得るヒドロキシル基を有する
α,β−エチレン性不飽和単量体と、カルボン酸アルカ
リ金属塩基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体と
を共重合し、熱により架橋した重合体である。
【0018】かかる高吸水性重合体のカルボン酸基を有
するα,β−エチレン性不飽和単量体としては、例えば
アクリル酸(以下「AA」と略記することがある)、メ
タクリル酸、マレイン酸等が用いられる。カルボン酸ア
ルカリ金属塩基を有するα,β−エチレン性不飽和単量
体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸等のアルカリ金属塩が用いられる。アルカリ金属と
してはナトリウム(以下「Na」と略記することがあ
る)、カリウム等が用いられる。カルボン酸基を有する
単量体とカルボン酸アルカリ金属塩基を有する単量体と
の好ましいモル比は1/1から1/10の範囲にある。
カルボン酸基を有する単量体とカルボン酸アルカリ金属
塩基を有する単量体は両者合計して70重量%から9
9.5重量%含まれることが好ましく、更に好ましくは
少なくとも80重量%である。70重量%未満では吸水
能力が不足する。
【0019】また、ヒドロキシル基を有するα,β−エ
チレン性不飽和単量体としては、例えばヒドロキシエチ
ルメタクリレート(以下「HEMA」と略記することが
ある)、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、グリセリルモノメタクリレート、グリセリルモノア
クリレート等が用いられる。これらのヒドロキシル基を
有する単量体は前記の遊離カルボン酸を有する単量体と
当量以下で且つ0.5重量%以上含まれることが好まし
く、0.5重量%未満では架橋が不足する虞れがある。
【0020】これらの単量体は各々複数の種類を用いて
もよい。また、上記の単量体以外に可塑性を付与するた
めに他のα,β−エチレン性不飽和単量体、例えば酢酸
ビニル(以下「VA」と略記することがある)、アクリ
ロニトリル等を併用してもよい。可塑化のための単量体
の量は30重量%以下である。
【0021】前記重合体の重合方法は特に限定されない
が、単量体組成が水溶性であれば水系重合すればよい。
重合開始剤には一般に用いる過硫酸ナトリウム等を用い
ればよい。
【0022】高吸水性重合体からの高吸水性繊維の紡糸
方法は一般的な乾式紡糸がよい。湿式紡糸の場合は凝固
剤に水を使用できないので、有機溶剤系を用いなければ
ならない。乾式紡糸した後は、水分が約10重量%以上
残ったまま乾熱で1.3倍以上延伸し、次いで乾熱で架
橋処理を行う。そして、クリンプ付与、カットを適宜行
う。水分が約10重量%以上残ったまま乾熱で1.3倍
以上延伸しないと、繊維の強度が不足する。此の際、分
子量の大きい繊維は吸水量も大きいが、一方分子量が大
きいために延伸しにくく、繊維強度が低下する傾向があ
る。
【0023】このようにして製造された高吸水性繊維は
生理食塩水を800重量%以上、好適な態様においては
1200%以上吸水する。但し、吸水量が2000重量
%を越えると繊維強度が低下する虞れがある。
【0024】次に、本発明に適用される熱融着繊維とし
ては特に限定しないが、例えば接着性発現温度即ち一般
には軟化点ないし融点が高吸水性重合体の融点よりも3
0℃以上低いもの等が好ましく、上記に例示した高吸水
性繊維を用いる場合、ポリプロピレンや共重合ポリエス
テル等が挙げられる。更に、このような熱融着繊維成分
として、例えばポリプロピレン又はポリエチレンテレフ
タレート芯成分とポリエチレン鞘成分とを複合紡糸した
複合繊維等を用いる場合は熱融着後も高い強度が維持さ
れるので好ましい。本発明の養生シートが含有する熱融
着繊維の量は全体の15〜40重量%である。
【0025】本発明の養生シートは、このような高吸水
重合体非嵩性成形物を10〜50重量%、熱融着繊維を
15〜40重量%含有する不織布からなるものであり、
この条件を満たすことを要し、更にポリエステル、ナイ
ロン、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン等
の合成繊維、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、再生繊維
等から選ばれた適宜な第三の繊維を基材繊維として含有
する。高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量は、更に好
ましくは30重量%以上であり、10重量%未満では実
用上、吸水・保水能力が不足する一方、50重量%を越
えるとシートの強度が低下し実用上問題となる。
【0026】本発明に用いる不織布の製造方法は、基材
繊維と高吸水性非嵩性成形物と熱融着繊維とを混合した
スライバー、フリース、ラップ等を用いて、例えばニー
ドルパンチ法で成形する方法、或いは各繊維や高吸水性
非嵩性成形物をエアレイ法で混合しながら成形する方法
等、周知慣用の方法を適宜に適用することができる。熱
融着繊維はできるだけ少量にする方が、よく膨潤するの
で好ましい。また、クロスレイ方式では高吸水性繊維の
場合には通常の混綿方法でよいが、非繊維状高吸水性重
合体非嵩性成形物の場合は繊維のエアレイ方式と異なり
混綿できないので、ウェッブの上に散布する方法を用い
るとよい。
【0027】上記不織布は形成後またはその複数層を積
層する前或いは後に、上記熱融着繊維の接着性発現温
度、即ち一般には融点温度ないし軟化温度以上で且つ高
吸水性重合体非嵩性成形物の融点未満の温度を以って熱
処理を施して熱融着繊維同士および/または熱融着繊維
と基材繊維および/または高吸水性重合体非嵩性成形物
との交点や接点を熱接着せしめ、高吸水性重合体非嵩性
成形物の不織布中の配置を固定すると共に、不織布に強
度を与え形態を安定化する。
【0028】本発明の養生シートの最も好ましい態様
は、前記の如き不織布の厚さ方向において、高吸水性重
合体非嵩性成形物の含有量が裏面(コンクリートに近い
面)から表面に向かって厚さ1mm当り少なくとも2.
5重量%の傾斜をもって減少している点である。
【0029】またその不織布が複数の不織布層を積層し
てなる場合には、各不織布層の高吸水性重合体非嵩性成
形物の含有量は下層(コンクリート面に近い層)から上
層に向かって少なくとも2.5重量%/層厚1mmの傾
斜をもって減少する。
【0030】以下、図面に示した好適な態様に基づいて
本発明を説明する。図1は、本発明の養生シートの使用
状態を示す部分横断面図であって、1は養生シート、2
はコンクリート、3は高吸水性繊維、4は熱融着繊維を
示す(基材繊維は図示しない)。また、同図の養生シー
トは、コンクリートと直接接触する下層の厚さ約2mm
の第1層5と外層に近い上層の厚さ約2mmの第2層6
の2層の不織布よりなっている。
【0031】しかして、第1層5の高吸水性繊維の含有
量は第2層6のそれの含有量よりも少なくとも5重量%
多い。即ち、下層5から上層6へ向かって高吸水性繊維
の含有量は2.5重量%/層厚1mmの傾斜を以て減少
する。このようにコンクリートに接する側の第1層の不
織布の高吸水性繊維の含有量は多い方が水分の保持量も
多く、コンクリートの乾燥をよく防止するのみならず、
不織布の水による膨潤が大きく、コンクリート面に密着
し易くなり、乾燥防止効果が向上する。
【0032】このような見地から、第1層の高吸水性重
合体非嵩性成形物、例えば繊維の含有量は、好ましくは
少なくとも30重量%である。一方、第2層以後は第1
層より高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量は低く、好
ましくは少なくとも2.5重量%/層厚1mmの傾斜を
以て低くする方がよい。即ち、大気に接する側の水分保
持率は低い方がトータルとして乾燥防止効果が向上す
る。
【0033】また、本発明の養生シートが含有する熱融
着繊維の量は既述の通り、15から40重量%である
が、第1層5の不織布は水膨潤性が高い方がよいので、
熱融着繊維の含有量は低くする方がよい。一方、第2層
6以後は強度を保持させるため熱融着繊維の含有量を多
くする方がよく、好ましくは少なくとも20重量%であ
る。
【0034】本発明の養生シートでは、更に好ましくは
大気に接する側にフィルム7をラミネートすると不織布
を積層した養生シートの形態安定性、損傷防止、取り扱
い性を向上する。しかしながら、養生シートをコンクリ
ート面に装設して散水した際、シートの吸水を助けるた
めに、例えばその面積の約30%程度の開孔を施したパ
ーフォレーテッドフィルムとすることが好ましい。フィ
ルムの材質は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、
塩ビ、ポリエステル等の安価なもので充分である。ま
た、取り扱い時の損傷の虞れが少ない場合には約20μ
mの厚さでもよく、取り扱い状態の必要性に応じて適宜
な厚さを選定すればよい。
【0035】また、本発明の養生シートは、その少なく
とも片面に非吸水性繊維、例えば基材繊維のみよりなる
不織布を積層して形態を安定させることが更に望まし
い。其の際は吸水性重合体非嵩性成形物を含有する不織
布の所期の吸水機能を損なわない程度の厚さ及び目付の
ものを適宜に選定して用いる。
【0036】
【作用】本発明の養生シートは打設したコンクリート面
からコンクリート型枠を取り外した後、なお湿潤状態に
あるコンクリート打設面に密着させて使用する。即ち、
本発明の養生シートは型枠を取り外した後の湿潤状態に
あるコンクリート面に両面接着テープ、マジックテー
プ、埋め込みボルト、例えばフォームタイのボルト等に
より、装着した後、散水し、シートに水を吸水させる。
水を吸収すると本発明の養生シートは膨潤し、コンクリ
ート面との間隙を埋めるように密着する。水を含んだシ
ートで密着するために、コンクリートは水中養生するよ
うな状態が維持され、理想的な強度が得られる。
【0037】
【実施例】本発明を更に以下実施例について具体的に説
明する。
【0038】コンクリートから出る水はアルカリ性であ
り、また高吸水性重合体の吸水率は一般に真水の場合と
イオン水の場合とでは異なる。従って、コンクリートか
ら出る水の代替として吸水率の測定には生理食塩水を用
いた。高吸水性非嵩性成形物の生理食塩水吸水率はDI
N53814に準じて測定した。高吸水性非嵩性成形
物、例えば繊維の組成は蛍光X線分析によりアルカリ金
属塩の含有量を測定した。また、単量体組成は真空乾燥
した試料をIRで測定した。重合率はイヤトロスキャン
MK5(TLC/FID)で測定した。高吸水性非嵩性
成形物の含有率は他の繊維を溶解し、洗浄後、乾燥重量
より求めた。繊維強度等はJIS L 1015に準じ
て測定した。
【0039】(製造例1)表1に示す重合組成でモノマ
ー濃度15重量%、重合温度55℃、重合開始剤に過硫
酸ナトリウムを用い、重合時間4時間で水溶液重合を行
った。重合率をTLCで測定した結果モノマーのピーク
はなかったので重合率は実質上100%であった。従っ
て得られたポリマーの重合組成は重合仕込み組成と一致
した。次いで、得られたポリマードープを濃縮し、50
℃で90ポイズ近くに粘度調整した。一般に用いられる
乾式紡糸と同様にして乾熱窒素気流中に紡出、乾燥し、
水分が20重量%残った糸を乾熱100℃で1.5倍延
伸した。ギアクリンパーでクリンプを付与した後、12
0℃で5分間乾熱架橋処理を行い、カットし、10デニ
ール、51mmの高吸水性繊維を得た。得られた高吸水
性繊維の生理食塩水の吸水率を表1に示した。
【0040】得られた繊維の機械的強度は1g/デニー
ル以上あり、通常のカードに仕掛けることができた。組
成No.4は吸水率は高いが架橋が不足し、水に部分的
に溶解した。組成No.5は吸水率が不足した。
【0041】
【表1】
【0042】(製造例2)製造例1で製造した組成N
o.2の高吸水性繊維と市販の芯ポリエステル、鞘ポリ
エチレンの熱融着繊維3デニール51mm長と市販のポ
リエステル繊維2デニール51mm長とを表2に示す割
合で調合し、一般に用いられるニードルパンチング法で
不織布を製造した。即ち、混綿後、カーディングし、ニ
ードルパンチング後110℃の加圧ヒーターローラで目
付け200g/m2 の不織布を製造した。得られた不織
布の厚さは約1.8から2mmであった。この不織布の
生理食塩水の吸水率を表2に示した。
【0043】
【表2】
【0044】(実施例1)通常のポルトランドセメント
を用い、セメント:水:珪砂5号の重量比2:1:1の
混合物を作り、型に流し込み、水中で2日間養生し、表
面水分を濡れた布で拭き取り、なお湿潤状態にあるもの
を試験片とした。製造例2で製造した不織布を表3に示
す組合わせで貼合わせた養生シートを、高吸水性繊維の
含有量の高い側がコンクリート面に接触するように試験
片に巻き付け、1週間経過後、コンクリート試験片のア
イゾット衝撃強度を測定し、表3に示した。
【0045】
【表3】
【0046】(実施例2)実施例1の表3に示した組合
わせNo.1の養生シートの第3層に40μm厚さのポ
リエステルフィルムをラミネートした養生シートを製造
し、実施例1と同様にしてコンクリート試験片のアイゾ
ット衝撃強度を測定した。結果は20kgf・cmであ
った。
【0047】(実施例3)通常のポルトランドセメント
とまた細骨材に大井川川砂(FM:2.81)、粗骨材
に大井川川砂利(FM:6.90)とを用いて、セメン
ト285kg、水185kg、川砂893kg、川砂利
906kgの割合で混練りし、コンクリートを打設し被
験体とした。製造例2で用いた高吸水性繊維、熱融着繊
維およびポリエステル繊維を重量比10:20:70の
割合で使用し、エアレイ法で厚さ1.8〜2mmの不織
布を製造した。各繊維の繊維長は6mmのものを用い
た。この不織布の上下両面に15g/m2 のポリエステ
ル不織布を積層して本発明の養生シートとした。シート
の厚さは約3mm、トータル目付けは230g/m2
あった。
【0048】打設後、2日経過した時点で型枠を取り外
したコンクリートの養生を次の方法で行った。 1)散水養生 コンクリートに1日1回散水する。 2)シート養生(本発明のシートを用いる) 被験体のコンクリートに養生シートを埋め込みボルトを
利用して巻き付け、散水し、シートを吸水、膨潤させ、
コンクリート面に密着させた。散水回数は変化させた。 3)気中養生 空気中に放置する。
【0049】養生後、圧縮強度、および炭酸ガス濃度5
%、室温30℃、湿度60%の恒温恒湿室の中性化促進
試験を行った。ここで「中性化」とは、pH=12.5
〜13.5のアルカリ性のコンクリート中に大気中の炭
酸ガスが侵入し、中和反応によりコンクリートが中性に
なることを意味する。コンクリートが中性化すると鉄筋
の不動態が失われ、鉄筋が腐食する。その結果、耐久性
が低下する。中性化深さは、フェノールフタレインの1
%アルコール溶液の呈色境界で測定する。結果を表4に
示した。
【0050】
【表4】
【0051】(実施例4)高吸水性繊維、熱融着繊維、
ポリエステル繊維を重量比20:20:60の割合で用
いる外は実施例3と同様エアレイ法で本発明の養生シー
トを製造した。シート養生を行い、散水は中間なしにし
たが、中性化促進試験開始後7日経過時点の中性化深さ
は0.6mmであった。
【0052】(比較例)実施例4と同様にして、コンク
リート面と養生シートとの間に2mm厚さのスペーサー
を挟み、毎日1回散水して養生した。この被験体の中性
化促進試験開始後7日経過時点の中性化深さは2.6m
mであった。
【0053】(実施例5)実施例3と同様にして、高吸
水性繊維の代わりに顆粒状高吸水性重合体「アロンザッ
プRS−2」を用いて厚さ約2.0mm(ポリエステル
不織布積層後の厚さ約3.0mm)の本発明の養生シー
トを製造した。シート養生を行い散水は中間無しにした
が、中性化促進試験開始後7日経過時点の中性化深さは
1.2mmであった。
【0054】(実施例6)実施例3と同様にして、高吸
水性繊維10重量%と顆粒状高吸水性重合体「アロンザ
ップRS−2」10重量%を用いて厚さ約2.0mm
(ポリエステル不織布積層後の厚さ約3.0mm)本発
明の養生シートを製造した。シート養生を行い、散水は
中間無しにしたが、中性化促進試験開始後7日経過後の
中性化深さは0.9mmであった。
【0055】
【発明の効果】本発明のコンクリートの養生シートは保
湿、保水効果が優れ、吸水することにより膨潤するため
コンクリート面と良く密着し、またコンクリートの急激
な乾燥を防止するためコンクリートの強度、緻密性並び
に耐久性を著しく向上することができる。また、施工上
も適度な強度と形態安定性のため取り扱い易く、コンク
リート型枠を早期に取り外すことができ、工事の進捗に
効果が大きく、建築コストの低減が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の養生シートの使用状態を示す横断面図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米澤 敏男 千葉県印旛郡印西町大塚1丁目5番 株 式会社 竹中工務店 技術研究所内 (72)発明者 小島 正朗 千葉県印旛郡印西町大塚1丁目5番 株 式会社 竹中工務店 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平2−183049(JP,A) 実開 昭63−21367(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/02 104

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高吸水性重合体非嵩性成形物を10〜5
    0重量%及び熱融着繊維を15〜40重量%含有する不
    織布を含む複数の不織布層からなり、第1層の前記不織
    布中における高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量に対
    し、第2層以後は高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量
    が低いことを特徴とするコンクリート養生シート。
  2. 【請求項2】 上記不織布中における高吸水性重合体非
    嵩性成形物の含有量が不織布の片面から他方の面に向か
    って厚さ1mm当たり少なくとも2.5重量%の傾斜を
    以て減少していることを特徴とする請求項1のコンクリ
    ート養生シート
  3. 【請求項3】 前記不織布が積層された複数の不織布層
    からなり、これら不織布層の高吸水性重合体非嵩性成形
    物の含有量が下層から上層に向かって少なくとも2.5
    重量%/層厚1mmの傾斜をもって減少している請求項
    2の養生シート。
  4. 【請求項4】 高吸水性重合体非嵩性成形物がカルボン
    酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体と、カル
    ボン酸基と反応してエステル架橋結合を形成し得るヒド
    ロキシル基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体
    と、カルボン酸アルカリ金属塩基を有するα,β−エチ
    レン性不飽和単量体とを共重合し、熱により架橋した重
    合体より形成され、少なくとも800重量%且つ高々2
    000重量%の生理食塩水を吸収し得るものである請求
    項2の養生シート。
  5. 【請求項5】 カルボン酸基を有するα,β−エチレン
    性不飽和単量体とカルボン酸アルカリ金属塩基を有する
    α,β−エチレン性不飽和単量体とのモル比が1/1か
    ら1/10の範囲にあり、それら両者の合計が全単量体
    の70〜99.5重量%であり、またヒドロキシル基を
    有するα,β−エチレン性不飽和単量体は上記カルボン
    酸基を有するα,β−エチレン性不飽和単量体の遊離カ
    ルボン酸の当量以下で0.5重量%以上の量である請求
    項4の養生シート。
  6. 【請求項6】 高吸水性重合体非嵩性成形物が繊維であ
    る請求項1〜5の何れかに記載の養生シート。
  7. 【請求項7】 高吸水性重合体非嵩性成形物の含有量の
    少ない側の面がフィルムでラミネートされている請求項
    2の養生シート。
  8. 【請求項8】 少なくとも片面に非吸水性繊維よりなる
    不織布を積層してなる請求項2の養生シート。
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