JP3217427B2 - 耐塊鉱物摩耗材料 - Google Patents
耐塊鉱物摩耗材料Info
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- JP3217427B2 JP3217427B2 JP04621792A JP4621792A JP3217427B2 JP 3217427 B2 JP3217427 B2 JP 3217427B2 JP 04621792 A JP04621792 A JP 04621792A JP 4621792 A JP4621792 A JP 4621792A JP 3217427 B2 JP3217427 B2 JP 3217427B2
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- Japan
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- weight
- lump
- carbide
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- matrix
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄工場の高炉及びそ
の原料処理設備に於いて利用されるライナー，プレート
等の耐久性を著しく高めた耐塊鉱物摩耗材料に関するも
のである。
の原料処理設備に於いて利用されるライナー，プレート
等の耐久性を著しく高めた耐塊鉱物摩耗材料に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】製鉄工場の高炉及びその原料処理設備
は、大量の硬質塊鉱物が衝突し通過していくために、耐
摩耗性が非常に重要であり、高炉炉内、焼結槽内等高温
に至る部分以外は、主に高炭素・高クロム鋳鉄材が使用
されている。この材料は高硬度のクロム炭化物を多量に
含有することから、耐塊鉱物摩耗に対して有効である場
合が多い。
は、大量の硬質塊鉱物が衝突し通過していくために、耐
摩耗性が非常に重要であり、高炉炉内、焼結槽内等高温
に至る部分以外は、主に高炭素・高クロム鋳鉄材が使用
されている。この材料は高硬度のクロム炭化物を多量に
含有することから、耐塊鉱物摩耗に対して有効である場
合が多い。
【０００３】これらの耐塊鉱物摩耗材料は、高クロム鋳
鉄材を単体鋳物で使用するもの、溶接ワイヤー肉盛によ
るもの、溶湯を用いた鋳掛け肉盛によるもの等各種の製
造法で製作されている。
鉄材を単体鋳物で使用するもの、溶接ワイヤー肉盛によ
るもの、溶湯を用いた鋳掛け肉盛によるもの等各種の製
造法で製作されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従来の高クロム鋳鉄材
は、Ｃ２．５〜５．５重量％，Ｃｒ１５〜３５重量％，
を主成分とし、これに若干の合金元素（Ｍｏ，Ｖ，Ｎｂ
等）を添加した材料が使われている。一般に耐塊鉱物摩
耗材料は、炭化物の量，形状とこれを保持する基地の強
度，耐摩耗性によって耐久性が決まる。即ち、第一には
塊鉱物との衝突，接触によって炭化物が破壊，脱落する
こと、第二にこの炭化物を囲む基地強度が低いため炭化
物を保持できず炭化物が脱落してしまうこと、及び第三
に基地自身が摩耗すること等が重なって摩耗が進行する
のである。本発明では上記問題点を解消し耐久性に富む
耐塊鉱物摩耗材料を提供することを目的とするものであ
る。
は、Ｃ２．５〜５．５重量％，Ｃｒ１５〜３５重量％，
を主成分とし、これに若干の合金元素（Ｍｏ，Ｖ，Ｎｂ
等）を添加した材料が使われている。一般に耐塊鉱物摩
耗材料は、炭化物の量，形状とこれを保持する基地の強
度，耐摩耗性によって耐久性が決まる。即ち、第一には
塊鉱物との衝突，接触によって炭化物が破壊，脱落する
こと、第二にこの炭化物を囲む基地強度が低いため炭化
物を保持できず炭化物が脱落してしまうこと、及び第三
に基地自身が摩耗すること等が重なって摩耗が進行する
のである。本発明では上記問題点を解消し耐久性に富む
耐塊鉱物摩耗材料を提供することを目的とするものであ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、Ｃ３．０〜
７．０重量％，Ｓｉ０．３〜３．０重量％，Ｍｎ０．３
〜１．５重量％，Ｃｒ１５．０〜３５．０重量％，Ｍｏ
３．０〜１０．０重量％，Ｗ３．０〜１０．０重量％，
Ｖ０．５〜２．０重量％残部Ｆｅ及び不可避的不純物で
ある鋳掛鋳造合金より成る耐塊鉱物摩耗材料である。
７．０重量％，Ｓｉ０．３〜３．０重量％，Ｍｎ０．３
〜１．５重量％，Ｃｒ１５．０〜３５．０重量％，Ｍｏ
３．０〜１０．０重量％，Ｗ３．０〜１０．０重量％，
Ｖ０．５〜２．０重量％残部Ｆｅ及び不可避的不純物で
ある鋳掛鋳造合金より成る耐塊鉱物摩耗材料である。
【０００６】
【作用】一般に耐塊鉱物摩耗性を増大させるためには、
炭化物量を増大させることが条件になるが、この炭化物
が破壊されたり脱落したりすることを最小限に止める必
要がある。そこで炭化物の量，大きさには上限が存在す
る。一方、炭化物を保持する基地の強度が不足する場合
及び基地の耐摩耗性が欠如し早期に基地が摩耗する場合
等には基地が炭化物を保持することができず、脱落し摩
耗速度を著しく早める。結局材料の耐塊鉱物摩耗特性を
高めるためには、可及的多量の炭化物を含有し、かつそ
れを保持できる強度と耐摩耗性をもった基地を形成する
ことが肝要となる。
炭化物量を増大させることが条件になるが、この炭化物
が破壊されたり脱落したりすることを最小限に止める必
要がある。そこで炭化物の量，大きさには上限が存在す
る。一方、炭化物を保持する基地の強度が不足する場合
及び基地の耐摩耗性が欠如し早期に基地が摩耗する場合
等には基地が炭化物を保持することができず、脱落し摩
耗速度を著しく早める。結局材料の耐塊鉱物摩耗特性を
高めるためには、可及的多量の炭化物を含有し、かつそ
れを保持できる強度と耐摩耗性をもった基地を形成する
ことが肝要となる。
【０００７】本発明者らはこの観点から、各種合金元素
の効果を試験し、ＭｏとＷの添加が非常に有効であるこ
とを見出した。図１に５重量％Ｃ−３０重量％Ｃｒ鋳鉄
に対するＭｏ，Ｗ添加量とショアー硬さの関係を示す。
Ｍｏ，Ｗが硬さを著しく増大させることが判る。また図
２にミクロ組織を示す。ここではＭｏ，Ｗの非添加材、
Ｍｏ，Ｗを各々７重量％添加した材料のものである。Ｍ
ｏ，Ｗの添加によってクロム炭化物の周囲の基地中に網
状のＭｏ，Ｗ系微細共晶炭化物が生成しており、基地を
強化すると共に基地の耐摩耗性を改善できることが判明
した。また基地のマルテンサイトもＭｏ，Ｗの添加によ
って緻密になり、これらの結果硬さが著しく上昇するこ
とも確認した。
の効果を試験し、ＭｏとＷの添加が非常に有効であるこ
とを見出した。図１に５重量％Ｃ−３０重量％Ｃｒ鋳鉄
に対するＭｏ，Ｗ添加量とショアー硬さの関係を示す。
Ｍｏ，Ｗが硬さを著しく増大させることが判る。また図
２にミクロ組織を示す。ここではＭｏ，Ｗの非添加材、
Ｍｏ，Ｗを各々７重量％添加した材料のものである。Ｍ
ｏ，Ｗの添加によってクロム炭化物の周囲の基地中に網
状のＭｏ，Ｗ系微細共晶炭化物が生成しており、基地を
強化すると共に基地の耐摩耗性を改善できることが判明
した。また基地のマルテンサイトもＭｏ，Ｗの添加によ
って緻密になり、これらの結果硬さが著しく上昇するこ
とも確認した。
【０００８】次に各成分元素の数値限定理由を述べる。
Ｃは、Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖ等と結合して硬質の炭化物を
形成する元素であるが、３．０重量％未満では、上記炭
化物の量が不足し耐摩耗性を悪化させる。一方、７．０
重量％を越えると炭化物が過剰に生成し脆化するためＣ
は３．０〜７．０重量％とした。Ｓｉは、溶湯の脱酸の
ために必要な元素であり、０．３重量％未満では脱酸効
果が不足し、一方、３．０重量％を越えると脆化するた
め好ましくない。
Ｃは、Ｃｒ，Ｍｏ，Ｗ，Ｖ等と結合して硬質の炭化物を
形成する元素であるが、３．０重量％未満では、上記炭
化物の量が不足し耐摩耗性を悪化させる。一方、７．０
重量％を越えると炭化物が過剰に生成し脆化するためＣ
は３．０〜７．０重量％とした。Ｓｉは、溶湯の脱酸の
ために必要な元素であり、０．３重量％未満では脱酸効
果が不足し、一方、３．０重量％を越えると脆化するた
め好ましくない。
【０００９】Ｍｎは、Ｓｉと同じく脱酸のために必要な
元素であるが、０．３重量％未満ではその効果が不足す
る。一方、Ｍｎは強力なオーステナイト形成元素であ
り、材料の冷却過程で基地がオーステナイトからマルテ
ンサイトへ変態する現象を妨げる作用を有することから
Ｍｎの上限を１．５重量％とした。Ｃｒは、硬質の炭化
物を形成すると共に基地に固溶し強化する元素である
が、１５．０重量％未満では炭化物が不足し、一方、３
５．０重量％を越えると炭化物が粗大化し、かつ過剰に
生成するため材質が脆化することから上限を３５．０重
量％とした。
元素であるが、０．３重量％未満ではその効果が不足す
る。一方、Ｍｎは強力なオーステナイト形成元素であ
り、材料の冷却過程で基地がオーステナイトからマルテ
ンサイトへ変態する現象を妨げる作用を有することから
Ｍｎの上限を１．５重量％とした。Ｃｒは、硬質の炭化
物を形成すると共に基地に固溶し強化する元素である
が、１５．０重量％未満では炭化物が不足し、一方、３
５．０重量％を越えると炭化物が粗大化し、かつ過剰に
生成するため材質が脆化することから上限を３５．０重
量％とした。
【００１０】Ｍｏ及びＷは、上述の様にＣｒ炭化物に固
溶し強化するほか、基地中に微細共晶炭化物を生成さ
せ、更に基地のマルテンサイトを強化する効果がある
が、３．０重量％未満ではその効果が期待できず、一
方、１０．０重量％以上添加しても効果が飽和するため
上限を１０．０重量％とした。
溶し強化するほか、基地中に微細共晶炭化物を生成さ
せ、更に基地のマルテンサイトを強化する効果がある
が、３．０重量％未満ではその効果が期待できず、一
方、１０．０重量％以上添加しても効果が飽和するため
上限を１０．０重量％とした。
【００１１】Ｖは、炭化物及び基地を強化する元素であ
るが、０．５重量％未満ではその効果がなく、一方、
２．０重量％を越えるとＶがＣとの結合力が強いことか
ら、Ｃｒ炭化物及びＭｏ，Ｗによる微細共晶炭化物の生
成を阻害するため上限を２．０重量％とした。なお溶湯
中にＰ，Ｓが増加すると脆化するためその量は０．０５
重量％以下とするのが好ましい。またＮｉは、Ｍｎと同
様にマルテンサイト変態を阻害し、残留オーステナイト
が硬さを低下させ耐摩耗性を悪化するため可及的低く
し、０．３重量％以下とするのが好ましい。
るが、０．５重量％未満ではその効果がなく、一方、
２．０重量％を越えるとＶがＣとの結合力が強いことか
ら、Ｃｒ炭化物及びＭｏ，Ｗによる微細共晶炭化物の生
成を阻害するため上限を２．０重量％とした。なお溶湯
中にＰ，Ｓが増加すると脆化するためその量は０．０５
重量％以下とするのが好ましい。またＮｉは、Ｍｎと同
様にマルテンサイト変態を阻害し、残留オーステナイト
が硬さを低下させ耐摩耗性を悪化するため可及的低く
し、０．３重量％以下とするのが好ましい。
【００１２】
【実施例】以下本発明の実施例について詳述する。この
実施例は、本発明材と比較材を用いて、図４に示す鋳掛
け肉盛法でクラッシングプレート（受歯）を製造したも
のである。即ち、普通鋼材１で枠をつくりその中に、本
発明材及び比較材の成分に調整した溶湯２を注入し、凝
固する際カーボン電極３を用いてアーク加熱を加えるこ
とによって普通鋼材１と溶湯２を密着させるものであ
る。上述の方法により、表１に示す成分で、肉盛部が幅
２００mm，高さ１８９mm，長さ２２００mmの焼結工場破
砕機のクラッシングプレートを製造し、実機使用に供し
た。
実施例は、本発明材と比較材を用いて、図４に示す鋳掛
け肉盛法でクラッシングプレート（受歯）を製造したも
のである。即ち、普通鋼材１で枠をつくりその中に、本
発明材及び比較材の成分に調整した溶湯２を注入し、凝
固する際カーボン電極３を用いてアーク加熱を加えるこ
とによって普通鋼材１と溶湯２を密着させるものであ
る。上述の方法により、表１に示す成分で、肉盛部が幅
２００mm，高さ１８９mm，長さ２２００mmの焼結工場破
砕機のクラッシングプレートを製造し、実機使用に供し
た。
【００１３】
【表１】
【００１４】本発明材と比較材の使用結果を図５に示
す。これから明らかな如く、本発明材は比較材の約２倍
の耐久性を示し、良好な結果が得られていることが判
る。
す。これから明らかな如く、本発明材は比較材の約２倍
の耐久性を示し、良好な結果が得られていることが判
る。
【００１５】
【発明の効果】以上述べて来た如く、本発明による耐塊
鉱物摩耗材料は、耐久性の向上に非常に有効であり、鉄
鋼工場の各設備の操業の安定化とメンテナンスの低減に
大きく寄与するものである。
鉱物摩耗材料は、耐久性の向上に非常に有効であり、鉄
鋼工場の各設備の操業の安定化とメンテナンスの低減に
大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】Ｍｏ及びＷの含有量とショア硬さの関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図２】Ｍｏ及びＷを含まない比較材の金属組織顕微鏡
写真であり倍率は４００倍である。
写真であり倍率は４００倍である。
【図３】Ｍｏ及びＷを各７．０重量％含む本発明材料の
金属組織顕微鏡写真であり倍率は４００倍である。
金属組織顕微鏡写真であり倍率は４００倍である。
【図４】本発明実施例に於けるクラッシングプレートの
製造法を示す説明図である。
製造法を示す説明図である。
【図５】本発明実施例に於ける摩耗試験の結果を示すグ
ラフである。
ラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−16952（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−175847（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−64443（ＪＰ，Ａ) 特開 昭55−134153（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 37/06 F16B 13/00
Claims (1)
- 【請求項１】 Ｃ３．０〜７．０重量％，Ｓｉ０．３〜
３．０重量％，Ｍｎ０．３〜１．５重量％，Ｃｒ１５．
０〜３５．０重量％，Ｍｏ３．０〜１０．０重量％，Ｗ
３．０〜１０．０重量％，Ｖ０．５〜２．０重量％残部
Ｆｅ及び不可避的不純物である鋳掛鋳造合金より成る耐
塊鉱物摩耗材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04621792A JP3217427B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 耐塊鉱物摩耗材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP04621792A JP3217427B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 耐塊鉱物摩耗材料 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05214483A JPH05214483A (ja) | 1993-08-24 |
| JP3217427B2 true JP3217427B2 (ja) | 2001-10-09 |
Family
ID=12740943
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP04621792A Expired - Lifetime JP3217427B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 耐塊鉱物摩耗材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3217427B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4919610B2 (ja) * | 2005-03-11 | 2012-04-18 | 特殊電極株式会社 | 焼結クラッシャー受歯 |
| CN103451511B (zh) * | 2013-09-03 | 2015-11-18 | 广州有色金属研究院 | 一种抗磨损用材料 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5928620B2 (ja) * | 1979-04-06 | 1984-07-14 | 関東特殊製鋼株式会社 | 熱間圧延ロ−ル材 |
| JPS5916952A (ja) * | 1982-07-20 | 1984-01-28 | Mitsubishi Metal Corp | 耐摩耗性にすぐれたＦｅ基焼結材料 |
| JP2684736B2 (ja) * | 1988-12-27 | 1997-12-03 | 大同特殊鋼株式会社 | 粉末冷間工具鋼 |
| JP2785139B2 (ja) * | 1989-08-02 | 1998-08-13 | 株式会社日立製作所 | 圧延用複合ロール及びその製造法 |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP04621792A patent/JP3217427B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05214483A (ja) | 1993-08-24 |
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Legal Events
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