JP3217014B2 - 炎感知器 - Google Patents

炎感知器

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JP3217014B2
JP3217014B2 JP17089797A JP17089797A JP3217014B2 JP 3217014 B2 JP3217014 B2 JP 3217014B2 JP 17089797 A JP17089797 A JP 17089797A JP 17089797 A JP17089797 A JP 17089797A JP 3217014 B2 JP3217014 B2 JP 3217014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽光や人工光の存
在する場所で、それらの光の影響を受けずに、炎の光を
感知する炎感知器に関する。
【0002】
【従来の技術】炎を感知するには、炎の中に含まれてい
る高温の炭酸ガスが発する共鳴放射を検出するのが良い
方法であることが従来から知られている。炭酸ガスの共
鳴放射の線スペクトルには多くの波長のものがあるが、
一般の人工照明や太陽光と区別するには、その中で赤外
線領域又は紫外線領域にあるものを炎の感知に利用する
のが好適である。何故なら、照明等の人工光の中には両
帯域に属する光の成分が少なくて、炎感知の際の外光の
擾乱が少ないからである。
【0003】従来は太陽光のもとで炎を感知するため
に、炎が発生する炭酸ガスの共鳴放射による線スペクト
ルを検出して炎の発生を感知するようにしていた。その
方法として太陽光や人工光のような連続スペクトルと、
炎の線スペクトルとを区別するために、炎の線スペクト
ルだけを透過させる狭帯域の単色フィルターと、その帯
域の近傍の一つ又は複数の波長の光を透過させる複数の
狭帯域の単色フィルターとによって得られる、複数の出
力を比較計算して、その光が炎の線スペクトルか太陽光
による連続スペクトルかを区別するようにしていた。
【0004】他の方法としては、炎の発生する光のちら
つきを利用して炎の発生を感知していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の炭酸ガスの共鳴
放射を利用する方法の中でフィルターを使うものでは、
誤報が少なくて確実に炎を感知する炎感知器を得るには
少なくとも三個の単色フィルターを必要とし、また感知
のための計算回路も複雑になるので高価になる欠点を持
っていた。
【0006】2個以下のフィルターで構成したものは、
誤報が多い欠点を持っていた。炎のちらつきを利用した
ものも、安価ではあるが誤報が多い欠点を持っていた。
本発明は2個のフィルターで、従来の3個のフィルター
を用いたものと同等の確実さで炎を感知出来るもの、或
いは3個のフィルターを用いても計算回路が簡単なもの
を提供して、安価で確実性の高い感知器を得ることを可
能にしようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は炎の発する炭酸
ガスの共鳴放射による線スペクトルを検出して炎を感知
する技術に属するものである。その発明の思想は紫外か
ら赤外に至る全ての波長領域で応用可能のものである
が、どの波長領域においてもその基本的な考え方は同じ
であるから、以下の説明では赤外線領域にある炭酸ガス
の共鳴放射の線スペクトルを利用する場合を実施形態と
して説明する。
【0008】太陽光や一般の人工光或いはストーブのよ
うなものも可視光だけでなく、これらの赤外領域でも放
射が行われている。しかしこれらの放射は連続スペクト
ルである。これに対して炎の発する炭酸ガスの共鳴放射
のスペクトルは極く狭い領域にエネルギーが集中してい
る線スペクトルである。このような連続スペクトルと線
スペクトルの差を炎の検出に利用する。本発明ではこれ
らの線スペクトルを検出するために次のような手段をと
る。
【0009】第1の手段は、赤外線の共鳴放射の線スペ
クトルの帯域を含み前記帯域の2倍以上の帯域を透過さ
せる広い透過帯域をもつ第1のフィルターと、前記線ス
ペクトルだけをを透過させる狭い透過帯域の第2のフィ
ルターの二つを使用する。そしてこれら二つのフィルタ
ーを透過してきた、炎からの光の強度を計算する。ここ
で言う強度と言うのは、フィルターを透過したエネルギ
ーの量をそのフィルターの帯域幅で割って得られる平均
強度である。そのようにすると、若しフィルターを透過
する光のスペクトルが連続スペクトルであるとすれば、
二つのフィルターを透過した光のエネルギーは透過帯域
幅に比例したものとなるので、このエネルギーを帯域幅
で割った平均強度は同じになる。
【0010】しかし若し透過する光が炭酸ガスの放射す
る線スペクトルであると、前記二つのフィルターは両方
ともこの線スペクトルを透過させ、その透過エネルギー
量は同じであるが、広い帯域をもっている第1のフィル
ターを透過した光のエネルギーは広い帯域幅で割り算さ
れて平均強度を算出され、狭い帯域幅の第1のフィルタ
ーを透過したエネルギーは狭い帯域幅で割り算されて平
均強度を算出されるので、この二つの平均強度には差が
生ずる。この性質を利用して炎の光を検出する。
【0011】第2の手段は、赤外線の共鳴放射の線スペ
クトルの帯域を含みこの帯域の1.5倍以上の広い帯域
を透過させる第1のフィルターと、同じ広い帯域幅をも
っているがただ炎の選択放射の線スペクトルだけは透過
を阻止する第2のフィルターを使用する。そしてこの二
つのフィルターを透過したエネルギー量の引き算を行
う。そうすると二つのフィルターで透過帯域幅が重なっ
ている部分のエネルギー量は引き算で無くなり、赤外線
の共鳴放射の線スペクトルのエネルギーだけが第1のフ
ィルターでは透過し、第2のフィルターでは阻止されて
いるので、引き算の結果として残ってくる。この性質を
利用して炎の光を検出する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を炎の放射する4.4ミク
ロンの波長の赤外線を利用した実施形態に従って説明す
る。
【0013】図1は第1の手段による本発明の実施形態
の構成を示す概略構成図である。図1で1は炭酸ガスの
共鳴放射の線スペクトルを中心としてその両側にほぼ同
じ透過帯域をもつ帯域透過フィルター、2は炭酸ガスの
共鳴放射による線スペクトルを透過させる狭帯域の透過
フィルター、3は受光素子、4と5は増幅器、6はフィ
ルター1を透過し増幅器4を通ったスペクトルの強度
と、フィルター2を透過し増幅器5を通ったスペクトル
の強度の差を計算する回路、7は計算回路6の出力が一
定のレベルを越えたときに警報を発する回路である。
【0014】図2で(a)はフィルター1の、(b)は
フィルター2の特性を示す図で、横軸は波長、縦軸は透
過率を表し、0は透過率0%を、1は透過率100%を
表す。w1はフィルター1の透過帯域幅でw2はフィル
ター2の透過帯域幅である。図2でAは炭酸ガスの共鳴
放射の線スペクトルの位置を示している。以下に述べる
実施形態ではAの値は4.4ミクロンである。
【0015】図3は4.4ミクロン前後の波長を持つ代
表的な連続スペクトルの例を示している。図3で31は
電灯のような照明光のスペクトル、32は400℃前後
の黒体の放射スペクトル、33は200℃近辺の温度の
黒体放射のスペクトルを表す。図3では各スペクトルは
4.4ミクロンにおける放射強度を1として、他の波長
の所における強度はそれに対する相対的強度として表し
てある。
【0016】図1の実施形態について本発明の詳細を説
明する。フィルター1は図2に示したように、炭酸ガス
の共鳴放射の波長である4.4ミクロンを中心としてそ
の両側に同じ幅の透過帯域を持つ帯域透過フィルターで
ある。このフィルターは例えば前記の同じ幅を1ミクロ
ンとした、3.4ミクロンから5.4ミクロンまでと言
った、線スペクトルに比較して広い帯域のスペクトルを
透過させる。この透過帯域幅をw1とする。
【0017】フィルター2は4.4ミクロンのところ
の、炎の共鳴放射のある帯域だけを透過させるフィルタ
ーで例えば4.3ミクロンから4.5ミクロンまでを透
過させるようなフィルターである。この透過帯域幅をw
2とする。w1/w2の値は1.5以上で通常は5〜1
0位に選ばれる。
【0018】この二つのフィルター1とフィルター2を
透過した赤外線は受光素子3によって電気に変換され
る。そして得られた二つの電気出力の一つは、増幅器回
路4を通り、他の一つは増幅器5を通り、計算回路6に
送りこまれる。
【0019】受光素子3には、3〜5ミクロンの赤外線
の波長域で良好な感度と短い応答時間を持つものが良
い。価格も比較的安くこの目的に合う受光素子として
は、セレン化鉛、薄膜技術で形成したサーモパイル、焦
電型受光素子が適している。
【0020】計算回路7は次のような計算をする。フィ
ルター1を透過した電気出力をa1、フィルター2を透
過した電気出力をb1として、a1/w1=a1’とb
1/w2=b1’を計算する。この割り算は増幅器4又
は増幅器5の増幅率の調整で行っても良いし、計算回路
6の中で行っても良い。
【0021】次にb1’−a1’=c1を計算する。人
工光のような連続スペクトルの場合と炎の線スペクトル
の場合とでは、次に述べる理由で差が生ずる。
【0022】図3に示したように、黒体の放射スペクト
ルは400℃近辺の温度の場合、4.4ミクロン前後の
波長のところでピークに達する。そしてこの波長を中心
にその前後で少し強度が落ちるが、狭い帯域では殆ど水
平の直線とみなせる。これより低い温度では右肩上がり
になり、これより高い温度では右肩下がりの連続スペク
トルになる。何れの場合も数ミクロン程度の狭い帯域幅
の中では、スペクトルはほぼ直線と見なせる。
【0023】従ってフィルター1を4.4ミクロンを中
心として、その両側に同じ幅だけの透過帯域を設けた形
のフィルターにすると、図3の三つの放射スペクトルの
どれであっても、その平均強度は4.4ミクロンの所の
強度と一致する。太陽や電灯等を光源とする大半の光は
連続スペクトルであり、図2に示したように狭い帯域内
ではそのスペクトルはほぼ直線と見なせるから、フィル
ター1或いはフィルター2を透過してきた出力は、フィ
ルターの透過帯域幅にほぼ比例する。従ってa1/w1
とb1/w2は等しくなる。a1’=b1’である。つ
まりc1=0である。
【0024】これに対して炎の光だけが存在する場合
は、炎のスペクトルが元来線スペクトルであるから、帯
域透過フィルターの全域を透過するスペクトルは4.4
ミクロンの線スペクトルだけである。フィルター1を透
過したエネルギーもフィルター2を透過したエネルギー
もその量は同じである。従ってフィルター1を透過した
線スペクトルのエネルギーを全透過帯域幅w1で割った
強度は、フィルター2を透過した線スペクトルのエネル
ギーを線スペクトルの帯域幅w2で割ったエネルギー強
度に比べて小さくなる。b1’>a1’が成立する。即
ちc1>0になる。
【0025】換言すると、a1’とb1’を比較すると
連続スペクトルの場合と線スペクトルの場合とでは違い
がある。この違いに着目すれば太陽光や人工光のような
連続スペクトルを持つ一般の外光と線スペクトルをもつ
炎との区別を付けられる。
【0026】線スペクトルだけが存在する場合も、線ス
ペクトルと連続スペクトルが共存する場合も、要するに
炎の線スペクトルが存在しさえすれば、c1>0にな
る。そしてc1の値は炎の大きさに比例する。このよう
にして、本発明の炎感知器は炎の放射を、太陽光やその
他の放射と区別して感知出来る。
【0027】図4はアナログ計算回路による炎感知器の
例を示している。図4で41は入力調整器、42は差動
増幅器である。実際のフィルター1とフィルター2は図
2のような理想的特性をもってはいないので、特性の差
異を調整するために、入力調整器41が用いられる。
【0028】先ず、フィルター1と2に同時に連続スペ
クトルの光、例えば電灯光を入れてやると、増幅器41
の出力にはフィルター1と受光素子3と入力調整器4を
通った出力が差動増幅器42の二つの入力端子のうちの
一つに入力として入る。
【0029】一方、フィルター2を通り受光素子3を通
り、増幅器5を通った出力が差動増幅器42の他の一つ
の入力端子に入る。この状態で差動増幅器42の出力に
は、両端子の入力の差が出て来る。この出力がゼロにな
るように入力調整器41を調整する。
【0030】図3に示したように比較的狭い範囲の波長
では、放射体の温度に拘わらず連続スペクトルのスペク
トル強度は直線と見なせるから、連続スペクトルを発す
る人工光の一つに対して入力調整器41を調整して、差
動増幅器42の出力がゼロになるように調整すれば、そ
の他の連続スペクトル全てに対して差動増幅器42の出
力はゼロになる。即ち図3のスペクトル31、32、3
3のどのタイプの連続スペクトルに対しても出力はゼロ
になる。入力調整器41は前記の説明での割り算の役目
をしている。
【0031】このようにして、本発明の炎感知器は連続
スペクトルの光には反応しなくなる。換言すれば人工光
や太陽光で誤報を発することは無い。そして炎の光の場
合は図1について説明したように、増幅器4と増幅器5
の出力に差があるから、差動増幅器42の作用でその差
が検出され、炎の存在が判明する。
【0032】図5はでデジタル計算回路を用いた本発明
の実施形態である。図5で51と52はA−D変換器、
53はCPUである。ここでA−D変換器51と52は
図5のようにCPU53の外部に設けてもよいが、CP
U53内部に含まれても良いものである。炎の検出はC
PU53内のソフトウエアによって行われる。そのソフ
トウエアの概略仕様は次の通りである。
【0033】先ずフィルター1と2に同時に連続スペク
トルをの光を投射する。そのときのA−D変換器51の
出力をa、A−D変換器52の出力をbとする。この
a,bの何れかに重みをつけて次式が成立するようにす
る。aに一定数をかけて重みをつけても、bに一定数を
かけて実現しても何れでもよい。いまaに重みをかける
にとして、その重みつけの一定数をkとして、b−k×
a=0になるようなkを選ぶ。
【0034】kはそれぞれの感知器の、主としてフィル
ター1、フィルター2の特性と受光素子3の特性によっ
て定まる特有の値で、一度定めると、その値はその感知
器固有のもので、周囲条件等によっては、殆ど変わらな
い。
【0035】これで炎感知器が警戒態勢に入れるように
なる。炎感知器が警戒態勢に入ったときのA−D変換器
51と52の出力値であるa,bから、b−k×a=c
を計算する。
【0036】c=0の場合は、炎感知器に入力している
光は連続スペクトルのものである。若し炎の発する線ス
ペクトルが存在する場合は、太陽光のような連続スペク
トルの光が共存すると否とに拘わらず、c>0となる。
【0037】故に、CPU53を用いた炎感知器の場合
は、常時cの値を計算していて、この値が予め定めた一
定値を越えた時に炎発生の警報を発するようにCPU5
3のソフトウエアを作っっておけば良い。 このように
して、デジタル回路による、誤報の殆ど無い炎感知器を
得ることが出来る。
【0038】上述の炎感知器は、炎の発する比較的周波
数の低いちらつきを利用していないが、このちらつきを
炭酸ガスの発する線スペクトルのちらつきの形で検出し
て炎の存在を知るようにすると、更に良い炎感知器を得
ることが出来る。図6は、図4の炎感知器を土台とする
ちらつきを利用したアナログ型炎感知器の実施形態であ
る。
【0039】図6で、61は電気的なフィルター、62
は警報を発する回路である。フィルター61は炎に含ま
れている主として20ヘルツ以下の周波数の信号を通す
アナログ型のローパスフィルターである。差動増幅器4
2からの出力は、ちらついて燃える炎の光の成分である
直流分と交流分の両方の成分を含んでいる。直流分は炎
の平均的な大きさで決まる分で、交流分は炎のちらつき
によって発生する分である。
【0040】フィルター61の出力はちらつきに基づく
交流分だけを取り出して警報回路62に送る。一方、差
動増幅器42からの、交流分と直流分の両方を含んだ出
力も直接、警報回路62に送られる。
【0041】警報回路62は、フィルター61から送ら
れて来たちらつき成分の信号と、差動増幅器42からフ
ィルター61を通らずに直接送られて来た炎のちらつき
による交流分の値と、炎の大きさを示す直流分とちらつ
きによる交流分の両方を含む信号の値の、両者の信号レ
ベルを計測し、その何れか一方が一定レベルを越えたと
きに警報を発する回路(以下OR回路と言う)と、或い
はその両者が同時に一定レベルを越えたときに警報を発
する回路(以下AND回路と言う)の二つを持っており
適宜使い分けが出来るようになっている。
【0042】倉庫内の炎感知に使用する場合のように外
部の光の少ない場所では感度のよいOR回路を使い、事
務所とか屋外で太陽光が存在する場所等のように外部光
が多い場所での炎感知には誤報の少ないAND回路の使
用が推奨される。
【0043】図7は、ちらつきを利用する本発明の炎感
知器の他の実施形態である。図7で、71はデジタルフ
ィルターである。デジタルフィルター71は、図6のフ
ィルター61と同じ働きをもつものである。このフィル
ター71は図7のようにCPU53の外部に設けても良
いが、CPU53内にソフトウエアとして内蔵されても
良いもので、炎の光のちらつきに特有の成分が、図5の
説明におけるCPU53内で計算された数値であるcの
なかに、含まれているか否かを検出するものである。
【0044】そしてデジタル計算による、炎のちらつき
による交流分の値と、炎の大きさを示す直流分とちらつ
きによる交流分の両方を含んだ値の、両者のOR回路と
AND回路の両方をCPU53内に含んでおり、この両
方の回路を適宜使い分けられるようになっている。この
両回路の使い分けは図6の実施形態の場合と同じであ
る。
【0045】図8は第2の手段による本発明の構成を示
す概略構成図である。図8で81は帯域内全部を平等に
透過させる帯域透過フィルター、82は81の帯域透過
フィルターとほぼ同じ透過帯域を持ち、炭酸ガスの共鳴
放射だけを阻止するフィルター、83と84は受光素
子、85はフィルター81を透過したスペクトルの平均
強度を計算する回路、86はフィルター81とフィルタ
ー82を透過したスペクトルの差を計算する計算回
路、、87は計算回路85と86の出力の差を計算する
回路、88は計算回路87の出力が一定のレベルを越え
たときに警報を発する警報回路である。
【0046】図9はフィルター81とフィルター82の
透過帯域幅を示す図で(a)はフィルター81の、
(b)はフィルター82の透過帯域幅を示している。図
9でw3はフィルター81の透過帯域幅を、w4とw5
はフィルター82の透過帯域幅を,w6はフィルター8
2の二つの透過帯域幅の間に挟まれた透過阻止帯域幅を
示している。それぞれの帯域幅はw3=w4+w5+w
6と言う関係になっている。
【0047】Aは炭酸ガスの共鳴放射の線スペクトルの
位置を示している。フィルター81とフィルター82と
を透過した光は、夫れ夫れ受光素子83と84に入る。
受光素子83からの出力は、計算回路85内でフィルタ
ー81の透過帯域幅w3を使って処理され、その平均強
度として計算回路85から出力される。
【0048】一方、二つの受光素子83、84の出力
は、その二つの出力の差を計算する回路、例えば差動増
幅器等で構成された計算回路86に入り、その差が計算
される。その計算では、二つのフィルター81と82に
共通の帯域である図9のw4とw5の所では出力が打ち
消され、共通でない帯域、即ち炭酸ガスの共鳴放射の帯
域である図9のw6の所、だけが出力される。該出力を
w6で処理して得られる平均強度は、放射体が白熱電灯
の場合のように、フィルター81の透過帯域w3内の放
射が連続スペクトルで且つその放射の強度が直線的に変
化している場合は、計算回路85で算出された平均強度
の強度と一致する。
【0049】従って計算回路85と86の出力の差を計
算する回路87の出力は、入力が連続スペクトルの場合
はゼロとなる。しかし炎からの光のように、その赤外光
の領域でのスペクトルが殆ど炭酸ガスの共鳴放射によっ
て占められている場合は、計算回路87の出力はゼロに
はならない。
【0050】フィルター81からの出力はその共鳴放射
の線スペクトルだけになり、そして計算回路85はその
線スペクトルの強度をフィルター81の帯域幅w3で割
り算した平均強度として出力するので、フィルター81
の帯域幅w3が炭酸ガスの共鳴放射の帯域幅w6より広
い場合は、計算回路85から出力される炭酸ガスの共鳴
放射の強度は、帯域幅が広い分だけ減少した値として出
力される。
【0051】一方計算回路86の出力は、フィルター8
1とフィルター82の出力の差の部分、即ち炭酸ガスの
共鳴放射の分だけが、減殺されることなく出力される。
従って計算回路85と計算回路86の出力には差が生じ
てその差は計算回路87によって計算されて出力され
る。この出力の値は炎が大きい程そして、w3/w6の
値が大きい程、大きくなる。
【0052】このようにして連続スペクトルを持つ外光
と線スペクトルを持つ炎の光とが区別される。同じ理由
で、連続スペクトルと線スペクトルの両方が混在してい
るときは、線スペクトルの値だけが計算回路87から出
力される。計算回路87の出力が予め定めてある或る値
を越すと警報回路88が動作する。
【0053】フィルター82の特性を一つのフィルター
で実現するのが困難な場合は、図9に示した透過帯域w
4と言う帯域を持つ帯域透過フィルターと、w5と言う
帯域を持つ帯域透過フィルターの2個のフィルターを使
い、その出力を加算回路で重ねることによって、フィル
ター82の特性を持つフィルターを実現できる。
【0054】図10には炎感知器の受光面の上に設けら
れるドーム状の窓を示している。図10で101は感知
器本体、1と2はフィルター、102は表面或いは裏面
を粗面にした透明なドームである。
【0055】フィルター1或いはフィルター2は一般に
平面であるから、その感度は球形に近い指向特性をもっ
ており、そのため炎の発生位置によって炎感知器の感度
が変わったり、フィルター1とフィルター2の位置と炎
の発生位置との相対位置の違いによる感度差が現れたり
する。その欠点を除くために、乱反射性を持つドーム状
の窓を設ける。
【0056】この窓は中赤外線を良く透過するプラスチ
ックで作る。普通のガラスは中赤外線の透過率が悪いか
ら推奨できない。表面或いは裏面に多数の凹凸を設けて
乱反射性を持たせる。ドーム状の窓の乱反射性のため
に、感知器本体101に到来する光の方向による差によ
る性能の違いは緩和される。
【0057】
【発明の効果】一般の外光は連続スペクトルをもってお
り、炎の光は特有の炭酸ガスの共鳴放射の線スペクトル
をもっていると言う事実を、巧みに利用する本発明によ
って、太陽光や電灯その他の色々の光と区別して、炎の
発する光だけを確実に検出し、誤報の少ない炎感知器を
得ることが出来て、工業上、或いは防災上その便益は大
きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図
【図2】本発明の実施形態で使用するフィルターの特性
【図3】連続スペクトルを発する各種の放射体のスペク
トルの代表例を示す図
【図4】アナログ回路による実施形態を示す図
【図5】デジタル回路による実施形態を示す図
【図6】アナログ回路による他の実施形態を示す図
【図7】デジタル回路による他の実施形態を示す図
【図8】ちらつきを利用した実施形態を示す図
【図9】本発明で使用する他のフィルターの特性図
【図10】ドーム状の窓を示す図
【符号の説明】
1 フィルター 2 フィルター 3 受光素子 4 差動増幅器 5 増幅器 6 差動増幅器 7 警報回路 41 入力調整器 42 差動増幅器 43 増幅器 51 A−D変換器 52 A−D変換器 53 CPU 61 ローパスフィルター 71 デジタルフィルター 81 フィルター 82 フィルター 85 計算回路 86 計算回路 87 計算回路 102 ドーム状窓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−79123(JP,A) 特開 昭53−44937(JP,A) 特開 昭59−32095(JP,A) 特開 昭50−2497(JP,A) 特開 昭63−205222(JP,A) 特開 平3−79947(JP,A) 特開 平4−18698(JP,A) 実開 昭51−75189(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 17/02 - 17/12 G01J 1/02 G01J 1/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炎が発する炭酸ガス共鳴放射の線スペクト
    ルを含み、該線スペクトルの帯域の1.5倍以上の帯域
    を透過させる帯域透過型光学フィルターと、 前記炭酸ガスの共鳴放射の線スペクトルだけを透過さる
    フィルターと、 これらの各々のフィルターを透過した光を各々の電気信
    号に変換する受光素子と、 前記フィルターを透過して電気信号に変換された二つの
    信号の各々について、フィルターを透過したエネルギー
    の量をそのフィルターの帯域幅で割って得られる平均強
    度を算出する回路と、 を備えたことを特徴とする炎感知器。
  2. 【請求項2】炎が発する炭酸ガス共鳴放射の線スペクト
    ルを含み、該線スペクトルの帯域の1.5倍以上の帯域
    を透過させる帯域透過型フィルターと、 該フィルターと略同じ透過帯域を持ち前記炭酸ガスの共
    鳴放射の線スペクトルだけは阻止して透過させないフィ
    ルターと、 これらの各々のフィルターを透過した光を各々の電気信
    号に変換する受光素子と、 前記フィルターを透過して電気信号に変換された二つの
    信号の各々について、フィルターを透過したエネルギー
    の量をそのフィルターの帯域幅で割って得られる平均強
    度を算出する回路と、 を備えたことを特徴とする炎感知器。
  3. 【請求項3】前記二つの平均強度の値の差を計算する回
    を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の炎感知器。
  4. 【請求項4】前記二つの平均強度の値の差を計算する回
    が差動増幅器を含むアナログ計算機で構成されたこと
    を特徴とする請求項3に記載の炎感知器。
  5. 【請求項5】前記二つの平均強度の値の差を計算する回
    がCPUを中心としたデジタル回路で構成されたこと
    を特徴とする請求項3に記載の炎感知器。
  6. 【請求項6】前記受光素子にセレン化鉛又はサーモパイ
    ル又は焦電型受光素子を使用することを特徴とする請求
    項1〜請求項5の何れかに記載の炎感知器。
  7. 【請求項7】炎の存否を、前記二つのフィルターから得
    られる二つの電気信号を計算した結果として得られる、
    前記炭酸ガスの共鳴放射の線スペクトルの強度によって
    判断することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか
    に記載の炎感知器。
  8. 【請求項8】炎の存否を、二つのフィルターから得られ
    る二つの電気信号を計算した結果として得られる、前記
    炭酸ガスの共鳴放射の線スペクトルの信号の中に含まれ
    る、炎の光のちらつきによる交流分によって判断するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の炎
    感知器。
  9. 【請求項9】前記炎感知器の受光窓にドーム型の拡散透
    明板を使用することを特徴とする請求項1〜請求項8の
    何れかに記載の炎感知器。
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