JP3216265B2 - 触媒の活性化判定装置 - Google Patents

触媒の活性化判定装置

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JP3216265B2
JP3216265B2 JP27755692A JP27755692A JP3216265B2 JP 3216265 B2 JP3216265 B2 JP 3216265B2 JP 27755692 A JP27755692 A JP 27755692A JP 27755692 A JP27755692 A JP 27755692A JP 3216265 B2 JP3216265 B2 JP 3216265B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の排気系に
設けられた触媒の活性化を判定する活性化判定装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、内燃機関の排気エミッション
を低減させる目的で、排気系に三元触媒等よりなる触媒
コンバータを設けることが知られている。ここで、触媒
については、経時変化に起因して、排気ガスの浄化効率
が低下したり、触媒自体の活性化温度が上昇したりして
性能劣化に至ることが考えられる。そこで、触媒の状態
を監視して触媒の性能劣化に早期に対処しようとした技
術が、特開平1−216009号公報に開示されてい
る。
【0003】この従来技術では、内燃機関の排気系に設
けられた触媒コンバータの上流側と下流側とに温度検出
手段がそれぞれ設けられている。そして、内燃機関の始
動後にそれら二つの温度検出手段の出力信号を比較する
ことにより、触媒コンバータの入口側排気温度と出口側
排気温度とが比較され、触媒内で起こる化学反応の活性
化温度が定量的に検知されている。又、その活性化温度
の上昇に伴い、触媒の劣化が検知されている。ここで
は、触媒の劣化検知に基づき警告手段が駆動され、運転
者に対して、触媒の劣化が知らされるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術では、触媒の劣化を検知するために二つの温度検出手
段を設けなければならず、構成の上で不利であった。
又、個々の触媒について活性化を逐次知ることは、触媒
劣化の早期検知のみならず、触媒自体の温度制御や触媒
に対する二次空気の供給を制御すること等にも利用する
ことができる。従って、製造上の便宜を考えた場合に、
出来るだけ簡易な構成で高精度に触媒の活性化を確認で
きることが要望されている。
【0005】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、一つの触媒温度検出手段に
より精度良く触媒の活性化を判定することの可能な触媒
の活性化判定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、図1に示すように、内
燃機関M1の排気系M2に設けられた触媒M3の活性化
を判定する活性化判定装置であって、前記触媒M3の温
度を検出する触媒温度検出手段M4と、前記触媒温度
出手段M4の検出結果に基づき、前記触媒M3の温度変
化率を演算する触媒温度変化率演算手段M5と、前記演
算される触媒M3の温度変化率に基づき、前記触媒M3
の活性化判断する活性化判断手段M7とを備えたこと
要旨とする。 請求項2に記載した発明は、請求項1記
載の触媒の活性化判定装置において、前記触媒は電気ヒ
ータ付触媒であることを要旨とする。 請求項3に記載し
た発明は、請求項1又は2記載の触媒の活性化判定装置
において、前記活性化判断手段による触媒活性化の判断
は、前記触媒に触媒反応に必要な酸素が供給されている
ときに行われることを要旨とする。 請求項4に記載した
発明は、請求項1〜3何れか記載の触媒の活性化判定装
置において、前記触媒の温度変化率を設定された温度変
化率と比較することにより触媒の異常を判断する異常判
断手段を更に備えることを要旨とする。
【0007】
【作用】請求項1に記載した発明の構成によれば、図1
に示すように、触媒温度検出手段M4では、反応によっ
て変化する触媒M3の温度が検出され、その検出結果に
基づき、触媒温度変化率演算手段M5により、触媒M3
の温度変化率が演算される。そして、活性化判断手段M
7では、触媒M3の温度変化率が増大したと判断された
ときに、触媒M3が活性化したものと判断する。従っ
て、触媒温度検出手段M4を複数設けることなく、触媒
M3の活性化が正確に判定される。 請求項2に記載した
発明の構成によれば、触媒の温度変化率の増大に基づい
て触媒の活性化を正確に判断することにより、電気ヒー
タへの通電時間を緻密に制御することができ、過通電等
を回避することができるようになる。もってバッテリへ
の負担も軽減され、同バッテリの寿命も長くなる。 請求
項3に記載した発明の構成によれば、酸素供給により触
媒の活性が促される条件下で温度変化率に係る判断を行
うことにより、検出を容易に且つ高い精度をもって行え
るようになる。 請求項4に記載した発明の構成によれ
ば、触媒の温度変化率が所定の変化率を上回ることがな
ければ、触媒に異常があるものと判断することにより、
触媒の機能に関わる異常を正確に検出することができる
ようになる。
【0008】
【実施例】以下、この発明における触媒の活性化判定装
置を二次空気供給装置を備えた自動車のガソリンエンジ
ンシステムに具体化した一実施例を図2〜図7に基づい
て詳細に説明する。
【0009】図2はこの実施例におけるガソリンエンジ
ンシステムを示す概略構成図である。内燃機関としての
直列型のガソリンエンジンを構成するエンジン本体1に
は、吸気マニホルド2及び排気マニホルド3が接続され
ている。吸気マニホルド2は吸気系の一部を構成してお
り、図示しない吸気管を通じて外部から取り入れられる
空気をエンジン本体1の燃焼室へ導入させる。又、吸気
マニホルド2の近傍には、燃料噴射用のインジェクタ4
が設けられている。周知のように、インジェクタ4は通
電により開弁されることにより、図示しない燃料タンク
から燃料ポンプを通じて送られてくる燃料を吸気ポート
の付近へ噴射するものである。そして、インジェクタ4
から噴射された燃料は空気との混合気となって燃焼室へ
と導入される。エンジン本体1の燃焼室では、導入され
た混合気が、図示しない点火プラグの動作により爆発・
燃焼される。一方、排気マニホルド3は排気系の一部を
構成しており、燃焼後の排気ガスを燃焼室から導出させ
る。排気マニホルド3には、導出された排気ガスを大気
中へ排出させるために、複数の排気管5,6,7等が接
続されると共に、各排気管5〜7の途中には第1及び第
2の三元触媒コンバータ8,9がそれぞれ接続されてい
る。周知のように、これら第1及び第2の三元触媒コン
バータ8,9は、排気ガス中の炭化水素(HC)及び一
酸化炭素(CO)を酸化させると共に、酸化窒素(NO
x)を還元させて排気ガスを浄化するためのものであ
る。
【0010】排気系の上流側に位置する第1の三元触媒
コンバータ8は、大小二つに分割された三元触媒を内蔵
して構成されている。それら二つの三元触媒のうち、小
さい方が電気ヒータを備えてなる電気ヒータ付触媒10
となっており、大きい方がメイン触媒11となってい
る。電気ヒータ付触媒10は三元触媒を付着させてメタ
ル触媒を構成するハニカムコアの中心に電極を配置して
なり、その中心電極とハブとの間で通電することによ
り、自身のメタル担体を加熱させるようになっている。
又、メイン触媒11は単に三元触媒を付着させたメタル
触媒により構成されている。電気ヒータ付触媒10はメ
イン触媒11よりも上流側に配置され、主にエンジンの
冷間始動時に作動させるようになっている。一方、第2
の三元触媒コンバータ9は一つのメイン触媒12を内蔵
してなり、そのメイン触媒12は上記と同様に、三元触
媒を付着させたメタル触媒により構成されている。
【0011】尚、この実施例のエンジン本体1には、そ
の始動時にクランキングによって図示しないクランクシ
ャフトに回転力を付与するためのスタータ13が設けら
れている。又、このスタータ13には、そのオン・オフ
動作を検知するためのスタータスイッチ31が設けられ
ている。周知のように、スタータ13はイグニッション
スイッチ(「IGSW」とも示す)14に接続されてお
り、同スイッチ14の操作によってオン・オフ動作する
ものである。イグニッションスイッチ14はキー操作に
より、オフ位置OFF、オン位置ON、及びスタータ位
置STにそれぞれ切り換え可能となっている。そして、
イグニッションスイッチ14が、オン位置ONを経てス
タータ位置STに切り換えられている間は、スタータ1
3がオン動作されてスタータスイッチ31から「オン」
のスタータ信号STSが出力される。
【0012】電気ヒータ付触媒10に通電するために、
電気ヒータ付触媒10の中心電極側は電源ライン15及
びイグニッションスイッチ14を介して車載用のバッテ
リ16のプラス電極16aに接続されている。又、電気
ヒータ付触媒10のリブ側は、電源ライン17を介して
バッテリ16のマイナス電極16bに接続されている。
更に、バッテリ16から電気ヒータ付触媒10への通電
を制御するために、電源ライン15の途中には、第1の
リレースイッチ18が設けられている。そして、イグニ
ッションスイッチ14がオン位置ONに切り換えられて
いて、第1のリレースイッチ18が電気信号によって
「オン」されることにより、電源ライン15が閉路さ
れ、電気ヒータ付触媒10に対してバッテリ16から通
電が行われる。又、第1のリレースイッチ18が「オ
フ」されることにより、電源ライン15が開路され、電
気ヒータ付触媒10に対するバッテリ16からの通電が
停止される。ここで、電気ヒータ付触媒10の近傍の電
源ライン15には、電気ヒータ付触媒10の端子間電圧
Vcを検出するための第1の電圧センサ32が接続され
ている。又、バッテリ16の近傍の電源ライン15に
は、そのバッテリ16の電圧(バッテリ電圧)Vbを検
出するための第2の電圧センサ33が接続されている。
【0013】第1の触媒コンバータ8には、電気ヒータ
付触媒10の温度(触媒温度)THCを検出するための
触媒温度検出手段としての触媒温センサ34が設けられ
ている。又、第1の触媒コンバータ8において、触媒温
センサ34の上流側には、排気ガス中の酸素濃度OXを
検出するための酸素センサ35が設けられている。
【0014】次に、排気系に二次空気を供給するための
構成について説明する。この実施例では、排気系に二次
空気を供給するために、通電によって駆動される電動式
エアポンプ19が設けられている。この電動式エアポン
プ19は電気モータを内蔵してなり、駆動されることに
より外気を吸入して吐出する。電動式エアポンプ19の
吐出口には、二次空気供給用のエアパイプ20の一端が
接続されており、同パイプ20の他端は第1の触媒コン
バータ8より上流の排気管5に接続されている。バッテ
リ16から電動式エアポンプ19に通電するために、同
ポンプ19のプラス端子は電源ライン21,15及びイ
グニッションスイッチ14を介してバッテリ16のプラ
ス電極16aに接続されている。又、電動式エアポンプ
19のマイナス端子は、電源ライン22,17を介して
バッテリ16のマイナス電極16bに接続されている。
更に、電動式エアポンプ19への通電を制御するため
に、電源ライン21の途中には、第2のリレースイッチ
23が設けられている。そして、イグニッションスイッ
チ14がオン位置ONに切り換えられていて、第2のリ
レースイッチ23が電気信号によって「オン」されるこ
とにより、電源ライン21が閉路されて、電動式エアポ
ンプ19に対してバッテリ16からの通電が行われる。
そして、その通電により電動式エアポンプ19が駆動さ
れることにより、吸入された外気がエアパイプ20を通
じて、二次空気として第1の触媒コンバータ8の上流側
から排気系に導入可能となる。又、第2のリレースイッ
チ23が「オフ」されることにより、電源ライン21が
閉路され、電動式エアポンプ19に対するバッテリ16
からの通電が停止される。
【0015】上記の電気回路において、電源ライン15
と電源ライン21との間には、第1のリレースイッチ1
8が「オン」されたときに、電動式エアポンプ19を低
電圧で起動させるための抵抗24が接続されている。
【0016】一方、エアパイプ20の途中には、同パイ
プ20を開閉するためのダイヤフラム式のエアコントロ
ールバルブ25が設けられている。このエアコントロー
ルバルブ25はダイヤフラム25aによって区画された
ダイヤフラム室25bを備え、ダイヤフラム25aには
エアパイプ20の途中を開閉するための弁体25cが固
着されている。ダイヤフラム室25bには、ダイヤフラ
ム25aを下方へ付勢するスプリング25dが設けられ
ており、そのスプリング25dの付勢力により、弁体2
5cがエアパイプ20の途中を閉鎖する閉弁位置に付勢
配置されている。一方、弁体25cを、エアパイプ20
の途中を開放する開弁位置に配置させるために、ダイヤ
フラム室25bにはバキュームパイプ26の一端が接続
されている。又、このバキュームパイプ26の他端は吸
気マニホルド2に接続されている。そして、吸気マニホ
ルド2において発生する吸気負圧が、バキュームパイプ
26を通じてダイヤフラム室25bに導入可能となって
いる。更に、ダイヤフラム室25bへの負圧の導入を制
御するために、バキュームパイプ26の途中には、電気
信号によって開閉切換えされる三方式のバキューム・ス
イッチング・バルブ(以下単に「VSV」という)27
が設けられている。このVSV27が電気信号によって
「オン」されることにより、バキュームパイプ26の途
中が開放される。これにより、エアコントロールバルブ
25のダイヤフラム室25bに対する負圧の導入が許容
され、弁体25cがスプリング25dの付勢力に抗して
開弁位置に配置されて、エアパイプ20の途中が開放さ
れる。一方、VSV27が非通電によって「オフ」され
ることにより、バキュームパイプ26の途中が閉鎖され
ると共に、ダイヤフラム室25bが大気開放となる。こ
れにより、ダイヤフラム室25bに大気圧が導入され、
弁体25cがスプリング25dの付勢力によって閉弁位
置に配置されて、エアパイプ20の途中が閉鎖される。
【0017】エアパイプ20の途中には、チェックバル
ブ28が設けられている。このチェックバルブ28は、
排気脈動に起因して排気管5からエアパイプ20へと排
気ガスが逆流することを防止するためのものである。
【0018】加えて、エンジン本体1には、その冷却水
の温度(冷却水温)THWを検出するための水温センサ
36が設けられている。又、自動車の運転席には、電気
ヒータ付触媒10の端子間電圧Vcが異常であることを
運転者に知らせるための電気ヒータ付触媒異常表示ラン
プ29が設けられている。併せて、運転席には、バッテ
リ電圧Vbが異常であることを運転者に知らせるための
バッテリ異常表示ランプ30が設けられている。
【0019】この実施例では、インジェクタ4、電気ヒ
ータ付触媒10、電動式エアポンプ19、VSV27、
電気ヒータ付触媒異常表示ランプ29及びバッテリ異常
表示ランプ30のそれぞれが電子制御装置(以下単に
「ECU」という)41により駆動制御される。そのた
めに、ECU41にはインジェクタ4、第1及び第2の
リレースイッチ18,23、VSV27、電気ヒータ付
触媒異常表示ランプ29及びバッテリ異常表示ランプ3
0がそれぞれ電気的に接続されている。又、ECU41
には、スタータスイッチ31、第1及び第2の電圧セン
サ32,33、触媒温センサ34、酸素センサ35及び
水温センサ36がそれぞれ電気的に接続されている。そ
して、ECU41はスタータスイッチ31及び各センサ
32〜36からの各種信号に基づき種々の演算及び判断
の処理を実行する。これにより、インジェクタ4、第1
及び第2のリレースイッチ18,23、VSV27、電
気ヒータ付触媒異常表示ランプ29及びバッテリ異常表
示ランプ30がそれぞれ好適に駆動制御される。
【0020】図3はECU41の電気的構成等を示すブ
ロック図である。ECU41は中央処理装置(CPU)
42、所定の制御プログラム等を予め記憶してなる読み
出し専用メモリ(ROM)43、CPU42の演算結果
等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)4
4、予め記憶されたデータを保存するバックアップRA
M45等を備えている。そして、ECU41は、これら
各部42〜45と外部入力回路46、外部出力回路47
等とがバス48によって接続されてなる論理演算回路と
して構成されている。又、この実施例では、CPU42
がフリーランニングカウンタの機能を兼ね備えている。
【0021】外部入力回路46には、前述したスタータ
スイッチ31及び各センサ32〜36等がそれぞれ接続
されている。又、外部出力回路47には、前述したイン
ジェクタ4、第1及び第2のリレースイッチ18,2
3、VSV27及び各ランプ29,30等がそれぞれ接
続されている。そして、CPU42はスタータスイッチ
31及び各センサ32〜36等からの各種信号を外部入
力回路46を介して入力値として読み込む。又、CPU
42はこれら入力値に基づき、外部出力回路47を介し
てインジェクタ4、第1及び第2のリレースイッチ1
8,23、VSV27及び各ランプ29,30等を好適
に駆動制御する。
【0022】この実施例では、ECU41により触媒温
度変化率演算手段、酸素供給状態判断手段及び活性化判
断手段が構成されている。そして、エンジンの冷間時始
動時において、ECU41はスタータスイッチ31、第
1及び第2の電圧センサ32,33、触媒温センサ34
及び水温センサ36等からの各種信号に基づき、電気ヒ
ータ付触媒10を作動させ、その後に電動式エアポンプ
19を駆動させる。特に、ECU41は、触媒温度TH
Cの変化に基づいて電気ヒータ付触媒10への通電が制
御する。又、ECU41は、電気ヒータ付触媒10への
通電停止のタイミングを決定するために、触媒温度TH
Cの変化に基づいて電気ヒータ付触媒10の活性化を判
定するようになっている。更に、ECU41は酸素セン
サ35からの信号等に基づき、エンジンの空燃比フィー
ドバック制御(FB制御)を実行する。
【0023】次に、上記のように構成されたガソリンエ
ンジンシステムにおいて、エンジンの始動時にECU4
1により実行される二次空気供給制御の処理動作と、触
媒の活性化判定のための処理動作について説明する。
【0024】図4〜6のフローチャートはECU41に
より実行される「二次空気供給制御ルーチン」を示し、
エンジンの始動に際して処理が開始される。この処理が
開始されると、先ずステップ101において、イグニッ
ションスイッチ(「IGSW」)14がオン位置ONに
切り換えられるのを待つ。即ち、イグニッションスイッ
チ14が「オン」されるのを待つ。エンジン始動時に
は、通常、イグニッションスイッチ14がオフ位置OF
Fからオン位置ONを経て、スタータ位置STまで切り
換えられる。そのことは、イグニッションスイッチ14
がオン位置ONに切り換えられた上でスタータ位置ST
に切り換えられることを意味している。
【0025】イグニッションスイッチ14が「オン」さ
れた場合には、ステップ102において、電気ヒータ付
触媒10による暖機が開始されたことを指示する電気ヒ
ータ付触媒暖機開始フラグFEHCが「1」であるか否
かを判断する。この電気ヒータ付触媒暖機開始フラグF
EHCは後述するステップ129において設定されるも
のであり、同フラグFEHCが「1」である場合には、
電気ヒータ付触媒10による暖機が既に開始されている
ものとし、ステップ130へ移行する。一方、同フラグ
FEHCが「1」でない場合には、ステップ103にお
いて、触媒温センサ34の検出信号に基づき、触媒温度
THCを読み込む。
【0026】次に、ステップ104において、第2の電
圧センサ33の検出信号に基づきバッテリ電圧Vbを第
1回目のバッテリ電圧Vb(1)として読み込む。そし
て、ステップ105において、第1回目のバッテリ電圧
Vb(1)が正常であるか否か、即ちバッテリ電圧Vb
(1)が必要以上に低下していないか否かを判断する。
ここで、このバッテリ電圧Vb(1)が正常でない場合
には、バッテリ16に異常があるものとして、そのこと
を運転者に知らせるべく、ステップ106へ移行してバ
ッテリ異常表示ランプ30を点灯させ、その後の処理を
終了する。
【0027】一方、ステップ105において、第1回目
のバッテリ電圧Vb(1)が正常な場合には、電気ヒー
タ付触媒10の調子を確認するためにステップ107へ
移行する。ステップ107においては、第1のリレース
イッチ18を「オン」して、バッテリ16から電気ヒー
タ付触媒10への試験的な通電を開始させる。これによ
り、電気ヒータ付触媒10では、自身の加熱が開始され
る。
【0028】続いて、ステップ108において、第1の
電圧センサ32の検出信号に基づき、電気ヒータ付触媒
10の端子間電圧Vcを読み込む。そして、ステップ1
09において、その端子間電圧Vcが正常であるか否
か、即ち端子間電圧Vcが必要以上に低くないか否かを
判断する。ここで、この端子間電圧Vcが正常でない場
合には、電気ヒータ付触媒10に異常があるものとし
て、そのことを運転者に知らせるべく、ステップ110
へ移行して電気ヒータ付触媒異常表示ランプ29を点灯
させ、その後の処理を終了する。
【0029】これに対し、ステップ109において、端
子間電圧Vcが正常な場合には、ステップ111におい
て、第2の電圧センサ33の検出信号に基づきバッテリ
電圧Vbを第2回目のバッテリ電圧Vb(2)として読
み込む。つまり、電気ヒータ付触媒10への試験通電を
行った後のバッテリ電圧Vbを読み込むのである。そし
て、ステップ112において、第2回目のバッテリ電圧
Vb(2)が正常であるか否か、即ちバッテリ電圧Vb
(2)が必要以上に低下していないか否かを判断する。
ここで、このバッテリ電圧Vb(2)が正常でない場合
には、ステップ106へ移行してバッテリ異常表示ラン
プ30を点灯させた後、処理を終了する。
【0030】一方、ステップ112において、第2回目
のバッテリ電圧Vb(2)が正常な場合には、ステップ
113において、第2回目のバッテリ電圧Vb(2)と
端子間電圧Vcとを比較し、そのバッテリ電圧Vb
(2)が端子間電圧Vcよりも大きいか否かを判断す
る。ここで、バッテリ電圧Vb(2)が端子間電圧Vc
よりも大きくない場合には、電気ヒータ付触媒10に異
常があるものとして、ステップ110へ移行して電気ヒ
ータ付触媒異常表示ランプ29を点灯させた後、処理を
終了する。
【0031】又、ステップ113において、バッテリ電
圧Vb(2)が端子間電圧Vcよりも大きい場合には、
ステップ114において、触媒温センサ34の検出信号
に基づき、触媒温度THCを読み込む。又、115にお
いて、触媒温度THCの変化率である触媒温度変化率Δ
THCを演算する。この触媒温度変化率ΔTHCは、ス
テップ103において読み込まれた触媒温度THCとス
テップ114において読み込まれた触媒温度THCとの
差により求められる。そして、ステップ116におい
て、その求められた触媒温度変化率ΔTHCと予め定め
られた設定変化率αとを比較し、触媒温度変化率ΔTH
Cが設定変化率αよりも大きいか否かを判断する。ここ
で、設定変化率αは、ステップ103において最初に読
み込まれる触媒温度THCに応じて変わる値でもよく、
或いは一定値でもよい。そして、触媒温度変化率ΔTH
Cが設定変化率αよりも大きくない場合には、電気ヒー
タ付触媒10に異常があるものとして、ステップ110
へ移行して、電気ヒータ付触媒異常表示ランプ29を点
灯させた後、処理を終了する。
【0032】これに対し、ステップ116において、触
媒温度変化率ΔTHCが設定変化率αよりも大きい場合
には、バッテリ16と電気ヒータ付触媒10の調子が良
好であるものとして、ステップ117へ移行する。そし
て、ステップ117において、第1のリレースイッチ1
8を「オフ」して、バッテリ16から電気ヒータ付触媒
10への試験的な通電を一旦終了させる。
【0033】上記のステップ101〜ステップ117に
おける処理は、エンジン始動時のクランキング中に行わ
れるものである。そして、ステップ117から移行して
ステップ118においては、スタータスイッチ31から
のスタータ信号STSが「オン」から「オフ」へ切り換
わるのを待つ。そして、スタータ信号STSが「オン」
から「オフ」へ切り換わった場合には、スタータ13に
よるクランキングを完了したエンジンの完爆後であるも
のとして、ステップ119へ移行する。
【0034】ステップ119においては、水温センサ3
6及び触媒温センサ34からの信号に基づき、冷却水温
THW及び触媒温度THCをそれぞれ読み込む。続い
て、ステップ120において、冷却水温THWが予め定
められた暖機完了温度βに達しているか否かを判断す
る。ここで、冷却水温THWが暖機完了温度βに達して
いる場合には、エンジン本体1が充分に暖まっている温
間始動時であるものとして、そのままその後の処理を終
了する。又、冷却水温THWが暖機完了温度βに達して
いない場合には、エンジン本体1が充分に暖まっていな
い冷間始動時であるものとして、ステップ121へ移行
する。そして、ステップ121において、電気ヒータ付
触媒10を加熱すべく、第1のリレースイッチ18を
「オン」して、バッテリ16から電気ヒータ付触媒10
への通電を開始させる。これにより、電気ヒータ付触媒
10では自身の加熱が開始される。第1のリレースイッ
チ18が「オン」されたときには、抵抗24を通じて電
動式エアポンプ19が低電圧で起動され始める。
【0035】次に、ステップ122において、CPU4
2におけるフリーランニングカンウタの機能により、電
気ヒータ付触媒10への通電開始後の経過時間T1のカ
ウントを開始させる。
【0036】続いて、ステップ123において、触媒温
センサ34からの信号に基づき触媒温度THCを読み込
む。そして、ステップ124において、触媒温度THC
があるレベルの設定温度γに達したか否かを判断する。
ここで、触媒温度THCが設定温度γに達していない場
合には、ステップ123へジャンプして、ステップ12
3及びステップ124の処理を繰り返す。つまり、触媒
温度THCが設定温度γに達するのを待つのである。一
方、ステップ124において、触媒温度THCが設定温
度γに達した場合には、電気ヒータ付触媒10がある程
度の温度まで加熱されたものとして、ステップ125へ
移行する。
【0037】ステップ125においては、第2のリレー
スイッチ23を「オン」して、バッテリ16から電動式
エアポンプ19への通電を開始させる。つまり、二次空
気の供給を開始するに先立って電動式エアポンプ19を
予備駆動させるのである。
【0038】続いて、ステップ126において、CPU
42における別のフリーランニングカンウタの機能によ
り、電動式エアポンプ19への通電開始後の経過時間T
2のカウントを開始させる。又、ステップ127におい
て、その経過時間T2が電動式エアポンプ19の予備駆
動に充分な基準時間Aに達するのを待つ。そして、経過
時間T2が基準時間Aに達した場合には、ステップ12
8において、VSV27を「オン」させる。
【0039】これにより、バキュームパイプ26を通じ
てエアコントロールバルブ25のダイヤフラム室25b
に負圧が導入され、弁体25cが開弁位置に配置されて
エアパイプ20が開放される。この時には、電動式エア
ポンプ19が既に予備駆動されていることから、同ポン
プ19から吐出される外気は、二次空気としてエアパイ
プ20を通じ第1の三元触媒コンバータ8の上流側から
排気系へと供給され始める。
【0040】次に、ステップ129において、前述した
電気ヒータ付触媒暖機開始フラグFEHCを「1」に設
定する。そして、ステップ102又はステップ129か
ら移行してステップ130においては、電動式エアポン
プ19及びVSV27を作動させていることから、二次
空気により、電気ヒータ付触媒10の反応のために必要
な酸素が供給されているものと判断して、触媒温センサ
34からの信号に基づき触媒温度THCを再び読み込
む。そして、ステップ131において、その触媒温度T
HCが、電気ヒータ付触媒10の許容温度としてとり得
る最大温度THCmaxに達したか否かを判断する。こ
こで、触媒温度THCが最大温度THCmaxに達して
いる場合には、電気ヒータ付触媒10が反応によって既
に充分に活性化しているものとして、電気ヒータ付触媒
10の加熱を中止させるべく、ステップ132へ移行す
る。
【0041】そして、ステップ132において、電気ヒ
ータ付触媒10での加熱を一旦中止させるべく、第1の
リレースイッチ18を「オフ」し、バッテリ16から電
気ヒータ付触媒10への通電を終了させる。又、ステッ
プ133においては、酸素センサ35からの信号等に基
づき、エンジンの空燃比フィードバック制御(FB制
御)が開始されるのを待つ。そして、その空燃比フィー
ドバック制御が開始された場合には、ステップ134に
おいて、電気ヒータ付触媒暖機開始フラグFEHCを
「0」にリセットする。又、ステップ135において、
第2のリレースイッチ23を「オフ」して、バッテリ1
6から電動式エアポンプ19への通電を終了させる。
又、ステップ136において、VSV27を「オフ」さ
せた後、処理を終了する。これにより、電動式エアポン
プ19が停止される。又、VSV27によりバキューム
パイプ26を通じてエアコントロールバルブ25の弁体
25cが閉弁位置に配置され、エアパイプ20の途中が
閉鎖される。その結果、排気系への二次空気の供給が停
止される。
【0042】一方、ステップ131において、触媒温度
THCが最大温度THCmaxに達していない場合に
は、電気ヒータ付触媒10の活性化のタイミングを判定
するために、ステップ136へ移行する。そして、ステ
ップ136において、先にカウントを開始した経過時間
T1が電気ヒータ付触媒10への通電を終了させるべき
基準時間Bに達しているか否かを判断する。経過時間T
1が基準時間Bに達している場合には、電気ヒータ付触
媒10の暖機を停止させると共に、電動式エアポンプ1
9等による二次空気の供給を停止させるために、ステッ
プ132へ移行し、ステップ132〜ステップ136の
処理を実行する。
【0043】又、ステップ136において、経過時間T
1が基準時間Bに達していない場合には、電気ヒータ付
触媒10の温度状態を再び判断するために、ステップ1
37へ移行する。ステップ137においては、ステップ
129で電気ヒータ付触媒暖機開始フラグFEHCが
「1」となった後に、ステップ130で2回の触媒温度
THCの読み込みが行われた否かを判断する。そして、
2回の触媒温度THCの読み込みが行われていない場合
には、ステップ130へジャンプし、ステップ130か
らの処理を繰り返す。
【0044】一方、ステップ137において、2回の触
媒温度THCの読み込みが行われた場合には、ステップ
138において、触媒温度変化率ΔTHCを演算する。
この触媒温度変化率ΔTHCは、ステップ130におい
て今回読み込まれた触媒温度THCと前回読み込まれた
触媒温度THCとの差により求められる。次いで、ステ
ップ139において、今回求められた触媒温度変化率Δ
THCが前回求められた触媒温度変化率ΔTHCold
よりも大きいか否かを判断する。そして、今回の触媒温
度変化率ΔTHCが前回の触媒温度変化率ΔTHCol
dよりも大きい場合には、触媒温度変化率ΔTHCが変
化したものと判断し、電気ヒータ付触媒10が活性化し
たものと判断する。そして、電気ヒータ付触媒10に対
する加熱を中止させるべく、ステップ132へ移行し
て、第1のリレースイッチ18を「オフ」してバッテリ
16から電気ヒータ付触媒10への通電を終了させる。
つまり、電気ヒータ付触媒10の反応が開始されると、
その反応熱によって同触媒10が更に加熱されて、触媒
温度変化率ΔTHCが変化する。そのことから、触媒温
度変化率ΔTHCの変化が電気ヒータ付触媒10の活性
化の判定に用いられているのである。又、その後、ステ
ップ133〜ステップ136の処理を実行する。
【0045】これに対し、ステップ139において、今
回の触媒温度変化率ΔTHCが前回の触媒温度変化率Δ
THColdよりも大きくない場合には、触媒温度変化
率ΔTHCが変化しておらず、電気ヒータ付触媒10が
活性化していないものと判断して、ステップ140へ移
行する。そして、ステップ140において、今回の触媒
温度変化率ΔTHCを前回の触媒温度変化率ΔTHCo
ldとして設定した後、ステップ130へジャップして
ステップ130からの処理を繰り返す。
【0046】上記のようにして、エンジンの始動時にお
ける触媒の活性化判定を含む二次空気供給制御の処理動
作が行われる。ここで、上記のような二次空気供給制御
の作用を図7のタイムチャートに従って説明する。この
タイムチャートには、エンジンの冷間始動時におけるス
タータ信号STS、電気ヒータ付触媒10の作動、電動
式エアポンプ19の作動、VSV27の作動及び触媒温
度THCの変化が示されている。
【0047】今、時刻t1において、イグニッションス
イッチ14の操作に伴いスタータ信号STSが「オン」
から「オフ」へと切り換わると、電気ヒータ付触媒10
が通電によって「オン」されてその加熱が開始される。
この時、触媒温度THCも上昇し始める。
【0048】その後、時刻t2において、触媒温度TH
Cがある設定温度γに達すると、電動式エアポンプ19
がバッテリ16からの通電によって「オン」されて起動
される。
【0049】次いで、時刻t3において、時刻t2から
の経過時間T2、即ち電動式エアポンプ19が起動され
てからの時間がある基準時間Aに達すると、VSV27
が「オン」される。そして、このVSV27が「オン」
されたタイミングで、排気系への二次空気の供給が開始
される。従って、電気ヒータ付触媒10には、それ自身
があるレベルの温度に達した状態で二次空気により酸素
が供給されることから、電気ヒータ付触媒10は活性化
へ向かって徐々に温度を上昇させることになる。このと
き、電気ヒータ付触媒10では、電気エネルギーによる
温度上昇に対して二次空気により熱が若干奪われるた
め、温度の上昇率が若干下がる。
【0050】やがて、時刻t4において、電気ヒータ付
触媒10が活性化温度に達すると、排気ガス中のHCや
COが酸化されて排気ガスの浄化が始まる。そして、そ
のときの反応熱が、電気ヒータ付触媒10の加熱に対し
て更に加わることになり、触媒温度THCの上昇が一段
と早くなる。
【0051】その後、時刻t5において、時刻t1から
の経過時間T1、即ち電気ヒータ付触媒10の加熱を開
始してからの時間がある基準時間Bに達する前に、触媒
温度変化率ΔTHCが変化したことが判断されると、電
気ヒータ付触媒10が「オフ」されてその加熱が停止さ
れる。この時点で、電気ヒータ付触媒10は既に活性化
温度に充分に達していることから、電気ヒータ付触媒1
0の加熱を停止してもその浄化作用に支障はない。
【0052】そして、時刻t6において、エンジンの空
燃比フィードバック制御(FB制御)が開始されると、
電動式エアポンプ19及びVSV27がそれぞれ「オ
フ」されて、排気系への二次空気の供給が停止される。
【0053】以上説明したように、この実施例では、エ
ンジンの冷間始動時に電気ヒータ付触媒10と電動式エ
アポンプ19とに対する通電順序が制御され、電気ヒー
タ付触媒10を作動させた後に電動式エアポンプ20が
作動される。このため、電気ヒータ付触媒10と電動式
エアポンプ19とが同時に作動されることがなくなり、
両者10,19が同時に通電されることがない。
【0054】従って、この実施例では、電気ヒータ付触
媒と電動式エアポンプの両方を同時に作動させるような
場合とは異なり、加熱された電気ヒータ付触媒10があ
る設定温度γに達する前に二次空気で冷やされることが
ない。その結果、電気ヒータ付触媒10をより迅速に活
性化温度まで昇温させることができ、電気ヒータ付触媒
10によって排気ガスの浄化をより早く行わせることが
できる。つまり、エンジンの冷間始動時において、電気
ヒータ付触媒10による排気ガス浄化性能を更に向上さ
せることができるのである。
【0055】又、電気ヒータ付触媒10と電動式エアポ
ンプ19とが同時に通電されないことから、バッテリ1
6に大きな負荷がかかることがなくなる。即ち、電動式
エアポンプ19の起動には大きな突入電流を要するので
あるが、電気ヒータ付触媒10を電動式エアポンプ19
と同時に通電させていない分だけ、バッテリ16に瞬間
的にかかる負荷が低減される。よって、バッテリ16の
電圧が低下し過ぎることがなくなる。或いは、通常、バ
ッテリ16と共に設けられるオルタネータの負荷を急増
させることがなくなる。その結果、バッテリ16には瞬
間的に大電力の消費が強いられることがなくなり、瞬間
的な大電力の消費に起因するバッテリ16の劣化を未然
に防止することができる。又、バッテリ16の大幅な電
圧低下や劣化を防止できることから、バッテリ16の電
圧レベル変化が要因となってエンジンの回転が不調とな
るおそれがなくなる。
【0056】しかも、この実施例では、電気ヒータ付触
媒10への通電を停止させるために、触媒温度THCの
変化に基づいて電気ヒータ付触媒10の活性化を判定す
るようにしている。即ち、二次空気の供給が開始されて
電気ヒータ付触媒10の反応が開始されると、同触媒1
0がその反応熱によって更に加熱されて、触媒温度変化
率ΔTHCが変化する。そのことを利用して、電気ヒー
タ付触媒10の触媒温度THCを一つの触媒温センサ3
4で検出し、その検出結果に基づいて求められる触媒温
度変化率ΔTHCの変化をとらえ、電気ヒータ付触媒1
0の活性化を判定するようにしている。従って、触媒温
センサ34を複数設けることなく、電気ヒータ付触媒1
0の活性化が判定される。つまり、この実施例では、一
つの触媒温センサ34を使用するだけで、電気ヒータ付
触媒10の活性化を精度良く判定することができ、電気
ヒータ付触媒10の活性化判定のための構成を簡易なも
のとすることができる。
【0057】又、触媒温度THCの変化に基づいて電気
ヒータ付触媒10の活性化が判定されることから、経時
変化に起因して、同触媒10の排気ガス浄化効率が低下
したり、活性化温度が変化したりしても、それらの変化
に応じて活性化を判定することができる。その結果、電
気ヒータ付触媒10への通電時間を、同触媒10の劣化
状態に合わせて最小限に抑えることができ、バッテリ1
6に対する負担をより小さく抑えることができる。
【0058】更に、この実施例では、電気ヒータ付触媒
10に対する通電時間を、基準時間Bの範囲に規制する
と共に、同触媒10の加熱を最大温度THCmaxに達
する範囲に規制するようにしている。このことから、電
気ヒータ付触媒10が必要以上に通電されたり、必要以
上に加熱されたりすることがなく、同触媒10を保護す
ることができる。
【0059】加えて、この実施例では、電気ヒータ付触
媒10を作動させる前に、電気ヒータ付触媒10及びバ
ッテリ16の正常・異常が試験される。又、その試験結
果に異常がある場合には、電気ヒータ付触媒異常表示ラ
ンプ29、バッテリ異常表示ランプ30が点灯されると
共に、電気ヒータ付触媒10や電動式エアポンプ19等
への通電が中止される。そのため、電気ヒータ付触媒1
0やバッテリ16に異常がある場合には、そのことを直
ちに運転者に知らせることができ、異常のままで電気ヒ
ータ付触媒10や電動式エアポンプ19を作動させるこ
とがない。
【0060】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、触媒の活性化判定を、電気ヒー
タ付触媒10への通電を停止させるために適用したが、
触媒の活性化判定により活性化温度を知ることにより、
触媒の劣化を検知することに適用することもできる。 (2)前記実施例では、今回の触媒温度変化率ΔTHC
が前回の触媒温度変化率ΔTHColdよりも大きくな
ったときに、電気ヒータ付触媒10が活性化したと判断
するようにしている。これに対して、今回の触媒温度変
化率ΔTHCが前回の触媒温度変化率ΔTHColdよ
りも大きくなってから幾らかの時間が経過したときに、
触媒が活性化したものとして判断するようにしてもよ
い。或いは、今回の触媒温度変化率ΔTHCが前回の触
媒温度変化率ΔTHColdの幾倍よりも大きくなたと
きに、触媒が活性化したものとして判断するようにして
もよい。
【0061】(3)前記実施例では、電気ヒータ付触媒
10の構成を、メタル触媒を構成するハニカムコアの中
心に電極を配置してその中心電極とハブとの間で通電す
るものとしたが、電気ヒータ付触媒の構成はこれに限ら
れるものではなく、触媒自体を通電によって加熱できる
ものであればよい。
【0062】(4)前記実施例では、電気ヒータ付触媒
10の活性化を判定する場合に具体化したが、電気ヒー
タを備えていない触媒の活性化を判定する場合に具体化
することもできる。
【0063】(5)前記実施例では、電気ヒータ付触媒
10の活性化の判定を直列型のガソリンエンジンに具体
化したが、V型のガソリンエンジンに具体化したり、そ
れ以外のタイプの内燃機関に具体化したりすることもで
きる。
【0064】
【発明の効果】請求項1に記載した発明によれば、触媒
温度検出手段を複数設けることなく、触媒の活性化が正
確に判定される。 請求項2に記載した発明によれば、触
媒の温度変化率の増大に基づいて触媒の活性化を正確に
判断することにより、電気ヒータへの通電時間を緻密に
制御することができ、過通電等を回避することができる
ようになる。もってバッテリへの負担も軽減され、同バ
ッテリの寿命も長くなる。 請求項3に記載した発明によ
れば、酸素供給により触媒の活性が促される条件下で温
度変化率に係る判断を行うことにより、検出を容易に且
つ高い精度をもって行えるようになる。 請求項4に記載
した発明によれば、触媒の温度変化率が所定の変化率を
上回ることがなければ、触媒に異常があるものと判断す
ることにより、触媒の機能に関わる異常を正確に検出す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を説明する概念構
成図である。
【図2】この発明を具体化した一実施例におけるガソリ
ンエンジンシステムを示す概略構成図である。
【図3】一実施例においてECU等の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】一実施例において、ECUにより実行される
「二次空気供給制御ルーチン」を示すフローチャートで
ある。
【図5】一実施例において、ECUにより実行される
「二次空気供給制御ルーチン」の続きを示すフローチャ
ートである。
【図6】一実施例において、ECUにより実行される
「二次空気供給制御ルーチン」の続きを示すフローチャ
ートである。
【図7】一実施例において、ECUにより実行される二
次空気供給制御等の作用を説明するタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン本体、3…排気マニホル
ド、5〜7…排気管(3,5〜7は排気系を構成してい
る)、10…電気ヒータ付触媒、34…触媒温度検出手
段を構成する触媒温センサ、41…ECU(41は触媒
温度変化率演算手段、酸素供給状態判断手段及び活性化
判断手段を構成している)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01N 3/20 - 3/24 F02B 77/08 F02D 45/00 360

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設けられた触媒の活
    性化を判定する活性化判定装置であって、 前記触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、 前記触媒温度検出手段の検出結果に基づき、前記触媒の
    温度変化率を演算する触媒温度変化率演算手段と、前記演算される触媒の温度変化率に基づき、 前記触媒の
    活性化判断する活性化判断手段とを備えたことを特徴
    とする触媒の活性化判定装置。
  2. 【請求項2】 前記触媒は電気ヒータ付触媒であること
    を特徴とする請求項1記載の触媒の活性化判定装置。
  3. 【請求項3】 前記活性化判断手段による触媒活性化の
    判断は、前記触媒に触媒反応に必要な酸素が供給されて
    いるときに行われることを特徴とする請求項1又は2記
    載の触媒の活性化判定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3何れか記載の触媒の活性化
    判定装置において、前記触媒の温度変化率を設定された
    温度変化率と比較することにより触媒の異常を判断する
    異常判断手段を更に備えることを特徴とする触媒の活性
    化判定装置。
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