JP3215534U - 外筒チューブ固定具とこれを有する排液キット - Google Patents

外筒チューブ固定具とこれを有する排液キット Download PDF

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Abstract

【課題】外筒チューブを簡単に身体に対してほぼ垂直に支持することができ、効率的な腹水等の排液を可能とする外筒チューブ固定具を提供する。【解決手段】腹水や胸水を排液する際に使用され、身体BOに刺し入れた留置針の外筒チューブ520を身体に対してほぼ垂直で保持する外筒チューブ固定具であって、外筒チューブを固定する天面部110と、天面部に連設され、天面部と身体との間の距離を一定に保つための側面部120とを有しており、天面部が接している側面部の辺121の長さは天面部の外周111の長さと等しく設定され、筒状に変形された側面部の一端を天面部が覆って有天筒状に形成されている。【選択図】図3

Description

本考案は、腹水や胸水を排液する際に使用されるプラスチックカニューレ型静脈内留置針の外筒チューブを固定する外筒チューブ固定具と、この外筒チューブ固定具を有する排液キットに関する。
腹水や胸水が貯留した患者に対する対症療法の一つとして腹水、胸水の排液がある。この排液は、点滴セットや外科的チューブが接続されたプラスチックカニューレ型静脈内留置針(以下、『留置針』とする)を流用する。腹水等の排液は、留置針を腹壁より腹腔内に刺入した後、留置針の内筒針のみを抜き取って外筒チューブを残置することで行う。
この際、外筒チューブが身体(腹壁)に対してほぼ垂直になるようにすれば、排液が効率的に行われる。
留置針の外筒チューブは柔らかなプラスチック製のため、身体に対してほぼ垂直の状態を保持し続けることが難しく、抜けやすいとか折れて排液が困難になるという問題点を有している。
かかる問題を解消するために、実際の医療現場では外筒チューブを身体に対して縫い付けて垂直にすることが行われていた。
また、特許第4158134号公報には、プラスチックカニューレ型静脈内留置針の外筒チューブではなくドレーンチューブを固定するための保持装置が開示されている。
特許第4158134号公報
外筒チューブを身体に縫い付けることは、無駄な痛みを患者に与えることになるし、外筒チューブが外れてしまったら再度の穿刺や縫い付けが必要になる。
本考案は、上記事情に鑑みて創案されたもので、外筒チューブを身体に縫い付けることなく、簡単に身体に対してほぼ垂直に支持することができる外筒チューブ固定具、これを有する排液キットを提供することを目的としている。
本考案に係る外筒チューブ固定具は、身体に刺し入れた留置針の外筒チューブを身体に対してほぼ垂直で保持する外筒チューブ固定具であって、外筒チューブを固定する天面部と、この天面部に連設されており、この天面部と身体との間の距離を一定に保つための側面部とを有しており、天面部が接している側面部の辺の長さは天面部の外周の長さと等しく設定され、筒状に変形された側面部の一端を天面部が覆って有天筒状となる。
本考案に係る外筒チューブ固定具は、天面部に外筒チューブを固定させることで、外筒チューブを身体に対してほぼ垂直に維持することができるので、腹水等の効率的な排液が可能になる。
また、外筒チューブ固定具が紙製であると、コスト的に有利である。また、紙製であると、治療に必要な患者のデータ等を備忘録的に直接書き込むこともできるというメリットがある。さらに紙製であると、太い外筒チューブであってもはさみ等で簡単に修正できるので大変便利である。
また、外筒チューブ固定具が透光性を有する合成樹脂製であると、外筒チューブを視認するための側面部の開口部を設ける必要がないので、全体の剛性をより高くすることができるというメリットがある。
前記天面部が円形に形成され、かつ側面部が扇形に形成されていると、組み立てた状態の外筒チューブ固定具が有天筒状になるので展開状態で保管がきき大変便利である。
また、側面部に1又は2以上の開口部が開設されていると、外筒チューブ固定具の外部から外筒チューブの状態を直接視認することができるというメリットがある。
本考案に係る他の外筒チューブ固定具は、身体に接触する底面部と、それに対向する面とを有しており、天面部と対向する面との間には外筒チューブが入り込む貫通孔が開設されていてもよい。
この場合には、側面部から貫通孔に向かって外筒チューブを入れ込むための切れ目が形成されていると、外筒チューブを有する留置針を容易にセットすることができる。
また、この外筒チューブ固定具が、スポンジ状の素材から構成されていると、保管時には圧縮することができるのでスペース的にも大変有利である。
この外筒チューブ固定具と、この外筒チューブ固定具によって固定される外筒チューブを有する留置針とを無菌的にパックした排液キットは、排液時に外筒チューブを身体に対してほぼ垂直に固定することができるので、効率的な腹水等の排液が可能になる。
本考案の第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の概略的斜視図である。 本考案の第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の概略的展開図である。 本考案の第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の使用状態を示す概略的斜視図である。 本考案の第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の使用状態を示す概略的断面図である。 本考案の第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の使用状態を示す概略的斜視図である。 本考案の第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の使用状態を示す概略的斜視図である。 本考案の第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具の使用状態を示す概略的断面図である。 本考案の実施の形態に係る外筒チューブ固定具によって外筒チューブが固定される留置針の概略的断面図である。 本考案の実施の形態に係る外筒チューブ固定具によって外筒チューブが固定される留置針の他の形態を示す概略的断面図である。
まず、本考案の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100の詳細な説明の前に留置針500の一般的な構造、使用方法について図8を参照しつつ説明する。
この種の留置針500は、静脈に薬剤を注入する以外に腹水や胸水等を排除する際にも用いられる。一般的な留置針500は、図8に示すように、皮膚を貫通して身体内部の目的箇所内(腹水を抜き取る場合には腹水が貯留している部分)にまで穿刺される金属製の内筒針510と、この内筒針510が挿通される柔軟な外筒チューブ520とを有しており、内筒針510の先端は外筒チューブ520の先端から突出している。内筒針510の先端から穿刺し、外筒チューブ520までもが目的箇所内に到達したならば、内筒針510のみを引抜くことで、外筒チューブ520の先端を目的箇所内に留置することができる。その後、外筒チューブ520の基端に設けられた外筒チューブアダプタ522にドレーンチューブ等の延長チューブ550を連結する。
なお、外筒チューブ520の先端側側面には、薬剤や腹水が通過するための1又は2以上(図8では2つ)の開口521が開設されている。また、外筒チューブアダプタ522の外周面には、排液するために連結する延長チューブ550が外れないようにするために先端部についている図示しない安全キャップを取り付けるための雄ねじ523が形成されている。
また、内筒針510の後端には、内筒針アダプタ511が設けられている。内筒針510が外筒チューブ520に収まった状態では内筒針アダプタ511は外筒チューブアダプタ522に嵌まり込んでいる。
なお、作図の都合上、図面における各部品の寸法は誇張して示している。
本考案の第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100は、腹水や胸水を排液する際に使用され、身体BOに刺し入れた留置針500の外筒チューブ520を身体BOに対してほぼ垂直で保持する外筒チューブ固定具であって、外筒チューブ520を固定する天面部110と、この天面部110に連設されており、この天面部110と身体BOとの間の距離を一定に保つための側面部120とを有しており、天面部110が接している側面部120の辺121の長さL2は天面部110の外周111の長さL1と等しく設定され(図2参照)、筒状に変形された側面部120の一端を天面部110が覆って有天筒状となる。
なお、有天筒状とは、本明細書中では、コップを逆さまにしたような状態、すなわち天面が閉塞される一方、底面が解放された筒状体を意味するものとする。
また、本明細書中での『ほぼ垂直』との表現は、厳密な垂直を意味するものではなく、腹水等の効率的な排液に支障がない範囲で垂直を中心とした一定の範囲(約60〜約120°)を意味するものとする。
この外筒チューブ固定具100の使用前の状態は、図2に示すように、略円形の天面部110と、扇形の側面部120とが同一平面上で連なっている。天面部110の外周111の長さL1は、側面部120の4つの辺のうち、天面部110と接している円弧状の辺121の長さL2と等しく設定されている。このため、前記辺121と直交する2つの直線状の辺122、123が接するように側面部120を筒状に丸め、天面部110で天面を閉塞するようにすると、有天筒状の外筒チューブ固定具100が形成される。
なお、外筒チューブ固定具100の側面部120が、天面部110から若干末広がりの扇形になっているのは、外筒チューブ固定具100を円錐台状として身体BOに対してより安定した固定を確保するためである。
また、前記側面部120には、略台形状の4つの開口部125が開設されている。この開口部125は、身体BOに穿刺した留置針500の外筒チューブ520等を外筒チューブ固定具100の外部から目視するためのものである。
さらに、前記側面部120の辺121と対向する円弧状の辺124は、辺121と平行になっている。従って、有天筒状に形成された外筒チューブ固定具100は、天面部110は辺124との間の距離が一定に保たれることになる。この外筒チューブ固定具100は、辺124を身体BOに密着させた状態で使用するため、天面部110は身体BOとの間の距離が一定に保たれることになる。
一方、前記天面部110には、中央に貫通孔112が開設されるとともに、外周111から貫通孔112に向かって切込み113が形成されている。なお、外筒チューブ固定具100を側面部120の辺122、123とが接し、かつ天面部110で閉塞するようにした有天筒状に形成した場合、切込み113は辺122、123と一致するような位置に設定されている。
前記貫通孔112は、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を支持するものである。また、前記切込み113は、留置針500の外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を外筒チューブ固定具100の内部に導入する際の入口となる部分である。
また、この天面部110は略円形に形成されていると、側面部120を筒状に形成する際に側面部120を屈曲させる必要がないため、側面部120の変形がより簡単になるというメリットがある。
なお、この外筒チューブ固定具100は紙、望ましくは防水性を有する紙で構成されている。
次に、上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100の使用手順について説明する。
まず、留置針500を身体BOに穿刺し、内筒針510及び外筒チューブ520が目的箇所に達したならば、内筒針510を身体BOから抜き取って外筒チューブ520のみを身体BOに留置する。その後、外筒チューブ520の基端に設けられた外筒チューブアダプタ522にドレーンチューブ等の延長チューブ550を連結する。ここまでの作業中、外筒チューブ520は効率的な排液のため身体BOに対してほぼ垂直に保持しておく。
この作業が完了した後、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を外筒チューブ固定具100の天面部110の切込み113を介して貫通孔112に入れ込む。この外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550の貫通孔112への入れ込みが完了するまで、外筒チューブ固定具100は図2に示すような展開状態にある。
この後、展開状態にある外筒チューブ固定具100を側面部120を辺122、123が接するように円筒状に丸めるとともに、側面部120を丸めて形成された円筒の天面を天面部110で閉塞する。
ここまでは、術者である医師が一方の手で外筒チューブ520を保持しつつ、他方の手で外筒チューブ固定具100の変形作業を行う。
次に、外筒チューブ固定具100の辺122と辺123との一部を粘着テープである医療用粘着テープ600で、天面部110と側面部120とは医療用粘着テープ610でそれぞれ留める。
さらに、外筒チューブ固定具100を複数箇所(図3では2箇所のみ表れている)の医療用粘着テープ620で身体BOに固定する。
この医療用粘着テープ600、610、620での作業は、補助者である看護師等が行う。
医療用粘着テープ600、610、620による作業が完了するまで、術者である医師は外筒チューブ520を身体BOに対してほぼ垂直に維持しておく。
一連の手順が完了すると、外筒チューブ520は外筒チューブ固定具100によって身体BOに対してほぼ垂直を保持した状態で身体BO内部に留置されるので、腹水等の排液が効率的に行える。
腹水や胸水の排液が終了して、外筒チューブ520を身体BOに留置しておく必要がなくなったならば、外筒チューブ固定具100は身体BOから抜去された外筒チューブ520や延長チューブ550とともに廃棄処分される。
このように構成された外筒チューブ固定具100は、必ず留置針500とペアで使用されるものであるため、出荷当初から留置針500とともに無菌パック包装材で無菌パックされた排液キットとして販売することが望ましい。
この際、外筒チューブ固定具100は平らな展開した状態でパックすることができるので、保管や搬送のために大きなスペースを必要としないというメリットがある。
なお、上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100は、有天筒状の末広がりの円錐台状としたが、上面と下面との直径が等しい直管状のものであってもよい。また、側面部120が角筒状であってもよいことはいうまでもない。
また、上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100は、紙、望ましくは防水性を有する紙で構成されるとしたが、合成樹脂製であってもよい。この場合、内部を直接視認することができる透光性を有する合成樹脂から構成されるのであれば、開口部125に相当するものを設けなくてもよい。
さらに、上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100では、側面部120の辺122と辺123との一部は医療用粘着テープ600で、天面部110と側面部120とは医療用粘着テープ610で、外筒チューブ固定具100自体は医療用粘着テープ620で身体BOにそれぞれ留めるとしたが、この医療用粘着テープ600、610、620は、最初から側面部120や天面部110にセットされていてもよい。この場合、各医療用粘着テープ600、610、620の使用されていない粘着面には使用時に剥がすピール紙が添えられている。
これであると、補助者である看護師等に医療用粘着テープ600、610、620を貼らせずとも術者である医師一人で作業を行うことができる。
また、医療用粘着テープ600を使用せずとも、側面部120の辺122と辺123とに対応した係止部を形成しておき、この係止部同士を引っ掛けることで、筒状に変形させた側面部120の形状を保つようにしてもよい。同様に、医療用粘着テープ610を使用せずとも、天面部110の外周111とに対応した係止部を形成しておき、この係止部同士を引っ掛けることで、天面部110による筒状の側面部120の閉塞を維持するようにしてもよい。
このように医療用粘着テープ600、610を使用しないタイプのものであると、予め医療用粘着テープ600、610を準備する必要がないというメリットがある。
本考案の第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200は、図5に示すように、腹水や胸水を排液する際に使用され、身体BOに刺し入れた留置針500の外筒チューブ520を身体BOに対してほぼ垂直で保持する外筒チューブ固定具であって、外筒チューブ520を固定する天面部210と、この天面部210の縁部211から垂下されており、この天面部210と身体BOとの間の距離を一定に保つための側面部220とを有しており、天面部210と側面部220とで有天筒状に形成されている。
この第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200が、第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100と相違する点は、第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100が使用時には有天筒状になるが、使用される前は展開された状態にあるのに対して、第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200は使用時も使用される前も有天筒状になっている点である。
すなわち、第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200では、天面部210と側面部220とは、図5に示すように、最初から繋がっているのである。
このため、この外筒チューブ固定具200であると、使用時に術者である医師が、一方の手で外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を保持しつつ、他方の手で外筒チューブ固定具200の変形作業を行う必要がないというメリットがある。
その他の点、すなわち天面部210の中央に貫通孔212が開設されるとともに、外周211から貫通孔212に向かって切込み213が形成されている点、側面部220に略台形状の4つの開口部225が開設されている点は、上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100と同等である。
また、側面部220には、前記切込み213と連通した切込み226が形成されているが、この切込み226は第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100における辺122と辺123との隙間に相当する。すなわち、この側面部220の切込み226と、天面部210の切込み213とを介して外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を天面部210の貫通孔212に挿通させるのである。
次に、上述した第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200の使用手順について説明する。
留置針500を身体BOに穿刺し、内筒針510及び外筒チューブ520が目的箇所に達したならば、内筒針510を身体BOから抜き取り、外筒チューブ520のみを身体BOに留置し、外筒チューブ520の基端に設けられた外筒チューブアダプタ522にドレーンチューブ等の延長チューブ550を連結する。ここまでの作業中、外筒チューブ520は効率的な排液のため身体BOに対してほぼ垂直に保持しておく。
この作業が完了した後、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を外筒チューブ固定具200の側面部220の切込み226及び天面部210の切込み213を介して貫通孔212に入れ込む。
ここまでは、術者である医師が一方の手で外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を保持しつつ、他方の手で外筒チューブ固定具200を保持して作業を行う。
次に、外筒チューブ固定具200の切込み226を医療用粘着テープ600で留める。
さらに、外筒チューブ固定具200を複数箇所(図5では2箇所のみ表れている)の医療用粘着テープ620で身体BOに固定する。
この医療用粘着テープ600、620での作業は、補助者である看護師等が行う。
医療用粘着テープ600、620による作業が完了するまで、術者である医師は外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を身体BOに対してほぼ垂直に維持しておく。
一連の手順が完了すると、外筒チューブ520は外筒チューブ固定具200によって身体BOに対してほぼ垂直を保持した状態で身体BO内部に留置されるので、腹水等の排液が効率的に行える。
腹水や胸水の排液が終了して、外筒チューブ520を身体BOに留置しておく必要がなくなったならば、外筒チューブ固定具200は身体BOから抜去された外筒チューブ520や延長チューブ550とともに廃棄処分される。
このように構成された外筒チューブ固定具200は、必ず留置針500とペアで使用されるものであるため、出荷当初から留置針500とともに無菌パック包装材で無菌パックされた排液キットとして販売することが望ましい。
なお、上述した第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200は、有天筒状の末広がりの円錐台状としたが、上面と下面との直径が等しい直管状のものであってもよい。また、側面部220が角筒状であってもよいことはいうまでもない。
さらに、上述した第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200は、紙、望ましくは防水性を有する紙で構成されるとしたが、合成樹脂製であってもよい。この場合、内部を直接視認することができる透光性を有する合成樹脂から構成されるのであれば、開口部225に相当するものを設けなくてもよい。
さらに、上述した第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200では、側面部220の切込み226を医療用粘着テープ600で、外筒チューブ固定具200自体は医療用粘着テープ620で身体BOに留めるとしたが、この医療用粘着テープ600、620は最初から側面部220にセットされていてもよい。この場合、各医療用粘着テープ600、620の使用されていない粘着面には使用時に剥がすピール紙が添えられている。これであると、補助者である看護師等に医療用粘着テープ600、620を貼らせずとも術者である医師一人で作業を行うことができる。
また、医療用粘着テープ600を使用せずとも、側面部220の切込み226に向かい合った係止部を形成しておき、この係止部同士を引っ掛けることで、側面部220の形状を保つようにしてもよい。
このように医療用粘着テープ600を使用しないタイプのものであると、予め医療用粘着テープ600を準備する必要がないというメリットがある。
上述した第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100、第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具200は、ともに有天筒状であるとしたが、以下に示す第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具300のようなものもある。
第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具300は、身体BOに刺し入れた留置針500の外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を身体BOに対してほぼ垂直で保持するものであって、図6及び図7に示すように、身体BOに接触する底面部330と、それに対向する面である天面部310とを有しており、底面部330と天面部310との間には外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550が入り込む貫通孔340が開設されている。
かかる外筒チューブ固定具300は、柔軟性を有する素材、例えばスポンジ等から構成されており、矩形状の天面部310と矩形状の底面部330とが平行になり、底面部330の方が天面部310より大きな略四角錐台状に形成されている。
このように、外筒チューブ固定具300が略四角錐台状に形成されているのは、外筒チューブ固定具300の身体BOに対するより安定した固定を確保するためである。
また、この外筒チューブ固定具300の天面部310と底面部330との間には垂直な貫通孔340が開設されている。この貫通孔340は、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550が入り込んで支持される部分である。
さらに、この外筒チューブ固定具300には、側面部320から前記貫通孔340に向かった切れ目321が形成されている。この切れ目321は、側面部320から貫通孔340に向かって留置針500の外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を入れ込むためのものである。この切れ目321の内側には、図示しないピール紙付き両面粘着テープがセットされている。
さらに、天面部310と対向する面である底面部330には、医療用のピール紙付き両面粘着テープ630が貼着されている。
なお、前記貫通孔340の内径は、外筒チューブ520を安定して支持するために、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550の外径より若干小さく設定されている。また、前記切れ目321の隙間寸法は、貫通孔340の内径と同等又はそれより若干小さく設定されている。
次に、上述した第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具300の使用手順について説明する。
留置針500を身体BOに穿刺し、内筒針510及び外筒チューブ520が目的箇所に達したならば、内筒針510を身体BOから抜き取り、外筒チューブ520のみを身体BOに留置し、外筒チューブ520の基端に設けられた外筒チューブアダプタ522にドレーンチューブ等の延長チューブ550を連結する。ここまでの作業中、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550は効率的な排液のため身体BOに対してほぼ垂直に保持しておく。
この作業が完了した後、外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を外筒チューブ固定具300の側面部320の切れ目321を介して貫通孔340に入れ込む。
ここまでは、術者である医師が一方の手で外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を保持しつつ、他方の手で外筒チューブ固定具300を保持して作業を行う。
次に、切れ目321の内側にセットされたピール紙付き両面粘着テープのピール紙を剥がして切れ目321を閉塞する。
次に、外筒チューブ固定具300を複数箇所(図6では2箇所のみ表れている)の医療用のピール紙付き両面粘着テープ630のピール紙を剥がして身体BOに固定する。
この医療用のピール紙付き両面粘着テープ630での作業は、術者である医師が行う。医療用のピール紙付き両面粘着テープ630での作業が完了するまで、術者である医師は外筒チューブ520と外筒チューブアダプタ522に接続した延長チューブ550を身体BOに対してほぼ垂直に維持しておく。
一連の手順が完了すると、外筒チューブ520は外筒チューブ固定具300によって身体BOに対してほぼ垂直を保持した状態で身体BO内部に留置されるので、腹水等の排液が効率的に行える。
腹水や胸水の排液が終了して、外筒チューブ520を身体BOに留置しておく必要がなくなったならば、外筒チューブ固定具300は身体BOから抜去された外筒チューブ520や延長チューブ550とともに廃棄処分される。
上述した第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具300は、医療用のピール紙付き両面粘着テープ630で身体BOに固定するとしたが、医療用のピール紙付き両面粘着テープ630ではなく、第1の実施や第2の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100、200の医療用粘着テープ620に相当する医療用粘着テープを用いて外筒チューブ固定具300の側面部320と身体BOとの間で固定するようにしてもよい。
この外筒チューブ固定具300の身体BOへの固定は、補助者である看護師等が通常の医療用粘着テープ(第1の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100における医療用粘着テープ620に相当する)を用いて行ってもよい。
このように構成された外筒チューブ固定具300は、必ず留置針500とペアで使用されるものであるため、出荷当初から留置針500とともに無菌パック包装材で無菌パックされた排液キットとして販売することが望ましい。
この際、外筒チューブ固定具300は圧縮した状態でパックすることができるので、保管や搬送のために大きなスペースを必要としないというメリットがある。
上述した第1、第2、第3の実施の形態に係る外筒チューブ固定具100、200、300では、皮膚を貫通して身体内部の目的箇所内にまで穿刺される金属製の内筒針510と、この内筒針510が挿通される柔軟な外筒チューブ520とを有しており、内筒針510の先端は外筒チューブ520の先端から突出しているといういわゆる二重構造の留置針500の外筒チューブ520を支持するとして説明したが、以下のような三重構造の留置針700の外筒チューブ720を支持することも可能である。
三重構造の留置針700は、図9に示すように、皮膚を貫通して身体内部の目的箇所内にまで穿刺される金属製の内筒針710と、この内筒針710が挿通される柔軟な外筒チューブ720と、外筒チューブ720と内筒針710との間に位置する金属等の硬質な材料から構成される保持筒730とを有している。
保持筒730は、外筒チューブアダプタ722に外筒チューブ720とともに取り付けられている。この保持筒730は、内筒針710が抜き取られた後も外筒チューブ720の内側にあって外筒チューブ720を内側から保持することで、外筒チューブ720の折れ曲がり、破損を防止する。
この保持筒730の先端は外筒チューブ720の先端から突出しないようになっている。また、外筒チューブ720の先端であって保持筒730が存在しない位置の側面には1又は2以上(図9では2つ)の開口部721が開設されている。
従って、腹水の排液は、外筒チューブ720の先端の開口端のみならず、前記開口部721からも行われることになる。
なお、他の部分、すなわち外筒チューブアダプタ722の外周面には、排液するために連結する延長チューブ550が外れないようにするために先端部についている図示しない安全キャップを取り付けるための雄ねじ723が設けられている点、内筒針710の後端には内筒針アダプタ711が設けられている点は、上述した二重構造の留置針500と同等である。
100 外筒チューブ固定具
110 天面部
120 側面部
500 留置針
520 外筒チューブ

Claims (14)

  1. 身体に刺し入れた留置針の外筒チューブを身体に対してほぼ垂直で保持することを特徴とする外筒チューブ固定具。
  2. 請求項1記載の外筒チューブ固定具において、外筒チューブを固定する天面部と、この天面部に連設されており、この天面部と身体との間の距離を一定に保つための側面部とを有しており、天面部が接している側面部の辺の長さは天面部の外周の長さと等しく設定され、筒状に変形された側面部の一端を天面部が覆って有天筒状となることを特徴とする外筒チューブ固定具。
  3. 前記天面部は、円形に形成されていることを特徴とする請求項2記載の外筒チューブ固定具。
  4. 前記側面部には、1又は2以上の開口部が開設されていることを特徴とする請求項2又は3記載の外筒チューブ固定具。
  5. 前記側面部は、扇形であることを特徴とする請求項3記載の外筒チューブ固定具。
  6. 紙製であることを特徴とする請求項2、3、4又は5記載の外筒チューブ固定具。
  7. 透光性を有する合成樹脂製であることを特徴とする請求項2、3又は5記載の外筒チューブ固定具。
  8. 側面部を筒状に変形させた際、対向する辺同士を連結する粘着テープと、筒状に変形された側面部の一端を天面部で覆う際、側面部と天面部とを連結する粘着テープとを有しており、側面部の辺、天面部の外周に両粘着テープが予めセットされていることを特徴とする請求項2、3、4、5、6又は7記載の外筒チューブ固定具。
  9. 請求項1記載の外筒チューブ固定具において、外筒チューブを固定する天面部と、この天面部の縁部から垂下されており、この天面部と身体との間の距離を一定に保つための側面部とを有しており、天面部と側面部とで有天筒状に形成されていることを特徴とする外筒チューブ固定具。
  10. 身体に接触する底面部と、それに対向する面とを有しており、天面部と対向する面との間には外筒チューブが入り込む貫通孔が開設されていることを特徴とする中実状の請求項1記載の外筒チューブ固定具。
  11. 請求項10記載の外筒チューブ固定具において、側面部から貫通孔に向かって外筒チューブを入れ込むための切れ目が形成されていることを特徴とする外筒チューブ固定具。
  12. 請求項10又は11記載の外筒チューブ固定具において、スポンジ状の素材から構成されていることを特徴とする外筒チューブ固定具。
  13. 前記天面部と対向する面には、ピール紙付き両面粘着テープが貼着されていることを特徴とする請求項10、11又は12記載の外筒チューブ固定具。
  14. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12又は13のいずれかに記載の外筒チューブ固定具と、この外筒チューブ固定具によって固定される外筒チューブを有する留置針とを無菌的にパックしたことを特徴とする排液キット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110522988A (zh) * 2019-09-03 2019-12-03 南通大学附属医院 固定装置及胸腔引流器

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