JP3214959B2 - 絶縁ケーブル複合架空線およびこれを用いた配電方法 - Google Patents
絶縁ケーブル複合架空線およびこれを用いた配電方法Info
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Description
架空送電線または架空地線に,この架空送電線または架
空地線の途中の地点から,例えば航空障害灯その他へ電
力を供給したりあるいは情報を供給したりすることを可
能とする絶縁ケーブルを組み合わせてなる絶縁ケーブル
複合架空線に関するものである。
害灯等へ給電するための電源としては,配電線をそれぞ
れの設置箇所まで引き込み布設することが一般的であ
る。また,配電線の布設を必要としない方式として,太
陽電池や送電線からの誘導電力を利用する方式が提案さ
れ,一部で採用されている。
用地事情の点で山岳地を通過することが多いことから,
通常,最寄りの電源から所要鉄塔までの距離はかなりの
長距離になるので,上記の配電線を引き込み布設する方
式では,この長距離の配電線を新たに布設するために多
額の費用を要し,また,用地問題を生じることが多く,
大きな困難を伴う。
利用する方式は,配電線の布設を必要としない長所はあ
るが,使用できる電力量に制限があり,例えば90m以
上の鉄塔に設置する必要がある中光度航空障害灯(1K
VA以上の電力が必要)用の電源としては適さない。ま
た,太陽電池は気象条件による発電能力の変化があるた
め,電力の安定供給には蓄電池も併用するなどの余裕を
もった設計と十分なメンテナンスが必要となり,簡便で
ない。また,送電線からの誘導電力を利用する方式にし
ても,送電電圧,送電電流,安定供給の観点から信頼性
に欠ける面がある。
で,鉄塔間に架空送電線や架空地線が架設されている架
空送電線路網において,その線路網の付近に存在する航
空障害灯その他への電力供給や各種の情報の提供を容易
にかつ電力量の制限なしに安定して行うことのできる送
配電システムを提供することを目的とする。
明の絶縁ケーブル複合架空線は、架空送電系統における
鉄塔間に架設される架空送電線または架空地線に、鉄塔
上に設置された機器への給電のための、または当該機器
から信号を遠方に伝送するための絶縁ケーブルを複合さ
せたことを特徴とする。
鉄塔間に架設される架空送電線または架空地線に絶縁ケ
ーブルを複合させてなる絶縁ケーブル複合架空線を利用
して配電を行う配電方法であって、架空送電線または架
空地線として鉄塔間に架設された前記絶縁ケーブル複合
架空線における絶縁ケーブルを配電線路の一部として用
いることを特徴とする。
等を設置している場合,架空送電線または架空地線とし
て鉄塔間に架設されている絶縁ケーブル複合架空線から
絶縁ケーブルを引き出し分岐させ,この分岐させた絶縁
ケーブルを航空障害灯等に接続する。絶縁ケーブルは配
電線として用いられており,航空障害灯等に電力を供給
することができる。また,鉄塔から若干離れた場所の電
力会社施設あるいは一般需要家に電力を供給する場合
は,前記分岐させた絶縁ケーブルを当該鉄塔に設けた配
電盤に接続し,この配電盤より配電する。また,絶縁ケ
ーブルは情報を供給するデータ伝送ケーブルとして用い
ることもできる。
て説明する。本発明の絶縁ケーブル複合架空線は、架空
送電系統における鉄塔間に架設される架空送電線または
架空地線に、鉄塔上に設置された機器への給電のため
の、または当該機器から信号を遠方に伝送するための絶
縁ケーブルを複合させた構成であり、図1〜図4に複合
の仕方の実施例を示す。図1に示す絶縁ケーブル複合架
空線(以下、単に複合架空線という)1(1A)は、絶
縁ケーブル2をアルミニュームまたはステンレス等の金
属パイプ3内に収納し、この金属パイプ3の外周にアル
ミ線、アルミ合金線、アルミ覆鋼線等の複数本の素線
(図示のものはアルミ覆鋼線)4を撚り合わせた構造で
ある。複数本の素線4の部分が架空送電線あるいは架空
地線となる。前記絶縁ケーブル2は、詳細図示は省略す
るが、中心の導体コアの外側に絶縁体、シース等の層を
備える構造であるが、データ伝送ケーブルとして用いる
場合は、さらに遮蔽層その他の層を備える。金属パイプ
3内に絶縁ケーブル2を収容したこの構造は、耐雷特
性、耐サージ特性に優れ、また、施工性が良好である。
ケーブル2の外周を全体として円筒形をなすように組み
合わされた複数本の成形された扇形素線5で囲み,さら
にその外周に複数本の素線4を撚り合わせた構造であ
る。前記各扇形素線5は,扇形に成形されたアルミニュ
ーム内に丸鋼線を有する構造である。この構造も,耐雷
特性,耐サージ特性に優れ,また,施工性が良好であ
る。図3に示す複合架空線1(1C)は,複数本の素線
4と2本の絶縁ケーブル2とを一緒に撚り込んだ構造で
ある。図4に示す複合架空線1(1D)は,複数本の素
線4を撚り合わせてなる裸撚線6の外周に2本の絶縁ケ
ーブル2をスパイラル状に巻き付けた構造である。な
お,この場合の絶縁ケーブル2は1本あるいは3本以上
でもよい。絶縁ケーブル2を裸撚線6の外周にスパイラ
ル状に巻き付けたこの構造は,風騒音低減に有効であ
る。上記の各実施例の他,絶縁ケーブルと複数本の素線
とを組み合わせて1本の絶縁ケーブル複合架空線とする
構造は種々考えられる。
地線の布設ルートを配電線路の布設ルートの一部として
利用して,所望の負荷に給電する等のために使用する。
例えば図5に示す使用例は,鉄塔11上に航空障害灯1
2が設置されている場合に,この航空障害灯12に給電
するために利用したものである。図5において,符号1
3は架空地線であり,この架空地線13として上述の複
合架空線1を用いている。この架空地線13は,引き止
め金具14により鉄塔11に引き止められており,この
引き止め金具14の部分から絶縁ケーブル2を分岐し,
当該鉄塔11に設けた中継接続箱15に導いている。こ
の中継接続箱15は,架空地線13内の絶縁ケーブル2
を当該鉄塔11に分岐させるためのものであり,この中
継接続箱15において絶縁ケーブル2を分岐させその分
岐線2’を電源装置16に接続し,この電源装置16か
ら給電線17を航空障害灯12に接続する。前記電源装
置16は,変圧器,保護設備,分電盤等よりなる。な
お,図5において,符号20は一般配電系統からの受電
設備である端末接続箱で,配電用変電所から引かれた配
電線21の端末に設ける。この端末接続箱20に複合架
空線1の端末から引き出した絶縁ケーブル2を接続す
る。符号22は電柱を示す。また,符号23は通常の裸
撚線による架空送電線である。
線13に複合されている絶縁ケーブル2を分岐させて給
電を行うので,遠方にある電源から長距離に渡って配電
線のみを別途独立に布設する必要はなく,容易にかつ安
価に電力供給を行うことができる。
電について述べたが,これに限らず風速計,気温計,雨
量計等の一般気象センサ,張力計等の送電線監視センサ
あるいは監視用のITV(産業テレビ),騒音計,ある
いはこれらのセンサの検出信号処理装置等を鉄塔に設け
る場合に,上述の絶縁ケーブル2をこれらの機器への給
電のために用いることができる。さらに,上記の検出信
号処理装置あるいはITV等から得た情報を遠方に伝送
するために,この複合架空線1における絶縁ケーブル2
をデータ伝送ケーブルとして利用することもできる。な
お,引き止め金具14の部分から中継接続箱15までの
間は,前述のように複合架空線1から分岐した絶縁ケー
ブル2のみとしてもよいし,あるいは,複合架空線1全
体を中継接続箱15まで導き,この中継接続箱15にお
いて複合架空線1から絶縁ケーブル2を分離させてもよ
い。
れほど離れていない場所にある電力会社施設あるいは一
般需要家等への配電に利用する場合の実施例を図6に示
す。図6において,符号25は例えば66KV〜100
0KV等の架空送電線,符号26は架空地線であり,い
ずれの架空線25,26も上述の複合架空線1を用いて
いる。架空地線26は引き止め金具24で引き止めら
れ,この引き止め金具24の部分で架空地線26に複合
している絶縁ケーブル2aが分離され中継接続箱27に
導かれ,この中継接続箱27において分岐され,絶縁ケ
ーブル2aの分岐線2a’が配電盤28に接続される。
また,図6で左側の鉄塔11において,架空送電線2
5,25’は引き止め金具30によりガイシ連を介して
鉄塔アーム31に引き止められ,左右両側の架空送電線
25,25’がジャンパ線32を介して電気的に接続さ
れ,右側の架空送電線25から,これに複合している絶
縁ケーブル2bが分岐され,配電盤33に接続されてい
る。なお,図示例では,左側の鉄塔11よりさらに左側
の架空送電線25’は本発明の絶縁ケーブル複合架空線
でなく,通常の裸撚線の架空送電線である。
るいは架空送電線25に複合している絶縁ケーブル2
a,2bから一次電圧(200V,600V,3300
V,6600V等)を受け,二次電圧(100V,20
0V)の使用電圧に変換する変圧機能,二次側故障時の
遮断機能,避雷機能等の二次側保護機能等を備えてお
り,これらの配電盤28,33から鉄塔の近傍の電力会
社施設あるいは一般需要家などの二次側設備(負荷)3
4へ配電線35により配電することができる。なお,図
6において,架空送電線25に複合している絶縁ケーブ
ル2bあるいは架空地線26に複合している絶縁ケーブ
ル2aは,図5に示した場合と同様に一般配電系統から
の受電設備に接続されたものであり,いずれも配電用変
電所において既に変圧された電力が配電される。
架空送電系統における鉄塔間に架設される架空送電線ま
たは架空地線に、鉄塔上に設置された機器への給電のた
めの、または当該機器から信号を遠方に伝送するための
絶縁ケーブルを複合させた構造なので、架空送電線は架
設されているが配電線は付近に布設されていないような
地域においても、長距離の配電線布設を必要とせずに、
当該鉄塔上に設置された機器に容易に電力供給を行なう
ことができる。また、請求項6のように、架空送電系統
における鉄塔間に架設される架空送電線または架空地線
に絶縁ケーブルを複合させてなる絶縁ケーブル複合架空
線における絶縁ケーブルを配電線路の一部として用いる
ことにより、当該鉄塔の近傍に容易に電力供給を行なう
ことができる。
サ,送電線監視センサやITV等の送電線監視システム
の電気機器,各センサ出力を処理する検出信号処理装置
等を鉄塔に設ける場合に,これらの電気機器への給電を
容易にかつ安価に行うことができる。また,従来の太陽
電池や送電線の誘導電力を利用する方法等と異なり,電
力量の制限なしにかつ安定して給電することができる。
また,本発明の絶縁ケーブル複合架空線は,前記の検出
信号処理装置やITV等から遠方に情報を送るデータ伝
送線路として利用することもでき,データ伝送線路の布
設を容易に行うことができる。
合架空線によれば,耐雷特性,耐サージ特性に優れ,ま
た,施工性が良好である。
ば,絶縁ケーブルが外周にスパイラル状に巻き付けられ
ているので,風騒音低減に有効である。
断面図である。
の断面図である。
架空線の断面図である。
架空線の断面図である。
ケーブルを鉄塔上の電気機器への配電線として用いた利
用形態を示すもので,鉄塔架設送電線路の側面図であ
る。
ケーブルを鉄塔から離れた地点への電力供給用の配電線
として用いた利用形態を示すもので,鉄塔架設送電線路
の側面図である。
用) 15,27 中継接続箱 20 配電線 22 一般受電設備の端末接続箱 26 架空送電線(絶縁ケーブル複合架空線を使用) 28,33 配電盤
Claims (6)
- 【請求項1】架空送電系統における鉄塔間に架設される
架空送電線または架空地線に、鉄塔上に設置された機器
への給電のための、または当該機器から信号を遠方に伝
送するための絶縁ケーブルを複合させたことを特徴とす
る絶縁ケーブル複合架空線。 - 【請求項2】 前記絶縁ケーブルを金属パイプ内に収納
し,その金属パイプの外周を,複数本の素線を撚り合わ
せてなる架空送電線または架空地線の撚線構造としたこ
とを特徴とする請求項1記載の絶縁ケーブル複合架空
線。 - 【請求項3】 前記絶縁ケーブルの外周を全体として円
筒形をなす複数本の扇形素線で囲み,その扇形素線の外
周に複数本の素線を撚り合わせてなることを特徴とする
請求項1記載の絶縁ケーブル複合架空線。 - 【請求項4】 前記絶縁ケーブルを,架空送電線または
架空地線を構成する複数本の素線と共に撚り込んでなる
ことを特徴とする請求項1記載の絶縁ケーブル複合架空
線。 - 【請求項5】 前記絶縁ケーブルを,架空送電線または
架空地線である裸撚線の外周にスパイラル状に巻き付け
てなることを特徴とする請求項1記載の絶縁ケーブル複
合架空線。 - 【請求項6】架空送電系統における鉄塔間に架設される
架空送電線または架空地線に絶縁ケーブルを複合させて
なる絶縁ケーブル複合架空線を利用して配電を行う配電
方法であって、 架空送電線または架空地線として鉄塔間に架設された前
記絶縁ケーブル複合架空線における絶縁ケーブルを配電
線路の一部として用いることを特徴とする配電方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17759993A JP3214959B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 絶縁ケーブル複合架空線およびこれを用いた配電方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17759993A JP3214959B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 絶縁ケーブル複合架空線およびこれを用いた配電方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0714435A JPH0714435A (ja) | 1995-01-17 |
JP3214959B2 true JP3214959B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16033819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17759993A Expired - Fee Related JP3214959B2 (ja) | 1993-06-25 | 1993-06-25 | 絶縁ケーブル複合架空線およびこれを用いた配電方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3214959B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-25 JP JP17759993A patent/JP3214959B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0714435A (ja) | 1995-01-17 |
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