JP3214762U - 多機能電源接続器具 - Google Patents

Abstract

【課題】ＬＥＤ照明器具は、低電圧の環境で使用できるにも関わらず、高電圧の照明用配線器具に直接取り付けられるので、高電圧交流電流を低電圧直流に変換する回路を内蔵する必要があり、照明器具の安全性や、降圧回路を内蔵する必要があるためにデザイン性が損なわれ、さらに照明器具の価格も比較的高くなってしまうという課題を解決することができる多機能電源接続器具を提供する。【解決手段】照明用配線器具に接続される高電圧交流用端子２０と、低電圧電流用端子とを有する多機能電源接続器具１であって、高電圧交流用端子２０から供給される高電圧交流電流を、低電圧直流用端子に供給する低電圧直流電流に変換する変換部１１を具備する。【選択図】図１

Description

本考案は、照明用配線器具、電源接続器具および照明器具に関する。

近年、一般家庭においても発光ダイオード（ＬＥＤ）を用いたＬＥＤ照明器具や有機ＥＬを用いた有機ＥＬ照明器具を使用する機会が増えてきている。このようなＬＥＤ照明器具等は、天井に設けられた照明用配線器具（例えばシーリングコンセント）に直接取り付けられる。

なお、照明器具に配線するシステムとして、本体下部に小型冷蔵庫を収納すると共に、上層部に照明器具と換気扇を装備したミニキッチン配線システムが提案されている（特許文献１参照）

特開平７−１６３４３１号公報

しかしながら、ＬＥＤ照明器具等は、低電圧（例えば数Ｖ）の環境で使用できるにも関わらず、高電圧（例えば１００Ｖ）の照明用配線器具に直接取り付けられるので、高電圧交流電流を低電圧の交流電流または直流電流に変換する回路等を内蔵する必要があった。その結果、照明器具の安全性や、上記のような回路を内蔵する必要があるためにデザイン性が損なわれ、さらに照明器具の価格も比較的高くなってしまうという問題点があった。

特に、従来のＬＥＤ照明器具等は上記のような回路が内蔵されているために重く、ＬＥＤ照明器具等を照明用配線器具に取り付ける際に手間がかかるという問題点や、取り付ける際に照明器具を落下させてしまって照明器具が壊れてしまうことがあるという問題点があった。

また、従来のＬＥＤ照明器具等では、照明用配線器具から供給される電力をＬＥＤ照明器具等にしか利用することができず、ＩｏＴ等の普及により室内・室外に配置される様々な器具の電力源として利用することができないという問題点があった。

そして、このような問題点は、特許文献１に開示されている考案では解決することができない。

本考案の考案者は、上述した問題点に関して鋭意研究を続けた結果、以下のような画期的な多機能電源接続器具を見出した。

本考案に係る第１の態様は、照明用配線器具に接続される高電圧交流用端子と、少なくとも１つ以上の低電圧電流用端子とを有する多機能電源接続器具であって、高電圧交流用端子から供給される高電圧交流電流を、低電圧電流用端子に供給する低電圧電流に変換する変換部を具備することを特徴とする多機能電源接続器具にある。

ここで、「高電圧交流用端子」とは、天井等に取り付ける照明器具の電源ソケットおよび支持器具である角形引掛シーリング、丸形露出引掛シーリング、高荷重形丸形露出引掛シーリング、丸形埋込引掛シーリングおよび高荷重形丸形埋込引掛シーリング等の照明用配線器具に取り付けられる端子をいう。

「低電圧電流用端子」とは、ＬＥＤ照明器具や有機ＥＬ照明器具等の機器が取り付けられる端子をいう。

「高電圧交流」とは１００Ｖ以上の交流電流をいい、「低電圧」とは人体に危険性がない電圧をいい、６０Ｖ以下の電圧が好ましく、１０Ｖ以下の電圧がより好ましく、５Ｖ以下の電圧がさらに好ましい。

また、低電圧電流用端子は、直流電流用の低圧直流用端子でも、交流電流用の低電圧交流用端子でもよく、低電圧電流は、低電圧直流電流でも低電圧交流電流でもよい。

かかる第１の態様では、多機能電源接続器具が変換部を具備することから、ＬＥＤ照明器具等は降圧回路等を内蔵する必要がない。その結果、ＬＥＤ照明器具等の安全性を向上させることができると共に、ＬＥＤ照明器具等の設計やデザインの自由度を大きく広げることができ、さらにはＬＥＤ照明器具等の製造コストを下げることができる。

また、本態様に係る多機能電源接続器具を用いることにより、ＬＥＤ照明器具等は高電圧交流電流を低電圧電流に変換する回路を内蔵する必要がなくなるので、ＬＥＤ照明器具等が軽くなる。その結果、ＬＥＤ照明器具等の取付けを容易に行うことができると共に、ＬＥＤ照明器具等を落下させるリスクを低減させることができる。

本考案に係る第２の態様は、低電圧電流用端子に供給する低電圧電流を制御する低電圧電流用制御部をさらに具備することを特徴とする第１の態様に記載の多機能電源接続器具にある。

かかる第２の態様では、低電圧電流用端子に接続される機器に応じて、低電圧電流用供給端子に供給する低電圧電流を制御することができるので、省エネルギーを実現することができる。

本考案に係る第３の態様は、高電圧交流用端子に供給される高電圧交流電流よりも高い電圧の電流を供給する高電圧電流用供給端子をさらに有し、変換部が、高電圧交流用端子から供給される高電圧交流電流を、高電圧交流用端子に供給される高電圧交流電流の電圧よりも高い電圧の電流に変換して、高電圧電流用供給端子に供給する機能をさらに有することを特徴とする第１または第２の態様に記載の多機能電源接続器具にある。

ここで、直流の電圧と交流の電圧との比較については、直流の電圧と交流の電圧の実効値とを比較することにより行うことができる。また、「高電圧の電流」および「高電圧電流」とは１００Ｖ以上の交流電流でもよいし、１００Ｖ以上の直流電流でもよい。

かかる第３の態様では、新たな配線を設けることなく、高電圧の電流を必要とする様々な機器に電力を供給することができる。

本考案に係る第４の態様は、高電圧電流用供給端子に供給する高電圧電流を制御する高電圧用電流制御部をさらに具備することを特徴とする第３の態様に記載の多機能電源接続器具にある。

かかる第４の態様では、高電圧電流用供給端子に接続される機器に応じて、高電圧用電流供給端子に供給する高電圧電流を制御することができるので、省エネルギーを実現することができる。

本考案に係る第５の態様は、高電圧交流用端子または変換部から電力を供給される、無線を中継する無線中継部、監視カメラ、情報を表示する表示部、非接触で機器を充電させることができる非接触充電部の少なくとも１つをさらに具備することを特徴とする第１〜第４の態様の何れか１つに記載の多機能電源接続器具にある。

ここで、「無線中継部」とは、無線を中継することができる機能を有するものであれば特に限定されない。「監視カメラ」とは、照明用配線器具下の周囲の状況を撮影・録画することができるものであれば特に限定されず、市販のものを用いることができる。「表示部」とは、文字放送やテレビ等の情報を表示することができるものであれば特に限定されず、液晶モニタや有機ＥＬモニタ等が挙げられる。「非接触充電部」とは、非接触で機器を充電させることができるものであれば特に限定されず、電磁誘導を利用して充電を行うもの（電磁誘導方式）でも、電波を受信して充電を行うもの（電波受信方式）でも、電界や磁界の共鳴を利用して充電を行うもの（共鳴方式）であってもよい。

かかる第５の態様では、無線中継装置等のために天井等に配線を行う必要がなく、容易に無線を中継したり、照明用配線器具下の周囲の状況を撮影・録画したり、情報を表示したり、機器の充電を行うことができる。

本考案の第６の態様は、低電圧電流用端子が低電圧直流用端子であり、変換部が、高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換する機能を有することを特徴とする第１〜第５の態様の何れか１つに記載の多機能電源接続器具にある。

かかる第６の態様では、本態様に係る多機能電源接続器具を用いることにより、ＬＥＤ照明器具等は、高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換する回路を内蔵する必要がなくなるので、ＬＥＤ照明器具等がより軽くなる。その結果、ＬＥＤ照明器具等の取付けをより容易に行うことができると共に、ＬＥＤ照明器具等を落下させるリスクをより低減させることができる。

図１は実施形態１に係る多機能電源接続器具の概略図である。 図２は実施形態２に係る多機能電源接続器具の概略図である。 図３は実施形態５に係る多機能電源接続器具の概略図である。

以下に添付図面を参照して、本考案に係る多機能電源接続器具の実施形態を説明する。な
お、本考案は、以下の実施形態に限定されるものではない。
（実施形態１）

図１は、本実施形態に係る多機能電源接続器具の概略図である。図１に示すように、多機能電源接続器具１は、円柱状の本体１０と、本体１０の上部に設けられた１対の電源ソケットであり、かつ支持部でもある高電圧交流用端子２０と、本体１０の下部の内部（図示しない）に設けられた低電圧直流用端子とで構成されている。

高電圧交流用端子２０および低電圧直流用端子は、本体の内部に設けられた変換部１１を介して接続されており、高電圧交流用端子２０から供給された高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換して低電圧直流用端子に供給することができるようになっている。ここで、変換部１１は、高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換することができるものであれば特に限定されず、例えばＡＣ−ＤＣ変換回路等が挙げられる。

多機能電源接続器具１は、高電圧交流用端子２０を用いて天井等に設けられた角形引掛シーリング等に取り付けられると共に、低電圧直流用端子を用いてＬＥＤ照明器具を取り付けることができるようになっている。すなわち、多機能電源接続器具１を介して、角形引掛シーリング等にＬＥＤ照明器具を取り付けることができる。したがって、従来から天井に取り付けられている角形引掛シーリング等を交換することなく、高電圧交流電流を低電圧直流に変換する回路を内蔵しないＬＥＤ照明器具を容易に取り付けることができる。

このように多機能電源接続器具１を構成することにより、多機能電源接続器具１が変換部１１を具備することから、ＬＥＤ照明器具はＡＣ−ＤＣ変換回路等を内蔵する必要がない。その結果、ＬＥＤ照明器具の安全性を向上させることができると共に、ＬＥＤ照明器具の設計やデザインの自由度を大きく広げることができ、さらに照明器具の製造コストを下げることができる。

本実施形態では、低電圧電流用端子として、低電圧直流用端子を用いたが、本考案はこれに限定されない。例えば、低電圧電流用端子として、低電圧交流用端子を用いてもよい。なお、この場合には、変換部は、トランスのような高電圧交流電流を低電圧交流電流に変換できるものでなければならず、低電圧用交流端子に接続されるＬＥＤ照明器具も交流電流用のものでなければならないのは言うまでもない。
（実施形態２）

実施形態１では、１つの低電圧直流用端子で多機能電源接続器具を構成したが、本考案はこれに限定されない。例えば、図２に示すように、本体１０の右側側面に、他の低電圧直流用端子３０をさらに設けてもよい。なお、低電圧直流用端子３０の形状（規格）は、特に限定されず、例えばＵＳＢ（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ Ｓｅｒｉａｌ Ｂｕｓ）のソケット等にしてもよい。

このように多機能電源接続器具１Ａを構成することにより、ＬＥＤ照明器具の近傍（天井の近傍等）に、無線中継器等のような低電圧直流電流を必要とする機器に電力を供給することができる。なお、無線中継器は、高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換する回路が通常必要となるが、多機能電源接続器具１Ａを用いることにより、そのような回路を内蔵しない、小型で軽量の無線中継器等にも電力を供給することができる。

また、このように多機能電源接続器具１Ａを構成することにより、下流側に接続される機器（配線を含む）として、低電圧直流対応のものを用いることができるので、下流側に接続される機器の安全性が向上すると共にそれらの製造コストを下げることができる。

なお、本実施形態では、他の低電圧直流用端子を１つ設けるようにしたが、本考案はこれに限定されない。たとえば、低電圧直流用端子に代えて、低電圧交流用端子を設けてもよいし、複数の低電圧直流用端子または低電圧交流用端子をさらに設けてもよい。
（実施形態３）

実施形態２では、多機能電源接続器具に低電圧電流用端子を設けたが、本考案はこれに限定されない。例えば、実施形態２の低電圧直流用端子に代えて、携帯電話や無線データ通信等の無線を中継する無線中継部、監視カメラ、情報を表示する表示部、非接触で機器を充電させることができる非接触充電部等を設けてもよい。なお、無線中継部、監視カメラ、表示部および非接触充電部等は、高電圧交流用端子または変換部に接続されており、高電圧交流用端子または変換部から電力が供給されるようになっている。

このように多機能電源接続器具を構成することにより、新たに無線中継器、監視カメラ、表示部および非接触充電部等を設置することなく、容易に無線（携帯電話やワイヤレスＬＡＮ等）を中継したり、照明用配線器具下の周囲の状況を撮影・録画できたり、情報を表示できたり、機器の充電を行うことができる。

また、このように多機能電源接続器具１Ａを構成することにより、無線中継器等の移動および配線作業や、使用終了時の片付けを不要とすることができ、さらには無線中継器等の不使用時に必要となる収納スペースも不要とすることができる。
（実施形態４）

上述した実施形態では、低電圧電流用端子に供給される電力について特に制限しなかったが、多機能電源接続器具に低電圧用電流制御部を設け、低電圧電流用端子に供給される電流および電圧を制御するようにしてもよい。低電圧用電流制御部は特に限定されず、プログラム（人工知能等）が組み込まれた制御回路でもよいし、外部からの無線等による指示に基づいて各低電圧電流用端子に供給される電力を制御する回路等であってもよい。

このように多機能電源接続器具を構成することにより、各低電圧用電流供給端子に供給する低電圧電流を制御することができるので、省エネルギーを実現することができる。
（実施形態５）

上述した実施形態では、多機能電源接続器具は、高電圧交流用端子に供給される電流の電圧よりも低い電圧を低電圧電流用端子に供給するようにしていたが、本考案はこれに限定されない。例えば、図３に示すように、多機能電源接続器具１Ｂに高電圧電流用供給端子４０を設け、変換部１１に、高電圧交流用端子２０に供給される高電圧交流電流の電圧よりも高い電圧の電流に変換して高電圧電流用供給端子４０に供給する機能を持たせてもよい。

ここで、高電圧電流用供給端子４０の形状は特に限定されない。また、上述した多機能電源接続器具１Ｂの機能はトランスやＤＣ−ＤＣコンバータ等により実現することができる。

このように多機能電源接続器具１Ｂを構成することにより、高電圧電流用供給端子４０を介して、高電圧交流用端子２０に供給される高電圧交流電流の電圧よりも高い電圧を必要とする様々な機器に電力を供給することができる。

また、多機能電源接続器具に高電圧用電流制御部を設け、高電圧電流用供給端子に供給される電流の電圧を制御するようにしてもよい。高電圧用電流制御部は特に限定されず、プログラム（人工知能等）が組み込まれた制御回路でもよいし、外部からの無線等による指示に基づいて高電圧用端子に供給される電力を制御する回路等であってもよい。

このように多機能電源接続器具を構成することにより、高電圧用電流供給端子に供給する高電圧電流を制御することができる。その結果、省エネルギーを実現することができる。
（他の態様）

上述した実施形態では、１つの変換部に様々な機能を持たせるようにしたが、本考案はこれに限定されない。例えば、複数の変換回路等を用いて、複数の変換部を構成してもよい。このように構成しても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。

また、上述した実施形態では、低電圧用電流制御部と高電圧用電流制御部とが別々に存在するように構成したが、これらの両方の機能を有する１つの電流制御部を用いて多機能電源接続器具を構成してもよい。このように構成しても、上述した実施形態と同様の効果が得られると共に、多機能電源接続器具をより小型化することができる。さらに、本考案は、上述した実施形態を適宜組み合わせることができるのは言うまでもない。

なお、変換部、高電圧交流用端子、低電圧直流用端子および高電圧用電流供給端子の取付位置や形状等は特に限定されない。

１、１Ａ、１Ｂ 多機能電源接続器具
１０ 本体
１１ 変換部
２０ 高電圧交流用端子
３０ 低電圧直流用端子
４０ 高電圧電流用供給端子

Claims (6)

1. 照明用配線器具に接続される高電圧交流用端子と、少なくとも１つ以上の低電圧電流用端子とを有する多機能電源接続器具であって、
   前記高電圧交流用端子から供給される高電圧交流電流を、前記低電圧電流用端子に供給する低電圧電流に変換する変換部を具備することを特徴とする多機能電源接続器具。
2. 前記低電圧電流用端子に供給する低電圧電流を制御する低電圧電流用制御部をさらに具備することを特徴とする請求項１に記載の多機能電源接続器具。
3. 前記高電圧交流用端子に供給される高電圧交流電流よりも高い電圧の電流を供給する高電圧電流用供給端子をさらに有し、
   前記変換部が、前記高電圧交流用端子から供給される高電圧交流電流を、前記高電圧交流用端子に供給される高電圧交流電流の電圧よりも高い電圧の電流に変換して、前記高電圧電流用供給端子に供給する機能をさらに有することを特徴とする請求項１または２に記載の多機能電源接続器具。
4. 前記高電圧電流用供給端子に供給する高電圧電流を制御する高電圧用電流制御部をさらに具備することを特徴とする請求項３に記載の多機能電源接続器具。
5. 前記高電圧交流用端子または前記変換部から電力を供給される、無線を中継する無線中継部、監視カメラ、情報を表示する表示部、非接触で機器を充電させることができる非接触充電部の少なくとも１つをさらに具備することを特徴とする請求項１〜４の何れか１つに記載の多機能電源接続器具。
6. 前記低電圧電流用端子が低電圧直流用端子であり、
   前記変換部が、高電圧交流電流を低電圧直流電流に変換する機能を有することを特徴とする請求項１〜５の何れか１つに記載の多機能電源接続器具。