JP3213386U - トラッキングエラーを生じないトーンアーム - Google Patents
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Abstract
【課題】プーリー機構を用いたトラッキングエラーの無いトーンアームを提供する。【解決手段】トーンアーム2の支点Oを中心とする半径AOの円Y上に、スピンドル軸芯A,ヘッドシェル7の軸芯B,Oに対するAの点対象位置Cを配置すると、∠ACBは∠AOBの二分の一であることから、ヘッドシェル7の回動角速度をトーンアーム2の回動角速度の二分の一にすることで一度カンチレバーをレコード針の接するレコード溝の接線方向に設定すれば以後トラッキングエラー角度は常にゼロになる。回転比1:2のプーリーを、小径プーリー5はトーンアーム2の支点Oの同軸位置で台座に固定し、大径プーリー6をトーンアーム2の先端部に連結してプーリーベルト4で繋ぐことにより、大径プーリー6に接続したヘッドシェル7の回動角速度をトーンアーム2の回動角速度の二分の一することができる。以上の機構によりトラッキングエラーを生じない。【選択図】図1
Description
本考案はアナログレコードの再生において、トーンアームの回動角速度に対してヘッドシェルの回動角速度を二分の一にすることでカンチレバーを常にレコード針が接するレコード溝の接線上におくことができることにより、トラッキングエラーを生じないトーンアームに関するものである。
ユニバーサルタイプと呼ばれる一支点回動のトーンアームはレコード盤の外側から内側に回動するとき、カンチレバーの向きは針先が接するレコード溝の接線に対してトラッキングエラーの原因となる角度誤差を生じる。この対策として、これまでにも複数の機構上の工夫がされているが、理論的に不完全もしくは機構や構造上の問題により実用に供せないものが多い。
昭61−68520
昭61−95042
昭62−2954
昭62−176617
トラッキングエラーの生じないトーンアームを実現するためには、理論的にトラッキングエラーの生じない機構であることが必要である。
本考案は、ユークリッド幾何学における、円弧に対する円周角は中心角の二分の一であることの定理に基づいており、ヘッドシェルの回動角速度をプーリー機構によりトーンアームの回動角速度の二分の一にすることにより実現するものである。
上述により、プーリー機構を用いてヘッドシェルの回動角速度をトーンアームの回動角速度の二分の一にすることにより一度カンチレバーをレコード溝の接線方向にセットすれば以後は、トラッキングエラー角度は常に0度となりトラッキングエラーを生じない。
小径プーリーはトーンアームの回動支点同軸上の位置にトーンアーム台座に固定して取り付けられる。大径プーリーは水平方向に自由回転する機構でトーンアームに取り付けられる。また小径プーリーと大径プーリーはプーリーベルトまたはプーリー紐またはプーリー糸で連動する。従って、トーンアームが回動するに伴い大径プーリーは小径プーリーとの回転比に応じて回転する。ここで、大径プーリーと小径プーリーの回転比を1:2にすることで、大径プーリーの回転角速度はトーンアームの回動角速度の二分の一となる。また、トーンアーム回動支点からレコード中心すなわちスピンドル軸芯までの距離と、小径プーリーの中心すなわちトーンアーム回動支点から大径プーリー中心までの距離を等しくするとともに、大径プーリーにヘッドシェルを接続固定し、ヘッドシェルの回動軸芯上にカンチレバーの先端すなわちレコード針の先端がくるようにカートリッジを取り付けることで、一度カンチレバーの方向をレコード針が接するレコード溝の方向に設定すればカンチレバーは常にレコード針が接するレコード溝の接線方向上にあるためトラッキングエラー角度は0度となり、トラッキングエラーは生じない。また、この機構は小径プーリーギヤおよび大径プーリーギヤ及びタイミングベルトの組合せによっても実現できる。また、プーリーベルトで連動する二つのプーリーを1組のプーリーセットとしたとき複数組のプーリーセットを接続することによってもトラッキングエラー角度を0度にすることができる。
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。小径プーリー5はトーンアーム2の回動支点位置Oでトーンアーム台座12に固定され、プーリーベルト4を介して大径プーリー6と繋がる。また、ヘッドシェル7は大径プーリー6に接続固定される。また、カンチレバー9の先端すなわちレコード針10の先端は大径プーリー中心すなわちヘッドシェル回動軸芯Bの鉛直線上にある。また、トーンアーム回動支点Oからスピンドル軸芯Aまでの距離とトーンアーム回動支点Oから大径プーリー中心Bまでの距離を等しく設定する。
点Cを線分AOの延長線上にあり、線分AO=線分COとする。レコードの中心すなわちスピンドル軸芯A、及び大径プーリーの中心すなわちレコード針10の先端B、及び点CがOを中心とし、線分AOを半径とする円Y上にあることから、角∠ACBは角∠AOBの二分の一である。
従って、大径プーリー6と小径プーリー5の回転比を1:2にすることでヘッドシェル7の中心線すなわちカートリッジ8の中心線すなわちカンチレバー9の方向は線分BC上にあるとともに角∠ABCは直径上の円周角であり直角であることからカンチレバー9はレコード針10が接するレコード溝の接線方向BC上にある。
上述によりトラッキングエラー角度は0度となり、トラッキングエラーを生じない。
以下、添付図面に従って一実施例を説明する。プーリー4個でプーリーセットを2組連結し、またプーリーQ1とプーリーP2は同軸であるとともに一体であるとき、プーリーQ1に対するプーリーP1の回転比とプーリーQ2に対するプーリーP2の回転比の積を2にすることによりプーリーQ2の回転角速度すなわちヘッドシェル7の回動角速度はトーンアーム2の回動角速度の2分の一となり、実施例1と同様にトラッキングエラー角度は0度となり、トラッキングエラーを生じない。
また、プーリーセットが3組以上の場合においてもプーリーセット各組の回転比を全て乗じた結果を2にすることにより上述と同様にトラッキングエラー角度は0度となり、トラッキングエラーを生じない。
1 レコードまたはターンテーブル
2 トーンアーム
3 レコード針圧調整用のバランスウェイト
4 プーリーベルトまたはタイミングベルト
5 小径プーリーまたは小径プーリーギヤ
6 大径プーリーまたは大径プーリーギヤ
7 ヘッドシェル
8 カートリッジ
9 カンチレバー
10 レコード針
11 軸受け
12 トーンアーム台座
P1 プーリーセット1のトーンアーム回動支点側プーリー
P2 プーリーセット2のトーンアーム回動支点側プーリー
Q1 プーリーセット1のトーンアーム先端側プーリー
Q2 プーリーセット2のトーンアーム先端側プーリー
O トーンアームの回動軸芯であり、小径プーリーの中心
A レコードの中心であり、ターンテーブルの中心であり、スピンドルの軸芯
B 大径プーリーの回転軸芯であり、ヘッドシェルの回動軸芯であり、カンチレバーの先端すなわちレコード針の先端の鉛直線
C 線分AOの延長線上にあり、線分AO=線分CO
Y Oを中心とし、線分AOを半径とする仮想円。A、B、Cは円Y上に位置する。
2 トーンアーム
3 レコード針圧調整用のバランスウェイト
4 プーリーベルトまたはタイミングベルト
5 小径プーリーまたは小径プーリーギヤ
6 大径プーリーまたは大径プーリーギヤ
7 ヘッドシェル
8 カートリッジ
9 カンチレバー
10 レコード針
11 軸受け
12 トーンアーム台座
P1 プーリーセット1のトーンアーム回動支点側プーリー
P2 プーリーセット2のトーンアーム回動支点側プーリー
Q1 プーリーセット1のトーンアーム先端側プーリー
Q2 プーリーセット2のトーンアーム先端側プーリー
O トーンアームの回動軸芯であり、小径プーリーの中心
A レコードの中心であり、ターンテーブルの中心であり、スピンドルの軸芯
B 大径プーリーの回転軸芯であり、ヘッドシェルの回動軸芯であり、カンチレバーの先端すなわちレコード針の先端の鉛直線
C 線分AOの延長線上にあり、線分AO=線分CO
Y Oを中心とし、線分AOを半径とする仮想円。A、B、Cは円Y上に位置する。
Claims (3)
- トーンアームの回動支点と同軸の位置に、トーンアームの台座に対して回転しないように小径プーリーを固定する。及びトーンアームの先端部に回転機構を介して大径プーリーを取り付ける。及び2つのプーリーをプーリーベルトでつなぐ。このとき小径プーリーと大径プーリーの回転比を2対1とする。及びトーンアームの回動支点からスピンドル軸芯までの距離と小径プーリーの中心すなわちトーンアームの回動軸芯から大径プーリーの中心までの距離を等しくする。及びヘッドシェルを大径プーリーに接続固定し、カートリッジをカンチレバーの先端すなわちレコード針の先端が大径プーリーの中心すなわちヘッドシェルの回動軸芯の鉛直線上にくる位置に取り付ける。及びスピンドル中心(A)からトーンアームの回動軸芯(O)を通る直線状に線分(AO)=線分(CO)となる仮想点(C)を置く。以上によりスピンドル軸芯(A)、及び大径プーリーの中心すなわちレコード針の先端(B)、及び点(C)は線分(OA)を半径とする円(Y)上に位置する。この結果、円周角(∠ACB)は中心角(∠AOB)の二分の一であることから、ヘッドシェルの回動角速度はトーンアームの回動角速度の二分の一となるとともに、角(∠ABD)は直径(AC)上にあり直角であることから一度カンチレバーの方向をレコード針の接するレコード溝の接線上に設定すれば以後はカンチレバーはレコード針の接するレコード溝の接線(BC)上にあるためトラッキングエラー角度は常に0度である。
以上の機構と構造によるトラッキングエラーを生じないトーンアーム。 - 「請求項1」の大小のプーリーを大小のプーリーギヤに、及びプーリーベルトをタイミングベルトに置き換えた、「請求項1」と同様機構によるトラッキングエラーを生じないトーンアーム。
- 「請求項1」及び「請求項2」のプーリー2個一組のプーリー機構を複数組連結するとともに、組毎のプーリーの回転数比を全て乗じた結果を2にすることりよりヘッドシェルの回動角速度はトーンアームの回動角速度の二分の一となり、「請求項1」と同様機構によるトラッキングエラーを生じないトーンアーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017002731U JP3213386U (ja) | 2017-05-31 | 2017-05-31 | トラッキングエラーを生じないトーンアーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017002731U JP3213386U (ja) | 2017-05-31 | 2017-05-31 | トラッキングエラーを生じないトーンアーム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3213386U true JP3213386U (ja) | 2017-11-09 |
Family
ID=60263438
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017002731U Active JP3213386U (ja) | 2017-05-31 | 2017-05-31 | トラッキングエラーを生じないトーンアーム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213386U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180286435A1 (en) * | 2015-09-30 | 2018-10-04 | Dong-Chan SON | Headshell and tonearm for mounting cartridge of audio turntable and audio turntable comprising same |
-
2017
- 2017-05-31 JP JP2017002731U patent/JP3213386U/ja active Active
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20180286435A1 (en) * | 2015-09-30 | 2018-10-04 | Dong-Chan SON | Headshell and tonearm for mounting cartridge of audio turntable and audio turntable comprising same |
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