JP3213129B2 - 操縦安定性に優れる空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
操縦安定性に優れる空気入りラジアルタイヤInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、操縦安定性に優れる
空気入りラジアルタイヤに関するものであり、とくに
は、オールシーズンタイヤと称される全天候型空気入り
ラジアルタイヤにおいて、操縦安定性の有効なる向上を
実現するものである。
空気入りラジアルタイヤに関するものであり、とくに
は、オールシーズンタイヤと称される全天候型空気入り
ラジアルタイヤにおいて、操縦安定性の有効なる向上を
実現するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のオールシーズンタイヤとしては、
氷雪路での駆動・制動性能及び運動性能を向上させるべ
く、通常のサマータイヤに比し、ブロックサイズの小型
化、ブロックへのサイプの形成などによってブロック剛
性を小さくしたものや、タイヤ全体を柔構造としてタイ
ヤ剛性を小さくしたものの他、雪上および氷上性能の向
上を目的として、トレッドゴムのゴム質を、低温下にお
いても十分な柔軟性を有する配合組成等としたものがあ
り、かかるタイヤによれば、各種の路面を走行すること
ができ、また、すぐれた氷雪路性能を発揮し得るなどの
多くの利点をもたらすことができる。
氷雪路での駆動・制動性能及び運動性能を向上させるべ
く、通常のサマータイヤに比し、ブロックサイズの小型
化、ブロックへのサイプの形成などによってブロック剛
性を小さくしたものや、タイヤ全体を柔構造としてタイ
ヤ剛性を小さくしたものの他、雪上および氷上性能の向
上を目的として、トレッドゴムのゴム質を、低温下にお
いても十分な柔軟性を有する配合組成等としたものがあ
り、かかるタイヤによれば、各種の路面を走行すること
ができ、また、すぐれた氷雪路性能を発揮し得るなどの
多くの利点をもたらすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなオールシーズンタイヤにあっては、その性能上、ブ
ロック剛性、トレッド剛性、タイヤ剛性などを、サマー
タイヤのそれより低下させることを余儀なくされること
から、とくには一般乾燥路での走行に当たって、操縦安
定性が不足し勝ちであるとの問題があった。
うなオールシーズンタイヤにあっては、その性能上、ブ
ロック剛性、トレッド剛性、タイヤ剛性などを、サマー
タイヤのそれより低下させることを余儀なくされること
から、とくには一般乾燥路での走行に当たって、操縦安
定性が不足し勝ちであるとの問題があった。
【0004】この発明は、従来技術の有するかかる問題
点を解決するものであり、タイヤビード部に改良を加え
ることによって、リム組みしたタイヤ車輪のユニフォミ
ティを大きく改善し、これに基づいて、オールシーズン
タイヤの操縦安定性を、一般的なサマータイヤのそれと
同程度にまで向上させることができる、操縦安定性に優
れる空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
点を解決するものであり、タイヤビード部に改良を加え
ることによって、リム組みしたタイヤ車輪のユニフォミ
ティを大きく改善し、これに基づいて、オールシーズン
タイヤの操縦安定性を、一般的なサマータイヤのそれと
同程度にまで向上させることができる、操縦安定性に優
れる空気入りラジアルタイヤを提供するものである。
【0005】いいかえれば、この発明は、オールシーズ
ンタイヤにおける、ブロック剛性、トレッド剛性、タイ
ヤ剛性などの低下に起因する操縦安定性の低下は余儀な
いものとし、タイヤビード部の改良の下で、空気入りタ
イヤを規格リムに組付けたタイヤ車輪として満足な車輪
ユニフォミティを実現して、ラジアルランナウト(以下
「RRO」と略す)を小さくするとともに、ラジアルフ
ォースバリエーション(以下「RFV」と略す)を有効
に抑制することにより、タイヤ車輪の転動時における、
接地面形状、接地面積、幅方向接地面位置などの、車輪
周方向での変動を十分小ならしめ、そのタイヤ車輪が発
生する力を、周方向のどの位置にても均等化させて車両
の走行安定性を高め、これによって、操縦安定性の低下
を十分に補うものである。
ンタイヤにおける、ブロック剛性、トレッド剛性、タイ
ヤ剛性などの低下に起因する操縦安定性の低下は余儀な
いものとし、タイヤビード部の改良の下で、空気入りタ
イヤを規格リムに組付けたタイヤ車輪として満足な車輪
ユニフォミティを実現して、ラジアルランナウト(以下
「RRO」と略す)を小さくするとともに、ラジアルフ
ォースバリエーション(以下「RFV」と略す)を有効
に抑制することにより、タイヤ車輪の転動時における、
接地面形状、接地面積、幅方向接地面位置などの、車輪
周方向での変動を十分小ならしめ、そのタイヤ車輪が発
生する力を、周方向のどの位置にても均等化させて車両
の走行安定性を高め、これによって、操縦安定性の低下
を十分に補うものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の、操縦安定性
に優れる一の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部に
連なる一対のサイドウオール部を設けるとともに、各サ
イドウオール部の半径方向内端に連続するビード部を設
け、そして多くは、少なくとも一枚のカーカスプライか
らなるラジアルカーカスおよび、少なくとも二層のベル
ト層からなるベルトのそれぞれを埋設したところにおい
て、前記トレッド部に、多数のブロックからなるブロッ
クパターンを形成して、それらの各ブロックに少なくと
も一本のサイプを設け、また、規格リムの傾斜ビードシ
ートに緊密に嵌合される前記ビード部に、その規格リム
の幅方向の最外側に位置する湾曲フランジと、それに対
向するビード部外面との接触に先だって、傾斜ビードシ
ートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周にわた
って密着する膨出ヒールを設け、この膨出ヒールの膨出
量を2mm以上とするとともに、その膨出ヒールのゴム硬
度を、JIS硬度で65度以上としたものである。
に優れる一の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部に
連なる一対のサイドウオール部を設けるとともに、各サ
イドウオール部の半径方向内端に連続するビード部を設
け、そして多くは、少なくとも一枚のカーカスプライか
らなるラジアルカーカスおよび、少なくとも二層のベル
ト層からなるベルトのそれぞれを埋設したところにおい
て、前記トレッド部に、多数のブロックからなるブロッ
クパターンを形成して、それらの各ブロックに少なくと
も一本のサイプを設け、また、規格リムの傾斜ビードシ
ートに緊密に嵌合される前記ビード部に、その規格リム
の幅方向の最外側に位置する湾曲フランジと、それに対
向するビード部外面との接触に先だって、傾斜ビードシ
ートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周にわた
って密着する膨出ヒールを設け、この膨出ヒールの膨出
量を2mm以上とするとともに、その膨出ヒールのゴム硬
度を、JIS硬度で65度以上としたものである。
【0007】この発明の他の空気入りラジアルタイヤ
は、トレッド部にブロックパターンを形成することに代
えて、もしくは加えて、トレッド部を構成するトレッド
ゴムの、−20℃での弾性率を400×106 dyn/cm2
以下としたものである。
は、トレッド部にブロックパターンを形成することに代
えて、もしくは加えて、トレッド部を構成するトレッド
ゴムの、−20℃での弾性率を400×106 dyn/cm2
以下としたものである。
【0008】なおここで、規格リムとは、二つ割りリ
ム、5°深底リム、15°深底リム、広幅深底リム等
の、JAJMAやTRA等で規格が定められたリムをい
うものとし、この規格リムは、傾斜ビードシートと、こ
の傾斜ビードシートの幅方向の外側に順次に連なる隅丸
凹部および、外向きに反曲する湾曲フランジとを具え、
場合によっては、湾曲フランジと隅丸凹部との間に張出
しフランジを具えることもある。またここで、膨出ヒー
ルの膨出量とは、ビード基点を通る、タイヤ中心軸線へ
の垂線を基準として測定したときの膨出ヒールの側方迫
出量をいうものとす。
ム、5°深底リム、15°深底リム、広幅深底リム等
の、JAJMAやTRA等で規格が定められたリムをい
うものとし、この規格リムは、傾斜ビードシートと、こ
の傾斜ビードシートの幅方向の外側に順次に連なる隅丸
凹部および、外向きに反曲する湾曲フランジとを具え、
場合によっては、湾曲フランジと隅丸凹部との間に張出
しフランジを具えることもある。またここで、膨出ヒー
ルの膨出量とは、ビード基点を通る、タイヤ中心軸線へ
の垂線を基準として測定したときの膨出ヒールの側方迫
出量をいうものとす。
【0009】
【作用】この発明の、操縦安定性に優れる空気入りラジ
アルタイヤでは、とくには、トレッド部に、多数のブロ
ックからなるブロックパターンを形成して、それらの各
ブロックに少なくとも一本のサイプを設けること、およ
び/またはトレッド部を構成するトレッドゴムの−20
℃での弾性率を400×106 dyn/cm2 以下とすること
によって、ブロック剛性およびトレッド剛性の少なくと
も一方を有効に低下させて、オールシーズンタイヤに要
求される氷雪上性能その他の性能の発揮を十分に担保す
ることができる。
アルタイヤでは、とくには、トレッド部に、多数のブロ
ックからなるブロックパターンを形成して、それらの各
ブロックに少なくとも一本のサイプを設けること、およ
び/またはトレッド部を構成するトレッドゴムの−20
℃での弾性率を400×106 dyn/cm2 以下とすること
によって、ブロック剛性およびトレッド剛性の少なくと
も一方を有効に低下させて、オールシーズンタイヤに要
求される氷雪上性能その他の性能の発揮を十分に担保す
ることができる。
【0010】ところでこの一方において、ブロック剛
性、トレッド剛性等の低下に起因する操縦安定性の低下
は、タイヤビード部の改良に基づく、タイヤ中心軸線と
リム中心軸線との常に適正なる整合を実現することによ
って完全に補うことができる。すなわち、このタイヤに
よれば、タイヤビード部に、タイヤのリム組みに当たっ
て、規格リムの湾曲フランジと、それに対向するビード
部外面との接触に先だって、リムの傾斜ビードシートに
隣接する隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒ
ールを設けることにより、そのリム組みの進行に際し、
はじめに、膨出ヒールが隅丸凹部に密着し、次いで、そ
の膨出ヒールの圧縮変形下で、ビード部外面が湾曲フラ
ンジに接触することになるので、ビード部外面と湾曲フ
ランジ等との接触状態を全周にわたって十分均一なもの
として、タイヤの中心軸線を規格リムの中心軸線に高い
精度で整合させることができ、従って、RRO、すなわ
ち、タイヤ車輪の外周の揺れが小さくなり、また、タイ
ヤ車輪を一定のたわみの下で回転させたときの半径方向
反力の変動、すなわち、RFVが有効に抑制されて、車
輪のユニフォミティが大きく向上されることになる。そ
して、車輪ユニフォミティのこのような向上は、転動時
のタイヤ車輪の接地状態を、その全周にわたって十分均
一なものとして、タイヤ車輪が発生する力を周方向のど
の位置にてもほぼ一定のものとするので、車両の走行安
定性、ひいては、操縦安定性をもまた有効に向上される
ことになり、従って、ブロック剛性等の低下に起因する
オールシーズンタイヤの操縦安定性の低下を、十分に補
うことが可能となる。
性、トレッド剛性等の低下に起因する操縦安定性の低下
は、タイヤビード部の改良に基づく、タイヤ中心軸線と
リム中心軸線との常に適正なる整合を実現することによ
って完全に補うことができる。すなわち、このタイヤに
よれば、タイヤビード部に、タイヤのリム組みに当たっ
て、規格リムの湾曲フランジと、それに対向するビード
部外面との接触に先だって、リムの傾斜ビードシートに
隣接する隅丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒ
ールを設けることにより、そのリム組みの進行に際し、
はじめに、膨出ヒールが隅丸凹部に密着し、次いで、そ
の膨出ヒールの圧縮変形下で、ビード部外面が湾曲フラ
ンジに接触することになるので、ビード部外面と湾曲フ
ランジ等との接触状態を全周にわたって十分均一なもの
として、タイヤの中心軸線を規格リムの中心軸線に高い
精度で整合させることができ、従って、RRO、すなわ
ち、タイヤ車輪の外周の揺れが小さくなり、また、タイ
ヤ車輪を一定のたわみの下で回転させたときの半径方向
反力の変動、すなわち、RFVが有効に抑制されて、車
輪のユニフォミティが大きく向上されることになる。そ
して、車輪ユニフォミティのこのような向上は、転動時
のタイヤ車輪の接地状態を、その全周にわたって十分均
一なものとして、タイヤ車輪が発生する力を周方向のど
の位置にてもほぼ一定のものとするので、車両の走行安
定性、ひいては、操縦安定性をもまた有効に向上される
ことになり、従って、ブロック剛性等の低下に起因する
オールシーズンタイヤの操縦安定性の低下を、十分に補
うことが可能となる。
【0011】なおここでは、膨出ヒールの膨出量を2mm
以上とすることによって、膨出ヒールによる隅丸凹部の
完全なる埋込みを担保することができるが、その膨出量
が大きくなりすぎると、ビード部外面におけるリムずれ
が著しく悪化するおそれがあるため、4mmを限度とする
ことが好ましい。また、膨出ヒールのゴム硬度は、JI
S硬度で65度以上とすることによって、膨出ヒール
の、隅丸凹部への十分強固な嵌込み固定をもたらし、ま
た、その膨出ヒールの、隅丸凹部に対する全周での均等
接触を導くことができるが、その硬度は、硬すぎると、
膨出ヒールの、リムとの間での十分な圧縮変形量を確保
することができず、気密性に問題が生じるおそれがある
ため、80度までとすることが好ましい。
以上とすることによって、膨出ヒールによる隅丸凹部の
完全なる埋込みを担保することができるが、その膨出量
が大きくなりすぎると、ビード部外面におけるリムずれ
が著しく悪化するおそれがあるため、4mmを限度とする
ことが好ましい。また、膨出ヒールのゴム硬度は、JI
S硬度で65度以上とすることによって、膨出ヒール
の、隅丸凹部への十分強固な嵌込み固定をもたらし、ま
た、その膨出ヒールの、隅丸凹部に対する全周での均等
接触を導くことができるが、その硬度は、硬すぎると、
膨出ヒールの、リムとの間での十分な圧縮変形量を確保
することができず、気密性に問題が生じるおそれがある
ため、80度までとすることが好ましい。
【0012】
【実施例】以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の実施例を示す幅方向断面図
であり、図中1はトレッド部を、2は、このトレッド部
1のそれぞれの側部に連続する左右一対のサイドウオー
ル部を、そして3は、各サイドウオール部2の半径方向
内端に連続するビード部をそれぞれ示す。
明する。図1は、この発明の実施例を示す幅方向断面図
であり、図中1はトレッド部を、2は、このトレッド部
1のそれぞれの側部に連続する左右一対のサイドウオー
ル部を、そして3は、各サイドウオール部2の半径方向
内端に連続するビード部をそれぞれ示す。
【0013】この例では、タイヤ周方向に対して実質的
に90°の角度で延びる、たとえばポリエステルコード
からなる一枚のカーカスプライで、トロイダルに延びる
ラジアルカーカス4を形成して、このラジアルカーカス
4のそれぞれの側端部分を、ビード部3に埋設したビー
ドコア5の周りで内側から外側に向けて巻き上げ、ま
た、ラジアルカーカス4のクラウン部の外周側に、タイ
ヤ周方向に対して比較的小さい角度で延在するスチール
コードよりなり、層間でコードが相互に交差する二層の
ベルト層6a,6bにて構成したベルト6を配設し、そ
して、そのベルト6のさらに外周側に、実質的にタイヤ
周方向に延びる有機繊維コードからなり、ベルト6をそ
の全幅にわたって覆う一枚のベルト補強層7を配設す
る。
に90°の角度で延びる、たとえばポリエステルコード
からなる一枚のカーカスプライで、トロイダルに延びる
ラジアルカーカス4を形成して、このラジアルカーカス
4のそれぞれの側端部分を、ビード部3に埋設したビー
ドコア5の周りで内側から外側に向けて巻き上げ、ま
た、ラジアルカーカス4のクラウン部の外周側に、タイ
ヤ周方向に対して比較的小さい角度で延在するスチール
コードよりなり、層間でコードが相互に交差する二層の
ベルト層6a,6bにて構成したベルト6を配設し、そ
して、そのベルト6のさらに外周側に、実質的にタイヤ
周方向に延びる有機繊維コードからなり、ベルト6をそ
の全幅にわたって覆う一枚のベルト補強層7を配設す
る。
【0014】そしてまた、このタイヤでは、ビード部3
のビードヒール部に、タイヤのリム組みに当たって、規
格リムの幅方向の最外側に位置する湾曲フランジと、そ
れに対向するビード部外面との接触に先だって、傾斜ビ
ードシートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周
にわたって密着する膨出ヒール8を設ける。図2は、こ
のことを、膨出ヒール8を設けたビード部3、ひいて
は、タイヤの、規格リムへの組付け要領との関連で示す
要部断面図であり、図中9は規格リム、10はそれの傾
斜ビードシート、11は、傾斜ビードシート10の幅方
向外側に隣接して位置する隅丸凹部をそれぞれ示し、ま
た、12は、隅丸凹部11から半径方向外方へ張出す張
出しフランジを、13は、その張出しフランジ12の、
幅方向および半径方向のそれぞれの外方に連続して外向
きに反曲する湾曲フランジをそれぞれ示す。なお、張出
しフランジ12は、規格リム9の種類によっては省かれ
ることもある。
のビードヒール部に、タイヤのリム組みに当たって、規
格リムの幅方向の最外側に位置する湾曲フランジと、そ
れに対向するビード部外面との接触に先だって、傾斜ビ
ードシートの幅方向外側に隣接する隅丸凹部にその全周
にわたって密着する膨出ヒール8を設ける。図2は、こ
のことを、膨出ヒール8を設けたビード部3、ひいて
は、タイヤの、規格リムへの組付け要領との関連で示す
要部断面図であり、図中9は規格リム、10はそれの傾
斜ビードシート、11は、傾斜ビードシート10の幅方
向外側に隣接して位置する隅丸凹部をそれぞれ示し、ま
た、12は、隅丸凹部11から半径方向外方へ張出す張
出しフランジを、13は、その張出しフランジ12の、
幅方向および半径方向のそれぞれの外方に連続して外向
きに反曲する湾曲フランジをそれぞれ示す。なお、張出
しフランジ12は、規格リム9の種類によっては省かれ
ることもある。
【0015】ここにおいて、膨出ヒール8とは、規格リ
ム9の、図示のような幅方向断面内で、傾斜ビードシー
ト10を隅丸凹部側へ延長した仮想の直線lと、隅丸凹
部11に連なる張出しフランジ12、張出しフランジの
ない規格リムでは湾曲フランジ13に接して規格リム9
の中心軸線と直交する、これも仮想の直線mとの交点P
に対応し、タイヤ設計上予定されるビード基点Qを通
り、そこからタイヤ中心軸線に下した垂線nよりも突出
したビードヒールをいうものとし、それの膨出量dは、
垂線nからの迫出代をもって定め、ここではそれを2mm
以上とする。
ム9の、図示のような幅方向断面内で、傾斜ビードシー
ト10を隅丸凹部側へ延長した仮想の直線lと、隅丸凹
部11に連なる張出しフランジ12、張出しフランジの
ない規格リムでは湾曲フランジ13に接して規格リム9
の中心軸線と直交する、これも仮想の直線mとの交点P
に対応し、タイヤ設計上予定されるビード基点Qを通
り、そこからタイヤ中心軸線に下した垂線nよりも突出
したビードヒールをいうものとし、それの膨出量dは、
垂線nからの迫出代をもって定め、ここではそれを2mm
以上とする。
【0016】しかもここでは、かかる膨出ヒール8のゴ
ム硬度をJIS硬度で65度以上とし、加えて、ビード
部3の傾斜ビードシート10に沿う幅方向内端部分に位
置するビードトウのトウ先ゴム14、図では、傾斜ビー
ドシート10に沿う部分を隅丸凹部側へ幾分長く延在さ
せた鈎形状のトウ先ゴム14の、破断時の伸びを420
±50%とし、300%モジュラスを200±20kgf/
cm2 として、そのトウ先ゴム14に、硬さと靭性とを付
与する。
ム硬度をJIS硬度で65度以上とし、加えて、ビード
部3の傾斜ビードシート10に沿う幅方向内端部分に位
置するビードトウのトウ先ゴム14、図では、傾斜ビー
ドシート10に沿う部分を隅丸凹部側へ幾分長く延在さ
せた鈎形状のトウ先ゴム14の、破断時の伸びを420
±50%とし、300%モジュラスを200±20kgf/
cm2 として、そのトウ先ゴム14に、硬さと靭性とを付
与する。
【0017】以上のように構成してなるタイヤビード部
3には通常、前述した直線1と直線mとの交点Pから、
規格リム9の中心軸線までの距離を半径とする円の直径
で定義されるリム径Dに対して適切な締め代が付与され
ており、かかるビード部3を有するタイヤの、規格リム
上への配設は、それぞれのビード部3につき、規格リム
9の湾曲フランジ13の外周で、それを部分的に逐次に
乗越えさせて、両ビード部3を規格リム9のドロップ又
はウェル内に一旦落とし込むことによって行なわれ、そ
の後に続く、タイヤのリム9への組付けは、そのタイヤ
内へ、規格内圧に達するまで空気を充填して、ビード部
3を図2に矢印で示すように、傾斜ビードシート10に
沿ってその外面が湾曲フランジ13に接触するまで外側
方向へ押し進めることにより行われる。
3には通常、前述した直線1と直線mとの交点Pから、
規格リム9の中心軸線までの距離を半径とする円の直径
で定義されるリム径Dに対して適切な締め代が付与され
ており、かかるビード部3を有するタイヤの、規格リム
上への配設は、それぞれのビード部3につき、規格リム
9の湾曲フランジ13の外周で、それを部分的に逐次に
乗越えさせて、両ビード部3を規格リム9のドロップ又
はウェル内に一旦落とし込むことによって行なわれ、そ
の後に続く、タイヤのリム9への組付けは、そのタイヤ
内へ、規格内圧に達するまで空気を充填して、ビード部
3を図2に矢印で示すように、傾斜ビードシート10に
沿ってその外面が湾曲フランジ13に接触するまで外側
方向へ押し進めることにより行われる。
【0018】このようなリム組みの進行状況を、図3に
示す、膨出ヒールを有しない従来の空気入りタイヤにつ
いみるに、ビード部21は、それが傾斜ビートシート上
を外側へ移動するにつれて、それに対する締め代が増加
して緊締嵌合の度合いを高められることになるが、その
移動の妨げとなるビード部21の摩擦抵抗は、その全周
にわたって必ずしも均等とはならないので、摩擦抵抗の
大きい部分では、ビードヒール22が隅丸凹部11に達
するより先に、ビード部21の外面が、リム9の湾曲フ
ランジ13に接触することになり、そこに始まる圧縮変
形に対する抵抗に抗してビードヒール22が隅丸凹部1
1に接近することになる。しかしながら、この場合に
は、ビードヒール22と隅丸凹部11との間にしばしば
生じる隙間23の発生位置および体積が規格リム9の周
上で不均等となることが多く、このような状態が一旦発
生すると、その隙間内に封じ込められた空気が、ビード
部21の、傾斜ビードシート10に沿うそれ以上の移動
を、それの圧力増加によって拘束するので、リム組み作
業がそのまま打切られ勝ちであり、それ故に、空気入り
タイヤそれ自体は十分なユニフォミティをもって加硫成
形されているにも拘わらず、タイヤ車輪としてのRRO
が大きくなり、この結果としてRFVが大きくなってい
た。
示す、膨出ヒールを有しない従来の空気入りタイヤにつ
いみるに、ビード部21は、それが傾斜ビートシート上
を外側へ移動するにつれて、それに対する締め代が増加
して緊締嵌合の度合いを高められることになるが、その
移動の妨げとなるビード部21の摩擦抵抗は、その全周
にわたって必ずしも均等とはならないので、摩擦抵抗の
大きい部分では、ビードヒール22が隅丸凹部11に達
するより先に、ビード部21の外面が、リム9の湾曲フ
ランジ13に接触することになり、そこに始まる圧縮変
形に対する抵抗に抗してビードヒール22が隅丸凹部1
1に接近することになる。しかしながら、この場合に
は、ビードヒール22と隅丸凹部11との間にしばしば
生じる隙間23の発生位置および体積が規格リム9の周
上で不均等となることが多く、このような状態が一旦発
生すると、その隙間内に封じ込められた空気が、ビード
部21の、傾斜ビードシート10に沿うそれ以上の移動
を、それの圧力増加によって拘束するので、リム組み作
業がそのまま打切られ勝ちであり、それ故に、空気入り
タイヤそれ自体は十分なユニフォミティをもって加硫成
形されているにも拘わらず、タイヤ車輪としてのRRO
が大きくなり、この結果としてRFVが大きくなってい
た。
【0019】これに対し、膨出ヒール8を設けた発明タ
イヤでは、上述したようなリム組みの進行に当たり、は
じめに、膨出ヒール8が規格リム9の隅丸凹部11に、
図2に示すように密着し、次いで、その膨出ヒール8の
圧縮変形下でビード部外面が湾曲フランジ13に接触
し、そこに適度な圧迫が加わった状態でリム組み作業が
終了されることになるので、ビード部外面と規格リム9
との間に、前述したような隙間が発生することがなく、
タイヤの中心軸線が規格リム9の中心軸線に容易に、か
つ高い精度で整合することになり、従って、タイヤ車輪
としてのRROが低減され、RFVが十分に抑制される
ことになる。かくして、この空気入りタイヤ、とくには
そのビード部構造によれば、車輪ユニフォミティのこの
ような向上に基づき、車両の走行安定性を向上させて、
操縦安定性をもまた有効に高めることが可能となる。
イヤでは、上述したようなリム組みの進行に当たり、は
じめに、膨出ヒール8が規格リム9の隅丸凹部11に、
図2に示すように密着し、次いで、その膨出ヒール8の
圧縮変形下でビード部外面が湾曲フランジ13に接触
し、そこに適度な圧迫が加わった状態でリム組み作業が
終了されることになるので、ビード部外面と規格リム9
との間に、前述したような隙間が発生することがなく、
タイヤの中心軸線が規格リム9の中心軸線に容易に、か
つ高い精度で整合することになり、従って、タイヤ車輪
としてのRROが低減され、RFVが十分に抑制される
ことになる。かくして、この空気入りタイヤ、とくには
そのビード部構造によれば、車輪ユニフォミティのこの
ような向上に基づき、車両の走行安定性を向上させて、
操縦安定性をもまた有効に高めることが可能となる。
【0020】またこのタイヤでは、膨出ヒール8の膨出
量dを、通常の乗用車用タイヤにおいて2〜4mmとする
ことによって、ビードヒールにおいて適切な接触をもた
らすことができ、そして、その膨出ヒール8のゴム硬度
をJIS硬度で65〜80度とすることによって、ビー
ドヒールが必要以上に圧縮されることがなく、すぐれた
RROをもたらすことができる。
量dを、通常の乗用車用タイヤにおいて2〜4mmとする
ことによって、ビードヒールにおいて適切な接触をもた
らすことができ、そして、その膨出ヒール8のゴム硬度
をJIS硬度で65〜80度とすることによって、ビー
ドヒールが必要以上に圧縮されることがなく、すぐれた
RROをもたらすことができる。
【0021】加えて、この例では、トウ先ゴム14の破
断時の伸びを420±50%とし、300%モジュラス
を200±20kgf/cm2 とすることによって、ビード部
3のリム擦れを防止し、併せて、、操縦安定性の一層の
向上をもたらす。なおここで、破断時の伸びを370%
未満としたときは、ビートトウにトウ欠けが生じるおそ
れが高くなる一方、それを470%を越える値としたと
きは、ビード部の倒れ込みを有効に阻止することができ
ず、これらのことは、300%モジュラスを、220kg
f/cm2 を越える値としたときおよび180kgf/cm2 未満
としたときのそれぞれにおいてもまた同様である。
断時の伸びを420±50%とし、300%モジュラス
を200±20kgf/cm2 とすることによって、ビード部
3のリム擦れを防止し、併せて、、操縦安定性の一層の
向上をもたらす。なおここで、破断時の伸びを370%
未満としたときは、ビートトウにトウ欠けが生じるおそ
れが高くなる一方、それを470%を越える値としたと
きは、ビード部の倒れ込みを有効に阻止することができ
ず、これらのことは、300%モジュラスを、220kg
f/cm2 を越える値としたときおよび180kgf/cm2 未満
としたときのそれぞれにおいてもまた同様である。
【0022】ところで、膨出ヒール8は、図4に示すよ
うに、そこに埋設した輪状芯15によって補強すること
もでき、たとえば、スチールコード、有機繊維コードな
どを用いた非伸長性の無端バンドとすることができる輪
状芯15によって膨出ヒール8を補強した場合には、ビ
ードヒールの硬度が高まり、より優れた位置決め精度を
得ることができる。
うに、そこに埋設した輪状芯15によって補強すること
もでき、たとえば、スチールコード、有機繊維コードな
どを用いた非伸長性の無端バンドとすることができる輪
状芯15によって膨出ヒール8を補強した場合には、ビ
ードヒールの硬度が高まり、より優れた位置決め精度を
得ることができる。
【0023】そしてさらに、この発明の一のタイヤで
は、オールシーズンタイヤに所要の氷雪上性能その他の
性能をもたらすべく、図5にトレッドパターンを示すよ
うに、トレッド部1に、タイヤ周方向に延びる複数本の
周方向溝16および、タイヤ幅方向に延びる複数本の横
溝17によって多数のブロック18を区画し、それら
の、各ブロック18に、タイヤ幅方向に延びる少なくと
も一本、図では二本のサイプ19を形成する。また、こ
の発明の他のタイヤでは、同様の目的の下で、トレッド
部1を構成するトレッドゴムの、−20℃での弾性率
を、400 ×106 dyn/cm2 以下の比較的小さい値とし、そ
して、トレッド踏面には、好ましくは図6に示すよう
に、周方向溝16および横溝17のそれぞれによって画
成される多数のブロック18を形成する。
は、オールシーズンタイヤに所要の氷雪上性能その他の
性能をもたらすべく、図5にトレッドパターンを示すよ
うに、トレッド部1に、タイヤ周方向に延びる複数本の
周方向溝16および、タイヤ幅方向に延びる複数本の横
溝17によって多数のブロック18を区画し、それら
の、各ブロック18に、タイヤ幅方向に延びる少なくと
も一本、図では二本のサイプ19を形成する。また、こ
の発明の他のタイヤでは、同様の目的の下で、トレッド
部1を構成するトレッドゴムの、−20℃での弾性率
を、400 ×106 dyn/cm2 以下の比較的小さい値とし、そ
して、トレッド踏面には、好ましくは図6に示すよう
に、周方向溝16および横溝17のそれぞれによって画
成される多数のブロック18を形成する。
【0024】なおここで、トレッド部1のトレッドゴム
を、−20℃での弾性率が400×106 dyn/cm2 以下
のものとすることに加えて、トレッドパターンを、図5
に示すようなサイプ付ブロックパターンとすることも可
能であり、このことによれば、氷雪性能のより一層の向
上を実現することができる。
を、−20℃での弾性率が400×106 dyn/cm2 以下
のものとすることに加えて、トレッドパターンを、図5
に示すようなサイプ付ブロックパターンとすることも可
能であり、このことによれば、氷雪性能のより一層の向
上を実現することができる。
【0025】ところで、オールシーズンタイヤとしての
性能を高めるべく、ブロック18にサイプ19を形成し
たり、ブロックそれ自身の平面寸法をサマータイヤのそ
れより小さくした場合には、ブロック剛性が全体的に低
下し、また、トレッドゴムの弾性率を低下させた場合に
は、トレッド部全体の剛性が低下し、これらのいずれの
場合にあっても、一般乾燥路等での走行に対しては操縦
安定性が不足することになるところ、このタイヤでは、
とくには膨出ヒール8の存在の故に、車輪ユニフォミテ
イを、前述したように有効に向上させることができ、そ
の結果として、タイヤ車輪としてみたときの操縦安定性
を高めることができるので、それをもって、ブロック剛
性、トレッド剛性等の低下に起因する操縦安定性の低下
をほぼ完全に補うことができる。従って、このタイヤに
よれば、オールシーズンタイヤに必要な性能を十分に付
与してなお、車輪ユニフォミテイを向上させて、すぐれ
た操縦安定性を確保することができる。
性能を高めるべく、ブロック18にサイプ19を形成し
たり、ブロックそれ自身の平面寸法をサマータイヤのそ
れより小さくした場合には、ブロック剛性が全体的に低
下し、また、トレッドゴムの弾性率を低下させた場合に
は、トレッド部全体の剛性が低下し、これらのいずれの
場合にあっても、一般乾燥路等での走行に対しては操縦
安定性が不足することになるところ、このタイヤでは、
とくには膨出ヒール8の存在の故に、車輪ユニフォミテ
イを、前述したように有効に向上させることができ、そ
の結果として、タイヤ車輪としてみたときの操縦安定性
を高めることができるので、それをもって、ブロック剛
性、トレッド剛性等の低下に起因する操縦安定性の低下
をほぼ完全に補うことができる。従って、このタイヤに
よれば、オールシーズンタイヤに必要な性能を十分に付
与してなお、車輪ユニフォミテイを向上させて、すぐれ
た操縦安定性を確保することができる。
【0026】〔比較例1〕以下に発明タイヤと比較タイ
ヤとの、車輪ユニフォミテイ、ドライ路面での操縦安定
性および雪上性能に関する比較試験について説明する。 ◎供試タイヤ サイズが205/65R15の、ブロックパターンを有
する乗用車用ラジアルタイヤであって、表1に示す構成
を有するそれぞれのタイヤ。
ヤとの、車輪ユニフォミテイ、ドライ路面での操縦安定
性および雪上性能に関する比較試験について説明する。 ◎供試タイヤ サイズが205/65R15の、ブロックパターンを有
する乗用車用ラジアルタイヤであって、表1に示す構成
を有するそれぞれのタイヤ。
【0027】
【表1】
【0028】◎試験方法 それぞれのタイヤを、15×6JJの規格リムにリム組
みし、充填内圧を2.0kgf/cm2 とした状態で、車輪ユ
ニフォミテイは、RROおよびRFVのそれぞれを測定
することにより求め、また、ドライ路面での操縦安定性
および雪上性能のそれぞれは、タイヤ車輪を後輪駆動乗
用車に装着して実車走行したときのドライバーのフィリ
ングをもって、比較タイヤ2をコントロールとしたプラ
ス/マイナス10点法で相対評価した。
みし、充填内圧を2.0kgf/cm2 とした状態で、車輪ユ
ニフォミテイは、RROおよびRFVのそれぞれを測定
することにより求め、また、ドライ路面での操縦安定性
および雪上性能のそれぞれは、タイヤ車輪を後輪駆動乗
用車に装着して実車走行したときのドライバーのフィリ
ングをもって、比較タイヤ2をコントロールとしたプラ
ス/マイナス10点法で相対評価した。
【0029】◎試験結果 上記試験の結果を表2に示す。なお、ドライ路面での操
縦安定性および雪上性能については、膨出ヒールを有し
ないオールシーズンタイヤである比較タイヤ2をコント
ロールとした。
縦安定性および雪上性能については、膨出ヒールを有し
ないオールシーズンタイヤである比較タイヤ2をコント
ロールとした。
【0030】
【表2】 表2によれば、発明タイヤはいずれも、すぐれた雪上性
能を発揮してなお、サマータイヤとほぼ同等の操縦安定
性をもたらし得ることが明らかである。
能を発揮してなお、サマータイヤとほぼ同等の操縦安定
性をもたらし得ることが明らかである。
【0031】〔比較例2〕発明タイヤと比較タイヤと
の、他の性能比較試験を以下に述べる。 ◎供試タイヤ サイズが225/50R16の、ブロックパターンを有
する乗用車用ラジアルタイヤ。 o発明タイヤ トレッドゴムの−20℃での弾性率を250×106 dy
n/cm2 とするとともに、各ブロックに二本づつのサイプ
を形成し、膨出ヒールの膨出量を2mm、それのJIS硬
度を70度としたもの。 o比較タイヤ1 トレッドゴムの−20℃での弾性率を700 ×106 dyn/cm
2 とし、ブロックにはサイプを形成せず、また、膨出ヒ
ールも設けないもの。 o比較タイヤ2 膨出ヒールを設けない点を除いて発明タイヤと同一の構
成を有するもの。
の、他の性能比較試験を以下に述べる。 ◎供試タイヤ サイズが225/50R16の、ブロックパターンを有
する乗用車用ラジアルタイヤ。 o発明タイヤ トレッドゴムの−20℃での弾性率を250×106 dy
n/cm2 とするとともに、各ブロックに二本づつのサイプ
を形成し、膨出ヒールの膨出量を2mm、それのJIS硬
度を70度としたもの。 o比較タイヤ1 トレッドゴムの−20℃での弾性率を700 ×106 dyn/cm
2 とし、ブロックにはサイプを形成せず、また、膨出ヒ
ールも設けないもの。 o比較タイヤ2 膨出ヒールを設けない点を除いて発明タイヤと同一の構
成を有するもの。
【0032】◎試験方法 それぞれのタイヤを、16×7JJの規格リムにリム組
みし、充填内圧を2.0kgf/cm2 とした状態で、車輪ユニ
フォミテイ、ドライ路面での操縦安定性および雪上性能
のそれぞれにつき、比較例1の場合と同様にして求め
た。
みし、充填内圧を2.0kgf/cm2 とした状態で、車輪ユニ
フォミテイ、ドライ路面での操縦安定性および雪上性能
のそれぞれにつき、比較例1の場合と同様にして求め
た。
【0033】◎試験結果 上記試験の結果を表3に示す。なお、ドライ路面での操
縦安定性および雪上性能については、膨出ヒールを有し
ないオールシーズンタイヤである比較タイヤ2をコント
ロールとした。
縦安定性および雪上性能については、膨出ヒールを有し
ないオールシーズンタイヤである比較タイヤ2をコント
ロールとした。
【0034】
【表3】 この表によってもまた、発明タイヤは、雪上性能を高く
維持してなお、すぐれた操縦安定性を発揮し得ることが
明らかである。
維持してなお、すぐれた操縦安定性を発揮し得ることが
明らかである。
【0035】
【発明の効果】上記比較例からも明らかなように、この
発明によれば、タイヤビード部を改良することによっ
て、ブロック剛性、トレッド部剛性等の低下に起因す
る、オールシーズンタイヤの操縦安定性の低下を十二分
に補って、オールシーズンタイヤの操縦安定性を、サマ
ータイヤのそれと同程度にまで高めることができる。
発明によれば、タイヤビード部を改良することによっ
て、ブロック剛性、トレッド部剛性等の低下に起因す
る、オールシーズンタイヤの操縦安定性の低下を十二分
に補って、オールシーズンタイヤの操縦安定性を、サマ
ータイヤのそれと同程度にまで高めることができる。
【図1】この発明の実施例を示すタイヤ幅方向断面図で
ある。
ある。
【図2】図1に示すタイヤのリム組み要領を示す要部断
面図である。
面図である。
【図3】従来タイヤのリム組み要領を示す要部断面図で
ある。
ある。
【図4】膨出ヒールの他の例を示す断面図である。
【図5】発明タイヤのトレッドパターンを例示する図で
ある。
ある。
【図6】発明タイヤの他のトレッドパターンを示す図で
ある。
ある。
1 トレッド部 2 サイドウォール部 3 ビード部 4 ラジアルカーカス 5 ビードコア 6 ベルト 6a,6b ベルト層 7 ベルト補強層 8 膨出ヒール 9 規格リム 10 傾斜ビードシート 11 隅丸凹部 12 張出しフランジ 13 湾曲フランジ 14 トウ先ゴム 15 輪状芯 16 周方向溝 17 横溝 18 ブロック 19 サイプ P 交点 Q ビード基点 D リム径 d 膨出量
Claims (2)
- 【請求項1】 トレッド部と、このトレッド部に連なる
一対のサイドウオール部と、各サイドウオール部の半径
方向内端に連続するビード部とを具える空気入りラジア
ルタイヤであって、 前記トレッド部に、多数のブロックからなるブロックパ
ターンを形成するとともに、それらの各ブロックに少な
くとも一本のサイプを形成し、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
ード部に、その規格リムの幅方向の最外側に位置する湾
曲フランジと、それに対向するビード部外面との接触に
先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する隅
丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
に、その膨出ヒールのゴム硬度を、JIS硬度で65度
以上としてなる操縦安定性に優れる空気入りラジアルタ
イヤ。 - 【請求項2】 トレッド部と、このトレッド部に連なる
一対のサイドウオール部と、各サイドウオール部の半径
方向内端に連続するビード部とを具える空気入りラジア
ルタイヤであって、 前記トレッド部を構成するトレッドゴムの、−20℃で
の弾性率を400×106 dyn/cm2 以下とし、 規格リムの傾斜ビードシートに緊密に嵌合される前記ビ
ード部に、その規格リムの幅方向の最外側に位置する湾
曲フランジと、それに対向するビード部外面との接触に
先だって、傾斜ビードシートの幅方向外側に隣接する隅
丸凹部にその全周にわたって密着する膨出ヒールを設
け、この膨出ヒールの膨出量を2mm以上とするととも
に、その膨出ヒールのゴム硬度を、JIS硬度で65度
以上としてなる操縦安定性に優れる空気入りラジアルタ
イヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21741693A JP3213129B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 操縦安定性に優れる空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21741693A JP3213129B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 操縦安定性に優れる空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0769011A JPH0769011A (ja) | 1995-03-14 |
JP3213129B2 true JP3213129B2 (ja) | 2001-10-02 |
Family
ID=16703870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21741693A Expired - Fee Related JP3213129B2 (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | 操縦安定性に優れる空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3213129B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-01 JP JP21741693A patent/JP3213129B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0769011A (ja) | 1995-03-14 |
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