JP3213011B2 - 溶融ファイバオプチックカプラ - Google Patents

溶融ファイバオプチックカプラ

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JP3213011B2 JP00999891A JP999891A JP3213011B2 JP 3213011 B2 JP3213011 B2 JP 3213011B2 JP 00999891 A JP00999891 A JP 00999891A JP 999891 A JP999891 A JP 999891A JP 3213011 B2 JP3213011 B2 JP 3213011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はファイバ間に光学的な溶
融結合を形成する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の結合は一般に、2本のファイバ
の一部からそれぞれの包被を除去し、機械的に接触さ
せ、ねじるか、あるいは、ファイバの裸のクラッド(す
なわち、包被を除去された部分のクラッド)にお互いに
負荷を加え(すなわち、互いに軽く押し付けること、以
下、予備負荷と呼ぶ)、その後に、加熱してファイバを
溶融させておき、それと同時に、ファイバを引っ張り、
引き伸ばす。ファイバの引き伸ばし(延伸)により、フ
ァイバにテーパ部(すなわち、先細りになる部分)を形
成することにより、一方のファイバのコアからもう一方
のファイバのコアへ微弱波を伝播させるのに十分な程度
にお互いのコアが接近する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような結合は迅速
に作ることが可能であり且つ精度良く作動する光学的取
付部材を必要としないが、その一方で、この作業は、フ
ァイバを接触部分で正確に整列させ(すなわち、2本の
ファイバの接触部を互いに、正確に位置付け)、かつ、
予備負荷を加える(すなわち、互いに軽く押し付ける)
ことを必要とする 。さらに、溶融/延伸処理は、その処
理自体がファイバ(特に、コア内に複数の偏波モードの
光を伝播させるために内部応力に依存する偏波ファイバ
や偏波保存ファイバ)の品質を劣化させる可能性があ
る。詳述すると、ファイバの内部応力構造が乱されない
ままであると仮定したとしても、この種のファイバにと
って、偏波モード間のクロストークは、2本のファイバ
の主軸線の間の回転方向の角度の違いにより、(デシベ
ルで)10 log tan2 Δθ(ここで、Δθは2本のファ
イバの主軸線の間の回転方向の角度の差(ラジアン)を
表す)にしたがって変化することが知られている。それ
ゆえ、1つの偏波の固有モードと他の偏波の固有モード
との間のクロスカップリングを抑えるために、ファイバ
を微小な角度内に整列させる(すなわち、主軸線の回転
方向の角度の差を微小な角度以下にする)必要がある。
これらは、ファイバが内部的に非対称であったとしても
(すなわち、主軸線の回転方向の角度が異なっても)、
外形は実質的に円形を呈するので、(ファイバの滑らか
で緩やかなテーパ(先細り)を形成し、幾何学的な対称
性を保ち、物理的な変化を最小にしながら)お互いに回
転方向に揃った状態を保持する作業をさらに複雑にす
る。
【0004】したがって、本発明の目的は、ファイバを
溶融する際に、ファイバの回転方向の角度を保ちなが
ら、ファイバの接続部を正確に、かつ容易に位置付ける
ことが可能な溶融のための処理方法を提供することであ
る。さらに、本発明のもう1つの目的はその処理にした
がって作られるファイバカプラ(または、光結合器)を
提供することである。かかるカプラは、低コスト、分割
比の安定性、偏波のクロスカップリングをほとんど起こ
さないファイバの回転方向の整列性、耐久性(または、
頑丈さ)、および環境に対する抵抗性という利益を有す
る。
【0005】本発明による溶融ファイバカプラを製造す
る方法においては、一対のファイバから包被が機械的ま
たは化学的な手段により剥ぎ取られ、各々のファイバ
は、精密に形成された基準面を有し、溝を付けられたロ
ッド(または、ブロック)に、その基準面と各々のファ
イバの主軸線が整列するように取り付けられる。それに
より、各ロッドは、それに取り付けられたファイバの軸
線方向の位置、軸に対し 横方向の位置、及び回転方向の
位置(すなわち、基準面に対するファイバの回転角)を
確定し、ファイバの外部基準面を形成する。次に、その
ロッドの組が互いに(基準面を)向かい合わせにされ、
ファイバを正確に接触させ、溶融したカプラを引き伸ば
すために操作される。好まれるものとして、ロッドはD
ロッド、すなわちD形の断面形状を有し、またファイ
バは各ロッドの平面上の溝に配置されるロッドは平面
重なり合うように配置されてファイバを接触した状態
に位置付けそしてひとたびファイバが溶融されると、フ
ァイバはロッド軸線方向に移動させることにより延伸
される。延伸後、ロッドを半永久的に固定し、接合部を
包囲(または、密閉)するために、管状部材(または、
チューブ)がロッドの周囲に配置される。好まれるもの
として、ロッドは、その裸ファイバが端部の小さな部分
に固定される長めのものである。溶融後、ロッド第2
部分折り取られ第1部分だけが完成したカプラ本体
の部品として残る。ロッド(ブロック)および管状部材
はシリカから作られてもよいし、プラスチックガラス
から精密成形されてもよい。
【0006】
【図示の実施例の説明】第1(a)図〜第1(c)図
は、接触領域を延伸してカプラを形成する前に、一対の
ファイバに予備負荷を与え物理的に接触させる従来の方
法を図示する。ファイバの組(以下、ファイバペアと呼
ぶ)の複屈折の主軸線は、ファイバペアの相互間の正確
な軸方向の整列を確実にするために、弾性−光学式ノマ
ルスキー対照方法または光学的回折方法によって決定さ
れてもよい。その後、ファイバは、これら方法のうちの
一つによる接触状態維持されそして接触したファイ
バが溶融され且つ延伸されてテーパされる(すなわち、
先細りにされる)。
【0007】第1(a)図において、一対のファイバ
1、2は領域3において裸にされ(すなわち、包被を取
り除かれ)、そして互いに寄り合わされて、それぞれの
ファイバに沿った相互接触領域を形成する。第1(b)
図において、各ファイバの隣接する包被部分は一方のフ
ァイバが他方のファイバの方へ湾曲して、これと接触部
位4にて接触するように、適当な角度に保持される。第
1(c)図において、整列したファイバは、「すす」5
(化学的蒸着方法により形成されるシリカをベースにし
た粒子状被着物)により互いに固定される。これら接触
手法のいずれかを使用した後、ファイバの接触領域は溶
融点まで加熱されファイバの両側の端部が適当な制御
量だけ軸線方向に引っ張られて、隣接するファイバコア
が互いに接近し且つ所望される光学結合レベルを実現す
るのに十分な程度に接触部分が延伸され、かつテーパ
れる
【0008】この技術が、偏波ファイバや偏波保存ファ
イバ対して使用された場合結果として得られる結合特
性は、ファイバの方向や延伸中の状態のわずかな変化に
より、大きく変化してしまう。したがって、ファイバの
接触部のねじれやずれ、またはふらつきを最小に抑え、
2つのファイバの容易な(軸方向の位置、回転方向の位
置を含む)整列を確実にする固定方法を提供することが
望まれる。
【0009】第2(a)図は、本発明による結合を行う
ために、ファイバ(図示せず)を整列しそしてこれを固
定するブロックまたはロッド10を上側から見た斜視図
である。図示のロッド10は、一方の面(平面12)
均一な曲率の湾曲面であるもう一方の面13とを持った
実質的に半円柱のD形ロッドである。以下で詳述するよ
うに、ロッドは半円柱よりも多少大きくてもよいし小さ
くともよいが、平面12は、少なくとも、円柱の直径に
対して実質的に平行である。平面12にはロッド10の
軸線方向に溝14が延びており、この溝14は、実質的
に均等な(すなわち、溝の大きさが一定である)第1溝
14aを有し、ここを通じてファイバの包被部分を収容
し、そして、包被されていないファイバ部分(裸ファイ
バ)のクラッドを固定する寸法を持った、(14aよ
り)小さな幅を持った溝14cで終端している(末端を
なしている)第2溝14bを有する。部分14a、14
bは単一溝として切れ込みが入れられている。
【0010】後述するように、ロッド10は、ファイバ
の装着後、正確に位置付けられたファイバの伝搬軸線を
溶融中維持し、さらに、完成したときに、カプラの本体
成すようにできている。ロッドはファイバの熱膨張特
性によく合った熱膨張特性を有するシリカから作られる
のが好ましいが、別の実施例においてロッドはプラスチ
ックや、これと同様の材料から成形されてもよい。
【0011】第2(b)図〜第2(e)図は、ロッド
0の別の図でありその詳細を図示している。第2(b)
図の側面図では、溝14は、ロッド10の一方の端面1
5aから他方の端面15bまでロッド全体を通して延長
している破線によって図示されている。さらに、ロッド
の頂部から底部に向かって、底部のわずかに手前まで
長している交差溝16が見えている。ロッドの残りの小
部分16aは、溝14b、14cを含むロッド第1部
と溝14aを含むロッド第2部分とを接続してい
ロッド、溝および接続部分の相対的な寸法が第2c
図および第2e図に図示されている。部分16aは後述
するように脆弱なまたは破断形の(すなわち、後で折り
やすいような)接続用リンク部として企図されている。
一般に、長い方の溝14aはファイバ包被部分を保持す
るために深さが一定の保持用の溝として企図されてお
り、短い方の溝14cは、溝14a及び意図されるファ
イバの溶融領域に対して応力の掛からない整列状態で裸
ファイバを保持するために、(溝全体を通して)異なっ
た深さや、下方に傾いた状態に配置されている。第2d
図は、裸のファイバおよび包被を溝14b、14cに固
定するセメント11を用いてロッドに装着されたファイ
バ1を図示している。
【0012】第3a図〜第3f図は、ロッド10の製造
のステップ、詳細に述べると、シリカ製の円柱状のロッ
ドの加工用材料から、一対のロッドを製造するためのス
テップを図示している。これら特定の製造ステップの説
明では、相対的寸法、仕上げ、およびロッドが所有する
ことになる関連の性質を説明する。
【0013】第3a図は精密なV溝形治具を図示してお
り、第3b図に示されているように、後に続く作業で整
列した状態で保持される同軸上のロッドの組(以下、ペ
アと呼ぶ)を用意するために、一組のガラス製のロッド
が取り付け用のワックス(または、ろう)によって固定
される。第3c図において、両方のロッドはVブロック
形治具の基部に対して平行にダイヤモンド製のグライン
ダで平たく研削されて、公称上、直径平面の面である平
面12を形成する。第3d図では、交差溝16が底部の
わずかに手前まで、ロッドの円柱軸線に対して垂直に溝
切りされ、各ロッドは、もう一方ロッドに近い第1部
分10aとこの交差溝16により第1部分10aから分
離され、もう一方のロッドから遠くにある第2部分10
とを有する。
【0014】第3(e)図では、裸ファイバのクラッド
の直径よりもわずかに広い浅い溝14cが、ダイヤモン
ド製の薄鋸を用いて第1部分10aに溝切りされそして
第3(f)図では、第1部分10a外側の端部から
2部分10bの方向に延長する大きな溝14b、14a
が溝切りされる。大きな溝は包被されたファイバを収容
するよう寸法が定められている。両方の溝は、そのなか
に保持されるファイバが軸線方向にまっすぐに延長する
よう円柱軸線方向に中心が合っている。各溝は、ファイ
バが面12の下に横たわるよう十分深い。クラッド径が
公称80ミクロンでありまた包被径が公称200ミクロ
ンのファイバの場合、溝14a、14bは200ミクロ
の深さとなり、浅い部分の溝14cは80ミクロンよ
りいくらか深くなるだろう。しかし、後述するように、
効果的且つ反復可能なファイバ接続を実現するために溝
14cについて種々の幾何学的形状が適用されてもよ
【0015】完成した整列用ロッド10は、次に、Vブ
ロックから取りはずされ(de-bond)、後に続くファイバ
への取り付け段階およびカプラの作成段階のために、精
密なファイバ整列用治具移されてもよい。しかし、D
ロッドがVブロックに接着されたままの実施例をここ
で説明する。
【0016】第4a図〜第4d図は、完成したロッド
ペア10へのファイバ1の取り付けおよび溶融の準備を
図示している。第4a図において、ファイバ1は約1〜
5cm長の中央領域90のその包被が剥ぎ取られ、露呈
されたクラッドが洗浄されそして、次にファイバの主軸
線の向きを決定するために測定が行われる。次に、主軸
線を平面12に対して平行に保持しつつ、ファイバは、
裸の部分90をロッドの間に配置しそして溝14cに
より正確に位置付けられ、両方のロッドを通し 延長す
る溝14a、14b、14cに配置される。ファイバ
は、各ロッドの平面12に対して、この固定整列状態を
維持するために、部位85へのセメント滴を用いて、溝
14c、14bに接着される。セメントは溝14aに達
しないよう注意する。この方法でファイバを固定するた
めには、ノーランド61などの紫外線硬化形樹脂が適当
な接着剤である。硬化の後、不要な樹脂は切り取られる
か、または平らな基準面とともにラップ仕上げされる
【0017】ロッド10をV形治具20に保持するワッ
クス21が、次に溶融され、両方のロッド取りはずさ
、そして第4d図に図示されるように、ファイバの
呈された溶融部分90はフッ化水素酸緩衝溶液95で
ッチングされるか、あるいは、他の方法で溶融の準備が
行われる。ファイバ溶融結合で通常使用される小径ファ
イバ(たとえば、約80ミクロン径)については溶蝕ス
テップは必要でない。
【0018】上述の操作によって、(第5a図で記号A
およびBで指示された)一対のD形ロッドが装着された
単一のファイバができ、一対のロッドは、裸のファイバ
、それの複屈折軸線各々のD形ロッドの平面に対し
て平行に、かつ、正確に位置付ける。ファイバカップラ
の構成要素の一回分(バッチ)がこの方法で準備でき、
後の組み立てのために、サイズによって仕分けされても
よい。同様に、(後で説明する)D形ロッドのペアを一
緒に保持し固定するための外側のスリーブ(または、筒
型の部品)を供給するために、ロッドの当初の外形より
わずかに大きい内径の石英ガラス、ステンレススチー
ル、またはインバール(INVAR)の管がサイズにより仕
分けされてもよい。スリーブに使用される材料はロッド
およびファイバの熱膨張係数と合った熱膨張係数を有す
ることが好ましい。
【0019】第5a図〜第5g図に図示されるように、
2つのファイバ1、2が、それぞれの装着ロッドA、B
およびC、Dとともにカプラを構成する。第1に、第5
a図のように、向かい合った半円形のロッドが一緒に配
置され、できれば接着される。そして管20が各ペアの
周囲に配置されそれらを整列状態に固定する。次に、第
5b図のように、組み立てられたロッド構造体は、カプ
溶融装置の2つの突出するアーム部分30、32に装
着される。一方のアーム部分は固定されており、もう一
方のアーム部分32はモーター動力の直線並進台や直線
空気軸受に装着されており、さらに制御可能な引張機構
に結合されているので、第5b図の矢印Xの方向に移動
しファイバを溶融の際に延伸する。第5c図で、対向し
たファイバの裸部分90は加熱され、一緒に溶融され
る。そして第5d図で、接触しながら溶融されたファイ
バは、ファイバ間の結合比(カップリング比)を監視し
ながら、制御された量だけ延伸され、かつ、テーパされ
。第5e図で、所望の結合比が達成されたときに引張
動作は停止される。実際には、ファイバおよび周囲の空
気がその上昇した熱状態から冷却するしたがって生ずる
わずかな結合比の変化を補正するよう、所望結合比から
わずかにずれたところに照準を合わすのが好ましい。結
合比における予想される変化の程度および方向は部分的
測定によって求められる
【0020】最後に、第5f図で、石英または金属管2
0の内の一つが4つのロッドA、B、C、D全てのファ
イバ保持用の第1部分(すなわち、D形ロッドの第1部
分)の端の周りにスライドされ、そして接着される。第
5g図で、溝16の後方(または、外側)に配置された
4つのD形ロッド第2部分10bは、(必要であれ
ば)刻み目が付けられそして折り取られ、結合されたフ
ァイバの融着されたスプライス(または、継ぎ目)接続
領域90をしっかりと囲包(または、密閉)する4つの
溝付きD形ロッド部品の第1部分10aおよび一つの管
20から構成されるコンパクトなカプラ本体100が残
される。もう一方の管20は使用されないので、他のカ
プラの組み立てのために再利用されてもよい
【0021】本発明による溶融結合は従来技術のカプラ
に優る種々の利益を有する。第1に、D形ロッドへ裸フ
ァイバを取り付けるという手法は、溶融および延伸中に
生ずる種々の操作ステップのために、応力の掛からない
ファイバの装着および保持を提供する。従来技術の溶融
結合は一般にそれぞれのファイバをV溝に(直接に)
ランプすること(すなわち、押し付け固定すること)に
より操作しておりこのクランプ圧力自体が偏波または
偏波保存ファイバの複屈折性に悪影響を与える可能性が
ある。第2に、円筒管20は対向するファイバを平行に
且つ中心を合わせて自動的に整列させ、さらにD形ロッ
ドの平面12はファイバ相互の回転方向の位置付け(す
なわち、回転方向の角度)を保証する。第3に、左右の
ロッド(その間に)固定した隙間を形成し、さらに、
ロッド外側の面および端の面、精度の高い位置付け
を可能にし、溶融カプラ製造用治具に容易に据え付けら
れ、容易に動かすことができる取り付け用の面を提供す
る。これら特徴の全ては、大量生産での完成したカプラ
において正確に再現可能な結合パラメーターの実現に
役立つ。
【0022】注意すべきさらなる特徴は、平面12の溝
14cは、溶融領域の裸のファイバのペアのミクロン以
下の正確な位置決めを可能にすることである。溝14c
は、裸ファイバが平面12に対し平行になるように形成
されてもよいし、裸ファイバが中央面(すなわち、向か
い合った2本のファイバの中間の基準上の面)に向かっ
てわずかに(または、数度程度)傾くように形成されて
もよい。さらに、溝14cは、裸のファイバが、平面1
2と同じ高さで出るように、選択された正確な深さで形
成されてもよいし、平面12からオフセットを持った位
置(すなわち、平面12よりわずかに深い位置)から出
るように形成されてもよい。このように、溝14cの深
さおよび退出口の幾何学的形状(すなわち、ファイバが
平面12と平行にロッドから出るか、または、平面12
に対し数度程度の退出角度を持って出るか)はファイバ
角度および溶融接触の予備負荷(すなわち、裸ファイ
バが互いに押し合う力)、またはファイバペアの張力の
正確な制御を可能にする。
【0023】第6a図〜第6c図は、D形ロッド10の
溝14cの角度および溝の深さを変化させることにより
実現される他の接触のための予備負荷技術を図示してい
る。(説明のために)ロッド自体は図から省略されてい
るが、ロッドの溝の深さや形状が(描かれている)ファ
イバ及び包被の位置に従う(すなわち、ファイバ及び包
被の位置どおりに作成される)ことが理解される。さら
に、これらの全ての図において、ロッドの平面12は図
の線で示されているように厳密な水平面であることが理
解される。ロッドの内側の端の面(以下、退出面と呼
ぶ)15bは破線で示されている。第6a図で、裸のフ
ァイバ部分90が退出面15bでゆるやかに弧を描きそ
して平面12により画定される中央面で接触するよう、
溝は、曲線状の(すなわちゆるやかに角度付けられた)
経路に従う(すなわち、曲線状に作成される)。
【0024】第6b図では、フラットな予備負荷が裸の
領域90の大部分に与えられている状況が図示されてい
る。この実施例では、ファイバを保持するための溝(す
なわち、ファイバの溝)平面12へと上昇しておりそ
して本質的に平面12と平行に退出し、ファイバはその
まま平行にロッドから延びて、接触状態になるか、また
数ミクロンだけ離れた状態になってもよい。ファイバ
、選択的に、軟らかい位置決め用の指状部材により押
さえ付けられてもよいし、あるいは、静電気により接触
されてもよい。第6c図では、第6a図と同様な溝の幾
何学的形状で、静電気を利用した予備負荷動作が図示さ
れている。しかしこの場合、退出口の幾何学的形状は、
ファイバを接触状態にするために十分な急勾配さを持っ
た退出角度である必要はなく、ファイバを接近させる程
度の退出角度で十分である。ファイバの退出面15bは
平面12からわずかにオフセットしており(すなわち、
平面12よりわずかに下にあり)、そして平面12に向
かってゆるやかに角度付けられている。異なる電荷が2
つのファイバ間に印加されそれらをお互いに引きつけ
る。ファイバを接触させるために必要な(従来技術に比
べ)小さいレベルの力を与えるための電荷や他の技術の
使用は、従来技術のカプラの溶融装置のねじりや押し付
けの構造によって生ずる、望まれないファイバの内部応
力を極めて減少させることが予想される。
【0025】本発明の種々の実施例において、種々の副
次的な方法が上述の一つまたは複数のステップの代わり
に適用できる。たとえば、整列用のロッドはモールド成
形によって形成されてもよいし、軸線方向の溝が露光リ
ソグラフィのマスキングおよびエッチングプロセスによ
り形成されるような材料から形成されてもよい。さら
に、ファイバが一対のロッドに装着された後、ファイバ
に改善した接触領域を提供するために、エッチング以外
の加工技術が使用されてもよい。
【0026】第7a図〜第7d図は、本発明の一つの異
なる実施例により、カプラの製造におけるこの種の一連
の中間ステップを図示している。この実施例では、ファ
イバは、研削されるか、研磨されるか、あるいは、光学
的に加工される。それらは従来のラップ仕上げされたフ
ァイバカプラとほとんど同様に加工されるが、ファイバ
の研磨領域はブロック等に埋め込まれ固定されるのでは
なく、自由に(すなわち、可動状態で)支持されてお
り、その後に溶融される。この方法は、従来技術の溶融
カプラの障害であったファイバの複屈折領域の変形およ
び損傷を回避するしたがって、この構成は、半永久的
に結合し、正確に整列し、かつ、自由な支持形状(すな
わち、接触部は周りの包被等に対し完全に固定または接
着されていない)のカプラ接続部を提供するために、ラ
ップ仕上げ及び溶融カプラ技術の最も良い特性を組み合
わせている。
【0027】第7a図に図示されているように、一対の
整列用ロッド10に装着されたファイバは、裸のファイ
バ90が円柱支持面101を有する裏打ちブロック10
全体に延長するよう整列治具に配置されている。そし
てファイバが支持面にわたり緊張状態に保持されるよ
わずかな引張力が一方のロッドを保持する治具の部
分に加えられている。平坦な面にアルミナまたは酸化セ
リウムのラップ仕上げ用の紙、パッドまたはベルト部材
121またはラップ仕上げ用コンパウンドを有する研磨
用治具120(第7b図)がファイバに対接して配置さ
れ、ロッド10の中央部位92近傍をファイバの約半分
の深さまで平らに研磨する。これは、ファイバ主軸線に
平行なラップ仕上げ面を作る。研磨後、ファイバは、平
坦な側にコア上の薄いクラッド層を残したD形断面を有
する。
【0028】第7c図の上平面図に図示されているよう
に、中央部位92近傍の処理領域は楕円形の平らな領域
である。このような処理がなされた結合領域は完成した
カプラのコア間の間隔をできるだけ小さくするので、エ
ッチングは不必要でありまたほとんど(または、まった
く)引張動作やテーパ処理動作は必要とされない。異な
ったコアの伝播軸線を形成するために応力ロッドを構成
する、異なった材質か らできた内部ロッドを有するファ
イバに対し、非テーパ型の溶融結合を可能にするラップ
仕上げ領域の使用はコアからの漏洩の問題を回避する。
平面はさらに、溶融前に2つのファイバを接触するとき
に、軸線の整列を容易にする
【0029】第7c図の部位A−AおよびB−Bにおけ
るファイバ断面を図示する第8a図および第8b図は、
複屈折ファイバの内部の幾何学的形態を図示する。コア
93は、クラッド95の中心に配置された楕円形の応力
領域94内にある。部位92近傍の処理領域において、
楕円形の応力領域の上部はきれいに除去されている。第
8c図は完成したカプラを図示し、第1のファイバに融
着された第2の(処理された)ファイバを有する。両方
の応力領域は変形することなく結合し、各コアに対して
当初の領域94の環境とほぼ同様の環境を与える単一の
領域94’を形成する。最終的な内部応力の幾何学的形
態は、第2のコアが追加されていることを除き、一本の
ファイバの当初の幾何学的形態とほぼ同様であることに
注意すべきである。さらに、クラッドまたは障壁層は各
コアの周囲で比較的厚いままである。これは、特に純粋
なシリカコア放射強化形PMファイバ等の、溶融結合に
対して容易適合しない特定のファイバについて、改善
された光伝送特性を提供する。対照的に、第8d図は従
来の方法により形成されたテーパ付き溶融カプラの応力
領域94”の変形を図示する。中央領域97で、応力線
は引張および溶融段階により変形し、偏波チャンネル分
離を劣化させる。さらに対称性も変化する。パンダ
ウタイ型ファイバもまた従来の方法で結合されると
称性の喪失で不利益を受ける。
【0030】第9a図〜第9c図は、第8a図〜第8c
図に対応する図であり、パンダファイバから作られた、
本発明による溶融カプラを図示する。ここでもまた本質
的な内部の幾何学的形態および対称性が維持されてい
る。
【0031】光学的に作用する溶融ファイバカプラを形
成する上述の方法を実行する際に、円柱型裏打ちブロッ
ク100の代わりに、エッチングにより形成したファイ
バを保持するための溝112を有するブロック110
(第7d図)を使用することが できる。たとえば、シリ
コンのブロック110では、この種の溝112は露光リ
ソグラフィのレジストパターンを露光しそして異方性エ
ッチング用試薬を用いてレジストを通じてシリコンにV
溝を蝕刻することにより精密に形成し得る。従来のラッ
仕上げカプラで使用されるような機械的な研削または
切削溝ブロックもまたこの目的に使用可能である。
【0032】容易に作られ、かつ、使用されるファイバ
の整列のための幾何学的配置を有する例を参照すること
により本発明の説明を行った。しかし、本発明はこれら
ファイバだけでなく、ファイバが本質的な部品を形成す
る種々の光学的検知、光学的濾波や処理装置にも広範に
応用可能であるであることに注意されたい。たとえば、
本発明は、溶融カプラ共鳴ファイバーリング、テーパ付
き偏光子、溶融テーパ付きファイバセンサ、波長分離マ
ルチプレクサおよび同様の素子を作るのにも容易に応用
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は種々の知られているファイバ
予備負荷動作手法を図示する模式図である。
【図2】(a)〜(e)は本発明の好ましい実施例にお
けるファイバ保持用のロッドの模式図である。
【図3】(a)〜(f)は第2図のファイバ保持用のロ
ッドを製造するための工程図である。
【図4】(a)〜(d)はロッドおよびファイバを結合
に向けて準備している段階を図示する工程図である。
【図5】(a)〜(g)は結合用に準備されたロッド・
ファイバユニット部材からカプラを組み立てる工程図で
ある。
【図6】(a)〜(c)は種々のロッドの幾何学的形態
で得られるファイバの予備負荷動作を図示する概念図で
ある。
【図7】(a)〜(d)は本発明の代替え実施例を図示
する概念図である。
【図8】(a)〜(d)は、従来技術のファイバ断面に
対して本発明が用意しそして結合したファイバの断面を
比較したファイバの断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、本発明により結合された別
のタイプのファイバの断面を図示する断面図である。
【符号の説明】
図中の各参照番号が示す主な名称は以下のとおりであ
る。 1、2 一対のファイバ 3 領域 4 接触部位 10 ブロックまたはロッド 10a 第1部分 10b 第2部分 11 セメント 12 平面 13 面 14a 第1溝 14b 第2溝 14c 溝 16 交差溝 16a 小部分 20 円筒管 21 取り付け用ワックス(ろう) 30、32 結合部溶融装置の2つの突出する腕部材 90 ファイバの裸部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/00 G02B 6/24 - 6/43

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファイバを別のファイバと並置し、且
    つ、前記別のファイバと結合することを目的として1本
    のファイバを保持するためのブロックであって、 前記ファイバを保持するために互いに直線上に並んだ溝
    を有する隣接した第1部分および第2部分であって、前
    記第2部分がファイバ包被を受容し且つこれを軸線上に
    位置付けるための大溝を有し、前記第1部分が裸ファイ
    バを受容し且つこれを軸線上に位置付けるために前記大
    溝と直線上に並んだ小溝を有しており、前記大溝の一方
    の端が前記小溝で末端をなしており、前記裸ファイバが
    前記ファイバ包被から前記小溝を通じて前記ブロックの
    外へ延びており、前記第1部分および前記第2部分が分
    離可能な状態で結合していることを特徴とする前記第1
    部分および第2部分と、 溶融ファイバオプチックカプラの製造中前記ブロックの
    外で裸ファイバを正確に位置付けるための平面とを有す
    る前記ブロック。
  2. 【請求項2】 第1および第2の光ファイバを結合する
    融着方法において、 溝切りされたファイバを保持するための第1部分を有す
    る第1の固い材質のブロックに前記第1のファイバを装
    着し、 溝切りされたファイバを保持するための第1部分を有す
    る第2の固い材質のブロックに前記第2のファイバを装
    着し、 前記第1および第2のファイバが溶融され且つ光学的に
    結合される際に、前記第1および第2のブロックを並置
    し整列させることにより、前記第1および第2のファイ
    バの前記ブロックの外の部分を正確に相対的に位置付
    け、 前記各ブロックの前記ファイバを保持するための第1部
    分を互いに固定してカプラを形成することからなる融着
    方法。
  3. 【請求項3】 ファイバを前記ブロックに装着すること
    が、ファイバの露呈された部分を前記ファイバを保持す
    るための第1部分に装着することを含む請求項2に記載
    の融着方法。
  4. 【請求項4】 前記固い材質のブロックがそれぞれ平面
    を有し、ファイバを前記ブロックに装着することが、フ
    ァイバを、ファイバの主軸線が平面を基準にして予め決
    められた向きを持つように装着することを含む請求項3
    に記載の融着方法。
  5. 【請求項5】 ファイバを前記ブロックに装着すること
    が、前記ブロックの平面に対するファイバのオフセット
    (平面からの垂直距離)と、平面に対するファイバの退
    出角度を形成する溝にファイバを装着することを含む請
    求項4に記載の融着方法。
  6. 【請求項6】 一本の光ファイバを、別のファイバへ結
    合するために、ファイバを正確に位置付けるためのブロ
    ックであって、 分離可能な状態で結合している第1部分と第2部分とを
    有し、 前記光ファイバを受容し、軸線上に位置付けるための軸
    線方向に延長する溝を備えた軸線方向に細長い本体を有
    し、 前記溝が、ファイバの裸部分を溝内に固定する前記ブロ
    ックの前記第1部分から、前記ファイバの包被部分を前
    記裸部分と軸線方向に直線上に並んだ状態で溝内にゆる
    く保持する前記ブロックの前記第2部分まで延長してお
    り、さらに、 平面を有し、それにより、スプライス接続中、前記ブロ
    ックの外に延長するファイバ部分の位置及び方向が正確
    に制御されることを特徴とするブロック。
  7. 【請求項7】 複屈折軸線が前記ブロックの前記平面に
    対して平行になるように前記溝に固定された光ファイバ
    をさらに備える請求項6に記載のブロック。
  8. 【請求項8】 第1のファイバの裸部分の両端部の周囲
    に固定された第1のファイバを保持するための一対のブ
    ロックと、 第2のファイバの裸部分の両端部の周囲に固定された第
    2のファイバを保持するための一対のブロックと、 前記ファイバの裸部分の各端部で、各々の一対のブロッ
    クの一方の分割部分を一緒に保持し、かつ、各々の一対
    のブロックのもう一方の分割部分から固定した距離だけ
    離れているスリーブとを有し、 前記一対のブロックの前記スリーブの外側の分割部分が
    前記スリーブの内側の分割部分に分離可能な状態で結合
    しており、 第1のファイバの裸部分および第2のファイバの裸部分
    が、前記スリーブおよび前記ブロックにより包囲される
    中央領域で一緒に融着されている光ファイバカプラ。
  9. 【請求項9】 互いに接続し直線上に並んだ第1部分及
    び第2部分であって、それぞれ、ファイバを確実に保持
    するためと、ゆるく位置付けするための前記第1部分及
    び第2部分を持ち、前記第1部分に固定されたファイバ
    を含み、別のファイバとの溶融結合を形成するために位
    置付けをするための平面とを有し、前記第1部分および
    第2部分が分離可能であることを特徴とするブロック。
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