JP3212680B2 - 清掃用繊維の染色含油処理法 - Google Patents

清掃用繊維の染色含油処理法

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JP3212680B2
JP3212680B2 JP10695992A JP10695992A JP3212680B2 JP 3212680 B2 JP3212680 B2 JP 3212680B2 JP 10695992 A JP10695992 A JP 10695992A JP 10695992 A JP10695992 A JP 10695992A JP 3212680 B2 JP3212680 B2 JP 3212680B2
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  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清掃用繊維の染色含油
処理法に関するもので、より詳細にはクローズド・シス
テムの中で、清掃用繊維の染色含油処理をむら無しに行
う方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、手を濡らさずに清掃が可能な材料
として、所謂化学雑巾或いはドライメンテナンス雑巾
(ワイピイングクロス)やモップ等が広く使用されてい
る。この種のクロスやモップは、一般に染色された紡績
織布やモップコードにダスト吸着性を有する油剤を含浸
処理した物であり、一定の期間を限って、需要者に貸与
した後、回収して洗濯、再生処理を行って再び貸与する
レンタルシステムで運用されている。
【0003】清掃用繊維に対する含油処理法としては、
従来、自己乳化性自己吸尽性の油剤組成物のO/W型乳
化液と繊維とを接触させる方法(特公昭50−6594
号公報)、回転装置内で清掃用繊維を攪拌し、これに油
剤組成物をスプレーする方法(特公昭57−46850
号公報)等が知られている。
【0004】清掃用繊維に対して、染色処理と含油処理
とを同時に行う方法も既に知られており、例えば、特公
昭53−10194号公報には、油剤に界面活性剤を配
合した組成物に、ごく小量の水と水溶性染料の溶液を加
えたもので、使用済み清掃用繊維を処理し、油剤による
洗浄と、繊維の染色と含油処理とを同時に行うことが記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従来
の清掃用繊維の染色含油処理法では、汚れ、染料及び油
剤を含んだ汚染度の高い排液が比較的多量に発生し、こ
の処理過程で汚染度の高い二次排水を生じるという問題
を生じる。勿論、この排水をそのまま放流することは到
底許されないから、この排水を浄化処理するのに多大の
設備と処理費用とが必要となる。
【0006】排水処理のコストを低減させるために、染
料と油剤乳化物とを含有する水性組成物を使用して、染
色含油処理を行い、この工程から排出される排水を循環
使用することも考えられるが、この場合には排水中に含
まれる不純物等による影響で、染色むらや油剤の吸着む
らが発生するという欠点が生じることになる。
【0007】従って、本発明の目的は、染色含油処理工
程から排出される含油排水を、クローズド・システム中
で有効に使用し、しかもむら染色や油剤のむら吸着を有
効に防止し得る清掃用繊維の染色含油処理法を提供する
にある。
【0008】本発明の他の目的は、染色工程からの排水
を循環用染色液に利用し、含油処理工程から排出される
含油排水を油剤吸着の前処理に利用し、これによりクロ
ーズド・システムの処理が可能となり、しかもむら染色
や油剤のむら吸着を有効に防止して、高品質の染色含油
処理清掃用繊維を製造することが可能な処理法を提供す
るにある。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、清掃
用繊維を染色する工程と、湿潤状態の染色済み清掃用繊
維を、水及び少量のダスト吸着性油剤を含む前処理液で
前処理する工程と、前処理された染色済み清掃用繊維に
ダスト吸着性油剤をスプレーして含油処理を行う工程
と、含油処理工程から排出される過剰の水及びダスト吸
着性油剤を前処理液として前処理工程に循環する工程と
から成ることを特徴とする清掃用繊維の染色含油処理法
が提供される。
【0010】本発明によればまた、回転ワッシャー内に
清掃用繊維を充填し、且つ染料、助剤及び無機塩を含む
染色液を注入して清掃用繊維を染色する工程と、ワッシ
ャー内の過剰の染色液を排出し、脱水後、染色済み清掃
用繊維と染色液とを分離する工程と、排出される染色液
に無機凝集剤を含む凝集剤、苛性ソーダ及び濾過助剤を
添加し且つ濾過し、この濾過水に染料を追加して、循環
用染色液を調製する工程と、染色済み清掃用繊維と、水
と微量乃至少量のダスト吸着性油剤とを含む前処理液と
を接触させて吸着前処理を行う工程と、前処理後の清掃
用繊維を含むワッシャー内にダスト吸着性油剤をスプレ
ーして、該繊維中に油剤を含浸させる工程と、ワッシャ
ー内の過剰の油剤と水分を排出すると共に、含油処理済
み染色清掃用繊維を乾燥のためにワッシャー外に払い出
す工程と、ワッシャー外に排出される油剤及び水を、必
要により精製、pH調節等を行なった後、新たに補給さ
れる水と共に、前記吸着前処理工程に循環する工程とか
らなることを特徴とするクローズド・システムによる清
掃用繊維の染色含油処理法が提供される。
【0011】
【作用】本発明の清掃用繊維の染色含油処理法は、大ま
かに言って、清掃用繊維を染色する工程と、清掃用繊維
にダスト吸着性油剤を含浸させる工程とから成るが、こ
の含油処理に先立って、含油処理工程から排出される過
剰の水及びダスト吸着性油剤を用いて、湿潤状態の染色
済み清掃用繊維を前処理することが顕著な特徴である。
【0012】前処理された染色済み清掃用繊維にダスト
吸着性油剤をスプレーして含油処理を行うと、繊維中に
この油剤が吸着されるが、これを遠心分離等により脱液
すると、過剰の水分と未吸着の微量乃至小量の油剤が含
油繊維から分離される。本発明では、この含油処理工程
から排出される過剰の水及びダスト吸着性油剤を前処理
液として前処理工程に循環する。
【0013】染色済み清掃用繊維を、水分と微量乃至小
量の油剤で前処理すると、染料の吸着が、前処理を行わ
ない場合に比べて一様にしかも強固に行われ、染色含油
処理清掃用繊維の各種堅牢度を顕著に向上させ得ると共
に、続いて行うスプレーによる油剤の吸着に際して、油
剤のむら吸着を防止しつつ油剤の吸着が促進され、ダス
ト捕集性、ダスト保持性に優れ、払拭面への油剤移行性
の少ない含油処理清掃用繊維が得られる。
【0014】この理由は、前処理液中に微細な状態で含
有される微量乃至小量のダスト吸着性油剤が、清掃用繊
維中の活性な吸着サイトに吸着される際、未だ完全に染
着されていない染料を助剤と共に溶解して繊維の内部に
まで浸透させて、染料の内部への染着を促進すると共
に、繊維中に吸着された油剤の微細な種が、続いて行う
油剤のスプレーに際して、油剤の吸着を一様化しながら
促進するように作用するためと思われる。事実、本発明
によれば、後述する例に示すとおり、従来の含油処理で
は、油剤含有量の標準偏差(σ)が17.1であったも
のが、これを4に抑制できるのである。
【0015】本発明では、この様に清掃用繊維の含油処
理工程で排出される含油排水を、含油処理工程に先立つ
前処理に適用することによって、上記利点が奏されるば
かりではなく、油剤を一切外部に放出することがなく、
クローズドシステムでの操業が可能となるのである。
【0016】本発明の清掃用繊維の染色含油処理法で
は、染色工程中における染色液の循環と、含油処理工程
中における油剤含有水、即ち前処理液の循環とを独立に
行う。これにより、染色排水に適した排水処理を、油剤
の問題とは独立に行うことが可能となる。
【0017】また処理装置として、単一の回転ワッシャ
ーを用い、この回転ワッシャー内に清掃用繊維を充填す
ることにより、染色処理と、含油処理と、この処理に伴
う脱液処理とをこの装置内で行うことが可能となる。
【0018】染色に際しては、回転ワッシャー内に清掃
用繊維を充填し、且つ染料、助剤及び芒硝を含む染色液
を注入して清掃用繊維を染色し、ワッシャー内の過剰の
染色液を排出し、脱水後、染色済み清掃用繊維と染色液
とを分離する。排出される染色液に硫酸アルミニウムを
含む凝集剤、苛性ソーダ及び濾過助剤を添加し且つ濾過
し、この濾過水に染料を追加して、循環用染色液を調製
する。
【0019】硫酸アルミニウム等の無機凝集剤と、苛性
ソーダとを染色排水中に添加することにより、排水中の
SS成分が生成する水酸化アルミニウム等のゲルにより
凝集し、このゲル状フロックは濾過助剤の作用により液
から分離される。濾過液には、硫酸アルミニウム等の無
機凝集剤と苛性ソーダとの中和で生成する芒硝等の無機
塩が蓄積するが、この芒硝等の無機塩類はむら染着を防
止する均染剤として有効に作用する。かくして、凝集フ
ロックを分離した後の濾液に染料或いは更に必要により
助剤を配合することにより、循環用の染色液を調製する
ことが可能となり、やはりクローズドシステムによる染
色が可能となる。
【0020】染色工程が終了した回転ワッシャー内には
脱液された染色済み清掃用繊維が残る。本発明では、既
に述べたとおり、この染色繊維と、水と微量乃至少量の
ダスト吸着性油剤とを含む前処理液とを接触させて吸着
前処理を行い、次いで前処理後の清掃用繊維を含むワッ
シャー内にダスト吸着性油剤をスプレーして、該繊維中
に油剤を含浸させる。含油処理後、ワッシャー内の過剰
の油剤と水分を排出すると共に、含油処理済み染色清掃
用繊維を乾燥のためにワッシャー外に払い出し、これを
乾燥して、染色含油処理清掃用繊維が得られる。
【0021】本発明の染色含油処理において、上記工程
から乾燥工程に払い出される製品は、繊維の吸収乃至吸
着水分に相当する水分を系外に持ち出すので、最低限こ
の水分を補給しておく必要がある。本発明においては、
この新たな水を前処理工程に供給する。これにより、清
掃用繊維が比較的新鮮な水を保持した状態で乾燥等の後
工程に送られるため、製品の品質を低下せしめないとい
う利点が得られる。
【0022】また、繊維の水の持ち出しに伴って、吸着
前処理循環液では液量が多くなり、一方循環染色液では
液量が不足するが、過剰となった前処理循環液は、これ
を油分の吸着処理や濾過等に付した後、染色液に戻すよ
うにする。
【0023】本発明によれば、以上により、染色含油処
理工程から排出される含油排水を、クローズド・システ
ム中で有効に使用し、しかもむら染色や油剤のむら吸着
を有効に防止し、高品質の染色含油処理清掃用繊維を製
造することが可能となる。
【0024】また、本発明によれば水量バランスや塩濃
度バランスを適正にとることが可能となり、長期にわた
って安定した操業が可能となる。
【0025】
【発明の好適態様】本発明の清掃用繊維の染色含油処理
の一連の工程を説明するための「図1」において、回転
ワッシャー1を中心として、染色液循環系2と前処理液
循環系3と油剤供給系4とが設けられる。回転ワッシャ
ー1は、内部に油剤供給系に連なるスプレーノズル5を
備えており、且つ内部に清掃用繊維を充填する回転ケー
ジ6を備えており、回転下に清掃用繊維と一連の処理液
と接触させて処理を行い、処理の終了後は液抜きを行っ
た後、これを回転させて遠心力による脱液を行えるよう
になっている。
【0026】染色液循環系2には、染色用水貯留槽7が
設けられ、染色用水8はポンプ9によりこの循環系を通
して回転ワッシャー1に送られる。この染色用水8と同
時に、自動染料薬剤注入装置10により、染料及び助剤
11も回転ワッシャー1内に送られる。染色用水には、
芒硝、食塩等の水溶性塩類が含有されているので、回転
ワッシャー1内の清掃用繊維は、染料、助剤及び無機塩
類を含む染色液と接触して、染色が行われる。染色終了
後、染色液を抜き出し、遠心脱液し、この染色排水をピ
ット12に払い出す。ピット12において、排出される
染色液13に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム硫酸
鉄等の無機凝集剤14、苛性ソーダ15及び濾過助剤1
6を添加する。硫酸アルミニウム等の無機凝集剤と苛性
ソーダとの反応により、水酸化アルミニウム等のゲルが
生成し、排水中のSS成分のフロックを形成する。この
中和反応により、同時に芒硝等の可溶性塩が生成し、こ
の塩類は均染剤として有効に利用されることになる。濾
過助剤16としては、珪藻土、紙パルプ、活性炭、タル
ク等が用いられる。ピット12内のスラリーはフィルタ
ープレス17に送液され、ケーキと濾液とに分離され、
この濾過水は染色用水として、クッションタンク18を
経て染色用水貯留槽7に送られる。
【0027】前処理液循環系2には、前処理液収容タン
ク19が設けられ、このタンクには水と微量乃至少量の
ダスト吸着性油剤とを含む前処理液20が収容されてい
る。この前処理液20は、ポンプ21により回転ワッシ
ャー1に送液され、染色済み清掃用繊維と接触して吸着
前処理が行われる。尚、前処理液収容タンク19には、
pH調整用酸タンク22が付属しており、タンク19内
の前処理液20に酸を供給して、前処理液を油剤の吸着
に適したpHに調節する。
【0028】油剤供給系4には、ダスト吸着性油剤収容
タンク23及びスプレーコントロールユニット24が設
けられている。油剤収容タンク23の油剤25はポンプ
26によりスプレーコントロールユニット24に送ら
れ、設定された量の油剤が、前処理後の清掃用繊維にス
プレーされるようになっている。
【0029】回転ワッシャー1内の前処理工程及び含油
処理工程後、脱液される過剰の油剤と水分は前処理液循
環系2を経て前処理液収容タンク19に排出され、前処
理に循環使用されることになる。含油処理済み染色清掃
用繊維は、乾燥のためにワッシャー外に払い出され、以
後の工程が行われる。
【0030】清掃用繊維としては、木綿繊維、レーヨン
繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ナイ
ロン繊維、その他の合成繊維の一種或は二種以上からな
る紡績糸やマルチフイラメント糸等を挙げることができ
る。これらは、モップのような撚糸或いは紐からなるも
の、ワイピングクロスのような織物、編み物或いは不織
布からなるもの、或いはダステイングマットのようなタ
フト化織物からなるものであってよい。
【0031】用いる染料液は、それ自体公知の水溶性染
料を含有するものであればよく、具体的な染料の種類
は、用いる繊維の種類との関係で適宜選定し、使用され
る。例えば、セルロース系繊維の場合、直接染料が好適
に使用され、Direct Yellow 29、3
3、44、86或いはDirect Orange 3
9、49、107等がその例である。助剤としては、グ
リコール誘導体、アミン誘導体、尿素系誘導体等の染料
溶解助剤や、各種界面活性剤、フィックス剤等が使用さ
れる。染色液中の染料濃度は、一般に0.04乃至0.
08重量%の範囲にあるのがよい。また、染色液中の芒
硝濃度は0.4重量%から0.8重量%の範囲で問題な
く良好な染色が可能であることが分かった。
【0032】染色処理は、清掃用繊維重量部当たり6乃
至10倍の液比で行うのがよく、温度は一般に50乃至
60℃の範囲が適当である。染色時間は、特に限定され
ないが、一般に15乃至30分間の接触で十分である。
染色時の昇温は、回転ワッシャー内に生蒸気を吹き込む
ことによって行うことができる。
【0033】ダスト吸着性油剤としては、従来この種の
含油処理に使用される鉱物油及びまたは合成潤滑油の任
意のものが使用される。鉱物油としては、パラフィン
系、ナフテン系、芳香族炭化水素系の任意のもの、例え
ば流動パラフイン、スピンドル油、マシン油、冷凍油等
が挙げられる。合成潤滑油としては、ポリオレフィン
油、ポリグリコール油、ポリブテン油、アルキアルベン
ゼン油、ジエステル油等が使用される。これらの油剤は
単独でも二種以上の組み合わせでも使用し得る。
【0034】これらの油剤には、繊維への吸着性を高
め、且つダストの捕集性及び保持性を高めるために、界
面活性剤を配合するのがよい。界面活性剤としては、ア
ニオン系、ノニオン系、カチオン系、及び両性系の各種
活性剤が使用される。好適な活性剤は、ノニルフェノー
ル系界面活性剤、特にエチレンオキシド付加モル数4乃
至6のものや、イミダゾリン系両性活性剤等である。こ
れらの界面活性剤は油剤当たり1乃至6重量%含有させ
るのがよい。
【0035】油剤スプレーに先立って行う前処理では、
この前処理液中に、一般に0.3乃至2.0重量%程度
の油剤を含有していることが好ましい。前処理液中の油
剤は、一般に乳化しており、その粒子サイズは5乃至2
0mμの範囲にある。後で行う油剤の吸着を円滑に行わ
せるために、この前処理液は4乃至5のpHを有してい
るのがよい。pHの調節は酢酸等の添加で行うのがよ
い。前処理液の液量は、繊維当たり3乃至10重量倍が
適当であり、処理温度は、一般に20乃至40℃の範囲
が適当であり、処理時間は、特に限定されないが、一般
に2乃至10分間の接触で十分である。
【0036】油剤のスプレーは、吐出される油剤の粒径
を可及的に微細にして、この液滴と前処理された清掃用
繊維とが一様に接触される様にして行う。繊維当たりの
油剤の使用量は、繊維当たり10乃至25重量%、特に
12乃至18重量%の範囲が適当である。
【0037】染色排水の処理に際して、硫酸アルミニウ
ムは一般に150乃至200ppmの量で添加するのが
好ましく、一方苛性ソーダは、硫酸アルミニウムに対し
て当量添加するのがよい。排水中のSS成分のフロック
を濾過する目的で使用する濾過助剤は、珪藻土が適当で
あるが、染色用水の循環にともなって、溶解有機成分の
濃度が増加した場合には、活性炭を濾過助剤として使用
すると、これらの溶解有機成分の吸着による除去をも有
効に行うことができる。染色用水の不足する分は、生蒸
気の回転ワッシャー内への吹き込みにより供給される
が、必要により、前処理液を活性炭等の吸着剤で処理
し、濾過した後染色用水に追加すればよい。
【0038】
【実施例】「図1」に示す装置を使用して、以下の条件
で清掃用繊維の染色含油処理を行った。回転ワッシャー
内に、木綿製のハンディタイプのモップ1260枚(総
重量200kg)を投入した。
【0039】染色液循環系2の染色用水貯留槽7に、濃
度4g/lの芒硝水溶液を用意し、その温度を50℃に
設定した。自動染料薬剤注入装置10には、染色助剤
(分散剤、浸透剤)の供給系と、黄色染料原液の供給系
とを用意した。回転ワッシャー内に染色用水を供給する
と共に、各染色助剤を200ppmとなる量で供給し、
5分間前処理した。次いでモップ1枚当たりの染料の量
が0.28gとなるように染料溶液を供給し、回転ワッ
シャー内に生蒸気を吹き込んで60℃となるように昇温
させながら、10分間染色処理を行った。染色後、回転
ワッシャー1を回転させて、3分間脱水した。この染色
排水をピット12に払い出した。
【0040】前処理液循環系3の前処理液収容タンク1
9には、pHが4.5で油剤を0.2重量%含有する前
処理液を用意した。また、ダスト吸着性油剤収容タンク
23には、流動パラフィン94重量%及び界面活性剤4
重量%含有するダスト吸着性油剤組成物を用意した。前
処理液20を、ポンプ21により回転ワッシャー1に送
液し、染色済みモップと接触させて常温で2分間吸着前
処理を行った。その後、2分間低速回転で軽度の脱水を
行った。次いで回転させながら、油剤組成物を前処理モ
ップに対して10分間かけてスプレーする。油剤組成物
の量は、モップ1枚当たり20gとした。スプレー処理
後、低速次いで高速回転下に8分間脱水した。脱水され
る含油排水は、前処理液収容タンク19に払い出した。
また、脱水後の含油処理モップは、回転ワッシャーから
払いだした後常法により乾燥して製品とした。
【0041】二回目以後の操業においては、染色助剤の
供給量を各100ppmとする以外は同様に行った。ま
た前処理液のpHは常に4乃至4.5の範囲にあるよう
に監視し、pHの調整は酢酸を添加して行った。本実施
例では、この染色含油処理を1日当たり20回行った。
【0042】ピット12に排出される染色液13に、硫
酸アルミニウムを0.03〜0.05%及び苛性ソーダ
を当量添加して凝集処理を行い、これに珪藻土を0.0
5〜0.15%添加して、フィルタープレスにより濾過
し、生成する濾過水を染色用水として、クッションタン
ク18を経て染色用水貯留槽7に送った。また、1pp
m以下の高分子凝集剤を添加し、エアレーションを同時
に行うのもSS成分の除去に有効であった。更に1週間
の操業に1回濾過助剤として活性炭を使用すると、水可
溶有機成分を吸着除去するのに有効であった。
【0043】上記実施例で得られた染色含油処理モップ
の染色の程度は、第1回目のものから操業開始1週間目
のものまで、染色の程度が一様且つ強固であり、油剤の
吸着も一様でむら吸着のあるものはなかった。操業開始
1週間目の含油処理モップに付いて、油剤吸着量のヒス
トグラムを求めたところσは4.0であった。
【0044】この結果から、本発明の処理によれば、油
剤吸着量の分布が狭い範囲に一様化されており、特に油
剤吸着量の低いものが無くなっているという驚くべき事
実が明かとなる。
【0045】本実施例において、用水のバランスは次の
通りである。染色工程後、モップの含水量5重量%とし
て、モップが次の含油処理工程に持ち去る水量は約12
0l/回、即ち2400l/日であり、含油処理後モッ
プが乾燥等の次の工程に持ち去る水量も約120l/
回、即ち2400l/日である。
【0046】一方、回転ワッシャー内の昇温を50〜6
0℃迄行った場合の生蒸気により増加する水量は、約4
0l/回、即ち800l/日である。つまり、染色工程
の昇温で毎回約40lの水が蒸気として入るが約120
lの水が染色系統から前処理系統へ移動することになる
ので、染色系統では、約80l/回、即ち1600l/
日の水が減少することになる。本発明では、含油処理工
程(前処理工程)における水の出入りはゼロであるが、
染色系統の水の不足分は、前処理液で補い、これによる
前処理液の不足分を新鮮水で補充するようにした。この
作業は1日に1回行った。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、清掃用繊維を染色する
工程と、湿潤状態の染色済み清掃用繊維を、水及び少量
のダスト吸着性油剤を含む前処理液で前処理する工程
と、前処理された染色済み清掃用繊維にダスト吸着性油
剤をスプレーして含油処理を行う工程と、含油処理工程
から排出される過剰の水及びダスト吸着性油剤を前処理
液として前処理工程に循環する工程とを組み合わせるこ
とにより、染色含油処理工程から排出される含油排水
を、水量バランス及び塩類バランスをとりながら、クロ
ーズド・システム中で有効に使用し、しかもむら染色や
油剤のむら吸着を有効に防止し得る清掃用繊維の染色含
油処理法が提供された。
【0048】本発明によればまた、染色工程からの排水
を循環用染色液に利用し、含油処理工程から排出される
含油排水を油剤吸着の前処理に利用し、これによりクロ
ーズド・システムの処理が可能となり、しかもむら染色
や油剤のむら吸着を有効に防止して、高品質の染色含油
処理清掃用繊維を製造することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の清掃用繊維の染色含油処理の一連の
工程を説明するための工程図である。
【符号の簡単な説明】 1は回転ワッシャー、2は染色
液循環系、3は前処理液循環系、4は油剤供給系、5は
スプレーノズル、6は回転ケージ、7は染色用水貯留
槽、8は染色用水、9はポンプ、10は自動染料薬剤注
入装置、11は染料及び助剤、12はピット、13は排
出される染色液、14は硫酸アルミニウムを含む凝集
剤、15は苛性ソーダ、16は濾過助剤、17はフィル
タープレス、18はクッションタンク、19は前処理液
収容タンク、20は微量乃至少量のダスト吸着性油剤と
を含む前処理液、21はポンプ、22はpH調整用酸タ
ンク、23はダスト吸着性油剤収容タンク、24はスプ
レーコントロールユニット、25は油剤、26はポン
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 13/17 C09K 3/32 D06B 1/02 D06B 9/06 D06B 15/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 清掃用繊維を染色する工程と、 湿潤状態の染色済み清掃用繊維を、水及び少量のダスト
    吸着性油剤を含む前処理液で前処理する工程と、 前処理された染色済み清掃用繊維にダスト吸着性油剤を
    スプレーして含油処理を行う工程と、含油処理工程から
    排出される過剰の水及びダスト吸着性油剤を前処理液と
    して前処理工程に循環する工程とから成ることを特徴と
    する清掃用繊維の染色含油処理法。
  2. 【請求項2】 回転ワッシャー内に清掃用繊維を充填
    し、且つ染料、助剤及び無機塩を含む染色液を注入して
    清掃用繊維を染色する工程と、 ワッシャー内の過剰の染色液を排出し、脱水後、染色済
    み清掃用繊維と染色液とを分離する工程と、 排出される染色液に無機凝集剤を含む凝集剤、苛性ソー
    ダ及び濾過助剤を添加し且つ濾過し、この濾過水に染料
    を追加して、循環用染色液を調製する工程と、 染色済み清掃用繊維と、水と微量乃至少量のダスト吸着
    性油剤とを含む前処理液とを接触させて吸着前処理を行
    う工程と、 前処理後の清掃用繊維を含むワッシャー内にダスト吸着
    性油剤をスプレーして、該繊維中に油剤を含浸させる工
    程と、 ワッシャー内の過剰の油剤と水分を排出すると共に、含
    油処理済み染色清掃用繊維を乾燥のためにワッシャー外
    に払い出す工程と、 ワッシャー外に排出される油剤及び水を、必要により精
    製、pH調節等を行なった後、新たに補給される水と共
    に、前記吸着前処理工程に循環する工程とからなること
    を特徴とするクローズド・システムによる清掃用繊維の
    染色含油処理法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014003299A1 (ko) * 2012-06-27 2014-01-03 한국생산기술연구원 플레이트형 바, 이를 포함하는 적외선 염색기 및 상기 적외선 염색기의 불균염 방지 방법

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WO2014003299A1 (ko) * 2012-06-27 2014-01-03 한국생산기술연구원 플레이트형 바, 이를 포함하는 적외선 염색기 및 상기 적외선 염색기의 불균염 방지 방법

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