JP3211874B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
半導体装置の製造方法Info
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- JP3211874B2 JP3211874B2 JP31433097A JP31433097A JP3211874B2 JP 3211874 B2 JP3211874 B2 JP 3211874B2 JP 31433097 A JP31433097 A JP 31433097A JP 31433097 A JP31433097 A JP 31433097A JP 3211874 B2 JP3211874 B2 JP 3211874B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置のスイ
ッチング速度を高めるために半導体基体に荷電粒子を投
射する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
ッチング速度を高めるために半導体基体に荷電粒子を投
射する工程を含む半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、絶縁ゲート形電界効果ト
ランジスタ(IGBT)、ダイオード等の半導体装置の
スイッチング速度を高めるためにAu(金)やPt(プ
ラチナ)等の重金属を半導体基体に拡散してキャリア寿
命(ライフタイム)を短くすることが行われてきた。し
かしながら、この重金属拡散による方法によって極微量
の重金属を半導体基体の全部又は特定領域に均一な濃度
に拡散することは困難であり、また拡散の再現性も悪
く、ライフタイムを高精度にコントロールすることがで
きなかった。ライフタイムをコントロールするための別
の方法として、半導体基体に荷電粒子、例えば電子線、
又はプロトンやヘリウム等のイオン(軽イオン)を投射
する方法が知られている。この荷電粒子投射方法は、重
金属拡散方法に比べて、半導体基体中に均一に欠陥を再
現性良く形成してライフタイムを高精度にコントロール
することができるという利点、また、照射線量よっては
製造コストの削減が可能であるという利点、更にプロセ
スが簡単であるので工程異常の発生が低減するという利
点を有する。
ランジスタ(IGBT)、ダイオード等の半導体装置の
スイッチング速度を高めるためにAu(金)やPt(プ
ラチナ)等の重金属を半導体基体に拡散してキャリア寿
命(ライフタイム)を短くすることが行われてきた。し
かしながら、この重金属拡散による方法によって極微量
の重金属を半導体基体の全部又は特定領域に均一な濃度
に拡散することは困難であり、また拡散の再現性も悪
く、ライフタイムを高精度にコントロールすることがで
きなかった。ライフタイムをコントロールするための別
の方法として、半導体基体に荷電粒子、例えば電子線、
又はプロトンやヘリウム等のイオン(軽イオン)を投射
する方法が知られている。この荷電粒子投射方法は、重
金属拡散方法に比べて、半導体基体中に均一に欠陥を再
現性良く形成してライフタイムを高精度にコントロール
することができるという利点、また、照射線量よっては
製造コストの削減が可能であるという利点、更にプロセ
スが簡単であるので工程異常の発生が低減するという利
点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の荷電
粒子投射によるライフタイムコントロールでは、荷電粒
子の投射によって半導体基体中に安定な欠陥即ち比較的
低温の熱処理によって正常な結晶に戻らない欠陥と共に
不安定な欠陥即ち比較的低温の熱処理によって正常な結
晶に戻る欠陥の両方が形成される。後者の不安定な欠陥
が存在すると、荷電粒子投射後の他の工程における熱処
理や実使用時にライフタイムの変動を招く。そこで、荷
電粒子の投射後に半導体基体に対して熱処理(アニーリ
ング)を施して欠陥の安定化を図る。しかし、従来のア
ニーリングは半導体基体を窒素雰囲気中に置いて行って
いたので、欠陥を十分に安定化することができなかっ
た。例えば、アニーリングを施したIGBTの高温バイ
アス試験を行うと、しきい値電圧VTHの変動(低下)が
発生した。
粒子投射によるライフタイムコントロールでは、荷電粒
子の投射によって半導体基体中に安定な欠陥即ち比較的
低温の熱処理によって正常な結晶に戻らない欠陥と共に
不安定な欠陥即ち比較的低温の熱処理によって正常な結
晶に戻る欠陥の両方が形成される。後者の不安定な欠陥
が存在すると、荷電粒子投射後の他の工程における熱処
理や実使用時にライフタイムの変動を招く。そこで、荷
電粒子の投射後に半導体基体に対して熱処理(アニーリ
ング)を施して欠陥の安定化を図る。しかし、従来のア
ニーリングは半導体基体を窒素雰囲気中に置いて行って
いたので、欠陥を十分に安定化することができなかっ
た。例えば、アニーリングを施したIGBTの高温バイ
アス試験を行うと、しきい値電圧VTHの変動(低下)が
発生した。
【0004】そこで、本発明は荷電粒子投射によって生
じた欠陥を高度に安定化することができ且つ電極を良好
に形成することができる半導体装置の製造方法を提供す
ることを目的とする。
じた欠陥を高度に安定化することができ且つ電極を良好
に形成することができる半導体装置の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、半導体装置を形成する
ための半導体基体の表面に半導体酸化膜を形成し、この
半導体酸化膜を介して半導体基体の表面に荷電粒子を投
射して前記半導体基体の少なくとも一部の領域のキャリ
アのライフタイムを調整する工程と、前記荷電粒子が投
射された半導体基体を水素を含む雰囲気中で熱処理する
工程と、前記半導体基体の表面に形成された半導体酸化
膜を除去する工程と、前記半導体基体の前記半導体酸化
膜を除去した部分に電極を形成する工程とを備えている
ことを特徴とする半導体装置の製造方法に係わるもので
ある。
目的を達成するための本発明は、半導体装置を形成する
ための半導体基体の表面に半導体酸化膜を形成し、この
半導体酸化膜を介して半導体基体の表面に荷電粒子を投
射して前記半導体基体の少なくとも一部の領域のキャリ
アのライフタイムを調整する工程と、前記荷電粒子が投
射された半導体基体を水素を含む雰囲気中で熱処理する
工程と、前記半導体基体の表面に形成された半導体酸化
膜を除去する工程と、前記半導体基体の前記半導体酸化
膜を除去した部分に電極を形成する工程とを備えている
ことを特徴とする半導体装置の製造方法に係わるもので
ある。
【0006】
【発明の効果】本発明によれば、水素を含む雰囲気で熱
処理することによって従来の窒素雰囲気で熱処理する場
合よりも欠陥の安定化即ち電気的特性の安定化を高度に
達成することができる。なお、水素雰囲気中の熱処理
(アニーリング)によって欠陥が安定化する理由は、不
安定な欠陥のために生じた未結合手に水素原子が結合
し、欠陥が安定化するものと考えられる。また、半導体
酸化膜を形成し、これを除去して電極を形成するので、
電子線投射工程等に伴う半導体基体の表面の汚れをこの
酸化膜と一緒に容易に除去でき、電極を半導体基体に良
好にオーミックコンタクトさせることができる。
処理することによって従来の窒素雰囲気で熱処理する場
合よりも欠陥の安定化即ち電気的特性の安定化を高度に
達成することができる。なお、水素雰囲気中の熱処理
(アニーリング)によって欠陥が安定化する理由は、不
安定な欠陥のために生じた未結合手に水素原子が結合
し、欠陥が安定化するものと考えられる。また、半導体
酸化膜を形成し、これを除去して電極を形成するので、
電子線投射工程等に伴う半導体基体の表面の汚れをこの
酸化膜と一緒に容易に除去でき、電極を半導体基体に良
好にオーミックコンタクトさせることができる。
【0007】
【実施態様及び実施例】次に、本発明の実施態様及び実
施例に係わる半導体装置としてのIGBTの製造方法を
図1〜図6を参照して説明する。
施例に係わる半導体装置としてのIGBTの製造方法を
図1〜図6を参照して説明する。
【0008】まず、図1に示すシリコン半導体基体1を
用意する。この半導体基体1は、IGBTを構成するた
めに、コレクタ領域としてのp+ 形の第1の半導体領
域2と、バッファ領域としてのn+ 形の第2の半導体
領域3と、ドリフト領域又は伝導度変調領域としてのn
形の第3の半導体領域4と、ベース領域又はチャネル形
成領域としてのp形の第4の半導体領域5と、エミッタ
領域としてのn形の第5の半導体領域6を備えている。
半導体基体1の一方の主面7上には、絶縁膜8、9が設
けられ、この開口を通して第4及び第5の半導体領域
5、6にエミッタ電極又はソース電極又はカソード電極
と呼ぶことができる第1の主電極10が接続されてい
る。少なくともp形の第4の半導体領域5の第5の半導
体領域6と第3の半導体領域4との間の部分の表面を絶
縁膜8を介して覆うようににゲート電極11が設けられ
ている。図1の半導体基体1には複数の微小IGBT素
子が設けられており、これ等の第1の主電極10は絶縁
膜9上の導体層によって相互に接続されている。また、
それぞれのゲート電極11も相互に接続されている。ま
た、1枚の半導体基体1即ちウエハから複数個のIGB
Tを得るために、半導体基体1には複数のIGBTのた
めの半導体領域を形成する。以下の説明では、半導体基
体1に複数のIGBTのための半導体領域及び電極の一
部又は全部を設けたものをウエハ1aと呼ぶことにす
る。また、半導体基体1の他方の主面12にはシリコン
酸化膜(半導体酸化膜)29が設けられており、第1の
半導体領域2は他方の主面12には露出していない。
用意する。この半導体基体1は、IGBTを構成するた
めに、コレクタ領域としてのp+ 形の第1の半導体領
域2と、バッファ領域としてのn+ 形の第2の半導体
領域3と、ドリフト領域又は伝導度変調領域としてのn
形の第3の半導体領域4と、ベース領域又はチャネル形
成領域としてのp形の第4の半導体領域5と、エミッタ
領域としてのn形の第5の半導体領域6を備えている。
半導体基体1の一方の主面7上には、絶縁膜8、9が設
けられ、この開口を通して第4及び第5の半導体領域
5、6にエミッタ電極又はソース電極又はカソード電極
と呼ぶことができる第1の主電極10が接続されてい
る。少なくともp形の第4の半導体領域5の第5の半導
体領域6と第3の半導体領域4との間の部分の表面を絶
縁膜8を介して覆うようににゲート電極11が設けられ
ている。図1の半導体基体1には複数の微小IGBT素
子が設けられており、これ等の第1の主電極10は絶縁
膜9上の導体層によって相互に接続されている。また、
それぞれのゲート電極11も相互に接続されている。ま
た、1枚の半導体基体1即ちウエハから複数個のIGB
Tを得るために、半導体基体1には複数のIGBTのた
めの半導体領域を形成する。以下の説明では、半導体基
体1に複数のIGBTのための半導体領域及び電極の一
部又は全部を設けたものをウエハ1aと呼ぶことにす
る。また、半導体基体1の他方の主面12にはシリコン
酸化膜(半導体酸化膜)29が設けられており、第1の
半導体領域2は他方の主面12には露出していない。
【0009】次に、図2及び図3に示すような複数個
(4個)のウエハ1aを収容するための金属(アルミニ
ウム)製の容器(トレイ)13を用意する。この容器1
3の一方の主面14に4枚のウエハ1aを収容するため
の4個の凹部15が形成されている。相互に離間するよ
うに配置された4個の凹部15のそれぞれは、図3に示
すように側壁16に段差部16aを有しており、段差部
16aより下側の第1の側壁16bの間隔即ち底面16
cの径L1 は図3で概略的に示されているウエハ1aの
径よりも小さく、段差部16aより上側の第2の側壁1
6dの間隔即ち凹部15の開口幅L2 はウエハ1aの径
よりも若干大きくなっている。次にウエハ1aを凹部1
5内の段差部16aに載置する。本実施例では、ウエハ
1aの一方の主面側即ち半導体基体1の一方の主面7側
を下向きにして容器13の凹部15にウエハ1aを配置
する。従ってウエハ1aの一方の主面の外縁領域は段差
部16aに当接し、ウエハ1aの一方の主面の中央領域
は段差部16aに当接せずに凹部15の底面16cから
第1の側壁16bの高さh1 だけ離間する。また、第2
の側壁16dの高さh2 はウエハ1aの厚さよりも若干
大きくなっているため、ウエハ1aの他方の主面即ち半
導体基体1の他方の主面12に形成されたシリコン酸化
膜29は容器13の一方の主面14よりも若干凹部15
の底面16c側に位置している。
(4個)のウエハ1aを収容するための金属(アルミニ
ウム)製の容器(トレイ)13を用意する。この容器1
3の一方の主面14に4枚のウエハ1aを収容するため
の4個の凹部15が形成されている。相互に離間するよ
うに配置された4個の凹部15のそれぞれは、図3に示
すように側壁16に段差部16aを有しており、段差部
16aより下側の第1の側壁16bの間隔即ち底面16
cの径L1 は図3で概略的に示されているウエハ1aの
径よりも小さく、段差部16aより上側の第2の側壁1
6dの間隔即ち凹部15の開口幅L2 はウエハ1aの径
よりも若干大きくなっている。次にウエハ1aを凹部1
5内の段差部16aに載置する。本実施例では、ウエハ
1aの一方の主面側即ち半導体基体1の一方の主面7側
を下向きにして容器13の凹部15にウエハ1aを配置
する。従ってウエハ1aの一方の主面の外縁領域は段差
部16aに当接し、ウエハ1aの一方の主面の中央領域
は段差部16aに当接せずに凹部15の底面16cから
第1の側壁16bの高さh1 だけ離間する。また、第2
の側壁16dの高さh2 はウエハ1aの厚さよりも若干
大きくなっているため、ウエハ1aの他方の主面即ち半
導体基体1の他方の主面12に形成されたシリコン酸化
膜29は容器13の一方の主面14よりも若干凹部15
の底面16c側に位置している。
【0010】次にウエハ1aが収容された容器13の全
体を包囲するように電子線透過可能なプラスチック製の
カバー(パック)17を設ける。このカバー17はウエ
ハ1aを凹部15内に真空包装するように形成する。従
って、凹部15内は真空状態となっており、実際にはカ
バー17の内面はウエハ1aの他方の主面に形成された
シリコン酸化膜29に密着している。
体を包囲するように電子線透過可能なプラスチック製の
カバー(パック)17を設ける。このカバー17はウエ
ハ1aを凹部15内に真空包装するように形成する。従
って、凹部15内は真空状態となっており、実際にはカ
バー17の内面はウエハ1aの他方の主面に形成された
シリコン酸化膜29に密着している。
【0011】次に、図4及び5に示すようにウエハ1a
を真空パッキングしたウエハ収容体18を搬送治具(カ
ート)19に載置し、電子線投射装置としての電子加速
器20に移送することでウエハ1aに電子線を投射す
る。即ち、カート19は平板状の載置部21とこれに取
り付けられた車輪22から構成されており、図4で矢印
で示す水平方向に移動可能となっている。また、電子加
速器20は電子銃23、加速管24、スキャンマグネッ
ト25及びスキャンホーン26を備えており、スキャン
ホーン26の開口部26aにはチタン膜から成るカバー
27が設けられている。電子銃23から照射された電子
線28は加速管24内で加速され、スキャンマグネット
25によって偏向され、スキャンホーン26からカバー
27を通って外部に放射される。ウエハ収容体18を容
器13の他方の主面を下側にしてカート19の載置部2
1に配置し、図4に示すように電子加速器20の下方に
移送すると、電子線28がウエハ収容体18のカバー1
7を通過してウエハ1aの他方の主面即ち半導体基体1
の他方の主面12にシリコン酸化膜29を介して照射さ
れる。本実施例では、カート19を加速器20の下方を
一回通過させたときにウエハ1aの受ける電子線の量が
約20kGyとなるように電子加速器20の加速電圧及
び電流値を2MeV及び20mAに設定し、電子線投射
時にウエハ1aを加速器20の下方を一回のみ通過させ
る。なお、電子線の投射量を増加する場合は、カート1
9を電子加速器20の下方を複数回通過させる。この電
子線の投射によって半導体基体1の内部にキャリアのラ
イフタイムを短くするための欠陥が生じる。
を真空パッキングしたウエハ収容体18を搬送治具(カ
ート)19に載置し、電子線投射装置としての電子加速
器20に移送することでウエハ1aに電子線を投射す
る。即ち、カート19は平板状の載置部21とこれに取
り付けられた車輪22から構成されており、図4で矢印
で示す水平方向に移動可能となっている。また、電子加
速器20は電子銃23、加速管24、スキャンマグネッ
ト25及びスキャンホーン26を備えており、スキャン
ホーン26の開口部26aにはチタン膜から成るカバー
27が設けられている。電子銃23から照射された電子
線28は加速管24内で加速され、スキャンマグネット
25によって偏向され、スキャンホーン26からカバー
27を通って外部に放射される。ウエハ収容体18を容
器13の他方の主面を下側にしてカート19の載置部2
1に配置し、図4に示すように電子加速器20の下方に
移送すると、電子線28がウエハ収容体18のカバー1
7を通過してウエハ1aの他方の主面即ち半導体基体1
の他方の主面12にシリコン酸化膜29を介して照射さ
れる。本実施例では、カート19を加速器20の下方を
一回通過させたときにウエハ1aの受ける電子線の量が
約20kGyとなるように電子加速器20の加速電圧及
び電流値を2MeV及び20mAに設定し、電子線投射
時にウエハ1aを加速器20の下方を一回のみ通過させ
る。なお、電子線の投射量を増加する場合は、カート1
9を電子加速器20の下方を複数回通過させる。この電
子線の投射によって半導体基体1の内部にキャリアのラ
イフタイムを短くするための欠陥が生じる。
【0012】次に、電子線が投射されたウエハ1aをウ
エハ収容体18から取り出し、ウエハ1aに対して本発
明に基づいて水素雰囲気中で約325℃、60分間の熱
処理(アニール処理)を施す。これにより、半導体基体
1内に電子線投射によって生じた欠陥のうち不安定な欠
陥が消滅して安定した欠陥が残り、欠陥の安定化が図れ
る。この安定化する理由については後述する。なお、上
記熱処理の温度を例えば300℃〜500℃の範囲で変
えることができる。
エハ収容体18から取り出し、ウエハ1aに対して本発
明に基づいて水素雰囲気中で約325℃、60分間の熱
処理(アニール処理)を施す。これにより、半導体基体
1内に電子線投射によって生じた欠陥のうち不安定な欠
陥が消滅して安定した欠陥が残り、欠陥の安定化が図れ
る。この安定化する理由については後述する。なお、上
記熱処理の温度を例えば300℃〜500℃の範囲で変
えることができる。
【0013】次に周知のエッチング技術を使用して、半
導体基体1の他方の主面側にエッチングを施して図5に
示す電子線投射後のシリコン酸化膜29′を除去して半
導体基体1の他方の主面12即ち第1の半導体領域2の
主面を露出させる。続いて、周知の真空蒸着技術を使用
して図6に示すように半導体基体1の他方の主面12の
全体に電極(アノード電極)30を形成する。
導体基体1の他方の主面側にエッチングを施して図5に
示す電子線投射後のシリコン酸化膜29′を除去して半
導体基体1の他方の主面12即ち第1の半導体領域2の
主面を露出させる。続いて、周知の真空蒸着技術を使用
して図6に示すように半導体基体1の他方の主面12の
全体に電極(アノード電極)30を形成する。
【0014】最後にウエハ1aをダイシングによって切
断分離して個別化したIGBTチップを得る。
断分離して個別化したIGBTチップを得る。
【0015】本実施例によれば、以下の効果が得られ
る。 (1) 半導体基体1を水素雰囲気中でアニール処理す
るので、従来技術に比べてより高度に欠陥を安定化でき
る。この理由は次のように考えられる。半導体基体1に
電子線を投射することによって生じた不安定な欠陥に基
づくシリコン原子の未結合手に、水素雰囲気中でのアニ
ーリングによって水素原子が結合し、欠陥を安定化させ
るためと考えられる。赤外分光分析を行った結果、水素
雰囲気中でアニーリングを施した半導体基体では、アニ
ーリング前の半導体基体と比べてシリコン原子と水素原
子の共有結合数が増加していることが確認された。ま
た、従来の窒素雰囲気のアニーリングを施して形成した
IGBTチップでは1000時間のBT試験を施すと、
しきい値(VTH)が平均して3.5%変動したが、本実
施例のIGBTチップのしきい値の変動は平均して1.
5%に抑制された。 (2) ウエハ1aをカバー17で真空パッキングした
状態で電子線照射を行うので、ウエハ1aの汚染を防止
することができる。 (3) ウエハ1aの電子線を照射する面に電極を形成
せずに半導体を酸化して成るシリコン酸化膜29を介し
て電子線照射するので、ウエハ1aに良好に且つ均一に
電子線を照射して欠陥を生成することができる。 (4) 予め半導体基体1の他方の主面12にシリコン
酸化膜29を形成し、電子線投射後のシリコン酸化膜2
9′をエッチング除去してから電極30を形成するの
で、電子線照射の際にカバー17が半導体基体1に密着
すること等で生じた半導体基体1の他方の主面12の汚
染がシリコン酸化膜29′と共に容易に除去でき、半導
体基体1と電極30との間に良好なオーミックコンタク
トが得られる。
る。 (1) 半導体基体1を水素雰囲気中でアニール処理す
るので、従来技術に比べてより高度に欠陥を安定化でき
る。この理由は次のように考えられる。半導体基体1に
電子線を投射することによって生じた不安定な欠陥に基
づくシリコン原子の未結合手に、水素雰囲気中でのアニ
ーリングによって水素原子が結合し、欠陥を安定化させ
るためと考えられる。赤外分光分析を行った結果、水素
雰囲気中でアニーリングを施した半導体基体では、アニ
ーリング前の半導体基体と比べてシリコン原子と水素原
子の共有結合数が増加していることが確認された。ま
た、従来の窒素雰囲気のアニーリングを施して形成した
IGBTチップでは1000時間のBT試験を施すと、
しきい値(VTH)が平均して3.5%変動したが、本実
施例のIGBTチップのしきい値の変動は平均して1.
5%に抑制された。 (2) ウエハ1aをカバー17で真空パッキングした
状態で電子線照射を行うので、ウエハ1aの汚染を防止
することができる。 (3) ウエハ1aの電子線を照射する面に電極を形成
せずに半導体を酸化して成るシリコン酸化膜29を介し
て電子線照射するので、ウエハ1aに良好に且つ均一に
電子線を照射して欠陥を生成することができる。 (4) 予め半導体基体1の他方の主面12にシリコン
酸化膜29を形成し、電子線投射後のシリコン酸化膜2
9′をエッチング除去してから電極30を形成するの
で、電子線照射の際にカバー17が半導体基体1に密着
すること等で生じた半導体基体1の他方の主面12の汚
染がシリコン酸化膜29′と共に容易に除去でき、半導
体基体1と電極30との間に良好なオーミックコンタク
トが得られる。
【0016】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 電子線の代りにプロトンやヘリウム等のイオン
を投射する場合にも同様の効果が得られる。 (2) 電子線投射を不純物の少ないクリーンな環境下
で行う場合にはウエハ1aをカバー17で覆わないで電
子線を投射することができる。 (3) IGBT以外の半導体素子に対しても本発明を
適用することができる。 (4) ウエハ1aの一方の主面を上側にして収容体1
8に配置してもよい。
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 電子線の代りにプロトンやヘリウム等のイオン
を投射する場合にも同様の効果が得られる。 (2) 電子線投射を不純物の少ないクリーンな環境下
で行う場合にはウエハ1aをカバー17で覆わないで電
子線を投射することができる。 (3) IGBT以外の半導体素子に対しても本発明を
適用することができる。 (4) ウエハ1aの一方の主面を上側にして収容体1
8に配置してもよい。
【図1】本発明の実施例の電子線投射前のウエハを示す
断面図である。
断面図である。
【図2】ウエハ容器を示す平面図である。
【図3】ウエハ収容体を図2のA−A線に相当する部分
で示す断面図である。
で示す断面図である。
【図4】電子線投射装置を原理的に示す正面図である。
【図5】電子線投射後のウエハの断面図である。
【図6】完成したIGBTを示す断面図である。
1 半導体基体 1a ウエハ 13 容器 17 カバー 20 電子加速器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/322 H01L 21/336
Claims (1)
- 【請求項1】 半導体装置を形成するための半導体基体
の表面に半導体酸化膜を形成し、この半導体酸化膜を介
して半導体基体の表面に荷電粒子を投射して前記半導体
基体の少なくとも一部の領域のキャリアのライフタイム
を調整する工程と、 前記荷電粒子が投射された半導体基体を水素を含む雰囲
気中で熱処理する工程と、 前記半導体基体の表面に形成された半導体酸化膜を除去
する工程と、 前記半導体基体の前記半導体酸化膜を除去した部分に電
極を形成する工程とを備えていることを特徴とする半導
体装置の製造方法。
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JP31433097A JP3211874B2 (ja) | 1997-10-29 | 1997-10-29 | 半導体装置の製造方法 |
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