JP3210397B2 - 耐食性の優れたガラス補強用鋼線の製造法 - Google Patents

耐食性の優れたガラス補強用鋼線の製造法

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JP3210397B2
JP3210397B2 JP09067792A JP9067792A JP3210397B2 JP 3210397 B2 JP3210397 B2 JP 3210397B2 JP 09067792 A JP09067792 A JP 09067792A JP 9067792 A JP9067792 A JP 9067792A JP 3210397 B2 JP3210397 B2 JP 3210397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】建築ならびに自動車産業業界で使
用しているガラスは安全性を考慮しガラスの強化と破損
時の飛散防止のため、ガラスの中に鋼線を封入してい
る。本発明はこのガラス補強用鋼線の製造法に関するも
のであり、詳しくは耐食性の優れたガラス補強用鋼線を
提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス封入後に生じる鋼線界面近傍の気
泡や割れは商品価値を著しく低下させるため従来から多
くの検討がなされている。例えば、鋼線の表面疵が減少
して割れ起点を減少させる方法や特公昭42−169号
公報では鋼線表面のパーライト組織を球状化セメンタイ
ト化して気泡発生および割れを抑制する方法などがあ
る。また、特公昭47−1474号公報では水蒸気処理
と燐酸処理を組み合わせた方法が提案されている。ま
た、この方法は鋼線の成分によって効果が著しく変化す
ることが判明してきた。更に特開昭52−11117号
公報は気泡発生に関して基本的な検討を行なっているが
この方法では割れに関しては発生頻度がばらつくなどの
問題点が残されている。いずれにせよ、こうした従来技
術では割れの問題は完全に解消されているとは言えず最
終検査工程のチェックで降格となる不良が発生してい
る。この傾向は特に磨きガラス(透明ガラス)で生じて
いる。このように従来の技術はガラスの中に如何に鋼線
を整合させて封入し得るかと言う観点から発泡あるいは
割れ防止に関する技術が主体を占めていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、網入りガラスは
いろいろなサイズの窓枠にセットされる。この切断の際
に切削油や水分が端部の鋼線およびガラスの隙間から毛
細管減少により網入りガラスの内部に浸透することを防
止することは困難である。このため、内部に補足された
切削油および水分が鋼線と反応して水酸化鉄を生成す
る。この時、同時に膨張による力がガラスに作用して、
ガラスが割れるなどの問題があるため、耐食性の向上が
望まれている。本発明はこうした市場のニーズに応える
ガラス封入用鋼線を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、重
量%でC:0.020%以下、Mn:0.2〜0.4
%、Si:0.02%以下、S:0.005%以下、A
l:0.003%以下、N:Al/Nが1.3以下、C
u:0.05〜0.2%、Ni:Cu量の1/3添加、
残部は不可避的不純物からなる鋼成分の鋼片を線材圧延
したのち、この線材を用いて所定のサイズまで伸線加工
を施し、最終強度が45〜51kgf/mm2 になるように焼
鈍された鋼線に、厚さ2〜10μmの電気めっきを行な
うことを特徴とする耐食性の優れたガラス補強用鋼線の
製造法である。
【0005】
【作用】Cは鋼線の強度を支配する元素であるが、ガラ
ス補強用鋼線の場合、過剰の添加はガラス封入時に気泡
発生を誘発しやすくなるため、上限を0.020%に抑
える必要がある。また、これ以上の添加になると常温で
の強度が増し鋼線を編網する際、成形後のスプリングバ
ックが大きくなり金網のハンドリングが行ないにくくな
るためである。
【0006】Mnは脱酸元素であり、また熱間脆性を抑
制させる効果がある。上限を0.4%としたのはこれ以
上の添加は鋼線の常温強度を不必要に高め、編網工程の
作業性を損なうためである。下限を0.2%にした理由
は、これ以下では伸線工程で実施するバット溶接性が悪
くなるためである。なお、Siも脱酸元素であるが、上
限を0.02%としたのは、これを超える添加は鋼線の
強度を不必要に高めるおそれがあるからである。
【0007】Sは本発明法において有害な元素である。
このため、上限を0.005%とした。Sの添加量が増
加するとMnSの生成量が増え、鋼線の表面および内部
に分散して存在し、水分などの接触により電気化学的に
局部電池を形成して、腐食の起点となる。このため、S
の上限を0.005%以下とした。
【0008】Alは脱酸元素としてよく用いられるが同
時に窒化アルミニウムを形成するため、鋼線の再結晶挙
動に対して影響の大きい元素である。従って、本発明で
はきわめて重要な意味を持つ。Alが0.003%を超
えるとAlNが多く生成し、ガラス封入時点の再結晶粒
成長が不均一になり、粗大粒と微細粒の混粒組織となり
やすく一定張力制御がきわめて難しくなる。このため、
ガラスに封入する位置制御が不安定となり、冷却段階で
ガラスが割れるなどの問題を引き起こすため、上限を
0.003%とした。
【0009】NはAlと反応してAlNとなる元素であ
る。作用はAlの限定理由で述べたとおりである。Al
/Nを1.3以下に調整するのはこれ以上のNを含有す
ると再結晶の粒成長を阻害し、スムースな粒成長が期待
できなくなる。このため、Alの場合と同様に鋼線を一
定の張力で封入することが困難になるためである。
【0010】Cuは鋼に固溶して強度を高めるとともに
耐食性を向上させる元素である。本発明においてはCu
は耐食性を向上させるために用いる。ガラス補強線は封
入される前にめっきをすることにより鋼線の表面は優れ
た耐食性を有している。しかしながら、ガラスに封入さ
れた後、ガラスを定尺に裁断される場合に不可避的に切
断面が生じる。この切断された鋼線の断面の耐食性を向
上させることを目的に添加するものである。下限を0.
05%としたのはこれ以下では耐食性の向上が期待でき
ないためである。一方、耐食性を高めるにはCuの添加
量を増やすことが有効であるが極度の添加は常温におけ
る機械的性質の強度を不必要に上げるため、上限を0.
2%にした。
【0011】NiはCu含有鋼の場合、熱間で生じる鋼
片の表面割れを防止するために用いる。この効果を得る
ために添加量はCu量に対応させCu量の1/3を添加
する必要がある。
【0012】鋼線の強度の下限を45kgf/mm2 としたの
は、これ以下の場合、必要とする強度が得られない。ま
た、上限を51kgf/mm2 としたのは、鋼線を編網して金
網状で封入する場合強度が高くなりすぎると金網にテン
ションを作用させても平面を保たせることが難しくな
り、ガラスに封入する断面内位置の制御が困難となるた
めである。
【0013】次に電気めっきの厚みについて述べる。下
限を2μmとしたのは、これ以下の場合、極端に耐食性
が劣るためである。また、上限を10μmとしたのは製
造コストの観点から経済性を考慮するとともに効果が飽
和するためである。ここではめっきの内容については特
に規定はしないがめっきの作用について述べる。鋼線に
めっきを行なう狙いは以下の通りである。ガラスと鋼線
の界面の濡れ性の改善効果を期待する。あるいはガラス
と鋼線界面に作用する応力を緩和させるなどの効果を発
揮できるものであればよい。例えば前者の場合はCrめ
っきが挙げられる。また、後者の場合はすずめっきが適
当である。また、めっきの種類によってはガラス封入性
を阻害するものがあるので注意を要する。例えば、通
常、ガラスに封入時のガラス温度は1000〜1050
℃の範囲であるため、Znめっきの場合、ガラスに封入
直後にめっき部分が気化してしまいガラスが発泡するな
どの問題が生じるため、めっき種類の選定には濡れ性な
らびにめっき部の気化温度が1050℃以上のものが適
当である。
【0014】
【実施例】表1に示す鋼はすべて250ton の転炉で溶
製した鋼を示す。No.1〜6が本発明法の鋼である。N
o.7〜9は比較法の鋼を示す。本発明法による鋼の特
徴はCu,Niを含有させ、Sを0.005%以下に抑
制していることである。また、従来材はNo.10〜12
に示す。表2に前述した成分の線材(5.5mm)の機械
的性質および線材圧延時の割れならびに鋼線(0.57
mm)の機械的性質とガラスに封入後の発泡および割れ発
生の観察結果を示す。
【0015】No.7はNiの添加が少ない。このため、
線材圧延時に割れが生じている。No.8はCu,Niの
添加量が少ないため、錆発生による割れを防止できな
い。No.9はCu量が不必要に多く、このため、鋼線の
強度の増加が大きい。従来法のNo.10〜12はいずれ
もAl/N比が本発明法の範囲を満足していないことに
加え、電気めっきを実施していないため、ガラス封入後
の外観で割れが観察される。
【0016】一方、本発明法No.1〜6の水準には発泡
および割れが全く認められないことが判る。さらに網入
りガラスの端部を水槽に浸した状態で2ケ月間経過した
場合の端部腐食結果をみても割れの発生が認められなか
った。これらの結果から本発明法の耐食性が比較法およ
び従来法よりも優れていることが判る。このような優位
性はCu,Niの添加による鋼自体の耐食性の向上に加
え、Sを意識的に抑制し、腐食の起点の低減を実現した
本発明法によってのみ、達成可能なものである。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明は網入りガラスに使用される鋼線
に耐食性を付与した材料を提供するものである。これに
より網入りガラスの品位が長く保たれることや割れによ
る強度低下を防止できるなど、工業的な意義も大きい。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 8/00 - 8/10 C22C 38/00 - 38/60 C25D 7/06 C21D 9/52 103

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C :0.020%以下、 Mn:0.2〜0.4%、Si:0.02%以下、 S :0.005%以下、 Al:0.003%以下、 N :Al/Nが1.3以下、 Cu:0.05〜0.2%、 Ni:Cu量の1/3添加、 残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼成分の鋼片を
    線材圧延したのち、この線材を用いて所定のサイズまで
    伸線加工を施し、最終強度が45〜51kgf/mm2 になる
    ように焼鈍された鋼線に、厚さ2〜10μmの電気めっ
    きを行なうことを特徴とする耐食性の優れたガラス補強
    用鋼線の製造法。
JP09067792A 1992-04-10 1992-04-10 耐食性の優れたガラス補強用鋼線の製造法 Expired - Lifetime JP3210397B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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