JP3210328U - 花瓶とその装飾物 - Google Patents

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栄昭 何合
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【課題】花瓶の外形意匠を損なうことなく、花瓶の外観意匠を種々に変更できる花瓶とその装飾物を提供する。【解決手段】花瓶1は、透明な素材の容器体2と装飾物(装飾シート3、その他)とからなり、装飾物を容器体2の内面に沿わせ、かつ、交換可能に配置してある。【選択図】図1

Description

本考案は、花瓶とその装飾物に関する。
花瓶は素材に種々なものがあるが、一般に形態、模様、色などが固定されており、定位置におかれ続けることも手伝って時間の経過とともに見慣れてしまい、目立たなくなったり、インテリアとしての装飾性が減退したりする。
ガラスやアクリルなどで作られた透明性のある花瓶も同じである。
透明性のある花瓶では、内部に照明を装てんしたり、外部からの投光による反射でイメージを変化させたり、貯水に色を付けたりして装飾態様を変えることができる。しかし、内部に照明を装てんしたり、外部に投光装置が必要になったりで面倒である。
特許文献1の花瓶はその意匠の多様化を課題としたもので、花瓶の周りに意匠化した平面の覆いを巻き付けることで課題を解決している。
巻き付けることを基本とした解決手段であるため、花瓶が透明でなくても例えば錆び止めを施した鉄製などでも対応が可能である。
特開2009−297472号公報
前記の従来技術は基本的に花瓶の外部を覆う、いわゆるラッピングの技術に似たものであって、花瓶の形態や材質、あるいは凹凸にかかわらず花瓶の外観意匠を変化させることにより多様化を実現できるものであるが、外部に巻きつけられた覆いのために花瓶そのものの外形意匠も隠され、花瓶そのものが持つ意匠性を活かすことが出来ない。
この考案は、花瓶の外形意匠を損なうことなく、花瓶の外観意匠を種々に変更できる花瓶とその装飾物の提供を課題とする。
透明な素材の容器体と装飾物とからなり、装飾物を容器体の内面に沿わせ、かつ、交換可能に配置して花瓶とすることを基本構造とする。
前記の装飾物はシートであって、巻き込んで容器体の内部へ装てんし、容器体の内面に沿って交換可能に配置することがある。シートの素材は紙、樹脂などであり、巻き込んだり、折り曲げたりできるものであって、巻いた状態あるいは折り曲げた状態で自立できる素材とする。
このようなシートは例えば両面プリントなどにより両面に装飾性を持たせる。両面の装飾を異なるデザインとすれば、一枚のシートを巻き返したり、折り返したりして使用することで花瓶の外観意匠を2通りに変化させることができる。
シートの装飾態様としては、プリントの他に凹凸を付けたりする種々のものを提案できる。また、切り抜きや切り起こしによってシート自体を変形させた立体的な構造も採用することができる。
装飾シートは、生花を活け込む花瓶では耐水性の必要がある。その場合に、シート表面にいわゆる光触媒コーティング剤(酸化チタンTiO)のコート膜のような抗菌性のある皮膜が形成されていると、貯水の殺菌と浄化作用が発揮されて生花を長持ちさせることができる。
しかし、造花を利用する場合には格別必要なことではない。
なお、装飾シートは、巻き付ける際の左右の一方の縁に他の縁との接続手段(例えば耐水性の接着領域や両側の縁を挟みこめるピンチ等)があらかじめ設けられていると、巻き込んで花瓶に嵌め込んだ装飾シートの姿勢を維持し易い。
装飾物として、比重を調整した透明液体に装飾用小体を浮遊させたものとすることが出来る。この場合装飾用小体は容器体の奥にあっては目立たないので、容器体の内面に沿わせる。装飾用小体だけを交換したり、全体を交換可能に配置したりすることもできる。
また、装飾用小体としてはシート状の切片や曲面からなる立体(球、任意な球面で囲まれた立体など)、平面からなる立体(サイコロ、角柱、三角錘など)または曲面を有する立体(半割り球体のようなもの)などを挙げられる。これらは一種が採用されることもあれば、複数種が混在したり、前記の切片など他の種のものと組み合わされて使用されたりすることがある。
この考案による花瓶は、外観意匠が花瓶本来の意匠に加えて、透明な花瓶の内部に納めた装飾物による装飾効果が加わって興趣の高いものとなる。また、装飾物を交換するなどして花瓶全体の外観意匠を種々に変更できる。
使用状態で示した全体図(実施例1)。 組み立ての状態を示す斜視図。 (イ)は装飾シートの他の例を示した斜視図(実施例2)、(ロ)は留め具の斜視図。 他の装飾物を使用した花瓶(実施例3)の斜視図。 角形の花瓶で示す実施例4の組み立て状態を示す斜視図。 角形の花瓶で示す実施例5の組み立て状態を示す斜視図。
〔実施例1〕
図1において、花瓶1は容器体2と装飾シート3(装飾物)とからなる。装飾シート3は左右両側を近づけるように巻き込んで容器体2の内部に納められている。容器体2と装飾シート3とが分離した状態のものを図2に示している。
容器体2は、この実施例において透明なガラス製で有底の筒状であり、高さ250mm、直径80mm、肉厚6mmである。容器体2の素材としては、他に透明な樹脂(アクリル樹脂等)を用いることができる。透明とは彩色の場合もあれば薄い乳白色を呈している場合など、容器体2の内面に沿って配置されたものを見透すことが出来る場合を含む。
装飾シート3は、この実施例において両面に異なる装飾プリント4が施された長方形の比較的厚い紙(200g/m)で構成されており、縦(高さ)230mm、横(左右)225mmのやや縦長である。素材として紙の他に透明、不透明な樹脂シート(ポリプロピレンシートなど)を用いることができる。装飾シート表面への装飾プリント4は、種々の模様や絵あるいは色彩であって、多種のものが準備される。
装飾シート3は、貯水する生花用の容器体2に使用するものでは耐水処理をしたり、耐水性の素材からなるシートを利用したりする。そして、その表面に光触媒効果コーティング剤(主剤:酸化チタンTiO)を塗布してコート膜を形成すると、酸化チタンによる貯水の殺菌と浄化作用があり、生花を長持ちさせることができる。なお、光触媒効果コーティング剤は一例であって、抗菌性の皮膜が形成されるコーティング剤であればよい。
装飾シート3は、左右の端縁を相互に近づけて巻き込み、巻き込んだ装飾シート3を容器体2の内部に配置する(図2)。装飾シート3は容器体2の内部でシート自体の弾力で直径を大きくするように広がり、装飾面が容器体2の内面に沿って配置される。このため、装飾シート3の装飾面は容器体2の外部から明確に目視することができ、花瓶1の外観意匠が強化される。
装飾シート3の一面側の装飾面に飽きてしまった場合、装飾シート3を容器体2から抜き取り、反対側へ巻き変えて他の面を表にし、再び容器体2へ挿し込めば、新しい装飾面が容器体2の内面に沿って配置される。
図1において、符号5は敷きシートであり、この上に花瓶1を載せている。敷きシート5は、この実施例において、前記の装飾シート3と実質的に同じものであり、用途を敷きシートとしているだけのものである。もちろん、その装飾面(上面)は装飾シート3と相性の良いものを選択すべきであるが、同じにする必要はない。
なお、敷きシート5の大きさは角形、丸形、その他の形状にかかわらず、概ね、花瓶1に挿し込む花(生花、造花)の広がりの1/3程度の広がりとすることが装飾上でバランスが良いとされている。
図3(イ)は、実施例2の装飾シート3を示し、巻き込んだ装飾シート3の左右の端縁を留め具6〈図3(ロ)〉で接続してある。留め具6は両側に挟み部7a,7bを備えた樹脂部材である。実施例では、装飾シート3の一方の端縁(左端)に3個の留め具6を配置し、それぞれ一方の挟み部7aで一方の端縁にあらかじめ固定してある。他方の端縁は、シートを巻き込んで一方の端縁へ突き合わせる格好とし、留め具6の他方の挟み部7bに挿し込んで留め付ける。挟み部7bと差し込まれたシートの端縁とは接着剤などで固定してもよいが、装飾シート3の表裏を使用するときは巻き返しのために留め具6による挟み付け力(弾力)だけで取り付けておき、着脱が容易なようにする。
留め具6による固定の状態は挟み部7a,7bともに挟み付けによるだけでもよい。
実施例2の他の構成は実施例1の場合と同じである。
なお、接続手段としては前記の留め具6を装飾シート3の端縁の全長に渡るものであってもよいし、他に洗濯挟みのようなピンチ型でもよい。あるいは、装飾シート3の一方の端縁に沿って5mm程度の幅で耐水性接着剤をあらかじめ塗布しその箇所をセパレート紙で覆うという手段の場合もある。
このような接続手段を用いると、巻き込んだ装飾シート3を容器体2へ挿し込むとき、シートの弾力で巻き込みがバラけてしまうことが無く、容器体2へ装飾シート3を装てんし易い。また、容器体2の内部で装飾シート3の姿勢を維持し易い。
図4は、実施例3の装飾物を示し、グリセリンを混入するなどして比重を調整した透明液体(どろりとした状態の場合もある)に装飾用小体8(8a〜8d)を浮遊させたものである。この場合装飾用小体8は容器体2の奥にあっては目立たないので、図4に示すように、容器体2の内面に沿わせて配置する。装飾用小体8だけを交換したり、透明液体を含めた全体を交換したりする。
また、装飾用小体8としては金属蒸着フィルムやカラー樹脂フィルムを細かく切断したシート状の切片8a(図4)や樹脂や木、あるいは多気泡を有するセラミック材を素材とした曲面からなる立体8b(球、任意な球面で囲まれた立体など)、同様な素材の平面からなる立体8c(サイコロ、角柱、三角錘など)または曲面を有する立体8d(半割り球体のようなもの)などを挙げられる。これらは一種が採用されることもあれば、複数種が混在したり、前記の切片8aなど他の種のものと組み合わされて使用されたりすることがある。図4では図表示の都合上、多種のものを混在させてある。透明液体の比重は装飾用小体8の素材や構造に応じて調整する必要がある。
装飾小体8の種類を変えたり、量を変えたりすることで花瓶1の外観意匠を変更することができる。
容器体2や敷きシート5などの構成は実施例1の場合と同じである。
図5は実施例4であり、花瓶1の容器体2が有底の四角柱となっている。内部に装てんする装飾シート3は、4つの面片9(9a〜9d)が折り線10でつながった折り曲げ状態のものであり、左右の面片(9a,9d)の端縁同士を接続する。この実施例では装飾シート3の4つの面それぞれに異なるイメージの図柄などを配置しておき、面の向きを変えることで花瓶の外観意匠を変更することができる。また、この装飾シート3が両面を装飾面としている場合は、折り線10に沿って各面片9を反対側へ折り曲げることでも花瓶1の外観意匠を変更することができる。
この実施例においても、装飾シート3の端縁同士を留め具6等の接続手段を用いて接続しておくこともできる。
なお、4つの面片9(9a〜9d)が折り線10でつながった折り曲げ状態の装飾シート3は、図6のように、4片の短冊に切り分けたものとしてもよい(実施例5)。それぞれが自立するように、少し厚めにするか下端部をわずかに折り曲げたり、あるいは接続手段を利用したりするなどの工夫をする。
実施例5の短冊型では、短冊の表裏を変えて外観意匠を変更することが出来る上、配置の順番を変えたり、表裏の組み合わせを変えたり、あるいは短冊間に間隔を置くなどして花瓶の外観意匠を多種に変更することができる。
他の構成は実施例1の場合とおなじである。
以上において、装飾シートや比重を調整した透明液体に装飾用小体を浮遊させたものは花瓶のための装飾物であり、透明な容器体の内面に沿わせ且つ交換可能に配置できるようにすることで花瓶の装飾物へと特化させたものである。
以上、実施例について説明した。
容器体2の形態は筒状のものに限定されない。また、装飾シート3の形態や厚さも限定されない。
敷きシート5は任意に使用するものである。
1 花瓶
2 容器体
3 装飾シート
4 装飾プリント
5 敷きシート
6 留め具
7 透明液体
8 装飾用小体
8a 切片
8b 曲面からなる立体
8c 平面からなる立体
8d 曲面を有する立体
9 (9a〜9b)面片
10 折り線

Claims (11)

  1. 透明な素材の容器体と装飾物とからなり、装飾物を容器体の内面に沿わせ、かつ、交換可能に配置してあることを特徴とした花瓶。
  2. 透明な素材の容器体と装飾シートとからなり、巻き込んだ装飾シートを容器体の内面に沿って交換可能に配置してあることを特徴とした花瓶。
  3. 透明な素材の容器体と装飾シートとからなり、巻き込んだ装飾シートを容器体の内面に沿って交換可能に配置してあり、装飾シートは両面が装飾面であることを特徴とした花瓶。
  4. 透明な素材の容器体と装飾シートとからなり、巻き込んだ装飾シートを容器体の内面に沿って交換可能に配置してあり、装飾シートはシート自体を変形させた構造により装飾性が付与されていることを特徴とした花瓶。
  5. 装飾シートは、巻き付ける際の左右の一方の縁に他の縁との接続手段が設けられていることを特徴とした請求項2に記載の花瓶。
  6. 装飾物は、短冊型の装飾シートであることを特徴とした請求項1に記載の花瓶。
  7. 装飾シートは耐水性シートであるとともに、表面に抗菌性の皮膜が形成されるコーティング剤によるコート膜が形成されていることを特徴とした請求項2〜6のいずれか一つに記載の花瓶。
  8. 透明な素材の容器体と装飾物とからなり、装飾物は比重を調整した透明液体に装飾用小体を浮遊させたものであって容器体の内面に沿わせ、かつ、交換可能に配置してあることを特徴とした花瓶。
  9. 装飾用小体はシート状の切片であることあるいはこれを含むことを特徴とした請求項8に記載の花瓶。
  10. 装飾用小体は曲面からなる立体、平面からなる立体または曲面を有する立体のいずれかあるいはこれらのいずれか又は全部を含むことを特徴とした請求項8に記載の花瓶。
  11. 透明な素材の容器体と組み合わせて花瓶を構成する装飾物であって、前記容器体の内面に沿わせ、かつ、交換可能に配置されることを特徴とした装飾シート。
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