JP3210124B2 - 自動車用前方警戒レーダ装置 - Google Patents
自動車用前方警戒レーダ装置Info
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- JP3210124B2 JP3210124B2 JP04707993A JP4707993A JP3210124B2 JP 3210124 B2 JP3210124 B2 JP 3210124B2 JP 04707993 A JP04707993 A JP 04707993A JP 4707993 A JP4707993 A JP 4707993A JP 3210124 B2 JP3210124 B2 JP 3210124B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の前方に存在す
る障害物を検出する自動車用前方警戒レーダ装置、特に
擬似雑音(Pseudo Noise;PN)符号変調方式レーダ装
置に関する。
る障害物を検出する自動車用前方警戒レーダ装置、特に
擬似雑音(Pseudo Noise;PN)符号変調方式レーダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用前方警戒レーダ装置としては、
FM−CWレーダ装置の他、PN符号変調方式レーダ装
置が開発されている。PN符号変調方式レーダ装置にお
いては所定長の符号列であるPN符号が生成され、生成
されたPN符号により搬送波に位相変調が施される。得
られた位相変調波は、例えば車両前部に設けられた送信
用空中線から車両前方に送信される。車両前方に他車等
の障害物が存在している場合、送信された位相変調波は
この障害物により反射される。反射された位相変調波
は、送信用空中線と併設され又は送信用空中線と共用さ
れる受信用空中線により受信される。
FM−CWレーダ装置の他、PN符号変調方式レーダ装
置が開発されている。PN符号変調方式レーダ装置にお
いては所定長の符号列であるPN符号が生成され、生成
されたPN符号により搬送波に位相変調が施される。得
られた位相変調波は、例えば車両前部に設けられた送信
用空中線から車両前方に送信される。車両前方に他車等
の障害物が存在している場合、送信された位相変調波は
この障害物により反射される。反射された位相変調波
は、送信用空中線と併設され又は送信用空中線と共用さ
れる受信用空中線により受信される。
【0003】反射波が受信されると、反射波と受信用P
N符号の相関が演算される。ここに、反射波は、送信波
に対し、車両と障害物の往復距離に対応する時間だけ遅
延している。従って、送信時に用いたPN符号(送信用
PN符号)と同一の符号列である受信用PN符号の位相
を制御することにより、障害物の存在及びその距離を検
出できる。すなわち、反射波と受信用PN符号の相関が
最大となった場合、そのときの送信用PN符号と受信用
PN符号の位相差に対応する距離(位相差にc/2を乗
じた距離:cは光速)に、障害物が存在していると見な
すことができる。一旦障害物の存在が検出されると、通
常、この障害物が追尾される。
N符号の相関が演算される。ここに、反射波は、送信波
に対し、車両と障害物の往復距離に対応する時間だけ遅
延している。従って、送信時に用いたPN符号(送信用
PN符号)と同一の符号列である受信用PN符号の位相
を制御することにより、障害物の存在及びその距離を検
出できる。すなわち、反射波と受信用PN符号の相関が
最大となった場合、そのときの送信用PN符号と受信用
PN符号の位相差に対応する距離(位相差にc/2を乗
じた距離:cは光速)に、障害物が存在していると見な
すことができる。一旦障害物の存在が検出されると、通
常、この障害物が追尾される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ある距
離に障害物が現れた後、当該障害物より近い距離に他の
障害物(例えば割込車)が現れることがある。このよう
な障害物の出現を警戒する場合、現在実行している障害
物の追尾動作を中断した上で、障害物の検出動作を再度
実行する必要がある。しかし、このような追尾中断は、
障害物に関する計測データの中断を伴うため、衝突等の
危険の有無を判定するための演算等に不都合である。ま
た、割込車等の発生を迅速に検出することは難しかっ
た。
離に障害物が現れた後、当該障害物より近い距離に他の
障害物(例えば割込車)が現れることがある。このよう
な障害物の出現を警戒する場合、現在実行している障害
物の追尾動作を中断した上で、障害物の検出動作を再度
実行する必要がある。しかし、このような追尾中断は、
障害物に関する計測データの中断を伴うため、衝突等の
危険の有無を判定するための演算等に不都合である。ま
た、割込車等の発生を迅速に検出することは難しかっ
た。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、障害物の追尾動作
を中断することなく割込車等を迅速に検出可能にするこ
とを目的とする。
とを課題としてなされたものであり、障害物の追尾動作
を中断することなく割込車等を迅速に検出可能にするこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の自動車用前方警戒レーダ装置は、所
定長さを有する符号列である送信用PN符号を発生さ
せ、この送信用PN符号により搬送波を変調し位相変調
波を搭載に係る車両の前方に送信する送信系統と、上記
位相変調波の障害物からの反射波を受信する受信手段
と、送信用PN符号との位相差が所定範囲内となるよう
その位相を漸増又は漸減制御しつつ、送信用PN符号と
同一符号列である受信用PN符号を発生させ、受信され
た反射波と受信用PN符号との相関を演算し、相関の累
算値が所定値を越える場合には、送信用PN符号と受信
用PN符号の位相差に対応する距離に障害物が存在する
と判定することにより、前方車両等の障害物を検出する
複数の障害物検出系統と、上記複数の障害物検出系統の
うちいずれかにより障害物の検出動作が実行され、この
動作により障害物が検出された場合にはより近い距離に
存する他の障害物の検出動作が他の障害物検出系統によ
り実行されるよう、受信用PN符号の制御範囲を各障害
物検出系統毎に制御する制御手段と、を備えることを特
徴とする。
るために、本発明の自動車用前方警戒レーダ装置は、所
定長さを有する符号列である送信用PN符号を発生さ
せ、この送信用PN符号により搬送波を変調し位相変調
波を搭載に係る車両の前方に送信する送信系統と、上記
位相変調波の障害物からの反射波を受信する受信手段
と、送信用PN符号との位相差が所定範囲内となるよう
その位相を漸増又は漸減制御しつつ、送信用PN符号と
同一符号列である受信用PN符号を発生させ、受信され
た反射波と受信用PN符号との相関を演算し、相関の累
算値が所定値を越える場合には、送信用PN符号と受信
用PN符号の位相差に対応する距離に障害物が存在する
と判定することにより、前方車両等の障害物を検出する
複数の障害物検出系統と、上記複数の障害物検出系統の
うちいずれかにより障害物の検出動作が実行され、この
動作により障害物が検出された場合にはより近い距離に
存する他の障害物の検出動作が他の障害物検出系統によ
り実行されるよう、受信用PN符号の制御範囲を各障害
物検出系統毎に制御する制御手段と、を備えることを特
徴とする。
【0007】
【作用】本発明の自動車用前方警戒レーダ装置において
は、まず、所定長さを有する符号列である送信用PN符
号が生成され、この送信用PN符号により搬送波が変調
される。得られた位相変調波は、搭載に係る車両の前方
に送信される。
は、まず、所定長さを有する符号列である送信用PN符
号が生成され、この送信用PN符号により搬送波が変調
される。得られた位相変調波は、搭載に係る車両の前方
に送信される。
【0008】前方に障害物が存在している場合、送信さ
れた位相変調波が障害物により反射される。受信手段は
反射波を受信する。各障害物検出系統においては、受信
された反射波と受信用PN符号との相関が演算される。
送信用PN符号と同一符号列である受信用PN符号の位
相は、送信用PN符号との位相差が所定範囲内となるよ
う、漸増又は漸減制御される。相関の累算値が所定値を
越える場合には、送信用PN符号と受信用PN符号の位
相差に対応する距離に障害物が存在すると判定する。こ
れにより、前方車両等の障害物が検出される。
れた位相変調波が障害物により反射される。受信手段は
反射波を受信する。各障害物検出系統においては、受信
された反射波と受信用PN符号との相関が演算される。
送信用PN符号と同一符号列である受信用PN符号の位
相は、送信用PN符号との位相差が所定範囲内となるよ
う、漸増又は漸減制御される。相関の累算値が所定値を
越える場合には、送信用PN符号と受信用PN符号の位
相差に対応する距離に障害物が存在すると判定する。こ
れにより、前方車両等の障害物が検出される。
【0009】本発明においては、このような障害物検出
動作が、複数の障害物検出系統によりリレー的に実行さ
れる。例えば障害物検出系統が第1及び第2の2系統存
在している場合、制御手段は、まず、第1の系統におけ
る受信用PN符号の位相制御範囲を例えば送信用PN符
号の符号長に応じて設定し、障害物の検出動作を実行さ
せる。第1の系統により障害物が検出された場合には、
制御手段は、第2の系統による障害物検出動作を開始さ
せる。その際の第2の系統における受信用PN符号の位
相制御範囲は、第1の系統により検出された障害物より
近い距離に存する他の障害物のみが検出対象となるよ
う、制御手段により設定される。
動作が、複数の障害物検出系統によりリレー的に実行さ
れる。例えば障害物検出系統が第1及び第2の2系統存
在している場合、制御手段は、まず、第1の系統におけ
る受信用PN符号の位相制御範囲を例えば送信用PN符
号の符号長に応じて設定し、障害物の検出動作を実行さ
せる。第1の系統により障害物が検出された場合には、
制御手段は、第2の系統による障害物検出動作を開始さ
せる。その際の第2の系統における受信用PN符号の位
相制御範囲は、第1の系統により検出された障害物より
近い距離に存する他の障害物のみが検出対象となるよ
う、制御手段により設定される。
【0010】このような障害物検出系統の制御により、
割込車等の障害物が発生した場合にこれを迅速に検出可
能になる。その際、すでに障害物を検出している系統の
動作を中断する必要も生じない。
割込車等の障害物が発生した場合にこれを迅速に検出可
能になる。その際、すでに障害物を検出している系統の
動作を中断する必要も生じない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
基づき説明する。
【0012】図1には、本発明の一実施例に係る自動車
用前方警戒レーダ装置の構成が示されている。この図に
示されるレーダ装置は、まず、送信系統としてPN発生
器11、送信機12及び送信用空中線13を備えてい
る。PN発生器11は、所定長の符号列であるPN符号
を発生させ、これを送信機12に供給する。送信機12
は、PN発生器11から供給される送信用PN符号によ
り搬送波を位相変調し、送信用空中線13を介して車両
の前方に送信する。
用前方警戒レーダ装置の構成が示されている。この図に
示されるレーダ装置は、まず、送信系統としてPN発生
器11、送信機12及び送信用空中線13を備えてい
る。PN発生器11は、所定長の符号列であるPN符号
を発生させ、これを送信機12に供給する。送信機12
は、PN発生器11から供給される送信用PN符号によ
り搬送波を位相変調し、送信用空中線13を介して車両
の前方に送信する。
【0013】この図に示されるレーダ装置は、受信系統
として、受信用空中線21及び受信機22を備えてい
る。受信用空中線21は、車両前方から到来する反射波
を受信し、受信機22はこれに増幅等の処理を施す。受
信機22の出力は、積演算器31及び41に供給され
る。
として、受信用空中線21及び受信機22を備えてい
る。受信用空中線21は、車両前方から到来する反射波
を受信し、受信機22はこれに増幅等の処理を施す。受
信機22の出力は、積演算器31及び41に供給され
る。
【0014】この図に示される装置は、障害物検出系統
を2系統備えている。第1の系統は、積演算器31、復
調器32、PN発生器33及び位相制御器34から構成
されている。第2の系統は、積演算器41、復調器4
2、PN発生器43及び位相制御器44から構成されて
いる。
を2系統備えている。第1の系統は、積演算器31、復
調器32、PN発生器33及び位相制御器34から構成
されている。第2の系統は、積演算器41、復調器4
2、PN発生器43及び位相制御器44から構成されて
いる。
【0015】PN発生器33及び43は、それぞれ、位
相制御器34又は44の制御の下に、受信用PN符号を
発生させる。受信用PN符号は、PN発生器11によっ
て生成される送信用PN符号と同一の符号列であり、そ
の位相、すなわちPN発生器33及び43の出力位相
は、送信用PN符号の位相を基準として、位相制御器3
4又は44により制御される。位相制御器34及び44
は、制御演算器51から供給される位相情報に応じ、P
N発生器33及び43の出力位相を制御する。従って、
制御演算器51の下、位相制御器34及び44により、
受信用PN符号の位相が制御されることとなる。
相制御器34又は44の制御の下に、受信用PN符号を
発生させる。受信用PN符号は、PN発生器11によっ
て生成される送信用PN符号と同一の符号列であり、そ
の位相、すなわちPN発生器33及び43の出力位相
は、送信用PN符号の位相を基準として、位相制御器3
4又は44により制御される。位相制御器34及び44
は、制御演算器51から供給される位相情報に応じ、P
N発生器33及び43の出力位相を制御する。従って、
制御演算器51の下、位相制御器34及び44により、
受信用PN符号の位相が制御されることとなる。
【0016】積演算器31及び41は、共に受信機22
から反射波に係る信号を入力し、対応するPN発生器3
3又は43から供給される受信用PN符号との積を演算
する。復調器32及び42は、それぞれ、対応する積演
算器31又は41の出力を復調し、その結果を制御演算
器51に供給する。制御演算器51は、位相制御器34
及び44を介して受信用PN符号の位相を制御する一方
で、復調器32及び42の出力を入力し、これらに基づ
き前方における障害物の存在及びその距離を検出する。
制御演算器51は、障害物の存否を障害物検出出力とし
て、距離を距離出力として、例えば表示器等に供給す
る。
から反射波に係る信号を入力し、対応するPN発生器3
3又は43から供給される受信用PN符号との積を演算
する。復調器32及び42は、それぞれ、対応する積演
算器31又は41の出力を復調し、その結果を制御演算
器51に供給する。制御演算器51は、位相制御器34
及び44を介して受信用PN符号の位相を制御する一方
で、復調器32及び42の出力を入力し、これらに基づ
き前方における障害物の存在及びその距離を検出する。
制御演算器51は、障害物の存否を障害物検出出力とし
て、距離を距離出力として、例えば表示器等に供給す
る。
【0017】図2には、この実施例における障害物まで
の距離の検出動作の内容が示されている。
の距離の検出動作の内容が示されている。
【0018】まず、図2(a)に示されるように、PN
発生器11によって生成される送信用PN符号は、ある
時間teをエポックとして繰り返す符号列である。PN
発生器11は、このようなエポックteで送信用PN符
号を連続的に発生させる。送信機12から送信用空中線
13を介して送信される送信信号は、従って、エポック
teで位相変調された信号となる。
発生器11によって生成される送信用PN符号は、ある
時間teをエポックとして繰り返す符号列である。PN
発生器11は、このようなエポックteで送信用PN符
号を連続的に発生させる。送信機12から送信用空中線
13を介して送信される送信信号は、従って、エポック
teで位相変調された信号となる。
【0019】このような送信信号が車両前方に送信され
障害物により反射されると、受信用空中線21によって
受信され受信機22により増幅される受信信号は、例え
ば図2(b)に示されるような信号となる。この図に示
されるように、受信信号は、車両と障害物の間を電波が
往復するのに要する時間(電波伝搬時間)tdだけ、送
信信号に対して遅延した信号となる。
障害物により反射されると、受信用空中線21によって
受信され受信機22により増幅される受信信号は、例え
ば図2(b)に示されるような信号となる。この図に示
されるように、受信信号は、車両と障害物の間を電波が
往復するのに要する時間(電波伝搬時間)tdだけ、送
信信号に対して遅延した信号となる。
【0020】PN発生器33又は43により生成される
受信用PN符号の位相は、前述したように、PN発生器
11によって生成される送信用PN符号の位相を基準と
して、位相制御器34又は44を介し制御演算器51に
より制御されている。例えば、送信用PN符号との位相
差が0から漸増しエポックteに至るよう、PN発生器
33又は43の出力位相が制御される。この制御の結
果、PN発生器33又は43から出力される受信用PN
符号の位相が、図2(c)に示されるように電波伝搬時
間tdに一致すると、制御演算器51によって求められ
る累算値が増大する。
受信用PN符号の位相は、前述したように、PN発生器
11によって生成される送信用PN符号の位相を基準と
して、位相制御器34又は44を介し制御演算器51に
より制御されている。例えば、送信用PN符号との位相
差が0から漸増しエポックteに至るよう、PN発生器
33又は43の出力位相が制御される。この制御の結
果、PN発生器33又は43から出力される受信用PN
符号の位相が、図2(c)に示されるように電波伝搬時
間tdに一致すると、制御演算器51によって求められ
る累算値が増大する。
【0021】すなわち、積演算器31又は41において
は、図2(b)に示される受信信号と、PN発生器33
又は43から供給される受信用PN符号の積が求めら
れ、復調器32又は42はこれを復調する。制御演算器
51は、復調器32又は42の出力を、所定時間、例え
ばエポックの整数倍に亘って累算することにより、受信
信号と受信用PN符号の相関値を累算する。図2(c)
に示されるように、受信用PN符号の位相が受信信号の
位相と一致している場合、制御演算器51によって求め
られる累算値は増大し、ある時点でしきい値を越える。
言い換えれば、図2(e)に示されるように、受信用P
N符号の位相が電波伝搬時間tdに一致している場合
に、相関値がピークとなるため累積値が著しく増大す
る。制御演算器51は、この相関値をしきい値判定する
ことにより、障害物の存在を検出すると共に、累算値が
しきい値を越えた時点における受信用PN符号の位相、
すなわち電波伝搬時間tdにc/2を乗じ、障害物まで
の距離を検出する。
は、図2(b)に示される受信信号と、PN発生器33
又は43から供給される受信用PN符号の積が求めら
れ、復調器32又は42はこれを復調する。制御演算器
51は、復調器32又は42の出力を、所定時間、例え
ばエポックの整数倍に亘って累算することにより、受信
信号と受信用PN符号の相関値を累算する。図2(c)
に示されるように、受信用PN符号の位相が受信信号の
位相と一致している場合、制御演算器51によって求め
られる累算値は増大し、ある時点でしきい値を越える。
言い換えれば、図2(e)に示されるように、受信用P
N符号の位相が電波伝搬時間tdに一致している場合
に、相関値がピークとなるため累積値が著しく増大す
る。制御演算器51は、この相関値をしきい値判定する
ことにより、障害物の存在を検出すると共に、累算値が
しきい値を越えた時点における受信用PN符号の位相、
すなわち電波伝搬時間tdにc/2を乗じ、障害物まで
の距離を検出する。
【0022】本実施例の第1の特徴は、このような動作
を実行する障害物検出系統が、図1に示されるように2
系統設けられる点にある。本実施例の第2の特徴は、各
系統の動作が、割込車を迅速に検出できるよう、制御さ
れる点にある。図3には、この制御の内容、すなわち制
御演算器51の動作の流れが示されている。
を実行する障害物検出系統が、図1に示されるように2
系統設けられる点にある。本実施例の第2の特徴は、各
系統の動作が、割込車を迅速に検出できるよう、制御さ
れる点にある。図3には、この制御の内容、すなわち制
御演算器51の動作の流れが示されている。
【0023】この図に示されるように、制御演算器51
は、まず、PN発生器43の出力位相td2をエポックt
eと同じ値に設定する(100)。すなわち、位相制御
器44に指令を与えることにより、PN発生器43の出
力位相をteに制御する。
は、まず、PN発生器43の出力位相td2をエポックt
eと同じ値に設定する(100)。すなわち、位相制御
器44に指令を与えることにより、PN発生器43の出
力位相をteに制御する。
【0024】制御演算器51は、このようなステップ1
00を実行した上で、PN発生器33の出力位相33の
出力位相td1の漸増制御に移行する。すなわち、位相制
御器34に指令を与えることによりPN発生器33の出
力位相td1を0に制御し(102)、その上でPN発生
器33の出力位相td1をΔずつ漸増させる(104)。
ステップ104が繰り返し実行されると、PN発生器3
3の出力位相td1は、td1=0(すなわち送信用PN符
号との位相差が0)の状態から順次Δずつ漸増し、ある
時点でPN発生器43の出力位相td2に至る(10
6)。ステップ106の条件が満たされた場合、制御演
算器51は、ステップ102に戻りPN発生器33の出
力位相td1を初期値に戻す。
00を実行した上で、PN発生器33の出力位相33の
出力位相td1の漸増制御に移行する。すなわち、位相制
御器34に指令を与えることによりPN発生器33の出
力位相td1を0に制御し(102)、その上でPN発生
器33の出力位相td1をΔずつ漸増させる(104)。
ステップ104が繰り返し実行されると、PN発生器3
3の出力位相td1は、td1=0(すなわち送信用PN符
号との位相差が0)の状態から順次Δずつ漸増し、ある
時点でPN発生器43の出力位相td2に至る(10
6)。ステップ106の条件が満たされた場合、制御演
算器51は、ステップ102に戻りPN発生器33の出
力位相td1を初期値に戻す。
【0025】ステップ106の条件が満たされない間
は、ステップ104からステップ106を経てステップ
108に移行する。ステップ108においては、制御演
算器51は、復調器32の出力の累算値が所定のしきい
値に至ったか否かを判定する。この条件が成立していな
い場合には、PN発生器33に係る系統により障害物が
捕捉されていないとみなせるため、ステップ104に戻
り、PN発生器33の出力位相td1の漸増が実行され
る。ステップ108の条件が満たされている場合、制御
演算器51は、前方に障害物が存在していると見なし、
障害物が存在している旨の障害物検出出力や、当該障害
物の距離を示す距離出力を後段の表示器等に出力する
(110)。ステップ110における距離演算は、前述
したように、PN発生器33の出力位相td1にc/2を
乗ずることにより実行する。
は、ステップ104からステップ106を経てステップ
108に移行する。ステップ108においては、制御演
算器51は、復調器32の出力の累算値が所定のしきい
値に至ったか否かを判定する。この条件が成立していな
い場合には、PN発生器33に係る系統により障害物が
捕捉されていないとみなせるため、ステップ104に戻
り、PN発生器33の出力位相td1の漸増が実行され
る。ステップ108の条件が満たされている場合、制御
演算器51は、前方に障害物が存在していると見なし、
障害物が存在している旨の障害物検出出力や、当該障害
物の距離を示す距離出力を後段の表示器等に出力する
(110)。ステップ110における距離演算は、前述
したように、PN発生器33の出力位相td1にc/2を
乗ずることにより実行する。
【0026】このようにPN発生器33に係る障害物検
出系統により障害物が検出されると、制御演算器51
は、PN発生器43の出力位相td2を0に制御する(1
12)。すなわち、位相制御器44に指令を与え、PN
発生器43の出力位相td2を制御し、受信用PN符号の
位相を送信用PN符号と同位相とする。制御演算器51
は、このような設定を行った後、前述のステップ104
〜110と同様の動作を実行する(114〜120)。
但し、ステップ114〜120における制御の対象は、
ステップ104〜110における制御の対象とは異なっ
ている。すなわち、ステップ114においてはPN発生
器43の出力位相tdがΔずつ漸増され、ステップ11
6においてはtd2≧td1の条件に係る判定が実行され、
ステップ118においては復調器42の出力の累算値が
しきい値と比較される。
出系統により障害物が検出されると、制御演算器51
は、PN発生器43の出力位相td2を0に制御する(1
12)。すなわち、位相制御器44に指令を与え、PN
発生器43の出力位相td2を制御し、受信用PN符号の
位相を送信用PN符号と同位相とする。制御演算器51
は、このような設定を行った後、前述のステップ104
〜110と同様の動作を実行する(114〜120)。
但し、ステップ114〜120における制御の対象は、
ステップ104〜110における制御の対象とは異なっ
ている。すなわち、ステップ114においてはPN発生
器43の出力位相tdがΔずつ漸増され、ステップ11
6においてはtd2≧td1の条件に係る判定が実行され、
ステップ118においては復調器42の出力の累算値が
しきい値と比較される。
【0027】このように、ステップ110実行後ステッ
プ112〜120を実行することにより、PN発生器3
3の出力位相td1に対応する距離より近い距離にある障
害物、例えば割込車の存在が、PN発生器43に係る障
害物検出系統により監視・検出されることとなる。ステ
ップ120実行後はステップ102に戻る。
プ112〜120を実行することにより、PN発生器3
3の出力位相td1に対応する距離より近い距離にある障
害物、例えば割込車の存在が、PN発生器43に係る障
害物検出系統により監視・検出されることとなる。ステ
ップ120実行後はステップ102に戻る。
【0028】従って、本実施例によれば、障害物検出系
統を複数系統設けると共に、PN発生器33に係る系統
により障害物が検出されている状態ではPN発生器43
に係る系統により割込車等の監視・検出等を行い、PN
発生器43に係る系統により障害物が検出されている状
態ではより近い距離の障害物の監視・検出をPN発生器
33に係る系統により行う、というように、現在障害物
を検出している系統の動作を中断することなく他の系統
により割込車を監視するようにしたため、現在検出中の
障害物に係る計測データの中断を回避しつつ、割込車等
の障害物を迅速に検出することが可能となる。この結
果、衝突の危険等の判断に必要とされるデータの欠落と
いった不具合が防止されると共に、当該演算が迅速化さ
れることとなり、車両の走行に係る安全性をより向上さ
せることが可能となる。
統を複数系統設けると共に、PN発生器33に係る系統
により障害物が検出されている状態ではPN発生器43
に係る系統により割込車等の監視・検出等を行い、PN
発生器43に係る系統により障害物が検出されている状
態ではより近い距離の障害物の監視・検出をPN発生器
33に係る系統により行う、というように、現在障害物
を検出している系統の動作を中断することなく他の系統
により割込車を監視するようにしたため、現在検出中の
障害物に係る計測データの中断を回避しつつ、割込車等
の障害物を迅速に検出することが可能となる。この結
果、衝突の危険等の判断に必要とされるデータの欠落と
いった不具合が防止されると共に、当該演算が迅速化さ
れることとなり、車両の走行に係る安全性をより向上さ
せることが可能となる。
【0029】なお、以上の説明においては、送信用空中
線13と受信用空中線21が別体とされていたが、これ
らをサーキュレータ等を用いて共用することが可能であ
る。また、復調器32や42はコスタス復調器等で構わ
ない。
線13と受信用空中線21が別体とされていたが、これ
らをサーキュレータ等を用いて共用することが可能であ
る。また、復調器32や42はコスタス復調器等で構わ
ない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の車両前方
警戒レーダ装置によれば、ある障害物検出系統により障
害物が検出された場合に、他の障害物検出系統による障
害物検出動作を開始させ、その際の後者の受信用PN符
号の位相制御範囲を前者により検出された障害物より近
い距離に存する他の障害物のみが検出対象となるよう設
定するようにしたため、割込車等の障害物が発生した場
合にこれを迅速に検出可能になる。その際、すでに障害
物を検出している系統の動作を中断する必要も生じな
い。従って、危険有無の判断の際に不都合となる計測デ
ータの中断や、判断時間の長期化を防止でき、車両の走
行に係る安全性をより向上させることができる。
警戒レーダ装置によれば、ある障害物検出系統により障
害物が検出された場合に、他の障害物検出系統による障
害物検出動作を開始させ、その際の後者の受信用PN符
号の位相制御範囲を前者により検出された障害物より近
い距離に存する他の障害物のみが検出対象となるよう設
定するようにしたため、割込車等の障害物が発生した場
合にこれを迅速に検出可能になる。その際、すでに障害
物を検出している系統の動作を中断する必要も生じな
い。従って、危険有無の判断の際に不都合となる計測デ
ータの中断や、判断時間の長期化を防止でき、車両の走
行に係る安全性をより向上させることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る車両前方警戒レーダ装
置の構成を示すブロック図である。
置の構成を示すブロック図である。
【図2】この実施例における障害物までの距離の検出動
作を示す図である。
作を示す図である。
【図3】この実施例における制御演算器の動作の流れを
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
11,33,43 PN発生器 12 送信機 13 送信用空中線 21 受信用空中線 22 受信機 31,41 積演算器 32,42 復調器 34,44 位相制御器 51 制御演算器 te 送信用PN符号のエポック td 電波伝搬時間 td1,td2 PN発生器33、43の出力位相
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95
Claims (1)
- 【請求項1】 所定長さを有する符号列である送信用擬
似雑音符号を発生させ、この送信用擬似雑音符号により
搬送波を変調し位相変調波を搭載に係る車両の前方に送
信する送信系統と、 上記位相変調波の障害物からの反射波を受信する受信手
段と、 送信用擬似雑音符号との位相差が所定範囲内となるよう
その位相を漸増又は漸減制御しつつ、送信用擬似雑音符
号と同一符号列である受信用擬似雑音符号を発生させ、
受信された反射波と受信用擬似雑音符号との相関を演算
し、相関の累算値が所定値を越える場合には、送信用擬
似雑音符号と受信用擬似雑音符号の位相差に対応する距
離に障害物が存在すると判定することにより、前方車両
等の障害物を検出する複数の障害物検出系統と、 上記複数の障害物検出系統のうちいずれかにより障害物
の検出動作が実行され、この動作により障害物が検出さ
れた場合にはより近い距離に存する他の障害物の検出動
作が他の障害物検出系統により実行されるよう、受信用
擬似雑音符号の制御範囲を各障害物検出系統毎に制御す
る制御手段と、 を備えることを特徴とする自動車用前方警戒レーダ装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04707993A JP3210124B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 自動車用前方警戒レーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04707993A JP3210124B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 自動車用前方警戒レーダ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06258429A JPH06258429A (ja) | 1994-09-16 |
JP3210124B2 true JP3210124B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=12765172
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04707993A Expired - Lifetime JP3210124B2 (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 自動車用前方警戒レーダ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3210124B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP04707993A patent/JP3210124B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06258429A (ja) | 1994-09-16 |
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