JP3209281B2 - 感熱転写材及び感熱転写材用処理剤 - Google Patents

感熱転写材及び感熱転写材用処理剤

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JP3209281B2
JP3209281B2 JP00483592A JP483592A JP3209281B2 JP 3209281 B2 JP3209281 B2 JP 3209281B2 JP 00483592 A JP00483592 A JP 00483592A JP 483592 A JP483592 A JP 483592A JP 3209281 B2 JP3209281 B2 JP 3209281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、熱印加により色材
(感熱インキ)を転写する記録方式で用いる新規な感熱
転写材及び感熱転写材用処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、情報産業の急速な発展に伴な
い、種々に情報処理システムが開発され、また、それぞ
れの情報処理システムに適した記録方法及び、装置が開
発、採用されている。このような記録方法の一つとして
感熱記録方法は、使用する装置が軽量かつコンパクトで
騒音はなく、操作性、保守性にも優れており、カラー化
も容易であり、最近広く使用されている。
【0003】かかる感熱転写材は、一般に基材の一方の
面に熱転写層を形成してあるが、その熱転写層は熱転写
記録装置のサーマルヘッドにて選択的に加熱されて溶融
又は軟化せしめられることにより、記録紙に選択的に熱
転写され、もって印字等の記録が行なわれるようになっ
ている。より具体的には、記録紙と相対向するべき側面
を偏平となしてその偏平側面の所定箇所に感熱転写材の
幅方向に沿うべき加熱部を突出形成した熱転写記録装置
のサーマルヘッドを用い、その加熱部を前記感熱転写材
に接触させて該感熱転写材の熱転写層を溶融又は軟化さ
せてこれを記録紙に熱転写し、もって記録紙への印字等
の記録が行なわれるようになっている。
【0004】ところで、最近、印刷の高画質化や高速度
化に対する要求が深まっており、このような要求を満た
すためには、解像度の高いドットパターンを極めて短い
時間に転写することが必要とされている。解像度の高い
ドットパターンを得るためには各ドットの面積を小さく
する必要があり、又短時間に転写するためには、(1)
サーマルヘッドの温度を上げる、(2)低融点又は低温
昇華性染料を使用したインク層とする、(3)ベースフ
ィルムを薄くして熱伝導性を上げる、などの方法が考え
られるが、(2)の方法はインク層の安定性と印刷の信
頼性の点で、(3)の方法はフィルムの強度やシワ発生
の点でそれぞれ問題があり、(1)の方法であるサーマ
ルヘッドの温度を上げることが有効な手段となり得る。
また、ドット面積を小さくすると、面積当りの有効熱効
率の点から、サーマルヘッドの温度を上げることが必要
とされる。
【0005】このように、高速化および高画質化の両面
からサーマルヘッドの温度を一般に300〜400℃ま
で上げることが必要になるが、この温度においては、印
字の際に基体シートがサーマルヘッドに融着する現象、
いわゆるスティッキングが発生し、感熱転写材が走行不
能になったり、甚だしい場合にはスティッキング部分か
ら基体シートが破断することがある。
【0006】スティッキングを回避しようとして基体シ
ートの背面に耐熱保護層を設ける方法が提案されてお
り、例えば、表面に金属層や耐摩耗層として酸化ケイ
素層を設ける方法(特開昭57−74195号)シリ
コーンやエポキシ等の耐熱性樹脂層を設ける方法(特開
昭55−7467号)常温で固体または半固体の界面
活性剤等を添加した樹脂層を設ける方法(特開昭57−
129789号)、あるいは滑性無機顔料を耐熱性樹
脂層中に含有させた層を設ける方法(特開昭56−15
5794号)等がある。
【0007】しかし、上記〜の方法では蒸着等の高
価格な工程を必要としたり、熱硬化のための熱エネルギ
ーが多大であったり、充分な耐熱性を得るには長時間を
費やしたり、印字の際の感熱転写シートの走行が滑らか
でなかったり、滑剤を添加したものは印紙手段への汚物
の付着があったり顔料の分散がよくないため印字が不鮮
明になる等の欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ような問題を解決し、高温サーマルヘッドによる加熱時
にヘッドとフィルムとの融着や走行障害が生じることな
く、しかも解像度が高く画質の優れた印刷を高速度で安
定に行ないうる感熱転写材並びにベースフィルムに耐熱
性保護膜を形成するための合成樹脂を塗布する場合にお
いて、その合成樹脂のレベリング性をより優れたものと
できる感熱転写材用処理剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記の
如き従来技術の欠点を解決すべく鋭意研究の結果、感熱
転写材のベースフィルム下面に設けた合成樹脂被覆層
、フッ素化アルキル基とポリオルガノシロキシル基
ポリオキシアルキレン基とを有する合成樹脂をと、それ
以外の耐熱性保護膜を形成する合成樹脂とを必須成分と
してなり、後者樹脂に対して前者樹脂が添加された合成
樹脂被覆層とすることにより、上記の如き問題点が解決
できることを発見して本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明はベースフィルム、該フィル
ム上面に設けたインキ層及び該フィルム下面に設けた合
成樹脂被覆層からなる感熱転写材において、前記合成樹
被覆、フッ素化アルキル基とポリオルガノシロキ
シル基とポリオキシアルキレン基とを有する合成樹脂
と、それ以外の耐熱性保護膜を形成する合成樹脂とを必
須成分としてなり、後者樹脂に対して前者樹脂が添加さ
れている合成樹脂被覆層であることを特徴とする感熱転
写材、フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和単量体
(A)と、ポリオルガノシロキシル基含有エチレン性不
飽和単量体(B)と、ポリオキシアルキレン基含有エチ
レン性不飽和単量体(C)とを必須成分として重合して
なる合成樹脂からなる感熱転写材用処理剤に関する。
【0011】本発明に係るフッ素化アルキル基含有エチ
レン性不飽和単量体(A)としては、公知慣用のものが
いずれも使用できるが、例えばフッ素化脂肪族基を有す
る(メタ)アクリレート、ビニルエステル、ビニルエー
テル、マレート、フマレート、α−オレフィン等を挙げ
ることができる。尚、(メタ)アクリレートは、メタア
クリレート、アクリレート、フルオロアクリレートを総
称するものとする。
【0012】単量体(A)のフッ素化脂肪族基としては
例えば炭素原子数3〜21のパーフルオロアルキル基ま
たはパーフルオロアルケニル基が挙げられ、直鎖状、分
岐状、環状またはこれらを組み合わせたもののいずれで
もよい。更にフッ素化脂肪族基はその主鎖中に酸素原子
または窒素原子の介入したものであってもかまわない。
【0013】フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和
単量体(A)は、例えば次のような一般式で示すことが
できる。
【0014】
【化1】
【0015】〔但し、R1は炭素原子数3〜21のパー
フルオロアルキル基を示し、Rは水素原子またはメチル
基を示し、R’は炭素原子数1〜10のアルキレン基を
示し、R”は水素原子または1〜10のアルキル基を示
し、Phはフェニル基を示す。〕このような単量体
(A)として、具体的には例えば次の如きものが挙げら
れる。
【0016】
【化2】
【0017】また、これら単量体(A)としては、フッ
素化アルキル基としてパーフルオロアルキル基を含有
し、フッ素原子含有量が5〜80重量%、中でも10〜
70重量%のフッ素化アルキル基含有エチレン性不飽和
単量体が好ましい。
【0018】本発明に係るポリオルガノシロキシル基含
有エチレン性不飽和単量体(B)とは公知慣用のものが
いずれも使用できるが、例えば、ポリシロキサン類の片
末端あるいは両末端に2価の連結基を介してビニル基、
アクリロイル基、あるいはメタクリロイル基、フルオロ
アクリロイル基のいずれかが連結されたものであればい
ずれでも良く、例えば具体的には次のような一般式で示
される。
【0019】
【化3】
【0020】〔式中、R2及びR3は炭素数1〜20のア
ルキル基またはフェニル基で、それらは同一でも異なっ
ていても良く、またシロキサン単位毎に同一でも異なっ
ていても良く、pは3〜520の整数であり、qは0ま
たは1であり、Yは2価の連結基で、
【0021】
【化4】
【0022】または一般式
【0023】
【化5】
【0024】〔式中、R2',R2",R3',R3"は炭素数
1〜20のアルキル基またはフェニル基で、これらは同
一でも異なっていても良く、またシロキサン単位毎に同
一でも異なっていても良く、r,s,tは1〜20の整
数で、これらは同一でも異なっていても良く、Y,q,
2,R3,R4は前記と同意義である。〕にて表わされ
る化合物が挙げられる。
【0025】単量体(C)のうちのポリジメチルシロキ
シル基含有エチレン性不飽和単量体のより具体的なもの
としては、以下の如きものが例示される。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】但し、Me,Phはそれぞれメチル基、フ
ェニル基を表わす。これら単量体(B)としては、ビニ
ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基フルオロアク
リロイル基のいずれでも可能であるが、重合反応性の点
でのアクリロイル基またはメタクリロイル基が優れてい
るため、これらを含有するものが特に好ましい。
【0031】本発明の感熱転写材用処理剤における共重
合体の重合割合は特に制限されないが通常単量体(A)
100重量部当り、単量体(B)10〜150重量部、
中でも得られる共重合体の耐熱性、及び感熱転写リボン
走行時の滑性に優れる点で特に30〜100重量部であ
ることが好ましい。
【0032】本発明の感熱転写材用処理剤は、単量体
(A)と単量体(B)とポリオキシアルキレン基含有エ
チレン性不飽和単量体(C)とを必須成分として重合し
てなる合成樹脂である。単量体(A)と(B)とからな
る共重合体よりも前記単量体(A)と単量体(B)とと
もにポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和単量
体(C)を併用して重合せしめた共重合体のほうが、基
材であるベースフィルムへの塗布時のレベリング性がよ
り高度となるので好ましい。単量体(C)の共重合割合
は特に制限されないが、単量体(A)100重量部当り
通常50〜200重量部用いることが好ましい。
【0033】本発明に係るポリオキシアルキレン基含有
エチレン性不飽和単量体とは非イオン性基の両末端また
は片末端にエチレン性不飽和二重結合を併有する単量体
であり、例えばポリオキシアルキレン基と両末端または
片末端にエチレン性不飽和二重結合を併有する単量体が
例示される。
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】また本発明の感熱転写材に用いられる共重
合体は該単量体(A)と(B)と更にアルキル基含有エ
チレン性不飽和単量体(D)を併用して重合せしめた共
重合体が、より低起泡性となるため泡消えが良く感熱転
写材製造時の時間短縮及びベースフィルムへの塗布時の
作業性が向上し、より高度のレベリング性を発現させる
ことから好ましい。
【0037】ここで言うアルキル基含有エチレン性不飽
和単量体(D)とは、アルキル基とエチレン性不飽和二
重結合を併有する単量体であり、そのアルキル基は直鎖
状、分岐状、環状またはそれらを組み合わせたいずれの
構造をとっていても良い。
【0038】このような単量体としては、例えば次の如
き炭素原子数1〜30のアルキル(メタ)アクリレート
が挙げられる。
【0039】
【化12】
【0040】これら単量体(D)としては、炭素原子数
8〜12のアルキル基を含有するエチレン性不飽和単量
体が好ましく、中でも分岐状のアルキル基を含有するエ
チレン性不飽和単量体が特に好ましい。
【0041】単量体(D)の共重合体割合は特に制限さ
れないが、単量体(A)100重量部当り通常100〜
250重量部、中でも合成樹脂被覆層の耐熱性に優れ且
つ充分な低起泡性が得られる点で150〜220重量部
用いることが好ましい。
【0042】全ての点で格段に優れた効果を奏する感熱
転写材を得る場合は、これら単量体(A)〜(D)をす
べて使用して重合した元共重合 らなる感熱転写
材用処理剤を用いるのが好ましい。単量体(A)は、1
種のみを用いても良いが、異なる2種以上を併用する様
にしてもよい。これは単量体(A)に限らず、単量体
(B)〜単量体(D)のどれの場合でも同様である。
【0043】本発明の感熱転写材用処理剤は前記単量体
(A)、(B)、(C)および(D)を塊状重合、溶液
重合、懸濁重合、乳化重合等の公知慣用の方法が適用で
き、特に重合法を限定するものではないが、有機溶剤中
で必要に応じてラジカル開始剤、光増感剤及び連鎖移動
剤を用いて該単量体(A)、(B)、(C)及び(D)
を共重合せしめる溶液重合法が目的とする感熱転写材用
処理剤が直接製造され得ることから製造法の中でも特に
好ましい。このようにして得られる共重合体は、通常ポ
リスチレン換算で1000以上、中でも5000〜10
0000の重量平均分子量を有していることが好まし
い。
【0044】共重合に際し、必要に応じて用いられるラ
ジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、
アゾビスイソバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等が、光増感
剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、
ベンゾイン、1ーヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1
−オン等が、連鎖移動剤としては、例えばラウリルメル
カプタン、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸オ
クチル、パーフルオロオクチルエチルメルカプタン等が
挙げられる。
【0045】溶剤としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエー
テル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケ
トン類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル等の
エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類、クロロホルム、ジクロルエタン、パークロ
ロエチレン、四塩化炭素等の塩素系溶剤類、ヘキサン、
ヘプタン、オクタン、ターペン、ケロシン等の脂肪族炭
化水素類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭
化水素類等が挙げられる。
【0046】本発明に用いられるベースフィルムとして
は従来公知のベースフィルムがそのまま用いられ、特に
制限されるものではなく、例えばポリエステル(例えば
ポリエチレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリカー
ボネート、セルロースエステル、ナイロン、ポリエーテ
ル、ポリアセタール、ポリオレフィン、ポリイミド、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリスル
ホン、弗素ポリマー、コンデンサー紙、グラシン紙等の
厚さ1〜50μmのフィルムが挙げられる。
【0047】ベースフィルム上面に設けられるインキ層
としては、例えば熱溶融性インキ層や熱昇華性インキ層
層等の従来公知のものがそのまま用いられ、特に制限さ
れるものではない。
【0048】熱溶融性インキ層は前述の如きベースフィ
ルムの一方の表面に、染料または顔料の如き着色剤を含
むワックスからなる感熱溶融転写層形成用インキを用意
し、該インキからなる感熱溶融転写層を形成することに
よって得られる。
【0049】該インキは、適当な融点をもったワックス
類、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス、カルナウバワックス、ウレタン系ワックス等
をバインダーとし、カーボンブラックや各種の染料、顔
料などの着色剤を配合し、分散してなるものである。
【0050】また、熱昇華性インキ層に関しても前述の
如きベースフィルムの一方の表面に、従来公知の方法、
即ち昇華転写性の染料とバインダー樹脂とを適当な溶媒
中に溶解または分散させて塗工液を調製し、該塗工液を
前記ベースフィルムの一方の面に塗布、乾燥して感熱昇
華転写層を形成することによって得られる。このような
感熱昇華転写層の形成に有用である染料としては、従来
感熱昇華転写フィルムに使用されている昇華性染料はい
ずれも使用できる。具体的には、分散染料、塩基性染
料、油溶性染料等が用いられる。また、上記の染料とと
もに用いるバインダー樹脂としてはこのような目的に従
来公知であるバインダー樹脂がいずれも使用することが
でき、通常耐熱性が高く、しかも加熱された場合に染料
の移行を妨げないものが選択され、例えば、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリビニルピロリドン等
のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、石油系樹脂、ノボラック型フェノール樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等が用
いられる。
【0051】本発明の感熱転写材用処理剤は、ベースフ
ィルム下面の合成樹脂被覆層単独、ベースフィルム上面
のインキ層と下面の合成樹脂被覆層の両 添加のい
ずれか一方の添加形態が好ましい。
【0052】本発明の感熱転写材用処理剤は前述のバイ
ンダー用ワックス及びバインダー用樹脂100重量部当
り0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜10重量部
添加することにより、ベースフィルムへの塗工時のレベ
リング性、顔料または染料の分散性、及び印字の際の記
録紙とインクリボン間の滑り性を従来に比して更に向上
させることができる。
【0053】本発明に用いられる耐熱性保護膜として
は、従来公知であるシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂、弗素樹脂、ポリイミド樹
脂、ニトロセルロース等の合成樹脂がいずれも使用でき
る。もちろん合成樹脂は単独でも異なる2種以上の混合
物であってもよい。耐熱性保護膜は、それを形成させる
ための合成樹脂に、前述のフッ素化アルキル基含有エチ
レン性不飽和単量体(A)とポリオルガノシロキシル基
含有エチレン性不飽和単量体(B)とポリオキシアルキ
レン基含有エチレン性不飽和単量体(C)とを必須成分
とした共重合体に代表される、フッ素化アルキル基とポ
リオルガノシロキシル基とポリオキシアルキレン基とを
有する合成樹脂を添加したもので構成すべきであり、そ
れを薄膜となるようベースフィルムに設ければよい。勿
論該共重合体を主成分として構成されたもので薄膜とな
るように設けてもよい。
【0054】かかる薄膜は上述の如き樹脂を主成分とす
るワニスをベースフィルムに塗布し、加熱して形成され
るか、またはそれらのフィルムをベースフィルムにラミ
ネートとして形成されるものである。本発明の感熱転写
材用処理剤の添加量は、主成分である合成樹脂100重
量部に対して0.1〜50重量部添加するのが好まし
く、中でも得られる耐熱性保護膜の耐熱性、滑性、非ブ
ロッキング性、レベリング性に優れる点で0.5〜20
重量部添加せしめるのが特に好ましい。かくして得られ
る耐熱性保護膜はブロッキング性がなく、またサーマル
ヘッドの発熱温度がベースフィルムの軟化点以上になっ
ても軟化することがないか、あるいは軟化溶融してもサ
ーマルヘッドへ融着しにくい性質を有する。
【0055】本発明の感熱転写材はタイプライターリボ
ン状およびラインプリンターの如き広巾のテープ状な
ど、任意の形状で使用できる。
【0056】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例により更に詳
細に説明する。但し、本発明の範囲は、下記実施例によ
り何等限定されるものではない。 [参考例]この例では本発明の共重合体を製造するため
の典型的な方法を、パーフルオロアルキル化合物、ポリ
ジメチルシロキシル基含有片末端メタクリレート(分子
量5000)の二元共重合体の具体例にて説明する。
【0057】ガラス製反応容器(内容積500ml)中にC
8F17SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCH=CH2(A−2)61g、ポ
リジメチルシロキシル基含有片末端メタクリレート〔分
子量(以下、M.W.と略す)5000(B−9)〕3
3g、イソプロピルアルコール(以下、IPAと略す)
400gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しつつ50℃まで
昇温し、系内を均一にする。次にラウリルメルカプタン
6.0g、アゾビスイソブチロニトリル3.0gを加
え、30分間で75℃まで昇温を行い、同温度にて7時
間共重合反応せしめる。得られた共重合体の不揮発分は
20.1重量%であった。この共重合体のゲルパーミネ
ーションクロマトグラフによるポリスチレン換算分子量
はMw=9000であった。(この共重合体を共重合体
1とする。)以下、第1表及び第2表に示された単量体
を所定量用いて、上記と同様にして、それぞれの共重合
体を得た。各種単量体(A)〜(D)を第1表及び第2
表に示す割合で用いた以外は共重合体1と同様にして共
重合体溶液を得た。必要に応じてIPAを更に加え、不
揮発分20重量%に調節した。それら重合体の分子量測
定の結果を第1表及び第2表に記した。これらの共重合
体を感熱転写材用処理材として用いる。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】比較例1 厚さ9μmのポリエステルフィルムの上面に下記組成を
有する感熱転写性インキ組成物を塗布し、乾燥して厚さ
4μmのインキ層を得た。
【0061】 (成分) (重量部) カルナバワックス 20 パラフィンワックス(融点65℃) 30 酸化ワックス 10 ワセリン 10 カーボンブラック 20 ついで前記ポリエステルフィルムの下面に下記組成を有
する樹脂組成物を塗布し、乾燥して厚さ1μmの耐熱保
護層を有する感熱転写材を得た。
【0062】 (成分) (重量部) エチルセルロース 10 共重合体1 0.5 トルエン 40 エタノール 30 実施例1〜3 共重合体1に代えて共重合体2〜4をそれぞれ耐熱保護
層に添加したほかは実施例1と同様にして感熱転写材を
得た。
【0063】尚、実施例の処理剤は、比較例1のそれ
に比べてレベリングに優れていた。実施例の処理剤
は、実施例のそれに比べてさらにレベリング性に優
れ、かつ泡切れにも優れていた。実施例の処理剤は、
実施例のそれに比べてよりレベリング性、泡切れ性に
優れていた。比較例2 共重合体1に代えて共重合体5を耐熱保護層に添加した
ほかは比較例1と同様にして感熱転写材を得た。 実施例 共重合体1に代えて共重合体9を耐熱保護層に添加した
ほかは比較例1と同様にして感熱転写材を得た。ここで
用いた処理剤は、レベリング性及び泡切れ性にかなり優
れていた。 実施例 共重合体1に代えて共重合体11を耐熱保護層に添加し
たほかは比較例1と同様にして感熱転写材を得た。ここ
で用いた処理剤は、レベリング性及び泡切れ性にかなり
優れていた。
【0064】尚、共重合体6,7,8,10についても
上記比較例1と同様にして感熱転写材を作製し同様の試
験を行ったが、いずれの感熱転写材も実施例1のそれと
同等ないしは、それより優れた転写画像が得られた。 比較例 共重合体1を耐熱保護層に添加しなかったほかは比較
1と同様にして感熱転写材を得た。 実施例 実施例におけるインキ層及び耐熱保護層の成分の両方
に共重合体4を0.5重量部添加したほかは比較例1と
同様にして感熱転写材を得た。ここで用いた処理剤は、
レベリング性及び泡切れ性にかなり優れていた。
【0065】これら実施例1〜及び比較例で得た各
感熱転写材のスティッキング、感熱転写材下面の汚れ、
転写画像の鮮明度を評価した。その結果を第3表に示
す。スティッキングはテキサスインスツルメンツ社製の
サーマルプリンター(PO−1000)を用いて印字速
度60字/秒で印字したとき、加熱ヘッドが円滑に駆動
するか否かを観察した。
【0066】インキ層による感熱転写材下面の汚れは各
感熱転写材を50℃、100g/cm2荷重で10時間放置
したのち観察した。尚、比較用(ブランク)として、耐
熱保護層を設けなかったほかは実施例1と同様にして得
た感熱転写材を用いた。
【0067】転写画像の鮮明度は、走査型電子顕微鏡に
より印字ドットの様子を観察した。評価は次の基準に従
って行なった。 印字ドットが極めて鮮明なもの:◎ 印字ドットが鮮明なもの:○ 印字ドットにやや滲みのあるもの:△ 印字ドットが不鮮明なもの:×
【0068】
【表1】第 3 表
【0069】
【発明の効果】本発明の感熱転写材はフッ素化アルキル
基含有エチレン性不飽和単量体とポリオルガノシロキシ
ル基含有エチレン性不飽和単量体とポリオキシアルキレ
ン基含有エチレン性不飽和単量体とを必須成分として重
合した合成樹脂からなる感熱転写材用処理剤を、少なく
ともベースフィルムの下面に設けた耐熱保護層へ添加す
ることにより、ベースフィルム上にレベリングよく耐熱
保護層を設けることが可能となり、高温サーマルヘッド
による加熱時にヘッドとフィルムとの融着や走行障害が
起こる現象、即ちスティッキングを生じることなく、し
かも解像度が高く画質の優れた印刷を高速度で安定に行
いうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−288680(JP,A) 特開 平2−299886(JP,A) 特開 平2−281985(JP,A) 特開 平1−11888(JP,A) 特開 平1−11887(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースフィルム、該フィルム上面に設け
    たインキ層及び該フィルム下面に設けた合成樹脂被覆層
    からなる感熱転写材において、前記合成樹脂被覆
    フッ素化アルキル基とポリオルガノシロキシル基とポリ
    オキシアルキレン基とを有する合成樹脂と、それ以外の
    耐熱性保護膜を形成する合成樹脂とを必須成分としてな
    り、後者樹脂に対して前者樹脂が添加されている合成樹
    脂被覆層であることを特徴とする感熱転写材。
  2. 【請求項2】 フッ素化アルキル基とポリオルガノシロ
    キシル基とポリオキシアルキレン基とを有する合成樹脂
    が、フッ素化アルキル基とポリオルガノシロキシル基と
    ポリオキシアルキレン基及びアルキル基とを有する合成
    樹脂である請求項1記載の感熱転写材。
  3. 【請求項3】 アルキル基が、分岐したアルキル基であ
    る請求項記載の感熱転写材。
  4. 【請求項4】 フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽
    和単量体(A)と、ポリオルガノシロキシル基含有エチ
    レン性不飽和単量体(B)と、ポリオキシアルキレン基
    含有エチレン性不飽和単量体(C)とを必須成分として
    重合してなる合成樹脂からなる感熱転写材用処理剤。
  5. 【請求項5】 フッ素化アルキル基含有エチレン性不飽
    和単量体(A)と、ポリオルガノシロキシル基含有エチ
    レン性不飽和単量体(B)と、ポリオキシアルキレン基
    含有エチレン性不飽和単量体(C)とを必須成分として
    重合してなる合成樹脂が、前記単量体(A)と、単量体
    (B)と、単量体(C)と、アルキル基含有エチレン性
    不飽和単量体(D)との合成樹脂である請求項記載の
    感熱転写材用処理剤。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の合成樹脂からなる感熱転
    写材用背面処理剤。
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