JP3208973U - ドローン散水システム - Google Patents

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博文 阿部
秀光 湯浅
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Abstract

【課題】送水ホースを解体対象の最高位置を超える高所に吊り上げて支持することにより、散水作業員の危険を防止しながら建物解体による粉塵の飛散を抑制できるドローン散水システムを提供する。【解決手段】建物解体に伴う粉塵の発生源(10)に向けて散水するドローン散水システム(100)であって、リモコン(90)により空中で移動と静止を自在にするドローン(80)と、ドローン(80)に付設されて粉塵の発生源(10)に向けて散水可能な散水ノズル(20)と、ドローン(80)に電力および水を供給する地上設備(40)と、地上設備(40)からドローン(80)に付設された散水ノズル(20)まで接続された送水ホース(30)と、送水ホース(30)を空中に吊り上げて支持する浮体(50,51)と、を備えた。【選択図】図1

Description

本考案は、ドローン散水システムに関し、より詳細には、建物解体による粉塵の飛散を抑制するためのドローン散水システムに関する。
建造物の解体作業またはコンクリート塊の破砕作業などに伴う粉塵を従来よりも効果的に沈静化するとともに粉塵発生を未然に防止することを目的とした、破砕機用の散水装置が知られている(特許文献1)。この破砕機用の散水装置は、破砕機のフレームや破砕アーム基部の構成部材に直接またはそれに付設の補助部材において貫通孔を穿設し、該貫通孔内へノズルを嵌入してノズル前端面が機材表面よりも奥に位置するように定め、該ノズルに細径の中央貫通孔を形成するとともに、ノズル後端面からノズル中心に向かって斜め前方に延びる複数の傾斜通路を形成する、というものである。
特許文献1に開示された破砕機用の散水装置は、ノズルにおいて中心となる直進噴流と複数の斜め噴流とを発生させ、噴出口から放射した後で直進噴流に斜行噴流を衝突させることにより、各噴流の水分子が互いに攪乱されて複雑に変化して微粒化することに特徴がある。当該散水装置は、このノズルにおいて、中心となる直進噴流に加えて外側の斜行噴流の方向を斜め前方に向けたことにより、中心の直進噴流と衝突した後の水分子の運動方向は大きく半径方向に拡散されても、前向き速度が著しく低下することなく進行して遠方まで広域に散水できる。この結果、ノズルが破砕対象物の方へ向けられると、高圧水が雨粒状または霧状となって広範囲に拡散することにより、破砕対象物を満遍なく濡らして粉塵の発生を抑制できる、という効果を得られる。
また、当該散水装置で用いるノズルは、その前端面が破砕機のフレームやアームの構成部材またはその付設部材の表面よりも奥に位置し、該ノズルが機材内部に埋設されている。しかも、各噴流の出口がノズル前端面に設けた凹所の内部に開口しているため、解体作業時などに破砕対象物などがノズルの先端開口に直接衝突することがなく、該ノズルおよびパイプを破砕機自体で保護していることにより、ノズル孔の目詰まりおよびノズルなどの損傷・摩耗などの事故が殆ど発生しない、という効果も得られる。
また、建物解体時に防塵処理のために多量に散水される散布水を回収して循環再使用するための有効適切な散布水循環システムが知られている(特許文献2)。当該システムは、解体作業を実施するべき施工階の床面上に、散布水を散水するためのスプリンクラーと、散布水を貯留して供給水ポンプによりスプリンクラーに圧送するための供給水槽をそれぞれ配置する。また、当該システムは、施工階の床面には下階に貫通する貫通孔を形成してそれを下階への流下口とし、その貫通孔には散布水を集水して回収するための回収具を装着する。さらに、当該システムは、施工階の下階の床面上には、回収具により回収されてホースを介して導かれる回収水を貯留して回収水ポンプにより供給水槽に対してホースを介して圧送するための回収水槽を配置する、というものである。
特許文献2に開示された建物解体時の散布水循環システムによれば、施工階において散水した散布水をその下階において、有効に回収して循環再使用できる。したがって、散布水の所要水量を削減し得て充分なる節水効果が得られ、水道料金を充分に節約することができる、という効果が得られる。また、当該システムは、散布水を回収するために床面に貫通孔を設けてそこに回収具を設置すること以外は、単なる水槽とポンプを2台ずつ用意すれば足りる。したがって、当該システムを実施するに要する設備費や運転費も些少で済む、という効果も得られる。
特に、当該システムは、その設置や撤去、盛り代え作業を容易に行うことができるほか、用具全体をコンパクトに保管することもできる、という効果も得られる。また、止水具により散水領域を区画設定することにより、その内側に散水した散布水の外部への流出を防止して散布水を無駄なく有効に回収することができる、という効果も得られる。さらに、供給水槽とスプリンクラーとを台車に搭載することにより、解体作業時には台車を移動させることのみで供給水槽とスプリンクラーを同時に散水領域内の所望位置に自由にかつ迅速に移動させることができ、したがって所望位置への散水を効率的に行うことができる、という効果も得られる。
特開平9−72109号公報 特開2009−102882号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の何れにも、以下のような課題を解決できる記載や示唆がなかった。その課題は、第1課題として送水ホースを解体対象の最高位置を超える高所に支持する簡素な手段、第2課題として解体用の重機等に近寄る散水作業員の危険防止、第3課題として解体用の重機作業を邪魔しないホース等の形態、第4課題として解体作業の進行状況に応じて的確な散水を実現させるための視認手段、第5課題として散水ノズルの正確な位置制御、の5つである。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、建物解体に伴って発生する粉塵の飛散を安全に効率良く抑制するドローン散水システムを提供することであり、より詳細には、第1課題として送水ホースを解体対象の最高位置を超える高所に支持する簡素な手段、第2課題として解体用の重機等に近寄る散水作業員の危険防止、第3課題として解体用の重機作業を邪魔しないホース等の形態、第4課題として解体作業の進行状況に応じて的確な散水を実現させるための視認手段、第5課題として散水ノズルの正確な位置制御、の5つのうち少なくとも第1課題および第2課題を実現することを目的とする。また、実施形態によっては第3課題〜第5課題までも実現することを目的とする。
本考案は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の考案は、建物解体に伴う粉塵の発生源(10)に向けて散水するドローン散水システム(100)であって、
リモコン(90)により空中で移動と静止を自在にするドローン(80)と、
該ドローン(80)に付設されて前記粉塵の発生源(10)に向けて散水可能な散水ノズル(20)と、
前記ドローン(80)に水を供給する地上設備(40)と、
該地上設備(40)から前記ドローン(80)に付設された散水ノズル(20)まで接続された送水ホース(30)と、
該送水ホース(30)を空中に釣り上げて支持する浮体(50)と、
を備えたものである。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のドローン散水システム(100)において、前記ドローン(80)は前記地上設備(40)から電線(60)によって駆動電力を供給される外部電源駆動式であり、
前記地上設備(40)には前記駆動電力を供給し得る電力源(41)を備えたものである。
請求項3に記載の考案は、請求項1又は2に記載のドローン散水システム(100)において、前記送水ホース(30)および前記電線(60)は一束に束線されて逆L字形に空中張架され、
前記逆L字形の下端末(31)を前記地上設備(40)に接続するとともに上端末(32)を前記ドローン(80)に接続し、
前記逆L字形の屈曲部(34)と前記上端末(32)の近傍にフレキシブルジョイント(36,37)を介挿させたものである。
請求項4に記載の考案は、請求項1〜3の何れか1項に記載のドローン散水システム(100)において、前記逆L字形の高所水平部(35)の両端近傍にそれぞれ前記浮体(50)を接続して空中張架したものである。
請求項5に記載の考案は、請求項1〜4の何れか1項に記載のドローン散水システム(100)において、前記ドローン(80)に付設された動画カメラ(70)と、
該動画カメラ(70)で前記粉塵の発生源(10)を撮像した動画像を前記リモコン(90)に表示させる動画再生モニタ(91)と、
を備えたものである。
請求項6に記載の考案は、請求項1〜5の何れか1項に記載のドローン散水システム(100)において、前記ドローン(80)に付設されたGPS発信機(81)と、
該GPS発信機で前記ドローン(80)の現在位置を検出する位置検出手段(93)と、
該位置検出手段(93)が検出した現在位置(X1,Y1,Z1)を追跡して遠隔操作するオペレータ(99)に視認させるGPS追跡モニタ(91)と、
該GPS追跡モニタ(91)の表示範囲(92)に関連づけて前記ドローン(80)を空中の任意に指定されたホバリング指定位置(X2,Y2,Z2)に静止させるように設定するホバリング位置設定手段(95)と、
前記現在位置(X1,Y1,Z1)から前記ホバリング指定位置(X2,Y2,Z2)へ向けて前記ドローン(80)を移動させるように制御するGPSホバリング制御部(96)と、
を備えたものである。
請求項7に記載の考案は、請求項1〜6の何れか1項に記載のドローン散水システム(100)において、前記浮体としてヘリウム充填式気球(50)を採用したものである。
本考案によれば、第1課題として送水ホースを解体対象の最高位置を超える高所に支持する簡素な手段、第2課題として解体用の重機等に近寄る散水作業員の危険防止、第3課題として解体用の重機作業を邪魔しないホース等の形態、第4課題として解体作業の進行状況に応じて的確な散水を実現させるための視認手段、第5課題として散水ノズルの正確な位置制御、の5つうち少なくとも第1課題および第2課題を実現することにより、建物解体に伴って発生する粉塵の飛散を安全に効率良く抑制するドローン散水システムを実現できる。また、実施形態によっては第3課題〜第5課題までも実現できる。
本考案の実施形態に係るドローン散水システム(以下、「本システムともいう」)の概略を説明するための全体図である。 本システムの空中部分を説明するための要部説明図である。 本システムの地上設備を説明するためのブロック図である。 本システムのGPSホバリング制御を説明するためのブロック図である。
以下、図面を参照して本考案の実施の形態について説明する。
図1は、本システムの概略を説明するための全体図である。図1に示すように、高層ビルを始めとする解体物件9を、解体重機1等を用いて解体する際、建物に伴う粉塵の発生源10に向けて散水することによって粉塵の飛散を防止する。従来は、この散水作業に高所放水車2を用いていた。高所放水車2の運転手は、地上に近い低位置の運転席から高所に位置する粉塵の発生源10を見上げて目視し、伸展腕3の先端に配設された散水ノズル21を発生源10に向けるように操作しながら散水する方法が一般的であった。
本システム100は、図1から高所放水車2を取り除いた状態で、粉塵の飛散を防止するための散水が実施できるように構成されている。図1に示す本システム100は、散水ノズル20と、送水ホース30と、地上設備40と、浮体50と、電線60と、ドローン80と、リモコン90と、を備えて構成されている。リモコン90を操縦するオペレータ99は、専任者が解体重機1の助手席に同乗して対応するようにしても良い。あるいは、解体重機1の運転手がドローン80を操縦するオペレータ99を兼任しても構わない。
ドローン80は、リモコン90により空中で移動と静止を自在にするが、外部電源駆動式であれば、有限の電池とは異なり運用時間は無制限である。このドローン80には、散水ノズル20が付設されており、粉塵の発生源10に向けて散水可能である。地上設備40には駆動電力を供給し得る発電機(電力源)41を備えている。地上設備40はドローン80に電力および水を供給する。なお、適宜、水に代えた薬液類を供給して散布することもできる。
送水ホース30は、地上設備40からドローン80に付設された散水ノズル20まで接続されている。なお、ドローン80は外部電源駆動式に限定することなく、リチウムイオン電池等を搭載した内部電源駆動式、内外電源併用式、その他の駆動方式であっても、解体作業をドローン80の対空可能時間内で区切るような管理次第で運用可能である。
送水ホース30は、全長に及んで柔軟性のある軽くて丈夫な素材により構成されていることが望ましい。あるいは、曲げ応力を受けやすい箇所だけにフレキシブルジョイント36,37を介挿し、そこ以外は剛性の高いホースを用いて送水ホース30を構成しても良い。電線60は、ドローン80の駆動電力を地上設備40からドローン80まで送電するため、両者の間に張架されている。
本システム100は、送水ホース30のうち、逆L字形の高所水平部35の両端近傍に、それぞれ浮体50を接続して空中張架した。逆L字形の下端末31は、地上設備40に接続されるとともに、上端末32をドローン80に付設されたノズル20に接続している。
また、逆L字形の屈曲部34と上端末32の近傍にフレキシブルジョイント36,37が介挿されている。この構成により、ドローン80の揚力負担を軽減するとともに、解体用の重機作業に対して送水ホース30が干渉するような邪魔をしないで済む(第3課題)。また、ドローン80のプロペラや機体に送水ホース30が接触して墜落させる事故も軽減できる。
浮体50,51は、浮体はヘリウム充填式の気球(以下、単に「気球」ともいう)であり、送水ホース30および電線60を空中に釣り上げて支持する。これらの気球50,51は、適宜に規模と数量を加減して用いる。また、浮体50,51を形成する袋の材料は、軽くて適度な強度を維持できる薄膜材料で、ヘリウムや水素に対するガスバリア性を必須の条件とするが、変形例として、身近で調達可能な4tトラックのタイヤチューブ等の廃物利用も考えられる。
本システム100において、送水ホース30および電線60は一束に束線されて逆L字形に空中張架されている。また、逆L字形の屈曲部34は、通水中のホース30の重量負担が大きいので、相応の浮揚力を備えた大きめの気球51を適宜に追加する。なお、気球50,51に充填する揚力付与ガスとして、引火・爆発の危険性の高い水素よりも安全性の高いヘリウムが推奨される。ただし、監督官庁の許可があれば、安価な水素を用いても良い。
ドローン80は、高所放水車2(図1)を用いなくても、送水ホース30の放水側の端末32に接続された散水ノズル20を、解体物件9の屋上より高く釣り上げて、粉塵の発生源10に向けて効率良く散水することが可能である。この構成により、解体重機1等に近寄って危険な作業に従事する散水作業員が不要になる(第2課題)。また、気球50,51およびドローン80により、送水ホース30を解体物件9の屋上階Rを超える高所に、簡素な手段で支持することが可能である(第1課題)。
図2は本システムの空中部分を説明するための要部説明図である。図2に示すように、ドローン80は、カメラ70を備えている。このカメラ70は、ドローン80周辺の下方を撮影した画像を、地上のオペレータ99が操作するリモコン90の動画再生モニタ91(図4)に実況中継して表示させるように構成されている。
オペレータ99は、ドローン80を地上からリモコン90(図4)によって自在に操縦することが可能である。ドローン80に付設されたカメラ70の実況中継によって、オペレータ99が粉塵の発生源10を観察しながら、ドローン80に付設された散水用のノズル20を粉塵の発生源10に向けて保持できる。その結果、粉塵の発生源10に向けて、より安全で効率良く散水することが可能となる。
図3は本システムの地上設備を説明するためのブロック図である。図3に示すように、地上設備40は、発電機41および解体専用一体型給水ユニット42で構成されている。解体専用一体型給水ユニット42は水槽43および給水ポンプ45を備えている。水槽43の水44は、給水ポンプ45によって、地上の低位置から解体物件9の屋上よりも高くまで押し上げることが可能である。発電機41は、外部電源駆動式のドローン80に電線60を介して電力を供給するほか、給水ポンプ45が電動式ならそれも駆動できる。
発電機41は、ドローン80のプロペラ駆動を始め、カメラ70および制御機能の全てを動作させるために、電線60を介してドローン80まで送電する。なお、電線60は、端末以外の大部分を送水ホース30に沿って一束に束ねられている。水槽43の水44は、送水ホース30を経由し、散水ノズル20にまで到達する。散水ノズル20はドローン80に付設されている。そのドローン80は、解体物件9において解体している最中の箇所の上空をホバリング(空中静止)するように運用される。したがって、水槽43の水44は、解体している最中の箇所の上空から粉塵の発生源10に向けて散水される。
図4は本システムのGPSホバリング制御を説明するためのブロック図である。図4に示すように、本システム100は、リモコン90で遠隔操作されるドローン80を中核として、他の構成要素との組み合わせによって構成されている。ドローン80はGPS発信機81を備えている。リモコン90は、GPS追跡モニタ91(動画再生モニタ91と兼用)と、位置検出手段93と、操作入力部94と、ホバリング位置設定手段95と、GPSホバリング制御部96と、リモコン送受信部97と、を備えている。
なお、オペレータ99が、地上設備40のそばから移動することなしに、リモコン90(図4)によってドローン80を操縦する場合、遠隔操作機能の大半について、無線操縦でなく有線制御で構成しても構わない。その場合、遠隔操作に必要な制御線やカメラ70が撮影した動画情報の伝送ケーブル(不図示)も、送水ホース30に沿って一束に束ねると良い。ただし、束ねたホース類の総重量は極力軽量化することが好ましい。なお、そのような場合であっても、GPS機能には無線電波の送受信が不可欠であるため本質的に有線化できない。
ここでいうGPS(Global Positioning System、以下「全地球測位システム」ともいう)は、地球上の周回軌道にある複数のGPS衛星からの信号(時刻、軌道情報)を受け取り、その時刻差と電波の到達速度を計算することで、衛星からの距離を割り出し、それをもとに緯度・経度を特定するものである。この全地球測位システムによれば、地球上空2万1000kmの軌道を飛んでいる24個のGPS衛星のうち4個以上からの電波を受信することで、地球上のどの地点でも高精度で位置(経度・緯度・高度)を測定できる。
したがって、GPSによれば、船舶・航空機・自動車などが自分の位置を正確に知ることが可能であるばかりか、2地点間の相対位置を水平距離で1cm、高度差で数cmの精度で測定できる。このため、GPSは、カーナビゲーション・システムのほか、携帯電話やノートパソコン、防犯装置などに搭載され、応用範囲が広がっている。また、GPS機能を搭載したドローン(以下、「GPSドローン」ともいう)も市販されている。GPSドローンは、オペレータ99がリモコン90で指定した位置(経度・緯度・高度)に向かって飛行させるほか、その指定位置でホバリングさせることも可能である。
本システム100においてもGPSドローン(単に「ドローン」ともいう)80を採用している。つまり、GPS発信機81がドローン80に付設され、これに相まってGPSを応用する制御機能が付加されたリモコン90により、散水ノズル20を正確に位置制御することができる(第5課題)。さらに、ドローン80は、付設された動画カメラ70によって、飛行中の周辺の様子を動画で実況中継できる。この動画カメラ70によって、解体作業の進行状況に応じて的確な散水を実現させるための視認手段を構成している(第4課題)。
動画再生モニタ91は、動画カメラ70で前記粉塵の発生源10を撮像した動画像をリモコン90に表示させる。位置検出手段93は、GPS発信機81の発信する現在位置X1,Y1,Z1の情報を受信して、ドローン80の現在位置をオペレータ99が認識できるようにする。また、動画再生モニタ91は、GPS追跡モニタ91を兼用しており、表示画面の表示機能を適宜に切り替えて用いられる。GPS追跡モニタ91は、位置検出手段93が検出した現在位置X1,Y1,Z1を追跡し、位置(経度・緯度・高度)を数値表示するほか、地図上に表示してドローン80を遠隔操作するオペレータ99に視認させる。
本システム100のドローン80は、オペレータ99の目視に加えてGPS制御を併用しているため、風等による外乱の影響を排除しながら目標に指向させられるので、操縦技能が未熟な初心者にも安定した飛行を実感させられる。ここでオペレータ99が飛行中のドローン80を肉眼で直視可能な、例えば半径500mの範囲を鳥観した地図を、GPS追跡モニタ91の表示範囲92として表示する。この地図は縮尺を適宜に調整しながら拡大・縮小することも可能である。操作入力部94は不図示のプロポーショナル(操作角比例)制御可能なレバーや押し釦スイッチ等により構成されている。
ホバリング位置設定手段95は、GPS追跡モニタ91の表示範囲92に関連づけて、ドローン80を空中の任意に指定されたホバリング指定位置X2,Y2,Z2に静止させるように設定する。つまり、GPS追跡モニタ91の表示範囲92として表示された地図上に、オペレータ99がホバリング指定位置X2,Y2,Z2をカーソル98で指定する。
それに対し、位置検出手段93が検出したドローン80の現在位置X1,Y1,Z1が離れている場合、GPSホバリング制御部96は、ドローン80を現在位置X1,Y1,Z1からホバリング指定位置X2,Y2,Z2へ向けて、自動又は半自動的に移動させるように制御する。このようにして、ドローン80は、任意に指定された空中のホバリング指定位置X2,Y2,Z2に静止するように制御される。
一方、オペレータ99が、GPS追跡モニタ91を動画再生モニタ91に切り替えると、動画カメラ70が前記粉塵の発生源10を撮像した動画像を、動画再生モニタ91に表示して実況中継する。オペレータ99は、この実況中継の動画を視認しながら、散水ノズル20を備えたドローン80を、散水領域内の所望位置へと自由にかつ迅速に移動させることができる。したがって、所望位置への散水を効率的に行うことができる。
以下、本システム100に用いるドローンについて簡単に定義しておく。広義のドローンは、操縦士が乗らない、無人飛行機のことをいう。大きさは、全長10cm程度の小型のものから、30m超の大型のものまであり、ヘリコプターや飛行船の形をしたものもある。
本システム100で採用する狭義のドローンは、扁平機体に上向きで複数の電動プロペラが均等な放射状に配置されており、上下左右・前進後退の移動およびホバリング自在であった従来のヘリコプターに対し、格段に取り扱い容易に改良されたラジコン飛行機であり、カメラや加速度センサ、傾きや角度などを検出するジャイロセンサ、GPSといった機器を装備して利用できる最新のものをいう。
狭義のドローンの大半は、リチウムイオン電池等を搭載した内部電源駆動式であるが、本システム100のような特定用途に対しては、外部電源駆動式であっても採用することが可能である。
ドローンと従来のラジコン飛行機(ラジコンヘリコプター)との相違点として、ドローンは、第1に自動飛行が可能な点、第2にその機能ゆえに、ただ飛ばすだけでなく、趣味を超えて何らかの役割を果たす目的を持って飛行させる点、が挙げられる。
本システム100の設計開発、およびその実施を進める背景には、原発事故現場を始めとするような危険度の高い作業現場において、作業員の安全確保を優先すべく、無人機ドローンの活躍に対する大きな期待が潜在している。このような背景の下で、本システム100には、よりペイロード(payload 最大積載量)が大規模であるとともに、広範囲にわたって活動できることが期待されている。
また、本システム100は、図1〜図3に示した送水ホース30を必須要件とする。しかし、上述の期待に応じるに際して何かと制約の多い送水ホース30を用いることなく、危険な作業現場を自由に飛行できるように、送水ホース30を接続する代わりにタンクを付設したドローンを用いることも考えられる。そのドローンならば、上空のタンクに貯めた放射能減衰材や飛散防止剤等の薬液を噴霧するほか、上空監視する任務等にも一層適用し易くなる。
本考案に係るドローン散水システムは、建物解体に伴って発生する粉塵の飛散を抑制する散水に利用される可能性がある。
1 解体重機、2 高所放水車、9 解体物件、10 (建物に伴う粉塵の)発生源、20,21 散水ノズル、30 送水ホース、31,32 (送水ホース30の)端末、31 (逆L字形の)下端末、32 (逆L字形の)上端末、34 (逆L字形の)屈曲部、35 (逆L字形の)高所水平部、36,37 フレキシブルジョイント、40 地上設備、41 発電機、42 解体専用一体型給水ユニット、43 水槽、44 水、45 給水ポンプ、50 ヘリウム充填式気球(浮体)、60 電線、70 動画カメラ、80 ドローン、81 GPS発信機、90 リモコン、91 動画再生モニタ,GPS追跡モニタ、92 (GPS追跡モニタ91の)表示範囲、93 位置検出手段、94 操作入力部、98 カーソル、95 ホバリング位置設定手段、96 GPSホバリング制御部、99 オペレータ、100 ドローン散水システム、X1,Y1,Z1 現在位置、X2,Y2,Z2 ホバリング指定位置
本考案は、このような目的を達成するためになされたもので、請求項1に記載の考案は、建物解体に伴う粉塵の発生源(10)に向けて散水するドローン散水システム(100)であって、
リモコン(90)により空中で移動と静止を自在にするドローン(80)と、
該ドローン(80)に付設されて前記粉塵の発生源(10)に向けて散水可能な散水ノズル(20)と、
前記ドローン(80)に水を供給する地上設備(40)と、
該地上設備(40)から前記ドローン(80)に付設された散水ノズル(20)まで接続された送水ホース(30)と、
該送水ホース(30)を空中にり上げて支持する浮体(50)と、
を備えたものである。
請求項3に記載の考案は、請求項に記載のドローン散水システム(100)において、前記送水ホース(30)および前記電線(60)は一束に束線されて逆L字形に空中張架され、
前記逆L字形の下端末(31)を前記地上設備(40)に接続するとともに上端末(32)を前記ドローン(80)に接続し、
前記逆L字形の屈曲部(34)と前記上端末(32)の近傍にフレキシブルジョイント(36,37)を介挿させたものである。
請求項4に記載の考案は、請求項に記載のドローン散水システム(100)において、前記逆L字形の高所水平部(35)の両端近傍にそれぞれ前記浮体(50)を接続して空中張架したものである。
浮体50,51は、浮体はヘリウム充填式の気球(以下、単に「気球」ともいう)であり、送水ホース30および電線60を空中にり上げて支持する。これらの気球50,51は、適宜に規模と数量を加減して用いる。また、浮体50,51を形成する袋の材料は、軽くて適度な強度を維持できる薄膜材料で、ヘリウムや水素に対するガスバリア性を必須の条件とするが、変形例として、身近で調達可能な4tトラックのタイヤチューブ等の廃物利用も考えられる。
ドローン80は、高所放水車2(図1)を用いなくても、送水ホース30の放水側の端末32に接続された散水ノズル20を、解体物件9の屋上より高くり上げて、粉塵の発生源10に向けて効率良く散水することが可能である。この構成により、解体重機1等に近寄って危険な作業に従事する散水作業員が不要になる(第2課題)。また、気球50,51およびドローン80により、送水ホース30を解体物件9の屋上階Rを超える高所に、簡素な手段で支持することが可能である(第1課題)。

Claims (7)

  1. 建物解体に伴う粉塵の発生源に向けて散水するドローン散水システムであって、
    リモコンにより空中で移動と静止を自在にするドローンと、
    該ドローンに付設されて前記粉塵の発生源に向けて散水可能な散水ノズルと、
    前記ドローンに水を供給する地上設備と、
    該地上設備から前記ドローンに付設された散水ノズルまで接続された送水ホースと、
    該送水ホースを空中に釣り上げて支持する浮体と、
    を備えたドローン散水システム。
  2. 前記ドローンは前記地上設備から電線によって駆動電力を供給される外部電源駆動式であり、
    前記地上設備には前記駆動電力を供給し得る電力源を備えた請求項1に記載のドローン散水システム。
  3. 前記送水ホースおよび前記電線は一束に束線されて逆L字形に空中張架され、
    前記逆L字形の下端末を前記地上設備に接続するとともに上端末を前記ドローンに接続し、
    前記逆L字形の屈曲部と前記上端末の近傍にフレキシブルジョイントを介挿させた請求項1又は2に記載のドローン散水システム。
  4. 前記逆L字形の高所水平部の両端近傍にそれぞれ前記浮体を接続して空中張架した請求項1〜3の何れか1項に記載のドローン散水システム。
  5. 前記ドローンに付設された動画カメラと、
    該動画カメラで前記粉塵の発生源を撮像した動画像を前記リモコンに表示させる動画再生モニタと、
    を備えた請求項1〜4の何れか1項に記載のドローン散水システム。
  6. 前記ドローンに付設されたGPS発信機と、
    該GPS発信機で前記ドローンの現在位置を検出する位置検出手段と、
    該位置検出手段が検出した現在位置を追跡して遠隔操作するオペレータに視認させるGPS追跡モニタと、
    該GPS追跡モニタの表示範囲に関連づけて前記ドローンを空中の任意に指定されたホバリング指定位置に静止させるように設定するホバリング位置設定手段と、
    前記現在位置から前記ホバリング指定位置へ向けて前記ドローンを移動させるように制御するGPSホバリング制御部と、
    を備えた請求項1〜5の何れか1項に記載のドローン散水システム。
  7. 前記浮体はヘリウム充填式気球である請求項1〜6の何れか1項に記載のドローン散水システム。
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