JP3208373U - 汚水圧送管硫化水素抑制システム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、図3に示すように、汚水圧送管51の内部を流れる汚水50(以下、汚水圧送管に流す「下水」を特に「汚水」というものとする。)は自然流下管53の内部を流れる場合に比べると、酸素との接触を抑えられ、また、圧送ポンプ52の停止等によって汚水圧送管51の内部には汚水50が滞留することがある。そのため、汚水圧送管51の内部は嫌気状態になり易い。
特許文献1に開示された発明に係る「下水流路の浄化方法」は、投げ込み式変調電磁波処理装置の電磁波付与部を下水中継ポンプピット内に浸漬させて(−)帯電型変調電磁波処理を行うとともに、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、鉄などの金属塩を主体とする液体薬剤を中継ポンプ内に添加することを特徴としている。
このような構造の「硫化水素抑制装置」においては、酸素生成装置から送られてきた酸素が圧縮装置によって圧縮された後、酸素貯蔵タンクに貯蔵されるとともに、酸素貯蔵タンクから下水への酸素の供給量が酸素供給量制限装置によって制御されるという作用を有する。したがって、酸素生成能力が低い酸素生成装置を用いたとしても下水中に十分な量の酸素を供給することができる。
この技術は、酸化還元電位計を使って探し出した管路網中の嫌気環境生成ポイントにおいて、アスピレータ式の曝気方式で汚水中に気泡を散在状態で噴流として流し撹拌することを特徴とする。
このような方法によれば、曝気装置がポンプから吐出される水流に生じた負圧により自吸した空気を吐出流に混入噴射する構造であるため、水深が変動するポンプ井においても安定して安価に運用できるというメリットがある。また、曝気装置が汚水貯留槽の深さや形状に応じて噴射の向きや角度を自由に調整可能な構造となっているため、槽内の撹拌が容易である。
ここで、液泡とは、例えば、ビールをコップに注いだ時に、コップ内の上部に多数の気泡が重なり接触し合って存在する状態にある気泡群を言う。
汚水は液泡生成器の中で一旦液泡を構成する個々の気泡の液薄膜となり、一定体積の汚水では気相との接触面積が普通の自由表面をもつ状態と比べてはるかに大きくなる。このため、上述の液薄膜は大きな酸素溶解能力をもつ。また、ヘンリーの法則によると、気体の液体中への飽和溶解濃度は圧力が高いほど高い濃度となる。したがって、加圧された圧力容器内に液泡生成器を納めた本考案はそれだけ大きな酸素溶解能力を持つことになる。
すなわち、液泡生成器内に突入した汚水は圧力容器内において、気液接触面積が増大した状態で加圧された高濃度の酸素と接することになるため、薄膜水に液泡の構成要素である個々の気泡中の酸素が効率よく吸収されるとともに、薄膜水に溶存し得ないガスが液泡の個々の気泡の中へ放散され、最終的に酸素が高濃度に溶解した状態になる。そして、液泡の個々の気泡の中に放散されたガスは、気泡が破裂することにより圧力容器の上部に溜まり、通気孔から圧力容器の外部へ適宜排出される。
一方、液泡状態となることによって酸素を高濃度に溶解した汚水は、液泡生成器から溢流した後、圧力容器内の下部に一時的に貯留され、そして、排水口から外部へ排出される。
このような構造の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいては、第1の考案の作用に加えて、第2のバルブ及び第3のバルブを操作して、それらの開度を変更した場合、圧力容器の内部へ供給される汚水の量と圧力容器から外部へ排出される汚水の量がそれぞれ変化し、第3のバルブを操作して、その開度を変更した場合、バイパス管を流れる汚水の量が変化するという作用を有する。
このような構造の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいては、第1の考案又は第2の考案の作用に加えて、所望の量の酸素が所望の圧力で圧力容器内に供給されるという作用を有する。また、酸素供給手段に酸素ボンベを用いる場合とは異なり、交換等の作業が発生しないため、保守作業とそれに伴う経費が抑えられるという利点を有する。
曝気処理されて圧力容器から排出される汚水の量に比べて圧力容器に供給される汚水の量の方が多いと、圧力容器に貯留された汚水の水位は上昇し、圧力容器からの汚水の排出量に比べて圧力容器に対する汚水の供給量の方が少ないと、圧力容器に貯留された汚水の水位は低下する。このため、場合によっては装置の稼働に支障をきたす水位になる。本考案においては、第1の考案乃至第3の考案のいずれかの考案の作用に加えて、上述の水位がレベルセンサによって容易に検出されるという作用を有する。
なお、図1(a)は本システムの平面的な構成の概念図であり、図1(b)は縦断面的な構成の概念図である。そして、図1(a)では図1(b)とは異なり、曝気装置2を構成する圧力容器5、液泡生成器6、酸素発生装置7、コンプレッサ8、酸素供給管3e,3f、ベント管3g、バルブ4d〜4f及びフィルタ10の図示を省略している。また、図1(b)では図1に示したバイパス管3dとバルブ4cの図示を省略している。
なお、吐出管3aと排水管3cには、バイパス管3dが接続された箇所と曝気装置2の間にバルブ4a,4bがそれぞれ設けられており、バイパス管3dにはバルブ4cが設けられている。
したがって、汚水圧送管硫化水素抑制システム1においては、レベルセンサ9により圧力容器5内の汚水の水位を監視することにより、圧力容器5からの汚水50の排出量と圧力容器5への汚水50の供給量のバランスをとって、曝気処理すべき汚水50の量の適正化を図ることが可能である。
なお、バルブ4bは、圧力容器5の排水口5cから排出される処理水Wの流量を調整することで、圧力容器5の内部を所望の圧力状態に保つという機能を有している。
すなわち、酸素発生装置7及びコンプレッサ8から圧力容器5内の上部空間に供給される酸素は、圧力容器5の下方に一時的に溜まった処理水Wの表面を覆って、他の不要なガスが処理水Wに溶解することを防ぐという作用を有している。
混合気体と液体が接している場合、混合気体を構成する複数の気体はその各分圧に比例して、それぞれの気体が飽和状態になるまで液体中に溶解するが、汚水圧送管硫化水素抑制システム1では、加圧ポンプ13によって加圧されて圧力容器5の内部に供給された汚水50がその圧力を高い状態に保ったまま、液泡生成器6によって液泡の薄膜水に変化している。この場合、圧力容器5の内部に供給された汚水50は気液接触面積が増大した状態で高圧の酸素と接することになるため、酸素が高濃度に溶解した処理水Wが生成される。
また、汚水貯留槽11bに供給した汚水に気泡が発生しないように、バルブ4d,4eを操作して酸素発生装置7から圧力容器5の内部へ供給する酸素の量を調節することができる。これにより、余剰の酸素供給が抑えられる。
そして、従来技術とは異なり、設備の構造が複雑ではないため、製造や設置に要する費用が安いというメリットがある。また、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1において稼働中に発生する費用は、大部分が酸素発生装置7の電気料金であるため、薬品等を使用する従来技術に比べて、ランニングコストを格段に安く抑えることができる。
例えば、酸素ボンベを酸素供給手段として用いることもできる。ただし、本実施例に示したように、酸素発生装置7とコンプレッサ8を用いることによれば、所望の量の酸素が所望の圧力で曝気装置2に供給されるという作用を有する。したがって、汚水の処理能力を均一化させることができる。また、酸素ボンベを用いる場合とは異なり、交換作業等が発生せず、保守作業が容易であるため、ランニングコストが安いというメリットもある。
また、本実施例では、直角に曲折された吐出管3bの端部にノズル12が取り付けられた構造となっているが、ノズル12は必ずしもこのような構造でなくとも良い。例えば、吐出管3bの先端が直角に曲折された構造にする代わりに、ノズル12の先端が直角に曲折された構造であっても良い。
Claims (4)
- 上部に通気孔が設けられるとともに下部に排水口が設けられた圧力容器と、
この圧力容器内の上部空間に酸素供給管を介して酸素を供給可能に設置された酸素供給手段と、
縦長の容器であって開口部を上に向けた状態で前記圧力容器の内部に設置された液泡生成器と、
この液泡生成器内へ汚水を供給可能に噴射口を下方に向けた状態で前記開口部の上方に配置されたノズルと、
このノズルが先端に取り付けられた吐出管と、
前記圧力容器の外部に設置されて前記液泡生成器内へ前記汚水を加圧した状態で供給可能に前記吐出管の基端が接続された加圧ポンプと、
前記圧力容器の前記排水口に接続された排水管と、を備えたことを特徴とする汚水圧送管硫化水素抑制システム。 - 前記圧力容器を迂回して前記吐出管と前記排水管を接続するように設置されたバイパス管と、
このバイパス管に設置された第1のバルブと、
前記吐出管に設置された第2のバルブと、
前記排水管に設置された第3のバルブと、を備え、
前記第2のバルブ及び前記第3のバルブは前記バイパス管が接続された箇所と前記圧力容器の間にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。 - 前記酸素供給手段は、空気から酸素を取り出す圧力変動吸着装置と、この圧力変動吸着装置に接続されたコンプレッサからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。
- 前記圧力容器の内部に貯留された前記汚水の水位を検出するレベルセンサを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。
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JP2016005193U JP3208373U (ja) | 2016-10-27 | 2016-10-27 | 汚水圧送管硫化水素抑制システム |
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Publications (1)
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