JP3208373U - 汚水圧送管硫化水素抑制システム - Google Patents

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Abstract

【課題】汚水中の溶存酸素量を高めて汚水圧送管内における硫化水素の発生を効率よく抑制するとともに、安価に設置することが可能な汚水圧送管硫化水素抑制システムを提供する。【解決手段】本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1は、汚水を貯留槽11aから汲み上げて曝気により溶存酸素量を高めた後、貯留槽11bに供給するものであり、底部近傍の側面5aに排水口5cが設けられ、上面5bに通気孔5dが設けられるとともにレベルセンサ9が設置された圧力容器5と、縦長の容器であって開口部を上に向けた状態で圧力容器5の内部に設置された液泡生成器6と、貯留槽11aに貯留された汚水を液泡生成器6に供給する加圧ポンプ13と、圧力変動吸着装置からなる酸素発生装置7と、酸素発生装置7に接続されたコンプレッサ8を備えている。【選択図】図1

Description

本考案は、下水道設備として設置される汚水圧送管路に用いられるものであり、特に、管路内を好気的雰囲気にして硫化水素の発生を抑制する汚水圧送管硫化水素抑制システムに関する。
下水処理場へ下水を搬送する場合、圧送管(以下、汚水圧送管という。)が用いられることが多い。汚水圧送管を用いる方法では、下水管内で下水を自然流下させる方法に比べて、掘削深度を抑えることができ、また、下水管を小径にすることができるなどの利点がある。
しかしながら、図3に示すように、汚水圧送管51の内部を流れる汚水50(以下、汚水圧送管に流す「下水」を特に「汚水」というものとする。)は自然流下管53の内部を流れる場合に比べると、酸素との接触を抑えられ、また、圧送ポンプ52の停止等によって汚水圧送管51の内部には汚水50が滞留することがある。そのため、汚水圧送管51の内部は嫌気状態になり易い。
汚水圧送管51の内部が嫌気状態になると、汚水50に含まれる硫黄や硫黄化合物が嫌気性の硫酸塩還元細菌によって還元されて硫化物が生成される。例えば、汚水50に硫酸塩が含まれている場合、嫌気性細菌によって以下の化学式に示すように硫酸塩が分解されて硫化水素が発生する。
Figure 0003208373
このようにして発生した硫化水素はガス化してマンホール54等から放散されることで悪臭の原因となる。また、自然流下管53の内部やマンホール54の近くでは好気的雰囲気になるため、ガス化した硫化水素が自然流下管53やマンホール54の内壁面に結露した水に再び溶解すると、以下の化学式に示すように好気性の硫黄酸化細菌等により硫化水素から硫酸が生成される。
Figure 0003208373
そして、この硫酸は以下の化学式に示すような化学反応により、自然流下管53やマンホール54の内壁面を構成するコンクリートを腐食・劣化させる。この問題は公共インフラの老朽化として大きな問題となっている。
Figure 0003208373
このような問題に対処するものとして、例えば、特許文献1には「下水流路の浄化方法と装置」という名称で、変調電磁波処理と硫化水素抑制剤を併用することにより下水流路内における硫化水素の生成を抑制する方法とそれに用いる装置に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示された発明に係る「下水流路の浄化方法」は、投げ込み式変調電磁波処理装置の電磁波付与部を下水中継ポンプピット内に浸漬させて(−)帯電型変調電磁波処理を行うとともに、亜鉛、ニッケル、アルミニウム、鉄などの金属塩を主体とする液体薬剤を中継ポンプ内に添加することを特徴としている。
下水槽や下水流路の配管の内壁面に付着した油分に共存する硫酸イオンが硝酸塩還元細菌等の嫌気性細菌によって還元されると、硫化物が形成されるが、上記方法によれば、(−)帯電型変調電磁波処理によって共に(−)に帯電した油と金属イオンが互いに反発する。そのため、水と油の界面における金属石けんの形成が抑えられ、圧送管路の内壁面に油分が付着し難くなる。また、(−)帯電型変調電磁波処理による金属石けんの形成抑制効果だけでは避けられない粘着付着物については、上述の液体薬剤によって硫化水素の発生が抑制される。
また、特許文献2には「下水管中の硫化水素抑制装置及びその使用方法」という名称で、下水管を通して圧送される下水中に酸素を注入することにより硫化水素の発生を抑制することを目的とするものであって、下水の量が少なく、下水の圧送が停止される時間が長い場合でも、酸素生成能力の低い酸素生成装置を用いて、硫化水素の発生を十分に抑制することが可能な装置とその使用方法に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明に係る「硫化水素抑制装置」は、下水中に注入する酸素を生成する酸素生成装置に圧縮装置を介して酸素貯蔵タンクが接続され、この酸素貯蔵タンクと下水管の間に酸素供給量制限装置が接続された構造となっている。
このような構造の「硫化水素抑制装置」においては、酸素生成装置から送られてきた酸素が圧縮装置によって圧縮された後、酸素貯蔵タンクに貯蔵されるとともに、酸素貯蔵タンクから下水への酸素の供給量が酸素供給量制限装置によって制御されるという作用を有する。したがって、酸素生成能力が低い酸素生成装置を用いたとしても下水中に十分な量の酸素を供給することができる。
さらに、非特許文献1には、下水道設備において硫化水素が生成されるポイントを探し出し、その嫌気環境を曝気して好気的環境に変えることで、硫化水素の生成を防ぐ技術が開示されている。
この技術は、酸化還元電位計を使って探し出した管路網中の嫌気環境生成ポイントにおいて、アスピレータ式の曝気方式で汚水中に気泡を散在状態で噴流として流し撹拌することを特徴とする。
このような方法によれば、曝気装置がポンプから吐出される水流に生じた負圧により自吸した空気を吐出流に混入噴射する構造であるため、水深が変動するポンプ井においても安定して安価に運用できるというメリットがある。また、曝気装置が汚水貯留槽の深さや形状に応じて噴射の向きや角度を自由に調整可能な構造となっているため、槽内の撹拌が容易である。
特開2005−296796号公報 特開2005−28240号公報
島田 幸信、「酸化還元電位計を用いた硫化水素源調査と好気化による硫化水素生成抑制策」、月刊下水道、環境新聞社、平成28年5月、第39巻、第6号、p.11−16
特許文献1に開示された発明では、添加した硫化水素抑制剤を最終的に除去しなければならず、薬剤自体の費用とは別に、その除去費用が発生するため、ランニングコストが嵩む。また、投げ込み式変調電磁波処理装置を設置するための費用も必要である。さらに、添加した硫化水素抑制剤の除去が十分でない場合、環境に対する悪影響が懸念される。
特許文献2に開示された発明では、酸素貯蔵タンクを備えているため、酸素生成装置の能力が低い場合でも下水に対する酸素の供給量を調整することで、所望の量の酸素を下水に供給することが可能である。しかしながら、下水に対する酸素の供給量を高めるだけでは下水中の溶存酸素量を高めることはできない。すなわち、特許文献2に開示された発明では、装置の設置や維持にかかる費用に見合うだけの成果が得られない可能性が高い。
非特許文献1に開示された発明は、個々の気泡が分離した状態で水面に浮上して破裂する形式のため、供給した酸素量に対し、実際に下水中に溶け込む酸素量の割合が小さい。すなわち、当該発明においては、所定の酸素溶存量に対して大量の酸素を供給する必要があるため、ランニングコストが嵩むという課題があった。
本考案は、このような従来の技術の課題に対処してなされたものであり、汚水中の溶存酸素量を高めて汚水圧送管内における硫化水素の発生を効率よく抑制するとともに、安価に設置することが可能な汚水圧送管硫化水素抑制システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の考案は、上部に通気孔が設けられるとともに下部に排水口が設けられた圧力容器と、この圧力容器内の上部空間に酸素供給管を介して酸素を供給可能に設置された酸素供給手段と、縦長の容器であって開口部を上に向けた状態で圧力容器の内部に設置された液泡生成器と、この液泡生成器内へ汚水を供給可能に噴射口を下方に向けた状態で開口部の上方に配置されたノズルと、このノズルが先端に取り付けられた吐出管と、圧力容器の外部に設置されて液泡生成器内へ汚水を加圧した状態で供給可能に吐出管の基端が接続された加圧ポンプと、圧力容器の排水口に接続された排水管と、を備えたことを特徴とするものである。
ここで、液泡とは、例えば、ビールをコップに注いだ時に、コップ内の上部に多数の気泡が重なり接触し合って存在する状態にある気泡群を言う。
上記構造の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいて、加圧ポンプを稼動させると、大気圧より高い圧力状態となるまで加圧された汚水が加圧ポンプの吐出管を通ってノズルの噴射口から液泡生成器の内部へ噴射される。そして、液泡生成器の底部付近では、ノズルから汚水が噴射されることによって発生した多量の気泡が存在し、この気泡は液泡生成器の内部を汚水と接触しながら上昇し、上部付近で液泡に変化した後、溢流する。
汚水は液泡生成器の中で一旦液泡を構成する個々の気泡の液薄膜となり、一定体積の汚水では気相との接触面積が普通の自由表面をもつ状態と比べてはるかに大きくなる。このため、上述の液薄膜は大きな酸素溶解能力をもつ。また、ヘンリーの法則によると、気体の液体中への飽和溶解濃度は圧力が高いほど高い濃度となる。したがって、加圧された圧力容器内に液泡生成器を納めた本考案はそれだけ大きな酸素溶解能力を持つことになる。
混合気体と液体が接している場合、混合気体を構成する複数の気体成分はその各分圧に比例して、それぞれの気体が飽和状態になるまで液体中に溶解するが、上述したとおり、加圧ポンプによって加圧されて圧力容器の中の液泡生成器内に突入した汚水はその圧力を高い状態に保ったまま、液泡の薄膜水となる。
すなわち、液泡生成器内に突入した汚水は圧力容器内において、気液接触面積が増大した状態で加圧された高濃度の酸素と接することになるため、薄膜水に液泡の構成要素である個々の気泡中の酸素が効率よく吸収されるとともに、薄膜水に溶存し得ないガスが液泡の個々の気泡の中へ放散され、最終的に酸素が高濃度に溶解した状態になる。そして、液泡の個々の気泡の中に放散されたガスは、気泡が破裂することにより圧力容器の上部に溜まり、通気孔から圧力容器の外部へ適宜排出される。
一方、液泡状態となることによって酸素を高濃度に溶解した汚水は、液泡生成器から溢流した後、圧力容器内の下部に一時的に貯留され、そして、排水口から外部へ排出される。
液泡生成器から溢れ出て圧力容器の下部に一時的に貯留された汚水に対して酸素以外のガスが接触していると、そのガスが汚水に溶解してしまうおそれがある。しかしながら、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムでは、酸素供給手段によって圧力容器内の上部空間に酸素が供給される構造となっている。これにより、上述の汚水の表面が酸素で覆われるため、酸素以外の不要なガスが汚水に溶解することが防止される。
このように、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいては、圧力容器内に供給された汚水が少なくとも一度は厚さが薄い液膜の状態となって高濃度の酸素と接触することにより、汚水中に液泡内外の酸素が効率よく吸収されて、その溶存酸素量が高まるという作用を有する。
また、第2の考案は、第1の考案において、圧力容器(曝気装置)を迂回して吐出管と排水管を接続するように設置されたバイパス管と、このバイパス管に設置された第1のバルブと、吐出管に設置された第2のバルブと、排水管に設置された第3のバルブと、を備え、第2のバルブ及び第3のバルブはバイパス管が接続された箇所と圧力容器の間にそれぞれ設けられたことを特徴とするものである。
このような構造の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいては、第1の考案の作用に加えて、第2のバルブ及び第3のバルブを操作して、それらの開度を変更した場合、圧力容器の内部へ供給される汚水の量と圧力容器から外部へ排出される汚水の量がそれぞれ変化し、第3のバルブを操作して、その開度を変更した場合、バイパス管を流れる汚水の量が変化するという作用を有する。
第3の考案は、第1の考案又は第2の考案において、酸素供給手段は、空気から酸素を取り出す圧力変動吸着装置と、この圧力変動吸着装置に接続されたコンプレッサからなることを特徴とするものである。
このような構造の汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいては、第1の考案又は第2の考案の作用に加えて、所望の量の酸素が所望の圧力で圧力容器内に供給されるという作用を有する。また、酸素供給手段に酸素ボンベを用いる場合とは異なり、交換等の作業が発生しないため、保守作業とそれに伴う経費が抑えられるという利点を有する。
第4の考案は、第1の考案乃至第3の考案のいずれかの考案において、圧力容器の内部に貯留された汚水の水位を検出するレベルセンサを備えたことを特徴とするものである。
曝気処理されて圧力容器から排出される汚水の量に比べて圧力容器に供給される汚水の量の方が多いと、圧力容器に貯留された汚水の水位は上昇し、圧力容器からの汚水の排出量に比べて圧力容器に対する汚水の供給量の方が少ないと、圧力容器に貯留された汚水の水位は低下する。このため、場合によっては装置の稼働に支障をきたす水位になる。本考案においては、第1の考案乃至第3の考案のいずれかの考案の作用に加えて、上述の水位がレベルセンサによって容易に検出されるという作用を有する。
以上説明したように、第1の考案によれば、汚水圧送管の内部を流れる汚水の溶存酸素量を高めて、硫化水素の発生を抑制することができる。また、従来の曝気が汚水貯留槽の中だけで行われるのに対し、本考案は、汚水貯留槽内に限らず、汚水圧送管の途中にも設置できるため、汎用性に優れている。さらに、設備の構造が複雑ではないため、製造や設置に要する費用を安く抑えることが可能である。
第2の考案では、第1のバルブ乃至第3のバルブを操作することにより、圧力容器の内部へ供給される汚水の量や圧力容器から排出される汚水の量を容易に調節することができる。したがって、第2の考案によれば、第1の考案の効果に加え、汚水の処理量を調節するために加圧ポンプの出力調整手段を設けるような場合に比べて、製造コストが格段に安いという効果を奏する。
第3の考案によれば、第1の考案又は第2の考案の効果に加えて、汚水の処理能力を均一化させることができるという効果を奏する。また、圧力容器内に供給する酸素の圧力を大気圧よりも高い状態にすることにより、汚水中の溶存酸素量をさらに効率よく高めることが可能である。さらに、本考案では、稼働中に発生する費用の大部分が圧力変動吸着装置の電気料金等であるため、薬品等を使用する従来技術に比べて、ランニングコストを格段に安く抑えることができる。
第4の考案によれば、第1の考案乃至第3の考案のいずれかの考案の効果に加えて、レベルセンサで圧力容器内の汚水の水位を監視し、それに基づいてバルブを操作することにより、圧力容器からの汚水の排出量と圧力容器への汚水の供給量のバランスをとって、曝気処理すべき汚水の量の適正化を図ることができるという効果を奏する。
(a)及び(b)は本考案の実施の形態に係る汚水圧送管硫化水素抑制システムの実施例の構成図である。 図1に示した汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいてノズルから噴射された汚水が液泡生成器内に突入する様子を部分的に拡大して示した模式図である。 汚水圧送管の内部において硫化水素が発生する様子を模式的に示した図である。
本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムについて、図1及び図2を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の説明では、上流に設置された汚水貯留槽からポンプで加圧揚水した汚水を曝気処理して下流に設置された汚水貯留槽に供給する構造となっているが、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムは、このような構造に限定されるものではない。すなわち、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムは、汚水圧送管に対して並列に設置し、汚水貯留槽からではなく、汚水圧送管から直接汚水を取り出して、その溶存酸素量を高めた後に再び汚水圧送管に戻すような構造であっても良いし、汚水圧送管の上流に設置する構造であっても良い。
図1(a)及び図1(b)は本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システムの構成の一例を示した図であり、図2は図1に示した汚水圧送管硫化水素抑制システムにおいてノズルから噴射された汚水が液泡生成器内に突入する様子を部分的に拡大して示した模式図である。
なお、図1(a)は本システムの平面的な構成の概念図であり、図1(b)は縦断面的な構成の概念図である。そして、図1(a)では図1(b)とは異なり、曝気装置2を構成する圧力容器5、液泡生成器6、酸素発生装置7、コンプレッサ8、酸素供給管3e,3f、ベント管3g、バルブ4d〜4f及びフィルタ10の図示を省略している。また、図1(b)では図1に示したバイパス管3dとバルブ4cの図示を省略している。
図1(a)に示すように、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1は、汚水を汚水貯留槽11aからポンプで加圧揚水した後、液泡生成器内の曝気により溶存酸素量を高めた後、汚水貯留槽11bに供給するものであり、汚水の曝気を行うための曝気装置2と、汚水貯留槽11aから汚水を汲み上げて加圧した状態で曝気装置2に供給する加圧ポンプ13を備えている。
加圧ポンプ13には吸引管3aと吐出管3bが接続されており、汚水貯留槽11aに貯留された汚水は吸引管3aと吐出管3bを通って曝気装置2に供給され、曝気装置2で曝気処理された汚水は排水管3cを通って汚水貯留槽11bに供給される構造となっている。また、吐出管3bと排水管3cは、曝気装置2を迂回するように設置されるバイパス管3dによって互いに接続されている。
なお、吐出管3aと排水管3cには、バイパス管3dが接続された箇所と曝気装置2の間にバルブ4a,4bがそれぞれ設けられており、バイパス管3dにはバルブ4cが設けられている。
バルブ4a,4bを操作して、それらの開度を変更した場合、汚水貯留槽11aから加圧ポンプ13の吸引管3a及び吐出管3bを通って曝気装置2へ供給される汚水の量と曝気装置2から排水管3cを通って汚水貯留槽11bへ供給される汚水の量がそれぞれ変化し、バルブ4cを操作して、その開度を変更した場合、バイパス管3dを流れる汚水の量が変化する。
すなわち、汚水圧送管硫化水素抑制システム1では、バルブ4a〜4cの操作により、曝気装置2に汚水を供給する量や曝気装置2において曝気された汚水を汚水貯留槽11bに供給する量を容易に調節可能となっている。したがって、曝気処理済みの汚水の汚水貯留槽11bへの供給量を調節するために加圧ポンプ13の出力調整手段を設けるような場合に比べ、製造コストを格段に安くすることができる。
図1(b)に示すように、曝気装置2は、底部近傍の側面5aに設けられた排水口5cに排水管3cが連結された圧力容器5と、縦長の容器であって開口部を上に向けた状態で圧力容器5の内部に設置された液泡生成器6と、ガスに対する吸着剤の吸着特性の違いを利用して空気から酸素を取り出すPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置からなる酸素発生装置7と、酸素発生装置7に接続されたコンプレッサ8を備えている。
酸素発生装置7とコンプレッサ8及びコンプレッサ8と圧力容器5は酸素供給管3e,3fを介してそれぞれ接続されており、酸素供給管3fの一端が接続された圧力容器5の上面5bには通気孔5dが設けられている。また、酸素供給管3e,3fにはバルブ4d,4eがそれぞれ設けられており、通気孔5dにはバルブ4fを介してベント管3gが接続されている。そして、圧力容器5にはレベルセンサ9が設置されている。
曝気処理されて圧力容器5から排出される汚水50の量に比べて汚水貯留槽11aから圧力容器5に供給される汚水50の量の方が多い場合には、圧力容器5に貯留された汚水50の水位が上昇する。一方、圧力容器5からの汚水50の排出量に比べて圧力容器5に対する汚水50の供給量の方が少ない場合には、上述の水位が下降する。そして、この水位は容易にレベルセンサ9によって検出される。
したがって、汚水圧送管硫化水素抑制システム1においては、レベルセンサ9により圧力容器5内の汚水の水位を監視することにより、圧力容器5からの汚水50の排出量と圧力容器5への汚水50の供給量のバランスをとって、曝気処理すべき汚水50の量の適正化を図ることが可能である。
吸引管3aは一端が加圧ポンプ13に接続されるとともに、他端が汚水貯留槽11aに貯留された汚水中にフィルタ10を取り付けられた状態で浸漬されている。また、吐出管3bには、丸穴の噴射口を有するノズル12(図2参照)が吐出管3bの内部において噴射直前の汚水50の流れに攪乱が生じるように、直角に曲折された吐出管3bの端部に噴射口を下方に向けた状態で取り付けられている。そのため、加圧ポンプ13によって圧力を高められた汚水50は吐出管3bの先端に設けられたノズル12から噴射された後、周囲の空間の気体を多量に巻き込みながら液泡生成器6に突入する。
このような構造を備えた汚水圧送管硫化水素抑制システム1において、加圧ポンプ13を稼動させると、汚水貯留槽11aに貯留された汚水50は、加圧ポンプ13によって大気圧より高い圧力状態となるまで加圧され、ノズル12から液泡生成器6の中央に向かって噴射される。そして、液泡生成器6では、ノズル12から汚水50が加圧状態で噴射されることにより発生した気泡が底部付近で多量に存在する。この気泡は液泡生成器6の内部を汚水と接触しながら上昇し、上部付近で液泡に変化した後、溢流する(図2参照)。
液泡生成器6に突入した汚水50は液泡表面の薄膜水を形成することで、気液接触面積が増大するため、薄膜水に液泡の気相中のガスが吸収されるとともに、薄膜水に溶存し得ないガスが液泡の気相中へ放散される。そして、液泡の気相中に放散されたガスは、液泡が破裂することにより圧力容器5の上部に溜まり、通気孔5dから圧力容器5の外部へ適宜排出される。
すなわち、ノズル12から加圧状態で噴射された汚水50は、少なくとも一度は液泡の薄膜水となることで、酸素ガスが高濃度に溶解した処理水Wとなって圧力容器5内の下部に一時的に貯留される。その後、酸素が高濃度に溶解した処理水Wは圧力容器5の下部に設けられた排水口5cから排出されて排水管3cを通って汚水貯留槽11bに供給される。
なお、バルブ4bは、圧力容器5の排水口5cから排出される処理水Wの流量を調整することで、圧力容器5の内部を所望の圧力状態に保つという機能を有している。
液泡生成器6から溢れ出て圧力容器5の下部に一時的に溜まった処理水Wに対して酸素以外のガスが接触していると、そのガスが処理水Wに溶解してしまうおそれがある。そのため、汚水圧送管硫化水素抑制システム1では、酸素発生装置7で発生させた酸素をコンプレッサ8で加圧して圧力容器5内の上部空間に供給する構造となっている。
すなわち、酸素発生装置7及びコンプレッサ8から圧力容器5内の上部空間に供給される酸素は、圧力容器5の下方に一時的に溜まった処理水Wの表面を覆って、他の不要なガスが処理水Wに溶解することを防ぐという作用を有している。
つぎに、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1の作用と効果について説明する。
混合気体と液体が接している場合、混合気体を構成する複数の気体はその各分圧に比例して、それぞれの気体が飽和状態になるまで液体中に溶解するが、汚水圧送管硫化水素抑制システム1では、加圧ポンプ13によって加圧されて圧力容器5の内部に供給された汚水50がその圧力を高い状態に保ったまま、液泡生成器6によって液泡の薄膜水に変化している。この場合、圧力容器5の内部に供給された汚水50は気液接触面積が増大した状態で高圧の酸素と接することになるため、酸素が高濃度に溶解した処理水Wが生成される。
このように、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1によれば、汚水貯留槽11aに貯留された汚水50を液膜の状態にして、大気圧よりも圧力が高くなるように加圧した酸素と接触させることにより、その溶存酸素量を効率よく高めることができる。
また、汚水貯留槽11bに供給した汚水に気泡が発生しないように、バルブ4d,4eを操作して酸素発生装置7から圧力容器5の内部へ供給する酸素の量を調節することができる。これにより、余剰の酸素供給が抑えられる。
さらに、従来の曝気が汚水貯留槽の中だけで行われるのに対し、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1は、汚水貯留槽に設置できるだけでなく、汚水圧送管の途中に設置できるため、汎用性に優れている。
そして、従来技術とは異なり、設備の構造が複雑ではないため、製造や設置に要する費用が安いというメリットがある。また、本考案の汚水圧送管硫化水素抑制システム1において稼働中に発生する費用は、大部分が酸素発生装置7の電気料金であるため、薬品等を使用する従来技術に比べて、ランニングコストを格段に安く抑えることができる。
本実施例では、圧力容器5の内部において一時的に貯留された処理水Wの上部の空間を満たすための酸素を加圧した状態で供給する酸素供給手段として、酸素発生装置7とコンプレッサ8を用いているが、本考案は、これに限定されるものではない。
例えば、酸素ボンベを酸素供給手段として用いることもできる。ただし、本実施例に示したように、酸素発生装置7とコンプレッサ8を用いることによれば、所望の量の酸素が所望の圧力で曝気装置2に供給されるという作用を有する。したがって、汚水の処理能力を均一化させることができる。また、酸素ボンベを用いる場合とは異なり、交換作業等が発生せず、保守作業が容易であるため、ランニングコストが安いというメリットもある。
また、本実施例では、直角に曲折された吐出管3bの端部にノズル12が取り付けられた構造となっているが、ノズル12は必ずしもこのような構造でなくとも良い。例えば、吐出管3bの先端が直角に曲折された構造にする代わりに、ノズル12の先端が直角に曲折された構造であっても良い。
請求項1乃至請求項4に記載された考案は、汚水圧送管に限らず、内部が嫌気状態になり易く、硫化水素が発生するおそれのある各種の下水道設備に対して適用可能である。
1…汚水圧送管硫化水素抑制システム 2…曝気装置 3a…吸引管 3b…吐出管 3c…排水管 3d…バイパス管 3e,3f…酸素供給管 3g…ベント管 4a〜4f…バルブ 5…圧力容器 5a…側面 5b…上面 5c…排水口 5d…通気孔 6…液泡生成器 7…酸素発生装置 8…コンプレッサ 9…レベルセンサ 10…フィルタ 11a,11b…汚水貯留槽 12…ノズル 13…加圧ポンプ 50…汚水 51…汚水圧送管 52…圧送ポンプ 53…自然流下管 54…マンホール

Claims (4)

  1. 上部に通気孔が設けられるとともに下部に排水口が設けられた圧力容器と、
    この圧力容器内の上部空間に酸素供給管を介して酸素を供給可能に設置された酸素供給手段と、
    縦長の容器であって開口部を上に向けた状態で前記圧力容器の内部に設置された液泡生成器と、
    この液泡生成器内へ汚水を供給可能に噴射口を下方に向けた状態で前記開口部の上方に配置されたノズルと、
    このノズルが先端に取り付けられた吐出管と、
    前記圧力容器の外部に設置されて前記液泡生成器内へ前記汚水を加圧した状態で供給可能に前記吐出管の基端が接続された加圧ポンプと、
    前記圧力容器の前記排水口に接続された排水管と、を備えたことを特徴とする汚水圧送管硫化水素抑制システム。
  2. 前記圧力容器を迂回して前記吐出管と前記排水管を接続するように設置されたバイパス管と、
    このバイパス管に設置された第1のバルブと、
    前記吐出管に設置された第2のバルブと、
    前記排水管に設置された第3のバルブと、を備え、
    前記第2のバルブ及び前記第3のバルブは前記バイパス管が接続された箇所と前記圧力容器の間にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。
  3. 前記酸素供給手段は、空気から酸素を取り出す圧力変動吸着装置と、この圧力変動吸着装置に接続されたコンプレッサからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。
  4. 前記圧力容器の内部に貯留された前記汚水の水位を検出するレベルセンサを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の汚水圧送管硫化水素抑制システム。


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