JP3208065U - 多層コアゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】非フォーム状組成物から形成された柔らかく低圧縮の内側コア層を含む大きな硬度勾配を有するコアを具備するゴルフボールを提供する。【解決手段】ゴルフボールは、コアおよびカバーを有し、コアが、過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物からなり、31.75mm(1.25インチ)以下の直径を有し、50以下の中心ショアC硬度(Hcenter)を有するソリッド内側コア層と、熱可塑性組成物Tcからなり、10.16mm(0.400インチ)以上の厚さを有し、70以上の外側表面ショアC硬度(Houter surface)を有する外側コア層とを有し、Houter surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧40である。過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物は、ポリブタジエンと、ソリッド内側コア層の中心ショアC硬度を50以下にするのに十分な量の過酸化物との反応生成物を有する。【選択図】図1

Description

この考案は、非フォーム状組成物から形成された極めて柔らかく低圧縮の内側コア層を含む極めて大きな硬度勾配を有するコアを具備する多層ゴルフボールに関する。
米国特許第8,182,368号明細書(Kamino等)は、コアの表面のJIS−C硬度H4とコアの外側層の最も内側部分のJIS−C硬度H3との間の差が10以上であるゴルフボールを開示している。
米国特許第8,007,376号明細書(Sullivan等)は、負の硬度勾配の内側コアと正の硬度勾配の外側コアとを具備するゴルフボールを開示している。
米国特許第7,410,429号明細書(Bulpett等)は、内側コアの外側表面の硬度が幾何中心の硬度と同じか、それより小さく、外側コア層の外側表面が内側表面の硬度より大きいゴルフボールを開示している。
米国特許第6,695,718号明細書(Nesbitt)は、好ましくは硫黄で硬化されたポリブタジエンから形成されたセンタコア要素と、好ましくは過酸化物で硬化されたポリブタジエンおよび脂肪酸の金属塩から形成されたコア層要素とを含むゴルフボールを開示している。
これらの開示、および種々の硬度勾配特性を具備するゴルフボールの付加的な開示にもかかわらず、非フォーム状(unfoamed)の組成物から形成された、非常にソフトで低圧縮の内側コア層を含み、非常に大きな正の勾配のコアに対する要求が依然として存在する。そのようなコアは、良好な耐久性を実現し、同時に、スピンの減少に貢献するであろう。
米国特許第8,182,368号明細書 米国特許第8,007,376号明細書 米国特許第7,410,429号明細書 米国特許第6,695,718号明細書
この考案のゴルフボールは、ドライバからの減少されたスピンでありながらウェッジおよびアイアンからの適度なスピンを維持する所望のスピンプロフィールを実現する。1実施例において、この考案はコアおよびカバーを有するゴルフボールに向けられている。コアは、ソリッドの内側コア層および外側コア層からなる。内側コア層は、過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物からなり、31.75mm(1.25インチ)以下の直径を有し、50以下の中心ショアC硬度(Hcenter)を有する。外側コア層は、熱可塑性組成物Tcからなり、10.16mm(0.400インチ)以上の厚さを有し、70以上の外側表面ショアC硬度(Houter surface)を有する外側コア層とを有し、Houter surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧40である。
上記過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物は、ポリブタジエンおよび上記中心ショアC硬度が50以下である上記ソリッド内側コア層を形成するのに十分な量の過酸化物の反応生成物を有して良い。1実施例において、100phrのポリブタジエンおよび0.05phrから3.0phrの過酸化物が、5phr以下の金属酸化物;5phr以下のコエージェント;または5phr以下の金属カーボネートの少なくとも1つと混合させられる。具体的な実施例において、上記ポリブタジエンおよび上記過酸化物が、フィラー、酸化防止剤、処理助剤、光安定化剤、発色剤、接着助長剤、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つと混合させられる。
1実施例において、Houter surface−Hcenter≧45である。他の実施例において、Houter surface−Hcenter≧50である。さらに他の実施例において、Houter surface−Hcenter≧55である。代替的な実施例において、Houter surface−Hcenter≧60である。他の実施態において、上記内側コア層の内側コア界面ショアC硬度(Hinner core inteface)が、−5≦Hinner core inteface−Hcenter≦5を満たす。他の実施例において、上記外側コア層の外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、Houter core interface−Hinner core inteface≦Houter core interface−Hcenterを満たす。代替的には、上記外側コア層の上記外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、Houter core interface−Hinner core inteface>Houter core interface−Hcenterを満たす。具体的な実施例において、上記ソリッド内側コア層の中心ショアC硬度(Hcenter)が40以下であり、上記外側コア層の外側表面ショアC硬度(Houter core surface)が85以上であり、Houter surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧45である。
図1に示すように、一連の2mm硬度測定が、コアの断面上を、幾何中心から外側コアの外側表面に径方向外側に伸びるように行うことができる。この点、内側コア界面ショアC硬度Hinner core interfaceは、図1の幾何中心から界面までの当該2mm測定により形成される曲線に従って補間される。したがって、図1のコアについては、当該曲線上のすべての内側コアショアC硬度の点は、界面のものも含めて、50未満である。つぎに、外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceは、外側コア層内において内側に界面へと向かる図1の同様の曲線に従って補間される。したがって、図1のコアについては、当該曲線上のすべての外側コア層ショアC硬度の点は、界面のものも含めて、70より大きい。
組成物Tcは、以下のうちの1つであって良い。
(1)つぎのものを有する高度に中和されたポリマー組成物:アルキルアクリレートおよびメタクリレートからなるグループから選択された軟化モノマーをオプションとして含むエチレンおよびα,β−カルボン酸のコポリマー;ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合化ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体からなるグループから選択された非酸ポリマー;および、上記組成物中に存在する酸基の80%より多くを中和するのに十分な量だけ存在するカチオン源。
(2)つぎのものを有する可塑化熱可塑性組成物:(a)アルキルアクリレート、メタクリレート、脂肪酸、および脂肪酸塩からなるグループから選択された軟化モノマーをオプションとして含むエチレンおよびα,β−カルボン酸のコポリマー;(b)可塑剤、および(c)上記組成物中に存在する酸基の約0〜約100%を中和するのに十分な量だけ存在するカチオン源。
ここで、可塑化熱可塑性組成物は、さらに、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合化ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体からなるグループから選択された非酸ポリマーを有する。
1実施例において、エチレンおよびα,β−カルボン酸のコポリマーは、軟化モノマーを含まず、酸はアクリル酸およびメタクリル酸から選択され、酸コポリマーの総重量を基準にして、約15から約30重量%の量だけ当該酸コポリマー内に存在する。
1実施例において、アルキルアクリレートゴムがエチレン−アルキルアクリレートおよびエチレン−アルキルメタクリレートから選択され、酸コポリマーおよび非酸ポリマーの結合重量を基準にして50wt%を超える量だけ存在する。
非酸ポリマーはエチレン−n−ブチルアクリレートであって良く、ここで、n−ブチルアクリレートは、非酸ポリマーの総合重量を基準にして20wt%以上の量だけ存在する。
(3)透明または可塑化ポリアミド組成
透明または可塑化ポリアミド組成物は、ポリエーテルブロックアミド、非晶質ポリアミド、および微結晶性ポリアミドの少なくとも1つを有して良い。
(4)可塑化非酸ポリマー組成物
この点に関し、可塑化非酸ポリマー組成物は、少なくとも1つの非酸ポリマー組成物および少なくとも1つの可塑剤から形成されて良い。非酸ポリマー組成物は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合化ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体の少なくとも1つを有して良い。非酸ポリマー組成物はエチレン−n−ブチルアクリレートを含んで良く、ここで、n−ブチルアクリレートは、非酸ポリマー組成物の総合重量を基準にして20wt%以上の量だけ存在する。
(5)ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー組成物であって、(i)約40から約90重量%のポリエステル熱可塑性エラストマー、および(ii)約1から約60重量%の可塑剤を有するもの。
ポリエステル熱可塑性エラストマーは、ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーであって良い。ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーは50,000未満の曲げ弾性率を有して良い。ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー組成物は、さらに、アルキルアクリレート、およびメタクリレートからなるグループから選択された軟化モノマーをオプションとして含むエチレンおよびα,β−カルボン酸のコポリマー;および上記組成物中に存在する酸基の約0〜約100%を中和するのに十分な量だけ存在するカチオン源を有して良い。
エチレンの酸コポリマーは酸基を含んで良く、酸基の70%を超えた量が中和されている。エチレンの酸コポリマーは、酸基を含んで良く、酸基の90%を超えた量が中和されている。
1実施例において、可塑剤は脂肪酸エステルである。可塑剤は、メチルオレエート、エチルオレエート、プロピルオレエート、ブチルオレエート、およびオクチルオレエート、ならびにこれらの混合物からなるグループから選択されたアクリルオレエートであって良い。ポリエステルベースの組成物は約10から約30重量%の可塑剤を有して良い。
この考案のゴルフボールは、コアおよびカバーの間に配された中間層をさらに有し、上記中間層は、アイオノマー;高度に中和されたアイオノマー;非アイオノマー性酸ポリマー;ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド;ポスエステルベースの熱可塑性エラストマー;ポリアミド、アイオノマーとポリアミド、ポリアミド−エーテル、およびポリアミド−エステルのコポリマー;エチレンベースのホモポリマーおよびコポリマー;プロピレンベースのホモポリマーおよびコポリマー;スチレンおよびエチレン/ブチレンに基づくトリブロックコポリマー;少なくとも1つのグラフト化またはコポリマー化官能基と相溶性のある、それらの誘導体;およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを有する。
代替的には、上記中間層は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDR)、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アクリルアクリレートゴム、塩素化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩素化イソプレンゴム、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、ポリエステル、アルキド、ポリイソシナヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つから形成されて良い。
1実施例において、ソリッド内側コア層の直径が27.9mm(1.10インチ)以下である。他の実施例において、ソリッド内側コア層の直径が25.4mm(1.0インチ)未満である。
他の実施例において、この考案は、コアおよびカバーを有するゴルフボールに向けられている。コアは内側コア層、1または複数のオプションの中間コア層、および外側コア層からなる。内側コア層は非フォーム状組成物から形成されたソリッド層であり、1.10インチ以下の直径を有し、40以下の中心ショアC硬度を有する。外側コア層は0.200インチ以上の厚さを有し、80以上の外側表面ショアC硬度を有する。外側コア層の外側表面硬度は、内側コア層の中心硬度より少なくとも40ショアCポイントだけ大きい。
他の実施例において、この考案は、コアおよびカバーを有するゴルフボールに向けられている。コアは内側コア層、1または複数のオプションの中間コア層、および外側コア層からなる。内側コア層は非フォーム状組成物から形成されたソリッド層であり、1.10インチ以下の直径を有し、30以下の中心ショアC硬度を有する。外側コア層は0.200インチ以上の厚さを有し、80以上の外側表面ショアC硬度を有する。外側コア層の外側表面硬度は、内側コア層の中心硬度より少なくとも50ショアCポイントだけ大きい。
添付図面は明細書の一部を形成し、明細書との関連において理解されるべきである。ただし、図説の実施例は、単なる例にすぎず、限定的に理解されるべきではない。
この考案のゴルフボールの1実施例に従う、コア硬度を中心からの距離の関数で示し、さらに、内側および外側コア層の補間界面を示すグラフ図である。 商業的に入手可能な高度に中和されたエチレン酸コポリマー(HNP)のサンプル、および、この考案のポリエステル−エーテルブロックコポリマー/可塑剤のサンプルの、反発係数(COR)の、それぞれのDCM圧縮(DCM)に対してプロットして示すグラフ図であり、インデックス線を含む図である。 この考案の1実施例に従い、以下に詳述されるゴルフボールの側面断面図である。 この考案の他の実施例に従い、以下に詳述されるゴルフボールの側面断面図である。
顕著に大きな正の硬度勾配を有するゴルフボールが開示される。コアは、内側コア層、外側コア層、およびオプションの1または複数の中間コア層を有する。内側コア層は、40以下、または40未満、または35以下、または35未満、または30以下、または30未満、または25以下、または25未満、または20以下、または20未満、または15以下、または15未満、または13以下、または13未満の顕著に小さな中心ショアC硬度を有し、または、下限が5または10で上限が15または25または30または35または40の顕著に小さい中心ショアC硬度を有する。外側コア層は、70以上、または70より大きな、または75以上、または75より大きな、または80以上、または80より大きな、または85以上、または85より大きな、または87以上、または87より大きな、または89以上、または89より大きな、または90以上、または90より大きな、または91以上、または91より大きな、または92以上、または92より大きな、大きな外側表面ショアC硬度を有し、または、下限が80または85または87または89で上限が90または91または92または95の範囲内のショアC硬度を有する。得られた多層コアは全体として大きな正の硬度勾配を有し、ここで、Houter surface−Hcenter≧50、または、Houter surface−Hcenter>50、または、Houter surface−Hcenter≧55、または、Houter surface−Hcenter>55、または、Houter surface−Hcenter≧60、または、Houter surface−Hcenter>60、または、Houter surface−Hcenter≧65、または、Houter surface−Hcenter>65、または、Houter surface−Hcenter≧70、または、Houter surface−Hcenter>70、または、Houter surface−Hcenter≧75、または、Houter surface−Hcenter>75、または、Houter surface−Hcenter≧80、または、Houter surface−Hcenter>80である。
内側コア層は、1.10インチ以下、または1.10インチ未満、または1.00インチ以下、または1.00インチ未満、または0.90インチ以下、または0.90インチ未満、または0.80インチ以下、または0.80インチ未満、または0.75インチ以下、または0.75インチ未満の直径を有し、または、下限が0.10または0.15または0.20または0.25または0.30または0.35または0.40または0.45または0.50または0.55インチで、上限が0.60または0.65または0.70または0.75または0.80または0.85または0.90または0.95または1.00または1.05または1.10インチの範囲内の直径を有する。外側コア層は、0.10インチ以上、または0.10インチより大きな、または0.20インチ以上、または0.20インチより大きな、または0.30インチ以上、または0.30インチより大きな、または0.35インチ以上、または0.35インチより大きな、または0.40インチ以上、または0.40インチより大きな、または0.10インチ以上、または0.10インチより大きな厚さを有し、または、下限が0.005または0.010または0.015または0.020または0.025または0.030または0.035または0.040または0.045または0.050または0.055または0.060または0.065または0.070または0.075または0.080または0.090または0.100または0.200または0.250インチで、上限が0.300または0.350または0.400または0.450または0.500インチの範囲内の厚さを有する。オプションの中間コア層は内側コア層および外側コア層の間に配され、下限が0.005または0.010または0.015または0.020または0.025または0.030または0.035または0.040または0.045インチで、上限が0.050または0.055または0.060または0.065または0.070または0.075または0.080または0.090または0.100または0.200または0.250インチの範囲内の個々の厚さを有する。多層コア層は、1.00インチ以上、または1.20インチ以上、または1.25インチ以上、または1.30インチ以上、または1.35インチ以上、または1.40インチ以上、または1.45インチ以上、または1.50インチ以上、または1.51インチ以上、または1.53インチ以上の総合直径を有し、または、下限が0.50または0.70または0.80または0.85または0.90または0.95または1.00または1.10または1.15または1.20または1.25または1.30または1.35または1.40または1.45または1.50または1.51または1.53または1.55で上限が1.55または1.60または1.61または1.62または1.63または1.64インチの範囲内の総合直径を有する。
内側コア層は、当該内側コア層の界面ショアC硬度が中心ショアC硬度より小さい、負の硬度勾配を有し、または、当該内側コア層の界面ショアC硬度が中心ショアC硬度から1ショアC単位内の範囲である、ゼロの硬度勾配、または、当該内側コア層の界面ショアC硬度が中心ショアC硬度より大きい、正の硬度勾配を有する。内側コア層の界面硬度は、ここでは、内側コア層の外側表面から1mmだけ内側の距離の硬度として定義される。具体的な実施例において、内側コア層は、下限が1または5または10で上限が15または25または30の範囲内の中心ショアC硬度(Hcenter)、および、下限が5または10または15で上限が15または20または25または30または35または40または50の範囲内の界面ショアC硬度Hinner core interface)を有し、
1<Hinner core interface−Hcenter<45、または
1<Hinner core interface−Hcenter<15、または
1<Hinner core interface−Hcenter<5である。
具体的な実施例において、内側コア層は、40以下、または30以下、または25以下、または20以下、または20未満、または15以下、または15未満、または10以下、または10未満、または5以下、または5未満、または0以下、または0未満の圧縮を有し、コアは、60以上、65以上、70以上、80以上、80より大きな、85以上、85より大きな、90以上の全体圧縮を有し、または下限が」60または65または70または80または85で上限が90または95または100または110の範囲内の全体圧縮を有する。
内側コア層
ソリッド内側コア層は、顕著に柔らかく、低圧縮のセンタを実現するために調合できる熱硬化性および熱可塑性の組成物から選択された、非フォーム状組成物から形成される。内側コア層を形成するのに適したゴム組成物は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、エチレンプロピレンジエンゴム(「EPDM」)、スチレンブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、ポリスチレンエラストマー、ポリエチレンエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリ尿素エラストマー、メタローセン触媒エラストマーおよびプラストマー、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、アルキド、ポリイソシアヌレート、ポリシアヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせから選択されたベースゴムを含む。ジエンゴムが好ましく、とくに、ポリブタジエン、スチレンブタジエン、アクリロニトリルブタジエン、およびポリブタジエンと他のエラストマーとの混合物であって、混合物のポリマーの総重量を基準にして少なくとも40%の量のブタジエンが存在するものが、好ましい。
適切な商業的に入手可能なゴムの非制限的な例は、Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna CB 23、Buna CB24のような、Buna CB 高シス−ネオジム触媒ポリブタジエンゴム、および、Buna CB 1203、1220、および1221のような、Buna CB高シス−コバルト触媒ポリブタジエンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、SE BR−1220;Polimeri Europa(商標)から商業的に入手可能なEuroprene(商標) NEOCIS(商標) BR40およびBR60;UBE Industries,Incから商業的に入手可能なUBEPOL−BR(商標)ゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能なBR01;Karbochemから商業的に入手可能なNeodene BR40のようなNeodene 高シスネオジム触媒ポリブタジエンゴム;Kuraray Co., Ltdから商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン;Evonic Industriesから商業的に入手可能な、Vestenamers(商標)ポリオクテナマー;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Butyl 065およびButyl 288ブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能なButyl 301およびButyl 101−3;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2224およびChlorobutyl 1066ハロブチルゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Bromobutyl X2およびChlorobutyl 1240ハロブチルゴム;Japan Synthetic Rubber Co., Ltdから商業的に入手可能な、Bromobutyl 2255ブチルゴム;ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vistalon(商標)404およびVistalon(商標)706エチレンプロピレンゴム;Polimeri Europaから商業的に入手可能な、Dutral CO 058エチレンプロピレンゴム;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Nordel(商標) IP NDR 5565およびNordel(商標) IP 3670エチレンプロピレンジエンゴム;Mitsui Corporationから商業的に入手可能なEPT1045およびEPT1045エチレンプロピレンジエンゴム;Lanxess Corporationから商業的に入手可能な、Buna SE 1721 TE スチレンブタジエンゴム;Karbochemから商業的に入手可能なAfpol 1500およびAfpol 552スチレンブタジエンゴム;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Nipol(商標)DN407およびNipol(商標)1041Lアクリロニトリルブタジエンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Neoprene GRTおよびNeoprene AD30ポリクロロプレンゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Vamac(商標)エチレンアクリル酸エラストマー;Zeon Chemicals、L.P.から商業的に入手可能な、Hytemp(商標)AR12およびAR214アルキルアクリレートゴム;E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hypalon(商標)クロロスルホン化ポリエチレンゴム;およびGoodyear Chemicalから商業的に入手可能なGoodyear Budene(商標)1207ポリブタジエンである。
ゴムは、例えば、過酸化物または硫黄硬化系、C−C開始剤、フリーラジカルを生成できる高エネルギー照射源、または、これらの組み合わせを使用して架橋される。具体的な実施例において、ゴムは過酸化物開始剤およびオプションのコエージェントを用いて架橋される。適切な過酸化物開始剤は、これに限定されないが、有機過酸化物、例えば、ジクミルペルオキシド;n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルペルオキシ)バレレート;1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン;ジ−t−ブチルペルオキシド;ジ−t−アミルペルオキシド;t−ブチルペルオキシド;t−ブチルクミルペルオキシド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3;ジ(2−t−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン;ジラウリルペルオキシド;ジベンゾイルペルオキシド;t−ブチルヒドロペルオキシド;ラウリルペルオキシド;ベンゾイルペルオキシド;およびそれらの組み合わせを含む。商業的に入手可能な適切な過酸化物の例は、これに限定されないが、Akzo Nobel社から商業的に入手可能なPerkadox(商標)BC、RT Vanderbilt Companyから商業的に入手可能なVarox(商標)過酸化物、例えば、Varox(商標)ANS ベンゾイル過酸化ブルおよびVarox(商標)231の1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを含む。
コエージェントは硬化状態を増大させるために過酸化物とともに慣用的に使用されている。適切なコエージェントは、これに限定されないが、不飽和カルボン酸の金属塩;不飽和ビニル化合物および多価モノマー(例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート);フェニレンビスマレイミド(例えば、フェニルビスマレイミド);およびこれらの組み合わせを含む。適切な不飽和カルボン酸の金属塩の具体的な例は、これに限定されないが、アクリレート、ジアクリレート、メタクリレート、およびジメタクリレートの1または複数の金属塩であり、ここで、金属がマンガン、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、ニッケル、およびナトリウムである具体的な実施例では、コエージェントはアクリレート、ジアクリレート、メタクリレート、およびジメタクリレートの亜鉛塩、およびこれらの混合物から選択される。他の具体的な実施例では、エージェントは亜鉛ジアクリレートである。
過酸化物開始剤およびコエージェントの量は、所望の硬度を実現するために可変できる。例えば、1実施例において、内側コア層の組成物は、0.25〜1.50phrの過酸化物開始剤を有し、コエージェントがない、または実質的にコエージェントがない(すなわち、1phr未満のコエージェント)、または低いレベルのコエージェントしか含まない(例えば、10phr以下、または10phr未満、または5phr以下、または5phr未満、または、1phr以下、または1phr未満)過酸化物硬化ゴムである。他の具体的な実施例において、ゴムは、硫黄および/または促進剤を用いて架橋される。適切な促進剤は、これに限定されないが、グアニジン(例えば、ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、および、ジ−オルト−トリルグアニジン);チアゾール(例えば、メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、および、2,4−ジニトロフェニルメルカプトベンゼンチアゾール);スルフェンアミド(例えば、N−シクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチルベンゾチアジルスルフェンアミド、N−t−ブチルベンゾチアジルスルフェンアミド、およびN,N'−ジシクロヘキシルベンゾチアジルスルフェンアミド);チウラムスルフィド(たとえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフェート、4−モルホリニル−2−ベンゾチアゾールジスルフィド、および、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド);ジチオカルバメート(例えば、ピペリジンペンタメチレンジチオカルバメート、亜鉛ジエチルジチオカルバメート、ナトリウムジエチルジチオカルバメート、亜鉛エチルフェニルジチオカルバメート、および、ビスマスジメチルジチオカルバメート);チオ尿素(例えば、エチレンチオ尿素、N,N'−ジエチルチオ尿素、および、N,N'−ジフェニルチオ尿素);キサントエート(例えば、亜鉛シソプロピルキサントエート、ナトリウムイソプロピルキサントエート、および、亜鉛ブチルキサントエート);ジチオホスフェート;および、アルデヒドアミン(例えばヘキサンメチレンテトラミン、およびエチリデンアニリン)を含む。
架橋系はオプションとして1または複数の活性剤を含み、これは、金属酸化物(例えば亜鉛酸化物およびマグネシウム酸化物)、並びに脂肪酸および脂肪酸の塩(例えば、ステアリン酸、亜鉛ステアリン酸、オレイン酸、およびブチルアンモニアオレイン酸)から選択される。ゴム組成物は、加硫に先立って処理中にゴムがスコーチするのを防ぐためにオプションとしてスコーチ遅延剤を含む。適切なスコーチ遅延剤は、これに限定されないが、サリチル酸、安息香酸、アセチルサリチル酸、無水フタル酸、ナトリウムアセテート、および、N−シクロヘキシルチオフタルイミドを含む。
ゴム組成物は、ベースゴムの酸化劣化を阻止または防止するためにオプションとして1または複数の酸化防止剤を含む。いくつかの酸化防止剤はフリーラジカル捕捉剤としても働く。そのため、組成物中に酸化防止剤が含まれると、使用される開始剤の量はここで開示される量と同等かそれより大きくなる。適切な酸化防止剤は、これに限定されないが、ヒドロキノン酸化防止剤、フェノール酸化防止剤、および、アミン酸化防止剤を含む。ゴム組成物はオプションとして0.05phrから10.0phrの柔軟化・高速化剤(soft and fast agent)を含み、これは、有機硫黄および金属含有有機硫黄化合物;モノ、ジ、およびポリスルフィド、チオール、メルカプト化合物を含む有機硫黄化合物;有機硫黄化合物と無機硫黄化合物とのブレンド;グループVIAの化合物;硫黄または金属を含まない置換または非置換芳香族有機化合物;芳香族有機金属化合物;ヒドロキノン;ベンゾキノン;キンヒドロン;カテコール;レソルシノール;およびこれらの組み合わせから選択される。具体的な実施例では、柔軟化・高速化剤は、亜鉛ペンタクロロチオフェノール、ペンタクロロチオフェノール、ジトリルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、ジキシルジスルフィド、2−ニトロリソルシノールおよびこれらの組み合わせから選択される。
ゴム組成物は、オプションとして1または複数のフィラーを含む。フィラーの例は、沈降水和シリカ、クレイ、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタ珪酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、ケイ酸塩、炭化珪素、珪藻土、炭酸塩(例えば炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、および炭酸マグネシウム)、金属(例えば、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鉛、銅、ホウ素、コバルト、ベリリウム、亜鉛、錫)、金属合金(例えば、スチール、黄銅、青銅、炭化ホウ素ウィスカー、および、炭化タングステンウィスカー)、酸化物(例えば、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、および、酸化ジルコニウム)、粒子炭素質材料(例えば、グラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、天然ビチューメン、セルロースフロック、および、レザー繊維)、マイクロバルーン(例えば、ガラスおよびセラミック)、フライアッシュ、粉砕されて再利用されるコア材料、ナノフィラーおよびこれらの組み合わせを含む。
ゴム組成物は、また、1または複数の添加剤を含んでよく、これは、トランスイソプレン(例えば、Kuraray Co.,Ltdから商業的に入手可能なTP−301トランスポリイソプレン)、トランスブタジエン、およびポリアルケナマーゴムのような処理助剤;処理オイル;可塑剤;着色剤;蛍光剤;化学膨張・発泡剤;消泡剤;安定化剤;軟化剤;衝撃修正剤;フィリーラジカル捕捉剤;オゾン化防止剤(例えばp−ペニレンジアミン);その他から選択される。ゴム組成物中に存在する添加剤の量は、典型的には、ベースポリマーの100部の重量を基準にして、下限が0部または5部であり、上限が10部または20部または50部または100部または150部の範囲内である。
具体的な実施例において、内側コア層の組成物は、基本的には、ポリブタジエン、0.25から1.50phrの過酸化物、オプションのコエージェント、金属酸化物、金属炭酸塩、フィラー(1または複数)、添加物(1または複数)、および処理助剤のうちの1つまたは複数からなるゴム組成物である。この実施例の具体的な側面において、内側コア層の125ft/sの反発係数(「COR」)は、0.700以下、または0.650以下、または0.600以下、または0.550以下であり、コアの全体のCORは、0.795以上、または0.800以上、または0.810以上、または0.815以上、または0.820以上である。この実施例の他の具体的な側面において、ゴムの内側層組成物のトランス含有量は、中心で、2%以下、または2%未満であり、内側コア層の表面で、2%以下、または2%未満である。
ゴム、開始剤、コエージェント、フィラー、および添加剤の適切なタイプおよび量は、例えば、米国特許第6,566,483号、同第6,695,718号、同第6,939,907号、同第7,041,721号、および、同第7,138,460号により充分に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。特に適切なジエンゴム組成物は、例えば、米国特許出願公開第2007/0093318号にさらに開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
外側コア層
Tc(1)高度に中和されたポリマー組成物
適切なHNP組成物は、HNP、およびオプションのメルトフロー修正剤、添加物、および/またはフィラーを有する。ここの開示において、「HNP」は存在する酸基の少なくとも79%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、より好ましくは100%が中和されたのちの酸ポリマーを指す。HNPは2またはそれ以上のHNPのブレンドであって良いことに留意されたい。好ましい酸ポリマーは、α−オレフィンとC−Cα,βエチレン系不飽和カルボン酸とのコポリマーであり、オプション押して軟化モノマーを含む。αオレフィンは好ましくは(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびイタコン酸から選択される。(メタ)アクリル酸がとくに好ましい。オプションの軟化モノマーは、アルキル(メタ)アクリレートでアルキル基が1から8個の炭素原子を有するものから好ましくは選択される。好ましい酸ポリマーは、これに限定されないが、α−オレフィンがエチレンで、酸が(メタ)アクリル酸で、オプションの軟化モノマーが(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートから選択される場合の酸ポリマーである。
HNPを形成するために適切な酸コポリマーは、また、すでに部分的に中和されている酸コポリマーを含む。適切な部分的に中和された酸コポリマーの例は、これに限定されないけれども、E.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なSurlyn(商標)アイオノマー;Honeywell International Inc.から商業的に入手可能なAclyn(商標)アイオノマー;およびExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマーを含む。E.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なDuPont(商標)HPF1000およびDuPont(商標)HPF2000アイオノマー材料も適切である。いくつかの実施例において、超低弾性率アイオノマー(「VLMI−」)型のエチレン酸コポリマーはHNPを形成するのに最適であり、これは例えばE.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なSurlyn(商標)6320、Surlyn(商標)8120、Surlyn(商標)8320、およびSurlyn(商標)9320である。
α−オレフィンは、典型的には、酸コポリマー中に、酸コポリマーの重量に基づいて、15wt%以上、または25wt%以上、または40wt%以上、または60wt%以上の量だけ存在する。酸は、典型的には、酸コポリマー中に、酸コポリマーの総重量を基準にして、下限が1または2または4または6または8または10または12または15または16または20wt%で上限が20または25または26または30または40wt%の範囲の量だけ、存在する。オプションの柔軟化モノマーは、典型的には、酸コポリマー中に、酸コポリマーの総重量を基準にして、下限が0または1または3または5または11または15または20wt%で上限が23または25または30または35または50wt%の範囲の量だけ、存在する。
さらには、適切なアイオノマーは、例えば、米国特許第5,691,418号、同第6,562,906号、同第6,653,382号、同第6,777,472号、同第6,762,246号、同第6,815,480号、および同第6,953,820号、並びに、米国特許出願公開第2005/0148725号、同第2005/0049367号、同2005/0020741号、同第2004/0220343号、および同第2003/0130434号に開示されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。
HNPは、オプションとして高分子量の有機酸またはその酸の存在の下で、酸コポリマーを十分な量のカチオン源と反応させ、少なくとも全酸基の70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、さらに好ましくは100%を中和させるようになして、形成する。適切な可塑剤はさらに以下に説明する。具体的な実施例において、組成物中に存在する全酸基の100を超える量、または105%以上、または110%以上、または115%以上、または120%以上、または125%以上、または200%以上、または250%以上を理論的に中和するのに十分な量だけ存在する。酸ポリマーは、オプションの高分子量有機酸またはその塩およびカチオン源と同時に反応させられて良く、または、酸ポリマーは、カチオン源の付加に先立って、、オプションの高分子量有機酸またはその塩と反応させられて良い。
適切なカチオン源は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;希土類元素の金属イオンおよび化合物;およびそれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属イオンおよび化合物である。酸コポリマーは、HNPを生成するために酸コポリマーをカチオン源に接触させる前に、部分的に中和されていて良い。アイオノマー、および、アイオノマーがそれに基づく酸コポリマーを準備する方法は、例えば、米国特許第3,264,272号、同第4,351,931号、および米国特許出願公開第2002/0013413号に開示されている。
適切なカチオン源はアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;希土類元素の金属イオンおよび化合物;シリコーン、シランおよび珪酸塩誘導体および錯体配位子;およびそれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属イオンおよび化合物である。酸コポリマーは、当該酸コポリマーをカチオン源に接触させてHNPを生成するのに先立って少なくとも部分的に中和させてよい。アイオノマー、および、アイオノマーがそれに基づく酸コポリマーを準備する方法は、例えば、米国特許第3,264,272号、同第4,351,931号、および米国特許出願公開第2002/0013413号に開示されている。
適切な高分子量有機酸は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ−官能性有機酸、不飽和モノ−官能性有機酸、マルチ不飽和モノ−官能性有機酸、およびそれらのダイマー化された誘導体である。適切な有機酸の例は、これに限定されないが、カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、ミリスチン酸、安息香酸、パルミチン酸、フェニルアセチル酸、ナフタレン酸、およびこれらのダイマー化された誘導体を含む。有機酸は、脂肪族、モノ−官能性(飽和した、不飽和の、又は多不飽和の)有機酸である。これらの有機酸の塩も使用することができる。この考案の有機酸の塩は、バリウム、リチウム、ナトリウム、亜鉛、ビスマス、クロム、コバルト、銅、カリウム、ストロンチウム、チタン、タングステン、マグネシウム、セシウム、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、スズ、又はカルシウムの塩、脂肪酸の塩、特にステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、リノール酸、これらのダイマー化された誘導体の塩およびこれらの組み合わせを有する。適切な有機酸およびその塩は例えば米国特許第6,756,436号に十分に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例において、HNP組成物は、20phr以上、または25phr以上、または30phr以上、または35phr以上、または40phr以上の量だけ有機酸塩を有する。
この考案の比較的柔らかいHNP組成物は、オプションとして1または複数のメルトフロー修正剤を含んでも良い。組成物中のメルトフロー修正剤の量は、ASTM D−1238、条件E、190°Cで、2160グラムの錘を用いて測定したときに、組成物のメルトフロー指数が少なくとも0.1g/10分、好ましくは0.5g/10分〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0g/10分〜6.0g/10分の範囲であるように、容易に決定される。
適切なメルトフロー修正剤は、これに限定されないが、上述の高分子量有機酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびこれらの組み合わせを含む。また米国特許第7,365,128号よび同第7,402,629号に開示されている非脂肪酸メルトフロー修正剤も適切であり、これらの内容は参照してここに組み入れる。
この考案のHNP組成物は、組成物の全重量を基準にして、下限が0または5または10wt%で上限が15または20または25または30または50wt%の範囲内の量のオプションの添加物および/またはフィラーを含む。適切な添加物およびフィラーは、これに限定されないが、化学膨張および発泡剤、光学的明色化剤、着色剤、蛍光剤、白色剤、UV吸収剤、光安定剤、消泡剤、処理助剤、雲母、タルク、ナノフィラー、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃修正剤、TiO、酸コポリマーワックス、界面活性剤、およびフィラー、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、クレイ、タングステン、炭化タングステン、シリカ、鉛シリケート、リグランド(リサイクルした材料)、およびこれらの混合物を含む。適切な添加剤は例えば米国特許出願公開第2003/0225197号に十分に説明されており、参照してここに組み入れる。
具体的な実施例では、比較的硬いHNP組成物のMVTRは8g−mil/100in/日以下(すなわち3.2g−mm/m日以下)、または、5g−mil/100in/日以下(すなわち2.0g−mm/m日以下)、または、3g−mil/100in/日以下(すなわち1.2g−mm/m日以下)、または、2g−mil/100in/日以下(すなわち0.8g−mm/m日以下)、1g−mil/100in/日以下(すなわち0.4g−mm/m日以下)、または1g−mil/100in/日未満(すなわち0.4g−mm/m日未満)である。適切な水蒸気耐性のHNP組成物は例えば米国特許出願公開第2005/0267240号、同第2006/0106175号、および同第2006/0293464号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
この考案のHNP組成物は、これを製造するためのいずれの具体的な方法または具体的な装置に限定さらない。好ましい実施例において、組成物はつぎのプロセスで準備される。酸ポリマー、並びにオプションのメルトフロー修正剤およびオプションの添加物/フィラーが、同時にまたは個別に、溶融押出機、例えば、シングルまたはツインスクリュー押出機に供給される。カチオン源の適切な量を、溶融した酸ポリマーに添加して、存在するすべての酸基の少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%を中和するようになす。オプションとして、カチオン源は、組成物中に存在するすべての酸基の、理論上、105%以上、または110%以上、または120%以上または125%以上、または200%以上、または250%以上を中和するのに十分な量だけ添加される。酸ポリマーは、上述のプロセスに先立って少なくとも部分的に中和されていて良い。成分は、金型ヘッドからストランドとして押し出される前に集中的に混合される。
HNP組成物は、オプションとして、以下から選択される少なくとも1つの付加的なポリマー成分を有する。すなわち、付加的なポリマー成分は、例えば米国特許出願公開第2006/0128904号に開示されるような部分的に中和されたアイオノマー(この文献の内容は参照してここに組み入れる);二相性(bimodal)アイオノマー(例えば米国特許出願公開第2004/0220343号および米国特許第6,562,906号、同第6,762,246号、同第7,273,903号、同第8,193,283号、同第8,410,219号、および同第8,410,220号に開示されているようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる)、とくにE.I.DoPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なSurlyn(商標)AD1043m1092、および1022アイオノマー樹脂;ロジン修正アイオノマー(modified with rosin、例えば米国特許出願公開第2005/0020741号に開示されているようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる);柔軟かつ弾力のあるエチレンコポリマー(例えば米国特許出願公開第2003/0114565号に開示されるようなものであり、その内容は参照してここに組み入れる);ポリオレフィン、例えば、直鎖または分岐または環状のC−C40のオレフィン、具体的には、1または複数のC−C40のオレフィン、C−C20のα−オレフィン、または、C−C10のα−オレフィンで共重合したエチレンまたはプロピレンを含むポリマー;ポリアミド;ポリエステル;ポリエーテル;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリアセタール;ポリラクトン;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;スチレン−アクリロニトリル樹脂;スチレンマレイン酸無水物;ポリイミド;芳香族ポリケトン;アイオノマーおよびアイオノマー先駆体、酸コポリマー、米国特許第6,756,436号、同第6,894,098号および同第6,953,820号に開示されるような、通常のHNP(これら文献の内容は参照してここに組み入れる);ポリウレタン;グラフト化または非グラフト化メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合ポリマー、高結晶性酸ポリマー、カチオン性アイオノマー、およびこれらの組み合わせ;天然および合成ゴム(これに限定されないが、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、エチレンプロピレンジエンゴム(「EPDM」)、スチレンブロックコポリマーゴム(例えばSI、SIS、SB、SBS、SIBS等であり、「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエンである)、ブチルゴム、ハロブチルゴム、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのコポリマー、イソブチレンおよびパラ−アルキルスチレンのハロゲン化コポリマー、天然ゴム、ポリイソプレン、ブタジエンのアクリロニトリルによるコポリマー、ポリクロロプレン、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、およびポリブタジエンゴム(シスおよびトランス)を含む)である。さらに他の適切なブレンドポリマーは米国特許第5,981,658号、例えばその第14欄、第30−56行に開示されているものを含み、参照してその内容をここに組み入れる。当該ブレンドは、リアクターの後のブレンドにより、リアクターブレンドと直列にリアクターを結合することにより、また、同一のリアクターに複数の触媒を用いて複数種類のポリマーを製造することにより、製造できる。ポリマーは押出機に入れる前に混合してもよいし、押出機中で混合してもよい。具体的な実施例において、HNP組成物は、酸コポリマーおよび付加的なポリマー成分を有し、ここで、付加的なポリマー成分は、非酸ポリマーであり、当該非酸ポリマーは、酸コポリマーおよび非酸ポリマーの結合重量を基準にして、50wt%より多くの量、または下限が50または55または60または65または70で上限が80または85または90の範囲内の量だけ存在す。他の具体的な実施例において、HNP組成物は、酸ポリマーおよび付加的なポリマー成分を有し、ここで、付加的なポリマー成分は、非酸ポリマーであり、当該非酸ポリマーは、酸コポリマーおよび非酸ポリマーの結合重量を基準にして、50wt%未満の量、または下限が10または15または20または25または30で上限が40または45または50の範囲内の量だけ存在する。
この考案のHNP組成物は、混ざりものがない(すなわち、充填されていない)形態では、好ましくは、0.95g/ccから0.99g/ccの比重を有する。任意の適切な、有機または無機のフィラー、フレーク、ファイバ、粒子、その他をHNP組成物に添加して比重を増減させ、とくにゴルフボール内の重量分散を調整してよく、これは米国特許第6,494,795号、同第6,547,677号、同第6,743,123号、同第7,074,137号、および同第6,688,991号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
具体的な実施例において、HNP組成物は、米国特許第7,468,006号に開示される比較的柔らかなHNP組成物、および米国特許第7,207,903号に開示される低弾性率HNPから選択され、これらの内容は参照してここに組み入れる。この実施例の具体的な側面において、HNP組成物から形成された球の圧縮は、80以下、または70以下、または65以下、または60以下、または50以下、または40以下、または30以下、または20以下である。この実施例の他の具体的な側面において、HNP組成物の材料硬度は、下限が40または50または55ショアCで上限が70または80または87ショアCであり、または材料硬度は55ショアD以下であり、または、材料硬度は下限が10または20または30または37または39または40または45ショアDで上限が48または50または52または55または60または80ショアDの範囲内である。この実施例のさらに他の側面において、HNP組成物は、弾性率が、ASTM D790−Bに従って標準フレックスバーを用いて測定して、下限が1,000または5,000または10,000psiで上限が17,000または25,000または28,000または30,000または35,000または45,000または50,000または55,000psiの範囲内であるHPNを有する。
他の具体的な側面において、HNP組成物は、米国特許第7,468,006号に開示される比較的柔らかなHNP組成物、および米国特許第7,207,903号に開示される高弾性率HNPから選択され、これらの内容は参照してここに組み入れる。この実施例の具体的な側面において、HNP組成物から形成された球の圧縮は、70以上、または80以上であり、あるいは、下限が70または80または90または100で上限が110または130または140の範囲内である。この実施例の他の具体的な側面において、HNP組成物の材料硬度は、35ショアD以上、または45ショアD以上、あるいは、下限が45または50または55または57または58または60または65または70または75ショアDで上限が75または80または85または90または95ショアDの範囲内である。この実施例のさらに他の側面において、HNP組成物は、弾性率が、ASTM D790−Bに従って標準フレックスバーを用いて測定して、下限が25,000または27,000または30,000または40,000または45,000または50,000または60,000psiで上限が72,000または75,000または100,000または150,000psiの範囲内であるHPNを有する。
適切なHPN組成物はさらに米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,815,480号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、同第6,953,820号、同第6,994,638号、および同第7,375,151号に開示されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。
具体的な実施例において、HNP組成物は、酸ポリマー、非酸ポリマー、カチオン源、および脂肪酸またはその金属塩をブレンドすることにより形成される。この考案の説明において、無水マレイン酸修正ポリマーは、HNP組成物を生成するためのポリマー処理の間に酸形態へと開環できる無水物基を有するけれども、ここでは、非酸ポリマーとして定義される。無水マレイン酸基は、ポリマーにグラフト化され、比較的顕著に低いレベルしか存在せず、酸ポリマーの場合のようには、ポリマー主鎖を構成しない。これはもっぱら、エチレンおよび酸のE/XおよびE/X/Yコポリマーであり、特にメタクリル酸およびアクリル酸とのコポリマーである。
この実施例の具体的な側面において、酸ポリマーは、オプションとして、n−ブチルアクリレートおよびイソ−ブチルアクリレートから選択された軟化モノマーうぃ含有する、エチレン−アクリル酸およびエチレン−メタクリル酸コポリマーから選択される。酸ポリマーは、好ましくは、下限が2または10または15または16モル%で上限が20または25または26または30モル%の範囲で酸を含有する。とくに適切な商業的に入手可能な酸ポリマーは、これに限定されないが、以下の表Iに示されるものを含む。
Nucel(R)酸ポリマーはE.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なである。
Escor(R)酸ポリマーはExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手できる。
A−C(R)酸ポリマーはHoneywell international Incから商業的に入手できる。
Primacor(R)酸ポリマーおよびAUS酸ポリマーはThe Dow Chemical Companyから商業的に入手できる。
この実施例の他の具体的な側面において、非酸ポリマーはエラストマーポリマーである。適切なエラストマーポリマーは、これに限定されないが、エチレン−アルキルアクリレートポリマー、とくに、ポリエチレン−ブチルアクリレート、ポリエチレン−メチルアクリレート、およびポリエチレン−エチルアクリレート;
とくに適切な商業的に入手可能な非酸ポリマーの例は、これに限定されないが、Aekema Corporationから商業的に入手可能な、Lotader(商標)エチレン−アルキルアクリレートポリマーおよびLotyl(商標)エチレン−アルキルアクリレートポリマー、とくに、Lotader(商標)4210、4603、4700、4720、6200、8200、およびAX8900;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Elvaloy(商標)ACエチレン−アルキルアクリレートポリマー、とくにAC1224、AC1335、AC2116、AC3117、AC3427、およびAC34035;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Fusabond(商標)エラストマーポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート、ポリエチレン、メタローセン触媒ポリエチレン、エチレンプロピレンゴム、およびポリプロピレン、とくに、Fusabond(商標)N525、C190、C250、A560、N416、N493、N614、P614、M603、E100、E158、E226、E265、E528、およびE589;Honeywellから商業的に入手可能な、Honeywell A−Cポリエチレンおよび酸化ポリエチレン、例えば、A−C655およびA−C395;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Nordel(商標)IPゴム、Elite(商標)ポリエチレン、Engage(商標)エラストマー、および、Amplify(商標)官能化ポリマー、とくにAmplify(商標)GR207、GR208、GR209、GR213、GR216、GR320、GR380、およびEA100;ExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能な、Enable(商標)メタローセンポリエチレン、Exact(商標)プラストマー、Vistmaxx(商標)ポリエチレンベースのエラストマーおよびVistalon(商標)EPDMゴム;LyondellBasellから商業的に入手可能な、Starflex(商標)メタローセン直鎖低密度ポリエチレン;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Elvaloy(商標)HP4051、HP441、HP661、およびHP662エチレン−ブチルアクリレート−一酸化炭素ポリマー;Arkema Corporationから商業的に入手可能な、Evatane(商標)という、18から42%のビニルアセテート含有量を具備するエチレン−ビニルアセテートポリマー;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Elvax(商標)という、7.5から40%のビニルアセテート含有量を具備するエチレン−ビニルアセテートポリマー;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Vamac(商標)Gという、エチレン、メタクリレート、および加硫点モノマー(cure site monomaer)のターポリマー;ExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能な、Vistalon(商標)EPDMゴム;Kraton Performance Polymers Incから商業的に入手可能な、Kraton(商標)スチレンブロックコポリマー、とくにKraton(商標)FG1901GT、FG1924GT、およびRP6670GT;Kuraray Co. Ltd.から商業的に入手可能な、Septon(商標)スチレンブロックコポリマー;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hytel(商標)ポリエステルエラストマー、とくにHytel(商標)3078、4069、および5556;Celanese Corporationから商業的に入手可能な、Riteflex(商標)ポリエステルエラストマー;Arkema Incから商業的に入手可能な、Pebax(商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミド、とくにPebax(商標)2533、3533、4033、および5533;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Affinity(商標)およびAffinity(商標)GAエラストマー、Versify(商標)エチレン−プロピレンコポリマーエラストマー、およびInfuse(商標)オレフィンブロックコポリマー;ExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能な、Exxelor(商標)ポリマー樹脂、とくにExxelor(商標)PE1040、PO1015、PO1020、VA1202、VA1801、VA1803、およびVA1840;および、Chemtura Corporationから商業的に入手可能な、Royaltuf(商標)EPDM、とくにRoyaltuf(商標)498という、非晶質EPDMをベースにした無水マレイン酸修正ポリオレフィン、およびRoyaltuf(商標)485という、半結晶EPDMをベースにした無水マレイン酸修正ポリオレフィンを含む。
とくに適切な商業的に入手可能なエラストマーポリマーは、これに限定されないが、以下の表IIに示されるものを含む。
酸ポリマーおよび非酸ポリマーは、混合されてカチオン源と反応させられ、存在するすべての酸基の少なくとも80%が中和させられるようになす。この考案は、酸ポリマー、非酸ポリマー、およびカチオン源の混合の具体的な順番に限定されないことに留意されたい。具体的な実施例において、脂肪酸またはその金属塩は、当該脂肪酸またはその金属塩が、HNP組成物の総重量の基準にして、当該HNP中に10wt%から60wt%、または、下限が10または20または30または40wt%で上限が40または50または60wt%の範囲内の量だけ存在するような量だけ使用される。適切なカチオン源および脂肪酸およびその金属塩はさらに上に開示される。
この実施例の他の具体的な側面において、酸ポリマーは、酸含有量が19wt%以上のエチレン−アクリル酸ポリマーであり、当該非酸ポリマーが、オプションとして無水マレイン酸で修正された、メタローセン触媒エチレン−ブテンコポリマーであり、カチオン源がマグネシウムであり、脂肪酸またはその金属塩が組成物の総重量を基準にして、20〜50wt%だけ組成物中に存在するマグネシウムオレエートである。
例えば、以下の商業的に入手可能な材料を用いて良い。
Honeywellから商業的に入手可能な、アクリル酸含有量が15%のA−C(商標)5120エチレンアクリル酸コポリマー、アクリル酸含有量が20%のA−C(商標)5180エチレンアクリル酸コポリマー、A−C(商標)395高密度酸化ポリエチレンホモポリマー、およびA−C(商標)575エチレン無水マレイン酸コポリマー;Lanxess Corporationから商業的に入手可能なCB23高シスネオジム触媒ポリブタジエンゴム;Chemical Associatesから商業的に入手可能なCA1700大豆脂肪酸、CA1726リノール酸、およびCA1725共益リノール酸;Arizona Chemicalから商業的に入手可能なCentury(商標)1107分岐および直鎖118脂肪酸の高純度イソステアリン酸混合物;A. Schulman Incから商業的に入手可能な、アクリル酸含有量が13%のClarix(商標)011370−01エチレンアクリル酸コポリマー、および、アクリル酸含有量が15%のClarix(商標)011536−01エチレンアクリル酸コポリマー;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、メチルアクリレート含有量が24wt%のElvaloy(商標)AC1224エチレン−メチルアクリレートコポリマー、メチルアクリレート含有量が35wt%のElvaloy(商標)AC1335エチレン−メチルアクリレートコポリマー、エチルアクリレート含有量が16wt%のElvaloy(商標)AC2116エチレン−エチルアクリレートコポリマー、ブチルアクリレート含有量が27wt%のElvaloy(商標)AC3427エチレン−ブチルアクリレートコポリマー、および、ブチルアクリレート含有量が35wt%のElvaloy(商標)AC34035エチレン−ブチルアクリレートコポリマー;ExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能な、Escor(商標)AT−320エチレン酸ターポリマー;ExxonMobil Chemical Companyから商業的に入手可能な、無水マレイン酸で官能化かれたExxelor(商標)VA1803非晶質エチレンコポリマー;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Fusabond(商標)N525メタローセン触媒ポリエチレン、Fusabond(商標)N416化学的に修正されたエチレンエラストマー、Fusabond(商標)C190無水物修正エチレンビニルアセテートコポリマー、およびFusabond(商標)P614官能化ポリプロピレン;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Hytrel(商標)3078超低弾性率熱可塑性ポリエステルエラストマー;Kraton Performance Polymers Incから商業的に入手可能な、Kraton(商標)FG1901GTのポリスチレン含有量が30%のスチレンおよびエチレン/ブチレンをベースにした直鎖トリブロックコポリマー、および、Kraton(商標)FG1924GTのポリスチレン含有量が13%のスチレンおよびエチレン/ブチレンをベースにした直鎖トリブロックコポリマー;Arkema Corporationから商業的に入手可能な、Lotader(商標)4603、4700、および4720のエチレン、アクリル酸エステル、および無水マレイン酸のランダムコポリマー;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Nordel(商標)IP4770高分子量半結晶性EPDMゴム;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Nucrel(商標)9−1、Nucrel(商標)599、Nucrel(商標)960、Nucrel(商標)0407、Nucrel(商標)0609、Nucrel(商標)1214、Nucrel(商標)2906、Nucrel(商標)2940、Nucrel(商標)30707、Nucrel(商標)31001、およびNucrel(商標)AEの酸コポリマー;The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、Primacor(商標)3150、3330、59801、および59901の酸コポリマー;Chemtura Corporationから商業的に入手可能な、Royaltuf(商標)498の非晶質EPDMをベースにした無水マレイン酸修正ポリオレフィン;Arizona Chemicalから商業的に入手可能な。Sylfat(商標)FA2のトールオイル脂肪酸;E.I.du Pont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Vamac(商標)Gのエチレン、メチルアクリレートおよび硬化サイトモノマーのターポリマー;および、The Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、アクリル酸含有量が13.5%のXUS60758.08Lエチレンアクリル酸コポリマーである。
種々の組成物が、以下の表IIIに示される成分を用いて溶融ブレンドされた。組成物は、成分1および3の中に存在する酸基の110%を理論上中和するのに十分な量だけカチオン源を添加することにより、中和され、ただし、例72を除く。この例72では酸基の75%を中和するのに十分な量だけカチオン源が添加された。水酸化マグネシウムがカチオン源として利用された。ただし、水酸化マグネシウムおよび水酸化ナトリウムが4:1の当量比で用いられた例68を除く。成分1〜3およびカチオン源に加えて、例71はエチレンオレエート可塑剤を含む。
使用された成分1および成分2の相対量は以下の表IIIに示され、成分1および2の結合重量を基準にしてwt%で報告される。使用された成分3の相対量は以下の法IIIに示され、組成物の総重量を基準にしたwt%で報告される。
各組成物のソリッド球は射出成型され、生成された球のソリッド球COR、圧縮、ショアD硬度、ショアC硬度が、2週間後に測定された。その結果は以下の表IVに報告される。球の表面硬度は、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボール組立体をデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータを硬度測定に用いる。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし、自動スタンドの基部に取り付けなければならない。デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。
**は測定されない。
*球が測定中に破損した。
数値下限および数値上限がここで示されるときには、これらの値に任意の組み合わせが採用できると理解されたい。ここに引用した全ての特許、刊行物、テスト手順書、および他の参考文献は、さらに優先権ドキュメントも含んで、参照してここに組み入れる。ただし、それは、そのような開示がこの考案と一貫性を有する範囲であり、そのような参照による組み込みを法令が許容する範囲である。
Tc(2)可塑化熱可塑性組成物
全般的には、この考案のゴルフボールの外側コア層を形成するのに使用される熱可塑性組成物は、(a)オプションとしてアルキルアクリレートおよびメタクリレートからなるグループから選択された軟化モノマーを含む、エチレンおよびα,β−不飽和カルボン酸のコポリマー、並びに(b)可塑剤を有して良い。カチオン源は、組成物中に存在するすべての酸基を約0%から約100%だけ中和するのに十分な量だけ存在して良い。好ましい実施例において、カチオン源は、組成物中に存在するすべての酸基の20%より多くを中和するのに十分な量だけ存在する。1実施例において、熱可塑性組成物は脂肪酸塩を有する。
組成物は高度に中和されたポリマー(HNP);部分的に中和された酸ポリマー;またはわずかに中和された、またはまったく中和されていない酸ポリマー、およびこれらのブレンドを有して良く、これは以下にさらに説明する。例えば、上述した、Tc(1)の高度に中和されたポリマーが適切である。
熱可塑性組成物は、さらに、非酸ポリマー並びにオプションの添加物およびフィラーを有して良い。適切な非酸ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合化ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、および、これらの官能化誘導体を含む。
種々の可塑剤を内側コアの組成物中に使用して良い。例えば、熱可塑性組成物は、脂肪酸エステル、とりわけ、アルキルオレエート、および、より具体的にはエチルオレエートを含んで良い。熱可塑性組成物は、組成物の重量を基準にして、約3から約50重量%の可塑剤、より好ましくは約8から約42重量%、さらに好ましくは約10から約30重量%の可塑剤を有して良い。
この考案の可塑化HNP組成物は、オプションとして1または複数のメルトフロー修正剤を含んでも良い。組成物中のメルトフロー修正剤の量は、ASTM D−1238、条件E、190°Cで、2160グラムの錘を用いて測定したときに、組成物のメルトフロー指数が少なくとも0.1g/10分、好ましくは0.5g/10分〜10.0g/10分、さらに好ましくは1.0g/10分〜6.0g/10分の範囲であるように、容易に決定される。
慣用的なメルトフロー修正剤がこの考案の可塑化HNP組成物に付加されることは必要ではない。そのようなメルトフロー修正剤はオプションである。メルトフロー修正剤が添加される場合には、伝統的なメルトフロー修正剤のグループから選択されて良く、そのようなメルトフロー修正剤は、これに限定されないが、上述の高分子量の有機酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびそれらの組み合わせを含む。適切な有機酸は、脂肪族有機酸、芳香族有機酸、飽和モノ官能性有機酸、不飽和モノ官能性有機酸、マルチ不飽和モノ官能性有機酸、およびそれらのダイマー誘導体である。米国特許第7,365,128号および同第7,402,629号に開示された非酸メルトフロー修正剤も適切であり、これらの内容は参照してここに組み入れる。しかしながら、上述のとおり、所定の可塑剤がこの考案の組成物に添加され、そのような可塑剤はいくつかの場合に組成物のメルトフローを修正できると考えられる。
適切なアイオノマー組成物は、それぞれ部分的なまたは高度に中和された、1または複数の酸ポリマー、ならびに、オプションの添加物、フィラー、および/またはメルトフロー修正剤を有する。適切な酸ポリマーは、α,β−エチレン系不飽和モノ−またはジカルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーの塩、およびこれらの組み合わせであり、これはオプションとして軟化用モノマーを含み、好ましくは、1wt%から30wt%、より好ましくは5wt%から20wt%の酸含有量(中和される前)を有する。酸ポリマーは、好ましくは、金属カチオンおよびその塩、有機アミン化合物、アンモニウム、およびこれらの組み合わせのような、適切なカチオン源によって70%以上、100%を含むまで、中和される。好ましいカチオン源は、金属カチオンおよびその塩であり、ここで、金属は好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウム、マンガン、ニッケル、クロム、銅、またはこれらの組み合わせである。
適切な添加物およびフィラーは、例えば、化学膨張および発泡剤、光学的明色化剤、着色剤、蛍光剤、白色剤、UV吸収剤、光安定剤、消泡剤、処理助剤、雲母、タルク、ナノフィラー、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、衝撃修正剤、酸コポリマーワックス、界面活性剤;無機フィラー、例えば、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化錫、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、雲母、タルク、クレイ、シリカ、鉛シリケート、その他;高比重金属粉末フィラー、例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末、その他;リグランドすなわち粉砕してリサイクルしたコア材料;およびナノフィラーを含む。適切なメルトフロー修正剤は、例えば、脂肪酸およびその塩、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素、多価アルコール、およびこれらの組み合わせを含む。
適切なアイオノマー組成物は、例えば、その内容を参照してここに組み入れる、米国特許出願公開第2006/0128904号に開示されているような部分的に中和されたアイオノマーを、高度に中和されたポリマー(すなわち70%以上中和されたもの)にブレンドしたものを含む。適切なアイオノマー組成物は、1または複数の部分的にまたは高度に中和されたポリマーの付加的な熱可塑性および熱硬化性材料とのブレンドも含み、これはそれに限定されないが非アイオノマー性酸コポリマー、エンジニアリング熱可塑性材料、脂肪酸/塩ベースの高度に中和されたポリマー、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル、ポリカーボネート/ポリエステルブレンド、熱可塑性エラストマー、無水マレイン酸グラフト化メタローセン触媒ポリマーおよび他の慣用的なポリマー材料を含む。適切なアイオノマー組成物は、さらに、米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号並びに米国特許出願公開第2006/0106175号に開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
商業的に入手可能な熱可塑性材料の例は、これに限定されないが、Arkema Incから商業的に入手可能なPebax商標)熱可塑性ポリエーテルブロックアミド;Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、Hytrel(商標)熱可塑性ポリエステルエラストマー、DuPont HPF 1000、HPF 2000、HPF AD 1035、HPF AD 1040の商標の下で販売されているアイオノマー材料であって、すべてE.I.DuPont社から商業的に入手可能なもの;ExxonMobil Chemical社から商業敵意入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarixアイオノマー樹脂;BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標)ポリウレタンブレンドベースの熱可塑性エラストマー;およびSABIC Innovative Plastics社から商業的に入手可能なXylex(商標)ポリカーボネート/ポリエステルブレンドを含む。
熱可塑性組成物は、カバー層を形成するのに適切なものとして以下にさらに説明され、この熱可塑性組成物は、また、一度、この考案に従って可塑化されると、ここでのゴルフボールのコアおよびカバーを形成するのにも適切である。
具体的な実施例において、可塑化熱可塑性コアまたはカバー組成物は、オプションとして、無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、およびこれらの2またはそれ以上のブレンド、および、可塑剤とブレンドされた、部分的に、および、高度に中和されたアイオノマーからなるグループから選択された材料を有する。
他の具体的な実施例において、可塑化熱可塑性コアまたはカバー組成物は、2またはそれ以上のアイオノマーおよび可塑剤のブレンドである。この実施例の具体的な側面において、熱可塑性組成物は、50wt%/50wt%の異なる部分的に中和されたエチレン/メタクリル酸ポリマーである。他の具体的な実施例において、可塑化熱可塑性コアまたはカバー組成物は、1または複数のアイオノマーと、無水マレイン酸グラフト化非アイオノマー性ポリマーと、可塑剤とのブレンドである。この実施例の具体的な側面において、非アイオノマー性ポリマーは、メタローセン触媒ポリマーである。この実施例の他の具体的な側面において、アイオノマーは部分的に中和されたエチレン/メタクリル酸ポリマーであり、非アイオノマー性ポリマーは無水マレイン酸グラフト化メタローセン触媒ポリマーである。この実施例の他の具体的な側面において、アイオノマーは部分的に中和されたエチレン/メタクリル酸ポリマーであり、非アイオノマー性ポリマーは無水マレイン酸グラフト化メタローセン触媒ポリエチレンである。
可塑化熱可塑性コア層は、オプションで熱硬化性ジエン組成物と一緒に処理され、または混合され、オーバーモールド時に流れ出すのを減少または防止する。オプションの処理は、モールドに先立つ過酸化物の材料への添加、または、例えば、架橋溶液、電子ビーム、ガンマ線照射、イソシアネートまたはアミン溶液処理等のモールド後の処理を含む。熱硬化性層が熱可塑性層の上に熱可塑性層を架橋するのに必要な温度で、典型的には280°Fから360°Fで、約5〜30分の間、モールドされるので、そのような処理は熱可塑性相が溶融し、流れだし、またはモールド赤道から「漏れ」(leaking)出すのを防止できる。
適切な熱可塑性コア層組成物は、この考案に従って可塑化され、さらに、例えば米国特許第5,919,100号、同第6,872,774号、および、同第7,074,137号に開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
先に検討したように、好ましい実施例において、酸コポリマー中の酸基の少なくとも70%は中和され、これらの材料はここではHNP組成物と呼ばれる。しかしながら、この考案に従って他の酸コポリマー組成物が使用されて良い。例えば、酸基が約20%から約70%未満まで中和されている酸コポリマー組成物を使用して良く、これらは部分的に中和されたアイオノマーと呼ばれて良い。例えば、部分的に中和されたアイオノマーは、約30%から約65%、より具体的には約35%から約60%の中和レベルを有して良い。
好ましいアイオノマーは、O/XおよびO/X/Yタイプの酸コポリマーの塩であり、ここで、Oはα−オレフィン、XはC−Cα,βエチレン系不飽和カルボン酸、Yは軟化モノマーである。Oは好ましくはエチレンおよびプロピレンから選択される。Xは好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびイタコン酸から選択される。メタクリル酸およびアクリル酸がとくに好ましい。ここで使用されるように「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートおよびアクリレートを意味する。Yは好ましくは(メタ)アクリレートおよびアクリル(メタ)アクリレートであり、アクリル基は1〜8の炭素原子を含む、これに限定されないが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートを含む。
好ましいO/XおよびO/X/Y−タイプのコポリマーは、非制約的には、エチレン酸コポリマー、例えば、エチレン/(メタ)アクリル酸、エチレン/(メタ)アクリル酸/マレイン酸無水物、エチレン/(メタ)アクリル酸/マレイン酸モノ−エステル、エチレン/マレイン酸、エチレン/マレイン酸モノ−エステル、エチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソ−ブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/エチル(メタ)アクリレートターポリマー、その他を含む。用語「コポリマー」はここで用いられるように二種類のモノマーを伴うポリマー、三種類のモノマーを伴うポリマー、4以上の種類のモノマーを伴うポリマーを含む。好ましい、α,β−エチレン系不飽和モノ−またはジ−カルボン酸は、(メタ)アクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、である。(メタ)アクリル酸が最も好ましい。ここで用いられるように「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味し、同様に、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。
O/XおよびO/X/Y−タイプのコポリマーは、カチオン源で少なくとも部分的に中和される。適切なカチオン源は、これに限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、および希土類元素の化合物のような金属イオン源;アンモニウム塩およびモノアミン塩;およびこれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、鉛、錫、アルミニウム、ニッケル、クロム、リチウム、および希土類金属の化合物である。
また、先に検討したように、カチオン源はオプションであると考えられ、非中和またはわずかに中和された組成物を使用して良い。例えば、0%から20%未満までの中和レベルの酸コポリマーを使用して良い。可塑剤を含有し、酸基がゼロパーセントも中和されていない酸コポリマー組成物をこの考案に使用して良い。また、可塑剤を含有し、1から10%の酸基が中和されている酸コポリマーアイオノマー組成物を使用して良い。具体的には、約3%から約18%、より具体的には約6%から約15%の中和レベルの酸ポリマーをこの考案に従って使用して良い。
また、酸コポリマーブレンドを準備して良く、これは、それに限定されないが、(i)2またはそれ以上の部分的に中和されたアイオノマーのブレンド、(ii)2またはそれ以上の高度に中和されたアイオノマーのブレンド、(iii)2またはそれ以上の非中和酸コポリマーおよび/または低度に中和されたアイオノマーのブレンド、(iv)1または複数の高度に中和されたアイオノマーの、1または複数の部分的に終話されたアイオノマーおよび/または程度に中和されたアイオノマーおよび/または非中和酸コポリマーとのブレンド、(v)部分的に中和されたアイオノマーの、1または複数の高度に中和されたアイオノマーおよび/または程度に中和されたアイオノマーおよび/または非中和酸コポリマーとのブレンドから形成された酸コポリマー組成物を含む。
先に検討したように、この考案のエチレン酸ポリマー組成物は、可塑剤を含む。可塑剤を添加すると、組成物のガラス転移点温度(Tg)を減少させるのに役立つ。ポリマーのガラス転移は、それより下では、ポリマーが比較的脆く、それより上ではゴム状である範囲である。Tgを減少させるのに加えて、可塑剤は、Tgより上の温度範囲でtanδも減少させることができる。ポリマーのTgは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter)または動的機械分析計(Dynamic Mechanical Analyzer。DMA)によって測定され、DMAはtanδを測定するのに使用される。可塑剤は、また、非可塑化条件に較べた場合に組成物の硬度および圧縮を減少させることができる。可塑剤を非酸ポリマーに添加することによる、Tg、曲げ弾性率、硬度、および他の物理特性に与える効果についてさらに以下で検討する。
エチレン酸ポリマー組成物は1または複数の可塑剤を含んで良い。この考案の非酸ポリマー組成物に使用されて良い可塑剤は、例えば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA);N−エチルベンゼンスルホンアミド(EBSA);N−プロピルベンゼンスルホンアミド(PBSA);N−ブチル−N−ドデシルベンゼンスルホンアミド(BDBSA);N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(DMBSA);p−メチルベンゼンスルホンアミド;o,p−;;p−トルエンスルホンアミド;2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート;ヘキサデシル−4−ヒドロキシベンゾエート;1−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;ジオクチルフタレート;ジイソデシルフタレート;ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート;およびトリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート;およびこれらのブレンドを含む。
1つの好ましいバージョンにおいて、可塑剤は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(商標PolyTHF250の下でBASFから入手可能);プロピレンカーボネート(商標Jeffsol PCの下でHutsman Corpから入手可能);および/またはジプロピレングリコールジベンゾエート(商標Benzoflex 284の下でEastman CHemicalから入手可能)のグループから選択される。こられ可塑剤の混合物も利用できる。
他の適切な可塑剤化合物は、ベンゼンモノ−、ジ−、およびトリカルボン酸エステルを含む。ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジ−n−ブチルフタレート(DnBP、DBP)、ブチルベンジルテレフタレート(BBT)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジオクチルフタレート(DnOP)、ジオクチルフタレート(DIOP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジイソブチルテレフタレート(DIBP)、およびジ−n−ヘキシルフタレート、およびこれらのブレンドのようなフタレートが用いられて良い。また、トリメチルトリメリテート(TMTM)、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM)、トリ−(n−オクチル,n−デシル)トリメリテート、トリ−(ヘプチル,ノニル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテートのようなトリメリテート;ならびに、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−オクチルベンゾエート、メチルベンゾエート、およびエチルベンゾエート、およびこれらのブレンドを含むベンゾエートも適切である。
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、およびマレイン酸のようなC4〜C12のアルキルカルボン酸に一般的に基づくアルキル二酸エステル、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート(DEHA)、ジメチルアジペート(DMAD)、モノメチルアジペート(MMAD)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DBS)、ジブチルマレエート(DBM)、ジイソブチルマレエート(DIBM)、ジオクチルセバケート(DOS)、およびこれらのブレンドも適切である。また、グリコール、ポリグリコール、多価アルコールに基づくエステル、例えば、ポリ(エチレングリコール)モノ−およびジ−エステル、シクロヘキサンジメタノールエステル、ソルビトール誘導体;およびトリエチレングリコールジヘキサノエート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、およびエチレングリコールジオレエート、およびこれらのブレンドを用いて良い。
脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、および脂肪酸エステルもこの考案の組成物において使用されて良い。ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸、およびラウリン酸のエステル、塩、および、モノ-、およびジ−アミドのような化合物も適切である。エチルオレエート、ブチルステアレート、メチルアセチルリシノーレエート、亜鉛オレエート、エチレンビス−オレアミド、およびステアリルエルカミドが適切である。適切な脂肪酸塩は、例えば、金属ステアレート、エルケート、ラウレート、オレエート、パルミテート、ペラルゴネート等を含む。例えば、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、バリウムステアレート、その他のような脂肪酸塩が用いられて良い。脂肪族アルコールおよびアセチル化脂肪族アルコールも、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートのようなカーボネートエステルと同様に、適切である。とくに好ましいバージョンにおいて、脂肪酸エステル、エチルオレエートが可塑剤として使用される。
大豆油、キリ油(tung)、またはアマニ油(linseed)、またはこれらのエポキシ化誘導体、あるいは、これらのブレンドのようなグリセロールに基づくエステルもこの考案の可塑剤として使用でき、これは、二酸およびジグリコールのエステル化や、カプロラクトンの二酸またはジグリコールの開環反応から形成されるポリマーポリエステル可塑剤と同様である。シトレートエステルおよびアセチル化シトレートエステルも適切である。グリセロールモノ−、ジ−、およびトリ−オレエートはこの考案に使用して良く、1つの好ましい実施例においてグリセロールトリオレエートが可塑剤として使用される。
カルボン酸エステルおよびカルボン酸塩の双方を含むジカルボン酸分子は可塑剤として適切に作用できる。モノ−メチルアジペートのマグネシウム塩およびモノ−オクチルグルタレートの亜鉛塩はこの考案のためのそのような2つの例である。トリ−およびテトラ−カルボン酸エステルおよび塩も使用して良い。
また、トリクレシルホスフェート(TCP)、トリブチルホスフェート(TBP)、オクチルジフェニルホスフェート、アルキルスルホン酸フェニルエステル(ASE)のような有機リン酸エステルおよび有機硫黄化合物;これらのブレンド;N−エチルトルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドのようなスルホンアミドも適切な可塑剤と考えられる。さらに、上述の可塑剤のチオエステルおよびチオエーテル変種も適切である。
アルコール、多価アルコール、グリコール、ポリグリコール、およびポリエーテルのような非エステルの可塑剤も可塑剤として適切な材料である。ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(エチレングリコール)、およびポリ(プロピレングリコール)、オレイルアルコール、およびセチルアルコールのような材料も使用して良い。炭化水素化合物は、飽和でも不飽和でも、直鎖でも環状でも使用でき、例えば、ミネルルオイル、マイクロクリスタリンワックス、または低分子量ポリブタジエンがそうである。ハロゲン化された炭化水素も使用可能である。
この考案のエチレン酸コポリマー組成物中に使用されて良い可塑剤の他の例は、ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA)、エチルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(EHPB)、およびデシルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(DHPB)を含み、これは米国特許第6,376,037号(Montanari等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジウンデシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテトロヒドロフタレートを含むフタル酸エステルのようなエステルおよびアルキルアミドも使用されて良く、これは米国特許第6,538,099号(Isobe等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
米国特許第7,045,185号(Jacques等)は、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、エチルトルエン−スルホンアミド、N−シクロヘキシルトルエンスルホンアミド、2−エチルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、2−デシルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、オリゴエチレンオキシテトラヒドロフルフリルアルコール、またはオリゴエチレンオキシマロネートのようなスルホンアミド;ヒドロキシ安息香酸のエステル;テトレヒドロフルフリルアルコ、およびールのエステルまたはエーテル、およびクエン酸またはヒドロキシマロン酸のエステルを開示しており、これら可塑剤も使用されて良く、その内容は参照してここに組み入れる。
スルホンアミドもこの考案に使用されて良く、これら材料は、米国特許第7,297,737号(Fish,Jr.等)に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。そのようなスルホンアミドの例は、N−アルキルベンゼンスルホンアミド、およびトルエンスルホンアミド、とくに、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−エチル−o−トルエンスルホンアミド、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドが含まれる。そのようなスルホンアミド可塑剤も米国特許出願公開第2010/0183837号(Hoshstetter等)に説明され、その内容は参照してここに組み入れる。
先に指摘したように、脂肪酸エステルが、この考案において、とりわけ好ましい可塑剤である。この脂肪酸エステルは、ポリエステルに基づく組成物において可塑剤として良好に働くことがわかった。これら脂肪酸エステルは、いくつかの有益な特性を有する。例えば、脂肪酸エステルはポリエステルコポリマーとコンパチブルであり、酸コポリマーと一様かつ完全に混合する傾向がある。また、脂肪酸エステルは、組成物の弾力性および/または圧縮を改善する傾向があり、これは以下にさらに検討する。ポリエステルコポリマー/可塑剤の組成物は、この組成物の基本的かつ新規な特徴に実質的に悪影響を与えない他の成分を含んで良い。例えば、鉱物フィラーを先に検討したように添加して良い。1つの具体的なバージョンでは、組成物は実質的には先に説明したポリエステルコポリマーと、可塑剤、とくに脂肪酸エステルとからなる。他の具体的なバージョンにおいて、組成物は、実質的には、エチレン酸コポリマー、当該組成物流に存在する酸基の少なくとも20%を中和させるのに十分なカチオン源、および可塑剤、特に脂肪酸エステルからなる。
脂肪酸エステルを準備する1つの方法は、脂肪酸または脂肪酸の混合物を対応するアルコールと反応させることを含む。アルコールは任意のアルコールであって良く、これに限定されないが、直鎖、分岐、および環状アルコールを含む。脂肪酸エステルは、一般的に、4個から30個の炭素原子を含むカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、または他のアルキルエステルである。この考案において、その特性ゆえに、エチル、ブチル、オクチル、およびデシルエステル、とりわけ、エチルオレエート、ブチルオレエート、およびオクチルオレエートが好ましい脂肪酸エステルである。カルボン酸は飽和でも不飽和でも良い。適切な飽和カルボン酸、すなわち、アルキル鎖の炭素が単一結合で連結されている脂肪酸は、これに限定されないが、酪酸(Cの鎖長で88.1の分子量)、カプリン酸(C10、172.3のMW)、ラウリン酸(C12、200.3のMW)、ミリスチン酸(C14、228.4)、パルミチン酸(C16、256.4のMW)、ステアリン酸(C18、284.5のMW)、およびベヘン酸(C22、380.6のMW)を含む。適切な不飽和カルボン酸、すなわち、アルキル基中の炭素原子の間に1または複数の二重結合があるカルボン酸は、これに限定されないが、オレイン酸(C18:1の鎖長および不飽和度で282.5のMW)、リノール酸(C18:2で280.5のMW)、リノール酸(C18:3で278.4のMW)、およびエルカ酸(C22:1で338.6のMW)を含む。
可塑剤は、非酸ポリマーの剛性および/または硬度を実質的に変化させるのに十分な量だけ非酸ポリマー組成物に付加されるべきであると信じられる。そして、この考案による、いくつかの非酸ポリマー組成物を形成するために可塑剤の濃度は1%程度と少なくても良いけれども、濃度は相対的により大きいことが好ましい。例えば、可塑剤の濃度は少なくとも3重量パーセント(wt%)であることが好ましい。より具体的には、可塑剤は、下限が1%または3%または5%または7%または8%または10%または12%または15%または18%で上限が20%または22%または25%または30%または35%または40%または42%または50%または55%または60%または66%または71%または75%または80%の範囲内の量だけ存在することが好ましい。1つの好ましい実施例において、可塑剤の濃度は約7%から約75%、好ましくは約9%から約55%、より好ましくは約15%から約50%の範囲内である。
可塑剤をエチレン酸ポリマーに添加すると、組成物をより柔らかく、かつゴム状にするのを支援すると信じられる。可塑剤を組成物に添加すると組成物の剛性を減少させるのに役立つ。すなわち、可塑剤は、組成物の曲げ弾性率を低下させるのに役立つ。曲げ弾性率は弾性限界内における応力の歪みに対する比を指し(曲げモードにおける測定において)、引張弾性率と類似している。この特性は、材料の曲げ剛性を示すのに使用される。曲げ弾性率は、弾性係数であり、曲げ試験の際の応力−歪み曲線の直鎖部分のスロープを計算して決定される。応力−歪み曲線のスロープが比較的急峻なときには、材料は比較的大きな曲げ弾性率を有し、これは材料が変形に抗することを意味する。この材料はより堅固なものである。スロープが比較的平らなときには、材料は比較的小さな曲げ弾性率を有し、これは材料がより容易に曲げられることを意味する。この材料はより柔軟性がある。曲げ弾性率はASTM D790やその他の試験手順によって決定できる。そして、1実施例において、第1の非酸コポリマー(非酸ポリマーのみ含む)組成物は第1の曲げ弾性率の値を有し、および第2の非酸ポリマー(非酸ポリマーおよび可塑剤を含む)の組成物は第2の曲げ弾性率の値を有し、第2の曲げ弾性率の値は、少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも4%、または少なくとも8%、または少なくとも10%だけ、第1の曲げ弾性率の値より小さい。
この考案の可塑化組成物は、どのような具体的な製造方法や製造装置にも限定されない。好ましい実施例では、組成物はつぎのような方法で準備される。非酸ポリマーおよび可塑剤、ならびにオプションの添加物/フィラーを同時にまたは個別に、溶融押出機、例えば、シングルまたはツインスクリュー押出機に供給する。可塑剤を組成物中に組み込む他の適切な方法は以下にさらに説明される。各成分は十分に混合された後、金型ヘッドからストランドとして押し出される。可塑剤を熱可塑性組成物中に組み入れる付加的な方法は、本出願人の出願に係る米国特許出願第13/929,841号、さらには、米国特許第8,523,708号、および同第8,523,709号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
より具体的には、1実施例において、非酸ポリマー/可塑剤の組成物の曲げ弾性率の下限は、約500(またはそれ以下)、1000、1600、2000、4200、7500、9000、10000、または2000、または40000、または50000、または60000、または70000、または80000、または90000、または100000であり、その上限は、約110000、または120000、または130000psi、または140000、または160000、または180000、または200000、または300000、または、より大きい。一般的には、曲げ弾性率および硬度の特性は関連しており、曲げ弾性率は材料の曲げに対する抵抗を測定し、硬度は材料の食い込み(indentation)に対する抵抗を測定する。一般的には、材料の曲げ弾性率が増加すると材料の硬度も増加する。先に検討したように、可塑剤を非酸ポリマーに添加すると、組成物の曲げ弾性率を減少させるのに役立ち、これは、ある程度、硬度を減少させるのにも役立つ。したがって、1実施例において、非酸ポリマー/可塑剤の組成物は比較的柔らかく、40ショアD以下または55ショアC以下の硬度を有する。例えば、ショアD硬度は、下限が5または8または10または12または14で、上限が28または30または32または34または35または38または40ショアDの範囲内であって良い。ショアC硬度は、下限が10または13または15または17または19で、上限が44または46または48または50または53または55ショアCの範囲内であって良い。他の実施例において、非酸ポリマー/可塑剤の組成物は適度に柔らかく、約60ショアD以下または75ショアC以下の硬度を有する。例えば、ショアD硬度は、下限が25、28、20、32、35、36、38、または40で、上限が42、45、48、50、54、56、または60の範囲内であって良い。ショアC硬度は、下限が30、33、35、37、39、41、または43で、上限が62、64、66、68、71、73、または75ショアCの範囲内であって良い。さらに他の実施例において、非酸ポリマー/可塑剤の組成物は適度に硬く、95ショアD以下、または99C以下である。例えばショアD硬度は、下限が42、44、47、51、53、または58で、上限が60、65、72、77、80、84、91、または95ショアDの範囲内であって良い。ショアC硬度は、下限が57、59、62、66、または72で、上限が約75、78、84、87、90、93、95、97、または99ショアCの範囲内であって良い。
また、可塑剤をエチレン酸ポリマー組成物に添加すると、多くの場合、組成物のガラス転移点(Tg)が減少するのに役立つと信じられる。したがって、1実施例において、第1の非酸ポリマー(非酸ポリマーのみ含む)組成物は第1のTgの値を有し、第2の非酸ポリマー(非酸ポリマーおよび可塑剤を含む)組成物は第2のTgの値を有し、第2のTgの値は、少なくとも1度(1°)、または少なくとも2°、または少なくとも4°、または少なくとも8°、または少なくとも10°だけ、第1のTgの値より小さい。他の実施例において、第1のTgの値と第2のTgの値とはほぼ同一である。
さらに、この考案の特定の可塑剤を非酸ポリマー組成物中に導入すると(ソリッド球に成型されて試験されたとき)、一般的には、非可塑化組成物(ソリッド球に成型されて試験されたとき)と較べたときに、圧縮を減少させ、かつ/あるいは、組成物のCORを増大させるのに役立つ。可塑化非酸ポリマー組成物は、典型的には、非可塑化組成物に較べ、小さな、大きくても同等な圧縮を提示し、他方、可塑化組成物は、非可塑化組成物に較べ、大きな、少なくとも同等なCOR値を提示する。この効果は驚くものであり、なぜならば、多くの慣用的な組成物においては、組成物の圧縮は、CORが増加するときに、増加するからである。いくつかの例において、組成物を可塑化すると、CORを若干減少させ、他方、これと同時に、圧縮を大幅に減少させ、これによって、非可塑化組成物に較べて、圧縮/CORの関係を全体的に改善することができる。この点について、以下の表Vから表VIIは、HPF、Surlyn、およびNucrel組成物のそれぞれについて比較している。
HPF AD1035はDuPont Companyから入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂である。
HPF AD1035SoftはDuPont Companyから入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂である。
HPF 2000はDuPont Companyから入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂であり、EOはエチルオレエート(可塑剤)である。

Surlyn9320はDuPont Companyから入手可能な、23.5%のn−ブチルアクリレート、および、亜鉛カチオン源で約41%が中和されている、約9%のメタクリル酸とのエチレンのコポリマーである。
Nucrel 9−1はDuPont Companyから入手可能な、23.5%のn−ブチルアクリレート、および、非中和の、約9%のメタクリル酸とのエチレンのコポリマーである。
Tc(3)透明または可塑化ポリアミド組成物
透明ポリアミドは、それ自体で、ホモポリマー、ブロックコポリマーを含むコポリマー、またhこれらのブレンドおよびアロイを有して良い。1つの好ましい実施例において、組成物は、さらに、酸無水物修正ポリオレフィンおよび/または可塑剤を、いかに検討するように有する。用語「ポリマー」は、これに限定されないが、オリゴマー、コポリマー、ターポリマー等を指す。ポリマーは種々の構想を有して良く、これに限定されないが、規則的、非規則的、交互的、周期的、ランダム、ブロック、グラフト、直鎖、分岐、イソタクティック、、シンディオタクティック、タクティックトウを含む。ポリアミドポリマーは、これに限定されないが、二種類のモノマーを具備するポリアミドコポリマー(コポリアミド)、3種類のモノマーを具備するコポリマー、および、3より多くの種類のモノマーを具備するコポリマーを含む。ポリアミドのブレンドおよびアロイもこの考案に従って製造して良く、これについてはいかに説明する。
一般的に、透明ポリアミドは微結晶性構造または非晶質構造を有するものとして分類される。微結晶および非晶質の透明ポリアミドの双方ともこの考案において利用して良い。透明ポリアミドが好ましくは組成物中に含まれるけれども最終的な組成物は透明、半透明、不透明の光学特性を有して良いことに留意されたい。すなわち、最終的な組成物は種々の添加物を含んで良く、これには、フィラー、着色剤、染料、顔料、その他、組成物の光学特性に影響を与えるものが含まれる。用語「半透明」はここで用いられるようにASTM D1003のテスト手順に従い、Illuminate C光源を用いて、1%より多くの光投下を伴うことを意味する。代替的には、ポリアミド組成物は、ISO 13468−1,2により、2mm厚保のサンプルを用い、560nmの波長で測定したときに、少なくとも約50%、より好ましくは下限が約50%または55%または60%または65%または70%で上限が約75%または80%または85%または90%または95%以上の範囲内の透明性を有する。
この考案のゴルフボールの外側コア層に使用して好適な、商業的に入手可能な透明性ポリアミドポリマーは以下のものである。すなわち、Platamid(商標)8020のようなコポリアミド;Rilsan(商標)Clear G170のような準芳香族透明性ポリアミド;Rilsan(商標)G120 Rnewのような透明性ポリアミド;Rilsan(商標)G830 RenewおよびG830L Renew;Rilsan(商標)G850;Rilsan(商標)Clear G350およびG350L;Rilsan(商標)G300 HI;および、Rilsan(商標)Clear G830のような、生物未加工素材に部分的に基づく透明性ポリアミドを含み、これらはすべてArkema、Inc(キングオブプルシャ、ペンシルベニア州)から入手可能である。他の適切な材料は、BASFから入手可能なUltramid(商標)ポリアミド;およびDuPontから入手可能なZytel(商標)およびDartek(商標)ナイロン樹脂を含む。EMS−Chemie AG(Domat/EMS、スイス)は種々のグレードの透明性ポリアミドを、Geilamidマークの下で、供給し、これはGrilamid(商標)TR30、TR55、TR90、XE3997、XE4028グレードを含み、これらポリアミドはこの考案で使用して良い。Grivory(商標)GおよびGTR透明性ポリアミドもEMS−Chemie AGから入手可能であり、この考案の組成物中に使用して良い。
他の適切なポリアミドは、Evonik Industries、AG(エッセン、ドイツ)かる入手可能なTrogamid(商標)およびVestamid(商標)グレード;Kolon Plastics、Inc(ジョンサンロクド、韓国)から入手可能なKopa(商標)グレード;Lanxess AG(ケルン、ドイツ)から入手可能なDurethan(商標)グレード;Mitusi Chemical(東京、日本)から入手可能なArlen(商標)グレード;およびAshley Polymers(ブルックリン、ニューヨーク州)から入手可能な、Ashlene(商標)726SB、746、747、747、851、D870およびD879Lのような透明性非晶質ナイロンを含む。その他の適切なポリアミドは、Radici Radilon(商標)CSTコポリアミド(Chgnolo d'lsola、イタリア);Shakespeare Isoco(商標)CN30XTおよびCN30BTナイロン610樹脂(SC、コロンビアのJarden Applied Materialsが保有するShakespeare Engineered Nyrons);Toyobo Glamide(商標)T−714Eナイロン(大阪、日本);TP Composite Elastoblend(商標)PA12 CL ナイロン(Aston、PA);および、Haneywell Plastics(Morris Township、NJ)から入手可能なAegis(商標)ポリアミド組成物を含む。透明性ポリアミドは、これに限定されないが、ポリエーテル−アミド、ポリエーテル−エステル−アミドブロックコポリマーを含み、これらはこの考案に使用されてとくに適切であり、より具体的には、透明性ポリアミドコポリマー、Rilsan Clear G300 HI、Pebax Clear 300、およびPebax 400がとりわけ有益であり、Arkema、Inc(キングオブプルシャ、ペンシルベニア州)から入手可能である。
他方、適切な透明ホモポリアミドおよびコポリアミドの例は、非晶質であり、または若干の結晶性を示し、米国特許出願公開第2010/0140846号;米国特許第6,376,037号(Montanari等);および米国特許第8,399,557号(Montanari等)に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。また、ジアミンをジカルボン酸またはラクタムで縮合することにより形成されて良い、適切な非晶質透明または半透明ポリアミド;および2またはそれ以上の異なるポリアミドのブレンドまたはアロイは、米国特許出願公開第2012/0223453号に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。
さらに、ポリエーテルブロックおよびポリアミドを含有するコポリマーのような適切なポリアミドコポリマーは、米国特許出願公開第2013/0202831号("831公開")に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。"831公開"に説明されているポリアミドコポリマーは以下の特性を有し、すなわち、EN166スタンダードに従う少なくとも76.2m/s(250ft/s)の高速度衝撃に耐性を有し;ISO179leUスタンダードに従う少なくとも90kJ/mのシャルピー(Charpy)ノッチ衝撃強度を有し;また、好ましくは、ISO22088−3スタンダードに従い、溶媒中に漬けることにより、破断することなく少なくとも3%だけ、屈曲状態で、変形することができるような化学耐性を有し;軽量で、ISO1183Dスタンダードに従い、1.05g/cmの密度しか有さず;柔軟性があり、ISO527−2:93−1BAスタンダードに従い測定して1000MPa未満、好ましくは800MPa未満の弾性係数を有する。
適切な透明ポリアミドはさらに米国特許第6,528,560号(Buhler);米国特許第6,831,136号(Torre等);米国特許第6,943,231号(Buhler);米国特許第8,309,643号(Thullen等);米国特許第8,507,598号(Buhler);および米国特許出願公開第2010/0203275号に説明されており、これらの内容は参照してここに組み入れる。
一般的に、ポリアミドは、アミド結合(−CONH−)が分子鎖の長さ方向に沿って生じる高分子量ポリマーである(Hawley's Condensed Chemical Dictionary、13版)。この考案の組成物に使用して好適なポリアミドは、例えば、(1)(a)シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のようなジカルボン酸を、(b)エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、またはデカメチレンジアミン、1,4−シクロヘキシルジアミン、またはm−キシレンジアミンのようなジアミンで、縮重合し;(2)ε−カプロラクタムまたはω−ラウロラクタムのような環状ラクタムの開環重合を行い;6−アミノカプロン酸、9−アミノカプロン酸、11−アミノカプロン酸、または12−アミノカプロン酸のおうなアミノカプロン酸の縮重合を行い;または、環状ラクタムをジカルボン酸およびジアミンで共重合することにより取得して良い。適切なポリアミドの具体的な例は、これに限定されないが、ナイロン6、ナイロン6,6;ナイロン6,10;ナイロン11およびナイロン12を含む。脂肪族および芳香族ポリアミドおよびそのブレンドがこの考案に従って準備されて良い。
一般的には、ポリアミドのホモポリマーおよびコポリマーは、この考案に使用されて適切である。具体的なモノマー、反応条件、および他のファクターは、どのような所望のポリアミドポリマーが生成されるべきかに応じて選ばれる。ポリアミドホモポリマーを生成するする2つの慣用的な方法がある。第1の方法では、1つの有機酸タイプ末端基および1つのアミン末端基を含有する化合物が環状モノマーを形成する。ポリアミドは、つぎに、開環重合によって、モノマーから形成される。これらポリアミドは、広く、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12等と呼ばれ、番号はモノマーの環を形成する炭素原子の数を示す。例えば、ナイロン6はカプロラクタムのホモポリマー、すなわちポリカプロラクタムである。第2の方法は、二塩基酸およびジアミンの縮重合を含む。一般的にはつぎの反応が起こる。
慣用的なポリアミドは、ナイロン4,6;ナイロン6,6;ナイロン6,9;ナイロン6,10;ナイロン6,12等として規定され、最初の数字は、ジアミン中で2つのアミン基を結合する炭素原子の数を示し、第2の数字は、二塩基酸中の2つの酸基を結合する炭素原子の数を当該酸基の炭素原子も含んで示す。例えば、ナイロン6,6は、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸の反応生成物である。
他の適切なポリアミドは、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン13、ナイロン12,12、ナイロン13,13;およびこれらと適切なポリアミドとの混合物およびブレンド含む。さらに、他のポリアミドはナイロン6,66、ナイロン6,69、およびこれらと適切なポリアミドとの混合物およびブレンド含む。組成物が湿気に露出されたのちに顕著には機械特性が変わらないポリアミド組成物がとくに有益である。
先に記したように、透明ポリアミドがこの考案に使用してとくに適切である。そのような透明ポリアミドは透明ポリアミドコポリマー(コポリアミド)を含む。例えば、ポリエステル−アミドおよびポリエステル−アミドブロックコポリマーが使用されて良い。そのようなポリアミドコポリマーは、例えば、先に述べた、米国特許出願公開第2010/0140846号、および米国特許第6,376,037号、および同第8,399,557号に説明されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。用語「ポリアミド」はこの考案で使用されているように、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとのコポリマー、すなわち、ポリエーテルブロックアミドポリマー、並びに、これらポリアミドコポリマーの先のポリアミドとの混合物も含むように意図されていることに留意されたい。ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを有するポリマーは、反応性末端を有するポリアミド系列を、反応性末端を有するポリエーテル系列で共重合縮合して得られ、とりわけ、
(a)ジアミン鎖末端を有するポリアミド系列を、カルボキシル鎖末端を有するポリオキシアルキレン系列で共重合縮合する、
(b)ジカルボキシル鎖末端を有するポリアミド系列を、ポリエーテルジオールとして知られている、αΩ−ジヒドロキシ化脂肪族ポリオキシアルキレン系列のシアノエチレン化および水素化により得られるジアミン鎖末端を有するポリオキシアルキレンで共重合縮合する、
(c)ジカルボキシ鎖末端を有するポリアミド系列を、ポリエーテルジオールで共重合縮合する。この躯体的な例では得られる物質はポリエーテルエステルアミドである。
ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを具備する、これらポリマーは、予め準備されているポリアミドおよびポリエーテル系列の共重合縮合から出発するにしろ、1段階の反応から出発するにしろ、例えば、20から95、より有益なことに、25および85の間、より好ましくは30から80、さらに好ましくは35から78であることができるショアD硬度を示し、またメタ−クレゾール中で25℃で測定して0.8および2.5の間の真正粘度を示す。
ポリエステルブロックがポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、またはポリオキシテトラメチレングリコールのいずれに由来するかにかかわらず、それらは、いずれもそのまま使用され、カルボキシル基を有するポリアミドブロックと共重合縮合され、または、それらは、アミノ化され、これは、ポリエーテルアミンに変換し、カルボキシル末端を有するポリアミドブロックと縮合するためである。これらは、また、統計的に分散されたユニットを具備するポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを形成するために、ポリアミド先駆体および鎖制限剤と混合されて良い。ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを具備するポリマーは、米国特許第4,331,786号、同第4,115,475号、同第4,195,015号、同第4,839,441号、同第4,864,014号、同第4,230,838号、および同第4,332,920号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。ポリエーテルは、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、またはポリテトラメチレングリコール(PTMG)であって良い。後者は、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)としても知られている。
ポリアミドのブレンドもこの考案に従って使用して良い。例えば、透明ポリアミドのブレンドまたは透明および非透明のポリアミドのブレンドをこの考案に従って使用して良い。具体的には、透明ポリアミドおよび熱可塑性ポリアミドエラストマー(典型的にはポリアミドおよびポリエステル/ポリエーテルのコポリマー)のブレンドを使用して良い。ポリアミドエラストマーは透明または非透明であって良い。多くのポリアミドエラストマーは、硬質ポリアミドセグメント(例えば、ナイロン6、ナイロン6,6;ナイロン11、ナイロン12等)および軟質雪面ととしてのポリエーテルまたはポリエステルを有する。この考案の組成物を形成するのに使用できる、適切なポリアミドエラストマーは、例えば、Arkema、Inc(コロンブス、フランス)からPebax(商標)樹脂として入手可能な、ポリエーテル−アミドブロックコポリマーを含む。一般的には、これらブロックコポリマーは、熱可塑的性質(熱に露出されると柔らかくなり、冷却されると元の状態に戻る)、および、エラストマーの性質(引っ張ることができ、開放するとほぼ元の状態に復帰する)を有する。ハード対ソフトセグメントの比、セグメントの長さ、系列、その他が得られるブロックコポリマーの特性を決定する上で重要である。
この考案の組成物を形成するのに使用する透明ポリアミドの1つの有益な特性は、それらは比較的大きなガラス転移点を有するということである。透明ポリアミドは比較的容易に処理されて種々のゴルフボール層お形成するために成型できる。一般的には、ガラス−液体の遷移は、非晶質材料(または半結晶材料内の非晶質領域内)における、硬質で比較的もろい状態から溶融状態への可逆遷移を指す。ここで報告されるガラス転移点(Tg)はTest Method ISO 11357に従って測定され、摂氏温度で報告される。ポリマーの温度がTg以下で硬化するとき、ポリマーはよりゴム状になる。したがって、Tgを知ることは、ゴルフボール層用途に材料を選択する上で重要な要素である。一般的には、室温より十分に低いTgの値はエラストマーの領域を形成し、室温より上の値は堅固で構造的なポリマーを形成する。好ましい透明ポリアミドが、約30から約170℃の範囲のTgを示し、約35℃または40℃または50℃または60℃の下限範囲を有し、約70℃または80℃または90℃または120℃または140℃または150℃の上限範囲を有することがわかった。1つの好ましいバージョンにおいて、Tgは、約65℃、75℃、85℃、91℃、95℃、または105℃であって良い。
これら好ましい透明ポリアミドは、また、周囲温度(25℃未満)で観察される第2のTgを伴うことに留意することは重要である。この周囲温度未満のTgは比較的柔らかいポリエーテルセグメントに関連し、他方、より高温のTgはポリアミドセグメントと関連すると考えられる。したがって、1実施例において、90℃の報告されたTgを有する透明ポリアミドは、−65℃、その他の温度でTgを示しても示さなくても良い。1実施例において、透明ポリアミドは、約75℃から約160℃、より好ましくは約80℃から95℃の範囲でガラス転移点を有する。
ここで使用されるように、用語「半結晶」(semi−crystalline)は、ガラス転移点TgおよびDSCにより決定される融点を有する(コ)ポリアミドをカバーする。用語「非晶質」は、DSCにより検出される融点、または、ポリマーの基本的な非晶質の性質に影響を与えないような無視できる強度の融点を有しないポリアミドをカバーする。当該用語「半結晶」は、ここで使用されるように、DSCにより決定できる溶融発熱およびガラス転移の双方を有するポリマーに関連する。当該用語「非晶質」は、ここで使用されように、ガラス転移は有するけれどもDSCにより決定される溶融発熱(DHf≦10J/g)が少なくまたは顕著でないポリマーに関する。用語「微結晶」(micro−crystalline)は、ここで使用されるように、溶融発熱がDSCにより決定される半結晶ポリマーを指す。用語「準非晶質」(quasi−amorphous)は、ここで使用されるように、球晶(spherulite)寸法が十分に小さく透明性を維持できるポリマーに関連する。
透明ポリアミドは、また、大きな柔軟性、堅牢性、衝撃耐久性、および応力割れ耐性を有する。この考案の組成物を形成するのに使用される透明ポリアミドの1つの有益な特性は、比較的大きなシャルピー衝撃耐性である。一般的には、衝撃テストは材料を破壊し、または変形するのに必要なエネルギーを指す。シャルピー試験は、破壊の間に材料により吸収されるエネルギーの量を決定する、標準化された高ひずみ速度テストである。吸収されたエネルギーは、所与の材料のノッチ堅牢性の測度であり、温度依存の展性脆性遷移を調べるためのツールである。テスト方法標準はISO 179/1eAである。サンプルは、15日間、23℃、50&相対湿度の条件下に置かれる。テスト結果は、ここでは、23℃または−30℃のいずれかで測定され、結果はKジュール/mで報告される。数値が大きければ大きいほど、材料が堅牢であり、非破壊(NB)は、テストサンプルが、破壊を伴うことなく衝撃に耐えるのに十分なほど柔軟性があることを意味する。大きなシャルピー衝撃値は、ゴルフボールの層の材料を選択するときに考慮すべき重要な材料特性であり、なぜならば、ゴルフボールは顕著に大きな力の衝撃、例えば、ゴルフクラブで打撃されたときに遭遇するような衝撃に耐えなければならないからである。透明パリアミドを有する、このポリアミド組成物は、好ましくは、少なくとも約8から非破壊(NB:No−Break)までのシャルピーノッチ衝撃(23℃)を有し、約10または15または20または25または30または35または40kJ/mの下限範囲から約80、85、90または95kJ/mの範囲の上限を有すると考えられる。好ましい透明ポリアミド組成物は、Rilsan Clear G300 HIであり、これは23℃で94kJ/mで、−30℃で19kJ/mのシャルピーノッチ衝撃値を有する。
この考案のポリアミド組成物は、さらに、酸無水物修正ポリオレフィンを含んで良い。酸無水物修正ポリオレフィンを付加すると、組成物の堅牢性および衝撃耐久性が向上するのに役立つ。そのような材料において、ポリオレフィンポリマーは酸無水物により化学的に修正される。すなわち、ポリオレフィンポリマーは官能化され、少なくとも1つの酸無水物基を含む。一般的には、そのような酸無水物基は、ポリオレフィンポリマーの主鎖にグラフト化される。ポリオレフィンを官能化させるのに使用して良い適切な酸無水物のいくつかの例は、これに限定されないが、フマル、ナド、イタコン、およびクロレンドの酸無水物、ならびに、これらの置換誘導体を含む。
ポリオレフィンポリマーを準備するのに使用できる適切なオレフィンモノマーユニットは、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、デケン、およびドデケンを含む。好ましくは、モノマーユニットは1から約20個の炭素原子を含有する。これらモノマーユニットから形成された、生成ポリオレフィン鎖(ポリオレフィン主鎖)は、例えば、ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン、ポリオクテン、ポリデケン、およびポリドデケン、並びにこれらのコポリマーまたはブレンドを含む。生成ポリオレフィンポリマーは少なくとも1つの酸無水物部分で官能化されている。より具体的には、この考案で使用される酸無水物修正ポリオレフィンポリマーは、例えば、エチレンベースのコポリマー、とくにエチレン−プロピレン(EP);エチレン−ブテン(EB);エチレン−ヘキセン(EH);エチレン−オクテン(EO);スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS);エチレン−プロピレンジエンモノマー(EPDM);エチレン−ビニルアセテート(EVA);および種々のエチレン−アルキルアクリレートおよび例えばエチレン−メチルアクリレート(EMA)のような、エチレン−アルキルアクリレートコポリマー;エチレン−エチルアクリレート(EEA);エチレン−プロピルアクリレート(EPA);エチレンn−ブチルアクリレート(EBA)コポリマー;その他のような、コポリマーを含む。
ポリプロピレンのような他のポリオレフィンベースのコポリマーおよびポリブタンベースのコポリマーも使用できる。これらコポリマーは、酸無水物で官能化されている、ランダム、ブロック、およびグラフトコポリマーを含む。この考案に従って使用可能な、商業的に入手可能な酸無水物ポリオレフィンは、これに限定されないが、The Dow Chemical Companyから入手可能なAmplify(商標)GR官能性ポリマー;DuPontCompanyから入手可能なFusabond(商標)ポリマー;Kraton Polymer LLCから入手可能なKraton(商標)FGおよびRPポリマー;Arkema、 Incから入手可能なLotader(商標)ポリマー;Addivantから入手可能なPolybond(商標)およびRoyaltuf(商標)ポリマー;およびExxonMobil Corpから入手可能なExxelorポリマーを含む。
種々のポリアミド組成物がこの考案に従って製造されて良い。当該組成物は、オプションとして、酸無水物修正ポリオレフィン、可塑剤、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、およびこれらの混合物を含んで良い。生成ポリアミド組成物は、種々の有益な特性を具備するゴルフボール部品(例えば、コア、ケーシング、またはカバー層)を準備するために使用されて良い。先に触れたように、透明ポリアミドおおび酸無水物修正ポリオレフィンを有するブレンドが準備されて良く、当該生成組成物が優れた特性、とりわけ、ゴルフボール層を製造するのに適した特性を有することは重要である。例えば、90%のGrivory(商標)GTR45透明ポリアミド、および、10%のFusabond(商標)N525酸無水物修正ポリオレフィンのブレンドが準備されて良く、当該生成組成物(ソリッド、透明球)はCORが0.784、Atti圧縮が182、ショアD表面硬度が81.8である。他の例において、50%のGrivory(商標)GTR45透明ポリアミド、および、50%のFusabond(商標)N525酸無水物修正ポリオレフィンのブレンドが準備されて良く、当該生成組成物(ソリッド、透明球)はCORが0.633、Atti圧縮が105、ショアD表面硬度が56.2である。
他の実施例において、ポリアミドが酸無水物修正ポリオレフィンまたは任意の他のポリマーまたは非ポリマー材料とブレンドさせられる必要はない。すなわち、組成物は全体的に透明ポリアミドからなって良い(すなわち、100重量%のポリアミド)。他の複数の例において、組成物は基本的に透明ポリアミドからなって良い(例えば97から100重量%のポリアミド)。そのようなポリアミド組成物は当該組成物の基本的で新規な特徴に影響を与えない他の成分を含んで良い。例えば、以下にさらに検討するような鉱物フィラーを添加して良い。1つの具体的なバージョンにおいて、組成物は基本的に上述のRilsan Clear G300 HI、Pebax Clear 300、およびPebax 400(Arkema、 Inc)のような透明ポリエステル−アミドブロックコポリマーからなる。
1実施例において、外側コア層のポリアミド組成物はさらに可塑剤を含む。可塑剤を添加すると、組成物のガラス転移点(Tg)を降下させるのに役立つ。ポリマーのガラス転移点は、ポリマーがそれよい低いと比較的脆く、それより上であるとゴム状である温度範囲である。Tgを低下させるのに加えて、可塑剤は、Tgより上の温度範囲でtanδを減少させることができる。ポリマーのTgは、差分走査カロリーメータまたはダイナミック・マカニカル・アナライザ(DMA)により測定でき、DMAはtanδを測定するのに用いられる。可塑剤は、また、可塑剤なしの条件に較べて、組成物の硬度および圧縮を減少させることができる。可塑剤を組成物中に加えると、組成物の剛性を減少させるのに役立つ。すなわち、可塑剤は組成物の曲げ弾性率を低下させるのを支援する。曲げ弾性率は、弾性限界内(弾性モードで測定されるとき)における応力に対するひずみの比を指し、引っ張り弾性率に類似する。この特性は材料の曲げ剛性を示すのに使用される。曲げ弾性率は、弾性に関する係数であり、曲げテスト中の応力−ひずみ曲線の線形部分の傾きを計算して決定される。応力−ひずみ曲線の傾きが急であれば、材料は比較的大きな曲げ弾性率を有し、変形に対抗することを意味する。当該材料はより堅固なものである。傾きが比較的平坦であれば、材料は比較的小さな曲げ弾性率を有し、これは、材料がより容易に変形させられることを意味する。材料はより柔軟である。曲げ弾性率は、ASTM D790スタンダードやその他のテスト手順に従って決定できる。
ポリアミド組成物は1または複数の可塑剤を含んで良い。この考案のポリアミド組成物に使用されて良い可塑剤は、例えば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA);N−エチルベンゼンスルホンアミド(EBSA);N−プロピルベンゼンスルホンアミド(PBSA);N−ブチル−N−ドデシルベンゼンスルホンアミド(BDBSA);N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(DMBSA);p−メチルベンゼンスルホンアミド;o,p−;;p−トルエンスルホンアミド;2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート;ヘキサデシル−4−ヒドロキシベンゾエート;1−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;ジオクチルフタレート;ジイソデシルフタレート;ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート;およびトリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート;およびこれらのブレンドを含む。
他の適切な可塑剤化合物は、ベンゼンモノ−、ジ−、およびトリカルボン酸エステルを含む。ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジ−n−ブチルフタレート(DnBP、DBP)、ブチルベンジルテレフタレート(BBT)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジオクチルフタレート(DnOP)、ジオクチルフタレート(DIOP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジイソブチルテレフタレート(DIBP)、およびジ−n−ヘキシルフタレート、およびこれらのブレンドのようなフタレートが用いられて良い。また、トリメチルトリメリテート(TMTM)、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM)、トリ−(n−オクチル,n−デシル)トリメリテート、トリ−(ヘプチル,ノニル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテートのようなトリメリテート;ならびに、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−オクチルベンゾエート、メチルベンゾエート、およびエチルベンゾエート、およびこれらのブレンドを含むベンゾエートも適切である。
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、およびマレイン酸のようなC4〜C12のアルキルカルボン酸に一般的に基づくアルキル二酸エステル、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート(DEHA)、ジメチルアジペート(DMAD)、モノメチルアジペート(MMAD)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DBS)、ジブチルマレエート(DBM)、ジイソブチルマレエート(DIBM)、ジオクチルセバケート(DOS)、およびこれらのブレンドも適切である。また、グリコール、ポリグリコール、多価アルコールに基づくエステル、例えば、ポリ(エチレングリコール)モノ−およびジ−エステル、シクロヘキサンジメタノールエステル、ソルビトール誘導体;およびトリエチレングリコールジヘキサノエート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、およびエチレングリコールジオレエート、およびこれらのブレンドを用いて良い。
脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、および脂肪酸エステルもこの考案の組成物において使用されて良い。ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸、およびラウリン酸のエステル、塩、および、モノ-、およびジ−アミドのような化合物も適切である。メチルオレエート、エチルオレエート、ブチルオレエート、2−エチルヘキシルオレエート、オクチルオレエート、ブチルステアレート、メチルアセチルリシノーレエート、亜鉛オレエート、エチレンビス−オレアミド、およびステアリルエルカミドが適切である。適切な脂肪酸塩は、例えば、金属ステアレート、エルケート、ラウレート、オレエート、パルミテート、ペラルゴネート等を含む。例えば、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、バリウムステアレート、その他のような脂肪酸塩が用いられて良い。脂肪族アルコールおよびアセチル化脂肪族アルコールも、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートのようなカーボネートエステルと同様に、適切である。
大豆油、キリ油(tung)、またはアマニ油(linseed)、またはこれらのエポキシ化誘導体、あるいは、これらのブレンドのようなグリセロールに基づくエステルもこの考案の可塑剤として使用でき、これは、二酸およびジグリコールのエステル化や、カプロラクトンの二酸またはジグリコールの開環反応から形成されるポリマーポリエステル可塑剤と同様である。シトレートエステルおよびアセチル化シトレートエステルも適切である。グリセロールモノ−、ジ−、およびトリ−オレエートはこの考案に使用して良く、1つの好ましい実施例においてグリセロールトリオレエートが可塑剤として使用される。カルボン酸エステルおよびカルボン酸塩の双方を含むジカルボン酸分子は可塑剤として適切に作用できる。モノ−メチルアジペートのマグネシウム塩およびモノ−オクチルグルタレートの亜鉛塩はこの考案のためのそのような2つの例である。トリ−およびテトラ−カルボン酸エステルおよび塩も使用して良い。
トリクレシルホスフェート(TCP)、トリブチルホスフェート(TBP)、オクチルジフェニルホスフェート、アルキルスルホン酸フェニルエステル(ASE)のような有機リン酸エステルおよび有機硫黄化合物;およびN−エチルトルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドのようなスルホンアミドも適切な可塑剤と考えられる。さらに、上述の可塑剤のチオエステルおよびチオエーテル変種も適切である。アルコール、多価アルコール、グリコール、ポリグリコール、およびポリエーテルのような非エステルの可塑剤も可塑剤として適切な材料である。ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(エチレングリコール)、およびポリ(プロピレングリコール)、オレイルアルコール、およびセチルアルコールのような材料も使用して良い。炭化水素化合物は、飽和でも不飽和でも、直鎖でも環状でも使用でき、例えば、ミネルルオイル、マイクロクリスタリンワックス、または低分子量ポリブタジエンがそうである。ハロゲン化された炭化水素も使用可能である。この考案のエチレン酸コポリマー組成物中に使用されて良い可塑剤の他の例は、ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA)、エチルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(EHPB)、およびデシルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(DHPB)を含み、これは米国特許第6,376,037号(Montanari等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジウンデシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテトロヒドロフタレートを含むフタル酸エステルのようなエステルおよびアルキルアミドも使用されて良く、これは米国特許第6,538,099号(Isobe等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
米国特許第7,045,185号(Jacques等)は、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、エチルトルエン−スルホンアミド、N−シクロヘキシルトルエンスルホンアミド、2−エチルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、2−デシルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、オリゴエチレンオキシテトラヒドロフルフリルアルコール、またはオリゴエチレンオキシマロネートのようなスルホンアミド;ヒドロキシ安息香酸のエステル;テトレヒドロフルフリルアルコールのエステルまたはエーテル、およびクエン酸またはヒドロキシマロン酸のエステルを開示しており、これら可塑剤も使用されて良く、その内容は参照してここに組み入れる。
スルホンアミドもこの考案に使用されて良く、これら材料は、米国特許第7,297,737号(Fish,Jr.等)に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。そのようなスルホンアミドの例は、N−アルキルベンゼンスルホンアミド、およびトルエンスルホンアミド、とくに、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−エチル−o−トルエンスルホンアミド、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドが含まれる。そのようなスルホンアミド可塑剤も米国特許出願公開第2010/0183837号(Hoshstetter等)に説明され、その内容は参照してここに組み入れる。上述の特許文献に記載されているような、可塑剤を含有するポリアミド組成物もこの考案に使用されて良い。
Tc(4)可塑化非酸ポリマー組成物
非酸ポリマーは、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体からなるグループから選択される。
多くの適切な非酸ポリマーは、エラストマー性であり、またはそうでなく、上述のように特定され、例えば、外側コア層の高度に中和されたポリマー組成物Tc(1)の箇所で特定されている。
Tc(5)ポリエステルべースの熱可塑性エラストマー組成物
ポリエステルベースの熱可塑性エラストマーがこの考案の組成物を形成するのに使用されて良い。一般的に、「熱可塑性エラストマー」は、熱可塑性のような(熱に露呈されると柔らかくなり、冷却されると元の状態に復帰する)特性およびエラストマーのような(伸長可能であり、開放すると元の状態に戻る)特性を具備するポリマーのクラスを指す。熱可塑性エラストマーブロックコポリマーにおいて、熱可塑性のような特性を具備するいつつかのブロックがあり、これらブロックを「ハード」セグメントと呼んで良い。また、エラストマーのような特性を具備するいくつかのブロックがあり、これらブロックを「ソフト」セグメントと呼んで良い。ハードセグメントのソフトセグメントおよびこれらセグメントの組成物に対する比は、生成される熱可塑性エラストマーの特性を決定する上で重要な要素である。
この考案の組成物を形成するのに使用できる適切なポリエステルエラストマーの1例は、ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーである。一般的に、これらブロックコポリマーは、種々の長さおよびシーケンスのハードおよびソフトセグメントを含む。ハードの結晶性ポリエステルセグメントは、通常、例えば、テレフタル酸、ジメチルテレフタレート、その他のような、芳香続含有ジカルボン酸またはジエステルを約2個から約10個の炭素原子を含有するジオールと反応させることにより導出される。ソフト、エラストマー性セグメントは、通常、約3個から約12個野炭素原子を含有し3個または4個の酸素原子を含み、残りの原子が炭化水素の原子である、空長鎖または短鎖のポリ(アルキレンオキシド)グリコールから導出される。有益なポリ(アルキレンオキシド)グリコールは、例えば、ポリ(オキシエチレン)ジオール、ポリ(オキシプロピレン)ジオール、およびポリ(オキシテトラメチレン)ジオールを含む。より具体的には、ポリエーテルポリオールは、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、およびテトラフドロフランのような環状エーテルから導出されるポリマーに基づいていた。これら環状エーテルが開環重合に曝されると、これらは対応するポリエーテルグリコール、例えば、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)、ポリ(1,2−プロピレン)グリコール(PPG)、およびポリテトラメチレンエーテルグリコール(PO4G、またはPTMEGとも呼ばれる)を形成する。
1つの好ましいポリエステル熱可塑性エラストマーは、Tocona−Celanese Corpから入手可能なRiteflex(商標)材料である。Riteflex(商標)TPC−ET製品は種々のグレードのポリエステルポリエーテルブロックコポリマーを含む、そのような材料の例およびその特性はかの表VIIIに説明される。他の好ましいポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーはDuPontからGytrel(商標)という商標名で商業的に入手可能である。Hytrel(商標)ポリエステルブロックコポリマーは種々のグレードとして入手可能であり、ポリブチレンテレフタレートのハード(結晶性)セグメント、および、長鎖ポリえーたるグリコールに基づくソフト(非晶質)セグメントを含む。この考案に従って使用できる、ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーの、これらの、または他の例は米国特許第2,623,031号;同第3,651,014号;同第3,763,109号;および同第3,896,078号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。この考案に従って使用されて良い、種々のグレードのHytrel(商標)ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーおよびそれらの特性は以下の表IXおよび表Xに説明される。
上の表IXおよび表Xに示すように、いつ¥くつかのHytrel(商標)ポリエステル−ポリエーテルブロックコポリマーの曲げ弾性率は約1000から約150000psi(またはより大きい)の範囲内にあって良い。そのようなブロックコポリマーはこの考案に従う低弾性率(または高弾性率)のコアを形成するのに使用して良い。
ポリエステルのブレンド、およびポリエステルと他のポリマーとのブレンドはこの考案に従って使用して良い。例えば、ポリエステル熱可塑性エラストマーは、ポリアミドのような他の熱可塑性材料とブレンドされて良い。種々の可塑剤がポリエステルに基づく熱可塑性組成物中に採用されて良く、これら可塑剤は以下にさらに検討する。この考案の組成物を形成するために使用されて良い適切なポリアミドエラストマーは、例えば、Arkema、Inc(コロンブス、フランス)からPebax(商標)樹脂として商業的に入手可能なポリエーテル−アミドブロックコポリマーを含む。他の適切なポリアミドは、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12,12、ナイロン13,13、およびこれらの混合物を含む。より好ましいポリアミドは、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン6,9、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ナイロン12,12、ナイロン6,66、ナイロン6,69、およびこれらの混合物を含む。
組成物が湿気に露呈された後に機械特性が顕著に変化しないポリアミドがとくに有益である。これらポリアミドは外側コア層用に用いられる組成物中に使用されて良い。外側コア層は内側コアを包みこんで流体が内部に浸入しないようにし内側コアを湿気から防護する。ポリエステル−ポリアミドのブレンドは比較的安定なので、これらはこの考案に従ってコアまたはカバー層を製造するのにとりわけ有益である。透明性ポリアミドはこの考案のブレンド組成物中に使用されてとりわけ安定している。この考案に従って使用して良い、そのような透明性ポリアミドは、米国特許出願公開第2014/0302947号(Sullivan等)にさらに説明され、その内容は参照してここに組み入れる。
この考案に従って利用可能な、適切な商業的に入手可能な透明性ポリアミドは、例えば、Platamid(商標)8020のようなコポリアミド;Rilsan(商標)Clear G170のような準芳香族透明性ポリアミド;Rilsan(商標)G120 Rnewのような透明性ポリアミド;Rilsan(商標)G830 RenewおよびG830L Renew;Rilsan(商標)G850;Rilsan(商標)Clear G350およびG350L;Rilsan(商標)G300 HI;および、Rilsan(商標)Clear G830のような、生物未加工素材に部分的に基づく透明性ポリアミドを含み、これらはすべてArkema、Inc(キングオブプルシャ、ペンシルベニア州)から入手可能である。他の適切な材料は、BASFから入手可能なUltramid(商標)ポリアミド;およびDuPontから入手可能なZytel(商標)およびDartek(商標)ナイロン樹脂を含む。EMS−Chemie AG(Domat/EMS、スイス)は種々のグレードの透明性ポリアミドを、Geilamidマークの下で、供給し、これはGrilamid(商標)TR30、TR55、TR90、XE3997、XE4028グレードを含み、これらポリアミドはこの考案で使用して良い。Grivory(商標)GおよびGTR透明性ポリアミドもEMS−Chemie AGから入手可能であり、この考案の組成物中に使用して良い。他の適切なポリアミドは、Evonik Industries、AG(エッセン、ドイツ)かる入手可能なTrogamid(商標)およびVestamid(商標)グレード;Kolon Plastics、Inc(ジョンサンロクド、韓国)から入手可能なKopa(商標)グレード;Lanxess AG(ケルン、ドイツ)から入手可能なDurethan(商標)グレード;Mitusi Chemical(東京、日本)から入手可能なArlen(商標)グレード;およびAshley Polymers(ブルックリン、ニューヨーク州)から入手可能な、Ashlene(商標)726SB、746、747、747、851、D870およびD879Lのような透明性非晶質ナイロンを含む。その他の適切なポリアミドは、Radici Radilon(商標)CSTコポリアミド(Chgnolo d'lsola、イタリア);Shakespeare Isoco(商標)CN30XTおよびCN30BTナイロン610樹脂(SC、コロンビアのJarden Applied Materialsが保有するShakespeare Engineered Nyrons);Toyobo Glamide(商標)T−714Eナイロン(大阪、日本);TP Composite Elastoblend(商標)PA12 CL ナイロン(Aston、PA);および、Haneywell Plastics(Morris Township、NJ)から入手可能なAegis(商標)ポリアミド組成物を含む。透明性ポリアミドは、これに限定されないが、ポリエーテル−アミド、ポリエーテル−エステル−アミドブロックコポリマーを含み、これらはこの考案に使用されてとくに適切であり、より具体的には、透明性ポリアミドコポリマー、Rilsan Clear G300 HI、Pebax Clear 300、およびPebax 400がとりわけ有益であり、Arkema、Inc(キングオブプルシャ、ペンシルベニア州)から入手可能である。
他の例において、ポリエステル熱可塑性エラストマーは、高度に中和されたポリマー(HNP)および可塑剤とブレンドされて良い。種々の可塑剤が、ポリエステル/HNPに基づく熱可塑性組成物中で採用されて良く、これら可塑剤は、以下にさらに検討される。
この考案のポリエステル組成物は可塑剤を含む。可塑剤を添加すると、組成物のガラス転移点(Tg)を降下させるのに役立つ。ポリマーのガラス転移点は、ポリマーがそれよい低いと比較的脆く、それより上であるとゴム状である温度範囲である。Tgを低下させるのに加えて、可塑剤は、Tgより上の温度範囲でtanδを減少させることができる。ポリマーのTgは、差分走査カロリーメータまたはダイナミック・マカニカル・アナライザ(DMA)により測定でき、DMAはtanδを測定するのに用いられる。可塑剤は、また、可塑剤なしの条件に較べて、組成物の硬度および圧縮を減少させることができる。可塑剤をポリエステル組成物中に加えることによる、Tg、曲げ弾性率、硬度、および他の物理特性における効果は以下にさらに検討される。
ポリエステルに基づく組成物は、1または複数の可塑剤を含んでよい。この考案のポリエステル組成物中に使用されて良い可塑剤は、例えば、N−ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA);N−エチルベンゼンスルホンアミド(EBSA);N−プロピルベンゼンスルホンアミド(PBSA);N−ブチル−N−ドデシルベンゼンスルホンアミド(BDBSA);N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミド(DMSA);p−メチルベンゼンスルホンアミド;o,p−トルエンスルホンアミド;p−トルエンスルホンアミド;2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート;ヘキサデシル−4−ヒドロキシベンゾエート;1−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート;ジオクチルフタレート;ジイソデシルフタレート;ジ−(2−エチルヘキシル)アジペート;およびトリ−(2−エチルヘキシル)ホスフェート;およびこれらのブレンドを含む。
1つの好ましいバージョンにおいて、可塑剤は、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(商標PolyTHF250の下でBASFから入手可能);プロピレンカーボネート(商標Jeffsol PCの下でHutsman Corpから入手可能);および/またはジプロピレングリコールジベンゾエート(商標Benzoflex 284の下でEastman CHemicalから入手可能)のグループから選択される。こられ可塑剤の混合物も利用できる。
他の適切な可塑剤化合物は、ベンゼンモノ−、ジ−、およびトリカルボン酸エステルを含む。ビス(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジ−n−ブチルフタレート(DnBP、DBP)、ブチルベンジルテレフタレート(BBT)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジオクチルフタレート(DnOP)、ジオクチルフタレート(DIOP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジイソブチルテレフタレート(DIBP)、およびジ−n−ヘキシルフタレート、およびこれらのブレンドのようなフタレートが用いられて良い。また、トリメチルトリメリテート(TMTM)、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート(TOTM)、トリ−(n−オクチル,n−デシル)トリメリテート、トリ−(ヘプチル,ノニル)トリメリテート、トリ−n−オクチルトリメリテートのようなトリメリテート;ならびに、2−エチルヘキシル−4−ヒドロキシベンゾエート、n−オクチルベンゾエート、メチルベンゾエート、およびエチルベンゾエート、およびこれらのブレンドを含むベンゾエートも適切である。
アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、およびマレイン酸のようなC4〜C12のアルキルカルボン酸に一般的に基づくアルキル二酸エステル、例えば、ビス(2−エチルヘキシル)アジペート(DEHA)、ジメチルアジペート(DMAD)、モノメチルアジペート(MMAD)、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DBS)、ジブチルマレエート(DBM)、ジイソブチルマレエート(DIBM)、ジオクチルセバケート(DOS)、およびこれらのブレンドも適切である。また、グリコール、ポリグリコール、多価アルコールに基づくエステル、例えば、ポリ(エチレングリコール)モノ−およびジ−エステル、シクロヘキサンジメタノールエステル、ソルビトール誘導体;およびトリエチレングリコールジヘキサノエート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、テトラエチレングリコールジエプタノエート、およびエチレングリコールジオレエート、およびこれらのブレンドを用いて良い。
脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、および脂肪酸エステルもこの考案の組成物において使用されて良い。ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸、およびラウリン酸のエステル、塩、および、モノ-、およびジ−アミドのような化合物も適切である。エチルオレエート、ブチルステアレート、メチルアセチルリシノーレエート、亜鉛オレエート、エチレンビス−オレアミド、およびステアリルエルカミドが適切である。適切な脂肪酸塩は、例えば、金属ステアレート、エルケート、ラウレート、オレエート、パルミテート、ペラルゴネート等を含む。例えば、亜鉛ステアレート、カルシウムステアレート、マグネシウムステアレート、バリウムステアレート、その他のような脂肪酸塩が用いられて良い。脂肪族アルコールおよびアセチル化脂肪族アルコールも、プロピレンカーボネートおよびエチレンカーボネートのようなカーボネートエステルと同様に、適切である。ここで説明される可塑剤の任意の混合物もこの考案に従って使用されて良い。具体的な好ましいバージョンでは、脂肪酸エステルは、メチル、プロピル、エチル、ブチル、オクチル、およびデシルオレエートからなるグループから選択されたアルキルオレエートである。他のバージョンにおいて、ブチルオレエートまたはオクチルオレエートが当該組成物中で使用される。適切な商業的に入手可能な脂肪酸は、例えば、Arizona Chemicalから入手可能なSylFat(商標)FA2 Tall脂肪酸である。この脂肪酸は、2%飽和、50%オレイン酸、37%リノール酸(非共役)、および7%リノール酸(共役)脂肪酸;および45の他の脂肪酸を含む。この脂肪酸の酸価は典型的には195から205mg KOH/gmの範囲である。
大豆油、キリ油(tung)、またはアマニ油(linseed)、またはこれらのエポキシ化誘導体、あるいは、これらのブレンドのようなグリセロールに基づくエステルもこの考案の可塑剤として使用でき、これは、二酸およびジグリコールのエステル化や、カプロラクトンの二酸またはジグリコールの開環反応から形成されるポリマーポリエステル可塑剤と同様である。シトレートエステルおよびアセチル化シトレートエステルも適切である。グリセロールモノ−、ジ−、およびトリ−オレエートはこの考案に使用して良く、1つの好ましい実施例においてグリセロールトリオレエートが可塑剤として使用される。
カルボン酸エステルおよびカルボン酸塩の双方を含むジカルボン酸分子は可塑剤として適切に作用できる。モノ−メチルアジペートのマグネシウム塩およびモノ−オクチルグルタレートの亜鉛塩はこの考案のためのそのような2つの例である。トリ−およびテトラ−カルボン酸エステルおよび塩も使用して良い。
トリクレシルホスフェート(TCP)、トリブチルホスフェート(TBP)、オクチルジフェニルホスフェート、アルキルスルホン酸フェニルエステル(ASE)のような有機リン酸エステルおよび有機硫黄化合物;これらのブレンド;N−エチルトルエンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−(n−ブチル)ベンゼンスルホンアミドのようなスルホンアミドも適切な可塑剤と考えられる。さらに、上述の可塑剤のチオエステルおよびチオエーテル変種も適切である。
アルコール、多価アルコール、グリコール、ポリグリコール、およびポリエーテルのような非エステルの可塑剤も可塑剤として適切な材料である。ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ(エチレングリコール)、およびポリ(プロピレングリコール)、オレイルアルコール、およびセチルアルコールのような材料も使用して良い。炭化水素化合物は、飽和でも不飽和でも、直鎖でも環状でも使用でき、例えば、ミネルルオイル、マイクロクリスタリンワックス、または低分子量ポリブタジエンがそうである。ハロゲン化された炭化水素も使用可能である。
この考案のポリエステルに基づく組成物に使用して良い可塑剤の他の例は、ブチルベンゼンスルホンアミド(BBSA)、エチルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(EHPB)、およびデシルヘキシルパラ−ヒドロキシベンゾエート(DHPB)を含み、これは米国特許第6,376,037号(Montanari等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジフェニルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソノニルフタレート、エチルフタリルエチレングリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、ジウンデシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルテトロヒドロフタレートを含むフタル酸エステルのようなエステルおよびアルキルアミドも使用されて良く、これは米国特許第6,538,099号(Isobe等)に開示され、その内容は参照してここに組み入れる。
米国特許第7,045,185号(Jacques等)は、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、エチルトルエン−スルホンアミド、N−シクロヘキシルトルエンスルホンアミド、2−エチルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、2−デシルヘキシル−パラ−ヒドロキシベンゾエート、オリゴエチレンオキシテトラヒドロフルフリルアルコール、またはオリゴエチレンオキシマロネートのようなスルホンアミド;ヒドロキシ安息香酸のエステル;テトレヒドロフルフリルアルコ、およびールのエステルまたはエーテル、およびクエン酸またはヒドロキシマロン酸のエステルを開示しており、これら可塑剤も使用されて良く、その内容は参照してここに組み入れる。
スルホンアミドもこの考案に使用されて良く、これら材料は、米国特許第7,297,737号(Fish,Jr.等)に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。そのようなスルホンアミドの例は、N−アルキルベンゼンスルホンアミド、およびトルエンスルホンアミド、とくに、N−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼンスルホンアミド、N−エチル−o−トルエンスルホンアミド、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミドが含まれる。そのようなスルホンアミド可塑剤も米国特許出願公開第2010/0183837号(Hoshstetter等)に説明され、その内容は参照してここに組み入れる。
先に述べたように、脂肪酸エステルが、この考案において、とりわけ好ましい可塑剤である。この脂肪酸エステルは、ポリエステルに基づく組成物において可塑剤として良好に働くことがわかった。これら脂肪酸エステルは、いくつかの有益な特性を有する。例えば、脂肪酸エステルはポリエステルコポリマーとコンパチブルであり、酸コポリマーと一様かつ完全に混合する傾向がある。また、脂肪酸エステルは、組成物の弾力性および/または圧縮を改善する傾向があり、これは以下にさらに検討する。ポリエステルコポリマー/可塑剤の組成物は、この組成物の基本的かつ新規名特徴に実質的に悪影響を与えない他の成分を含んで良い。例えば、鉱物フィラーを先に検討したように添加して良い。1つの具体的なバージョンでは、組成物は実質的には先に説明したポリエステルコポリマーと、可塑剤、とくに脂肪酸エステルとからなる。
脂肪酸エステルを準備する1つの方法は、脂肪酸または脂肪酸の混合物を対応するアルコールと反応させることを含む。アルコールは任意のアルコールであって良く、これに限定されないが、直鎖、分岐、および環状アルコールを含む。脂肪酸エステルは、一般的に、4個から30個の炭素原子を含むカルボン酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、または他のアルキルエステルである。この考案において、その特性ゆえに、エチル、ブチル、オクチル、およびデシルエステル、とりわけ、エチルオレエート、ブチルオレエート、およびオクチルオレエートが好ましい脂肪酸エステルである。カルボン酸は飽和でも不飽和でも良い。適切な飽和カルボン酸、すなわち、アルキル鎖の炭素が単一結合で連結されている脂肪酸は、これに限定されないが、酪酸(Cの鎖長で88.1の分子量)、カプリン酸(C10、172.3のMW)、ラウリン酸(C12、200.3のMW)、ミリスチン酸(C14、228.4)、パルミチン酸(C16、256.4のMW)、ステアリン酸(C18、284.5のMW)、およびベヘン酸(C22、380.6のMW)を含む。適切な不飽和カルボン酸、すなわち、アルキル基中の炭素原子の間に1または複数の二重結合があるカルボン酸は、これに限定されないが、オレイン酸(C18:1の鎖長および不飽和度で282.5のMW)、リノール酸(C18:2で280.5のMW)、リノール酸(C18:3で278.4のMW)、およびエルカ酸(C22:1で338.6のMW)を含む。
可塑剤は、ポリエステルポリマーの剛性および/または硬度を実質的に変化させるのに十分な量だけポリエステル組成物に付加されるべきであると信じられる。そして、この考案のポリエステルに基づく組成物を形成するために可塑剤の濃度は1%程度と少なくても良いけれども、濃度は相対的により大きいことが好ましい。例えば、可塑剤の濃度は少なくとも3重量パーセント(wt%)であることが好ましい。より具体的には、可塑剤は、下限が1%または3%または7%または8%または10%または12%または15%または18%で上限が20%または22%または25%または30%または40%または42%または50%または55%または60%または66%または71%または75%または80%の範囲内の量だけ存在することが好ましい。1つの好ましい実施例において、可塑剤の濃度は約7%から約75%、好ましくは約9%から約55%、より好ましくは約15%から約50%の範囲内である。この考案の可塑化された熱可塑性組成物は、組成物を製造するための、いずれの具体的な方法、またはいずれの具体的な装置に限定されない。
可塑剤をポリエステルに添加すると、組成物をより柔らかく、かつゴム状にするのを支援すると信じられる。可塑剤を組成物に添加すると組成物の剛性を減少させるのに役立つ。すなわち、可塑剤は、組成物の曲げ弾性率を低下させるのに役立つ。曲げ弾性率は弾性限界内における応力の歪みに対する比を指し(曲げモードにおける測定において)、引張弾性率と類似している。この特性は、材料の曲げ剛性を示すのに使用される。曲げ弾性率は、弾性係数であり、曲げ試験の際の応力−歪み曲線の直鎖部分のスロープを計算して決定される。応力−歪み曲線のスロープが比較的急峻なときには、材料は比較的大きな曲げ弾性率を有し、これは材料が変形に抗することを意味する。材料はより堅固なものである。スロープが比較的平らなときには、材料は比較的小さな曲げ弾性率を有し、これは材料がより容易に曲げられることを意味する。材料はより柔軟性がある。曲げ弾性率はASTM D790やその他の試験手順によって決定できる。そして、1実施例において、第1のポリエステル(ポリエステルのみ含む)組成物は第1の曲げ弾性率の値を有し、および第2のポリエステル(ポリエステルおよび可塑剤を含む)の組成物は第2の曲げ弾性率の値を有し、第2の曲げ弾性率の値は、少なくとも1%、または少なくとも2%、または少なくとも4%、または少なくとも8%、または少なくとも10%だけ、第1の曲げ弾性率の値より小さい。
より具体的には、1実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物の曲げ弾性率の下限は、約500(またはそれ以下)、1000、1600、2000、4200、7500、9000、10000、または2000、または40000、または50000、または60000、または70000、または80000、または90000、または100000であり、その上限は、約110000、または120000、または130000psi、または140000、または160000、または180000、または200000、または300000、または、より大きい。一般的には、曲げ弾性率および硬度の特性は関連しており、曲げ弾性率は材料の曲げに対する抵抗を測定し、硬度は材料の食い込み(indentation)に対する抵抗を測定する。一般的には、材料の曲げ弾性率が増加すると材料の硬度も増加する。先に検討したように、可塑剤をポリエステルに添加すると、材料の曲げ弾性率を減少させるのに役立ち、これは、ある程度、硬度を減少させるのにも役立つ。したがって、1実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は比較的柔らかく、40ショアD以下の硬度を有する。例えば、ショアD硬度は、下限が15または18または20または22または24で、上限が28または30または32または34または35または38または40ショアDの範囲内であって良い。他の実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は適度に柔らかく、約60ショアD以下の硬度を有する。例えば、ショアD硬度は、下限が25、28、20、32、35、36、38、または40で、上限が42、45、48、50、54、56、または60の範囲内であって良い。さらに他の実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は適度に硬く、その硬度は、下限が42、44、47、51、53、または58で、上限が60、65、72、77、80、84、88、91、または95ショアDの範囲内であって良い。
さらに、1実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は70以下のDCM圧縮を有する(ソリッド球に成型されたとき)。例えば、DCM圧縮は約40から約65の範囲内であって良い。他の実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は比較的柔らかく、DCM圧縮は100以下である。さらに他の実施例において、ポリエステル/可塑剤の組成物は比較的硬く、DCM圧縮は100より大きくて良く、例えば約105であって良い。
また、可塑剤をポリエステルに添加すると、多くの場合、組成物のガラス転移点(Tg)が減少するのに役立つと信じられる。したがって、1実施例において、第1のポリエステル(ポリエステルのみ含む)組成物は第1のTgの値を有し、第2のポリエステル(ポリエステルおよび可塑剤を含む)組成物は第2のTgの値を有し、第2のTgの値は、少なくとも1度(1°)、または少なくとも2°、または少なくとも4°、または少なくとも8°、または少なくとも10°だけ、第1のTgの値より小さい。他の実施例において、第1のTgの値と第2のTgの値とはほぼ同一である。
さらに、可塑剤をポリエステル組成物中に導入すると、一般的には、非可塑化組成物と較べたときに、圧縮を増大し、かつ/あるいは、組成物のCORを増大させるのに役立つ((ソリッド球に成型されて試験されたとき)。可塑化組成物は、典型的には、非可塑化組成物に較べ、小さな、大きくても同等な圧縮を提示し、他方、可塑化組成物は、非可塑化組成物に較べ、大きな、少なくとも同等なCORを提示する。この効果は驚くものであり、なぜならば、多くの慣用的な組成物においては、組成物の圧縮は、CORが増加するときに、増加するからである。いくつかの例において、組成物を可塑化すると、CORを若干減少させ、他方、これと同時に、圧縮を大幅に減少させ、これによって、非可塑化組成物に較べて、圧縮/CORの関係を全体的に改善することができる。
ここにおけるポリエステル含有組成物のいずれも、任意の秀の付加的なポリマーとブレンドされてこの考案のコアまたはカバーを形成して良い。そのようなポリマーは、例えば、ポリウレタン;ポリ尿素;ポリウレタンおよびポリ尿素のコポリマー、ブレンドおよびハイブリッド;エチレン酸コポリマーアイオノマー樹脂(例えば、DuPont社から商業的に入手可能なSurlyn(商標)アイオノマー樹脂、およびHPF(商標)1000およびHPF(商標)2000、ExxonMobil Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;および、A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarix(商標)アイオノマー樹脂);例えば低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;ゴム強化オレフィンポリマー;アイオノマー性コポリマーの部分を構成しない、酸コポリマー、例えばポリアクリル(メタクリル)酸;プラストマー;フレクソマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー;動的に加硫したエラストマー;エチレンおよびビニルアセテートのコポリマー;エチレンおよびメチルアクリレートのコポリマー;ポリビニルクロライド樹脂;架橋トランスポリイソプレンおよびそのブレンド;DuPont社から商業的に入手可能;ポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えば、BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標);合成または天然の加硫ゴム;およびこれらの組み合わせを含む。ポリエステルブロックコポリマーもこの考案に従ってゴム状エラストマーとブレンドされて良い。そのようなエラストマーは、これに限定されないが、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(「EPR」)、スチレン−ブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム(例えば、「SI」、「SIS」、「SB」、「SBS」、「SIBS」、その他、ただし「S」はスチレン、「I」はイソブチレン、「B」はブタジエンである)、例えば、ポリオクテナマーのようなポリアルケナマ、ブチルゴム、ハロブチルゴム、アルキルアクリレートゴム、塩化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩化イソプレンゴム、およびこれらの2以上の組み合わせを含む。
下記の表XIに示されるように、種々のポリエステル/可塑剤の組成物がこの考案に従って製造されて良い。ポリエステルおよび可塑剤を有するブレンドが好ましく、また、得られた組成物は、ゴルフボール部品(例えば、コア、中間、およびカバー層)を製造するためにとりわけ適切な、いくつかの有益な特性を有するということが重要である。例えば、表XIに示すように、90%のHytel 3078(ポリエステルコポリマー)および10%のエチルオレエート(可塑剤)のブレンドが準備されて良く、得られた組成物(ソリッド球)のCORは0.701であり、そのDCM圧縮は−27であり、そのショアD硬度は27.8である。ポリエステル/可塑剤の組成物は、当該組成物の基本的かつ新規な特徴に実質的に悪影響を与えることがない他の成分を含んで良い。例えば、鉱物フィラーが以下のさらに検討するように添加されて良い。
より具体的には、表XIにおける各組成物のソリッド球が、組成物を射出成型することにより準備されたところ、生成された球のCOR、圧縮、ショアD硬度、およびショアC硬度が、二週間後に測定された。球の表面硬度は、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、球の分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前に球をデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータをすべての硬度測定に用い、各測定について最大硬度の読み取りが記録できるように設定する。デジタルデュロメータはその脚部を平行にし、自動スタンドの基部に取り付けなければならない。デュロメータ上の重量およびアタック速度がASTM D−2240に適合するようにしなければならない。
また、下記の表XIに示すように、ポリエステルに基づく組成物から製造されたサンプル球のソフトおよびファーストインデックス(SFI)の値が与えられる。これらSFI値は、ポリエステルに基づく組成物の複数の特性を商業的に入手可能な高度に中和されたエチレン酸コポリマー(HNP)と較べることにより計算される。これらHNPは、それらの対応する圧縮において最も弾力性がある熱可塑性材料に含まれ、高性能参照ポイントとして機能すると考えられる。より具体的には、図2を参照すると、この考案のポリエステルベースの組成物から正オズされたいくつかのサンプル球の反発係数(CoR)が、サンプルのDCM圧縮(DCM)に対してプロットされている。図2において、「高性能商用HNPインデックス線」が、良好な弾力性−硬度関係および弾力性−圧縮関係を具備する商業的に入手可能な、高度に中和されたポリマー(HNP)、例えば、HPF AD1035、HPF AD1035Soft、およびHPF2000の特性から構築される。これらエチレン酸コポリマーは高度に中和されている(約90%以上の中和レベル)。具体的には、インデックス表(以下の表XI)に説明される組成物が、インデックスを構築するのに使用された。図2において、プロットは弾力性・対・圧縮のみを示す。ただし、弾力性および硬度(ショアCおよびショアD)の関係もあり、種々のサンプルの硬度値が表XIおよび表XIIに報告される。
図2のインデックス線において示すように、HPFサンプル球のCORは、全般的に、球のDCM圧縮が減少するときに減少する。慣用的な高度に中和されたエチレン酸コポリマーから製造された球におけるCORおよび圧縮の関係は、インデックス線に明示されるように、全般的には予期される。通常、球の弾力性は、球の圧縮が減少すると、減少する。予期のとおり、ポリエステル/可塑剤の組成物のサンプル球(HytelおよびEOのブレンド)の弾力性は、組成物の圧縮が減少すると減少する。しかしながら、この考案の1つの可塑化組成物(20%のEOを有するHytel3078のサンプル球)は、所与の圧縮において、より大きな絶対値COR対HNPのインデックス線を伴い、そのため、表XIに示すように性のSFI値を有する。この考案の他の可塑化組成物(10%のEOを有するHytel3078のサンプル球)では、このサンプルのCORは、所与の圧縮において、HNPインデックスラインと同じである。さらに他の例において、可塑化材料(10%のEOを有するHytel4069)から製造されるサンプル球が、非可塑化材料(Hytel4069)空製造されたサンプル球と比較され、これらサンプル球のCOR差分はわずか0.004であり、他方、当該2つのサンプル球の圧縮差分は32ポイントである。これから、これらサンプル球の間で、−0.089から−0.051(+0.038SFI)へとCORインデックス値が増加することがわかり、これは図2に示され、表XIに報告されるとおりである。良好な弾力性の値を具備することはゴルフボール部品の有益な性質である。一般的に、大きな弾力性のコアは、ゴルフクラブで打撃されたときに、より大きな速度を実現し、長い距離、移動する。
より具体的には、線Aの各サンプル点についてインデックス値が計算される。インデックス値は、所与の圧縮において、線A上にサンプル点のCORを、インデックス線上の対応する点から差し引いて計算される。(インデックス値は、正または負の数であって良い)。示されるように、インデックス値(SFI)は、一般的には、サンプルのCORおよび圧縮が減少する(すなわち線Aに沿って右から左に移動する)ときに増加する。例えば、20%EOを有するHytel3078のサンプル球のインデックス値は、10%EOを有するHytel3078のサンプル球のインデックス値より大きい。線Aのスロープはインデックス線のスロープよりちいさい。そして、線Aにおけるサンプルについて圧縮が減少するときにサンプル球のCORの「ドロップオフ」は、インデックス線におけるサンプル球の「ドロップオフ」より小さい。線B上のサンプル点についてもインデックス値が計算される。明示されるように、インデックス値はサンプルのCORおよび圧縮が減少する(すなわち線Bに沿って右から左に移動する)ときに増加する。例えば、10%のEOを有するHytel4069のサンプル球についてのインデックス値は、Hytel4069のサンプル球のインデックス値より大きい。線Bのスロープはインデックス線のスロープより小さい。
HPF AD1035:DuPont社から入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂
HPF AD1035 Soft:DuPont社から入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂
HPF 2000:DuPont社から入手可能な酸コポリマーアイオノマー樹脂
一般的に、ポリエステル/可塑剤の組成物を有する組成物から製造された急派、所与の圧縮および硬度の値において比較的大きな反発係数(COR)を有する。1実施例において、ポリエステル組成物を有する成型球は少なくとも約0.650、好ましくは少なくとも約0.700のCORを有し;約70以下、好ましくは約65以下のDCM圧縮を有し;約50以下、好ましくは約45以下のショアD表面硬度を有する。1実施例において、成型球は少なくとも約0.701のCORを有し;約5〜約65のDCM圧縮を有し;約20〜約50のショアD表面硬度を有する。
ここに説明され図説されるゴルフボールを製造するためのゴルフボール材料、組成物、製品、および方法はこの考案のいくつかの実施例のみを表すものであることに留意されたい。他の組成物、構造、および製品をこの考案に従って製造できる。
広範囲の添加物およびフィラーを最終的なポリエステル組成物中に含ませて良い。適切な添加物および鉱物フィラーは、これに限定されないが、沈降水和シリカ、クレイ、タルク、アスベスト、ガラス繊維、アラミド繊維、マイカ、メタ珪酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム、硫化亜鉛、リトポン、ケイ酸塩、炭化珪素、珪藻土、ポリビニルクロライド、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムのような炭酸塩を含む。適切な鉱物フィラーは、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鉛、銅、ホウ素、コバルト、ベリリウム、亜鉛、錫を含む。適切な金属合金は、スチール、黄銅、青銅、炭化ホウ素ウィスカー、および、炭化タングステンウィスカーを含む。適切な金属酸化物フィラーは、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、および、酸化ジルコニウムを含む。適切な粒子炭素質材料フィラーは、グラファイト、カーボンブラック、コットンフロック、天然ビチューメン、セルロースフロック、および、レザー繊維を含む。ガラスおよびセラミックのようなマイクロバルーンフィラー、およびフライアッシュも使用されて良い。他の添加物およびフィラーは、これに限定されないが、化学発泡およびフォーミング剤、光学的光沢剤、発色剤、蛍光剤、白色化剤、紫外線(UV)光吸収剤、UV光安定化剤、消泡剤、プロセス助剤、酸化防止剤、安定化剤、柔軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃改質剤を含む。具体的な実施例において、ポリエステル組成物中に存在する炭化物およびフィラーの総量は、ポリエステル組成物の総重量に基づいて、25wt%以下、または20wt%以下、または15wt%以下、または12wt%以下、または10wt%以下、または9wt%以下、または6wt%以下、または5wt%以下、または4wt%以下、または3wt%以下である。より具体的には、ポリエステル組成物は、カーボンブラック、ナノクレイ(例えば、Southern Clay Product社から商業的に入手可能なCloisite(商標)およびNanofil(商標)ナノクレイ、Nanocor社から商業的に入手可能なNanomax(商標)およびNanomer(商標)ナノクレイ)、タルク(例えばLuzenac America社から商業的に入手可能なLuzenacHAR(商標)高アスペクト比タルク)、ガラス(例えば、ガラスフレーク、粉砕ガラス、およびマイクロガラス)、雲母および雲母ベースの顔料(例えばThe Merck Groupから商業的に入手可能なIriodin蛍光発色顔料)およびこれらの組み合わせから選択されるフィラーを含んで良い。有機ファイバーマイクロパルプも添加されて良い。他のバージョンにおいて、ポリエステル組成物は、カーボンファイバ、または薄いカーボンファイバの織物を一緒に樹脂に保持させて有するカーボンファイバシートを含んで良い。
中間層および/またはカバー層のような他の層を形成するのに適切な熱可塑性組成物は、アイオノマー;非アイオノマー性の酸ポリマー、例えばE/Y−およびE/X/Y−タイプのコポリマー、ただし、Eはα−オレフィン(例えばエチレン)であり、Yはカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、またはイタコン酸であり、かつ、Xは軟化コモノマー、例えば、酸が2から10個の炭素を具備する脂肪族カルボン酸のビニルエステート、アルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルエーテル、およびアルキル基が1から10個の炭素を具備するアルキルアクリレート;ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド;ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー;ポリアミド、アイオノマーおよびポリアミドのコポリマー、ポリアミドエーテル、およびポリアミドエステル;エチレンベースのホモポリマーおよびコポリマー;プロピレンベースのホモポリマーまたはコポリマースチレンおよびエチレン/ブチレンをベースにしたとりブロックコポリマー;少なくとも1つのグラフト化またはコポリマー化された官能基と相溶性があるこれらの誘導体;および、これら熱可塑性ポリマーの2以上の組み合わせを含む。
アイオノマーは、部分的に中和されたアイオノマーおよび高度に中和されたアイオノマー(HNP)であり、これらは、2またはそれ以上の部分的に中和されたアイオノマーのブレンド、2またはそれ以上の高度に中和されたアイオノマーのブレンド、および1または複数の部分的に中和されたアイオノマーおよび1または複数の高度の中和されたアイオノマーのブレンドを含み、これらはコア層を形成するのに特に好適である。この考案の開示に目的において、「HNP」は組成物中のすべての酸基の少なくとも80%が中和された後の酸ポリマーを指す。好ましいアイオノマーは、E/XおよびE/X/Yタイプの酸コポリマーの塩であり、ここで、Eはα−オレフィン8例えばエチレン)、XはC−Cα,βエチレン系不飽和カルボン酸、Yは軟化モノマーである。Xは好ましくはメタクリル酸、アクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、およびイタコン酸から選択される。メタクリル酸およびアクリル酸がとくに好ましい。Yは好ましくは(メタ)アクリレートおよびアクリル(メタ)アクリレートであり、アクリル基は1〜8の炭素原子を含み、これに限定されないが、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、およびエチル(メタ)アクリレートを含む。とくに好ましいE/X/Yタイプのコポリマーはエチレン/(メタ)アクリル酸/n−ブチルアクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/イソブチル(メタ)アクリレート、エチレン/(メタ)アクリル酸/メチルアクリレート、およびエチレン/(メタ)アクリル酸/エチル(メタ)アクリレートである。ここで使用されるように、「(メタ)アクリル酸」はメタクリル酸および/またはアクリル酸を意味する。同様に、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートおよび/またはアクリレートを意味する。α−オレフィンは、典型的には、酸コポリマーの総重量を基準にして、15wt%以上、または25wt%以上、または40wt%以上、または60wt%以上の量だけ酸コポリマー中に存在する。酸は典型的には酸コポリマー中に、酸コポリマーの総重量を基準にして、6wt%以上、または9wt%以上、または10wt%以上、または11wt%以上、または15wt%以上、または16wt%以上の量だけ、あるいは、下限が1または4または6または8または10または11または12または15wt%で上限が15または16または17または19または20または20.5または21または25または30または35または40wt%の範囲内の量だけ存在する。オプションの軟化モノマーは、典型的には、酸ポリマー中に、酸ポリマーの粗合う重量を基準にして、下限が0または1または3または5または11または15または20wt%で、上限が23または25または30または35または50wt%の範囲内の量だけ存在する。
酸コポリマーはカチオン源によって少なくとも部分的に中和され、オプションとして大きな分子量の有機酸、例えば、米国特許第6,756,436号に開示されたものの存在下で中和され、その内容は参照してここに組み入れる。適切なカチオン源は、これに限定されないが、アルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属の金属イオンおよび化合物;アンモニウム塩およびモノアミン塩;およびこれらの組み合わせを含む。好ましいカチオン源は、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、亜鉛、錫、リチウム、および希土類金属の金属塩および化合物である。
適切なアイオノマーは、さらに、米国特許出願公開第2005/0049367号、同第2005/0148725号、同第2005/0020741号、同第2004/0220343号、および同第2003/0130434号、並びに、米国特許第5,587,430号、同第5,691,418号、同第5,866,658号、同第6,100,321号、同第6,562,906号、同第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,777,472号、同第6,762,246号、同第6,815,480号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、同第6,953,820号、同第6,994,638号、同第7,375,151号、および同第7,652,086号にも開示されており、その内容は参照してここに組み入れる。
この考案の熱可塑性組成物は、オプションとして熱可塑性組成物の総重量を基準にして50wt%以下、または30wt%以下、または20wt%以下、または15wt%以下の添加剤および/またはフィラーを含む。適切な添加剤およびフィラーは、これに限定されないが、化学ブローイング剤およびフォーミング剤、光学的光沢剤、着色剤、蛍光剤、白色化剤、UV吸収剤、光安定化剤、消泡剤、処理助剤、酸化防止剤、安定化剤、軟化剤、香料成分、可塑剤、衝撃修正剤、TiO、酸コポリマーワックス、表面活性剤、性能添加剤(例えば、Honeywell International社から商業的に入手可能な、A−C(商標)性能添加剤、とくに、A−C(商標)低分子量アイオノマーおよびコポリマー、A−C(商標)酸化ポリエチレン、およびA−C(商標)エチレンビニルアセテートワックス)、脂肪酸アミド(例えば、エチレンビス−ステアリン酸アミド、およびエチレン−ビスオレイン酸アミド)、脂肪酸およびその塩(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、およびオレイン酸マグネシウム)、および、フィラー、例えば、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、タングステン、タングステン炭化物、シリカ、珪酸鉛、クレイ、マイカ、タルク、ナノフィラー、カーボンブラック、ガラスフレーク、粉砕ガラス、フロック、ファイバ、およびこれらの混合物を含む。適切な添加剤は、例えば、米国特許出願公開第2003/0225197号明細書により充分に説明されており、その内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例において、粒子組成物中に存在する添加剤およびフィラーの総量は、粒子組成物の総重量を基準にして、20wt%以下、または、15wt%以下、または、12wt%以下、または、10wt%以下、または、9wt%以下、または、6wt%以下、または、5wt%以下、または、4wt%以下、または、3wt%以下、または、下限が、粒子組成物の総重量を基準にして、0、または2、または3、または5wt%で、上限が、粒子組成物の総重量を基準にして、9、または10、または12、または15、または20wt%の範囲である。この実施例の具体的な側面では、粒子組成物は、カーボンブラック、マイクロおよびナノスケールのクレイおよび有機クレイ(例えば、Southern Clay Product社から商業的に入手可能な、Cloisite(商標)およびNanofil(商標)ナノクレイ;Nanocor社から商業的に入手可能なNanomax(商標)およびNanomer(商標)ナノクレイ、およびAkzo Nobel Polymer Chemicals社から商業的に入手可能なPerkalite(商標)ナノクレイを含む)、マイクロまたはナノスケールのタルク(例えば、Luzenac America社から商業的に入手可能な、Luzenac HAR(商標)高アスペクト比タルク)、ガラス(例えば、ガラスフレーク、粉砕ガラス、マイクロガラス、およびグラスファイバー)、マイクロまたはナノスケールのマイカおよびマイカをベースにした顔料(例えば、Merck Groupから商業的に入手可能なIriodin(商標)パール光沢顔料)、および、これらの組み合わせを含む。とくに適切なフィラーの組み合わせは、これに限定されないが、ナノスケールフィラーを組み合わせたマイクロスケールフィラー、および、有機フィラーを伴う有機フィラーである。
内側コア層を形成すために好適な商業的に入手可能な例は、これに限定されないが、Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、Hytrel(商標)熱可塑性ポリエステルエラストマー、DuPont HPF(商標)1000およびHPF(商標)2000の商標名で販売されているアイオノマー材料、Nucrel(商標)酸コポリマー樹脂、Fusabond(商標)官能化メタローセン触媒ポリエチレン、Fusabond(商標)官能化エチレンアクリレートコポリマー、Fusabond(商標)官能化アチレンビニルアセテート、Fusabond(商標)無水物改質HDPE、Fusabond(商標)ランダムエチレンコポリマー、Fusabond(商標)化学改質エチレンエラストマー、およびFusabond(商標)官能化ポリプロピレン(すべてE.I.du Pont de Nermours and Companyから商業的に入手可能である);ExxonMobile Chemical Companyから商業的に入手可能な、Iotek(商標)アイオノマー;Dow Chemical Companyから商業的に入手可能な、エチレンアクリ酸コポリマーのAmplify(商標)IOアイオノマー;および、A.Schulman Incから商業的に入手可能な、Clarix(商標)アイオノマー樹脂);;BASFから商業的に入手可能なElastollan(商標)ポリウレタン・ベース熱可塑性エラストマー;Arkema Incからすべて商業的に入手可能な、Pebax(商標)熱可塑性ポリエーテルおよびポリエステルアミド、Lotader(商標)エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸ランダムターポリマー、Lotader(商標)エチレン/エチルアクリレート/無水マレイン酸ランダムターポリマー;Kraton Performance Polymer Inc.から商業的に入手可能なKraton(商標)という、スチレンおよびエチレン/ブチレンをベースにした直鎖トリブロックコパリマー;およびTiconaから商業的に入手可能なRiteFlex(商標)ポリエステルエラストマーを含む。
内側および外側コア層は、ここで検討されたような異なる特性を具備するように調合される。オプションの中間層はこれらの層を形成するための具体的な組成物により限定されず、任意の適切なゴルフボール組成物から形成でき、これらゴルフボール組成物は、天然ゴム;ポリブタジエン;ポリイソプレン;エチレンプロピレンゴム;エチレン−プロピレン−ジエンゴム;スチレン−ブタジエンゴム;ブチルゴム;ハロブチルゴム;熱硬化性ポリウレタン;熱硬化性ポリ尿素;アクリロニトリルブタジエンゴム;ポリクロロプレン;アクリルアクリレートゴム;塩素化イソプレンゴム;アクリロニトリル塩素化イソプレンゴム;ポリアルケナマーゴム;ポリエステル;ポリアクリレート;部分的に、および充分に中和されたアイオノマー;アイオノマーおよびポリアミドのグラフトコポリマー;ポリエステル、とくに適合化基、例えば、スルホン酸塩または燐酸塩により改質したポリエステル(これは改質ポリ(エチレンテレフタレート)、改質ポリ(ブチレンテレフタレート)、改質ポリ(プロピレンテレフタレート)、改質ポリ(トリメチレンテレフタレート)、改質ポリ(エチレンナフテレート)、および、米国特許第6,353,050号および同第6,001,930号に開示されたもの、およびこれらの2以上のブレンドを含む。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。);ポリアミド、ポリアミド−エーテル、およびポリアミド−エステル(これに限定されないが、米国特許第6,187,864号、同第6,001,930号、および同第5,981,654号に開示されたものを含む。これらの文献の内容は参照してここに組み入れる。);ポリウレタン、ポリ尿素、および、ポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド(これに限定されないが、米国特許大5,334,673号、同第5,484,870号、同第6,506,851号、同第6,765,436号、同第6,835,794号、同第6,867,279号、同第6,960,630号、および同第7,105,623号、ならびに米国特許出願公開第2007/0117923号、ならびに、米国特許出願第60/401,047号、および同第13/613,095号に開示されたものを含み、これらの内容は参照してここに組み入れる);フルオロポリマー(これに限定されないが、米国特許第5,691,066号、同第6,747,110号、および同第7,009,002号に開示されたものを含む。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。);非アイオノマー性酸ポリマー、例えばE/Y−およびE/X/Y−タイプのコポリマー(これに限定されないが、米国特許第6,872,774号に開示されたものを含む。その内容は参照してここに組み入れる);メタローセン触媒ポリマー(これに限定されないが、米国特許第6,274,669号、同第5,919,862号、同第5,981,654号、および同第5,703,166号に開示されたものを含む。これら文献の内容は参照してここに組み入れる。);ポリスチレン、例えば、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリエチレンスチレン;ポリプロピレン、ポリエチレン、プロピレンエラストマー、エチレンエラストマー、および、プロピレンおよびエチレンのコポリマー;ポリビニルクロライド;ポリビニルアセテート、好ましくは、約9重量%未満のビニルアセテートを具備するもの;ポリカーボネート、ポリカーボネート/アクリロニトリル−ブタジエンスチレンのブレンド、ポリカーボネート/ポリウレタンのブレンド、およびポリカーボネート/ポリエステルのブレンド;ポリビニルアルコール;ポリエーテル、例えば、ポリアリーレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、アルケン芳香族炭化水素のビニル芳香族炭化水素およびポリ(アミド酸エステル)とのブロックコポリマー;ポリイミド、ポリエーテルケトン、およびポリアミドイミド;ポリカーボネート/ポリエステルコポリマー;およびこれらの2またはそれ以上の組み合わせを含む。
具体的な実施例において、コアはゴム組成物から形成された中間層を含む。他の具体的な実施例において、コアはHNP組成物から形成された中間層を含む。
熱可塑性コア組成物はオプションで熱硬化性ジエン組成物と一緒に処理され、または混合され、オーバーモールド時に流れ出すのを減少または防止する。オプションの処理は、モールドに先立つ過酸化物の材料への添加、または、例えば、架橋溶液、電子ビーム、ガンマ線照射、イソシアネートまたはアミン溶液処理等のモールド後の処理を含む。熱硬化性層が熱可塑性層の上に熱可塑性層を架橋するのに必要な温度で、典型的には280°Fから360°Fで、約5〜30分の間、モールドされるので、そのような処理は熱可塑性相が溶融し、流れだし、またはモールド赤道から「漏れ」(leaking)出すのを防止できる。
多層コアはカバーにより包まれ、これは、単一、二重、またはマルチ層カバーであって良く、好ましくは全体の厚さが、下限が0.010または0.020または0.025または0.030または0.040または0.045インチで、上限が0.050または0.060または0.070または0.075または0.080または0.090または0.100または0.150または0.200または0.300または0.500インチの範囲内である。具体的な実施例において、カバーは、厚さが0.010または0.020または0.025インチから0.035または0.040または0.050インチの単一層である。他の具体的な実施例において、カバーは、厚さが0.010または0.020または0.025インチから0.035または0.050インチの内側カバー層と、厚さが0.010または0.020または0.025インチから0.035または0.040の外側カバー層とから成る。
適切なカバー材料は、これに限定されないが、ポリウレタン、ポリ尿素、および、ポリウレタンおよびポリ尿素のハイブリッド;アイオノマー樹脂およびそれらのブレンド(例えば、DuPont de Nermours and Company社から商業的に入手可能な、Surlyn(商標)アイオノマー樹脂、およびDuPont(商標)HPF1000およびHPF2000、ExxonMobil Chemical社から商業的に入手可能なIotek(商標)アイオノマー;The Dow Chemical Company社から商業的に入手可能なAmplify(商標)IOエチレンアクリル酸コポリマーのアイオノマー;および、A. Schulman Incから商業的に入手可能なClarix(商標)アイオノマー樹脂);例えば低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンを含むポリエチレン;ポリプロピレン;ゴム強化オレフィンポリマー;非アイオノマー性コポリマーの酸コポリマー、例えばポリアクリル(メタクリル)酸;プラストマー;フレクソマー;スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー;スチレン/エチレン−ブチレン/スチレンブロックコポリマー;動的に加硫したエラストマー;エチレンビニルアセテート;;エチレンメチルアクリレート;ポリビニルクロライド樹脂;ポリアミド、アミド−エステルエラストマー、および、例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)熱可塑性ポリエーテルおよびポリエステルアミドを含むアイオノマーとポリアミドのグラフトコポリマー;架橋トランスポリイソプレンおよびそのブレンド;ポリエステルベースの熱可塑性エラストマー、例えば、DuPont de Nermours and Company社から商業的に入手可能なHytel(商標);ポリウレタンベースの熱可塑性エラストマー、例えば、BASF社から商業的に入手可能なElastollan(商標);合成または天然の加硫ゴム;およびこれらの組み合わせを含む。
1つのアイオノマーまたは2つ以上のアイオノマーのブレンドを有する組成物も、カバー層を生成するのに適している。好ましいアイオノマーのカバー組成物は、以下を含む。
「高酸アイオノマー」を有する組成物(すなわち酸顔料が16wt%を超えるもの)、例えば、Surlyn8150(商標);
高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマー(すなわち、Fusabond官能化ポリマー)を有する組成物。高酸アイオノマーおよび無水マレイン酸グラフト化非アイオノマーポリマーの、とくに好ましいブレンドは、Surlyn8150(商標)およびFusabond(商標)の84wt%および16wt%のブレンドである。高酸アイオノマーに無水マレイン酸グラフト化ポリマーを加えたブレンドはさらに米国特許第6,992,135号および同第6,677,401号に開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる;
Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Nucrel(商標)960の50/45/5のブレンドを有する組成物。好ましくは、80〜85ショアCの材料硬度を有する;
Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650/Surlyn(商標)9910の50/25/25のブレンドを有する組成物。好ましくは、約90ショアCの材料硬度を有する;
Surlyn(商標)8940/Surlyn(商標)9650の50/50のブレンドを有する組成物。好ましくは、約86ショアCの材料硬度を有する;
Surlyn(商標)7940/Surlyn(商標)8940のブレンドを有する組成物。オプションとしてメルトフロー修正剤を含む;
第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマーのブレンドを有する組成物で、第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーのカチオンと異なるカチオンで中和され(例えばSurlyn(商標)8150/Surlyn(商標)9150の50/50のブレンド)、オプションとして、アイオノマー、エチレン酸コポリマー、またはエステルポリマーのような1または複数のメルトフロー修正剤を含むもの;
第1の高酸アイオノマーおよび第2の高酸アイオノマー(第1の高酸アイオノマーは第2の高酸アイオノマーのカチオンと異なるカチオンで中和される)、ならびに、0〜10wt%のエチレン/酸/エステルアイオノマー(エチレン/酸/エステルアイオノマーは、第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーのカチオンと同一のカチオンで中和され、あるいは、第1の高酸アイオノマーまたは第2の高酸アイオノマーのカチオンのいずれとも異なるカチオンで中和される。例えば、40−50wt%のSurlyn(商標)8140、40−50wt%のSurlyn(商標)9120、および0−10wt%のSurlyn(商標)6320のブレンド)のブレンドを有する組成物。
Surlyn(商標)8150、Surlyn(商標)8940、およびSurlyn(商標)8140は、酸基がナトリウムイオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーの異なるグレードである。Surlyn(商標)9650、Surlyn(商標)9910、Surlyn(商標)9150、およびSurlyn(商標)9120は、酸基が亜鉛イオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーの異なるグレードである。Surlyn(商標)7940は、酸基がリチウムイオンで部分的に中和されているE/MAAコポリマーである。Surlyn(商標)6320は、中間的な酸含量を伴い、低モデュラスのマグネシウムアイオノマーである。Nucrel(商標)960は、名目上、15wt%のメタクリル酸を伴って製造されたE/MAAコポリマーである。Surlyn(商標)、Fusabond(商標)、およびNucrel(商標)コポリマーは、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能である。
アイオノマーのカバー組成物は、非アイオノマーの熱可塑性樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリ−エーテル−エステル、ポリ−アミド−エステル、ポリエーテル−尿素、熱可塑性ポリエーテルブロックアミン(例えば、Arkema社から商業的に入手可能なPebax(商標)ポリエーテルおよびポリエステルアミド)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、スチレン(エチレン−ブチレン)−スチレンブロックコポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリエチレン−(メタ)アクリレート、ポリエチレン−(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸グラフト化で官能化されたポリマー、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なFusabond(商標)官能化ポリマー、エポキシ化によって官能化されたポリマー、エラストマー(例えばエチレンプロピレンジエンモノマーゴム、メタローセン触媒ポリオレフィン))および熱硬化性エラストマーの粉砕粉末とブレンドできる。
アイオノマーのゴルフボールカバー組成物は、それに限定されないが、酸コポリマー樹脂(例えば、E.I.duPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能な、Nucrel(商標)酸コポリマー樹脂、とくに、Nucrel(商標)960)、性能添加剤(例えば、Honeywell International社から商業的に入手可能な、A−C(商標)性能添加剤、とくに、A−C(商標)低分子量アイオノマーおよびコポリマー、A−C(商標)酸化ポリエチレン、およびA−C(商標)エチレンビニルアセテートワックス)、脂肪酸アミド(例えば、エチレンビス−ステアリン酸アミド、およびエチレン−ビスオレイン酸アミド)、脂肪酸およびその塩のような、フロー修正剤を含んで良い。
適切なアイオノマーのカバー材料は、例えば、米国特許第6,653,382号、同第6,756,436号、同第6,894,098号、同第6,919,393号、および同第6,953,820号にさらに開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
ポリウレタン、ポリ尿素、および、ポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド(これに限定されないが、米国特許第5,334,673号、同第5,484,870号、同第6,506,851号、同第6,765,436号、同第6,835,794号、同第6,867,279号、同第6,960,630号、および同第7,105,623号、ならびに米国特許出願公開第2007/0117923号、ならびに、米国特許出願第60/401,047号、および同第13/613,095号に開示されたものを含み、これらの内容は参照してここに組み入れる)
カバー組成物は、1または複数のフィラー、例えば、例えば、二酸化チタン、硫酸バリウム等、および/または、添加物、例えば、着色剤、蛍光剤、白色剤、酸化防止剤、分散剤、UV吸収剤、光安定剤、可塑剤、界面活性剤、相溶化剤、発泡剤、強化剤、離型剤等を含んでも良い。適切なカバー材料及び構造は、これに限定されないが、米国特許出願公開第2005/0164810号、米国特許第5,919,100号、同第6,117,025号、同第6,767,940号、および同第6,960,630号、並びにPCT公開WO00/23519および同WO00/29129に開示されたものも含んで良く、これらの内容は参照してここに組み入れる。具体的な実施例において、カバーは単一層であり、好ましくは、材料硬度が60ショアD以上、あるいは、60または62または65ショアDから65または70または72ショアDであるアイオノマーの組成物から形成され、その厚さは、0.02インチ以上、または0.03インチ以上、または0.04インチ以上、あるいは下限が0.010または0.015または0.020インチで上限が0.035または0.040または0.050インチの範囲内である。他の具体的な実施例において、カバーは単一層であり、その厚さは0.010または0.025インチから0.035または0.040インチであり、材料硬度が62ショアD以下、または62ショアD未満、または60ショアD以下、または60ショアD未満、または55ショアD以下、または55ショアD未満である、アイオノマーベース、ポリウレタンベース、またはポリ尿素ベースの組成物から選択される、熱可塑性組成物から形成される。
他の具体的な実施例において、カバーは単一層であり、その厚さは0.010または0.025インチから0.035または0.040インチであり、材料硬度が62ショアD以下、または62ショアD未満、または60ショアD以下、または60ショアD未満、または55ショアD以下、または55ショアD未満である、熱硬化性ポリウレタンベース、または熱硬化性ポリ尿素ベースの組成物から形成される。他の具体的な実施例において、カバーは、アイオノマーの組成物から形成された内側カバー層と、熱硬化性ポリウレタンベース、または熱硬化性ポリ尿素ベースの組成物から形成された外側カバー層とを有する。内側カバー層組成物の材料硬度は、好ましくは、60または62または65ショアDから65または70または72ショアDである。内側コア層の厚さは、好ましくは、下限が0.010または0.020インチから0.030インチで上限が0.035または0.040または0.050インチの範囲内である。外側カバー層組成物の材料硬度は、好ましくは、62以下、または62ショアD未満、または60ショアD以下、または60ショアD未満、または55ショアD以下、または55ショアD未満である。外側コア層の厚さは、好ましくは、下限が0.010または0.020インチから0.025インチで上限が0.035または0.040または0.050インチの範囲内である。他の具体的な実施例において、カバーは、アイオノマーの組成物から形成された内側カバー層と、アイオノマーベース、ポリウレタンベース、またはポリ尿素ベースの組成物から選択される、熱可塑性組成物から形成された外側カバー層とを有する。内側カバー層組成物の材料硬度は、好ましくは、60または62または65ショアDから65または70または72ショアDである。内側コア層の厚さは、好ましくは、下限が0.010または0.020インチから0.030インチで上限が0.035または0.040または0.050インチの範囲内である。外側カバー層組成物の材料硬度は、好ましくは、62以下、または62ショアD未満、または60ショアD以下、または60ショアD未満、または55ショアD以下、または55ショアD未満である。外側コア層の厚さは、好ましくは、下限が0.010または0.020インチから0.025インチで上限が0.035または0.040または0.050インチの範囲内である。
他の具体的な実施例において、カバーは、二重カバー、または、多層カバーであり、アイオノマーの組成物から形成された内側カバー層または中間層と、ポリウレタンベース、またはポリ尿素ベースの組成物から選択される、熱可塑性組成物から形成された外側カバー層とを有する。アイオノマー層の表面硬度は、70ショアD以下、または65ショアD以下、または65ショアD未満、または、50から65ショアD、または57から60ショアD、または58ショアDであり、その厚さは、下限が0.010または0.020インチから0.030インチで上限が0.045または0.080または0.120インチの範囲内である。外側カバー層は好ましくは鋳造可能または反応性射出成型可能なポリウレタン、ポリ尿素、またはポリウレタン/ポリ尿素のコポリマーまたはハイブリッドから形成される。そのようなカバー材料は好ましくは熱硬化性であるけれども、熱可塑性であってもよい。外側カバー層組成物の材料硬度は、好ましくは、85ショアC以下、または45ショアD以下、または40ショアD以下、または25ショアDから40ショアD、または30ショアDから40ショアDである。外側コア層の表面硬度は好ましくは下限が20または30または35または40ショアDで上限が52または58または60または65または70または72または75ショアDの範囲内である。外側コア層の厚さは、好ましくは、下限が0.010または0.015インチから0.025インチで上限が0.035または0.040または0.045または0.050または0.055または0.075または0.080または0.115インチの範囲内である。
水蒸気バリア層も、コアおよびカバーの間にオプションとして採用される。水蒸気バリア層は、例えば、米国特許第6,632,147号、同第6,838,028号、同第6,932,720号、同第7,994,854号、および同第7,182,702号、並びに、米国特許出願公開第2003/0069082号、同第2003/0069085号、同第2003/0130062号、同第2004/0147344号、同第2004/0185963号、同第2006/0068938号、同第2006/0128505号、および同第2007/0129172号にさらに開示されており、それらの内容は参照してここに組み入れる。
熱可塑性層はここでは正または負の硬度勾配を形成するような態様で処理されて良い。熱硬化性ゴムを使用する場合のこの考案のゴルフボール層においては、勾配形成プロセスおよび/または勾配形成ゴム調合が採用されて良い。勾配形成プロセスおよび調合は、2008年3月14日出願の米国特許出願第12/048,665号;2007年7月27日出願の米国特許出願第11/829,461号;2007年8月1日出願の米国特許出願第11/832,197号においてより詳細に開示され、それらの内容は参照してここに組み入れる。
この考案のゴルフボールの反発係数は典型的には0.70以上、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.78以上である。この考案のゴルフボールの圧縮は、典型的には、40以上であり、または、下限が50または60で上限が100または120の範囲である。この考案のゴルフボールのディンプル被覆率は典型的には60%以上、好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上である。合衆国ゴルフ協会仕様は競技用ゴルフボールの最小サイズを1.680インチに制限している。最大径に関する仕様はなく、また、任意のサイズのゴルフボールをリクリエーションプレイに使用できる。この考案のゴルフボールの全体的な直径は任意のサイズであって良い。この考案のゴルフボールの好ましい径は1.68インチから1.800インチである。より好ましくは、この考案のゴルフボールの全体の径は最小限が1.680インチで最大限が1.740または1.760または1.780または1.800インチである。この考案のゴルフボールの慣性モーメント(「MOI」)は70−95g・cmであり、好ましくは75−93g・cmであり、さらに好ましくは76−90g・cmである。MOIが小さな実施例では、ゴルフボールのMOIは好ましくは85g・cm以下、または、83g・cm以下である。MOIが大きな実施例では、ゴルフボールのMOIは好ましくは86g・cm以上、または、87g・cm以上である。MOIはコネチカット州コリンスビルのInertia Dynamics社により製造されるモデル番号MOI−005−104の慣性モーメント測定器により測定される。測定器はPCとの通信のためにCOMMポートに接続され、MOI測定ソフトウェアバージョン#1.2により駆動される。
この考案の目的に関しては、「圧縮」はAtti圧縮を指し、Atti圧縮試験装置を用いて既知の手順で測定される。ピストンの移動を固定して、スプリングの偏位を測定する。スプリングの偏位の測定はボールと接触しても始まらない。そうでなくて、スプリングの変位の最初のほぼ1.25mm(0.05インチ)がオフセットである。非常に剛性が小さなコアはスプリングを1.25mmより多く撓まさず、ゼロのAtti圧縮が測定される。Atti圧縮テスタは42.7mm(1.68インチ)の径の物体を測定するように設計されているので、コアの圧縮をこれらテスタで測定するためには、コアは隙間を埋めて42.7mm(1.68インチ)の高さとなるようにしなければならない。Atti圧縮からRiehle圧縮(コア)、Riehle(ボール)、100kg偏位、130−10kg偏位または有効モヂュラスへの変換は、Jeff Dalton、Compression by Any Other Name、Science and Golf IV、Proceedings of the World Scientific Congress of Golf(Eric Thain ed. Routedge、2002)内に与えられた式に従って実行できる。
ここで使用されるように、CORは、球を空気砲から2つの所定の速度で打ち出し、125ft/sの速度でのCORを計算することにより決定される。複数の弾道光スクリーンがボール速度を測定するために固定距離で空気砲およびスチール板の間に配置される。ボールがスチール板へ移動するときに、各光スクリーンが活性化され、各光スクリーンにおける時間を測定する。これにより、ボールの入射速度に反比例した入射移行時間が得られる。ボールはスチール板と衝突して複数の光スクリーンを通り抜けてリバウンドし、これが光スクリーン間を移行するのに要する時間間隔を測定する。これにより、ボールの飛び出し速度に反比例した飛び出し移行時間が得られる。CORは飛び出し移行時間間隔の入射移行時間間隔に対する比、COR=Vout/Vin=Tin/Toutとして計算される。
ゴルフボール層の外側表面の硬度は、当該層の実際の外側表面上で測定され、対面する半球から取った多数の測定の平均から取得され、コアの分離線または表面欠陥、例えば穴または突起の上の測定を行わないように配慮する。硬度の測定はASTM D−2240「デュロメータによるゴムおよびプラスチックの凹み硬度」に従ってなされる。曲面ゆえに、表面硬度が読み取られる前にゴルフボールまたはゴルフボールアッセンブリをデュロメータインデンタの真下に中心づけられるように配慮する必要がある。0.1単位まで読みとることが可能な較正済みの1つのデジタルデュロメータを硬度測定に用いる。
コアの中心硬度は以下の手順に従って得られる。コアは、コアの直径より近似的に若干小さな内部直径の半球ホルダーに静かに押し込まれる、この際、コアは半球ホルダー中に配置され、同時にコアの幾何中心面が露出されるようにする。コアは摩擦でホルダー内に固着され、切断および削り取りステップにおいて移動しないようにし、それでいて、摩擦は、コアの自然な形状が乱されないよう過剰なものでない。コアは、コアの分離線がホルダーの頂部とおおよそ平行になるように取り付けられる。コアの直径は、取り付けに先立って、この方位と80度の角度で測定される。さらに、ホルダーの底からコアの頂部までの測定もなされ、これは将来の計算の基準点を実現する。また、ホルダーの底からコアの頂部までの距離を測定して将来の較正のための基準点を得る。コアの露出された幾何中心の若干上で、コアがこのステップ中にホルダー内で動かないようにしながら、帯ノコまたは他の適切な切断ツールを用いて、大まかに切断する。ホルダー内に依然として保持されているコアの残りの部分が表面研磨機のベース板に固定される。露出されている「粗い」コア表面が平滑で平坦な表面に研磨され、コアの幾何中心が現れるようにし、この幾何中心はホルダーの底からコアの露出表面までの高さを測定して検証できる。これによりコアのオリジナルの高さのちょうど半分が、+−0.004インチの範囲内で除去されたことを確実にする。コアをホルダー内に保持して、コアの中心を芯出し定規で見いだし、注意して印付けし、この中心印で硬度をASTM−D2240に従って測定する。コアの中心から任意の距離での硬度測定を、中心マークから径方向外側に伸びる線を引き、中心から典型的には2mmの増分の距離位置で硬度を測定することにより行う。
中心からの具体的な距離における硬度は、180°または90°それぞれ離れる、少なくとも2つ、好ましくは4つ半径の線分に沿って測定すべきであり、その後平均がとられる。幾何中心を通る面の上ですべての硬度測定が実行されても、コアは依然としてホルダーの中にあり、その配位が乱されないようにし、測定面がホルダーの底に常に平行になるようにし、また、それゆえに、デュロメータの足に正確に整合するようにする。任意の具体的な幾何位置において硬度ポイントは1度だけ測定すべきである。「材料硬度」および「ゴルフボール上で直接測定される硬度」の間には基本的な相違があることに留意されたい。この考案の説明の範囲では、材料硬度はASTM D2240に従って測定され、材料から製造された平らな「スラブ」または「ボタン」の硬度を測定することに一般的に関連する。「材料硬度」と「ゴルフボールの表面で直接に測定した硬度」とは、基本的に異なることを理解されたい。この開示の目的において、材料硬度は、ASTM D2240に従って測定され、一般的には、当該材料から形成され平坦な「スラブ」または「ボタン」の硬度を測定することを含む。ゴルフボール(または他の球面)の表面で直接に測定されるような硬度は、典型的には材料硬度と異なる硬度値をもたらす。硬度値におけるこの相違は、限定するものではないが、ボール構造(即ち、コアのタイプ、コアおよび/またはカバー層の数等)、ボール(または球体)直径、および隣接各層の素材組成のようないくつかの要因に由来する。また、2つの測定方法は直線的には相関せず、従って、一方の硬度値が他方の硬度値と容易に相関し得ないことも理解すべきである。
以下の理論的実験例は説明のみを目的としたものである。如何なる態様でも、この考案は、ここに記載される具体的な開示に限定されるものではない。
ソフトで低圧縮の内側コア層が以下のように製造できる。ポリブタジエンおよび0.1から2.0phrの過酸化物の直径0.60インチの球が、305〜350°Fで5〜15分硬化される。フィラー、着色剤、酸化防止剤、および少量(すなわち5phr以下)の酸化亜鉛および/またはコエージェント(例えば、亜鉛ジアクリレート、亜鉛ジメタクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート等)がオプションで添加され、例えば、反応効率を増大させ、硬度および圧縮を最適化する。できあがった内側コア層の中心硬度は約10ショアCであり、外側表面硬度は約20ショアCであり、正の硬度勾配は約10であり、圧縮は0未満であり、CORは約0.600である。外側径が約1.530で外側表面の硬度が約90Cの外側コア層が慣用的なポリブタジエンゴルフボール組成物から形成される。できあがった二重コアの圧縮は約90から約100であり、そのCORは約0.810である。二重コアは、アイオノマーから形成された内側カバー層およびポリウレタンから形成された外側カバー層に包まれる。
以下の表XVIに示される実験的なゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4は、この発明のゴルフボールを説明し、慣用的な実験ゴルフボールComp.Ex.1と比較される。ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、Ex.4、およびComp.Ex.1の各々は、二重コア、カバー、およびこれら二重コアおよびカバーの間に配された中間層を有する。
この考案の実験的なゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4の各々の二重コアは、過酸化物硬化されたポリブタジエンゴムからなるソリッド内側コアが、熱可塑性組成物Tcからなる外側コア層に包囲されてなる。具体的には、ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4の各内側コアは、以下の表XIIIにおいて調合されるポリブタジエンベースのゴム組成物R2またはR4の1つから形成される。
1.Trigonox(商標)はAkzo Nobelから入手可能な開始剤である。
表XIIIから証拠づけられるように、調合R2およびR4は、R4がZDAおよびジメニルジヅルフィドを組み入れているのに対してR2haZnPCTPを組み入れている点で異なっている。他方、ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4の外側コア層の各々は、熱可塑性組成物Tc(Tc(1A)またはTc(1B)の1つ)からなり、これは、エチレンおよびα,β−不飽和カルボン酸の、オプションでアルキルアクリレートおよびメタクリレートからなるグループから選択された軟化モノマーを含む酸コポリマー;ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体;有機酸またはその塩;および組成物中に存在するすべての酸基の80%より多くを中和するのに十分な量だけ存在するカチオン源を有する高度に中和されたポリマー組成物から形成される。具体的には、ゴルフボールEx.1およびEx.4の外側コア層は熱可塑性組成物Tc(1A)から形成され、ゴルフボールEx.2およびEx.3の外側コア層は熱可塑性組成物Tc(1B)から形成され、各々は、表XIVに示されるように調合される。
2.Primacor(商標)5980IはThe Dow Chemical Companyから商業的に入手可能なエチレン−アクリル酸(EAA)コモノマーである。
3.Royaltuf(商標)498はAddivant(商標)から入手可能な無水マレイン酸修正エチレンープロピレン非共役ジエン(EPDM)ターポリマーである。
4.HPF(商標)1000はE.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能なエチレン酸アクリレートターポリマーのアイオノマーである。
5.Surlyn(商標)アイオノマーはE.I.DuPont de Nemours and Companyから商業的に入手可能である。
ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4の中間層は上の表XIVのアイオノマー材料TP(1A)またはTP(1B)の一方から形成され、各カバーは表XVで詳述されるカバー材料C1、C2、またはC3の1つから形成される。
6. メチレンジフェニルジイソシアネート
7. ポリテトラメチレンエーテルグリコール
8. Ethacure300はAlbemarleにより販売されるジメリルチオトルエンジアミンである。
9. BASFから商業的に入手可能なポリウレタンベースの熱可塑性エラストマーである。
10. Lubrizol Corporationから商業的に入手可能芳香族ポリエーテルベースの熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。
対照的なことに、比較ゴルフボールComp.Ex.1において、内側コアおよび外側コア層の双方は、各々、表XIIIの慣用的なゴム組成物R3およびR1からそれぞれ形成される。ゴム組成物R3およびR1は、R3がTrigonox(商標)265開始剤および酸化防止剤を組み入れているのに対してR1がジクミルペルオキシドを組み入れている点で相互に異なる。
また、R3およびR1は、この考案の実験的なゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4の内側コア材料R4およびR2と以下の点で異なる。すなわち、(i)R3およびR1の双方は、ゴム組成物R4(5phr)およびR2(ゼロ)の少なくとも4倍より多いZDAを組み入れ、また(ii)R4およびR2はゴム組成物R3およびR1より4倍以上の酸化亜鉛(架橋系活性剤)を組み入れている。
しかしながら、ゴルフボールComp.Ex.1はこの考案の実験的ゴルフボールEx.1およびEx.4の中間層材料TP(1)と同一材料から形成された中間層を組み込み、またこの考案の実験的ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4のカバー材料C3と同一の材料から形成されたカバーを組み入れている。
以下の表XVIは、表XIII、XIV、およびXVの調合詳細を反映し、さらに、ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、Ex.4、およびComp.Ex.1の各々の構造および所定の付加的な特性を特定し、これは以下のとおりである。
表XVIのゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3およびEx.4を参照すると、内側コア層の各々は過酸化物硬化ポリブタジエンゴムからなり、直径が1.25インチ未満で(また、1.10インチ未満、および1.0インチ未満)であり、中心ショアC硬度(Hcenter)が50未満である。さらに、外泡コア層の各々は熱可塑性組成物Tcからなり、厚さが0.400インチ以上で、外側表面ショアC硬度(Houter surface)が70以上であり、Houter surface>Hcenterで、かつ、Houter surfaceーHcenter≧40である。内側コアの各々の過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物はポリブタジエン、および、ソリッドコア内側層が50以下の中心ショアC硬度(Hcenter)Hcenter)を有するのに十分な量の過酸化物の反応生成物である。
すなわち、ゴルフボールEx.1において、過酸化物硬化ポリブタジエンゴム内側コア層はR2から形成され、0.50インチの直径を有し、中間ショアC硬度は17である。他方、外側コア層は熱可塑性組成物Tc(1A)から形成され、その厚さは0.405インチで、外側表面ショアC硬度は84である。ゴルフボールEx.1の外側コア層の外側表面硬度は、したがって、「内側コア層の中心硬度より少なくとも40ショアCポイント大きい」(すなわち中心硬度より67ショアCポイントだけ大きい)。興味深いことに、ゴルフボールEx.1は、また、中心ショアC硬度が40以下で、外側表面ショアC硬度が75以上で、外側表面硬度が中心硬度より少なくとも50ショアCポイントだけ大きいという、実施例を満たす。
ゴルフボールのEx.2、Ex.3、およびEx.3のコアは、少なくとも、具体的な過酸化物硬化ポリブタジエンゴム材料R2/R4に関し、および/または熱可塑性組成物Tc(1)に関して、ゴルフボールEx.1と異なる。例えば、ゴルフボールEx.1およびEx.3の内側コアは各々ポリブタジエンゴム材料R2を組み込むけれども、Ex.1はTc(1A)から形成された外側コア層を有するのに対して、ゴルフボールEx.2の外側コア層はTc(B)から形成される。
他方、ゴルフボールEx.2のコアは、具体的な過酸化物硬化ポリブタジエンゴム内側コア材料(R4対R2)および外側コア層熱可塑性組成物Tc(Tc(1B)対TP(1A))に関してそれぞれ異なる。つぎに、ゴルフボールEx.4は、ゴルフボールEx.1と、具体的な過酸化物硬化ポリブタジエンゴム材料(それぞれR4対R2)の点で異なるコアを具備し、ただし、外側コア層の調合は同一である(Tc(1A))。
ゴルフボールEx.2の内側コアは、ゴルフボールEx.4の内側コアと同一の過酸化物硬化ポリブタジエンゴム材料R4を組み込んでいるけれども、これらゴルフボールの外側コア層は異なっている(それぞれTc(1B)およびTc(1A))。付加的には、ゴルフボールEx.2は、ゴルフボールEx.3の内側コア層(R2)と異なる過酸化物硬化ポリブタジエンゴム材料R4を組み込んでおり、ゴルフボールEx.1の外側コア層(Tc(1A)と異なる外側コア材料Tc(1B)を組み込んでいる。最後に、ゴルフボールEx.3およびEx.4はともに異なる内側コア材料(R2対R4)および異なる外側コア材料(それぞれTc(1B)対Tc(1A))を具備している。
ゴルフボールEx.1およびEx.3は異なる外側コア層材料を具備するだけでなくコアおよびカバーの間の異なる中間層を具備する。すなわち、TP(1)およびTP(2)である。また、ゴルフボールEx.2およびEx.4は異なる外側カバー層を具備するだけでなく(それぞれTc(1B)対Tc(1A))、異なる中間層を具備し(それぞれTP(2)対TP(1))、さらに異なるカバーを具備する(C2対C3)。ゴルフボールEx.1およびEx.4は異なる内側コア(それぞれR2対R4)を具備するだけでなく、異なるカバー、すなわち、それぞれC1およびC3を有する。これはゴルフボールEx.2およびEx.3についても正しく、これらは異なる内側コアを具備し(それぞれR4対R2)、異なるカバーC2対C3をそれぞれ具備する。
それにもかかわらず、ゴルフボールEx.2、Ex.3、およびEx.4は、各々の外側コア層外側表面硬度が内側コア層の中心硬度より「少なくとも40ショアC」だけ大きいという点で、ゴルフボールEx.1と類似している。具体的には、ゴルフボールEx.2、Ex.3、およびEx.4は、それぞれ、内側コア層の中心硬度より56、69、および54ショアC硬度ポイントだけ大きな外側コア層外側表面硬度を有する。
他方、ゴルフボールComp.Ex.1のコアは約50より十分大きな(すなわち72)中心ショアC硬度を有し、外側表面から中心へとかなり浅く、「少なくとも40」より十分下のショアC硬度勾配しか有さず、すなわち、たったの14ショアCポイントだけ大きい(86−72)だけである。
したがって、ゴルフボールEx.1、Ex.2、Ex.3、およびEx.4は、明瞭に、R1およびR2のような内側コア層の調合およびTc(1A)およびTc(1B)のような外側コア層の調合、並びに、種々の中間層およびカバー層の調合の特性の相違を調整することにより、硬い、コア外側表面から極めて柔らかい中心まで変化する急峻な正のショアC硬度勾配を具備するコアを組み込み、ドライバでの減少したスピンでありながらウェッジおよびアイアンでの適度なスピンを維持する所望のスピンプロフィールを実現できる。これら相違は一例として先に検討したとおりである。
図3Aは、この考案のゴルフボールの1実施例を図説し、ここで、ゴルフボール2は、過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物からなり、直径が1.25インチ以下で、中心ショアC硬度(Hcenter)が50以下のソリッド内側コア層4;熱可塑性組成物Tcからなり、厚さが0.40以上で、外側表面ショアC硬度(Houter surface)が70以上の外側コア層6;およびコアの周りに形成されたカバー8を有する。内側コア層4および外側コア層6の間にオプションの中間層10があって良い。他方、図3Bは、この考案のゴルフボールの他の実施例を図説し、ここで、ゴルフボール3は、過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物からなり、直径が1.25インチ以下で、中心ショアC硬度(Hcenter)が50以下のソリッド内側コア層4;熱可塑性組成物Tcからなり、厚さが0.40以上で、外側表面ショアC硬度(Houter surface)が70以上の外側コア層6;カバー8、およびコア層6およびカバー8の間に配された中間層10を有する。
数値下限および数値上限がここで示されるときには、これらの値に任意の組み合わせが採用できると理解されたい。添付の実用新案登録請求の範囲のスコープが上述した例や記載に限定されず、むしろ、実用新案登録請求の範囲は、この考案中に内在する登録性のある新規な特徴のすべてを包括するように構成されていることが意図されており、これは当業者が均等として扱うすべての特徴を含む。ここに引用した全ての特許、刊行物、テスト手順書、および他の参考文献は、さらに優先権ドキュメントも含んで、参照してここに組み入れる。ただし、それは、そのような開示がこの考案と一貫性を有する範囲であり、そのような参照による組み込みを法令が許容する範囲である。
2、3 ゴルフボール
4 内側コア層
6 外側コア層
8 カバー
10 中間層
1実施例において、Houter surface−Hcenter≧45である。他の実施例において、Houter surface−Hcenter≧50である。さらに他の実施例において、Houter surface−Hcenter≧55である。代替的な実施例において、Houter surface−Hcenter≧60である。他の実施態において、上記内側コア層の内側コア界面ショアC硬度(Hinner core interface )が、−5≦Hinner core interface −Hcenter≦5を満たす。他の実施例において、上記外側コア層の外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、Houter core interface−Hinner core interface ≦Houter core interface−Hcenterを満たす。代替的には、上記外側コア層の上記外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、Houter core interface−Hinner core interface >Houter core interface−Hcenterを満たす。具体的な実施例において、上記ソリッド内側コア層の中心ショアC硬度(Hcenter)が40以下であり、上記外側コア層の外側表面ショアC硬度(Houter core surface)が85以上であり、Houter surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧45である。

Claims (17)

  1. コアおよびカバーを有し、上記コアが、
    過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物からなり、31.75mm(1.25インチ)以下の直径を有し、50以下の中心ショアC硬度(Hcenter)を有するソリッド内側コア層と、
    熱可塑性組成物Tcからなり、10.16mm(0.400インチ)以上の厚さを有し、70以上の外側表面ショアC硬度(Houter surface)を有する外側コア層とを有し、
    outer surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧40であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 上記過酸化物硬化ポリブタジエンゴム組成物は、ポリブタジエンおよび上記中心ショアC硬度が50以下である上記ソリッド内側コア層を形成するのに十分な量の過酸化物の反応生成物を有する請求項1記載のゴルフボール。
  3. 100phrのポリブタジエンおよび0.05phrから3.0phrの過酸化物が、5phr以下の金属酸化物;5phr以下のコエージェント;または5phr以下の金属カーボネートの少なくとも1つと混合させられる請求項2記載のゴルフボール。
  4. 上記ポリブタジエンおよび上記過酸化物が、フィラー、酸化防止剤、処理助剤、光安定化剤、発色剤、接着助長剤、またはこれらの組み合わせの少なくとも1つと混合させられる請求項2記載のゴルフボール。
  5. outer surface−Hcenter≧45である請求項1記載のゴルフボール。
  6. outer surface−Hcenter≧50である請求項1記載のゴルフボール。
  7. outer surface−Hcenter≧55である請求項1記載のゴルフボール。
  8. outer surface−Hcenter≧60である請求項1記載のゴルフボール。
  9. 上記内側コア層の内側コア界面ショアC硬度(Hinner core inteface)が、
    −5≦Hinner core inteface−Hcenter≦5を満たす請求項1記載のゴルフボール。
  10. 上記外側コア層の外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、
    outer core interface−Hinner core inteface≦Houter core interface−Hcenterを満たす請求項1記載のゴルフボール。
  11. 上記外側コア層の上記外側コア界面ショアC硬度Houter core interfaceが、
    outer core interface−Hinner core inteface>Houter core interface−Hcenterを満たす請求項1記載のゴルフボール。
  12. 上記組成物Tcは、アルキルアクリレートおよびメタクリレートからなるグループから選択された軟化モノマーをオプションとして含むエチレンおよびα,β−カルボン酸のコポリマー;ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、メタローセン触媒ポリマー、シングルサイト触媒重合化ポリマー、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブロックコポリマーゴム、アルキルアクリレートゴム、およびこれらの官能化誘導体からなるグループから選択された非酸ポリマー;上記組成物中に存在する酸基の80%より多くを中和するのに十分な量だけ存在するカチオン源を有する請求項1記載のゴルフボール。
  13. 上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層をさらに有し、上記中間層は、アイオノマー;高度に中和されたアイオノマー;非アイオノマー性酸ポリマー;ポリウレタン、ポリ尿素、およびポリウレタン−ポリ尿素ハイブリッド;ポスエステルベースの熱可塑性エラストマー;ポリアミド、アイオノマーとポリアミド、ポリアミド−エーテル、およびポリアミド−エステルのコポリマー;エチレンベースのホモポリマーおよびコポリマー;プロピレンベースのホモポリマーおよびコポリマー;スチレンおよびエチレン/ブチレンに基づくトリブロックコポリマー;少なくとも1つのグラフト化またはコポリマー化官能基と相溶性のある、それらの誘導体;およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを有する請求項12記載のゴルフボール。
  14. 上記コアおよび上記カバーの間に配された中間層をさらに有し、上記中間層は、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDR)、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロブチルゴム、ポリウレタン、ポリ尿素、アクリロニトリルブタジエンゴム、ポリクロロプレン、アクリルアクリレートゴム、塩素化イソプレンゴム、アクリロニトリル塩素化イソプレンゴム、ポリアルケナマー、フェノールホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ポリエポキシド、ポリシロキサン、ポリエステル、アルキド、ポリイソシナヌレート、ポリアクリレート、およびこれらの組み合わせの少なくとも1つを有する請求項12記載のゴルフボール。
  15. 上記ソリッド内側コア層の中心ショアC硬度(Hcenter)が40以下であり、上記外側コア層の外側表面ショアC硬度(Houter core surface)が85以上であり、Houter surface>HcenterかつHouter surface−Hcenter≧45である請求項12記載のゴルフボール。
  16. 上記ソリッド内側コア層の直径が27.9mm(1.10インチ)以下である請求項12記載のゴルフボール。
  17. 上記ソリッド内側コア層の直径が25.4mm(1.0インチ)未満である請求項12記載のゴルフボール。
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