JP3207938U - 取り付け型空気清浄器 - Google Patents
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Abstract
【課題】送風機等に簡便に取り付けが可能であり、且つ、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルターを具える取り付け型空気清浄器を提供する。【解決手段】上記の課題は、空気流入口11を設けたケースA10aと空気排気口12を設けたケースB10bとを一体化させた容器本体と、容器本体の空気流入口11から空気排気口12への風路中に設けられた多孔質炭化ケイ素構造体に光触媒を担持した光触媒フィルター20と、光触媒フィルター20に紫外線エネルギーを供給する紫外線照射手段30と、容器本体を送風機の一形態である自動車の空気吹き出し口に装着可能とする係止具40と、を有することを特徴とする自動車用空気清浄器1により達成される。【選択図】図3
Description
本考案は、取り付け型空気清浄器に関する。
取り付け型空気清浄器としては、例えば、車載用空気浄化装置が挙げられる。特許文献1には、エア吸・排ファンの正転により自動車室内の空気を紫外線照射ランプより発生するオゾンガスで殺菌し、かつ脱臭するとともに、光触媒フィルターにより脱臭・浄化し、続くエア吸・排ファンの逆転により、殺菌し、脱臭・浄化された空気を車室内へ吐出可能とする車載用空気浄化装置が記載されている。
取り付け型空気清浄器には、自動車のダッシュボードやサーキュレーター等の送風機に簡便に取り付けが可能となるように、小型化且つ軽量化が要求される。この点、活性炭等の吸着剤を用いる脱臭フィルターを利用する空気清浄器と比較して、光触媒フィルターは空気清浄器の小型化に有効である。
すなわち、チタン系の光触媒に紫外線を照射すると、表面に付着した有機物が分解されて、防汚、消臭および殺菌効果を得るとされている。このような光触媒は、適当な担体上に固定化して使用される。例えば、担体として炭素繊維を選択し、その表面に光触媒を固定化する方法が種々検討されている。しかし、炭素繊維と光触媒との付着性が不十分な場合があり、安定化技術に改良の余地が残されている。
本考案の目的は、送風機等に簡便に取り付けが可能であり、且つ、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルターを具える取り付け型空気清浄器を提供することにある。
すなわち、チタン系の光触媒に紫外線を照射すると、表面に付着した有機物が分解されて、防汚、消臭および殺菌効果を得るとされている。このような光触媒は、適当な担体上に固定化して使用される。例えば、担体として炭素繊維を選択し、その表面に光触媒を固定化する方法が種々検討されている。しかし、炭素繊維と光触媒との付着性が不十分な場合があり、安定化技術に改良の余地が残されている。
本考案の目的は、送風機等に簡便に取り付けが可能であり、且つ、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルターを具える取り付け型空気清浄器を提供することにある。
かくして本考案によれば、一方に空気流入口と他方に空気排気口を設けた容器本体と、前記容器本体の前記空気流入口から前記空気排気口への風路中に設けられた多孔質炭化ケイ素構造体に光触媒を担持した光触媒フィルターと、前記光触媒フィルターに紫外線エネルギーを供給する紫外線照射手段と、前記容器本体を送風機の空気吹き出し口に装着可能とする係止具と、を有することを特徴とする取り付け型空気清浄器が提供される。
ここで、前記多孔質炭化ケイ素構造体は、スポンジ状多孔質構造体と当該スポンジ状多孔質構造体に付着した樹脂及びシリコン粉末を反応焼結したものであることが好ましい。
前記多孔質炭化ケイ素構造体は、表面に蒸着したケイ素化合物が炭化ケイ素(SiC)に転化した炭素繊維の集合体であることが好ましい。
前記光触媒フィルターは、二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
前記紫外線照射手段は、前記容器本体の内部に配置されたLEDランプを有することが好ましい。
ここで、前記多孔質炭化ケイ素構造体は、スポンジ状多孔質構造体と当該スポンジ状多孔質構造体に付着した樹脂及びシリコン粉末を反応焼結したものであることが好ましい。
前記多孔質炭化ケイ素構造体は、表面に蒸着したケイ素化合物が炭化ケイ素(SiC)に転化した炭素繊維の集合体であることが好ましい。
前記光触媒フィルターは、二酸化チタン(TiO2)を含むことが好ましい。
前記紫外線照射手段は、前記容器本体の内部に配置されたLEDランプを有することが好ましい。
本考案によれば、送風機等に簡便に取り付けが可能であり、且つ、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルターを具える取り付け型空気清浄器が得られる。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。尚、本考案は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
<取り付け型空気清浄器1>
図1は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1が、自動車のダッシュボード60に取り付けられた状態を説明する図である。図1に示すように、取り付け型空気清浄器1は、自動車のダッシュボード60に設けられたエアコン等の空気吹き出し口50に取り付けられて使用される。取り付け型空気清浄器1には、内部に設けられる紫外線照射手段(後述する)としてのLEDランプに電気を供給する電源コード33が、USB(ユニバーサル・シリアス・バス)端子32を介して結合されている。尚、電源コード33の他端は、例えばダッシュボード60に備えられたシガーソケット(図示せず)に結合される。
図1は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1が、自動車のダッシュボード60に取り付けられた状態を説明する図である。図1に示すように、取り付け型空気清浄器1は、自動車のダッシュボード60に設けられたエアコン等の空気吹き出し口50に取り付けられて使用される。取り付け型空気清浄器1には、内部に設けられる紫外線照射手段(後述する)としてのLEDランプに電気を供給する電源コード33が、USB(ユニバーサル・シリアス・バス)端子32を介して結合されている。尚、電源コード33の他端は、例えばダッシュボード60に備えられたシガーソケット(図示せず)に結合される。
図2は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1の一例を示す概要図である。図2(a)は、取り付け型空気清浄器1の斜視図である。図2(a)に示すように、取り付け型空気清浄器1は、空気流入口11(後述する)を設けたケースA10aと空気排気口12(点線で表示)を設けたケースB10bとを組み合わせて一体化した容器本体10と、容器本体10の外部に設けられて容器本体10を自動車の空気吹き出し口に装着可能とする係止具40とから構成される。後述するように、取り付け型空気清浄器1は、内部に光触媒フィルターと紫外線照射手段を具えている。
図2(b)は、図2(a)のA方向から見た取り付け型空気清浄器1の正面図である。図2(b)に示すように、容器本体10を構成するケースB10bには、2個の空気排気口12が設けられている。各空気排気口12は、横方向に細長く形成されたスリット状の穴を縦方向に7段並べて形成されている。
図3は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1の分解斜視図である。図3に示すように、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1は、自動車のエアコン等の空気吹き出し口50(図1参照)側に空気流入口11が形成されたケースA10aと、空気排気口12が形成されてケースA10aと一体となって容器本体10(図2(a)参照)を構成するケースB10bとを有している。空気流入口11の形状は特に限定されないが、本実施の形態では、ケースA10aに矩形状の穴が複数形成されている。また、空気排気口12の形状は、前述したように、横方向に細長く形成されたスリット状の穴を縦方向に複数段並べて形成されている(図2(b)参照)。
容器本体10(図2(a)参照)内部には、ケースA10aの空気流入口11からケースB10bの空気排気口12への風路中に設けられた光触媒フィルター20と、光触媒フィルター20に紫外線エネルギーを供給する紫外線照射手段30が備えられている。さらに、本実施の形態では、光触媒フィルター20の空気流入口11側の面と空気排気口12側の面とにそれぞれ平板状のナイロンメッシュ21が設けられ、フィルター面の保護や、大きなゴミの付着が防止されている。光触媒フィルター20の構造については後述する。
紫外線照射手段30は、紫外線エネルギーを供給するLEDランプを有する基板31と外部電源と結合するUSB端子32とを具えている。本実施の形態では、紫外線照射手段30は、空気排気口12が形成されたケースB10b側から光触媒フィルター20に波長200nm〜400nmの紫外線を照射している。本実施の形態では、LEDランプに使用する発光ダイオードとして、ナイトライド・セミコンダクター株式会社製NS375L−5RLL(発光波長375nm〜380nm、発光出力8.4mW〜14.0mW)を採用している。係止具40は、空気流入口11が形成されたケースA10aに取り付けられ、容器本体10(図2(a)参照)を自動車の空気吹き出し口50(図1参照)に装着する。
図4は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器1が、自動車のダッシュボード60に取り付けられて使用する状態を示す概略断面図である。図4に示すように、取り付け型空気清浄器1は容器本体10と、容器本体10の外側に取り付けられた係止具40を有している。係止具40は、例えば、合成樹脂製のクリップとして形成され、自動車の空気吹き出し口50のルーバー羽根50aを挟持可能になっている。係止具40は、空気吹き出し口50に装着可能な形状であればよく、適宜な構造に変更が可能である。
取り付け型空気清浄器1を自動車の空気吹き出し口50に取り付けることにより、空気吹き出し口50から吹き出された空気は、容器本体10の空気流入口11から入り、両側をナイロンメッシュ21で挟まれた光触媒フィルター20に接触し、空気排気口12から出るようになっている。ここで、紫外線照射手段30のLEDランプの光(紫外線)が光触媒フィルター20に照射され、自動車内の空気に含まれる有機物(例えば、悪臭の原因物質、ウイルス等の浮遊菌、花粉、タバコの煙等)が光触媒フィルター20の光触媒により分解される。
図5は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器100を、送風機500に適用する場合を説明する図である。
図5に示すように、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器100は、空気排気口120を設けた容器本体110と、容器本体110を送風機500に装着可能とする係止具140とを有する。尚、空気排気口120に対向する面に設ける空気流入口と、容器本体110に内蔵される光触媒フィルターおよび紫外線照射手段は省略する。
図5に示すように、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器100は、空気排気口120を設けた容器本体110と、容器本体110を送風機500に装着可能とする係止具140とを有する。尚、空気排気口120に対向する面に設ける空気流入口と、容器本体110に内蔵される光触媒フィルターおよび紫外線照射手段は省略する。
送風機500は、空気吹き出し口51を設けた送風機本体510を有し、送風機本体510の両側に取り付け部540が設けられている。取り付け部540に取り付け型空気清浄器100の係止具140が固定されることにより、取り付け型空気清浄器100が送風機500に取り付けられる。
本実施の形態では、取り付け型空気清浄器100には、送風機500の送風機本体510の幅に対応して、係止具140がA方向に移動可能のように係止具可動部141が設けられている。
本実施の形態では、取り付け型空気清浄器100には、送風機500の送風機本体510の幅に対応して、係止具140がA方向に移動可能のように係止具可動部141が設けられている。
図6は、本実施の形態が適用される取り付け型空気清浄器100が、送風機500に取り付けられる状態を説明する図である。図5と同じ符号を付した構成についてはその説明を省略する。
図6に示すように、取り付け型空気清浄器100は、取り付け型空気清浄器100の係止具140が、送風機500の取り付け部540に固定されることにより、取り付け型空気清浄器100が送風機500に取り付けられる。本実施の形態では、取り付け型空気清浄器100には、送風機500の送風機本体510の奥行き幅に対応して、係止具140がB方向に移動可能のように可動構造が設けられている。
図6に示すように、取り付け型空気清浄器100は、取り付け型空気清浄器100の係止具140が、送風機500の取り付け部540に固定されることにより、取り付け型空気清浄器100が送風機500に取り付けられる。本実施の形態では、取り付け型空気清浄器100には、送風機500の送風機本体510の奥行き幅に対応して、係止具140がB方向に移動可能のように可動構造が設けられている。
<光触媒フィルター20>
次に、取り付け型空気清浄器1に使用される光触媒フィルター20について説明する。本実施の形態において使用する光触媒フィルター20は、多孔質炭化ケイ素構造体に光触媒を固定化(担持)させることにより形成される。以下、多孔質炭化ケイ素構造体と光触媒について説明する。
次に、取り付け型空気清浄器1に使用される光触媒フィルター20について説明する。本実施の形態において使用する光触媒フィルター20は、多孔質炭化ケイ素構造体に光触媒を固定化(担持)させることにより形成される。以下、多孔質炭化ケイ素構造体と光触媒について説明する。
<多孔質炭化ケイ素構造体>
本実施の形態における多孔質炭化ケイ素構造体は、1)炭化ケイ素(SiC)を骨格とした三次元多孔質構造体(事例1)と、2)表面に蒸着処理されたケイ素化合物が炭化ケイ素に転化した炭素繊維の集合体(事例2)と、が挙げられる。
本実施の形態における多孔質炭化ケイ素構造体は、1)炭化ケイ素(SiC)を骨格とした三次元多孔質構造体(事例1)と、2)表面に蒸着処理されたケイ素化合物が炭化ケイ素に転化した炭素繊維の集合体(事例2)と、が挙げられる。
多孔質炭化ケイ素構造体の事例1である「炭化ケイ素(SiC)を骨格とした三次元多孔質構造体」は、例えば、スポンジ状多孔質構造体の有形骨格に、炭素源としての樹脂とシリコン粉末を混合したスラリー(Siスラリー)を含浸させた後、約70℃で12時間程度乾燥することにより得られる。このとき、スラリー液が連続気孔部を塞がない程度にスラリー液を絞ることが好ましい。
スポンジ状多孔質構造体としては、例えば、発泡ポリウレタン等が挙げられる。Siスラリーの樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、有機金属ポリマー等が挙げられる。なお、必要に応じて炭素粉末、黒鉛粉末、カーボンブラック、骨材、酸化防止剤等の添加剤を添加する。
シリコン粉末としては、平均粒径が1μm〜10μm程度の微粉末が特に好ましい。また、Siスラリーの分散媒には、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。
スポンジ状多孔質構造体としては、例えば、発泡ポリウレタン等が挙げられる。Siスラリーの樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、有機金属ポリマー等が挙げられる。なお、必要に応じて炭素粉末、黒鉛粉末、カーボンブラック、骨材、酸化防止剤等の添加剤を添加する。
シリコン粉末としては、平均粒径が1μm〜10μm程度の微粉末が特に好ましい。また、Siスラリーの分散媒には、メチルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。
次に、スラリー液に含浸後乾燥したスポンジ状多孔質構造体を、真空又はアルゴン等の不活性雰囲気下において、900℃〜1,350℃程度の温度で炭素化する。これによって炭素化した多孔質構造体が得られる。この多孔質構造体は、フェノール樹脂の炭素化による炭素部分とシリコン粉末が混合した炭素化複合体である。続いて、この炭素化した多孔質構造体は、真空又はアルゴン等の不活性雰囲気下において、1,350℃以上の温度で焼成処理し、炭素とシリコンとを反応させ、炭化ケイ素(SiC)が多孔質構造体の有形骨格部分に形成された多孔質構造焼結体を得る。さらに、この多孔質構造焼結体は、真空又は不活性化雰囲気下で1,300℃〜1,800℃程度の温度における加熱により、有形骨格上にシリコンを溶融含浸した多孔質炭化ケイ素構造体が得られる。
なお、本実施の形態では、多孔質炭化ケイ素構造体の製造において使用するシリコン粉末のシリコン(Si)とフェノール樹脂等の炭素(C)との混合の割合は、シリコン(Si)と炭素(C)との原子比がSi/C=0.05〜4になるように選ぶのが望ましい。
なお、本実施の形態では、多孔質炭化ケイ素構造体の製造において使用するシリコン粉末のシリコン(Si)とフェノール樹脂等の炭素(C)との混合の割合は、シリコン(Si)と炭素(C)との原子比がSi/C=0.05〜4になるように選ぶのが望ましい。
多孔質炭化ケイ素構造体の事例2である「表面に蒸着処理されたケイ素化合物が炭化ケイ素に転化した炭素繊維の集合体」は、炭素繊維に、ケイ素化合物を用いる化学気相蒸着法(CVD法:Chemical Vapor Deposition)による蒸着処理を行い、炭素繊維の表面が、炭素繊維とケイ素化合物との反応により、炭化ケイ素(SiC)に転化することにより得られる。炭化ケイ素の転化が炭素繊維の表面に止まることにより、炭素繊維の機械的強度等を保持しつつ、後述する光触媒の担持する担体として使用することができる。
炭素繊維は、一般に樹脂等の補強材に用いられる公知のものならば特に限定されない。具体的には、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、等方性ピッチ系炭素繊維、異方性ピッチ系炭素繊維、カイノール樹脂系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、黒鉛繊維等が挙げられる。また、長繊維タイプまたは短繊維タイプのチョプドストランド、ミルドファイバー等から選択される。
炭素繊維は、成形時等の繊維折損を抑えるため高強度・高伸度タイプのものを用いることが望ましい。本実施の形態では、通常、引張強度が3,500MPa以上、引張弾性率が300GPa以下、破断伸度が1.4%以上である炭素繊維が好ましい。
炭素繊維は、1種を単独で使用、または2種以上を併用してもよい。
炭素繊維は、成形時等の繊維折損を抑えるため高強度・高伸度タイプのものを用いることが望ましい。本実施の形態では、通常、引張強度が3,500MPa以上、引張弾性率が300GPa以下、破断伸度が1.4%以上である炭素繊維が好ましい。
炭素繊維は、1種を単独で使用、または2種以上を併用してもよい。
ケイ素化合物としては、例えば、フッ化ケイ素、塩化ケイ素、臭化ケイ素、ヨウ化ケイ素等のハロゲン化ケイ素化合物;シラン(SiH4)等の水素化ケイ素化合物等が挙げられる。これらの中でも、塩化ケイ素、臭化ケイ素が好ましい。
塩化ケイ素としては、例えば、四塩化ケイ素(SiCl4)、ヘキサクロルジシラン、オクタクロルトリシラン、デカクロルトリシラン、ドデカクロルペンタシラン等が挙げられる。また、クロルシラン(SiH3Cl)、ジクロルシラン(SiH2Cl2)、トリクロルシラン(SiHCl3)等のシラン誘導体が挙げられる。
臭化ケイ素としては、四臭化ケイ素(SiBr4)、六臭化二ケイ素、八臭化三ケイ素、十臭化四ケイ素等が挙げられる。さらに、臭化三塩化ケイ素、二臭化二塩化ケイ素、三臭化塩化ケイ素、ヨウ化三塩化ケイ素、塩化硫化水素ケイ素、ヘキサクロルジシロキサン等も挙げられる。これらのなかでも、四塩化ケイ素(SiCl4)が特に好ましい。
CVD法によるSiCの生成温度は、1,000℃〜1,800℃である。圧力は40kPa〜100kPaの範囲である。減圧下で処理すると、SiCの核生成温度が低下する傾向がある。また、析出速度が早くなる傾向がある。蒸着処理の温度が過度に高温の場合、炭素繊維の全体が炭化ケイ素に転化し、機械的強度が低下する傾向がある。
(光触媒)
本実施の形態で使用する光触媒は、例えば、フィルターとして使用する場合、浄化対象としての自動車内の空気中に含まれる有機物(例えば、悪臭の原因物質、ウイルス等の浮遊菌、花粉、タバコの煙等)を酸化分解による光触媒反応が可能な金属酸化物が挙げられ、特に限定されるものではない。
光触媒の具体例としては、例えば、酸化チタン(TiO2)(例えば、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン)が挙げられる。なかでも、活性酸化チタンとしては、アナターゼ結晶の微粒子が好ましく、アナターゼ型二酸化チタンを50質量%以上含んでいるものが好ましい。尚、これらの化合物は、複数種を適宜混合して用いてもよい。
さらに、酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウム(Ce2O3)、酸化テルビウム(Tb2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化エルピウム(Er2O3)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、[Ru(bpy)3]2 +、Co錯体等が挙げられる。また、酸化錫、酸化鉛、酸化第二鉄等を含んでいても良い。
本実施の形態で使用する光触媒は、例えば、フィルターとして使用する場合、浄化対象としての自動車内の空気中に含まれる有機物(例えば、悪臭の原因物質、ウイルス等の浮遊菌、花粉、タバコの煙等)を酸化分解による光触媒反応が可能な金属酸化物が挙げられ、特に限定されるものではない。
光触媒の具体例としては、例えば、酸化チタン(TiO2)(例えば、アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、ブルッカイト型二酸化チタン)が挙げられる。なかでも、活性酸化チタンとしては、アナターゼ結晶の微粒子が好ましく、アナターゼ型二酸化チタンを50質量%以上含んでいるものが好ましい。尚、これらの化合物は、複数種を適宜混合して用いてもよい。
さらに、酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウム(Ce2O3)、酸化テルビウム(Tb2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化エルピウム(Er2O3)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、[Ru(bpy)3]2 +、Co錯体等が挙げられる。また、酸化錫、酸化鉛、酸化第二鉄等を含んでいても良い。
光触媒は、粉末状、塊状、粒状、平板状、繊維状等の様々な形態のものを用いることができる。本実施の形態では、平均粒径1nm〜100nmの粉末状の二酸化チタンを使用している。光触媒担持炭素繊維に担持された光触媒の量は特に限定されない。本実施の形態では、0.01%〜99.9%の範囲で調製される。
尚、光触媒は、光を吸収することにより触媒作用を示す物質の総称である。この触媒作用は、通常の触媒では困難な化学反応を常温で引き起こし、化学物質の自由エネルギーを増加させる(光エネルギーを蓄える)反応を起こす場合が知られている。但し、酸化チタン等は、紫外光照射下において触媒活性を示すが、可視光のみでは触媒活性が低下する。このため、紫外線が微弱な場合は、可視光応答型光触媒を用いることが好ましい。可視光応答型光触媒としては、例えば、酸化チタン結晶の酸素サイトの一部を窒素原子で置換した酸窒化チタン(Ti−O−N)を含む酸化チタンが挙げられる。
(光触媒の担持)
本実施の形態において、光触媒は、通常、以下の手順により多孔質炭化ケイ素構造体に担持される。即ち、上述した多孔質炭化ケイ素構造体を、二酸化チタン(TiO2)等の光触媒を含有するスラリー(TiO2スラリー)に浸漬し、乾燥後、大気中において100℃〜800℃程度の温度で焼成する。尚、TiO2スラリーの分散媒として水を使用する。
本実施の形態において、光触媒は、通常、以下の手順により多孔質炭化ケイ素構造体に担持される。即ち、上述した多孔質炭化ケイ素構造体を、二酸化チタン(TiO2)等の光触媒を含有するスラリー(TiO2スラリー)に浸漬し、乾燥後、大気中において100℃〜800℃程度の温度で焼成する。尚、TiO2スラリーの分散媒として水を使用する。
本実施の形態では、TiO2スラリーには、例えば、ポリビニルアルコールの水溶液中に二酸化チタン(TiO2)等を添加、所定の粘度に調整する。ポリビニルアルコールはTiO2を炭素繊維の表面に固定する結着剤としても有用である。
TiO2スラリー中の二酸化チタン(TiO2)の濃度は特に限定されないが、本実施の形態では、多孔質炭化ケイ素構造体に担持した際に、チタン(Ti)と炭素(C)のモル比(Ti/C)が0.1〜2の範囲内になるように調整されている。
TiO2スラリー中の二酸化チタン(TiO2)の濃度は特に限定されないが、本実施の形態では、多孔質炭化ケイ素構造体に担持した際に、チタン(Ti)と炭素(C)のモル比(Ti/C)が0.1〜2の範囲内になるように調整されている。
本実施の形態において、光触媒フィルター20を構成する光触媒の担持体として多孔質炭化ケイ素構造体は、それ自身がフィルターとしての構造を有し、被清浄流体の空気と接触しやすい性質を備えている。また、多孔質構造を有することにより、表面積が大きくなる。このため、空気に含まれる有機物を多孔質構造の表面で捕捉し分解する処理効率が高まると考えられる。
また、多孔質炭化ケイ素構造体は、炭化ケイ素(SiC)が炭素繊維の表面に止まることにより、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルター20を得ることができる。
また、多孔質炭化ケイ素構造体は、炭化ケイ素(SiC)が炭素繊維の表面に止まることにより、光触媒が担体表面に安定的に固定された光触媒フィルター20を得ることができる。
1,100…取り付け型空気清浄器、10,110…容器本体、10a…ケースA、10b…ケースB、11…空気流入口、12,120…空気排気口、20…光触媒フィルター、21…ナイロンメッシュ、30…紫外線照射手段、31…基板、32…USB端子、40,140…係止具、50,51…空気吹き出し口、50a…ルーバー羽根、60…ダッシュボード、141…係止具可動部、500…送風機、510…送風機本体、540…取り付け部
Claims (5)
- 一方に空気流入口と他方に空気排気口を設けた容器本体と、
前記容器本体の前記空気流入口から前記空気排気口への風路中に設けられた多孔質炭化ケイ素構造体に光触媒を担持した光触媒フィルターと、
前記光触媒フィルターに紫外線エネルギーを供給する紫外線照射手段と、
前記容器本体を送風機の空気吹き出し口に装着可能とする係止具と、
を有することを特徴とする取り付け型空気清浄器。 - 前記多孔質炭化ケイ素構造体は、スポンジ状多孔質構造体と当該スポンジ状多孔質構造体に付着した樹脂及びシリコン粉末を反応焼結したものであることを特徴とする請求項1に記載の取り付け型空気清浄器。
- 前記多孔質炭化ケイ素構造体は、表面に蒸着したケイ素化合物が炭化ケイ素(SiC)に転化した炭素繊維の集合体であることを特徴とする請求項1に記載の取り付け型空気清浄器。
- 前記光触媒フィルターは、二酸化チタン(TiO2)を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の取り付け型空気清浄器。
- 前記紫外線照射手段は、前記容器本体の内部に配置されたLEDランプを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の取り付け型空気清浄器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004751U JP3207938U (ja) | 2016-09-29 | 2016-09-29 | 取り付け型空気清浄器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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- 2016-09-29 JP JP2016004751U patent/JP3207938U/ja active Active
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