JP3207395B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
半導体装置およびその製造方法Info
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Description
その製造方法に係り、特に固相成長による単結晶および
多結晶の形成に関する。
導体素子の微細化はもとより、回路素子の積層化が積極
的に試みられている。例えば、積層化によって、単に演
算や記憶回路のみを作成するのではなく、上層から順
に、受光部分、信号転送部分、BiMOS等による高速
演算処理部分からなる複合素子、積層キャパシタ等の構
築も提案されている。このように素子の積層化は、多層
構造の新しい多機能素子への展開や、製造工程の短縮へ
の応用など多くの可能性を得ており、今や内外で研究開
発が繰り広げられている。
本構造として、SOI(Si onInsulato
r)基板構造がある。この積層化を具体的に実現するた
めのプロセス技術としては、今までに、(1)ウエハ張
り付け法、(2)SIMOX(separation
by implanted oxygen)法、(3)固
相成長法等がある。(3)の固相成長法とは、例えば、
図134(a)に示すように予め300〜600℃程度
の低温で非晶質の半導体膜3(例えば非晶質Si)を必
要部分(例えばシリコン基板1上に形成された酸化シリ
コン膜2(絶縁膜Insulator))に堆積させ、
SOIを形成し、これを同じく例えば、500〜600
℃程度の低温で熱処理し固相状態で単結晶化させ図13
4(b)に示すように単結晶シリコン4を形成するもの
である。2は自然酸化によって形成された酸化シリコン
膜である。このSOI工程の温度範囲から分かる様に、
非常に低温であり、このSOI工程に至る迄に基板等に
導入した不純物の再分布は、殆ど有り得ない。この固相
成長SOI技術は以上述べた様に実際の工程に馴染みや
すく、従って容易に積層化できる利点を持っている。
利点がありながら、今なお利用されにくいのはいくつか
の欠点があるためである。
〜2μm程度であり、素子を搭載するには寸法が不足す
ること、また固相成長距離をさらに伸ばそうとすると、
従来技術の範囲では、予め非晶質膜に10<sup>20</s
up>/cm<sup>3</sup>程度もの不純物を導入しなけれ
ばならず、これでは、この領域に素子を形成するのは適
格でないこと、さらには、従来技術では、固相成長領域
の結晶性が必ずしも良くなく、例えばMOS素子を作成
した時、その移動度はエンハンスメント型のn−MOS
で200〜400cm<sup>2</sup>/vsecであ
り、通常の単結晶基板上に作成したものに比べて、1/
2〜1/3であること、また、現状では、固相成長距離
は熱現象に起因する要素に多々依存している。すなわち
種部から固相成長させている最中に、未結晶領域では、
そのプロセス温度における特有の頻度で非晶質膜を構成
する各原子は離合集散を繰り返している。ところがある
確率で、その集合体が一定の大きさ以上になるとそれを
種としてすみやかに成長が進行し始める。こうなるとせ
っかく本来の種からのびてきた結晶はこれにぶつかって
のびないか結晶性が悪くなる。またこのように熱的な因
子によるので、固相成長距離自体に確率的とも見られる
分布があり、数百万個或いはそれ以上の個数の再結晶化
領域を作成する場合、ばらつきが発生しやすく信頼性に
懸念がある。
好な結晶が得られると考えられており、実験的にも種を
使った横方向固相成長による単結晶化膜形成において、
厚い膜の方が広い領域を単結晶化できるという報告もな
されている。さらにまた、熱処理だけで物質の形状を変
えるほど原子を動かそうとすると、ほとんど融点近くの
高温まであげなければならず、克服すべき問題が非常に
多かった。さらに、固相成長の現象自身もほとんど理解
が進んでおらず、新しいプロセスの構築、あるいは新し
い利用展開もできない状況であり、せいぜい多結晶シリ
コンによるロードトランジスタとしての利用や、多結晶
シリコンによるヒューズROMとしての利用程度であっ
た。
は 1.固相成長距離の不足を改善し、長くすること 2.固相成長領域の結晶性を改善すること 3.確実で再現性の高い固相成長を行うこと(信頼性の
向上) が必須の課題である。
を用い、低温下で結晶性の良好な単結晶を提供すること
ができる。
い、占有面積が小さくかつ表面積の大きな電極を形成
し、微細でかつ大容量のキャパシタを提供することを目
的とする。
い、結晶性が良好で信頼性の高い半導体装置および半導
体集積回路装置を提供することを目的とする。
オードを提供することを目的とする。
く信頼性の高い薄膜トランジスタおよびトランジスタ集
積回路を提供することを目的とする。
質半導体薄膜を基板あるいは絶縁膜上に堆積するにあた
り、その膜を構成する主元素からなる非晶質膜の平均原
子間隔分布をあらかじめ変化させることにより、再結晶
化時の形状・膜質を所望に制御するものである。特に、
その膜を構成する主元素からなる非晶質膜の平均原子間
隔をほぼ単結晶に等しい状態で再結晶化させるものであ
る。
板あるいは絶縁膜上に堆積するにあたり、特に、その膜
を構成する主元素からなる非晶質膜の平均原子間隔分布
が、単結晶の平均原子間隔分布にほぼ一致するように形
成し、これに結晶化エネルギーを付与し固相成長を行い
単結晶半導体薄膜を形成する。
結晶化前後で同程度の密度に保つようにし、これによ
り、結晶化に際し、従来にない低応力化を達成すること
ができ、大幅な結晶化寸法の拡大および膜質の向上など
をはかるものである。
度、すなわち単結晶における原子間距離の0.98倍か
ら1.02倍までの非晶質膜を用いるのが望ましく、さ
らに望ましくは0.995倍から1.005倍とするの
が望ましく、このような平均原子間距離を持つ非晶質膜
を得るには、堆積速度および膜厚などの成膜条件が大き
く支配するものであり、例えばシリコンの場合には、温
度及びガス組成を変化させて種々の実験を行った結果、
成膜速度Rが下式を満たす条件下でおこなった場合に、
平均原子間距離が1.02よりも小さい膜が得られるこ
とがわかった。
T(K)+14.857 また、単結晶における原子間距離にほぼ等しい平均原子
間距離を持つ非晶質膜を得るにはその他、熱処理の温度
における不純物濃度、熱処理の下地材質、非晶質膜の膜
質等が挙げられる。
おける特定の範囲の堆積速度で堆積すること、(2)そ
れぞれの熱処理の温度における特定の範囲の膜厚を用意
すること、 (3)それぞれの熱処理の温度における特
定の範囲の膜厚と特定の範囲のドーパント不純物濃度を
用意すること、(4)それぞれの熱処理の温度における
下地材質と特徴づけられる特定の範囲の膜厚を用意する
ことなどが挙げられる。また、結晶化エネルギーは熱エ
ネルギーの他、エレクトロンビームの照射や紫外光の照
射など、熱エネルギー以外のエネルギーによってもよ
く、これらを同時に用いても良い。
を主体にした半導体や半導体非晶質に適用した例を中心
に示すが、金属などにも若干の修正を加えれば適用する
ことが可能である。
に、非晶質薄膜を、該薄膜の主構成元素の平均原子間隔
を測定しつつ、該元素の単結晶における平均原子間隔と
ほぼ一致するように堆積条件を制御して、非晶質薄膜を
堆積し、この非晶質薄膜に結晶化エネルギーを付与する
ことにより固相成長を行い単結晶を形成するようにして
いる。この平均原子間隔の測定には例えば、ラマン散乱
法を用いる。
非晶質シリコン薄膜を堆積したのち該非晶質シリコン薄
膜中に、例えばシリコンイオンをイオン注入して単結晶
における平均原子間隔とほぼ一致させ、この非晶質シリ
コン薄膜に結晶化エネルギーを付与することにより固相
成長を行いシリコン単結晶を形成するようにしている。
絶縁膜の開口部に、主構成元素の平均原子間隔が、該元
素の単結晶における平均原子間隔とほぼ一致した非晶質
薄膜を堆積し、該非晶質薄膜に結晶化エネルギーを付与
して形成した単結晶半導体薄膜と、前記単結晶半導体薄
膜内に形成されたソース・ドレイン領域を含むMOS型
素子とを具備するようにしている。
半導体素子とバイポーラ型半導体素子とが混在する半導
体装置において、前記バイポーラ素子は、前記MOS型
半導体素子を覆う絶縁膜の開口部に露呈する前記MOS
型半導体素子のドレイン領域からの固相成長により形成
された単結晶半導体薄膜の一部をベース領域とし、該ベ
ース領域は、前記開口部を介して前記MOS型半導体素
子のドレイン領域と電気的に接続されるようにしてい
る。
体薄膜を基板あるいは絶縁膜上に堆積するにあたり、そ
の膜を構成する主元素からなる非晶質膜の平均原子間間
隔分布を予め変化させることにより、再結晶化時の形
状、膜質を所望に制御する方法(以下、「本発明に関連
する方法」という)をはじめて見出した。本発明に関連
する方法において、第1は、特に、その膜を構成する主
元素からなる非晶質膜の平均原子間隔分布が、単結晶の
平均原子間隔分布の1.02倍以上となるような成膜条
件で成膜し、さらに平均原子間隔分布を単結晶の場合の
1.02倍以上に維持した状態で再結晶化エネルギーを
付与し固相成長を行い単結晶半導体薄膜を形成する。第
2は、その膜を構成する主元素からなる非晶質膜の平均
原子間隔をほぼ単結晶に等しい状態で再結晶化させるも
のである。
非晶質半導体薄膜を、その堆積温度における単結晶の平
均原子間隔の1.02倍以上となるような堆積速度で成
膜し、熱処理等の再結晶化エネルギー付与によって再結
晶化の直前まで原子間隔の緩んだ状態を維持しておき、
熱処理時点で一気に再結晶化させることを特徴とするも
ので、このような状態を形成する方法としていくつかの
方法がある。この単結晶における原子間距離の1.02
倍以上となる平均原子間距離を持つ非晶質膜を得るに
は、熱処理の温度における堆積速度および膜厚が大きく
支配するものであり、例えばシリコンの場合には、温度
及びガス組成を変化させて種々の実験を行った結果、成
膜速度Rが下式を満たす条件下でおこなった場合に、平
均原子間距離が1.02以上の膜が得られることがわか
った。
T(K)+14.857 また、単結晶における原子間距離の1.02倍以上とな
る平均原子間距離を持つ非晶質膜を得るにはその他、熱
処理の温度における不純物濃度、熱処理の下地材質、非
晶質膜の膜質等が挙げられる。
おける特定の範囲の堆積速度で堆積すること、(2)そ
れぞれの熱処理の温度における特定の範囲の膜厚を用意
すること、 (3)それぞれの熱処理の温度における特
定の範囲の膜厚と特定の範囲のドーパント不純物濃度を
用意すること、(4)それぞれの熱処理の温度における
下地材質と特徴づけられる特定の範囲の膜厚を用意する
ことなどが挙げられる。またさらには(5)非晶質表面
に、上記原子間隔の緩んだ状態を維持させるため、非晶
質膜の表面を清浄表面にする雰囲気とする手段を組み合
わせること(6)非晶質表面上に、上記原子間隔の緩ん
だ状態を維持あるいは一層増幅させるため、非晶質膜表
面上に別の膜を被着させ熱処理する手段もある。
を降下し、再び熱処理を行うようにしてもよいが、熱処
理等の再結晶化エネルギーの付与に際して、非晶質薄膜
が単結晶における原子間距離の1.02倍以上となる平
均原子間距離をもつように、表面を清浄状態にするなど
の条件を整える必要がある。また、再結晶化エネルギー
は熱エネルギーの他、エレクトロンビームの照射や紫外
光の照射など、熱エネルギー以外のエネルギーによって
もよい。
基本的には、共有結合を主体にした半導体や半導体非晶
質に適用した例を中心に示すが、金属などにも若干の修
正を加えれば適用することが可能である。
は、開口を有する絶縁膜の形成された基板表面に膜厚8
0nm以下(さらに望ましくは20nm以下)の非晶質
薄膜を堆積して、単結晶における原子間距離の1.02
倍以上となる平均原子間距離を持つ非晶質薄膜を得、こ
の非晶質薄膜表面を非酸化性雰囲気中で清浄状態に維持
しつつ結晶化エネルギーを付与して、固相成長により単
結晶化し、単結晶薄膜を形成するようにしている。望ま
しくはこの熱処理は、真空度10<sup>−4</sup>To
rr以下さらに望ましくはの10<sup>−6</sup>To
rr以下の高真空下で行うようにしている。また望まし
くはこの熱処理は、高純度のアルゴン、窒素、ヘリウム
などの不活性ガス雰囲気で行うようにしている。また望
ましくはこの熱処理温度は、450度乃至600℃とす
るようにしている。さらに望ましくは非晶質薄膜堆積工
程と熱処理工程を、同一チャンバー内で真空を破ること
なく連続的に行うようにしている。
口を有する絶縁膜が表面に形成された基板上に、表面か
ら絶縁膜との界面までの距離が、前記界面まで表面の自
由原子が到達しうる程度に薄い膜厚を有する非晶質薄膜
を堆積して、単結晶における原子間距離の1.02倍以
上となる平均原子間距離を持つ非晶質薄膜を得、この非
晶質薄膜表面を、表面の自由原子が界面まで自由に到達
しうる程度の、自由表面状態に維持しつつ非酸化性雰囲
気中で結晶化エネルギーを付与し、固相成長により単結
晶化し、単結晶薄膜を形成するようにしている。但しこ
のときの平均原子間隔はシリコン基板の上に別途設けら
れたSiO<sub>2</sub>上に堆積した非晶質シリコン
膜でモニタした。
板表面を覆う絶縁膜に開口部を形成して基板表面を露出
させ、この基板表面に膜厚20nm以下の第1の非晶質
薄膜を堆積して、単結晶における原子間距離の1.02
倍以上となる平均原子間距離を持つ非晶質薄膜を得、こ
の第1の非晶質薄膜表面を非酸化性雰囲気中で自由表面
状態に維持しつつ結晶化エネルギーを付与し、固相成長
により前記基板を結晶種として単結晶化し、第1の単結
晶薄膜を形成し、さらにこの後単結晶薄膜上に膜厚80
nm以下の第2の非晶質薄膜を堆積し、第2の非晶質薄
膜表面を非酸化性雰囲気中で自由表面状態に維持しつつ
結晶化エネルギーを付与し、固相成長により前記基板を
結晶種として単結晶化し、単結晶薄膜を形成するように
している。望ましくは、この第1の非晶質半導体薄膜を
結晶化エネルギーを付与する工程は、10<sup>−4</s
up>Torr以下さらに望ましくは10<sup>−6</sup>
Torr以下の高真空下で加熱する工程である。さらに
望ましくは、該第1の非晶質半導体に対して電気的に活
性な元素を含有せしめるようにしている。さらに、第1
の非晶質薄膜の堆積に先立ち、絶縁膜表面に、該第1の
非晶質薄膜に対して電気的に活性な元素を含有せしめる
ようにしている。さらに望ましくは第2の非晶質薄膜に
対しても同様に行う。
絶縁膜表面に前記式に示した堆積速度条件を満たすよう
に非晶質薄膜を堆積して、単結晶における原子間距離の
1.02倍以上となる平均原子間距離を持つ非晶質薄膜
を得、結晶化エネルギーを付与し、結晶化と同時に原子
を凝集させ、粒状の単結晶を形成する。望ましくはこの
表面を自由な状態に保ち、原子が膜内で自由に動けるよ
うにし、ケミカルポテンシャル(ギプス自由エネルギ
ー)の変化に注目し、結晶化と同時にシリコン原子を動
かし、原子を凝集させ、粒状の単結晶を形成する。
板表面を覆う絶縁膜の開口部からの固相成長により前記
絶縁膜上に形成された単結晶半導体薄膜に、ソース・ド
レイン領域を形成しMOS型半導体装置を形成してい
る。また、基板表面を覆う絶縁膜の開口部からの固相成
長により開口部から遠い位置まで伸びるように形成した
単結晶半導体薄膜内に、複数個の素子を形成するように
している。すなわち、基板表面を覆う絶縁膜の開口部か
らの固相成長により前記絶縁膜上に形成された単結晶半
導体薄膜と、前記単結晶半導体薄膜内に形成され、それ
ぞれ半導体素子を構成する複数の素子領域とを備えた半
導体集積回路において、前記開口部の数が前記素子領域
の数よりも少なくなるようにしてもよい。
基板あるいは基板上に形成された薄膜上に、粒径よりも
粒間距離が小さくなるように粒状の半導体もしくは絶縁
体を各々分離形成して、これを素子領域として用いるよ
うにしている。
基板あるいは基板上に形成された薄膜上に、粒径よりも
粒間距離が小さくなるように粒状の単結晶シリコンを各
々分離形成して、これを素子領域として用いるようにし
ている。
晶シリコンは、下地の基板あるいは薄膜表面に対する垂
直軸がほぼ<100>方向に配向するように構成してい
る。
置では、粒状の単結晶シリコンは、最も出現頻度の高い
粒径を中心に、その粒径の±20%以内に、90%以上
の粒が含まれる粒径分布を有する。
表面に形成された第1の導電型の半導体領域と、その上
層に形成された第2の導電型の粒状単結晶シリコンとで
pn接合を形成してダイオードを構成している。
の導電型の半導体領域を含む基板上に、所定の厚さの絶
縁膜を介して、非晶質シリコン薄膜を堆積し、第2の導
電型のシリコン薄膜を形成し、ついでこの非晶質シリコ
ン薄膜に熱処理を施すことにより固相成長を行い第2の
導電型の粒状単結晶シリコンを形成し、さらに該絶縁膜
を熱処理により収縮せしめて前記第1の導電型の半導体
領域と前記粒状単結晶シリコンとを接触せしめpn接合
を形成し、ダイオードを形成するようにしたことを特徴
とする。
は、キャパシタの下部電極を第1の導電層とこの上層に
形成された粒状の第2の導電層とによって構成し、この
上層にキャパシタ絶縁膜と第2の電極とを形成し、第2
の導電層の粒状表面に起因する表面の凹凸によりキャパ
シタ面積の増大をはかるようにしている。
に絶縁膜を有する第1の導電層を形成し、この上層に、
非晶質薄膜を堆積し、該非晶質薄膜に熱処理を施すこと
により固相成長を行い粒状単結晶を形成し、さらに熱処
理により該絶縁膜を収縮せしめ前記第1の導電層と前記
粒状単結晶とを電気的に導通せしめることにより第1の
導電層と粒状単結晶とからなる第1の電極を形成し、こ
の上層にキャパシタ絶縁膜、第2の電極を形成するよう
にしている。ここで非晶質薄膜は該薄膜の主構成元素の
平均原子間隔が、該元素の単結晶における平均原子間隔
の1.02倍以上となるようにする。また該元素の単結
晶における平均原子間隔とほぼ一致するように非晶質薄
膜を堆積しても良い。
膜表面を非酸化性雰囲気中で清浄状態に維持しつつ加熱
し、固相成長により単結晶化し、単結晶薄膜を形成する
ようにしている。望ましくはこの熱処理は、真空度10
<sup>−4</sup>Torr以下特に望ましくは、10<su
p>−6</sup>Torr以下の高真空下で行うようにして
いる。また望ましくはこの熱処理は、高純度のアルゴ
ン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気あるいは水
素など還元性ガス雰囲気で行うようにしている。また望
ましくはこの熱処理温度は、450度乃至600℃とす
るようにしている。さらに望ましくは非晶質薄膜堆積工
程と熱処理工程を、同一チャンバー内で真空を破ること
なく連続的に行うようにしている。
表面を覆う絶縁膜上に形成され、粒界が下地基板表面に
対する垂直軸に沿うように形成された多結晶シリコン膜
内に、ソース・ドレイン領域を形成して薄膜トランジス
タを構成している。
上を覆う絶縁膜上に、非晶質薄膜を堆積して、この非晶
質薄膜に熱処理を施すことにより固相成長を行い粒界が
下地の基板表面に対する垂直軸に沿うように形成された
多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜内に
ソース・ドレイン領域を備えた薄膜トランジスタを形成
する。
て行く過程では、不随意に結晶核が発生したり成長する
部分があると、結晶性が不良になるばかりでなく、再結
晶化寸法が伸びない等の不都合が生じる。結晶性の改善
及び結晶化距離(単結晶の形成される範囲)の伸長を目
指すには、出来るだけ高速で再結晶化させることであ
る。
重ねた結果、原子間距離に着目した全く新しい方法を見
出だした。この方法は、固相成長における非晶質半導体
中の個々の原子の動きを制御しようとするもので、今ま
でにない現象を応用しているため、作用は、学問的には
まだ完全に解明されるに至っていないが、本発明者が鋭
意調べた結果に基づいて説明する。
にし、膜厚を薄くしておくと、原子が一応結合している
が、原子間の結合が緩んだ状態を作り出すことができ
る。これが結果的には、本発明の骨子である平均原子間
距離の寸法増大につながるわけである。そして平均原子
間距離の増大を保ったまま、熱処理等のエネルギー付与
を行うと表面の原子は動き易くなる。もし、非晶質膜
が、所謂「種」になる単結晶露出部分に接触している
と、その「種」結晶から、不随意に再結晶化する部分が
発生する迄に、一気に高速で再結晶化するようにすれ
ば、再結晶化寸法領域を拡大できる事を見いだした。
「種」になる単結晶露出部分に接触していないと、一定
の膜厚以下の薄い膜を用意した場合、非晶質部分は、結
晶成長しながら凝集し、欠陥の無い粒状の単結晶とする
こともできることを見いだした。このとき一つ一つの粒
は単結晶になるが、本発明者等は、更に、膜厚や温度、
下地などを選ぶことでこの粒を、任意の大きさに揃える
ことができることも見いだした。
処理時間の短縮、欠陥の低減、結晶方位の制御など原子
が動き易いことで多くの制御が可能になった。
は、図135に示すように、低い温度で結晶成長を進め
るため、エピタキシャル成長のように自由な原子の移動
ができず、一部の原子に格子の不整合が起きると結晶欠
陥としてこの不整合が残ってしまう。そこでシリコン成
長に伴う原子位置のずれが歪として残り、これによって
双晶などの欠陥が多数発生してしまうということ、ある
いは酸化物等の物質が介在することによってもその周辺
の歪のきっかけが与えられ、そこから容易に欠陥が生じ
てしまうという結果になっていたことを発見した。
がら結晶化を進めるためには、この不整合、歪等を緩和
するために非晶質膜3中の原子を低温下でも自由に動け
るようにすればよいとし、図1に示すように非晶質膜表
面を清浄なまま固相成長させることにより、表面の原子
を自由にしておくようにし、歪などのもとになる過剰な
原子を表面から逃がしたり、不足した原子を表面から補
うようにすることがポイントである。したがって表面を
自由表面とするだけでなく、この表面状態が結晶成長界
面まで伝わる膜厚80nm以下望ましくは数十nm以下
に非晶質半導体膜を形成することも重要なポイントであ
る。これにより600℃以下で固相成長を行うときの歪
等を表面から逃がし、欠陥のない単結晶層を形成するこ
とを可能にした。
ば、半導体基板上に膜厚80nm以下の薄い非晶質薄膜
を堆積し、この非晶質薄膜表面を非酸化性雰囲気中で自
由表面状態に維持しつつ加熱し、固相成長により単結晶
化し、単結晶シリコン薄膜を形成すれば、欠陥のない良
好な単結晶薄膜を形成することができる。またこの膜の
膜厚の下限は、成膜限界を考慮すると特にないが、理論
的に超薄膜が形成可能であるとすると格子半径の数倍以
上であるのが望ましい。
つ、熱処理を行うことにより、原子位置の歪による欠陥
の発生を抑制し、膜質の良好な単結晶薄膜を形成するよ
うにしている。なお、この600℃以下の温度では不純
物の拡散は極めて遅く単結晶中の不純物は移動すること
ができないので下地基板から非晶質中へあるいは単結晶
化の進んだ非晶質膜から下地基板へ不純物が移動したり
することはない。
膜を大気にさらすため表面に自然酸化膜が形成され、表
面の原子が酸素との結合により、固定されてしまってい
る。また大気にさらすことがなくても固相成長のための
熱処理雰囲気において表面原子が酸化され、固定され
て、原子が押さえ付けられた状態で固相成長せしめられ
るのが通常であった。
いてあまり議論されたことはなく、通常の真空度10<s
up>−3</sup>Torr程度までの真空下や、不活性ガ
ス雰囲気中で熱処理が行われることもあったが、真空度
10<sup>−3</sup>Torr程度までの真空下や、通
常の不活性ガス雰囲気中には、微量の酸素が含有されて
おり、薄い自然酸化膜が形成されていた。
空にしたり、特に高純度に制御された不活性雰囲気を用
いるようにしたりして、雰囲気から酸素を完全に近い状
態に遮断して熱処理を行うことにより、自由表面を維持
し、欠陥のない単結晶膜を形成することに成功した。ま
た、非晶質薄膜の形成と固相成長とを別のチャンバーで
行う場合には、固相成長に先立ち還元性雰囲気中で自然
酸化膜を除去しておくようにすることが必要である。
る濃度の不純物をあらかじめ添加しておくこともでき、
これによって基板表面の非常に浅い領域に不純物濃度の
異なる単結晶層を形成することができる。また非晶質膜
の材料そのものを変えて異なる材料の単結晶層を形成す
るようにすることもできる。
を制御するには以下の方法を用いる。気体の熱分解を用
いる場合には成膜時、半導体材料を含む気体と同時に導
電性不純物を含む気体を流して膜中にこの導電性不純物
を取り込ませる。また下地基板に不純物が存在する場合
にはむしろ不純物を含まない非晶質膜を成膜することに
より、p型あるいはn型基板上に表面近傍の数十nmに
限定してイントリンシックな層を形成することができ、
半導体装置に微細化への利用価値は高い。他の方法とし
て半導体材料のターゲットを蒸発させて高真空中に維持
した基板表面に蒸着させる方法であるUHV法も有効で
ある。また蒸発させる方法としてヒータで加熱する方
法、電子ビームなどエネルギービームをあてて加熱す
る、アルゴンイオンなどのイオンを加速してぶつけター
ゲットの原子をたたきだすスパッタリング法等がある。
いずれの方法を用いても同時に半導体材料以外の導電性
不純物をターゲットとして用いて一緒に蒸着させれば下
地基板と不純物濃度の異なる非晶質膜を形成することが
できる。あるいはまた導電性不純物を含む半導体材料を
ターゲットにしてもよいことはいうまでもない。
を、真空度10<sup>−4</sup>Torr以下の高真空
下で行うようにすれば、酸素濃度が極めて微量となり、
表面酸化膜の形成を抑制することができ、膜質の良好な
単結晶を形成することが可能となる。
ルゴン、窒素、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気で行う
ようにすれば酸素濃度が極めて微量となり、表面酸化膜
の形成を抑制することができ、膜質の良好な単結晶薄膜
を形成することが可能となる。 またこの方法において
望ましくはこの熱処理温度を、450度乃至600℃と
することにより、不純物の拡散をほとんど皆無とするこ
とができ、界面特性を良好にすることができる。
薄膜堆積工程と熱処理工程を、同一チャンバー内で真空
を破ることなく連続的に行うようにすれば、極めて容易
に良好な単結晶薄膜を形成することが可能となる。
導体基板上に、表面から半導体基板との界面までの距離
が、前記界面まで表面の自由原子が到達しうる程度に薄
い膜厚を有する非晶質薄膜を堆積し、この非晶質薄膜表
面を、表面の自由原子が界面まで自由に到達しうる程度
に、自由表面状態に維持しつつ非酸化性雰囲気中で加熱
し、固相成長により単結晶化し、単結晶を形成するよう
にしているため、表面の原子は自由に動くことができ、
歪のない良好な単結晶薄膜を形成することができる。
導体基板表面に形成された絶縁膜の開口部を形成して基
板表面を露出させ、この基板表面に膜厚20nm以下の
第1の非晶質薄膜を堆積し、非晶質薄膜表面を非酸化性
雰囲気中で自由表面状態に維持しつつ加熱し、固相成長
により前記基板を結晶種として単結晶化し、第1の単結
晶薄膜を形成することにより自由に原子が移動して結晶
性の良好な膜を得ることができ、さらにこの後単結晶半
導体薄膜上に膜厚80nm以下の第2の非晶質薄膜を堆
積し、第2の非晶質薄膜表面を非酸化性雰囲気中で自由
表面状態に維持しつつ加熱し、固相成長により前記基板
を結晶種として単結晶化し、第2の単結晶薄膜を形成す
るようにしているため、ここでも自由に原子が移動して
結晶性の良好な膜を得ることができ、ブランケット形状
の半導体層を低温下で良好に形成することができる。
非晶質半導体薄膜を加熱する工程は、10<sup>−6</s
up>Torr以下の高真空下で行うようにすれば、表面
の原子がよりマイグレートし易い状態になり単結晶化が
促進されて、シードとなる開口部表面から遠く離れた位
置まで広範囲の単結晶化が可能となる。
て電気的に活性な元素を含有せしめることにより、単結
晶化速度が増大する。
先立ち、絶縁膜表面に、該第1の非晶質半導体に対して
電気的に活性な元素を含有せしめることによっても単結
晶化速度が増大する。
縁膜表面に非晶質薄膜を堆積して、単結晶における原子
間距離の1.02倍以上となる平均原子間距離を持つ非
晶質薄膜を形成し、この結晶化と同時に原子を凝集させ
粒状の単結晶を形成することにより、極めて結晶性が良
好で粒径の揃った単結晶粒が、リソグラフィの精度に依
存することなく容易に形成される。
の良好な単結晶薄膜が、基板と開口部を介して電気的に
接続されており、ドレイン近傍で発生するインパクトイ
オン化による電流を基板に流すことができ、素子動作の
安定したMOSトランジスタを得ることができる。ま
た、チャネル領域を結晶性の良好な超薄膜とすることが
できるため、高速動作が可能である。さらにチャネル領
域に不純物のほとんど入っていない層(i層)を形成す
ることができるためキャリアの走行が不純物によって妨
げられることのない高移動度のトランジスタを得ること
ができる。さらには、1個の開口部(種)から結晶性の
良好な単結晶薄膜を遠くまで延ばすことができるため、
基板表面を覆う絶縁膜の開口部からの固相成長により開
口部から遠い位置まで単結晶半導体薄膜を延ばし、複数
個の素子を形成するようにすれば、他の素子領域からの
制限を受けることなく、結晶性の良好な薄膜形成を行う
ことができる。ここで単結晶薄膜の形成に際しては、本
発明に関連する方法の第1、第2、本発明の第1、第
2、などの方法を用いる。
るいは基板上に形成された薄膜上に、粒径よりも粒間距
離が小さくなるように粒状の半導体もしくは絶縁体を各
々分離形成して、これを素子領域として用いるようにし
ているため、特性が良好で信頼性の高い半導体装置を得
ることができる。粒の形成に際しては本発明に関連する
方法の第1、第2、本発明の第1、第2などの方法を用
いる。
るいは基板上に形成された薄膜上に、粒径よりも粒間距
離が小さくなるように粒状の単結晶シリコンを各々分離
形成して、これを素子領域として用いるようにしている
ため、特性が良好で信頼性の高い半導体装置を得ること
ができる。粒の形成に際しては本発明に関連する方法の
第1、第2、本発明の第1、第2などの方法を用いる。
晶シリコンは、下地の基板あるいは薄膜表面に対する垂
直軸がほぼ<100>方向に配向するように構成してい
るため、微細な素子を形成する際にも特性にばらつきが
なく信頼性の高いものとなる。
置では、粒状の単結晶シリコンは、最も出現頻度の高い
粒径を中心に、その粒径の±20%以内に、90%以上
の粒が含まれる粒径分布を有するため、微細な素子を形
成する際にも特性にばらつきがなく信頼性の高いものと
なる。
表面に形成された第1の導電型の半導体領域と、その上
層に形成された第2の導電型の粒状単結晶シリコンとで
極めて良好なpn接合を形成しているため、特性が極め
て良好でかつばらつきの小さいダイオードを得ることが
できる。
の実験の結果、表面に絶縁膜を有する導電層上に粒状の
第2の導電層を形成するのが容易であるが、これをダイ
オードに用いる場合、粒状の第2導電層を第1の半導体
領域(導電層)に導通させる必要があるが、熱処理を行
うことにより、絶縁膜が収縮し、導通することがわかっ
た。この点に着目してなされたもので、第1の導電型の
半導体領域を含む基板上に、所定の厚さの絶縁膜を介し
て、非晶質シリコン薄膜を堆積し、第2の導電型のシリ
コン薄膜を形成し、ついでこの非晶質シリコン薄膜に熱
処理を施すことにより固相成長を行い第2の導電型の粒
状単結晶シリコンを形成し、前記第1の導電型の半導体
領域と前記粒状単結晶シリコンとの間の該絶縁膜を熱処
理により収縮消失せしめ、接触せしめてpn接合を形成
し、ダイオードを形成するようにしているため、微細で
かつ特性が極めて良好でかつばらつきの小さいダイオー
ドを得ることができる。この粒状の単結晶シリコンも本
発明に関連する方法の第1、第2、本発明の第1、第2
などの方法を用いることによって容易に得られる。
パシタの下部電極を粒状の導電層で構成しているため、
表面の凹凸によってキャパシタ面積の増大をはかること
ができる。
粒状の第2導電層を第1の導電層に導通する必要がある
が、熱処理を行うことにより、絶縁膜が収縮し、導通す
ることがわかった。この発明はこの結果に基づいてなさ
れたもので、極めて容易に容量の大きいキャパシタを形
成することができる。この粒状の第2導電層も本発明の
第1、第2、本発明に関連する方法の第1、第2などの
方法を用いることによって容易に得られる。
表面を覆う絶縁膜上に形成され、粒径がほぼ均一で粒界
が下地基板表面に対する垂直軸に沿うように形成された
多結晶シリコン膜内に、ソース・ドレイン領域を形成し
て薄膜トランジスタを構成しているため、チャネル内の
粒界の数を揃えることができ、特性のばらつきが小さく
安定した動作特性を得ることができる。
上を覆う絶縁膜上に、非晶質薄膜を堆積して、この非晶
質薄膜に熱処理を施すことにより固相成長を行い粒界が
下地の基板表面に対する垂直軸に沿うように形成された
多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜内に
薄膜トランジスタを形成するようにしているため、容易
に特性のばらつきが小さく安定した動作特性を得ること
ができる。凹凸のある絶縁膜の表面に非晶質膜を堆積す
るようにすれば、より自由に原子が移動することがで
き、結晶方位が揃い易い。
従来の方法で成長距離が遠くまで伸びないことおよび成
長距離に確率的な分布が見られることに関しては、成長
端(非晶質と結晶との界面)が一定の速度で進まず波打
っていることに起因していることをを発見した。
程度以上延ばすと双晶などが急激に増えていることを見
つけた。とくに現状のプロセスでは、比較的良好な結晶
性をもつ領域は1μm程度であり、能動デバイスを作成
するためには寸法不足であることがわかった。
の実験を重ねた結果、原子間距離に着目した全く新しい
方法を見出だした。すなわち、高分解能の透過電子顕微
鏡および顕微ラマン分光法をなどを用いてこの原因を調
べ、結晶性の良好な単結晶を確実に得ることのできる方
法を見出だした。また、さらには新しい応用として完全
に配向した単結晶粒を提供する方法を見出だした。
相成長の成長距離時間依存性を調べ、るとともに、透過
電子顕微鏡を用いてその成長端を詳細に評価し、顕微ラ
マン法を用いて膜内の応力分布を測定した。その結果、
本発明者らは成長距離と優先成長面、結晶欠陥および残
留応力の間に非常に重要な関連性があることを把握し、
この知見をもとに固相成長伸長策および単結晶の結晶性
向上策を発見し、さらには完全配向単結晶粒の形成をも
行い、実験的にも確認した。
に、原子間距離をほぼ単結晶のそれに等しくするには、
それぞれの熱処理温度における原子密度が大きく支配す
るものであり、その他それぞれの熱処理温度における不
純物濃度それぞれの熱処理温度における表面状態それぞ
れの熱処理温度における下地膜の材料および構造などが
挙げられる。
いく過程で、非晶質と単結晶の平均原子間距離が異なる
と結晶化に伴って応力が生じ、さらにこのような応力が
結晶化界面の面方位を変化させ、さらには結晶欠陥を誘
起し、また単結晶化寸法が伸びないなどの不都合を生じ
るということを発見し、この不都合を防ぐために、非晶
質膜の平均原子間隔を単結晶の平均原子間隔とほぼ同程
度(0.98倍以上1.02を越えない程度望ましくは
1.01以下)とすることで、結晶化に際しての応力を
抑制し結晶性の改善および単結晶化距離の伸長を可能に
した。また、これにより表面から自己単結晶を成長させ
得ることをも見出だし、これにより完全単結晶粒を得
た。
を応用しているため、学問的にはまだ完全に解明される
に至っていないのが現状である。
のない結晶性の良好な単結晶を遠くまで伸長せしめるこ
とができる。
薄膜を、ラマン散乱法等を用いて該薄膜の主構成元素の
平均原子間隔を測定しつつ、該元素の単結晶における平
均原子間隔とほぼ一致するように堆積条件を制御して、
非晶質薄膜を堆積しているため、結晶化に際して密度変
化が小さいため、応力の発生を抑制し、良好な単結晶を
得ることができる。
非晶質シリコン薄膜中のシリコンの平均原子間隔を測定
する等の方法で、注入値を決定し、この値に基づき、シ
リコン単結晶における平均原子間隔に近づけるようにシ
リコンイオンをイオン注入して単結晶における平均原子
間隔とほぼ一致させ、この非晶質シリコン薄膜に熱処理
等を施すことにより、第2と同様結晶化に際して密度変
化が小さいため、応力の発生を抑制し、良好な単結晶を
得ることができる。
いくため、遠いところでは、原子間隔が大きくなってい
く。そこでこの点に着目し、本発明の方法の第4では再
結晶化に先立ち、所定の領域に選択的にイオン注入する
ようにしている。すなわち堆積された非晶質シリコン薄
膜中のシリコンの平均原子間隔を領域ごとに測定し、こ
の値に基づき、所定の平均原子間隔となるように領域ご
とに算出された量のシリコンイオンをイオン注入して単
結晶における平均原子間隔とほぼ一致させ、この非晶質
シリコン薄膜に熱処理を施すことにより、結晶化に際し
て密度変化が小さいため、応力の発生を抑制し、良好な
単結晶を得ることができる。
する基板(絶縁膜、半導体膜、導電膜)上に、非晶質薄
膜を該薄膜の主構成元素の平均原子間隔が、該元素の単
結晶における平均原子間隔とほぼ一致するように非晶質
薄膜を堆積し、該非晶質薄膜に結晶化エネルギーを付与
することにより固相成長を行い単結晶を形成するように
しているため、歪の発生が抑制されて結晶性が良好で、
配向性の良い単結晶が形成される。ここでこの凹凸は2
0〜40nm程度とするのが望ましい。
OS型半導体素子を覆う絶縁膜の開口部に露呈するMO
S型半導体素子のドレイン領域からの固相成長により形
成された単結晶半導体薄膜の一部をベース領域とし、該
ベース領域が、前記開口部を介して前記MOS型半導体
素子のドレイン領域と電気的に接続されるように形成し
ているため、接続部の結晶性が極めて良好で、接触抵抗
が小さい上、積層構造であるにもかかわらず低温下で形
成でき、下地側の素子の劣化を生じることがない。また
電流値をバイポーラ素子で増幅することができるため、
下側のMOS型半導体素子の電流値を増幅して、出力を
大電流とすることにより高速動作を可能とすることがで
きる。
上を覆う絶縁膜上に、非晶質薄膜を堆積して、この非晶
質薄膜に熱処理を施すことにより固相成長を行い粒界が
下地の基板表面に対する垂直軸に沿うように形成された
多結晶シリコン膜を形成し、この多結晶シリコン膜内に
薄膜トランジスタを形成するようにしているため、容易
に特性のばらつきが小さく安定した動作特性を得ること
ができる。凹凸のある絶縁膜の表面に非晶質膜を堆積す
るようにすれば、より自由に原子が移動することがで
き、結晶方位が揃い易い。
りであるが、その指摘するところに従って作成した半導
体薄膜が、上記の様に、従来膜質をはるかに越えた良質
な膜を提供する理由についてはまだ十分な解析が進んで
いないのが現状である。
理学に則り、今までにない新しいしかも厳密な計算機シ
ミュレータを作成しその原理を推測できる域に達した。
以下に本発明者らが、新しく作成したシミュレータを説
明し、同シミュレータによる解折を説明する。
のは、Si原子間に働く力の算出と、さらには原子のポ
テンシャルの算出である。本発明者は、どのようなポテ
ンシャルを採用するのが最もSi半導体にふさわしいか
を予め十分に調査した。その結果、本発明者が対象とし
ている問題、即ち再結晶化現象や非晶質を含む系には、
基本的にはTersoffのポテンシャルを用いるのが
良いと考えた。本発明者らは、Tersoffのポテン
シャルに独自の改良を加えるとともに、数学的にも今ま
でにない厳密な変形導出を加えた。ポテンシャルの大き
さが分かれば、そこから粒子に加わる力や、速度等は容
易に求められることになる。
soffに従い、i番目のSiに関する全ポテンシャル
は Σ(1/2)(V<sub>ij</sub>+V<sub>ji</sub>) …(1) で記述できる。本発明者による改良型Tersoffの
ポテンシャルは3体以上の粒子間の力を考慮しているの
で、上記(1)式に於いてV<sub>ij</sub>≠V<sub>
ji</sub>である。着目するSi粒子の位置番号をiと
し、その周辺の他の粒子番号をjとすると、上記V<sub
>ij</sub>は V<sub>ij</sub>=f<sub>c</sub>(r<sub>ij</sub>){a<sub>ij</sub >f<sub>R</sub>(r<sub>ij</sub>)+b<sub>ij</sub>f<sub>A</sub>(r <sub>ij</sub>)} …(2) である。ここでrは粒子間の距離である。また、f<sub
>c</sub>(r<sub>ij</sub>)は、カットオフ関数と呼
ばれ、f<sub>R</sub>(r<sub>ij</sub>)は斥力を示
し、またf<sub>A</sub>(r<sub>ij</sub>)は引力を
示す。a<sub>ij</sub>は配位数を考慮したカットオ
フ係数、b<sub>ij</sub>も配位数を考慮したカット
オフ係数である。本発明者による改良型Tersoff
では、配位数に特殊なパラメタを持たせることによっ
て、陰に3体以上の力の効果を取り入れている。f<sub
>R</sub>とf<sub>A</sub>は、Morse型のポテン
シャルを変形したもので、 f<sub>R</sub>(r)=Aexp(−λ<sub>1</sub>r)、f<sub>A</sub>(r )=−Bexp(−λ<sub>2</sub>r) である。
b>は定数であり、その大きさは原子間距離程度の値の逆
数である。
>(r<sub>ij</sub>)は、 f<sub>c</sub>(r)=1 (r≦R−D) f<sub>c</sub>(r)=1/2−1/2sin{(π/2)(r−R)/D} ( R−D<r<+D) f<sub>c</sub>(r)=0 (r≧R+D) …(3) であり、ここに、Rは、通常対象とする構造の第一隣接
ゾーンだけを含むようにその寸法を選ぶ。その値は大体
2〜3オングストロームである。
るが、ここでも上記カットオフ関数を使う。その定義
は、本発明者による改良型Tersoffによれば、 b<sub>ij</sub>=(1+β<sup>n</sup>ζ<sub>ij</sub><sup>n</sup>) <sup>−1/2n</sup> …(4) ここに ζ<sub>ij</sub>=Σf<sub>C</sub>(r<sub>ik</sub>)g(θ<sub>ij k</sub>)exp{λ<sub>3</sub><sup>3</sup>(r<sub>ij</sub>−r<sub> ik</sub>)<sup>3</sup>} …(5) である。Σ記号はk≠i、jで回す。ここで分かる様
に、ζ<sub>ij</sub>の意味は第3の原子kが入るこ
とによる環境因子であるので、i原子から見た場合とk
原子から見た場合、互いに大きさは異なる。即ち、ζ<s
ub>ij</sub>≠ζ<sub>ji</sub>である。
</sub>であり、さらに、上記(1)式で述べた様に、V
<sub>ij</sub>≠V<sub>ji</sub>である。
θを求めるに当たり、実際の直交座標を用いて表現して
みる。
る。
すると、 P<sub>ijk</sub>=(x<sub>j</sub>−x<sub>i</sub>)(x<sub>k</sub >−x<sub>i</sub>)+(y<sub>j</sub>−y<sub>i</sub>)(y<sub>k</sub> −y<sub>i</sub>)+(z<sub>j</sub>−z<sub>i</sub>)(z<sub>k</sub>− z<sub>i</sub>) …(8) である。
ち、 R=3.0Å、D=0.2Å、A=3264.7eV、B=95.373eV、C =4.8381、 λ<sub>1</sub>=3.2394Å、λ<sub>2</sub>=1.3258Å、λ<sub >3</sub>=λ<sub>2</sub>、 …(10) β=0.33675、n=22.956、d=2.0417 である。
子間に働く力の算出と、運動の速度の算出について、今
までに類をみない厳密に計算を進めた。ポテンシャルの
(2)式を位置の座標で微分すると力になる。 即ち −(1/2)(∂V<sub>ij</sub>/∂x<sub>i</sub>) …(11) −(1/2)(∂V<sub>ij</sub>/∂x<sub>j</sub>) …(12) がそれぞれ粒子i,jに働く力のベクトルのx成分であ
る。しかし実際にはこれを求めるに当たり、本発明者は
各変数の寄与を慎重に詰め、厳密な高階偏微分式を作成
した。
その順序を図137に示す様に整理して考えてみた。
を、偏微分方程式の公式と、図137の呼応関係図を頼
りに求めてみた。即ち、 −(1/2)(∂V<sub>ij</sub>/∂x<sub>i</sub>)=(1/2)[(∂V<sub >ij</sub>/∂r<sub>ij</sub>)(∂r<sub>ij</sub>/∂x<sub>i</sub> )+(∂V<sub>ij</sub>/∂ζ<sub>ij</sub>){(∂ζ<sub>ij</sub>/∂r <sub>ij</sub>)(∂r<sub>ij</sub>/∂x<sub>i</sub>)+Σ(∂ζ<sub>i j</sub>/∂r<sub>ik</sub>)(∂r<sub>ik</sub>/∂x<sub>i</sub>)+ Σ(∂ζ<sub>ij</sub>/∂cos<sub>ijk</sub>)(∂cosθ<sub>ijk </sub>/∂x<sub>i</sub>)}] …(13) また、jに関する偏微分方程式の変形は、同様に下の様
になる。特に、上記との対応が分かる様に、空白部分は
空白のままにして置いた。
になる。上記(13)式との対応が分かる様に、空白部
分は空白のままにして置いた。
(2)式を用いて偏微分式を実際に求めてみると、 ∂V<sub>ij</sub>/∂r<sub>ij</sub>=(∂f<sub>c</sub>(r<sub>i j</sub>)/∂r<sub>ij</sub>){Aexp(−λ<sub>1</sub>r<sub>ij</s ub>)−b<sub>ij</sub>Bexp(−λ<sub>2</sub>r<sub>ij</sub>)}+f <sub>c</sub>(r<sub>ij</sub>){−λ<sub>1</sub>Aexp(−λ<sub>1</ sub>r<sub>ij</sub>)+λ<sub>2</sub>b<sub>ij</sub>Bexp(−λ<su b>2</sub>r<sub>ij</sub>)} =Aexp(−λ<sub>1</sub>r<sub>ij</sub>){(∂f<sub> c</sub>(r<sub>ij</sub>)/∂r<sub>ij</sub>)−λ<sub>2</sub>f<sub >c</sub>(r<sub>ij</sub>)}−Bexp(−λ<sub>2</sub>r<sub>ij</su b>){(∂f<sub>c</sub>(r<sub>ij</sub>)/∂r<sub>ij</sub>)−λ<sub> 2</sub>f<sub>c</sub>r<sub>ij</sub>)}b<sub>ij</sub> …(16 ) となる。
にy方向や、z方向のものも用意する必要がある。その
場合それぞれの最終変形式に於けるxを単にyやzに変
化させれば良い。
算とは、原子の運動があっても系の全体体積を一定に保
つものである。上記今まで述べてきた手法は、定積計算
であり、体積変化には格段の注意を払っていない。しか
し、例えば再結晶化固相成長はおおむね体積変化を伴
う。この場合、一般的には、運動エネルギからなる内部
エネルギと、さらにポテンシャルエネルギと、エントロ
ピ及び体積等を考慮したラグランジアンに戻り、ラグラ
ンジアンに対する運動方程式を立てる必要がある。ラグ
ランジアンは次の様に記述できる。
場合は、内部圧力がこれに等しくなる様に体積Vが変動
する。またMは仮想質量である。これを基にラグランジ
アンに対する運動方程式を立てる。
dt)=0 である。
者はこの部分についても厳密な作業を進めた。
子の運動を厳密に調べるものである。従って基本的な出
力は個々粒子の各時間における、位置、速度、力等であ
るが、もっとマクロ的な諸量を算出することもできる。
即ち、その一例として、熱伝導率をも求めることが出来
る。本発明者はこの熱伝導率を算出する事によってその
精度及び基本動作を検討した。また、このシステムでは
単結晶を有限の温度として扱える様に工夫した。従来の
演算方式では単結晶を絶対零度とするものがあったがこ
れでは熱流束が無限大となり、正確な伝導率の計算は出
来なかった。今回、本発明者は「熱浴」を結晶の両端に
付加し得るようにし、エネルギのやりとりを管理した。
計算の結果、図138に示す様に、180Watt/m
eter/Kelvinの値を得ている。これは一般の
文献によれば148〜150Watt/meter/K
elvinであるので、20%程度の誤差範囲内でほぼ
満足な値である。
上の非晶質薄膜の各粒子の時々刻々の運動を克明に検討
した。例えば、600℃において結晶成長が進んでいる
最中の成長端の各粒子の運動を図139に示す。非晶質
薄膜中の原子密度が成長端の付近で低くなっていること
がわかる。
以下に記す。
の非晶質薄膜の各粒子の時々刻々の運動を克明に検討し
た。その結果を表1に示す。
均寸法を求め、この値からのズレの2乗和の平方根を∂
xで表現してみた。この∂xの値の深さ方向の平均が、
上述してきた平均原子間距離に相当するものである。ま
た、表1は非晶質薄膜の再結晶化直前の表面層からほぼ
1オングストローム程度の深さまでの粒子を対象にして
算出したものである。表1からわかる様に、例えば60
0℃においては、∂xは0.3135オングストローム
であり、他方、非晶質薄膜上に酸化膜を被着させた状態
での再結晶化直前の∂xの値を求めたのが、下段の値で
ある。即ち、600℃では0.1792オングストロー
ムである。ここでも、表面層からほぼ1オングストロー
ム程度の深さまでの粒子を対象にして算出したものであ
る。
明らかに酸化膜が表面に被着していると、原子の揺らぎ
寸法は小さくなっていることがよく分かる。この∂xの
変動の影響範囲を求めたところ、600℃程度であれ
ば、ほぼ200オングストローム程度まで残存すること
が分かった。
様に、表面酸化膜が被着していない時は、∂x=0.3
011オングストロームであり、表面酸化膜が被着して
いる時は、∂x=0.1700オングストロームであ
る。さらに400℃では、表1に示す様に、表面酸化膜
が被着していない時は、∂x=0.2782オングスト
ロームであり、表面酸化膜が被着している時は、∂x=
0.1542オングストロームである。
ろに従って作成した解析してみると次の様に解釈でき
る。即ち、半導体薄膜が、上記の様に、薄くなると、平
均原子間距離が増大し、原子が非常に動き易い状態にな
るのである。従って、この様な状態では、「種」部から
非常に高速に再結晶化するだけでなく、非常に良質な結
晶が得られるわけである。図6(a)および(b)に本
発明による、膜厚と平均原子間隔の算出値と実行値を示
す。図6の横軸は膜厚の深さ方向を示し、縦軸は平均原
子間隔距離を示している。膜厚が薄くなるほど、平均原
子間距離が大きくなるのがわかる。
晶質膜は、順次凝固して行き粒状になることが確認でき
た。このとき、本発明者らの計算によれば、非晶質膜が
一端、凝固を始め、粒状になり出すと、内部エネルギの
はけ口が無くなるので、その分だけ、温度が若干上昇
し、再結晶化が一層促進されることが見いだされた。
化前では、膜厚が薄くなるほど、非晶質膜表面及び膜中
は結合状態が「緩んで」おり、下地界面のみが、その構
造情報を与えている。
状になるかについても、上記シミュレータを用いて解折
した。その結果、内部エネルギを小さくしようとする力
によるものであることが確認できた。
は、得られる単結晶膜の膜質と成膜ガス中の酸素分圧と
の関連は全くなく、別の現象であることを突き止めた。
本発明者等の提案する方法によれば、非常に良好な単結
晶が得られており、双晶等は全く認められていない。
明者らの計算によれば、表面側から結晶化が始まり、下
方に向かって結晶化が進行し、結晶成長端の先に、低原
子密度領域が発生することが見出だされた。また同時に
シミュレータを用い、低原子密度領域で引っ張り歪みが
発生していることも見出だした。
温度に加熱すると再結晶化が開始される。このとき成長
端付近の非晶質中には原子密度が低い領域が形成され
る。もともと非晶質膜が一般的成膜条件のCVD法など
において成膜されると単結晶よりも密度が低く、平均原
子間隔が大きくなる。再結晶化の際には、もとの状態よ
りも密度を高める必要があるため、非晶質膜側の原子が
結晶側に多めに引き寄せられるためである。結晶化が進
むほど、結晶化端での低密度化は顕著になる。しかしあ
らかじめ、単結晶とほぼ等しい平均原子間隔の非晶質を
用意すると、低密度領域は出現しないことになる。従っ
て結晶化距離が遠くまで伸長することになる。
験を行った。まず図140に示すように(100)シリ
コン基板上に絶縁膜を形成しこの一部を開口しシリコン
基板を種とした試料を用い、従来の堆積条件で525
℃、SiH<sub>4</sub>分圧1Torrで膜厚200
nmのアモルファスシリコン膜を堆積し、600℃の熱
処理をおこない[100]方向の成長について測定し
た。
1(a)に示す。この図は試料を真上から撮影した典型
的な光学顕微鏡写真であるが、白い領域がすでに結晶化
が進み単結晶になった領域である。1μmまで再現性よ
く「種」から均一に伸びるが、さらに長く熱処理を行う
と成長端が波状になってくることがわかった。図141
(b)は600℃5分間の熱処理後写真撮影を行う手順
を数回繰り返し、横方向に固相成長していく時の成長端
の移動から求めた典型的な成長距離の時間依存性を示
す。図中の直線は原点を通らないが、成長のはじめにま
ず「種」から真上に伸び、次に横にのびはじめるため、
上に伸びている時間だけ横に伸び始めるのが遅れている
と考えられる。図中にひいた各々の直線の傾きから成長
速度を求めると、aおよびbで多少ばらつきがみられる
が、1.5〜2.0μmまでは成長速度100nm/分
で進み、その後その1/4まで成長速度が遅くなる。一
旦成長が遅れ始めた場所では成長速度は回復せず成長端
は波状になる。そして最後は「種」以外のところから発
生した結晶とぶつかって成長が止まる。
スシリコンと結晶との界面)を断面の透過電子顕微鏡観
察(TEM)で詳細に解析した。典型的な例として0.
5μmまで成長させたものと2μmまで成長させたもの
成長端の断面写真を図142,143,144,145
に示す。この結果これらはそれぞれ(110)シリコン
面優先成長モードと(111)シリコン面優先成長モー
ドであることを見出だした。
[100]方向に横方向成長するに従い優先成長面が変
化していくことを見出だした。
微ラマン法を用いて測定した。この結果図147に示す
ように、「種」ではほとんど応力がみられず「種」から
1μm程度離れたところで3×10<sup>9</sup>dy
n/cm<sup>2</sup>にまで達していることがわかっ
た。
から(111)シリコン面への優先成長面の変化につい
て以下のように考察した。
この結晶化を進めている温度では、2〜3×10<sup>
9</sup>dyn/cm<sup>2</sup>と思われる。この
値は「種」から0.5μm以上横に成長した位置で発生
するとみられる。この応力によって(111)シリコン
面のずれが起こり(111)シリコン面の優先成長に変
化していくと考えた。とくにこの考えでは成長が進む
と、(111)双晶が引き続き起こるので、1μm以降
では応力は一定値になり、しかも結晶性は回復しないは
ずである。事実、断面TEMで観察すると図26で示し
たように双晶が見えている。また若干寸法位置に誤差は
あるが、成長速度の変化する点が(111)面優先成長
モードの発生位置に相当している。
不利であることを発見し、この応力を低減すべく、応力
発生の原因を種々考察した。この結果、応力は「種」部
にはみられず成長に伴い増加している。そこで膜が結晶
化するときの体積変化がその原因の1つであることに気
付きこれに着目した。
ことは、同じ元素で構成されていても単結晶状態と非晶
質状態で原子間の結合距離が変わる事によると考えられ
る。そこで非晶質状態でも単結晶の状態と同じ平均原子
間隔にしておけば応力が生じないはずであると考えた。
隔にほぼ一致するような原子間隔の非晶質薄膜を形成し
て横方向固相成長を行ったところ、予測通り(110)
面優先成長が10μm以上も続き、双晶など結晶欠陥が
なく結晶性の良好な単結晶薄膜を得ることができた。
る単結晶露出部分に接触していると、その「種」結晶か
ら、一気に高速で再結晶化し、不随意に再結晶化する部
分が発生する迄に、再結晶化寸法領域を拡大できるわけ
である。
になる単結晶露出部分に接着していない場合は、一定の
膜厚以下の薄い膜を用意した場合、非晶質部分は、個々
に、結晶成長しながら凝集し、粒状の欠陥の無い単結晶
になる。
い方法を提供している。この方法による効果は、今まで
にない現象を応用しているので、学問的にはまだ完全に
解明されるに至っていないが、現段階では、上記の様に
説明できる。
つつ詳細に説明する。
得るにあたり、非晶質Si膜の平均原子間隔を、予め、
Si単結晶の平均原子間隔の1.02倍以上からなる膜
を用い、非晶質膜の表面に酸化膜の成長付着を抑止し固
相成長直前まで原子間隔を緩めるため、非酸化性雰囲気
であるN<sub>2</sub>雰囲気にして、熱処理した。
装置の概略を示す図である。この装置は、チャンバー1
01と、膜堆積用の原料ガス導入口102と、排気口1
03と、薄膜を形成すべき試料を載置する試料台104
とを具備している。本参考例では、例えば原料ガスとし
て水素H<sub>2</sub>やSiH<sub>4</sub>あるいは
ジシラン等を導入するようになっており、また必要に応
じてドーピングガスも導入可能である。図では簡略化の
ため、導入口は1つになっているが、これも必要に応じ
て試料台近傍まで別々に導入するようにしても良い。試
料台104は加熱機構を具備しており、温度は適宜上昇
あるいは降下できるようになっている。さらにここでは
結晶性を判定するための評価装置(特殊REEHD装
置)を具備しており、試料表面にビームを照射するビー
ム照射手段105と、試料表面からの反射電子を受ける
受光管106とによって、「平均原子間隔」を高精度に
モニタすることができるようになっている。このビーム
照射手段および受光管は、試料表面に非常に小さい角度
で入射及び反射させることができ、また適宜角度を変更
できる。さらに上方には、結晶性評価装置の一つであ
る、特殊ラマン分光器107が設けられている。この装
置を用いて薄膜形成を行う方法について説明する。図3
(a)および(b)は、本発明の第1の参考例の膜堆積
のシーケンスの概略を示す図である。図3中横軸は時刻
であり、縦軸は温度である。図4(a)乃至(c)は薄
膜形成工程を示す図である。ここで縦軸の温度は図2の
試料台104に付着させた熱電対で測定した。勿論上記
熱電対は十分較正をしたものを用いている。
結晶(100)シリコン基板201表面に予め酸化シリ
コン膜202を堆積させ、フォトリソグラフィにより開
口部203を作成した。そして薄膜の堆積に先立ち、図
3(a)および(b)の点T1以前の時点で基板等の清
浄化を行うため、所定の温度及びガス組成で処理をし
た。
15オングストロームの非晶質シリコン膜204を堆積
する。図3では点T1から点T2の間が所謂成膜工程に
相当し、例えばこの参考例1では525℃であった。
中で再結晶化のための熱処理を行う。これは図3中時点
T3からT4に相当し温度は例えば600℃であった。
しかる後に温度を降下させ、時点T5以降で取りだす。
このようにして図4(c)に示すように単結晶シリコン
膜205が得られる。ここで、点1から点T2の成膜
を、温度及びガス組成を変化させて行った結果、成膜速
度Rが下式を満たす条件下でおこなった場合に、平均原
子間距離が1.02以上の膜が得られた。
τ(K)+14.857 この条件が示す領域を図5に記す。この条件以外の領域
では、平均原子間隔が1.02を上回る膜は成膜できな
かった。
単結晶の1.02倍以上を保持するため、非晶質シリコ
ン膜204の表面に酸化膜が付着しないように、図2に
示すチャンバ101内で、真空排気した状態で保持し
た。そして、そのまま図3のT3からT4に示す時点に
相当する600℃で再結晶化させた。
の変遷の概略を示す。膜質は例えば図2に示した、特殊
RHEED装置105、106及び特殊ラマン分光器1
07を用いて評価した。測定した結果を図3(b)に示
す。横軸は時間の経過を示し、縦軸は平均原子間隔を示
す。T2すなわち成膜終了の時点では、酸化シリコン膜
202上の非晶質シリコン膜204の平均原子間隔は、
シリコン単結晶に比較して1.02倍であった。また時
点T5は、再結晶化した後に相当し、平均原子間隔は、
シリコン単結晶に比較して1.00となっている。
のようになっているかを評価した。評価結果を図6に示
す。図6(a)は測定原理を示す図である。図6(b)
から明らかなように、平均原子間距離は表面から80n
m程度までは1.02以上であり、さらに深くなると極
めて小さくなることがわかる。また横方向固相成長速度
の測定結果を図7に示す。横軸は再結晶化時間をしめ
す。これは換言すれば、図3の時点T3からT4に相当
するものである。縦軸は横方向再結晶化距離である。こ
の横方向距離の寸法は、長ければ長いほどSOI素子と
しての利用に適するわけである。そしてまた、この再結
晶化領域に結晶欠陥が極力少ない方が、SOI素子への
応用展開に有利になるわけである。図7の図中の曲線a
は、上記示してきた参考例に相当するものである。図7
中の曲線b、c、dは、比較の為に作成した、従来方法
に依るもので、いずれも膜厚200nmの非晶質膜を堆
積し、格段の注意は払わず、途中で大気に曝した。その
後、別の炉に入れ、N<sub>2</sub>雰囲気でアニール
し、600℃1時間の熱処理を行ったものである。この
時の平均原子間隔は1.001であった。このようにし
て再結晶化された従来例の場合、再結晶化速度が遅く双
晶も多く含んでいた。
方法によれば、従来例の結果に比べて、約1.7倍の勾
配で成長している。この勾配、即ち成長速度が早ければ
早いほど、結晶性が良く、遠くまでのびるわけである。
単結晶に再結晶化して行く過程では、不随意に結晶核が
発生する部分があると、結晶性が不良になるばかりでな
く、再結晶化寸法が伸びない等の不都合が生じる。従っ
て、結晶性の改善及び結晶距離の伸長を目指すには、出
来るだけ高速で再結晶化させることである。本発明の参
考例の結果は、上記データでもわかる様に、「高速性」
と、「結晶性」の両面に大きな成果を見出している。従
来方法では、不純物を高濃度に添加したり、圧力を加え
たりする手段を用いているが、本発明者等は、原子間距
離に着目した全く新しい方法を提供している。
し、膜厚等を予め薄くすることにより、原子が一応結合
しているが、原子間の結合が緩んだ自由な状態を作り出
しており、これが結果的には、平均原子間距離の寸法増
大につながる。そして平均原子間距離の増大を保ったま
ま、熱処理を行うと非晶質シリコン膜表面の原子は動き
易くなる。そして、「種」になる単結晶露出部分から、
一気に高速で再結晶化し、不随意に再結晶化する部分が
発生する迄に再結晶化寸法領域を拡大することができ
た。
て、その雰囲気をN<sub>2</sub>としたが、これを水
素雰囲気やアルゴン雰囲気としても良い。また、本参考
例では固相成長温度を堆積温度よりも高温としたが逆に
固相成長温度を低温として長時間熱処理してもよく、ま
た光で固相成長を促進させてもよい。また熱処理以外に
EBなどを用いても良い。
る。
大きさは限界に近づき、単に2次元的に縮小するだけで
なく3次元的な配慮、すなわちチャネル領域の縮小を単
にソースとドレインの間隔を狭めるというだけでなく、
深さ方向にも縮小することが必要になってきた。例えば
MOSでは、チャネルの間隔が〜0.1μm程度に狭く
なってくると、実際に電流の流れるチャネルの表面近傍
だけを低濃度層にする必要も生じてきており、今後のデ
バイスサイズの縮小にはこのような極薄い単結晶層の形
成技術が不可欠となってくる。さらに、バイポーラート
ランジスタにおいてもベース領域を薄くすることで高速
動作が可能となるなど本発明の応用範囲は広い。
ーラトランジスタのベース領域に用いることができる薄
い単結晶シリコン層の製造方法を示したものである。
板の表面を0.1%HF水溶液で洗浄して、表面の自然
酸化膜2を除去し、基板の表面を清浄にする。この基板
を図2の装置に移す。
1Torr流しながら525℃に温度を上げる。そし
て、525℃に保持したままシランガス500SCC
M、3Torrを2分間流し、シランガスの熱分解反応
により基板上に非晶質膜を堆積した。このときの非晶質
膜の平均原子間隔は単結晶の1.02倍となった。但し
この平均原子間隔は別途基板上に設けた酸化シリコン膜
の上に堆積した非晶質膜を用いてモニターした。非晶質
膜3の膜厚を80nm以下にすると平均原子間隔は単結
晶の1.02倍から徐々に増大した。
p型の半導体層ができ、ホスフィンを同時に流すとn型
の半導体膜ができる。ここではシランガスのみを流した
場合を示す。
シリコン膜3を成膜した後、再び高純度の水素ガスを流
して非晶質シリコン膜の表面が酸化されないようにしな
がら600℃に昇温し、10時間保持した。なお、水素
ガスの代わりにアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス
などの高純度ガスを用いても同様であり、さらに、10
<sup>−4</sup>Torr以下の高真空に維持しても良
い。このように、600℃の非酸化性雰囲気で熱処理し
ている間に図8(c)に示すように固相成長により下地
シリコン基板から結晶化が起こり、非晶質シリコン3は
単結晶シリコン層4になる。この時、非晶質シリコンの
平均原子間隔は単結晶の1.02倍と緩んだ状態にあ
り、図1に示したように非晶質表面からシリコン原子が
自由に動いて、固相成長するに従って余ったシリコン原
子が表面に抜けたり、足りないシリコン原子が表面から
補われるため、結晶欠陥の無い高品質の単結晶を成長さ
せることができたものと思われる。
面から補給の届く範囲、あるいは表面の活性なシリコン
原子の結合ポテンシャルの及ぶ範囲を測定するため、膜
厚を変化させて非晶質膜の平均原子間隔を変化させ、他
の条件はまったく同様にして欠陥密度を測定した。すな
わち非晶質シリコン膜の成長と固相成長は同一のチャン
バー内で行うようにし表面に酸化膜の無い状態で固相成
長させた場合の単結晶膜と、種々の膜厚の非晶質シリコ
ン膜を成膜し従来通り一旦別の反応炉に移して表面に自
然酸化膜を形成した後固相成長した場合との単結晶膜の
欠陥密度の差を測定した。その結果を図9に示す。この
図からあきらかなように、非晶質シリコン膜の膜厚を8
0nm以下にするのが望ましく、80nm以上にすると
これらの効果が及ばなくなり結晶欠陥がみられるように
なる。
隔を変化させ、酸化膜のない自由表面を維持した場合
(曲線a)と、非晶質膜成膜後一旦大気中に取り出した
り、固相成長中の雰囲気を酸化雰囲気にしたりすること
で非晶質膜表面に酸化膜が存在する場合(曲線b)と、
エレクトロンモビリティと非晶質膜の膜厚との関係を測
定した結果を図10に示す。この場合酸化膜が存在しな
い形成方法である本参考例の膜厚が80nm以下の場
合、すなわち非晶質膜の平均原子間隔が単結晶の1.0
2倍以上の場合には、エレクトロンモビリティは大き
く、これを越えると小さくなるのに対し、表面に酸化膜
が存在する従来の形成方法の場合はエレクトロンモビリ
ティが小さい。この図から酸化膜の存在しないこと、平
均原子間隔を単結晶の1.02倍以上に保つことがエレ
クトロンモビリティに極めて重要な役割をはたすことが
わかる。比較のため図134に非晶質膜の表面が酸化さ
れており、平均原子間隔が単結晶の1.02倍より小さ
い場合の固相成長の様子を説明したものを示したがこの
場合、非晶質膜は原子がランダムに配置されており、結
晶成長が進むと規則性のある結晶格子位置にそれぞれの
原子が収まっていく。この時、ランダムな配置をしてい
る原子の数と規則性のある格子位置に入っている原子の
数は一致していない。これは局所的にはさらにひどく、
図135に示したように結晶成長に伴い格子の間に余っ
たり、格子位置にあるべき原子が足りなくなったりして
しまう。にもかかわらず、それぞれの原子は非晶質とい
えども互いに結晶をもっておりモビリティは小さく全く
自由に動けるわけではない。そこで、これらは格子歪や
結晶欠陥、双晶などとして単結晶膜に残ってしまう。こ
のため従来の方法の場合では、非晶質成膜後、固相成長
で結晶化をすると単結晶中に多数の結晶欠陥存在する。
これらは双晶や積層欠陥と呼ばれるものであり、点欠陥
や転位ネット、らせん転位なども多く含む。
前記参考例では水素雰囲気中で非晶質シリコン膜を成長
したが、この例ではターボ分子ポンプを使って1×10
<sup>−4</sup>Torrの高真空に排気しながら、熱
処理して単結晶化する。すなわちシランガスの熱分解を
用い、圧力3Torr、流量200sccm、525℃
において堆積速度10nm/分で非晶質シリコンを堆積
し、5分間シランガスを流し、シランガスを止めた後、
ターボ分子ポンプを使って1×10<sup>−4</sup>T
orrの真空に排気しながら、600℃、10時間熱処
理して単結晶化し50nmの単結晶薄膜を成膜した。従
来はロータリーポンプを用いて10<sup>−2</sup>T
orr程度に排気しており、微量の酸素が自然酸化膜を
形成していたが、ターボ分子ポンプの導入により極めて
高真空を得ることができる。
は、結晶欠陥が観察されず、膜厚を変化させたが、膜厚
が80nm以下で、平均原子間隔が単結晶の1.02倍
以上の膜ではいずれもTEMで結晶欠陥が観察されなか
った。
17</sup>cm<sup>−3</sup>になるように、非晶質
膜成膜時にシランガスと同時にホスフィンを流して形成
した膜の単結晶化後の移動度を、Hall測定で求めた
結果,図10に示したのと同様になった。従来のように
表面に酸化膜があると薄い非晶質を用いても移動度の高
い結晶性の良い単結晶は得られなかったのに対し、本発
明の方法を用いると、膜厚が80nm以下すなわち平均
原子間隔が単結晶の1.02倍以上である非晶質膜を用
いて固相成長させると結晶性が急激に良くなり、単結晶
シリコンで得られる移動度の限界まで移動度は向上させ
ることができた。
る。
を測定するため、前記参考例と同様にして非晶質シリコ
ンを50nm成膜した後、真空度を変えて600℃、1
0時間熱処理した膜のHall移動度を測定した。この
成膜直後の膜の平均原子間隔は単結晶の1.025倍で
あった。この結果、真空度が1×10<sup>−3</sup>
Torrより悪くなると図11に示すように結晶化後の
膜中の移動度は急激に低下した。これらの膜の表面を熱
処理中にRHEED(ReflectionHigh
Energy Electron Difractio
n)により観察すると1×10<sup>−3</sup>Tor
rより悪い真空では、結晶化が終わってもシリコンの結
晶を示す回折像が得られず、表面が酸化物が覆われてい
ることも判明した。固相成長前後の平均原子間隔の時間
変化を調べた結果成膜直後に単結晶の1.03倍であっ
たものの炉内に放置されている間に徐々に平均原子間隔
が縮み、固相成長直前には1.005まで縮んでいるこ
とが判明した。これは本参考例の平均原子間隔の縮みの
効果を裏付ける証拠の一つとして挙げられる。
非晶質シリコン表面の酸化を防ぐために雰囲気を還元雰
囲気とする方法について説明する。配管のつなぎ目など
からの空気の漏れあるいは炉内の壁の吸着分子の再蒸発
などによって、炉の中には酸素、水分などが漂ってお
り、これを水素ガスで希釈あるいは押し流すことによっ
て還元雰囲気とした。ここで、水素ガスの圧力を高く、
流量を大きくすると表面の酸化が抑止され、堆積された
非晶質膜の平均原子間隔が固相成長直前まで維持される
ため、単結晶中の欠陥がなくなり、移動度が向上してく
る。ここで下地基板として砒素濃度2×10<sup>19<
/sup>cm<sup>−3</sup>のn型シリコン基板を用い、
この上層に膜厚20nmのイントリンシックの非晶質シ
リコン膜を形成し、上記水素を用いた還元雰囲気中で、
580℃、1時間の熱処理を行い単結晶シリコン膜を形
成した。堆積した20nmの非晶質シリコン膜の平均原
子間隔は単結晶の1.03倍であった。但しこの値は別
途堆積した酸化シリコン上の非晶質膜を用いてモニター
した。
エレクトロンモビリティとの関係を測定した結果を図1
2に示す。この図からもあきらかなように、水素流量が
増大するとエレクトロンモビリティが増大することがわ
かる。
ス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性ガスを流して
も同様の効果が得られた。
MSで分析した結果の一例を図13に示す。下地基板は
砒素濃度2×10<sup>19</sup>cm<sup>−3</sup>
のn型半導体であるが、その上に本発明の方法によって
形成した20nmの単結晶薄膜はSIMSの検出限界以
下の導電性不純物を含まないイントリンシックのままで
あった。
学気相堆積法(CVD法)を例に示したが、非晶質シリ
コン成膜に蒸着法、スパッタ法などを用いても同様の効
果を得ることができた。また、シリコン以外にもゲルマ
ニウムでも同様の効果を得ることができることはいうま
でもない。
S型トランジスタを形成する方法について説明する。
基板表面11に、一層目の半導体装置を形成した後、C
VD法によりシリコン基板全面にシリコン酸化膜12を
約1μm堆積する。ここで一層目の半導体装置はゲート
電極6とソースドレイン領域7とからなるMOSFET
であり、8は素子分離絶縁膜である。
を塗布し露光現像した後、反応性イオンエッチングによ
り所望領域のシリコン酸化膜12をエッチングし、積層
部分単結晶化の際に種結晶となるシリコン基板表面を露
出させ、残るレジストを剥ぐ。そしてシリコン基板を酸
等で洗浄し、露出しているシリコン表面を清浄に保ちな
がら非晶質シリコンの反応炉内に搬入する。
入した後、反応炉内を真空引きする。後で固相成長をさ
せる時に種結晶となる露出シリコン面には、自然酸化膜
が成長しないよう細心の注意をする。そして基板温度を
450〜550℃に上げる。
を用いて行う場合、良質の非晶質シリコンを得るために
基板温度は500〜550℃の間に保ち、ジシランガス
を用いる場合には450〜550℃の間に保つ。シラン
あるいはジシランガスを反応炉内に導入し、これらシラ
ン系ガスの熱分解反応により、基板全面に非晶質シリコ
ン13を堆積する(図14(c))。この時,シラン系
ガスにジボランあるいはホスフィンを混入し、ボロンあ
るいはリンを含む非晶質シリコン膜を堆積しても良い。
この非晶質シリコン層の膜厚は20nm以下とする。こ
のようにして20nm以下の所望の膜厚が得られた段階
で、シラン系ガスの反応炉内への導入を止め炉内温度を
低下させる。堆積速度はガス流量等で制御し前記の堆積
速度式を満たす条件で成膜する。
0<sup>−7</sup>Torr以下の高真空にして、炉内
温度を600℃程度まで昇温し薄い非晶質シリコン膜を
結晶化し、単結晶シリコン層14を形成する(図14
(d))。この工程で、基板シリコンと接している面を
固相成長のシードとして非晶質シリコンが横方向に単結
晶化する。高真空中では、非晶質膜の平均原子間隔は堆
積時の値に維持されるため、非晶質膜の結合は緩い状態
に保たれており、非晶質及び単結晶シリコンの表面のシ
リコン原子は結合が不完全であるため非常に動き易く、
表面をマイグレートして移動する。さらにまた20nm
以下の薄膜にすることにより、表面マイグレートの影響
が膜中全体に及び、膜中の原子全体が非常に動き易い状
態に保たれる。そのため結晶化速度が大きく、単結晶化
を妨げる無作為の結晶核生成が起こる前に、シードから
遠くまで単結晶化される。例えば600℃で結晶化させ
た場合、20μmの長さまで単結晶化した。結晶成長さ
せる温度はさらに低い温度でも良い。しかしその場合よ
り長い時間が必要となる。例えば580℃では20時間
以上必要であった。また、非晶質シリコン中に濃度10
<sup>20</sup>cm<sup>−3</sup>程度のボロンある
いはリンを導入すると、結晶化速度が増加し、単結晶化
領域は100μmとなった。さらに、下地の絶縁膜表面
にあらかじめ高濃度のリン、ボロンなどシリコンに対し
て電気的活性な元素を入れておくとさらに広い領域の単
結晶化を進めることができた。また絶縁膜そのものをリ
ン、ボロンなどを含むガラスで形成しても同様の効果を
得ることができた。これらの工夫により表面の原子のマ
イグレーションに加え、下の方の界面の原子の移動も起
き易くすることで結晶成長の速度が速くなり、より広く
単結晶化が進んだと考えられる。
反応炉から一旦搬出して、イオン注入によりボロンやリ
ンを導入するようにしても良い。この場合には、炉内に
再度搬入した後、固相成長の前に自然酸化膜の剥離を再
び行い、平均原子間隔を再度緩める必要がある。
晶質層を所望の形状に整形しても良い。この場合には、
レジストを塗布し、露光現像した後、RIEでシリコン
をエッチングし、残るレジストを剥離する。また固相成
長速度は成長の方向で大きく異なり、<100>方向が
最も早いことが確認されている。そのため、非晶質層の
形状は図15に示すように<100>方向に長辺がある
形状にした。炉内にウェハを搬入し、非晶質シリコン上
の自然酸化膜を前述の還元反応により剥離する。その
後、高真空状態で固相成長を行う。
コン薄膜14が形成されるが特に必要がなければ、20
nm以下の膜厚の単結晶薄膜をそのまま用いて素子を形
成しても良い。この場合、むしろ移動度などは大きくな
り、NMOSで1000cm<sup>−2</sup>/V.S
を越えるものも得られた。ただし素子を形成する際、通
常の素子と異なりソース・ドレインのコンタクト形成等
に工夫を要する。まず、単結晶シリコン薄膜14の上に
絶縁膜18を形成し、この絶縁膜18のソース・ドレイ
ンの一方に相当する領域にコンタクトHを開ける。これ
にはRIE、CDE、フッ素系の水溶液などのいずれを
用いても、オーバーエッチングにより単結晶膜を突き抜
けるということが起きる。そこで、コンタクト抵抗を下
げるために配線19としては、通常用いられる多結晶シ
リコンではなく、タングステンシリサイドなどのシリサ
イドを用いた。例えばタングステンシリサイドの形成に
は、六フッ化タングステンと水素ガスの混合ガスなどを
用いた。また、本参考例を用いてコンタクト領域の単結
晶薄膜の露出部分のクリーニングをしてから連続して高
濃度にドープした20nm以下の薄膜非晶質シリコンを
堆積し結晶化して配線として用いても良い。いずれにし
ても良好なコンタクト特性が得られ前記したように高移
動度の素子(トランジスタなど)を形成することができ
た(図14(e))。
リコンの堆積と熱処理による結晶化を用いてより厚い単
結晶層を形成する例について説明する。
14(a)乃至図14(d)に示した前記第6の参考例
とまったく同様に行い図16(a)乃至図16(d)に
示すように単結晶シリコン膜14を得る。
晶化を行う。すなわち第1の単結晶シリコン膜形成のた
めの熱処理後、反応炉を開けることなくそのまま反応炉
温度を450℃〜550℃にして、シラン系ガスを反応
炉内に導入し、膜厚200nmの非晶質シリコン膜13
sを堆積して(図16(e))、ガスの導入を止める。
この時点ではシリコン基板11を炉外に搬出し、別のア
ニール炉を用いて結晶化しても良い。そして炉内温度を
600℃程度に昇温し、図16(f)に示すように、先
に結晶化した膜14をシードとして非晶質膜を垂直方向
に単結晶化する。200nmの非晶質膜13sを堆積し
た場合、垂直方向に容易に単結晶化し単結晶シリコン膜
14が得られた。
CVD法でシリコン酸化膜を堆積し、レジストを堆積し
て露光現像し、このレジストをマスクにして下層のシリ
コン酸化膜の所望領域を反応性イオンエッチングにより
エッチングする。そして残りのレジストを剥離し、次に
シリコン酸化膜をマスクとして単結晶化したシリコンの
所望領域を反応性イオンエッチングによりエッチングす
る。再び、CVD法でシリコン酸化膜20を堆積した
後、バイアススパッタ法でシリコン酸化膜を平坦化す
る。その後、単結晶シリコン層が露出されるまでシリコ
ン酸化膜を湿式エッチングする(図16(g))。この
ようにしてシリコン酸化膜20によって素子分離のなさ
れた2層目の単結晶シリコン層が得られ、単結晶シリコ
ン層14としての合計膜厚220nmとなる。
造を記す。まず2層目のシリコン基板にしきい値制御の
ためのチャネルドーピングをし、ゲート絶縁膜となるC
VDシリコン酸化膜を20nm堆積し、ゲート電極とな
るCVDポリシリコン膜を200nm堆積する。レジス
トを塗布し、露光現像し、RIEでポリシリコンをエッ
チングしてゲート電極を形成しさらに、ソース・ドレイ
ンとなる領域に導電性不純物をイオン注入する。ドーズ
量は2層目シリコン膜の膜厚を考慮して決定する。例え
ば、膜厚が50nmの場合、1×10<sup>15</sup>
cm<sup>−2</sup>とすると、Asイオンで1×10<
sup>20</sup>cm<sup>−3</sup>の高濃度が得られ
た。そして活性化アニールを行い、導電性不純物を活性
化する。さらにCVDシリコン酸化膜を堆積し、ソース
・ドレイン電極形成のための開口部を設け、電極及び配
線層を形成する。
は、スパッタ法あるいはUHV法を用いても良い。例え
ば、一部シリコン基板を露出させた絶縁膜を有するシリ
コン基板を10<sup>−10</sup>Torr以下の高真
空に保持し、高純度シリコンをターゲットとして電子ビ
ームで蒸発させ、このシリコン基板表面に蒸着させる。
この時まず、蒸着により絶縁膜上に平均原子間隔1.0
3倍、膜厚20nmの非晶質シリコン膜を形成した後、
このシリコン基板を高真空に保持したまま600℃で5
時間以上加熱すると絶縁膜上に単結晶シリコン薄膜を形
成することができた。
る。
結晶シリコン205を形成することを特徴とする。ここ
でもやはり、参考例1と同様にシリコン単結晶薄膜を得
るにあたり、非晶質シリコン膜の平均原子間隔を、予
め、シリコン単結晶の平均原子間隔の1.03倍以上か
らなる膜を用い、非晶質膜の表面に酸化膜の成長付着を
抑止するため非酸化性雰囲気のN<sub>2</sub>にし
て、熱処理した。
のものを用いた。また薄膜形成のためのシーケンスは図
3(a)と同一とした。しかし、試料構造は若干異なる
形を選んだ。即ち、先の参考例1では図4に示すように
酸化シリコン膜202に開口部203を設けたが、この
実施例1では、図18(a)乃至(c)に示すように開
口部を設けなかった。
リコン膜202を形成した後、図18(b)に示すよう
に非晶質シリコン膜204を堆積する。この膜厚は参考
例1では315オングストロームであったが、ここでは
200オングストロームとした。しかし、本実施例1の
文頭にも報告した様に、膜堆積直後の測定結果では、平
均原子間距離は、単結晶シリコン基板のそれに対して、
1.03倍の値を得た。
℃5時間の熱処理を行い単結晶シリコン205を形成す
る。ここで、再結晶化条件に関しては、参考例1と同一
とした。即ち、表面自然酸化膜の被着を抑えるために、
例えば同一炉を用いた。ここでは前述したように、非晶
質シリコン膜が、再結晶化するにあたり、所謂「種」に
なる単結晶シリコン露出部分に接触していない様にし
た。その結果、図19にTEM写真を示す様に、非晶質
部分は、結晶成長しながら凝集し、欠陥の全く無い極め
て良質な単結晶粒を得た。図20にTEM写真を示す様
に、その単結晶詳細観察の結果、下地の酸化シリコンに
対して、垂直方向に〈001〉シリコン軸が成長してい
る。
どを選ぶことでこの粒を、任意の大きさに揃えうること
も突き止めた。ちなみに、図21(a)乃至(c)は、
初期非晶質シリコン膜厚を200オングストローム、1
00オングストーム、50オングストロームとした場合
の結果を示す。それぞれの場合の初期非晶質の平均原子
間距離は、単結晶シリコン膜のそれに対して、1.03
倍、1.032倍、1.034であった。これらは、い
ずれも、極めて良好な単結晶となっている。
する。
非晶質Ge膜の平均原子間隔を、予め、Ge単結晶の平
均原子間隔の1.02倍以上からなる膜を用い、非晶質
膜の表面に酸化膜の成長付着を抑止するため非酸化性雰
囲気のN<sub>2</sub>にして、熱処理した。膜作成の
装置は、参考例1と同様図2に示したものを用いた。
図3(a)と同一であった。試料構造は図22(a)に
示すように図18(a)に示した参考例9のものと同様
にした。即ち、この例でも、開口部を設けなかった。
隔が、Ge単結晶の平均原子間隔の1.02倍となるよ
うな堆積条件を用いて非晶質ゲルマニウム206を堆積
した(図22(b)) 。このとき非晶質ゲルマニウム
の膜厚は例えば115オングストロームであった。
と同様にして再結晶化を行い、粒状の単結晶ゲルマニウ
ム膜207を形成した(図22(c))。即ち、表面自
然酸化膜の被着を抑えるために、参考例1と同様の炉を
用いた。
結晶化するにあたり、所謂「種」になる単結晶露出部分
に接触していないため、その結果は先の図18に示した
例と同様に、非晶質部分は、結晶成長しながら凝集し、
欠陥の全く無い極めて良質な単結晶を得た。しかも一軸
性の配向を得た。
どを選ぶことでこの粒を、任意の大きさに揃えうること
も突き止めた。
晶の1.02以上となるようにし、この非晶質膜の表面
を自由な状態に保ち、原子が膜内で自由に動けるように
し、ケミカルポテンシャル(ギプス自由エネルギー)の
変化に注目し、結晶化と同時にシリコン原子を動かし、
原子を凝集させるものである。
に説明する。
基板41表面を950℃水蒸気雰囲気中で酸化し、膜厚
0.1μmの酸化シリコン膜42を形成する。そしてC
VD法により膜厚0.02μmの非晶質シリコン膜43
を堆積する。ここで非晶質シリコン膜はシランガス1T
orr、525℃で2分間の成膜を行った。
600℃30分の熱処理を行い、図23(b)に示すよ
うに単結晶の粒状体44を形成する。この時ガス清浄器
を通したアルゴンガスを流し続け、非晶質シリコンの表
面が酸化されるのを抑制した。この熱処理により、非晶
質シリコンは結晶化すると同時に凝集し、1つ1つが単
結晶の粒状体層を形成する。このときの電子顕微鏡(S
EM)写真を図24および図25に、断面の透過電子顕
微鏡(TEM)写真を図26に示す。この1つ1つの粒
は写真からも分かるように大きさ、間隔共に揃ってい
る。しかもその大きさは再現性よく同じ大きさに制御さ
れて形成される。
と600℃で1時間熱処理した後の粒の大きさとの関係
を測定した。この結果を図27に示す。この図からもと
もとの非晶質シリコンの膜厚が厚くすると粒の大きさを
大きくすることができることがわかる。
度により凝集したときの粒の形状を制御することも可能
である。
つ1つの粒は小さくなる。これに対してリン硅酸ガラス
(PSG)の場合、粒は大きく偏平になる。
酸化シリコン膜の場合に非晶質シリコン膜の膜厚と60
0℃1時間の熱処理語の粒の直径との関係を測定しその
結果を図28に示す。この結果から下地を種々選択する
ことによっても粒の直径を制御することができることが
わかる。この他、BSG、BPSG、AsSG膜などを
用いても同様に粒の大きさを大きくすることができる。
度によっても同様な制御を行うことができる。
する。
基板51表面にシランガスと酸素の混合ガスを用いてC
VD法により基板温度450℃で、膜厚0.1μmの酸
化シリコン膜52を形成し、さらにシランガスを用いた
CVD法により膜厚0.03μmの非晶質シリコン膜5
3を堆積する。
水素ガスを流しながら1時間保持すると、非晶質シリコ
ンは結晶化し、凝集して図29(b)に示すように単結
晶の粒状体54を形成する。
スと水蒸気の混合ガスで酸化すると表面が約0.05μ
m周期の凹凸を有する酸化シリコン膜55を形成する
(図29(c))。
D法により基板温度630℃で多結晶シリコン膜56を
形成する(図29(d))。
して単位面積を大きくした電極を形成することができ
る。この多結晶シリコン膜を電極として用いる場合には
導電性不純物を後からイオン注入で形成しても良いが、
ジボランなどのガスを同時に流して形成することもでき
る。このようにして全工程を800℃以下で実施するこ
とができるため、他の領域にMOS素子等が形成されて
いる場合にも適用することができる。
よる成膜を基板温度550℃で行い非晶質シリコン膜を
堆積し、再び図29(a)に示した工程から繰り返すこ
とにより凹凸の大きな表面を形成することができる。
用いたり、蒸着法やMBE法など他の方法で非晶質シリ
コン膜を形成するようにしても表面が酸化されず自由な
状態を保つようにして結晶化を進めるようにすれば同様
の効果を得ることができる。次に本発明の第13の参考
例として、MOSキャパシタに本発明を用いる方法につ
いて説明する。
基板61表面に膜厚0.05μmの酸化シリコン膜62
を形成し、レジストパターン63をマスクとしてイオン
64を用いた異方性イオンエッチングにより酸化シリコ
ン膜をエッチングする。
により酸化シリコン膜65を0.25μm堆積する。
ジストパターン66を形成してイオン67によって異方
性エッチングを行う。
進んだところでエッチングを終了する。このようにして
図30(d)に示すように断面コの字状の酸化シリコン
膜を形成する。ここで多少はオーバーエッチングになっ
ても酸化シリコン膜の底が残るようにすればよい。
ころで、まず、図30(e)に示すように表面全体に、
シランガスを用いたCVD法により膜厚0.02μmの
非晶質シリコン膜63を堆積する。
水素ガスを流しながら550℃1時間の熱処理を行う
と、断面コの字状の酸化シリコン膜65表面の非晶質シ
リコンは結晶化し、凝集して図30(f)に示すように
単結晶の粒状体69を形成する。ここでシリコン基板6
1表面では非晶質シリコンは凝集せず単結晶シリコン基
板と同様の結晶方位に固相成長し平坦な膜となる。
スと水蒸気の混合ガスで酸化すると表面が約0.05μ
m周期の凹凸を有する酸化シリコン膜70を形成する
(図30(g))。
D法により基板温度630℃でキャパシタ電極としての
多結晶シリコン膜71、キャパシタ絶縁膜としての酸化
シリコン膜72、キャパシタ電極としての多結晶シリコ
ン膜73を形成しキャパシタを得る(図30(h))。
して単位面積を大きくし実効的な容量の大きいキャパシ
タを形成することができる。
る。
たり、図31に示すようにシリコン基板1表面に開口部
をもつ酸化シリコン膜2を形成しこの上層に非晶質Si
膜3を平均原子間隔が、Si単結晶の平均原子間隔とほ
ぼ一致するように堆積し、これをN<sub>2</sub>雰囲
気で、熱処理しシリコン単結晶を得るようにしている。
成装置の概略を示す図である。この装置は、チャンバー
311にのぞき窓Wが形成され、この窓を介してレーザ
光源315および分光器316が設置され、ラマン散乱
分光法により非晶質膜の密度を、連続的に観察できるよ
うにしたことを特徴とするものである。すなわちチャン
バー311内に膜堆積用の原料ガス導入口312と、排
気口313と、薄膜を形成すべき試料を載置する試料台
314とを具備している。本実施例では、例えば原料ガ
スとして水素H<sub>2</sub>やSiH<sub>4</sub>あ
るいはジシラン等をマスフローコントローラ317を介
して導入するようになっており、また必要に応じてドー
ピングガスも導入可能である。図では簡略化のため、導
入口は1つになっているが、これも必要に応じて試料台
近傍まで別々に導入するようにしても良い。さらにター
ボ分子ポンプ318によってチャンバー内の圧力も調整
可能であり、さらにヒータ319によって基板温度を調
整できるようになっている。
いて説明する。
板81表面に予め酸化シリコン膜82を堆積させ、フォ
トリソグラフィにより開口部を作成した。そして薄膜の
堆積に先立ち基板等の清浄化を行うため、所定の温度及
びガス組成で処理をした。
測定しながらSiH<sub>4</sub>分圧1Torr、堆
積速度7nm/分の条件で膜厚315オングストローム
の非晶質シリコン膜83を堆積する。ここで基板温度は
525℃とした。分光器の出力から480cm<sup>−
1</sup>にピークを持つスペクトルを得ることができ、
このようにして形成した非晶質シリコン膜の平均原子間
隔は480cm<sup>−1</sup>にピークを持つスペク
トルを得ることができ、すなわち密度は単結晶シリコン
のそれとほぼ同一であることがわかる。ここでスペクト
ル位置がシリコン原子の平均原子間隔および密度を反映
していることも実験的に確かめた。すなわち、例えばス
ペクトルが低周波数側に1.01倍シフトしている試料
について、RBS(ラザフォードバックスキャッタリン
グ)法で密度測定を行うと、単結晶の密度に比べこの密
度は1/1.01小さくなっていることがわかり、平均
原子間隔が1.01倍に広がっていることが確認され
た。ここで非晶質膜の平均原子間隔は単結晶のそれの
0.98以上で1.02までであるとよいが、望ましく
は1.01以下さらに望ましくは0.995上で1.0
05まで、すなわち1に近いほどよい。
びガス組成を変化させて行った結果、成膜速度Rが下式
を満たす条件下でおこなった場合に、平均原子間距離が
0.98〜1.02までの膜が得られた。
T(K)+14.857この条件が示す領域を図33に
記す。この条件以外の領域では、平均原子間隔が1.0
2を上回る膜は成膜できなかった。
コン基板を、チャンバーから取り出し、図34に示すよ
うに窒素N<sub>2</sub>雰囲気中で再結晶化のための
熱処理を行う。この温度は例えば600℃であった。こ
の装置は導入口と排気口につながり、排気口は真空ポン
プに接続され、真空引きを行うこともできるようになっ
ている。次に、光学顕微鏡321で「種」から横方向へ
の成長距離の時間依存性を測定した。このとき、炉の昇
温速度は50℃/分、降温速度は99℃/分であった。
熱処理を数分毎に分け、光学顕微鏡で写真撮影を行い、
成長距離の時間依存性および成長速度の変化などを求め
た。図35にその結果を示す。この結果成長速度は一定
であり成長距離は時間と共に直線的に伸びていることが
わかる。
ンとの界面いわゆる成長端の形状の観察および膜内の結
晶欠陥の観察を透過電子顕微鏡を用いて行った。この結
果、前述したように優先成長面の変化による双晶など結
晶欠陥の発生と成長速度の減少を突き止めた。
るために、成長初期用として、600℃5分の熱処理の
もの、長時間用として2時間のものを用意し、これらの
試料の断面を、加速電圧400KV、分解能1オングス
トロームの透過電子顕微鏡(TEM)で観察した。図3
6および図37にこの写真を示す。図36は5分後のT
EM像、図37(a)は2時間後の電子線回折像、図3
7(b)は2時間後のTEM像である。特に熱処理2時
間を行った後の試料では、「種」から12μmまで結晶
化が進んでおり、成長端も良好に(100)面を維持し
ており、電子線回折像でシリコン基板と同じ結晶方位の
双晶などの欠陥を含まない良質の単結晶であることが確
認された。
0.98〜1.02の非晶質膜についても行ったが、い
ずれも高品質の単結晶を得ることができた。
残留応力を実際に顕微ラマン法によって測定し効果を確
認した。ここで分光器は本発明者らが鋭意開発したもの
で、図38に示すように、Arレーザ416からのレー
ザ光を顕微鏡を介して試料表面の直径1μmの領域に集
光し、180度散乱された光を分光器417に導入して
分光測定を行った。受光部としてはマルチチャンネルC
CDを用い、スペクトルを一度に受光してメモリに積算
するように構成され、高感度を得ることができるように
したものである。測定条件としては、レーザ波長51
4.5nm、試料照射エネルギー3mW、照射スポット
直径1μmとした。
>のスペクトルピークを用い次式により算出した。
ub>O</sub>−ω<sub>r</sub>)(dyn/cm<sup>2<
/sup>)ここでσは応力、ω<sub>O</sub>(cm<sup>
−1</sup>)は試料のスペクトルピークの波数,ω<sub
>r</sub>(cm<sup>−1</sup>)は(100)シリコ
ン(a)基板の室温におけるスペクトルピークの波数を
示す。この係数を算出するのに用いた弾性歪み定数など
は単結晶シリコンの値を用いた。図39にこの分光器で
測定したラマンスペクトルを示す。このスペクトルのシ
フトから前記式を用いて応力を求めた。ピークが低応力
側にシフトしていれば応力が引っ張りであることもわか
る。ここではシフト量のみ用いた。レーザビームは直径
1μmφまで絞られており、その範囲での平均応力を得
ることができた。図40はこれによって得られた応力分
布を示す図である。「種」から離れていても残留応力は
ほとんど見られず、本発明者のねらいどおりであること
が確認できた。従って従来の膜で生じていた引っ張り応
力は膜が縮むために生じていたことも再確認された。
質膜を用いることにより、結晶化に伴う応力が生じず、
従って(110)シリコン面から(111)シリコン面
への優先成長面の変化を抑制することができ、成長速度
を落とすこと無く遠くまで伸ばすことができ、結晶性も
よいものとなっている。
の表面をできるだけ清浄にしておくこと、とりわけ自然
酸化膜の除去が重要であるが、「種」部の表面の自然酸
化膜の除去は、反応性ガスによる還元反応を用いた。例
えば、850℃、SiH<sub>4</sub>分圧7×10<su
p>−4</sup>Torrで30分処理することにより自然
酸化膜は完全に除去することができた。また自然酸化膜
除去後連続して非晶質膜を堆積することが重要である。
なお、本実施例では、再結晶化工程に於いて、その雰
囲気をN<sub>2</sub>としたが、これを水素雰囲気や
アルゴン雰囲気としても良い。また、本実施例では固相
成長温度を堆積温度よりも高温としたが逆に固相成長温
度を低温として長時間熱処理してもよく、また光で固相
成長を促進させてもよい。また熱処理以外にEBなどを
用いても良い。
る。
単結晶の密度に一致させるために、成膜後の非晶質シリ
コン膜の密度を顕微ラマン法により測定し、この値に応
じて算出された量のシリコンイオンをイオン注入するよ
うにしたことを特徴とするものものである。
2μmの非晶質シリコン膜を堆積し、密度を顕微ラマン
法により測定した。その結果0.97であることがわか
り、この値から最適イオン注入量を算出し、3.75×
10<sup>20</sup>atom/cm<sup>3</sup>を注
入した。このとき加速電圧80keV、ドーズ量8.3
×10<sup>14</sup>atom/cm2としたとき、
密度を1.00にすることができた。
℃2時間の熱処理を行い、単結晶シリコン膜3を形成し
た。
は結晶欠陥は見られず図42に示すように残留応力は小
さくまた、図43に示すように良好な単結晶シリコン膜
となっている。
を用いた例について説明したが、次に本発明の第14の
参考例として「種」を用いることなく熱処理をおこなっ
た場合の実施例について説明する。
コン基板1表面に酸化シリコン膜2を形成した後、基板
温度を515℃に保ちながらSiH<sub>4</sub>分圧
2Torrで、膜厚20nmの非晶質シリコン膜3を堆
積する。この非晶質シリコン膜の平均原子間隔は単結晶
の1.03倍であった。
0keVで5×10<sup>15</sup>atom/cm<su
p>2</sup>のシリコンイオンをイオン注入した。この結
果非晶質シリコン膜の平均原子間隔は単結晶の平均原子
間隔とほぼ同程度となった。
00倍に希釈したHF水溶液に1分間浸漬し、表面の自
然酸化膜を除去し、基板の表面を清浄にする。この後5
分以内にこの基板を図32に示した熱処理装置に移す。
>−7</sup>Torr以下の高真空にした後、基板温度
を550℃まで昇温し、2時間保持した。
めたのち、真空を破り、シリコン基板を搬出した。
顕微鏡(SEM)で観察した結果を図45(a)および
(b)に写真および模式図に示す。この図からあきらか
なように絶縁膜上に大きさが揃いかつ均一な粒状の単結
晶シリコン4が形成されている。1つ1つのシリコン粒
の構造を透過形電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した
結果を図46に示す。この結果シリコン粒には格子像が
鮮明にみられ、それぞれの粒が単結晶化していることが
わかった。そしてこの結果単結晶中に結晶欠陥の全く無
い完全な単結晶が得られている。またこれら結晶粒の配
向性を電子線回折で調べた結果を図47に示す。どの粒
も垂直方向に<100>軸がある結晶方位を示すことが
わかった。この配向性は全く新しい現象であるため、原
因は未だ明らかでないが、どの粒もすべて良好な配向性
を示している。
ことなく同様の熱処理を行った場合のTEM写真を図4
8に示す。この場合も絶縁膜上に大きさが揃いかつ均一
な粒状の単結晶シリコンが形成されているが、粒の格子
像をよくみると、双晶等の結晶欠陥が認められる。ま
た、それぞれの粒の配向性を電子線回折を用いて調べた
ところ、特に配向性は認められなかった。このような粒
化単結晶の固相成長機構および欠陥発生機構はいまだ明
らかではないが発明者らはTEM像の観察から以下のよ
うな機構を推察した。すなわち、結晶粒の「結晶核」
は、結晶粒がほぼ球形の形状をしていること、および粒
の中心の高さが非晶質膜の膜厚と一致することから、非
晶質膜の表面で発生していると推察した。この核から単
結晶化が進行する。結晶化の成長端の形状は絶縁膜側に
鋭角の面で構成されている。成長端が下方(絶縁膜側
に)ある程度進むと、非晶質膜と単結晶化膜の密度の違
いから成長端に大きな応力が発生する。この応力を緩和
させるために、成長端の面のずれが起こり、結晶欠陥が
発生する。これは前述したシミュレーション結果と一致
する。また、注入量を種々変化させた場合、5×10<s
up>15</sup>atom/cm<sup>2</sup>を大きく外
れるものについても同様であった。また、注入量を種々
変化させ、非晶質膜の平均原子間隔を変化させたものを
用いた場合の単結晶の結晶性との相関関係についてにつ
いて測定した結果を図49に示す。この結果、平均原子
間隔が単結晶の0.98倍以上1.02倍までの場合結
晶性が良好であることがわかった。
する。この例では絶縁膜に凹凸を形成しこの上に非晶質
シリコン膜を形成し、これを熱処理することにより結晶
化するようにしている。
シリコン基板1を用意しこの表面に膜厚300nmの酸
化シリコン膜2を堆積する。
シリコン膜2の表面にレジストパターンを塗布し露光現
像を行い形成したレジストパターンをマスクにして酸化
シリコン膜を100nm程度エッチングし微細な凹凸を
形成する。そしてレジストパターンを剥離し、基板温度
を515℃に保ちながらSiH<sub>4</sub>分圧0.
5Torrで、膜厚20nmの非晶質シリコン膜3を堆
積する。この非晶質シリコン膜の平均原子間隔は単結晶
の1.01倍であった。
>−7</sup>Torr以下の高真空にした後、基板温度
を600℃まで昇温し、1時間保持した。
めたのち、真空を破り、シリコン基板を搬出した。
結晶方位の完全に揃ったシリコン単結晶粒が形成される
ことがわかった。なお成膜に用いた装置にターボポンプ
を付けるなどの工夫をすれば成膜後連続して600℃に
温度を上げるだけで同様の結果を得ることができた。
る。すなわち図50(d)に拡大図を示すように下地に
凹凸がある場合凹部に堆積した非晶質シリコン膜は側面
と底面に絶縁膜を有するため水平方向と垂直方向との2
方向に<100>軸がくるように配向する。2軸で結晶
方位が抑えられるため、いずれの結晶粒も配向性を示す
ことになる。
コン膜を単結晶化して粒を形成する場合垂直方向に<1
00>軸があるように単結晶化する。しかしながら1軸
のみが配向しているため、水平面内の結晶方位は図51
に示すように回転して定まらずそれぞれの粒で異なって
いる。
を形成し、その上に非晶質シリコン膜を50nm堆積し
た例を図52に示す。ここでは非晶質シリコン膜の密度
をラマン散乱法で測定しつつ単結晶の密度にほぼ等しく
なるように成膜条件を制御して成膜し、熱処理を行っ
た。この結果、非晶質シリコン膜が厚く形成されている
ため、単結晶膜は粒に分離せず欠陥の全く無い単結晶膜
を得ることができた。
シリコン膜を200nm程度堆積し、熱処理を行うと、
シリコン基板上に直接堆積して熱処理を行うことにより
得られる単結晶化膜と同程度の結晶性を有する単結晶化
膜を得ることができた。
る。ここでは下地材質に微細な変化をつけて配向性を制
御したことを特徴とする。すなわち、シリコン基板表面
に形成された窒化シリコン膜2aに微細な線状の酸化シ
リコン膜2bを形成したものを用い、これに非晶質シリ
コン膜を形成し、熱処理を行うことにより単結晶シリコ
ン膜を形成する。
0)シリコン基板表面に窒化シリコン膜2aを形成しレ
ジストパターンをマスクとして50nm程度の線状の凹
部を形成し、ここに酸化シリコン膜2bを堆積してエッ
チバックを行い、凹部に酸化シリコン膜2bを埋め込む
ようにする。そしてこの上層に膜厚10nmの非晶質シ
リコン膜を堆積する。この非晶質シリコン膜の平均原子
間隔は単結晶と同程度とした。ここでは同程度とするの
が望ましいが0.98以上1.02さらに望ましくは
0.995以上1.005までであればほぼ同様の効果
を得ることができる。
ないように留意しつつ真空装置に搬入し、530℃2時
間の熱処理を行い、図53(b)に示すように配向性の
良好なシリコン単結晶結晶粒が生成される。
発生する際に、材質による界面でのポテンシャルの違い
が何等かの影響で結晶核の面内回転を抑えるためと推察
される。
シリコン膜を堆積し、熱処理を行うと、シリコン基板上
に直接堆積して熱処理を行うことによりえらえる単結晶
化膜と同程度の結晶性を有する単結晶化膜を得ることが
でき、絶縁膜の「種」なしで完全な単結晶膜を形成する
ことができた。
コンより大きいもので非晶質膜を覆い、熱応力により若
干非晶質膜を収縮させるようにすると平均原子間隔1.
02以上の膜でも結晶性の改善を得ることができた。
となくゲルマニウムなどの半導体、金属、シリサイドな
ど非晶質膜と結晶の密度が異なる場合にこれを揃えるこ
とで結晶性の大幅な改善をはかることができる。
する。
はかるために、表面にシリコン粒を形成し、電極表面に
凹凸を形成する方法について説明する。
シリコン基板81表面に、素子分離絶縁膜82を形成し
て素子領域を形成した後、燐イオンを注入しコンタクト
としてのn<sup>+</sup>拡散層83を形成し、CVD
法により500nmの酸化シリコン膜84を形成しリソ
グラフィとドライエッチングにより開口を形成する。そ
してLPCVD法により膜厚100nmの多結晶シリコ
ン膜85を形成し、POCl<sub>3</sub>を雰囲気中
で950℃の熱処理を行うことにより燐を拡散し、さら
に燐拡散中に多結晶シリコン膜表面に形成された自然酸
化膜をフッ化アンモニウムを用いて除去し、リソグラフ
ィおよびエッチングにより100×200μmの燐添加
多結晶シリコン膜からなる下部電極85を形成する。こ
のとき電極表面には膜厚1nm程度の薄い自然酸化膜8
6が形成されている。
iH<sub>4</sub>ガスを用い、CVD法により基板温
度525℃圧力1Torrで、膜厚10nm程度の非晶
質シリコン膜87を堆積する。
し、非酸化性のArガスを導入して昇温し、600℃1
時間の熱処理を行った。これにより図56に示すように
非晶質シリコン膜87が単結晶シリコン粒88に変化
し、表面に良好な凹凸が形成される。
う。これにより自然酸化膜86が消失し、多結晶シリコ
ン膜と単結晶シリコン粒88とが電気的に接続される。
で除去した後、膜厚5.5nmの窒化シリコン膜89を
SiH<sub>2</sub>Cl<sub>2</sub>とNH<sub>3<
/sub>とを用いたLPCVD法により堆積し(図5
7)、さらに800℃の酸素雰囲気中で酸化して酸化シ
リコン膜90を形成しいわゆるNO膜を形成する(図5
8)。
基板温度630℃で燐添加の多結晶シリコン膜を堆積し
(図59)、これをパターニングして上部電極91(図
60)を形成することによりキャパシタが完成する。
して単位面積を大きくした電極を形成することができ
る。このようにして全工程を800℃以下で実施するこ
とができるため、他の領域にMOS素子等が形成されて
いる場合にも適用することができる。
μmあたり200個程度であり、幾何学的表面積を計算
すると、シリコン粒が無い場合に比較しておよそ50%
程度増大することがあきらかとなった。
の単結晶となった基板を大気中に取り出し、SEMで表
面を観察したところ、図61に示すように非晶質シリコ
ン膜87が単結晶シリコン粒88に変化しており、断面
TEMでさらに詳しく観察した結果図62に示すように
粒径60nm程度の完全に分離したシリコンの単結晶シ
リコン粒88が間隔20nm程度で形成されていること
が確認された。
ージンが広く再現性よくシリコン粒を形成することがで
きる。また、非晶質シリコンの堆積膜厚、下地材質、熱
処理温度を変えることで、粒径、粒間隔、粒分布密度を
制御することが可能である。なお、この例では、熱処理
に先立ち、非晶質シリコンは単結晶の平均原子間隔と同
じになるようにする。あるいは単結晶の平均原子間隔の
1.02倍以上となるようにしてもよい。
理温度を600℃とし非晶質シリコンの膜厚を5、1
0、20nmと変化させた場合に形成される粒のSEM
写真を図63に示す。また図64にSEM写真から求め
た膜厚に対する粒径と粒分布密度との関係を示す。この
結果から膜厚を制御することで粒径、分布密度を選択す
ることができ、堆積膜厚が10nmのオーダーと非常に
薄くすみ、電極形状に依存することなく粒を形成するこ
とができるため、スタック構造、トレンチ構造などの立
体的電極構造との組み合わせが容易である。
単結晶粒を形成し、これを図65(a)および(b)に
拡大説明図を示すように熱処理により自然酸化膜86を
破壊し島状にし、さらに下地の多結晶シリコン膜85か
ら燐を単結晶粒中に拡散せしめ、十分な電気的接続を得
ることができることを発見しこれを利用している。
測定し、シリコン粒の形成されていない従来例のキャパ
シタの容量とキャパシタ数とを示すヒストグラムを図6
6に示す。この結果から従来のキャパシタに比べ本発明
のキャパシタによれば容量が1.56倍に再現性よく増
大していることがわかる。
理によって行うようにしたが、これに代えてイオン注入
を用いても自然酸化膜の破壊とシリコン粒への不純物の
導入による導電性の付与を行うことができる。
窒化シリコン膜、PSG、BPSGなどを用い、同様に
して表面に粒を形成し、熱処理あるいはイオン注入など
によって粒と電極の導通を得ることができる。粒の材質
に関しても、シリコンのみならず、ゲルマニウムなどの
半導体、アルミニウム、金、等の金属の非晶質薄膜を非
酸化性雰囲気中で熱処理した場合にも同様にして導電性
微細粒を形成することが可能である。
する。
晶質シリコン膜を形成し熱処理によりシリコン粒を形成
したが、絶縁膜に限らず、カーボンなどの導電性膜上で
もシリコン粒は形成可能であることを利用している。こ
の例ではトレンチを含む表面に非晶質カーボン膜を形成
しこの上層に非晶質シリコン膜を形成し熱処理によりシ
リコン粒を形成することによりトレンチ型キャパシタの
下部電極に凹凸を形成する方法について説明する。この
場合、シリコン粒形成後、絶縁膜を除去する必要がない
という大きな利点がある。
シリコン基板表面に酸化シリコン膜403を堆積しリソ
グラフィとRIEにより開口したのち、これをマスクと
してRIEによりトレンチTを形成する。
料ガスとしてCVD法により非晶質カーボン膜405を
形成し、排気後同一チャンバー内で続いて図69に示す
ように、SiH<sub>4</sub>ガスとPH<sub>4</sub>
ガスの混合ガスを導入し、CVD法により基板温度52
5℃圧力1Torrで、膜厚10nm程度の燐添加の非
晶質シリコン膜407を堆積する。
PH<sub>4</sub>ガスの混合ガスを排気し、非酸化性
のArガスを導入して昇温し、600℃1時間の熱処理
を行った。これにより図70に示すように燐添加非晶質
シリコン膜407が単結晶シリコン粒408に変化し、
トレンチ内壁を含む表面全体に良好な凹凸が形成され
る。この粒径や粒間隔は前記第9の実施例とは異なる
が、ここでも良好なシリコン粒が形成されている。そし
て、図71に示すように膜厚10nmの酸化シリコン膜
409を形成しキャパシタ絶縁膜とする。
基板温度630℃で燐添加の多結晶シリコン膜を堆積
し、これをパターニングして上部電極411(図72)
を形成することによりキャパシタが完成する。
して単位面積を大きくした電極を形成することができ、
実効的なキャパシタ容量を大幅に増大することができ
る。ここでは第10の実施例の効果に加え、シリコン粒
を直接電極に接して形成できるため、絶縁膜の除去工程
が不要になり工程が簡略化される。
で構成したが、多結晶シリコン膜などで形成した後表面
をカーボン膜で被覆し、シリコン粒を形成するようにし
てもよい。またシリコン粒の下地となる膜はカーボン膜
に限定されること無くW、Ta、Ni、Tiなどの金
属、NiSi、TiSiなどの金属硅素化合物、あるい
はTiNなどを電極もしくは電極被覆剤として用いるよ
うにしても、カーボン上同様表面に導電性微細粒を形成
することができる。
する。
後連続して非酸化性雰囲気中で熱処理を行うようにした
が、この例では非晶質膜の表面に酸化膜が形成されてし
まった場合、フッ酸などを用いて自然酸化膜を除去し熱
処理を行うようにすればシリコン粒が形成される。以下
この例について説明する。
℃15分の熱酸化によりn型(100)シリコン基板5
01表面に膜厚500nmの酸化シリコン膜502を形
成し、この上層に、SiH<sub>4</sub>ガスを用い、
CVD法により基板温度525℃圧力1Torrで、膜
厚10nm程度の非晶質シリコン膜503を堆積し、大
気中に取り出す。このとき表面に自然酸化膜502sが
形成されている。この状態で前記第9および第10の実
施例と同様に600℃1時間の熱処理を行っても多結晶
シリコン薄膜となり微細シリコン粒は形成されない。
膜502sを除去し図73(b)に示すように非晶質シ
リコン膜503表面を露出せしめた後、表面が再び酸化
されないように維持しつつ25℃以下に維持して基板を
真空容器に搬入する。
>Torrまで排気したのち昇温し、600℃1時間の
熱処理を行う。これにより図73(c)に示すように単
結晶シリコン粒504が形成される。この後この基板を
大気中に取り出し、SEMで観察したところ図74に示
すようにシリコン粒が確認された。
化膜が形成されても、酸化膜を除去してから再酸化を防
ぎ高真空中あるいは非酸化性雰囲気中で熱処理を行うよ
うにすれば、連続的に熱処理を行うことができない場合
にも、シリコン粒を得ることができる。これは実際のキ
ャパシタ形成工程で極めて有効な方法である。
ャパシタへの適用について説明したが、キャパシタに限
定されること無く、表面積の増大が必要な場合など、低
温下で容易に凹凸を形成可能であるためデバイス形成に
極めて有効な方法である。
明する。
すように、シリコン基板601表面を覆う酸化シリコン
膜602に形成された窓Wを種として固相成長せしめら
れた単結晶シリコン薄膜603内にソース・ドレイン領
域S、Dを形成するとともに、これらの間にゲート絶縁
膜604を介してゲート電極605を形成したものであ
る。
段に優れた単結晶薄膜をMOS素子のチャネル領域に用
いることであり、これによって従来得られなかった、高
速動作素子を作成することができる。高速動作が可能と
なる要因は、結晶性が大幅に改善されたことであるが、
さらに、チャネル領域が数十nmの極薄膜である事も大
きく効いている。このような超薄膜を従来の方法で得よ
うとする場合、厚い非晶質シリコン層を形成して固相成
長を行い再結晶化したのち、所望の厚さまでエッチバッ
クするのが通常の方法であり、エッチングによって高精
度の膜厚を得るのは極めて困難であったが、この方法で
は非晶質シリコン膜の形成に際し膜厚を制御すれば良い
ため、制御性よく容易に高精度の制御が可能である。ま
た、ここではその詳細な原理にふれないが垂直電界の緩
和によると考えられている。さらに、この素子構造で
は、基板とチャネル領域とが極めて良好な界面状態で電
気的に接触しているため、ドレイン近傍で発生するイン
パクトイオン化による電流を基板へ流すことで素子動作
の安定化を達成することができる。
ランガスと酸素を材料としてCVD法を用いて500n
mの酸化シリコン膜602を形成する。次にレジストを
マスクに用い、酸化シリコン膜の一部をエッチングして
窓Wを形成し、シリコン基板601を露出させる。なお
エッチングには、反応性イオンエッチングあるいはフッ
酸などによるウェットエッチングなどいずれの方法を用
いても良いが、ここでは、反応性イオンエッチングを用
いた。
化膜除去のため、高真空のCVD炉内にシランガスを導
入し600℃、1×10<sup>−6</sup>Torr、2
時間処理した後、連続して炉内の条件を525℃、1T
orrに変更、非晶質シリコン膜を20nm堆積した。
さらに、シランガスの導入を停止した後、連続して、6
00℃、30分の熱処理を行った。ここまでの工程で
「種」部に20nmの単結晶シリコンの埋め込みがなさ
れる。このようにし連続して、525℃の非晶質シリコ
ン膜の成膜、600℃での結晶化を繰り返し、図75
(a)に示すように「種」部の埋め込みを完了した。
「種」部以外のシリコン膜はエッチングにより除去し
た。
ン膜は、ラマン分光法で測定すると、原子間隔の平均距
離がシリコン単結晶の原子間隔のほぼ1.02倍であ
り、高真空炉内で連続して結晶化を進めているときも結
晶化する直前までこの値を維持していた。このようにシ
リコン原子の結合がゆるんだ状態で結晶化を進めると極
めて結晶性の良好な単結晶が得られ、透過電子顕微鏡で
調べても欠陥はみられなかった。
の選択エピタキシャル法「種」部のシリコン結晶の埋め
込みには、ジクロルシランガスを材料として850℃、
1Torrの成膜条件で、選択エピタキシャル成長を用
いても良いが、我々は、ここでも本発明を用いてシリコ
ン単結晶の埋め込みを行った。この方法では、選択エピ
タキシャル成長のような高温工程を必要とせず、すでに
他の領域に素子を形成しておいても何等問題を生じな
い。
成を行った。まず、高真空のCVD炉内に図75(a)
の構造の試料を設置し、シランガスを導入しながら60
0℃、1×10<sup>−6</sup>Torr、2時間処理
した。つぎに、連続して炉内の条件を525℃、1To
rrに変更、非晶質シリコン膜を50nm堆積した。さ
らに、シランガスの導入を停止した後、連続して、60
0℃、30分熱処理を行った。
コン膜は、原子間隔の平均距離がシリコン単結晶の原子
間隔のほぼ1.02倍であり、高真空炉内で連続して結
晶化を進めているときもこの値を維持した。結晶化後の
膜を透過電子顕微鏡で調べても欠陥はみられなかった。
を形成した後、ケミカルドライエッチング(CDE)を
用いて素子分離を行った。そしてこの素子領域に図75
(b)に示すようにソースおよびドレインとなる領域を
イオン注入により形成し、さらに、ゲート酸化膜604
の形成およびゲート電極605の形成を行った。
はほぼ室温の工程であり、ゲート酸化膜など酸化膜はシ
ランガスと酸素を用いたCVD法によって450℃で形
成した。ゲートはジシランおよびジボランなどを材料と
したCVD法により350℃で形成した。
スタの素子特性を図76に曲線aで示す。ここで曲線b
は比較のために、基板とは接していない200nmのシ
リコン膜を用いた従来例の典型的なMOSトランジスタ
の素子特性を示した図である。両者を比較してみるとあ
きらかにドレイン電圧の増加に対するドレイン電流の増
加の程度が、本発明の構造の方で大きくなっていること
がわかる。この増加の程度は素子の移動度に相当してい
る。この素子の移動度を実測したところ例えばNMOS
では700cm<sup>2</sup>V/secであった。こ
れは、従来のバルク素子を上回る性能である。また、図
中従来例のMOSトランジスタの方では「キンク」と呼
ばれる素子特性の不規則な変化がみられているが、これ
はインパクトイオン化により生じた空孔がシリコン薄膜
中に止まるために起きる現象と考えられる。素子をLS
I回路として利用する際、このような特性の不規則な変
化は設計上極めて不都合であるが、本発明の方法により
作成した構造の素子ではこのような特性の不規則性はま
ったくみられなかった。
めにシリコンを一旦溶融する方法や、850℃程度の温
度でエピタキシャル成長させる方法などが提案されてい
るが、いずれも高温が必要であった。また低温で結晶成
長を行う固相成長法も存在はあったが結晶性が悪く素子
には使えないという問題があった。このような状況の中
で本発明によれば、上記した方法を用いた固相成長法に
より、シリコン薄膜の結晶性を大幅に改善した。
あり、例えば素子を積層化するなどすでに他の領域に素
子を形成してある場合でも、すでに形成した素子に熱拡
散など熱的影響を与えずに次々と新しく素子を追加形成
していくことができる。しかも、それぞれの素子特性は
シリコン基板に形成したもの以上に優れている。図77
に、本発明の方法を用いて絶縁膜上にMOS素子を形成
する前後でシリコン基板上にすでに形成しておいたMO
S素子の特性を測定した結果を表で示す。ここではMO
S素子の特性の代表的な例としてしきい値と移動度を示
した。まずシリコン基板にnチャネル,pチャネルのM
OS素子を1000個作成し、その特性を測定した。次
に本発明の工程をすべて行うことにより、絶縁膜上にM
OS素子を作成してから、すでにシリコン基板上に作成
しておいたMOS素子の特性を再び測定した。表に示す
ようにnチャネル、pチャネルともに閾値、移動度の変
化はみられなかった。この表からも、本発明は、素子の
集積化、微細化に極めて有効な方法であることがわか
る。
素子の形成に本発明を用いた例を以下に示す。
示すように「種」結晶を用いた固相成長法により絶縁膜
上に単結晶シリコン薄膜を形成する際、「種」部から数
十μmの遠方まで単結晶を成長させ、SOI素子を任意
の位置に作製可能にした点にある。従来技術では、
「種」からたかだか2〜3μmまでしか単結晶化でき
ず、これは単体のSOI素子の大きさとほぼ同じ広さし
かなく、素子のレイアウト上の自由度がほとんどなかっ
た。
積化に不利である点である。例えば1μmのパターンを
形成できる技術でSOI素子を作製しようとすると、ま
ず酸化膜に穴をあける「種」の形成に1μm<sup>2</s
up>の領域が必要になる。ソース、ドレインおよびゲー
トにそれぞれ1μm<sup>2</sup>の領域が必要である
から3μmしか単結晶が延びないと1つの「種」に1つ
のSOI素子しか作製できない。この時「種」の占める
面積は、素子の占める面積の1/3にも達し集積化には
極めて不利である。極論すればシリコン基板の1/4が
「種」として使われて無駄になってしまう。さらに、
0.5μmでパターンを形成できる技術を用いても、1
/7の面積が「種」として使われて無駄になってしま
う。また、従来技術では、「種」から単結晶成長してい
る領域でも双晶などの欠陥が多数見られた。
ンと異なると、非晶質が結晶化する際に膜中に応力が生
じ、これが結晶成長を阻害していることを発見し、非晶
質の密度を単結晶シリコンに近づけることで、従来不可
能であった数十μmの薄膜単結晶成長を可能にした。し
かも、応力が低減されたため、結晶欠陥の発生も抑制さ
れ、上記数十μmの単結晶領域全体にわたって双晶など
の欠陥も見られなくなった。
板に酸化シリコン膜602を500nm形成した。酸化
シリコン膜602は熱酸化法で形成しても良いが、ここ
ではシランガス0.2Torr、酸素ガス0.8Tor
r、堆積温度450℃の条件でCVD法を用いて形成し
た。次にレジストをマスクに、反応性イオンエッチング
を用いてこの酸化シリコン膜602に開口部を設けた。
このように酸化シリコン膜602に開口部を設け一部シ
リコン基板601を露出させた試料を、5%フッ酸溶液
で5分間処理してからバックグランド1×10<sup>−
6</sup>Torr以下の高真空まで排気可能なCVD炉
に導入した。この炉を480℃まで昇温した後、ジシラ
ンガスを200SCCM、0.04Torr導入し非晶
質膜を0.2μm厚に堆積した。この非晶質膜の密度を
RBS測定(ラザフォード後方散乱測定)により求めた
ところ、ほぼ単結晶シリコンと等しい値であった。ここ
で、例えばジシランガスの圧力を0.1Torrまで上
げて非晶質の堆積を行うと、その密度は単結晶の0.9
9倍であった。この場合、シリコンイオンを加速電圧8
0keV、3×10<sup>14</sup>atom/cm<su
p>2</sup>イオン注入すると、ほぼシリコン単結晶の密
度と等しくすることができた。我々は、非晶質シリコン
膜を堆積するときに、堆積速度を適正化するとともに、
特に基板の温度を下げることにより、容易に単結晶に近
い密度の非晶質膜を成膜できることも見いだした。
℃、20時間の熱処理を行うと、図78(a)に示すよ
うな構造の単結晶薄膜を形成することができた。この単
結晶薄膜の結晶性を高分解能透過電子顕微鏡を用いた断
面TEM観察で調べたところ、双晶等の結晶欠陥の無い
良好な結晶性の単結晶が数十μmの領域にわたって形成
できていることが確認できた。
子の作製を行った。まず、単結晶薄膜を、ハロゲン系ガ
スを用いたCDE法により島状に素子分離した。つぎに
ゲート酸化膜40nmおよびゲート電極400nmをC
VD法で堆積した。これを反応性イオンエッチングでゲ
ート形状にパターニングした。さらに、ソースおよびド
レインとする領域に、PMOSの場合には硼素を、NM
OSの場合にはリンをイオン注入し950℃、30分の
活性化熱処理を行った。
すように「種」から<010>方向に5μm間隔で12
個配置した。この「種」から距離の異なる位置に作製し
た素子の特性を測定したところ、PMOSでは150c
m<sup>2</sup>V/sec、NMOSでは600cm<
sup>2</sup>V/secというほぼシリコン基板上に作
製した素子と同程度の移動度が得られた。従来技術で
は、このような高移動度の素子は形成できず、また、
「種」から2〜3μm離れた位置の素子では、正常なM
OS動作が得られないものもあった。
コン薄膜(曲線a)と従来のシリコン薄膜(曲線b)の
結晶欠陥の数をエッチピットで評価した結果を示す図で
ある。エッチピットはフッ硝酸系混合溶液でシリコン膜
表面を処理した後電子顕微鏡で観察すると、ピット状の
窪みとして観察される。このピットは結晶欠陥がフッ硝
酸系混合溶液で選択的に速くエッチングされることによ
り現れるものであり、欠陥の数と一致する。従来膜では
欠陥の数が非常に多く、特に「種」を離れるとわずか数
μmで10<sup>10</sup>個/cm<sup>2</sup>にも
達する。本発明の方法によれば、「種」から35μm離
れた位置においても、100個/cm<sup>2</sup>以
下に押さえることができた。
よびpチャネルのMOS素子を「種」からの距離を代え
て100000個作成し、その特性を測定した。図80
にこの特性の代表的値として、しきい値および移動度と
その標準偏差を示した。この図に示すように、pチャネ
ルnチャネルともに、移動度はシリコン基板に作成した
MOSと同程度の値であり、しかも「種」から離れても
ほとんど低下しない。また、しきい値のばらつきもほと
んど増加せず、本発明を用いることにより「種」から離
れた位置でも、従来よりも格段の素子特性の向上をはか
ることができた。次に本発明の第20の参考例について
説明する。
程図を示すように、基板表面に形成されたp型シリコン
領域と、その上層に本発明の方法で形成したn型の粒状
単結晶シリコンとでpn接合を形成し、特性のばらつき
の小さいダイオードを得るようにしたものである。
ン基板701としてN−typeのSi(100)を用
意する。このシリコン基板701の不純物濃度は特に限
定しないが、本発明者らは10<sup>15</sup>/cm<
sup>3</sup>程度を選んだ。このシリコン基板701
に、1100℃で選択熱酸化を施し膜厚350nm程度
の素子分離領域702を形成する。
化雰囲気で膜厚35nmの薄い酸化シリコン膜703を
形成した。
イオン注入法により、例えばボロン不純物を、注入し埋
め込みp<sup>+</sup>電極領域704を形成した。こ
の時、別の方法として、例えば、埋め込みエピタキシャ
ル法を用いても良い。ただし、エピタキシャル法の場合
は、若干手順を変える必要がある。この領域704は後
続工程で形成されるダイオードの電極の一部の引き出し
拡散層になる。
トリソグラフィを用いて、図81(d)に示すように開
口部705を形成する。しかる後に、再びフォトリソグ
ラフィ法を用いて、マスクを形成しイオン注入を行い、
図81(e)に示すようにこの開口部705の一方の部
分に、引き出し用の高濃度p<sup>+</sup>不純物層7
06を形成した。他方開口部のうちもう一方の部分に
は、図81(f)に示すようにダイオードのもう一方の
電極部分になるp<sup>−</sup>領域707を形成し
た。
構成要素の根幹の一部である極薄酸化膜708を形成す
る。この極薄酸化膜としては、例えば自然酸化膜を用い
るようにしても良い。
発明の根幹の一部である非晶質シリコン膜709を堆積
させた。ここでは、堆積温度は、例えば525℃で、堆
積ガスは例えばSiH<sub>4</sub>であった。もっと
も重要な用件である非晶質膜厚は、例えば、19.8n
mであった。この時、本発明者等は、ドーピングガスと
して、PH<sub>3</sub>を用い、堆積膜には高濃度n<
sup>+</sup>不純物を含ませた。この非晶質シリコン膜
709をパターニングし、ここでは図81(i)に示す
ように、ダイオード部分になるところを残して置く。し
かる後に、この膜709の上に酸化膜等が被着している
ことが考えられるので、これを十分取り除き、再結晶化
炉に挿入した。例えばその温度は600℃であった。
理すると、非晶質シリコン膜709の部分は再結晶化し
て、単結晶シリコン710となる。これは本発明の特徴
である。しかも、その方位は基板と同一であり、このと
き別にアニールを行ってもよいが、再結晶化のための熱
処理により図81(k)に示すように、酸化膜の一部が
収縮して破れ、上下の結晶性が連続になる。これが本発
明になる単結晶ダイオードの骨子になるわけである。そ
して電極711、712をそれぞれ形成しダイオードが
完成する。
地の極薄膜酸化膜が一部剥離し、上下に結晶的に結合し
たか、さらに、このような低温で、上下の結晶がなぜ方
位まで揃って、良好な結晶が得られたのかを、本発明者
らは鋭意追求したので、ここで簡単に説明する。
動力学シミュレーションシステムを開発した。これを用
いて上記プロセス現象の真髄に迫った。分子動力学シミ
ュレータ中の各原子間のポテンシャル表現部分と界面作
成部分を改良し、Si/SiO<sub>2</sub>界面を含
むSi原子とO原子の運動計算ができる様にした。計算
作業の一部を記す。Si/SiO<sub>2</sub>界面作
成の初期条件としては、以下の通りである。即ち2つの
約束事を設け、(i)初期条件としてはdanglin
g bondを一切残さないこと,(ii)初期結合長
d及び初期結合角θはそれぞれdSi−Si=2.35
オングストローム、dSi−O=1.60オングストロ
ーム、θSi=109.47°、θO=144.0°と
することである。しかる後、SiとO原子それぞれにマ
ックスウエリアンに従った速度を乱数的に割り当てる。
その後、界面を含む系全体で、エネルギを最小にする様
に全粒子を運動方程式に則り移動させた。従って、充分
計算が進んだ時点で、構造的緩和が起こり、結合長や結
合角の分布等が求まる手はずである。多量の出力(各原
子についての、時々刻々の位置と力と速度と、界面近傍
の応力等のデータ)を分析した。
す。まず非晶質シリコン膜709の再結晶化は、膜の上
面近傍から成長、下層の薄膜酸化膜708に向かって進
む。この時、基板701の結晶方位との整合性は全く無
い。シリコン単結晶の成長が伸びるにしたがい、成長端
近傍に引っ張り応力が蓄積することがわかった。他方、
下層の薄酸化膜708にも、初期から基板701と極薄
酸化膜708の原子間構造に起因する圧縮応力が蓄積し
ている。従って、酸化膜708には大きな圧縮応力が蓄
積し、蓄積量が一定値に達すると部分的に酸化膜708
が破れることが解った。さらにこの瞬間に再結晶化粒7
10は、シリコン基板701との結晶方位の違いによる
エネルギ量を下げる方向に力が働くことも解った。その
後、再結晶化粒710は下地基板701と完全に近い同
一軸になることも解った。
ドの特性を評価してみた。その結果を図82に示す。図
中のqは電気素量で、Vは電圧を示し、kはボルツマン
定数である。またTは絶対温度を示している。まず図か
ら解る様に、良好な整流特性がみられている。更に、逆
方向であるが、q|V|/kTの値で見てみると、耐圧
は測定範囲では殆ど検出できず、理想に近い挙動を示し
ている。この様に、理想に近い、整流特性及び耐圧が得
られた理由は良く解らないが、考えられる項目としては
以下の2点がある。一つには、結晶性が良い事,もう一
つは、不純物の再分布がなく、完全急峻型が得られた事
にある。
用いてpnジャンクションを作成してみた。以下に作成
手順と特性結果を簡単に報告する。
れば、図81(g)までは同じでも良い。その後、図8
1(h)では非晶質シリコン膜を堆積させたが、ここで
は、多結晶Siを堆積させたものを用いる。この温度は
たとえば、625℃であった。此の温度は、ここで明記
しておきたいが、非常に高いわけである。このような温
度処理は、もし下地に素子が有れば非常に不利になる。
板と多結晶Siの界面を目指して、ミクシング用のイオ
ン注入を行った。その後、例えば970℃で熱処理を行
い、その後、電極等を形成して、接合特性を測定した。
その結果を図83に示す。明らかに耐圧が低下している
ことがわかる。此の様に、耐圧が低下している原因を調
べると、一つには、接合領域が、完全に単結晶になって
おらず、多分ミクシング時の欠陥だと推定されるものが
多数残っている。さらにSIMSによって不純物分布を
観察したが、急峻さが低下している。これらにより、特
性が劣化したものと考えられる。
明する。
により形成した粒状の単結晶シリコンを用いて、結晶粒
径の揃った、しかもグレイン内部の結晶性が極めて良い
多結晶シリコンを形成し、ここに移動度のバラツキ等の
無い、素子特性の安定した薄膜トランジスタを形成した
実施例を示す。
積した後、単結晶シリコンを得るに当たり、非晶質シリ
コンの平均原子間隔を予めシリコン単結晶と一致するよ
うにした膜を用い、さらに非晶質膜の表面に酸化膜の成
長付着を抑止するため、還元性雰囲気のH<sub>2</sub
>雰囲気にして、熱処理した。膜作成の装置は図32に
示したものと同一のものを用いた。
ン基板901の上にシリコン酸化膜902を500nm
堆積した後、非晶質シリコン膜903を堆積する。この
膜厚は75nmとした。すると、本実施例の文頭に報告
したように、堆積直後の測定結果では、平均原子間隔
は、単結晶基板の1.005倍の値を得た。この後、堆
積装置と同一装置を用いて、表面自然酸化膜の付着を抑
えながら、580度5時間の熱処理を行い、単結晶シリ
コンを形成した。その結果、図84(b)に示したよう
に、非晶質シリコン膜は単結晶化して粒状のシリコン単
結晶粒が形成された。
の単結晶粒は、垂直方向に<100>軸が配向してお
り、しかも、大きさと粒間隔がほぼ揃っていることが観
察された。例えば、基板の真上から粒を捉えたSEM写
真により、粒径分布を調べると、図85(a)に示した
ように、最大出現頻度の粒径1500オングストローム
を中心に、±20%以内に90%以上の粒が含まれた。
特に、最大出現頻度よりも1割以上大きい粒は、ほとん
ど見られなかった。この現象は、おそらく、ほとんどの
結晶核の生成が、熱処理開始から比較的速い時間に同時
に起こっているためと考えられる。また、隣接する粒の
中心から中心までを測定して粒間隔を調べると、図85
(b)に示したように、最大出現頻度の粒間隔1900
オングストロームを中心に、±10%以内に90%以上
の粒が含まれた。この様に、単結晶粒は大きさも間隔も
揃い、しかも粒と粒は各々分離していた。
第2の非晶質シリコン903を2000オングストロー
ム堆積した。この非晶質シリコンの平均原子間隔は1.
005であった。
4(d)に示すように、粒状単結晶シリコン904を結
晶の種として、第2の非晶質シリコンが固相成長し、多
結晶シリコン905が形成される。TEM写真から多結
晶シリコンのグレインを調べた所、幅1900オングス
トローム程度の柱状になっており、各々の柱状グレイン
が、垂直方向に<100>配向していた。また、多結晶
シリコンのグレイン内も、図86(a)に示すように、
通常の任意核形成による固相成長膜に比較して、結晶性
が良好であった。この原因は明確では無いが、おそら
く、結晶種として用いた単結晶粒の結晶性が極めて良好
なためではないかと予想している。
り形成した多結晶膜の大粒径グレインの結晶性を図86
(b)にTEM写真で示す。グレイン内部には双晶等の
欠陥が多数見られる。しかもこれらの欠陥は1200℃
以上の高温で熱処理しない限り、容易には消滅しない。
多結晶シリコン膜を形成した後、多結晶シリコン膜表面
をエッチングして平坦化するとともにパターニングを行
い、図84(e)に示したように表面が平坦な多結晶シ
リコン膜905をRIE等で島状に成形した。次に、B
+チャネルイオン注入をドーズ量1×10<sup>13</s
up>atoms/cm<sup>−2</sup>、40keVの条
件で行った図84(f)。この後、多結晶シリコン膜9
05表面を熱酸化して、ゲート絶縁膜906を形成し
た。通常の多結晶膜表面は、様々な面方位のグレインで
構成されているため、熱酸化でゲート絶縁膜を形成する
と、各々の面方位で異なった酸化速度を有するため、酸
化膜厚は1割程度ばらつく。このように酸化膜厚のばら
つきを残したまま、トランジスタを形成した場合、しき
い値電圧が大きくばらつく原因となる。ところが、本方
法で形成した場合、多結晶の表面は殆ど(100)面で
あるため、TEM写真による測定の結果、3%程度のば
らつきで抑えられていた。
電極907を形成した後、ゲート側壁に絶縁膜を堆積
し、ソース・ドレインの導電層形成の為に、As<sup>
+</sup>イオン注入を2x10<sup>19</sup>ato
ms/cm<sup>−3</sup>、40keVで行う。そし
て層間絶縁膜908を堆積し、電極形成用の開口部を設
けた後に、ソース/ドレイン電極909、910を形成
した。
タの電気特性を測定したところ、グレインの大きさが1
900オングストロームと大きく、しかも1500オン
グストローム以下のグレインが無いために、多結晶膜表
面のどの場所にトランジスタのチャネル領域が来ても、
素子特性が安定していた。例えば、室温で移動度のばら
つきを調べると、図87に示すように、従来の固相成長
膜を用いる場合よりも、格段に移動度のばらつきが減少
した。
ン移動度特性は、図88に示すように、粒界がチャネル
領域にたまたま存在しなかった場合と、存在した場合
で、大きく異なってくる。この場合のエレクトロンの移
動度の温度依存性を測定した結果を図89に示す。従来
膜は、チャネル領域に粒界が存在する場合に、移動度は
温度の低下に伴い大きく減少し、粒界が存在する場合と
比較して、移動度の差は一層顕著になる。これに対し
て、本実施例の膜は、図88中に示したように、粒界が
チャネル領域に均等に存在するため、素子特性が安定し
ている。また、温度依存性も、図89に示した領域に落
ちついていた。
非晶質シリコンの平均原子間隔をシリコン単結晶と同程
度となるようにし、歪みのない単結晶シリコン膜を得た
が、1.02以上となるようにしてもよい。
一の非晶質シリコン膜を熱処理し、単結晶粒を形成した
が、第一の非晶質シリコン膜を堆積後にRIE等によっ
て、成形しても良い。次に本発明の第22の参考例とし
てこの例を示す。
後、一旦堆積装置から出して図90(a)に示すように
0.2μm幅の線状に整形した後、表面の自然酸化膜を
剥離して清浄表面とし、再び堆積装置内に搬入した。こ
のとき、平均原子間隔を測定すると、1.02であっ
た。この状態で水素雰囲気で550℃2時間晒し、装置
より搬出した。SEM写真で単結晶粒の並びを調べる
と、図90(b)に示すように、単結晶粒がほぼ一列に
並んでいた。ここに第2の非晶質シリコン膜903を堆
積して、図90(c)に示すように整形する。第一の非
晶質シリコン膜903より形成した単結晶シリコン粒9
04を結晶核として第2の非晶質シリコン膜903を固
相成長すると、第2の非晶質シリコン膜は図90(d)
に示したように、粒界が垂直方向に走る、いわゆるバン
ブー構造の多結晶膜になった。ここに、図90(e)に
示した様に粒界に平行にチャネルが形成されるようにし
たトランジスタを形成した。多結晶膜のグレインサイズ
はおよそ2000オングストロームであった。この構造
では移動度のばらつきは更に改善され、図91に示すよ
うに極めて狭い範囲内に制御することができた。
シリコンを得るに当たり、非晶質シリコンの平均原子間
隔を予めシリコン単結晶の1.02倍以上からなる膜を
用い、熱処理を行って固相成長により形成した、結晶性
の極めて良好な粒状の単結晶シリコンを用い、結晶粒径
の揃った多結晶シリコンを形成して、移動度が高くしか
もバラツキが小さい薄膜トランジスタを形成した例であ
る。ここではゲート電極907の上層に多結晶シリコン
905からなる素子領域を形成したことを特徴とする。
板901上に絶縁膜902を堆積した後、多結晶シリコ
ン膜からなるゲート電極907を形成した。次に、CV
D法により、ゲート絶縁膜906を堆積した。
絶縁膜906の上に、非晶質シリコン膜903を平均原
子間隔が単結晶シリコンの1.02倍以上となるように
堆積した。堆積膜厚は40nmとし、平均原子間隔を測
定したところ、単結晶の1.02倍であった。この基板
を図2に示した装置内に設置し、非酸化性雰囲気の55
0℃2時間熱処理したところ、図92(c)に示したよ
うに粒状の単結晶シリコンが得られた。TEM写真を用
いた詳細な観察により、この単結晶粒も、垂直方向に<
100>軸が配向しており、しかも、大きさと粒間隔が
ほぼ揃っていることが観察された。図93に示すよう
に、粒径分布を調べると、最大出現頻度の粒径900オ
ングストロームを中心に、±20%以内に90%以上の
粒が含まれている。図94に示したように、粒間隔を調
べると、最大出現頻度の粒間隔1200オングストロー
ムを中心に、±20%以内に90%以上の粒が含まれて
いる。
に第2の非晶質シリコン膜903を1200オングスト
ローム堆積した。この非晶質膜の平均原子間隔は、単結
晶の1.009倍であった。堆積装置内で600℃15
分熱処理したところ、図92(e)に示すように、第2
の非晶質シリコン膜903は単結晶シリコン粒を結晶種
として、固相成長により単結晶化し、多結晶シリコンが
形成された。この多結晶シリコンもTEM写真を用いて
測定したところ、前記参考例10と同様にグレインの大
きさが揃い、垂直方向に<100>軸が優先的に配向し
た多結晶薄膜であった。 グレインの大きさが揃った多
結晶シリコン膜を形成した後、図92(f)に示したよ
うに多結晶シリコン膜をRIE等で島状に成形した。次
に、ドーズ量1×10<sup>13</sup>atoms/c
m<sup>2</sup>、40keVでPイオンをチャネルイ
オン注入した。そして活性化の為の熱処理を900℃3
0分行った。
に、B<sup>+</sup>イオン注入を3×10<sup>15</
sup>atoms/cm<sup>2</sup>、20keVで行
う。層間絶縁膜908を堆積し、電極形成用の開口部を
設けた後に、ソース/ドレイン電極909、910を形
成した。
用いた薄膜トランジスタは、下地側のチャネル領域も1
200オングストローム程度の均一な粒径のグレインで
構成されている。通常のCVD法で、導電性不純物濃度
の低い多結晶シリコンを堆積すると、粒径は僅か300
オングストローム程度にしかならない。このためキャリ
アの移動度は粒界での散乱により非常に小さくなる。ま
た通常の非晶質膜の固相成長で形成した多結晶シリコン
でも、下地との界面には玉砂利状の微小なグレインが多
数存在し、移動度の減少の原因となっていた。ところ
が、この方法により形成した多結晶膜に於いては、チャ
ネル領域である下地界面に微小グレインが全く無く、し
かも結晶性が格段に向上しているため、移動度のバラツ
キが改善され、平均的な移動度も格段に向上している。
また、移動度に影響する膜中酸素濃度をSIMS分析に
より測定したところ、図95に示すように、第一の非晶
質膜の膜質が影響する下地界面近傍には酸素濃度が極め
て低かった。これにより、酸素原子による散乱も低減さ
れ、高移動度の素子が作成出来た。
に、固相成長により形成した極めて結晶性の良好な単結
晶シリコンを用いて形成した、ソースドレイン持ち上げ
型MOSすなわちエレベーテッドソースドレインMOS
素子について説明する。この方法で形成したMOS素子
ではゲート酸化膜直下のチャネル領域に不純物がほとん
ど入っていない層を形成することができるため、キャリ
アの走行が不純物によって妨げられることなく、高移動
度のトランジスタを得ることができるという特徴を有す
る。また、ゲート酸化膜直下で不純物濃度が高ければ高
いほど反転層形成時の垂直方向の電界が強くなるため、
キャリアがより強く酸化シリコン/シリコン界面に張り
付いて走行するため、界面のわずかな凹凸もキャリアの
散乱の原因となっていたが、本発明のMOS素子によれ
ばこのような問題もない。
01表面に選択酸化によりフィールド酸化膜802を形
成する。そして必要に応じて閾値電圧調整のためのイオ
ン注入を行う。
の清浄化を行った後、膜厚20nmのノンドープの非晶
質シリコン膜803を堆積する。堆積直後の測定結果で
は、平均原子間隔は、単結晶シリコンの1.03倍であ
った。
同一装置内で、表面自然酸化膜の付着を抑えながら、5
50度1時間の熱処理を行い、単結晶シリコン804を
形成した。このときシリコン基板上では単結晶804と
なるが、フィールド酸化膜802上では多結晶シリコン
膜804Sとなっている。
ーニングを行い、図100に示すようにゲート酸化膜8
05を形成する。
結晶シリコン膜806を堆積し図102に示すようにこ
れらをパターニングしてゲート電極806を形成する。
極806をマスクとしてイオン注入を行いソース・ドレ
インS,Dを形成し、さらに層間絶縁膜807を形成し
た後コンタクトホールを介してソース電極808、ドレ
イン電極809、ゲート電極810を形成し、図104
に示すようにMOS素子が完成する。
ート電圧と移動度との関係を測定した結果を図105に
曲線aに示すように極めて高移動度の特性を得ることが
できた。比較のために従来例の測定結果を曲線bに示
す。従来の方法では高温でのエピタキシャル成長によっ
て単結晶シリコンを形成するため基板からのオートドー
ピングによって、ゲート酸化膜直下のチャネル領域に不
純物がドーピングされるのを避けることができないが、
この方法によれば、低温下で結晶性の良好な単結晶シリ
コン膜を形成することがきるため基板からのオートドー
ピングもなく、ゲート酸化膜直下のチャネル領域に不純
物がほとんどはいっていない層をつくることができる。
このように、キャリアの走行の散乱体となる不純物のな
い単結晶層を形成することができるため、高移動度を得
ることができる。またゲート酸化膜直下で不純物濃度が
高ければ高いほど、反転層形成時の垂直方向の電界が高
くなる。垂直電界が高いと、キャリアはより強く酸化シ
リコン/シリコン界面にはりついて走行することにな
り、界面のわずかな凹凸もキャリアの散乱体となり、移
動度低下の原因となるが、本発明の方法で形成される素
子構造ではゲート酸化膜下での不純物濃度を低くするこ
とができるため移動度の低下を防ぐことができる。 ま
たこの方法を用いて形成したリングオシレータの遅延時
間とVddとの関係を測定した結果を図106に示す。
この結果からも高速動作可能であることがわかる。これ
は本発明の素子では、上記効果に加えソースドレイン領
域はフィールド酸化膜上に形成されるため、印加電圧に
応じて基板側に空乏層が広がるのを防ぐことができ、充
放電の度に遅延が生じるという問題もないためである。
リングオシレータでは、移動度の向上とソース・ドレイ
ンのキャパシタンス低下の両方の効果により大幅な高速
化をはかることができる。
結晶性の良好な単結晶シリコンを用いて形成した、ソー
スドレイン持ち上げ型MOSすなわちエレベーテッドソ
ースドレインMOS素子について説明する。この方法で
は、図107乃至図115に示すように、トレンチ分離
された素子領域内に、ゲート電極を形成しこの上層にソ
ース・ドレイン領域のみを本発明の固相成長で形成し、
チャネルは基板表面に形成するようにしている。この素
子では低温下でソースドレインを形成することができる
ため不純物分布を急峻にすることができパンチスルーが
抑制されるという特徴を有する。
ゲート酸化膜直下のチャネル領域に不純物がほとんど入
っていない層を形成することができるため、キャリアの
走行が不純物によって妨げられることなく、高移動度の
トランジスタを得ることができるという特徴を有する。
また、ゲート酸化膜直下で不純物濃度が高ければ高いほ
ど反転層形成時の垂直方向の電界が強くなるため、キャ
リアがより強く酸化シリコン/シリコン界面に張り付い
て走行するため、界面のわずかな凹凸もキャリアの散乱
の原因となっていたが、本発明のMOS素子によればこ
のような問題もない。
11表面にSOI法によりトレンチ812を形成し図1
08に示すように、絶縁膜813を埋め込み素子分離を
行う、そして必要に応じて閾値電圧調整のためのイオン
注入を行う。
膜814を形成し、さらに図110に示すようにこの上
層に多結晶シリコン膜を堆積し図111に示すようにこ
れらをパターニングしてゲート電極815を形成する。
極815の上層にCVD法により酸化シリコン膜816
を形成しRIE法によりゲート電極815の側壁のみに
残留せしめ、リンイオンを注入して基板表面にn<sup>
−</sup>層(図示せず)を形成する。そしてさらに基板
表面の清浄化を行った後、膜厚20nmのノンドープの
非晶質シリコン膜817を堆積する。堆積直後の測定結
果では、平均原子間隔は、単結晶シリコンの1.03倍
であった。
と同一装置内で、表面自然酸化膜の付着を抑えながら、
550度1時間の熱処理を行い、単結晶シリコン817
Sを形成した。このときシリコン基板上では単結晶81
7Sとなるが、絶縁膜上では多結晶シリコン膜となって
おり、単結晶シリコンと多結晶シリコンの間で選択性を
もつエッチング条件で選択エッチングを行い多結晶シリ
コンをエッチング除去して単結晶シリコン817Sのみ
を残留せしめる。
ョン膜としての酸化シリコン膜818を形成し、これに
コンタクトホールを介してソース・ドレイン電極82
1、ゲート電極822を形成し、図115に示すように
エレベーテッドMOSトランジスタが完成する。
スタのゲート電圧とドレイン電流との関係を測定した結
果を図116に曲線aに示す。比較のために従来例の測
定結果を曲線bに示す。ここで示したトランジスタでは
チャネル長が0.23μmであった。このように非常に
微細な素子であるにもかかわらず、サブスレッシホール
ド領域も良好な特性を得ることができることが分かる。
このように微細素子であるにもかかわらず、パンチスル
ーが十分に良くできている理由については明らかではな
いが、ソースドレインの不純物分布が急峻になっている
からであると考えられる。これは工程が特に低温下で行
われていることにある。
ル長との関係を示した。この結果から本発明によればチ
ャネル長が0.22μm程度になっても閾値電圧が低下
していないことがわかる。これも不純物の再分布がない
ためであると考えられる。比較のために従来法で形成し
たトランジスタの特性を曲線bに示した。このトランジ
スタではチャネル長が0.5μm程度ですでにショート
チャネル効果が出現している。
バイポーラトランジスタとMOSトランジスタとを集積
化した例について説明する。
スタとを比較すると、MOSトランジスタは大規模集積
化が可能であるという長所がある反面、動作が遅いとい
う欠点がある。これに対しバイポーラトランジスタは出
力に大電流が得られ高速動作が可能であるという長所が
あるが、素子面積が大きく集積化が不利であるという欠
点がある。この2種類のトランジスタを同時に用いて両
者の長所を生かした大規模集積回路が知られている。
示すようにシリコン基板上にMOSトランジスタとバイ
ポーラトランジスタとを横に配列し、バイポーラトラン
ジスタのベースとMOSトランジスタのドレインとを電
気的に接続し、ドレイン電流をバイポーラで増幅して大
電流を得るようにすることができるという利点を有して
いる。しかしながら、ドレインとベースが離れているた
め、配線を引き回さなければならず、大面積を必要とす
る上、互いの素子領域に影響を与えることなく形成しな
ければならないため、非常に複雑で長い工程を必要とす
るという問題があった。
MOSトランジスタのドレインに直接ベースが接続する
ように、上層に本発明の固相成長法で形成した単結晶シ
リコン内にバイポーラトランジスタを形成したものであ
る。
図132に等価回路図を示す。
911表面に選択酸化によりフィールド酸化膜912を
形成する。そして必要に応じて閾値電圧調整のためのイ
オン注入を行う。
いゲート絶縁膜913となる膜厚10nmの酸化シリコ
ン膜を形成し、さらに図120に示すようにゲート電極
914となるリンドープの多結晶シリコン膜を形成し、
図121に示すようにこれらをパターニングする。
り酸化シリコン膜を形成した後RIE法を用いてゲート
電極914の側壁に酸化シリコン膜915を形成し、こ
れをマスクとしてAsイオンを5×10<sup>15</sup
>atoms/cm<sup>2</sup>イオン注入し、900
℃30分の窒素雰囲気中での熱処理を行い、図123に
示すようにソース・ドレイン領域916を形成する。
り全面に膜厚300nmの酸化シリコン膜を堆積し、図
125に示すようにドレイン領域916にコンタクトホ
ール918を形成する。
子間隔が単結晶シリコンのそれとほぼ等しくなるように
非晶質シリコン膜919を膜厚50nm程度堆積する。
このときシランガスと同時にホスフィンガスPH<sub>
3</sub>を流し、あらかじめリンが微量含まれた非晶質
シリコン膜とした。
と同一装置内で、表面自然酸化膜の付着を抑えながら、
600℃3時間の熱処理を行い、n<sup>−</sup>単結
晶シリコン920を形成した。単結晶化距離を測定する
ためにあらかじめ用意したモニタ装置を調べると、結晶
化距離は15μmであった。またリン濃度を測定すると
8×10<sup>17</sup>atoms/cm<sup>3</su
p>であった。
ターニングを行い、図129に示すようにこの単結晶シ
リコン920の一部にボロンイオンを注入しp<sup>−<
/sup>領域921を形成した。
レクタ領域にボロンをイオン注入してp<sup>+</sup>
領域922を形成し、不純物活性化のために850℃5
分間のアニールをRTAで行い図131に示すようにソ
ース電極923、ゲート電極924、エミッタ電極92
5、コレクタ電極926を形成し、集積回路が完成す
る。
℃という低温下で結晶性の良好な単結晶シリコンを得る
ことができ、かつ下層との界面特性が極めて良好であ
り、ドレインとベースの接続部における接触抵抗が極め
て低い上、MOSトランジスタの拡散層に拡散長の伸び
を生じるようなこともない。
め素子面積を大幅に低減することができるのみならず、
バイポーラトランジスタがMOSトランジスタの上方に
形成されるため図133に示した従来の構造に比べ、バ
イポーラ領域で発生する熱がMOSトランジスタに伝達
されにくく、MOSトランジスタの動作特性に影響を及
ぼすことがない。またバイポーラトランジスタ自身も上
層に位置するため放熱性がよく温度上昇を抑制すること
ができる。
膜上に平均原子間距離が単結晶の平均原子間距離にほぼ
等しくなるように非晶質半導体薄膜を堆積し、この非晶
質半導体薄膜表面を非酸化性雰囲気中で加熱し、固相成
長により単結晶化することにより、低温下で欠陥のない
良好な単結晶を形成することができる。
置を示す図
概略を示す図
が1.02以上の非晶質シリコン膜を得るための成膜速
度と基板温度との関係を示す図
と平均原子間距離との関係を測定した結果を示す図
における横方向固相成長速度の測定結果を示す比較図
程図
晶質シリコン膜の膜厚と単結晶シリコン薄膜の欠陥密度
との関係を示す図
非晶質シリコン膜の膜厚とエレクトロンモビリティとの
関係を示す図
真空度とエレクトロンモビリティとの関係を示す図
水素流量とエレクトロンモビリティとの関係を示す図
さとヒ素濃度との関係を示す図
程図
の変形例を示す図
程図
膜を示す図
程図
程で得られた単結晶薄膜を示す写真
程で得られた単結晶薄膜を示す写真
程で得られた単結晶薄膜を示す写真
工程図
工程図
工程で得られた単結晶薄膜を示す写真
工程で得られた単結晶薄膜を示す写真
工程で得られた単結晶薄膜を示す写真
関係を示す図
得られる単結晶粒の直径の関係を示す図
工程を示す図
工程を示す図
理を示す説明図
装置を示す図
離が単結晶の0.98〜1.02までの非晶質シリコン
膜を得るための成膜速度と基板温度との関係を示す図
置を示す図
図
真を示す図(熱処理5分)
断面TEM写真を示す図(熱処理2時間)
定装置を示す図
す図
程を示す図
す図
薄膜のSEM像を示す図
造を示す図
ン粒のSEM像を示す図
像を示す比較図
との相関関係を示す図
工程図
結晶薄膜を示す図
程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
薄膜のSEM像を示す図
薄膜のTEM像を示す図
示す比較図
の除去工程を示す説明図
タの容量と従来のキャパシタの容量との比較図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
程図
す図
工程を示す図
特性を示す図
タの同工程の前後での特性変化を示す図
程図
距離とエッチピットとの関係を示す図
距離と素子特性との関係を示す図
工程を示す図
示す図
示す図
工程を示す図
す図
膜の平面TEM写真を示す図
ロンモビリティを測定した結果を示す図
d特性を示す図
ランジスタのエレクトロンモビリティの温度依存性を測
定した結果を示す図
工程を示す図
ロンモビリティを測定した結果を示す図
工程を示す図
す図
示す図
分布を示す図
工程図
工程図
工程図
工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
圧と移動度との関係を示す図
時間とVddとの関係を示す図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
造工程図
圧とドレイン電流との関係を示す図
寸法と閾値電圧との関係を示す図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
工程図
程図
明図
モデルを示す図
を示す図
出力を示す図
電子線回折像
す図
微鏡写真および成長距離の時間依存性質を示す図
示す図
示す図
示す図
示す図
Claims (6)
- 【請求項1】 基板上に、非晶質薄膜を該薄膜の主構成
元素の平均原子間隔が、該元素の単結晶における平均原
子間隔とほぼ一致するように非晶質薄膜を堆積する工程
と、 前記非晶質薄膜に結晶化エネルギーを付与することによ
り固相成長を行い単結晶を形成する工程とを具備するこ
とを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 【請求項2】 前記非晶質薄膜を堆積する工程は、 前記非晶質薄膜の平均原子間隔を測定しながら行うこと
を特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。 - 【請求項3】 前記基板は、 凹凸状の表面を有し、 前記非晶質薄膜を堆積する工程は、 前記基板の凹凸状の表面に前記非晶質薄膜を堆積するこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体装
置の製造方法。 - 【請求項4】 基板上に、非晶質シリコン薄膜を堆積す
る工程と、 前記非晶質シリコン薄膜中にシリコンイオンをイオン注
入して、該非晶質シリコン薄膜の主構成元素の平均原子
間隔を、該元素の単結晶における平均原子間隔とほぼ一
致させる工程と、 前記非晶質シリコン薄膜に結晶化エネルギーを付与する
ことにより固相成長を行いシリコン単結晶を形成する工
程とを具備することを特徴とする半導体装置の製造方
法。 - 【請求項5】 基板表面を覆う絶縁膜の開口部に、主構
成元素の平均原子間隔が、該元素の単結晶における平均
原子間隔とほぼ一致した非晶質薄膜を堆積し、該非晶質
薄膜に結晶化エネルギーを付与して形成した単結晶半導
体薄膜と、 前記単結晶半導体薄膜内に形成されたソース・ドレイン
領域を含むMOS型素子とを具備することを特徴とする
半導体装置。 - 【請求項6】 同一基板上にMOS型半導体素子とバイ
ポーラ型半導体素子とが混在する半導体装置において、 前記バイポーラ素子は、 前記MOS型半導体素子を覆う絶縁膜の開口部に、主構
成元素の平均原子間隔が、該元素の単結晶における平均
原子間隔とほぼ一致した非晶質薄膜を堆積し、該非晶質
薄膜に結晶化エネルギーを付与して形成した単結晶半導
体薄膜の一部をベース領域とし、 該ベース領域は、 前記開口部を介して前記MOS型半導体素子のドレイン
領域と電気的に接続されることを特徴とする半導体装
置。
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JP4-111795 | 1992-04-30 | ||
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JP4-191180 | 1992-07-17 | ||
JP35997598A JP3207395B2 (ja) | 1992-04-30 | 1998-10-26 | 半導体装置およびその製造方法 |
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Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-10-26 JP JP35997598A patent/JP3207395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11251244A (ja) | 1999-09-17 |
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