JP3207366B2 - 架空送電線を活線で点検する点検方法とその装置 - Google Patents

架空送電線を活線で点検する点検方法とその装置

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JP3207366B2
JP3207366B2 JP34505596A JP34505596A JP3207366B2 JP 3207366 B2 JP3207366 B2 JP 3207366B2 JP 34505596 A JP34505596 A JP 34505596A JP 34505596 A JP34505596 A JP 34505596A JP 3207366 B2 JP3207366 B2 JP 3207366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架空送電線を活線
で点検する点検方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の点検は電線を停電して点検する方
法で、点検装置を活線状態による誘導障害から保護する
対策が無いとともに、停電した電線に作業者が直接、点
検装置を乗せるために、活線状態の電線に点検装置を乗
せるものが存在しない。鉄塔などの支持物の間に架設さ
れた電線、架空地線などは落雷などによって様々な損傷
を受けており、これらを放置すると重大な事故につなが
るおそれがある。このため、従来では、架空地線上を走
行できる自走機にビデオカメラを搭載し、ビデオカメラ
で撮影した架空地線の画像をビデオテープに収録し、こ
の後、自走機から回収したビデオテープを観察して異常
箇所を発見すると共に、その状態を診断するようにして
いる。
【0003】この従来の自走式電線点検装置は、前後に
それぞれ電線あるいは架空地線の上下に転接する各対を
なす車輪を支持する、フレームにビデオカメラ、録画装
置及びバッテリを搭載している。また、ビデオカメラに
よる画像の収録を異常箇所の近傍だけに制限し、異常箇
所の発見及び診断の効率を高めるようにしたものも提案
されており(特公平7−114523号公報参照)、こ
の場合には、さらに異常箇所を検出するためのラインセ
ンサ及びこのラインセンサの検出結果に基づいてビデオ
カメラ及び録画装置を制御する処理装置とがフレームに
搭載される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は停電状態の電線
に作業者が直接、点検装置を乗せていたが、電線を活線
状態のままで点検装置を乗せることができるようにした
点検方法を提供する必要がある。ところで、これら従来
の自走式電線点検装置においては、フレームに搭載され
たカメラ、録画装置、ラインセンサ、処理装置などを活
線状態の電線、架空地線などに近付けると、誘導など、
いわゆる電波障害を受けて、これらの電子装置が誤動作
するおそれがある。
【0005】また、自走式電線点検装置の重量によって
電線、架空地線などが落ち込み、電線間に所定の耐電圧
距離が維持しにくい。このため、従来の自走式電線点検
装置による電線、架空地線などの点検は送電を停止した
停電状態で行っており、電力需要を満たすことができな
くなる恐れがある。
【0006】特に、日本では落雷の多発する夏期が電力
の需給関係が逼迫する時期と重なるので、この時期での
電線の点検が控えられると、異常箇所を早期に発見でき
なくなる恐れがある。本発明の目的とするところは、電
線を活線状態にしたままで電線や架空地線を点検できる
ようにした活線型自走式電線点検装置と鉄塔から活線状
態の電線に点検装置を乗せることができる点検装置着脱
装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、活線型自走式
点検装置を、点検装置着脱装置により、活線状態の電線
に鉄塔から着脱するようにした。また、本発明は、上記
の目的を達成するため、図1に示すように電線1上を転
動するウレタン樹脂に導電性の粉を混入した樹脂からな
る1対の車輪2と、両車輪2を介して電線1に懸垂支持
されると共に、電気的に導通させた導電性ケース3と、
該ケース3内から電線1を撮像するカメラ4と、前記車
輪2を駆動するモータ5と、前記ケース3内に配置さ
れ、前記カメラ4及びモータ5を無線制御するテレコン
トローラ6と、電源10とを備え、カメラ4、テレコン
トローラ6などの電子機器を前記ケース3により近傍の
電線1を流れる電流が惹起する電波障害から保護する一
方、車輪2の数の減少に伴う軽量化及びこれから派生す
るモータ5の小型化及び軽量化により、装置を乗せた時
の電線1の落ち込みを減少させ、電線1間に十分に耐電
圧距離を保持できるようにした活線型自走式電線点検装
置とする。
【0008】さらに、活線に自走式電線点検装置を乗せ
る場合は、鉄塔上の作業者と電線との間の絶縁性を確保
するために、絶縁性パイプと絶縁性ロープと絶縁性ボル
トなどの絶縁性の素材で形成され、点検装置を吊り下げ
る際にフックから点検装置が脱落するのを防止するため
に無線にて吊り下げフックの開閉ができる点検装置着脱
治具とする。
【0009】
【作用】本発明では、絶縁性パイプでできたブームと、
ブームを接続するための絶縁性ボルトと、このブームを
起伏するための絶縁性ロープと、点検装置を吊り下げる
ための絶縁性ロープにより着脱装置を形成することによ
り、鉄塔上の作業者と電線との間の絶縁性を確保できる
ので、活線状態の電線に点検装置を乗せることができ
る。
【0010】また、無線にて開閉できる吊り下げフック
により点検装置を吊り下げている場合は落下も防止する
ことができ、電線に点検装置を乗せた場合には、吊り下
げフックを無線により開くことにより、点検装置を吊り
下げフックから切り離すことができる。また、本発明に
おいては、カメラ4やテレコントローラ6が電線1に電
気的に導通された導電性ケース3内に配置されているの
で、電線1を流れる電流が惹起する電波障害から保護さ
れる。又、電線1上を転動するウレタン樹脂に導電性の
粉を混入した樹脂からなる1対の車輪が設けられるの
で、前後にそれぞれ電線の上下に転接する各対をなす車
輪を設けた従来の自走式電線点検装置に比べて、車輪2
の数が少ない。従って、装置が小型に、かつ軽量にな
る。又、このように装置が軽量になることによって、装
置を走行させるモータ5の出力を小さくすることがで
き、この結果、モータ5を小型、かつ軽量にして装置を
一層小型、かつ、一層軽量にすることができる。そし
て、この装置の軽量化により、装置を乗せた電線1の落
ち込み量が少なくなり、装置とその下側の電線1との間
に十分に耐電圧距離を保持できるようになる。即ち、本
発明によれば、電線1を流れる電流が惹起する電波障害
の問題が生ぜず、また、装置とその下側の電線1との間
に十分に耐電圧距離を保持できるので、活線状態での電
線の点検ができるようになるのである。
【0011】
【発明の実施の態様】本発明の一実施例に係る活線型自
走式電線点検装置は、図6に示すように、電線上を自走
する本体装置Aと、例えば地上や鉄塔に設けた足場に置
かれるモニター装置Bとからなり、モニター装置Bから
与える指令により本体装置Aを制御できるようにしてい
る。
【0012】前記本体装置Aは、図1の正面図、図2の
側面図及び図3の平面図に示すように、電線1上を転動
するウレタン樹脂に導電性の粉を混入した樹脂からなる
1対の車輪2と、両車輪2を介して電線1に懸垂支持さ
れると共に、電気的に導通させた導電性ケース3とを備
え、このケース3の本体3a内に1台のカメラ4が設け
られる。前記車輪2は、導電性であればよく、例えば金
属で形成することも可能であるが、ここでは、軽量化を
図るために、ウレタン樹脂に導電性の粉を混入した樹脂
車輪を用いている。この導電性の粉としては金属粉であ
ってもよいが、この実施例では、更に軽量化を図るため
にカーボン粉を用いている。
【0013】また、前記車輪2は、電線1上を案内無し
に転動できるようにするために、電線1が嵌まり込むV
字溝2aを有し、前記ケース3のケース本体3aの後上
部に固定され、該ケース3の左右両外側に突出する金属
製のビーム3bの前側に左右に適当な間隔を置いてそれ
ぞれ回転自在に、かつ、導電性ケース3と電気的に導通
するように支持される。
【0014】右側の車輪2は前記ビーム3bの後側に支
持させた直流モータ5にギヤ装置12を介して連動連結
され、左側の車輪2はこの右側の車輪2にチェーン同期
装置13を介して連動連結させてある。なお、前記ビー
ム3bの右端部にブラケット14を介してロータリエン
コーダ(カウンターローラ)15を支持させてあり、こ
のロータリエンコーダ15を電線1上に転接させること
により装置の位置を検出するようにしている。
【0015】また、前記ビーム3bの左端部にはブラケ
ット16を介して光電スイッチ17を支持させてあり、
この光電スイッチ17によって電線1に取り付けた図示
しないダンパーを検出できるようにしている。前記ケー
ス3の本体3aは上面が開放された箱型に形成され、こ
の箱型の各稜線部(エッジ部)は、表面電位傾度の集中
を無くしてコロナ放電の発生を防止するために丸めてあ
る。
【0016】この本体3a内には前記カメラ4の他に、
前記カメラ4及びモータ5を無線制御するテレコントロ
ーラ6と、録画装置7と、撮像画面にロータリエンコー
ダ15のパルス数を表示させるビデオキャラクターイン
ジケータ8と、カウンタボード9と、電源10とが配置
され、前記テレコントローラ6には前記カメラ4及びビ
デオキャラクターインジケータ8により得られたビデオ
データをモニター局(あるいは鉄塔に設けた作業足場に
開設される局)に送信する映像送信機11が内蔵されて
いる。
【0017】なお、前記ビデオキャラクターインジケー
タ8により処理されたビデオデータは映像送信機11を
介してモニター局に送信され、モニター局でリアルタイ
ムにモニターされると共に必要に応じモニター局に設け
た録画装置に入力して収録され、また、同時に本体3a
内の録画装置7に入力され、収録される。もっとも、前
記カメラ4により得たビデオデータとロータリエンコー
ダ15の出力に基づいてそのパルス数に対応するビデオ
キャラクタデータとを映像送信機11で直接に無線送信
し、モニター局に設けたビデオキャラクターインジケー
タで信号処理して、モニター画面に電線1の画像とその
位置(ロータリエンコーダ15のパルス数)とを表示す
ると同時にこれらを録画装置に収録するようにしてもよ
く、この場合には本体3a内の録画装置7及びビデオキ
ャラクターインジケータ8を省略して、本体装置Aを一
層小型に、かつ、軽量にすることができる。
【0018】また、前記カメラ4は、電線1を撮像する
ことができるように構成してあればよいのであるが、こ
こでは、装置の小型化及び軽量化を図るために、CCD
カメラで構成している。更に、前記カメラ4は、電線1
を全周囲にわたって撮像できるようにするために、複数
の方向、例えば電線1の周囲の3方向に配置することも
可能であるが、この実施例では、装置の小型化及び軽量
化を図るために、前記ケース3内に上向きにして1台だ
け設け、前記ケース3の上部に2枚のミラー18,19
を設けて、他の2方向から見た電線1の画像がこの1台
のカメラ4の視野に入射するようにしている。
【0019】このように、車輪2の数を少なくし、モー
タ5を軽量化し、カメラ4の台数を少なくすることによ
り、装置は大幅に軽量化され、この本体装置Aを乗せた
電線1が落ち込む量を小さくできるので、電線1の距離
が大きくなる。また、上述したように、電線1に電気的
に導通させた導電性ケース3内にカメラ4、映像送信機
11を含むテレコントローラ6、録画装置7、ビデオキ
ャラクターインジケータ8、カウンタボード9などの電
子機器を収容することにより、電線1を流れる電流が惹
起する電波障害からこれらの電子機器を保護することが
でき、これら電子機器が電波障害によって誤動作するこ
とが防止される。
【0020】そして、このように、電子機器の電波障害
による誤動作が防止できることと、電線1間に十分な耐
電圧距離が確保されることから、本体装置Aを乗せた電
線1及び装置の下側の電線1に電流を通した状態、すな
わち、活線状態で本体装置Aを乗せた電線1を点検でき
るようになるのである。また、上述したように本体装置
Aを小型、軽量にすることにより、装置の電線1への積
下ろしが容易になると共に、その安全性も高められるこ
とになる。
【0021】ところで、この本体装置Aは、電線1を点
検するために電線1に乗せ、また、点検終了後には電線
1に不要な荷重を加えないようにするために電線1から
取り外さなければならない。この装置の電線1への積下
ろしに際しては作業員の感電事故を防止することが必須
のこととなる。そこで、この装置の電線1への積下ろし
作業には図4に示す着脱装置20が用いられる。
【0022】この着脱装置20は、後に特筆する事項を
除いては重量物の吊り下げや移動などに使うための装置
と同様に構成され、鉄塔に支持する支持体、例えば鉄塔
21にユニバーサルジョイント22を介して起伏揺動及
び水平揺動可能に支持されるブーム23と、前記鉄塔2
1に取付けられ、このブーム23を起伏ロープ24を介
して起伏させる起伏用ウィンチ25と、このブーム23
の中間部の左右両側に連結された左右1対の旋回ロープ
26と、ブーム23の先端部に取付けられ、上述の本体
装置Aを吊り下げ、無線により開閉することができる吊
り下げフック27と、この吊り下げフック27をブーム
23に吊持する吊り下げロープ28と、吊り下げロープ
28を巻き取る吊り下げ用ウィンチ29とを備える。
【0023】特筆すべきことは、従来は鉄パイプで形成
されていた前記ブーム23が例えば、ガラス繊維で補強
したエポキシ樹脂などの繊維強化プラスチック(FR
P)などの絶縁性を有する素材で形成され、また、起伏
ロープ24、旋回ロープ26及び吊り下げロープ28が
例えばアラミド繊維など絶縁性を有する素材で形成さ
れ、さらに、前記ブーム23は、設置箇所への持ち込み
および設置箇所からの撤去を容易にするために、複数段
の部分23aに分割形成され、順に継手管23bによっ
て継ぎ足して1本のブーム23に組み立てられるように
してあり、複数段の部分23aと継手管23bを連結す
るボルトは、例えばエポキシ樹脂などの絶縁性を有する
素材で構成されていることと、吊り下げフック27は、
図7に詳細を示すように、点検装置を吊り下げている際
にはロックレバー27aを閉じ、これにより点検装置の
落下を防止するものであり、点検装置を電線に乗せる際
には鉄塔から無線操作によりロックレバー27aを開い
て、点検装置を吊り下げフック27から開放することで
ある。
【0024】これにより、活線状態の電線1にブーム2
3、起伏ロープ24、旋回ロープ26、吊り下げロープ
28などが接触しても、鉄塔21に登って作業をしてい
る作業員と電線1との間が確実に絶縁され、感電事故を
確実に防止できる効果が得られるのである。また、無線
操作が行える吊り下げフック27は、点検装置を吊り下
げた状態ではロックレバー27aを閉じることで、点検
装置の落下を防止し、点検装置を電線に乗せる際にはモ
ニター局などの活線から離れた位置から無線によりモー
ター27bを動作させて、ロックレバー27aを開くこ
とにより吊り下げフック27から点検装置の開放を安全
に行うことができるものである。
【0025】なお、前記ブーム23、起伏ロープ24、
旋回ロープ26、吊り下げロープ28などの素材は、上
記に記載したものに限らず、必要な機械的強度と絶縁性
とを有するものであればよい。また、旋回ロープ26に
代えて、図8、図9に示すように、ブーム23の基端部
に旋回装置を取付けてブーム23の旋回を行うこともあ
る。
【0026】この旋回装置はウオーム歯車により構成さ
れ、ウオーム歯車を回転させることでブーム23を旋回
させるものである。また、起伏ロープ24、旋回ロープ
26あるいは吊り下げロープ28の先端をブーム23に
連結する連結金具23cおよび吊り下げロープ28を巻
き掛けるシーブ29をブーム23に分解可能に支持さ
せ、設置前後にはそれぞれ分解して持ち運びできるよう
にしている。
【0027】一方、前記活線型自走式電線点検装置には
この着脱装置20によって吊り上げられるようにするた
めに、図1ないし図3に示すように、正面から見て前記
導電性ケース3の左右両側に跨がる門型の吊り枠30が
設けられる。この着脱装置20を用いて、前記本体装置
Aを点検する電線1に乗せる作業は以下のようにして行
われる。
【0028】すなわち、まず、前記ユニバーサルジョイ
ント22を鉄塔21の適当な高さに取り付けた後、起伏
用ウィンチ25を操作して、前記ブーム23を垂直近く
になる位置に支持する。この後、吊り下げロープ28を
吊り下げ用ウィンチ29から繰り出して、吊り下げフッ
ク27を鉄塔上で活線型自走式電線点検装置を保持して
いる人の近くまで下ろす。更にこの後、鉄塔上で保持し
ている活線型自走式電線点検装置の吊り枠30にこの吊
り下げフック27を掛けた後、ロックレバー27aを閉
じてブーム23の先端が点検する電線位置よりも適当な
高さだけ高くなる位置に支持する。次に、吊り下げ用ウ
ィンチ29で吊り下げロープ28を巻き取ることによ
り、活線型自走式電線点検装置の車輪2が点検する電線
1のうちの最も高い電線1よりも高い位置に持ち上げ
る。そして、旋回ロープ26を手で操作して、車輪2を
この電線1の真上に位置させてから、吊り下げ用ウィン
チ29から吊り下げロープ28を繰り出して車輪2をこ
の電線1に乗せ、モニター局から無線操作によりモータ
27bを回転させて、ロックレバー27aを開き、更に
吊り下げロープ28を繰り出すことにより、フックを吊
り枠30から掛け外す。
【0029】この後、モニター局から無線操縦により本
体装置Aを電線1上で走行させ、カメラ4からのビデオ
データとロータリエンコーダ14からの位置データをモ
ニター局で受信し、モニターで電線1を点検すると同時
にこれらのデータを録画装置に記録する。光電スイッチ
16が電線1の取り付けたダンパーを検出すると活線型
自走式電線点検装置が停止され、逆方向に走行し始め
る。この逆走行は自動的に開始させても、モニター局か
ら与える指令に基づいて開始させてもよい。
【0030】本体装置Aが電線1に乗せた位置に戻る
と、自動的に、又はモニター局からの指令により本体装
置Aの逆走が停止され、以下のようにして本体装置Aが
電線1から吊り上げられる。すなわち、ブーム23の水
平位置を旋回ロープ26を手で操作して、ロックレバー
27aを開いた状態にした吊り下げフック27を吊り枠
30に掛かる位置に合わせた後、吊り下げ用ウィンチ2
9で吊り下げロープ28を巻取り、フックを吊り枠30
に掛け、無線操作によりロックレバー27aを閉じ更に
引き続いて吊り下げ用ウィンチ29で吊り下げロープ2
8を巻取ることにより、車輪2を電線1から完全に浮き
上がらせる。
【0031】この後、同じ高さの別の電線1を点検する
場合には、ブーム23の水平位置を旋回ロープ26を手
で操作して、車輪2がこの別の電線1の真上に位置する
ように本体装置Aを水平移動させてから、吊り下げロー
プ28を吊り下げ用ウィンチ29から繰り出すことによ
り、この別の電線1に本体装置Aを乗せ替える。また、
1本の電線1の点検をしてから、高さの異なる別の電線
1を点検する場合には、ブームの先端を点検する電線よ
りも適当な高さだけ高くなる位置に支持した後、必要に
応じてブーム23の水平位置を旋回ロープ26を手で操
作して、本体装置Aが電線1に当たることなく昇降でき
る位置に位置させてから、吊り下げ用ウィンチ29を操
作して本体装置Aを次に点検する電線1よりも車輪2が
高くなる位置に昇降させ、更にこの後、必要に応じて、
旋回ロープ26を手で操作してブーム23の水平位置を
本体装置Aの車輪2が次に点検する電線1の真上に位置
するように位置させてから、吊り下げ用ウィンチ29か
ら吊り下げロープ28を繰り出して車輪2をこの電線1
に乗せる。
【0032】このような手順を必要なだけ繰り返して複
数本の電線1の点検を終了し、最後の電線1に乗せた位
置まで本体装置Aが復帰すると、本体装置Aを電線1か
ら外した後、ブーム先端を垂直近くまで起こした後、吊
り下げ用ウィンチ29から吊り下げロープ28を繰り出
し、無線にて吊り下げフック27のロックレバー27a
を開状態として鉄塔上にて本体装置の吊り枠30をフッ
クから掛け外す。
【0033】ところで、このように電線1の上側に転接
する車輪2のみで活線型自走式電線点検装置を懸垂させ
る場合には、何らかの理由によって電線1が上下に大き
く振動すると車輪2が脱線するおそれがある。この実施
例では、この問題を解決するために、前記吊り枠30を
一定の範囲内で昇降可能に導電性ケース3に支持させ、
この吊り枠30の昇降に連動して電線1の下方を開閉す
る落下防止金具31を前記ケース3に支持させ、更に、
この吊り枠30を介して落下防止金具31を閉位置に付
勢するスプリング32が吊り枠30と前記ケース3とに
わたって架着している。
【0034】これによれば、図5に示すように、吊り枠
30は初期状態ではスプリング32に引っ張られて下限
位置に位置し、落下防止金具31は閉位置に位置する。
この初期状態から吊り枠30をその上限位置まで吊り上
げると、同図に破線で示すように、前記落下防止金具3
1が90度開き、電線1が自由に車輪2の下方に出入り
できるようになる。また、車輪2が電線1上に下ろされ
た後には、フックの下降に伴って吊り枠30がスプリン
グ32に付勢されて下降し、同図に実線で示すように初
期状態に戻って落下防止金具31が閉じ、これにより、
車輪2が電線1に乗せられた後に電線1から浮き上がっ
て脱線することが防止される。本体装置Aを電線1から
吊り上げる時には、まず、吊り枠30が吊り上げられて
落下防止金具31が開き、電線1が自由に車輪2の下方
に出入りできるようになり、この後、吊り枠30を含め
た装置全体が持ち上げられ、車輪2が電線1から浮き上
がることになる。即ち、上述のように構成することによ
り、簡単な構成で、車輪2の電線1からの脱線を確実に
防止できるようになる。
【0035】なお、図5に示すように、上記吊り枠30
はフックが掛けられる主枠30aとその左右両脚部に溶
接され、導電性ケース3に設けたガイド部3cにより昇
降案内される左右1対のロッド30bとその下端部に設
けたバネ受ピン30cとを有し、前記落下防止金具31
は支点ピン31aを介して前記ケース3に回転自在に支
持される。又、前記ケース3には、吊り枠30のロッド
30bの下方で前記スプリング32の下端が係合される
バネ係止ピン3dが設けられ、吊り枠30の上昇限界は
このスプリング32の張力と本体装置Aの吊り枠30以
外の重量とが釣り合う位置となり、吊り枠30の下降限
界は主枠30aがケース3の本体3aの上面に受け止め
られる位置となる。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の点検装
置の着脱装置は、絶縁性パイプでできたブームと、ブー
ムを接続するための絶縁性ボルトと、このブームを起伏
するための絶縁性ロープと、点検装置を吊り下げるため
の絶縁性ロープと、無線操作によりロックレバーを開閉
できる吊り下げフックにより形成することで、活線状態
の電線と鉄塔上の作業者との間の絶縁性を確保でき、そ
の結果、活線状態のままで点検装置を電線に乗せること
ができる効果が得られる。
【0037】また、本発明の活線型自走式電線点検装置
は、電線上を転動するウレタン樹脂に導電性の粉を混入
した樹脂からなる1対の車輪と、両車輪を介して電線に
懸垂支持されると共に、該電線に電気的に導通される導
電性ケースと、該ケース内から電線を撮像するカメラ
と、前記車輪を駆動するモータと、前記ケース内に配置
され、前記モータ及びカメラを無線制御するテレコント
ローラと、電源とを備えるので、これにより、電線を流
れる電流が惹起する電波障害による装置の電子機器の誤
動作を防止できると共に、装置を小型、軽量にして集中
荷重による電線の落ち込みを少なくし、線間の耐電圧距
離を十分に確保でき、その結果、活線状態にしたままで
電線の点検が行える効果が得られるのである。
【0038】本発明において、特に前記カメラにより得
たビデオデータを無線送信する映像送信機を備える場合
には、電線上での装置の走行と同時に地上でそのビデオ
データを受信しモニターすることができ、リアルタイム
で電線の点検ができる効果が得られる。また、この場合
に、装置上のビデオキャラクターインジケータ及び録画
装置を省略して、装置を一層小型に、かつ、一層軽量に
して、集中荷重による電線の落ち込みを一層少なくして
線間の耐電圧距離を一層確実に確保できる効果が得られ
る。
【0039】また、本発明において、特に前記電線の前
記カメラと反対側の像を該カメラの視野内に反射するミ
ラーを設けた場合には、1台のカメラで複数方向からの
電線の点検ができるので、装置を一層小型に、かつ、一
層軽量にすることができ、集中荷重による電線の落ち込
みを一層少なくして線間の耐電圧距離を一層確実に確保
できる効果が得られる。
【0040】さらに、本発明において、特に導電性ケー
スに対して所定の範囲内で昇降可能に支持される吊り枠
と、この吊り枠の昇降に連動して電線の下方を開閉する
落下防止金具と、前記吊り枠を介して落下防止金具を閉
位置に付勢するスプリングとを備える場合には、簡単な
構成で、吊り枠を介して装置を吊り上げる時に自動的に
落下防止金具を開いて車輪の下に自由に電線を出し入れ
でき、しかも、車輪を電線に乗せると同時にこの落下防
止金具で電線の下方を閉じて車輪が電線から脱線するこ
とを防止できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本体装置の正面図である。
【図2】本発明の本体装置の平面図である。
【図3】本発明の本体装置の側面図である。
【図4】本発明の本体装置の電線への積降ろしに用いる
着脱装置の側面図である。
【図5】本発明の落下防止金具の動作説明図である。
【図6】本発明の概略構成図である。
【図7】本発明に係る吊り下げフックの三面図である。
【図8】本発明に係る旋回装置の取付状態を示す側面図
である。
【図9】本発明に係るウオーム歯車式旋回装置の三面図
である。
【符号の説明】
1…電線 2…車輪 3…ケース 4…カメラ 5…モータ 6…テレコントローラ 10…電源 11…映像送信機 18・19…ミラー 30…吊り枠 31…落下防止金具 32…スプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西尾 雄大 大阪市北区中之島三丁目3番22号 関西 電力株式会社内 (72)発明者 作田 浩二 大阪市北区本庄東二丁目9番18号 関電 興業株式会社内 (72)発明者 山形 一雄 大阪市北区本庄東二丁目9番18号 関電 興業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−246664(JP,A) 特開 平2−211012(JP,A) 特開 平4−334914(JP,A) 実公 平3−53528(JP,Y2) 実公 平7−22976(JP,Y2) 実公 昭63−1528(JP,Y2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電線上を転動するウレタン樹脂に導電性
    の粉を混入した樹脂からなる1対の車輪と、両車輪を介
    して電線に懸垂支持されると共に、該電線に電気的に導
    通される導電性ケースと、該ケース内から電線を撮像す
    るカメラと、前記車輪を駆動するモータと、前記ケース
    内に配置され、前記モータ及びカメラを無線制御するテ
    レコントローラと、前記テレコントローラにより無線制
    御されて前記カメラにより得たビデオデータを無線送信
    する映像送信機と、電源とを備える活線型自走式電線点
    検装置を、絶縁性パイプ、絶縁性ロープにより構成され
    た点検装置着脱装置により、鉄塔間に架設された活線状
    態の電線に鉄塔から着脱するようにした架空送電線を活
    線で点検する点検方法。
  2. 【請求項2】 電線上を転動するウレタン樹脂に導電性
    の粉を混入した樹脂からなる1対の車輪と、両車輪を介
    して電線に懸垂支持されると共に、該電線に電気的に導
    通される導電性ケースと、該ケース内から電線を撮像す
    るカメラと、前記車輪を駆動するモータと、前記ケース
    内に配置され、前記モータ及びカメラを無線制御するテ
    レコントローラと、前記テレコントローラにより無線制
    御されて前記カメラにより得たビデオデータを無線送信
    する映像送信機と、電源とを備えることを特徴とする活
    線型自走式電線点検装置。
  3. 【請求項3】 導電性ケースに対して所定の範囲内で昇
    降可能に支持される吊り枠と、この吊り枠の昇降に連動
    して電線の下方を開閉する落下防止金具と、前記吊り枠
    を介して落下防止金具を閉位置に付勢するスプリングと
    を備える請求項2に記載の活線型自走式電線点検装置。
  4. 【請求項4】 電線上を転動するウレタン樹脂に導電性
    の粉を混入した樹脂からなる1対の車輪と、両車輪を介
    して電線に懸垂支持されると共に、該電線に電気的に導
    通される導電性ケースと、該ケース内から電線を撮像す
    るカメラと、前記車輪を駆動するモータと、前記ケース
    内に配置され、前記モータ及びカメラを無線制御するテ
    レコントローラと、前記テレコントローラにより無線制
    御されて前記カメラにより得たビデオデータを無線送信
    する映像送信機と、電源とを備える活線型自走式電線点
    検装置を鉄塔から活線状態の電線に着脱する際に、鉄塔
    上の作業者と電線との間の絶縁性を確保するために、絶
    縁性パイプ、絶縁性ロープの絶縁性の素材で構成された
    無線により開閉する吊り下げフックを備える点検装置着
    脱装置。
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