JP3206965U - ガスケット及びそれを備えた管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】座屈等を防止できる強度を保持しつつより簡易に製造可能なガスケット及びそれを用いた管継手を提供する。【解決手段】管継手に用いられ、ガスケット本体10と、補強部材11と、を備えているガスケット1において、ガスケット本体10を、その外周面より内方に向かって延在する孔部15を複数有するものとし、補強部材11を、孔部15内に保持する様にする。補強部材11は、例えば、対向する位置にある2つの補強部材11,11を一対として、等間隔に設けることが好ましい。又、ガスケット1を用いる管継手は、底部に向かって徐々に幅が狭くなる嵌入溝を備えており、その外面には、少なくとも開口部及び締付部の周囲に補強部が設けられる。【選択図】図2

Description

本考案は、ガスケットに関し、より詳細には、管継手に用いられるガスケット及びそれを備えた管継手に関する。
従来、管を接合するために管継手が用いられている。管継手を用いて管を接合する場合、2つの管の管端の間には、管内の流体の漏れを防止すために、ガスケットが挟持される。この際、該ガスケットは、該管端によって、軸方向に圧接されるため、該ガスケットには、常に相当の負荷が掛ることとなる。
この様なガスケットには、主としてゴム等のエラストマー材料で形成されたものがある。エラストマー製のガスケットは、経年劣化等に伴い、前記の負荷によって変形することで座屈等を起こり、管の密閉性を損なう可能性があった。そこで、該ガスケットにおいては、座屈等を防止するために補強部材を備えるものがある。例えば、特許文献1のガスケットは、管端がフレア加工された管用の管継手に用いられるガスケットの例であるが、補強部材として金属環を採用しており、該金属環を芯材としている。
特許第3729777号公報
しかしながら、従来の管継手用のガスケットは、製造に手間が掛るという問題があった。即ち、補強部材を、ガスケット内部に埋め込まれる様に一体的に成形したり、ガスケットを多層とし、補強部材、エラストマー層の間に挟持される様に成形したり必要があった。そのため、より簡易に製造することができるガスケットが求められている。
そこで、本考案は、座屈等を防止できる強度を保持しつつより簡易に製造可能なガスケット及びそれを用いた管継手を提供することを目的とする。
本考案は、管継手に用いられ、ガスケット本体と、補強部材と、を備えているガスケットであって、該ガスケット本体は、その外周面より内方に向かって延在する孔部を複数有しており、該補強部材は、該孔部内に保持されていることを特徴とするガスケットである。
又、本考案は、前記ガスケットを備えた管継手であって、該管継手は、該管継手によって接合される管の管端に形成されたフレア部及び該ガスケットを嵌入可能に形成された嵌入溝を備え、該嵌入溝は、その底部に向かって徐々に幅が狭くなる様に形成されていることを特徴とする管継手である。
又、本考案は、前記ガスケットを備えた管継手であって、開口部と締付部とを有するハウジングを備え、該ハウジングの外面は、少なくとも開口部及び締付部の周囲に補強部が形成されていることを特徴とする管継手である。
尚、本考案は、前記補強部材を、対向する位置に形成された2つの補強部材を1対として設けることができる。又、本考案は、前記補強部材を、等間隔で設けることもできる。又、本考案は、前記補強部材を、柱状に形成されたものとすることもできる。又、本考案は、前記孔部を、前記ガスケットの中心方向に向かって延在するものとすることもできる。又、本考案は、前記孔部を、有底とすることもできる。又、本考案は、前記ガスケット本体の内周縁部にセルフシール部を有するものとすることができる。又、本考案は、前記ガスケット本体の外周縁部に耳部を凸設することもできる。
本考案は、ガスケット本体に複数の孔部を形成し、該孔部に補強部材を保持する様にしたので、ガスケットの製造に際して、ガスケット本体と補強部材とを一体的に成形したり、エラストマー層と補強部材とを積層したりする必要がなく、ガスケット本体と孔部に補強部材を挿入することで、座屈等を防止できる強度を有するガスケットを製造することが可能であるので、座屈防止等が可能な強度を保持しつつ、より簡易に製造可能なガスケットを提供することができる。
本考案の実施形態のガスケットを示す正面図である。 本考案の実施形態のガスケットを示す斜視図である。 図1のIII−III断面図である。 本考案の実施形態のガスケットにおけるセルフシール部を示す拡大断面図であり、(a)がシール前の様子を、(b)がシール後の様子を示す図である。 本考案の実施形態の管継手を示す部分断面図である。 本考案の実施形態の管継手におけるハウジングを示す正面図である。 本考案の実施形態の管継手におけるハウジングを示す平面図である。 本考案の実施形態の管継手におけるハウジングを示す底面図である。 図6のXI−XI端面拡大図である。
従来、ガスケットの座屈等を防止するには、ガスケットの全周に亘って補強部材で補強される様に、環状又は略環状の補強部材を用いる必要があると考えられていたが、本考案の考案者は、管継手用のガスケットを開発する過程で、補強部材を間欠的に設けても十分に座屈等を防止できる強度をガスケットに付与できるとの知見を得た。本考案は、この知見に基づくものである。
本考案の実施形態を、管端がフレア加工された管を接合するためのハウジング型管継手に用いられるガスケットを例に図1乃至図9に基づき説明する。ガスケット1が用いられるハウジング型管継手J(以下、管継手Jという)は、螺子穴20a,20bの形状のみが相違した一対のハウジング2A,2Bを備えており、ハウジング2A,2Bを螺子Sで締め付けることによって管T,Tを接合するものである。
ハウジング2Aは、螺子穴20aが形成された締付部20が突出した略半環状に形成されており、その中央部が開口部21となっている。ハウジング2Bは、この螺子穴20aの代わりに螺子穴20bが形成されている。本実施形態においては、螺子穴20aは、螺子Sと螺合可能となっている螺条が形成されて雌螺子となっており、螺子穴20bは、単に螺子Sが挿通可能に形成された穴となっている。
又、ハウジング2A,2Bは、管Tを接合する際に、ガスケット1及び管Tの管端に形成されたフレア部T1を嵌入するための嵌入溝22が形成されている。嵌入溝22は、その底部22aに向かって徐々に狭くなる様に形成されている。ハウジング2A,2Bの外面2aには、管Tを接合する際に、特に負荷が掛る開口部21及び締付部20の周囲部分に補強部23が凸設されている。
ガスケット1は、ガスケット本体10及び補強部材11とを備えている。ガスケット本体10は、主としてエラストマー材料を用いて成形されている。例えば、管Tが水道管であり、管継手Jがそれを接合するための管継手である場合には、耐塩素性EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)を用いることが可能である。
ガスケット本体10は、中央部に口部12が形成された略環状に形成されており、管Tの管端(本実施形態においては、フレア部T1)が圧接される圧接面13を有している。ガスケット本体10の外周縁部には、耳部14及び孔部15が形成されており、又、その内周縁部には、セルフシール部16が形成されている。
耳部14は、管継手Jによって管Tを接合する際に、管Tの管端(本実施形態においては、フレア部T1)にガスケット1を一時的に固定できる様に外周縁部から両軸方向に環状に凸設されている。即ち、ガスケット本体10は、断面略T字状となっている。
孔部15は、ガスケット本体10の外周面10aより内方に向かって延在しており、その内に補強部材11を嵌め込み保持するために設けられている。そのため、孔部15の形状、個数や配置等は、補強部材11に合わせて形成されており、補強部材11に合わせて適宜選択可能である。本実施形態においては、孔部15は、ガスケット1の中心C方向に向かって延在していると共に有底である。
セルフシール部16は、ガスケット1の内方に向かって末広がりの断面略台形状をしており、その内周面16aは、外方に向けって窪む略円弧面となっている。セルフシール部16は、管T内を流れる流体の圧力(内圧p)が内周面16aに掛ることにより、外方へと押し広げられてその側面16bが管Tのフレア部T1に圧接される様になっており、それにより管Tを密閉し該流体が管T外へと漏出しない様にするためのものである。
補強部材11は、ガスケット本体10の孔部15内に保持されており、ガスケット1が座屈等を起こすことによって、管Tの密閉性が損なうことを防止するために、ガスケット1に十分な強度を持たせるために設けられている。
補強部材11は、その形状、配置や数等は、管Tの口径やガスケット1に求められる強度等に応じて、適宜選択可能であるが、好ましくは、柱状(例えば、本実施形態の様な円柱状の他、楕円柱状や角柱状等)の補強部材11が、対向する位置にある2箇所の補強部材11,11を1対として、等間隔に複数対配設される。補強部材11を形成する素材は、フレア部T1によるガスケット1への負荷に耐えられる強度のものであれば適宜選択することができ、例えば、ステンレスやアルミ等の金属素材、エンジニアリングプラスチック等の高強度の樹脂素材や紙類等から選択される。
ガスケット1は、ガスケット本体10及び補強部材11とを別々に成形し、補強部材11をガスケット本体10の孔部15に挿し込むことで製造することが可能である。そのため、従来のガスケットと比較して簡易な工程で製造することが可能である。
この際、孔部15は、ガスケット本体10を成形する際に形成することもできるが、孔部15がないガスケット10を成形し、事後的に孔部15を開ける様にしても良い。又、補強部材2の先端を、例えば、釘様にして、補強部材2をガスケット本体2に挿し込むと同時に孔部15を形成する様にすることもできる。
本考案を上記実施形態に基づいて説明したが、本考案は、上記実施形態に限定されるものではなく、考案の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。上記実施形態においては、フレア加工された管Tを接合するハウジング型管継手Jに用いられるガスケット1を例に挙げて説明したが、ルーズフランジ継手やその他管継手にも用いることが可能であり、管端がフレア加工されていない管用の管継手にも用いることが可能である。
又、ハウジング2Bの螺子穴20aを雌螺子とせずに螺子穴20bの様な単なる螺子Sが挿通可能な穴としナット(図示せず)を用いて締め付けることも可能である。この場合、螺子穴20aと螺子穴20bとは同一の形状としても良い。
1 ガスケット 10 ガスケット本体 10a 外周面
11 補強部材 12 口部 13 圧接面
14 耳部 15 孔部 16 セルフシール部
16a 内周面 16b 側面 2 ハウジング
2a 外面 20 締付部 20a 螺子穴
20b 螺子穴 21 開口部 22 嵌入溝
22a 底部 23 補強部 C 中心
J 管継手 S 螺子 T 管
T1 フレア部

Claims (10)

  1. 管継手に用いられ、ガスケット本体と、補強部材と、を備えているガスケットであって、
    該ガスケット本体は、その外周面より内方に向かって延在する孔部を複数有しており、
    該補強部材は、該孔部内に保持されていることを特徴とするガスケット。
  2. 前記補強部材は、対向する位置に形成された2つの補強部材を1対として設けられることを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  3. 前記補強部材は、等間隔で設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスケット。
  4. 前記補強部材は、柱状に形成されたものあることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガスケット。
  5. 前記孔部は、前記ガスケットの中心方向に向かって延在するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のガスケット。
  6. 前記孔部は、有底であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガスケット。
  7. 前記ガスケット本体は、その内周縁部にセルフシール部を有していることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガスケット。
  8. 前記ガスケット本体は、その外周縁部に耳部が凸設されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のガスケット。
  9. 請求項1乃至8の何れかに記載のガスケットを備えた管継手であって、
    該管継手は、該管継手によって接合される管の管端に形成されたフレア部及び該ガスケットを嵌入可能に形成された嵌入溝を備え、
    該嵌入溝は、その底部に向かって徐々に幅が狭くなる様に形成されていることを特徴とする管継手。
  10. 請求項1乃至8の何れかに記載のガスケットを備えた管継手であって、
    開口部と締付部とを有するハウジングを備え、
    該ハウジングの外面には、少なくとも開口部及び締付部の周囲に補強部が形成されていることを特徴とする管継手。
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