JP3206876B2 - ゲル被覆種子の一斉発芽処理方法 - Google Patents
ゲル被覆種子の一斉発芽処理方法Info
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Description
斉発芽処理方法に関する。
セルに封ずる技術、即ち、種子のゲル被覆技術は、この
被覆ゲル層中に含まれる水分によって発芽率が向上し、
また、従来機械播種に適さなかったような微少な種子或
いは非球状種子等でも機械播種が可能となり、或いは、
被覆ゲル層に各種薬品や肥料を加えることで作物の生育
或いは収量が向上する等の著しい効果があるため、近年
用いられるようになってきた。
云った主に施設園芸で栽培されている作物について、近
年導入されているセル成形苗や接ぎ木などの新技術で
は、100%の苗立ちや穂木・台木の成長における均一
な揃いが絶対必要とされ、そのため一斉発芽が要求され
ている。
ても、同時に播種を行った作物を同時に収穫可能とする
ために、一斉発芽することが求められている。しかし、
現在ゲル被覆種子に応用できる一斉発芽方法がなく、こ
れらの需用者の要求を満足させることができなかった。
ことができるゲル被覆種子の一斉発芽方法を提供するこ
とを目的とする。
一斉発芽方法は請求項1に記載の通り、ゲル被覆種子の
被覆ゲル層形成後播種までの期間に、被覆ゲル層の水分
の揮散を防止しながら、被覆ゲル層に内包される植物種
子の最低発芽温度未満で低温処理を行う構成を有する。
満であると、ゲル被覆種子の被覆ゲル層内の水分が氷結
して、あるいは、低温によって種子障害が生じるおそれ
がある。なお、被覆ゲル層の成分を調整して氷結を防止
したり、或いは、予めこのような障害が生じないことを
確認後低温処理を行う場合においてはこの限りではな
い。
芽温度以上であると、低温処理中に発芽し、突出(芽或
いは根が成長し被覆ゲル層から外に出ることを云う)し
て、機械播種ができなくなってしまう可能性があり、従
って予め調査する必要がある。なお、種子の最低発芽温
度は農業園芸大事典などで知られていて、例えばトマト
では11℃、ホウレンソウでは5℃であるとされてい
る。
間としては、トマト、ナス、キュウリ等の果菜類におい
ては、これら種子の最低発芽温度に近い比較的高い温度
で比較的長期間(7〜14日)行うことが望ましい。し
かし、最低発芽温度未満であっても長期間の処理を行う
と発芽する場合もあり、その結果これら発芽した芽や根
が被覆ゲル層から突出したものに関しては機械播種がで
きなくなってしまうので、予め試験を行って適切な処理
期間を定める。
場合、これら突出した種子のみを選択して除去すれば、
その他の発芽していても突出していない種子については
播種機による播種が可能ではあるが、選別に手間を有
し、かつ、種子コスト・原料が無駄となってコストが高
くなるため、このような作業は実際的ではない。なお、
果菜類においては0℃付近の低温で処理を行う際には、
低温障害が生じやすいので処理時間を短くする。
ビートなどにおいては、最低発芽温度より高い温度での
数日間の処理を行うことによっても効果が得られるが、
0℃付近(或いは−3℃程度)での低い温度で処理を行
えば効果が増加する上、特に処理期間を長くしても障害
が発生しないため、長期保存効果も併せ持たすことがで
きる。すなわち、予め多量にゲル被覆種子を作製して低
温処理を行い、その後、天候或いは播種計画に合わせて
この低温処理を中止して速やかに播種すれば、優れた一
斉発芽効果が得られると云った、作業効率向上をも同時
に達成することができる。
応用できるが、発芽から比較的短い期間中に低温に曝さ
れることにより抽だいする植物には適していない。従っ
て、低温処理方法によって抽だいのおそれがある植物に
ついては予備検討を行って、その結果を踏まえて実施す
る必要がある。なお、過酸化水素水等による酸素富化処
理を行う場合には、上記一斉発芽処理後に行うことが望
ましいが、一斉発芽処理を比較的短期間行う場合には、
その前に酸素富化を行うことも可能である。
低温処理を行う際にゲル被覆種子の被覆ゲル層からの水
分が失われるのを防止するため、湿潤条件下で行うか、
或いは密閉容器中に入れて水分の揮散を防止することが
望ましい。特に長期間の処理を行う場合には、このよう
な配慮が必要である。なお、被覆ゲル層から水分が失わ
れると硬くなるが、この現象は特に被覆ゲル層の外層で
顕著となるため、内包される植物種子が発芽しても被覆
ゲル層から突出することが困難となり、その結果突出率
及び出芽率が低下してしまう。
法によって形成される。例えば細管先端に種子被覆用水
性ゲル形成性水溶液の液滴を形成し、この液滴中に細管
を用いて種子を添加し、その後このゲル液滴をゲルを水
に対して不溶化させる作用を有する金属イオンを含む溶
液に滴下させることにより作成することができる。
類に属するものとしてトマト種子を用いてゲル被覆種子
を作製した。トマト種子を外径8mmで内径6mmのガ
ラス管を用いて3重量%アルギン酸ナトリウム水溶液滴
内に導入し、この液滴を10重量%塩化カルシウム水溶
液中に滴下後、この塩化カルシウム水溶液と40秒間接
触させて水に対して不溶化させて球状のゲル被覆種子
(被覆ゲル層の直径:10mm、重量:0.52g、水
分率:96.5重量%)を作製した。
℃、0℃、5℃、10℃、及び比較のために15℃の温
度でそれぞれ1日、7日及び14日の低温処理を行っ
た。このとき、低温処理中に被覆ゲル層から水分が失わ
れるのを防止するためいずれも密閉容器に入れて行っ
た。その後、各ゲル被覆種子400個を4つのシャーレ
内に敷いた濾紙上にそれぞれ100個ずつ播種し、その
後暗黒下25℃に置いたときの発芽率の経過について調
べた。また無処理のゲル被覆種子に関しても同様にその
発芽率の経過について調べた。これら結果を併せて表1
に示す。
いのは、低温による障害によるものと考えられる。氷点
以上で、かつ、トマトの最低発芽温度(11℃)未満で
処理した0℃、5℃及び10℃処理区においては、いず
れも発芽促進効果が得られ、その結果良い発芽揃いが得
られることが判る。なお、トマト種子の場合には最低発
芽温度に近い温度での処理が高い効果を与えている。な
お10℃・14日処理の場合に播種時に一部の種子が発
芽していたが、これら種子の芽及び根はいずれもその被
覆ゲル層内にあってこれに保護されていたので、発芽し
ていない種子と同様に播種機によって播種することが可
能な状態であった。
では無処理区での結果と同様であり、処理の効果が全く
得られなかった。一方7日間、14日間処理を行った場
合には、処理期間中に一部の種子が発芽して成長し突出
してしまい、播種機による播種ができない状態であった
ため、以後の検討を行わなかった。
の検討結果(その1)》葉菜類としてホウレンソウを選
択して検討を行った。ホウレンソウ種子は氷点以下の比
較的低温処理にも耐えられるものである。まず、実施例
1のトマトの場合と同様にして、ゲル被覆ホウレンソウ
種子を作製した。次いで、このゲル被覆ホウレンソウ種
子を密閉容器に入れて5℃で2日間の一斉発芽処理を行
ない、その後ゲル被覆種子400個当たり1 lの0.5
重量%過酸化水素水に10分間浸漬して酸素富化処理を
行った。これら種子400個を4つのシャーレ内に敷い
た濾紙上にそれぞれ100個ずつ播種した(処理区)。
ゲル被覆ホウレンソウ種子について本発明の一斉発芽処
理を行うことなく直ちに酸素富化処理を行ない、この種
子400個を4つのシャーレ内に敷いた濾紙上にそれぞ
れ100個ずつ播種した(無処理区)。これらにつき実
施例1と同様にして発芽率、及び突出率の経過を調べ
た。結果を図1及び図2に示す。
を行ったゲル被覆ホウレンソウ種子は発芽揃いが良好
で、また突出率も短期間で高い値となることが判る。な
お、上記一斉発芽処理期間中に突出した種子はなかっ
た。
の検討結果(その2)》実施例2で用いたのと同様に作
製したゲル被覆ホウレンソウ種子を用いて、まず一斉発
芽処理期間について検討した。すなわち、それぞれ40
0個のゲル被覆種子を密閉容器に入れ相対湿度95%の
湿潤雰囲気下で−3℃、2℃及び10℃に保って低温処
理を行ったときの発芽率及び突出率の経過を調べた。こ
れらの結果を図3及び図4に示した。
レンソウの最低出芽温度(5℃)より高い10℃処理で
は最長5日間、2℃処理では最長12日間、−3℃処理
では最長30日の処理を行うことが可能であることが判
った。なお、この処理期間はゲル被覆種子の保存期間と
しての副次効果を有し、ゲル被覆種子製造の効率化をも
たらすものである。
の処理を行ったゲル被覆ホウレンソウ種子によって発芽
試験を行った。すなわちゲル被覆ホウレンソウ種子を再
度実施例2同様にして作製し、相対湿度95%に保ちな
がら10℃・5日間、2℃・12日間、或いは−3℃・
30日の低温処理を行ったゲル被覆種子を準備した。こ
れらそれぞれ400個を、被覆ゲル層を形成した直後の
ゲル被覆ホウレンソウ種子400個とともに、各4つの
シャーレ内に敷いた濾紙上にそれぞれ100個ずつ播種
した。これらにつき、実施例1と同様にして発芽率、及
び突出率の経過を調べた。これら結果を図5及び図6に
示す。図5及び図6より、本発明に係る一斉発芽処理を
行ったゲル被覆ホウレンソウ種子は、播種後速やかに発
芽し、また、直ちに高い突出率が得られることが判る。
覆種子の低温処理によってその後の一斉発芽が得られる
理由は詳らかではないが、次のように考えられている。
被覆ゲル層の形成によってそれに内包される種子は水分
が供給されるため、直ちに発芽を開始しようとするが、
環境温度が低いためその速度は極めて遅い。その後、低
温処理が(播種時に)終了されて適温環境に移されると
勢いよく発芽するものと考えられる。
非常に簡単に播種後の発芽揃いが得られ、また、播種後
直ちに高い突出率に達するため、その後の収穫の高能率
化が可能である。また、接ぎ木の台木に応用した際に
も、同時に播種した植物体全体の成長度に差が生じない
ため作業性が良い等の効果が得られる。また、同時に被
覆ゲル層形成後播種までの保存可能期間が大幅に増加す
るため、被覆ゲル層形成作業の効率化なども同時に達成
でき、また、最適な天候の時に播種することができるた
め、当然収量の向上も達成できる。
グラフである。
グラフである。
示すグラフである。
示すグラフである。
グラフである。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ゲル被覆種子の被覆ゲル層形成後播種ま
での期間に、被覆ゲル層の水分の揮散を防止しながら、
被覆ゲル層に内包される植物種子の最低発芽温度未満で
低温処理を行うことを特徴とするゲル被覆種子の一斉発
芽処理方法。 - 【請求項2】 上記低温処理温度が被覆ゲル層に内包さ
れる植物種子に低温障害の生じない温度より高い温度で
あることを特徴とする請求項1に記載のゲル被覆種子の
一斉発芽処理方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP32863695A JP3206876B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | ゲル被覆種子の一斉発芽処理方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32863695A JP3206876B2 (ja) | 1995-12-18 | 1995-12-18 | ゲル被覆種子の一斉発芽処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09163818A JPH09163818A (ja) | 1997-06-24 |
JP3206876B2 true JP3206876B2 (ja) | 2001-09-10 |
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JP (1) | JP3206876B2 (ja) |
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CN108719280A (zh) * | 2018-07-14 | 2018-11-02 | 沿河后花园农业观光旅游综合开发有限公司 | 一种百合种球组织的保存方法 |
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1995
- 1995-12-18 JP JP32863695A patent/JP3206876B2/ja not_active Expired - Fee Related
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