JP3205560B2 - オーディオ信号の調性を決定するための方法および装置 - Google Patents

オーディオ信号の調性を決定するための方法および装置

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JP3205560B2 JP52464296A JP52464296A JP3205560B2 JP 3205560 B2 JP3205560 B2 JP 3205560B2 JP 52464296 A JP52464296 A JP 52464296A JP 52464296 A JP52464296 A JP 52464296A JP 3205560 B2 JP3205560 B2 JP 3205560B2
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Signal Processing Not Specific To The Method Of Recording And Reproducing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オーディオ信号の調性(tonality)を決定
するための方法および装置に関する。
オーディオ信号の聴覚特性を利用した(hearing−adj
usted)符号化とデータ削減(data reduction)の基本
は、符号化の過程において発生する符号化エラーをスペ
クトル的に処理(spectrally shaped)し、それらがい
わゆるマスクされた聴覚しきい値(masked hearing thr
eshold)以下に収まり、不可聴音となるようにすること
である。その結果、オーディオ信号符号化の過程や符号
器内において、瞬間的なマスクされた聴覚しきい値を決
定することは、重要な役割を果たすことになる。
マスクされた聴覚しきい値の評価は、通常、「知覚モ
デル」(perceptual model)と呼ばれる、聴覚モデルを
用いて実行される。オーディオ入力信号は、一方ではこ
のいわゆる「知覚モデル」または聴覚モデルに適用さ
れ、他方では、フィルタバンク(filter bank)による
変換またはブロックベース(block basis)により実行
された周波数変換を経て、量子化/符号化の段階に適用
され、これは聴覚モデルまたは知覚モデルの出力信号に
よってアクセスされる。
このような情況においては、信号のマスキング能力
は、その信号が調的な信号すなわち調性信号であるの
か、あるいはむしろ雑音信号すなわち非調性信号である
のかという点に依存する。なぜなら、雑音信号は、調性
信号成分よりも、符号化エラーに対してずっと大きなマ
スキング効果を持つからである。この点に関しては、
「知覚と心理物理学(Perception and Pyschophysic
s)」Vol.11,241〜246頁,1972年,のR.P.Hellmann著、
「雑音と音調との間のマスキングの不均衡」(“Asymme
try of Masking between Noise and Tone")を参照され
たい。
上記の理由により、ISO/MPGE規格に示されたモデル等
(ISO/IEC 11172−3,Annex Dを参照)の通例の聴覚心理
(psychoacoustic)モデルは、既に調性信号成分を検知
するメカニズムを含んでいる。例えば、そこに示された
「聴覚心理モデル1」においては、ある信号成分のレベ
ルがもし周囲の周波数ラインのレベルよりもある係数
(7dB)以上高ければ、その信号成分は「調的」として
分類されることになる。「聴覚心理モデル2」において
は、調性の決定は、理想的な場合には調性信号に関する
予測エラーが小さい複素高速フーリエ変換インデックス
(complex FFT indices)の予測に基づいて実行され
る。これにより、信号成分の調性が推論されるのであ
る。
しかしながら、これらの2つの公知の方法では、調性
の検知は信頼性が低いものでしかない。
以上の先行技術を基にして、本発明の目的は、信号の
調性の検出においてより高い信頼性を示すような、オー
ディオ信号の調性を決定する方法と装置を提供すること
である。
この目的は、請求項1〜4に記載のオーディオ信号の
調性を決定する方法または装置によって達成される。
第1の特徴によれば、本発明はオーディオ信号の調性
を決定する方法を提供し、その方法は以下の工程を含
む。すなわち、デジタル入力信号x(n)をブロック状
周波数変換(blockwise frequency transformation)し
てその入力信号の実正数値表示(real positive value
representation)X(k)を作り出す工程であって、こ
のkは周波数ラインのインデックス(index)を表すと
いう工程と、周波数ラインkに対応する信号成分の調性
Tを以下の方程式により決定する工程と、を含む。
この中で、F1は、第1の微分特性(differentiating
characteristic)を持つ第1デジタルフィルタのフィル
タ関数を示し、F2は、第2のフラットまたは積分特性
(flat or integrating characteristic)を持つか、あ
るいは第1特性よりも弱い微分特性を持つ第2デジタル
フィルタのフィルタ関数を示し、さらに、d1とd2とは、
フィルタパラメータに依存し、それぞれの場合において
フィルタの遅延が補償されるように選択された整定数を
示す。
第2の特徴に従えば、本発明はオーディオ信号の調性
を決定する方法を提供し、その方法は、入力信号x
(n)をブロック状周波数変換してその入力信号の実正
数値表示X(k)を作りだす工程であって、このkは周
波数ラインのインデックスを表すという工程と、周波数
ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方程式に
より決定する工程と、を含む。
T(k)=F[log[X]](k+d) この中で、Fは微分特性を持つデジタルフィルタのフ
ィルタ関数を示し、さらに、dはフィルタの遅延が補償
されるように選択された整定数を示す。
第3の特徴に従えば、本発明はオーディオ信号の調性
を決定する装置を提供し、その装置は、デジタル入力信
号x(n)をブロック状周波数変換してその入力信号の
実正数値表示X(k)を作りだす変換ユニットであっ
て、このkは周波数ラインのインデックスを表すという
変換ユニットと、フィルタ関数F1,F2を持つ2つのデジ
タルフィルタであって、F1は第1の微分特性を持つ第1
デジタルフィルタのフィルタ関数を示し、F2はフラット
または積分特性を持つか、あるいは第1特性よりも弱い
微分特性を持つ第2デジタルフィルタのフィルタ関数を
示すという2つのデジタルフィルタと、さらに、周波数
ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方程式に
より決定するためのユニットと、を含む。
この中で、d1とd2とは、それぞれの場合においてフィ
ルタの遅延が補償されるように選択された整定数であ
る。
第4の特徴によれば、オーディオ信号の調性を決定す
る装置を提供し、その装置は、デジタル入力信号x
(n)をブロック状周波数変換してその入力信号の実正
数値表示X(k)を作りだす変換ユニットであって、こ
のkは周波数ラインのインデックスを表すという変換ユ
ニットと、微分特性であるフィルタ関数Fを持つデジタ
ルフィルタと、さらに、周波数ラインkに対応する信号
成分の調性Tを以下の方程式により決定するためのユニ
ットと、を含む。
T(k)=F[log[X]](k+d) この中で、dは、フィルタFのフィルタパラメータに
依存し、フィルタFの遅延が補償されるように選択され
た整定数を示す。
本発明にかかる方法の望ましい実施例を、図を参照し
ながらさらに詳細に説明する。
図1はオーディオ信号の調性を決定するための、本発
明にかかる装置の第1実施例におけるブロック図を示
し、 図2はオーディオ信号の調性を決定するための装置
の、第2実施例におけるブロック図を示す。
図1に示すように、デジタル入力信号x(n)は最初
にブロックベースで実正数のスペクトル絶対値表示X
(k)に変換され、このkは周波数ラインのインデック
スを表す。この変換は周波数変換により実行されるが、
これは例えば離散型(discrete)の周波数変換とそれに
続く絶対値形成を実行するための計算装置1により実行
される。
DFT(離散型フーリエ変換)スペクトルの振幅の絶対
値形成のほかに、上記の絶対値表示は、絶対値の2乗ま
たは他のエネルギー保存の変換を用いても適切に達成す
ることが可能である。
このように、離散型入力信号をその周波数領域内で絶
対値表示またはエネルギー表示することから始まり、本
発明は、インデックスkを用い、周波数ラインに対応す
る信号成分の調性T(k)を決定するための2つの計算
概念を提案する。
ここで図1を参照しながら説明する第1実施例におい
ては、絶対値表示X(k)は2つのデジタルフィルタ2,
3に適用されるが、この第1フィルタ2は微分特性を持
つフィルタ関数F1を持つ。第2フィルタ3は、望ましく
簡素な場合においては、単純なフィルタ関数、つまり、
入力値と同等の出力値を持つ。
整定数d1,d2によって、両方のフィルタの遅延は補償
される。デジタルフィルタの設計分野ではそれ自身知ら
れているように、これらの定数は選択されたフィルタパ
ラメータに依存する。
商演算回路(quotient formation circuit)4は、商
の演算を通じて2つのデジタルフィルタ2,3の出力値を
結合させ、その結果、総合的な計算装置が、スペクトル
絶対値表示X(k)から始まり、k番目の周波数ライン
の調性T(k)を以下のように計算する。
上記の望ましい実施例においては、使用されるフィル
タはいわゆるFIRフィルタである。すなわち、対称的な
パルス応答を持ついわゆる「有限インパルス応答」(fi
nite impulse response)フィルタである。第1フィル
タは、既に述べたように、微分フィルタ関数F1を持つ。
すなわち、第1フィルタは、高周波数成分を優先的に伝
達する。
第2フィルタ3の特性は、望ましいと考えられている
単純特性(F2[X]=1)に加えて、加算または積分特
性を持つことができる。重要なことは、第1フィルタ2
の特性の方が、第2フィルタ3の特性よりも、微分性が
強いということである。
図1を参照しながら説明した実施例の中だけではな
く、調性の値T(k)はまた、図2に示されたオーディ
オ信号の調性を決定する装置の別の実施例を用いても決
定することができる。
この装置のブロック1は図1の装置のブロック1と同
じであり、入力信号x(n)のブロック状離散型フーリ
エ変換を通じて、スペクトル絶対値表示X(k)を形成
する。
k番目の信号成分の調性T(k)を決定するための計
算装置5は、以下のような関係をもとにして調性を決定
する。
T(k)=F[log[X]](k+d) この中で、定数dはフィルタの遅延を補償するための
整数値を示し、ここでも、選択されたフィルタパラメー
タに依存している。デジタルフィルタの望ましい実施例
は、この場合も対称的なパルス応答を持つFIRフィルタ
である。フィルタFは微分特性を示す。すなわち、それ
は高周波数成分を優先的に伝達する。
当業者にとっては明らかなことであるが、本発明にか
かる方法と装置によって達成された調性値T(k)は生
の値(raw value)であり、どのような聴覚心理的モデ
ルが使われていようとも、それに対して適切な非線形適
応関数(non−linear adaptation function)により適
応可能である。しかし、これは必須条件とは見なされて
いない。これらの調整値を、入力信号のマスキング効果
を決定するために直接的に使用することもまた、可能で
ある。
フロントページの続き (72)発明者 グリル ベルンハルト ドイツ国,91207 ラウフ,アム シュ バーベンバイハー 24番 (72)発明者 ブランデンブルグ カールハインツ ドイツ国,91054 エルランゲン,ハー クストラーセ 32番 (72)発明者 ゲルホイザー ハインツ ドイツ国,91344 バイシェンフェルト, ザウゲンドルフ 17番 (56)参考文献 特開 平4−177300(JP,A) 特開 平5−145377(JP,A) 特公 平2−51200(JP,B2) 特表 平2−504337(JP,A) Signal Processing 13 1987年7月 P15−28 T.FU NADA”A METHOD FOR THE EXTRACTION OF SPECTRAL PEAKS AND ITS APPLICATION T O FUNADAMENTAL FRE QUENCY ESTIMATION OF SPEECH SIGNALS" Philips Telecommu nication Review Vo l.49 No.1 March 1991 P19−27 W.Armbruster他 ”Hands−free telep hony,speech recogn ition and speech c oding techniques i mplemented in the SPS51" (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオ信号の調性を決定する方法であ
    って、 デジタル入力信号x(n)をブロック状周波数変換して
    その入力信号の実正数値表示X(k)を作り出す工程で
    あって、このkは周波数ラインのインデックスを表すと
    いう工程と、 周波数ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方
    程式により決定する工程と、を含み、 この中で、F1は、第1の微分特性を持つ第1デジタルフ
    ィルタのフィルタ関数を示し、 F2は、第2のフラットまたは積分特性を持つか、あるい
    は第1特性よりも弱い微分特性を持つ第2デジタルフィ
    ルタのフィルタ関数を示し、さらに、 d1とd2とは、フィルタパラメータに依存し、それぞれの
    場合においてフィルタの遅延が補償されるように選択さ
    れた整定数を示すことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】オーディオ信号の調性を決定する方法であ
    って、 デジタル入力信号x(n)をブロック状周波数変換して
    その入力信号の実正数値表示X(k)を作り出す工程で
    あって、このkは周波数ラインのインデックスを表すと
    いう工程と、 周波数ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方
    程式により決定する工程とを含み、 T(k)=F[log[X]](k+d) この中で、Fは微分特性を持つデジタルフィルタのフィ
    ルタ関数を示し、dはフィルタの遅延が補償されるよう
    に選択された整定数を示すことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】オーディオ信号の調性を決定する装置であ
    って、 デジタル入力信号x(n)をブロック状周波数変換して
    その入力信号の実正数値表示X(k)を作り出す変換ユ
    ニット(1)であって、このkは周波数ラインのインデ
    ックスを表すという変換ユニット(1)と、 フィルタ関数F1,F2を持つ2つのデジタルフィルタ(2,
    3)であって、F1は第1の微分特性を持つ第1デジタル
    フィルタのフィルタ関数を示し、F2はフラットまたは積
    分特性を持つか、あるいは第1特性よりも弱い微分特性
    を持つ第2デジタルフィルタのフィルタ関数を示すとい
    うデジタルフィルタ(2,3)と、 周波数ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方
    程式により決定するためのユニットと、を含み、 この中で、d1とd2とは、それぞれの場合においてフィル
    タの遅延が補償されるように選択された整定数であるこ
    とを特徴とする装置。
  4. 【請求項4】オーディオ信号の調性を決定する装置であ
    って、 デジタル入力信号x(n)をブロック状周波数変換して
    その入力信号の実正数値表示X(k)を作り出す変換ユ
    ニット(1)であって、このkは周波数ラインのインデ
    ックスを表すという変換ユニット(1)と、 微分特性を持つフィルタ関数Fを持つデジタルフィルタ
    と、 周波数ラインkに対応する信号成分の調性Tを以下の方
    程式により決定するためのユニット(5)と、を含み、 T(k)=F[log[X]](k+d) この中で、dは、フィルタFのパラメータに依存し、フ
    ィルタFの遅延が補償されるように選択された整定数を
    示すことを特徴とする装置。
  5. 【請求項5】請求項1または2に記載の方法であって、 上記ブロック状周波数変換の工程において、入力信号の
    実正数の絶対値表示X(k)が作りだされることを特徴
    とする方法。
  6. 【請求項6】請求項3または4に記載の装置であって、 上記変換ユニットがデジタル入力信号の周波数変換され
    た値の実正数の絶対値表示X(k)を作りだすことを特
    徴とする装置。
  7. 【請求項7】請求項3に記載の装置であって、 上記第1と第2のデジタルフィルタ(2,3)はFIRフィル
    タとして構成されていることを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】請求項4に記載の装置であって、 上記フィルタFはFIRフィルタとして構成されているこ
    とを特徴とする装置。
JP52464296A 1995-02-17 1996-02-09 オーディオ信号の調性を決定するための方法および装置 Expired - Lifetime JP3205560B2 (ja)

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