JP3205514U - 手動ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】操作ハンドルの操作を軽い力で行える手動ポンプを提供する。【解決手段】手動ポンプは、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2を備えたポンプ本体3と、ポンプ本体3に略水平姿勢で設けられ、一端部がスタンドにより支持された作動油を貯留する密閉構造の円筒状の油タンク5と、ポンプ本体3の上面に設けたハンドル用ブラケット6にハンドルピン7を介して上下方向へ揺動自在に支持され、油タンク5の上方位置に油タンク5に沿って配設された棒状の操作ハンドル8と、ポンプ本体3に起立姿勢で且つ操作ハンドル8の長手方向に沿って揺動操作可能に設けた切替レバー9と、切替レバー9に設けた支持ピン10に上下方向へ揺動可能に支持され、両端部が高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2のプランジャ1b,2bと操作ハンドル8の先端部とにそれぞれ回動可能に連結された作動リンク11とを備えており、操作ハンドル8と作動リンク11により倍力機構を構成している。【選択図】図3
Description
本考案は、例えば、建設現場や土木現場等で使用される油圧ジャッキや油圧シリンダ等の駆動に用いる高圧ポンプ及び低圧ポンプを備えた高低圧二段吐出形の手動ポンプの改良に係り、特に、高圧ポンプ及び低圧ポンプの両方から大流量の低圧の作動油を供給する場合に操作ハンドルの操作を軽い力で行え、また、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高い圧力になっても、操作ハンドルの操作を軽い力で行えるようにした手動ポンプに関するものである。
従来、高低圧二段吐出形の手動ポンプとしては、例えば、実開昭52−89708号公報、実開昭52−133303号公報、実開昭60−141488号公報、実公昭62−46870号公報に記載されたものが知られている。
即ち、前記高低圧二段吐出形の手動ポンプは、図示していないが、高圧ポンプ及び低圧ポンプを備えたポンプ本体と、作動油を貯留する油タンクと、ポンプ本体の高圧ポンプ及び低圧ポンプを作動する棒状の操作ハンドル等を備えており、建設現場や土木現場等で使用される油圧ジャッキや油圧シリンダに耐圧ホース等を介して接続され、油タンク内の作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給できるようになっている。
而して、前記高低圧二段吐出形の手動ポンプは、油圧ジャッキや油圧シリンダが重量物等に当接していないときに、操作ハンドルを上下方向へ揺動操作して高圧ポンプ及び低圧ポンプを作動すると、高圧ポンプ及び低圧ポンプの両方から油タンク内の作動油が吐出側油路から油圧ジャッキや油圧シリンダに供給され、また、油圧ジャッキや油圧シリンダが重量物等に当接して吐出側に一定以上の負荷が掛かると、低圧ポンプから吐出される作動油が油タンクに戻されると共に、高圧ポンプから吐出される高圧の作動油のみが油圧ジャッキや油圧シリンダに供給されるようになっている。
このように、前記高低圧二段吐出形の手動ポンプは、吐出側に掛かる負荷が小さいときには、大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給できて油圧ジャッキや油圧シリンダを迅速に作動させることができ、また、吐出側に一定以上の負荷が掛かったときには、低圧ポンプからの作動油が油タンク内に戻るので、低圧ポンプの抵抗が少なくなると共に、高圧ポンプから高い圧力で作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給することができる。
しかし、前記高低圧二段吐出形の手動ポンプは、大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給する場合であっても、操作ハンドルの押し下げ時に大きさ操作力を必要とし、作業者の肉体的な負担が大きくなると言う問題があった。
特に、吐出側に一定以上の負荷が掛かった状態では、低圧ポンプの抵抗が少なくなっても、高圧ポンプが作動して吐出側油路の油圧が高圧になっているため、操作ハンドルの押し下げ時により大きさ操作力を必要とし、作業者の肉体的な負担がより大きくなると言う問題があった。
特に、吐出側に一定以上の負荷が掛かった状態では、低圧ポンプの抵抗が少なくなっても、高圧ポンプが作動して吐出側油路の油圧が高圧になっているため、操作ハンドルの押し下げ時により大きさ操作力を必要とし、作業者の肉体的な負担がより大きくなると言う問題があった。
本考案は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、高圧ポンプ及び低圧ポンプの両方から大流量の低圧の作動油を供給する場合に操作ハンドルの操作を軽い力で行え、また、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高い圧力になっても、操作ハンドルの操作を軽い力で行えるようにした手動ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る手動ポンプは、棒状の操作ハンドルを上下方向へ揺動操作することにより油タンク内の作動油を高圧ポンプ及び低圧ポンプを備えたポンプ本体により高低圧の作動油として送り出し、吐出側に負荷が掛かってポンプ本体に形成した高圧用吐出油路及び低圧用吐出油路の油圧が一定以上の圧力になったときに高圧吐出に切り替わる高低圧二段吐出形の手動ポンプにおいて、前記手動ポンプは、先端部から一定の距離を置いた部分がポンプ本体にハンドルピンを介して回動可能に支持された上下方向へ揺動可能な棒状の操作ハンドルと、ポンプ本体に起立姿勢で揺動操作可能に支持された切替レバーと、切替レバーに設けた支持ピンに上下方向へ揺動可能に支持され、両端部が高圧ポンプ及び低圧ポンプのプランジャの上端部と操作ハンドルの先端部とにそれぞれ回動可能に連結された作動リンクとを備え、前記切替レバーは、切替レバーに設けた支持ピンが作動リンクに形成した長穴内に長穴の長手方向に沿って移動可能に挿入支持されており、支持ピンが作動リンクの長穴の操作ハンドルの先端部側寄りの位置にある常態位置と、支持ピンが作動リンクの長穴のプランジャ側寄りの位置にある操作力軽減位置とに亘って切替操作可能に構成されていることに特徴がある。
本考案に係る手動ポンプは、ポンプ本体に設けた高圧ポンプ及び低圧ポンプのプランジャとポンプ本体に上下方向へ揺動可能に設けた棒状の操作ハンドルの先端部とを作動リンクで連動連結し、前記作動リンクの中間部をポンプ本体に起立姿勢で揺動操作可能に設けた切替レバーに回動可能に連結しているため、操作ハンドルに加えられた操作力が倍力機構を構成する操作ハンドルと作動リンクにより大きく倍力されてプランジャに伝えられることになる。
その結果、本考案に係る手動ポンプは、高圧ポンプ及び低圧ポンプの両方から大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給する場合であっても、操作ハンドルの押し下げ時に大きさ操作力を必要とせず、作業者の肉体的な負担が軽減されることになる。
その結果、本考案に係る手動ポンプは、高圧ポンプ及び低圧ポンプの両方から大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキや油圧シリンダに供給する場合であっても、操作ハンドルの押し下げ時に大きさ操作力を必要とせず、作業者の肉体的な負担が軽減されることになる。
また、本考案に係る手動ポンプは、作動リンクの中間部を支持する切替レバーが操作ハンドルの先端部側寄りの位置にある常態位置と高圧ポンプ及び低圧ポンプのプランジャ側寄りの位置にある操作力軽減位置とに亘って切替操作可能に構成されているため、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高圧になった場合に、切替レバーを常態位置から操作力軽減位置へ切替操作すると、作動リンクがプランジャに対して梃子として作用し、操作ハンドルの操作力がより大きく倍力されてプランジャに伝えられることになる。
その結果、本考案に係る手動ポンプは、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高圧になっても、切替レバーを切替操作することにより操作ハンドルの操作力を軽減することができ、作業者の肉体的な負担が大幅に軽減されることになる。
その結果、本考案に係る手動ポンプは、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高圧になっても、切替レバーを切替操作することにより操作ハンドルの操作力を軽減することができ、作業者の肉体的な負担が大幅に軽減されることになる。
以下、本考案に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7は本考案の実施形態に係る手動ポンプの一例を示し、当該手動ポンプは、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2を備えたポンプ本体3と、ポンプ本体3に略水平姿勢で設けられ、一端部がスタンド4により支持された作動油を貯留する密閉構造の円筒状の油タンク5と、ポンプ本体3の上面に設けたハンドル用ブラケット6にハンドルピン7を介して上下方向へ揺動自在に支持され、油タンク5の上方位置に油タンク5に沿って配設された棒状の操作ハンドル8と、ポンプ本体3に起立姿勢で且つ操作ハンドル8の長手方向に沿って揺動操作可能に設けた切替レバー9と、切替レバー9に設けた支持ピン10に上下方向へ揺動可能に支持され、両端部が高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2のプランジャ1b,2bと操作ハンドル8の先端部とにそれぞれ回動可能に連結された作動リンク11とを備えており、前記操作ハンドル8と作動リンク11により倍力機構を構成している。
図1〜図7は本考案の実施形態に係る手動ポンプの一例を示し、当該手動ポンプは、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2を備えたポンプ本体3と、ポンプ本体3に略水平姿勢で設けられ、一端部がスタンド4により支持された作動油を貯留する密閉構造の円筒状の油タンク5と、ポンプ本体3の上面に設けたハンドル用ブラケット6にハンドルピン7を介して上下方向へ揺動自在に支持され、油タンク5の上方位置に油タンク5に沿って配設された棒状の操作ハンドル8と、ポンプ本体3に起立姿勢で且つ操作ハンドル8の長手方向に沿って揺動操作可能に設けた切替レバー9と、切替レバー9に設けた支持ピン10に上下方向へ揺動可能に支持され、両端部が高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2のプランジャ1b,2bと操作ハンドル8の先端部とにそれぞれ回動可能に連結された作動リンク11とを備えており、前記操作ハンドル8と作動リンク11により倍力機構を構成している。
また、前記手動ポンプの切替レバー9は、切替レバー9に設けた支持ピン10が作動リンク11に形成した長穴11a内に長穴11aの長手方向に沿って移動可能に挿入支持されており、支持ピン10が作動リンク11の長穴11aの操作ハンドル8の先端部側寄りの位置にある常態位置(図3〜図5参照)と、支持ピン10が作動リンク11の長穴11aのプランジャ1b,2b側寄りの位置にある操作力軽減位置(図1、図6及び図7参照)とに亘って切替操作可能に構成されている。
而して、前記手動ポンプは、建設現場や土木現場等で使用される油圧ジャッキ12等に耐圧ホース13等を介して接続されており、手動ポンプの始動時には、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2により大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキ12等に送ると共に、倍力機構を構成する操作ハンドル8と作動リンク11により操作ハンドル8の操作を軽く行え、また、吐出側に負荷が掛かって吐出側油路の油圧が一定以上の圧力になったときには、高圧ポンプ1により小流量の高圧の作動油を油圧ジャッキ12等に送ると共に、切替レバー9を常態位置から操作力軽減位置に切替操作することにより操作ハンドル8の操作を軽く行えるようにしたものである。
前記ポンプ本体3は、ポンプボディ14と、ポンプボディ14に形成した複数の油路15,17,19,21,23,25,27と、各油路15,17,19,21,23,25,27に介設した複数の弁16,18,20,22,24,26,28と、ポンプボディ14に設けた高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2等を備えている。
前記ポンプボディ14は、ブロック状に形成されており、図3に示す如く、低圧用吸入油路15と、低圧用吸入弁16と、高圧用吸入油路17と、高圧用吸入弁18と、低圧用吐出油路19と、低圧用吐出弁20と、高圧用吐出油路21と、高圧用吐出弁22と、低圧用戻し油路23と、アンロード弁24と、高圧用戻し油路25と、高圧用安全弁26と、作動油戻し油路27と、戻し弁28とを備えている。
前記低圧用吸入油路15は、油タンク5内と低圧ポンプ2の低圧室2cを連通接続して油タンク5内の作動油を低圧室2cに導くものであり、この低圧用吸入油路15には、油タンク5内から低圧室2cへの作動油の流れを許容し、低圧室2cから油タンク5内への作動油の流れを阻止する逆止弁構造の低圧用吸入弁16が設けられている。
前記高圧用吸入油路17は、油タンク5内と高圧ポンプ1の高圧室1cを連通接続して油タンク5内の作動油を高圧室1cに導くものであり、この高圧用吸入油路17には、油タンク5内から高圧室1cへの作動油の流れを許容し、高圧室1cから油タンク5内への作動油の流れを阻止する逆止弁構造の高圧用吸入弁18が設けられている。
前記低圧用吐出油路19は、ポンプボディ14に形成した吐出ポート口14aと低圧用吸入油路15(又は低圧室2c)を連通接続して低圧室2cの低圧の作動油を吐出ポート口14aに導くものであり、この低圧用吐出油路19には、吐出ポート口14a側への作動油の流れを許容し、反対方向の流れを阻止する逆止弁構造の低圧用吐出弁20が設けられている。
前記高圧用吐出油路21は、吐出ポート口14aと高圧用吸入油路17(又は高圧室1c)を連通接続して高圧室1cの高圧の作動油を吐出ポート口14aに導くものであり、この高圧用吐出油路21には、吐出ポート口14a側への作動油の流れを許容し、反対方向の流れを阻止する逆止弁構造の高圧用吐出弁22が設けられている。
前記低圧用戻し油路23は、低圧用吐出弁20の上流側の低圧用吐出油路19に連通接続され、低圧用吐出油路19から作動油を油タンク5に戻すものであり、この低圧用戻し油路23には、作動油が所定の圧力になったときに開放されて低圧ポンプ2からの作動油を油タンク5に戻すアンロード弁24が設けられている。
前記高圧用戻し油路25は、高圧用吐出弁22の上流側の高圧用吐出油路21に連通接続され、高圧用吐出油路21から作動油を油タンク5に戻すものであり、この高圧用戻し油路25には、高圧用戻し油路25内の作動油が所定の圧力になったときに開放されて高圧用吐出油路21内の作動油を油タンク5に戻す高圧用安全弁26が設けられている。尚、高圧用安全弁26の設定圧力は、アンロード弁24の設定圧力よりも高く設定されている。
前記作動油戻し油路27は、低圧用吐出油路19及び高圧用吐出油路21に連通接続され、低圧用吐出油路19及び高圧用吐出油路21から作動油を油タンク5内に戻すものであり、この作動油戻し油路27には、手動操作により開閉操作されて油圧ジャッキ12内の作動油を油タンク5に戻す戻し弁28が設けられている。
前記高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2は、図3に示す如く、内径が二段階になっている単一のシリンダ穴1a,2a内に同じく外径が二段階になっているプランジャ1b,2bを摺動自在に嵌合したものであり、ポンプボディ14の上面に下向きに形成した大径シリンダ穴2aと、大径シリンダ穴2aに上下方向へ摺動自在に嵌合された大径プランジャ2bとにより低圧ポンプ2を形成し、また、大径シリンダ穴2aの底面に下向きに形成され、大径シリンダ穴2aよりも小さい小径シリンダ穴1aと、大径プランジャ2bの下端に一体的に形成され、小径シリンダ穴1aに上下方向へ摺動自在に嵌合された小径プランジャ1bとにより高圧ポンプ1を形成している。
また、一体構造に形成された大径プランジャ2b及び小径プランジャ1bは、大径プランジャ2bの上端部に横長の切欠き溝29を備えており、作動リンク11の先端部(図1に示す作動リンク11の左側端部)に水平姿勢で設けたプランジャピン30を前記切欠き溝29に挿入係止することにより作動リンク11に連動連結されている。
前記操作ハンドル8は、図1及び図2に示す如く、ハンドル棒8aと、ハンドル棒8aの先端部(図1に示すハンドル棒8aの左側端部)に挿着されたハンドルソケット8bと、ハンドル棒8aの基端部(図1に示すハンドル棒8aの右側端部)に設けたグリップ部8cとを備えており、前記ハンドルソケット8bの中間部がポンプ本体3の上面に起立姿勢で設けたハンドル用ブラケット6にハンドルピン7を介して上下方向へ揺動可能に支持されている。その結果、操作ハンドル8は、ハンドルピン7を支点にして上下方向へ揺動操作可能となっている。
前記切替レバー9は、略L字形状に形成されており、中間部分(折れ曲がり部分)がポンプ本体3の上面に設けたレバー用ブラケット31に支持軸32を介して回動可能に支持され、起立姿勢で且つ操作ハンドル8の長手方向に沿って揺動操作可能となっている。尚、レバー用ブラケット31は、ハンドル用ブラケット6とプランジャ11b,2bとの間に配置されている。
また、切替レバー9の上端部と中間部分との間には、作動リンク11の長穴11a内に挿入される支持ピン10が水平姿勢で設けられている。この支持ピン10は、作動リンク11の長穴11a内に長穴11aの長手方向に沿って移動可能に挿入支持されている。
更に、切替レバー9の下端側先端部には、二つの位置決め穴9aが上下方向に所定の間隔を空けて形成されている。この二つの位置決め穴9aは、切替レバー9を揺動操作したときにレバー用ブラケット31に形成したロック穴(図番省略)にそれぞれ合致するように形成されている。
そして、切替レバー9は、支持ピン10が作動リンク11の長穴11aの操作ハンドル8の先端部側寄りの位置にある常態位置(図3〜図5参照)と、支持ピン10が作動リンク11の長穴11aのプランジャ1b,2b側寄りの位置にある操作力軽減位置(図1、図6及び図7参照)とに亘って切替操作可能に構成されており、切替レバー9に形成した上側の位置決め穴9aとレバー用ブラケット31に形成したロック穴とをそれぞれ合致させ、合致した位置決め穴9aとロック穴にロックピン33を挿入することにより常態位置にロックされ、また、切替レバー9に形成した下側の位置決め穴9aとレバー用ブラケット31に形成したロック穴とをそれぞれ合致させ、合致した位置決め穴9aとロック穴にロックピン33を挿入することにより操作力軽減位置にロックされるようになっている。
前記作動リンク11は、二股状に形成されており、作動リンク11の中間部には、切替レバー9の上端部側が縦向き姿勢で挿通されていると共に、円弧状の長穴11aが作動リンク11の長手方向に沿って形成されている。この長穴11aには、切替レバー9に設けた支持ピン10が長穴11aの長手方向に沿って移動可能に挿入支持されている。
更に、作動リンク11の先端部(図1に示す作動リンク11の左側端部)は、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2のプランジャ1b,2bの上端部にプランジャピン30を介して回動可能に連結され、また、作動リンク11の基端部(図1に示す作動リンク11の右側端部)は、操作ハンドル8の先端部に連結ピン34を介して回動可能に連結されている。
即ち、作動リンク11の先端部は、作動リンク11の先端部に水平姿勢で設けたプランジャピン30をプランジャ1b,2bの切欠き溝29に挿入係止することによりプランジャ1b,2bの上端部に回動可能に連結され、また、作動リンク11の基端部は、作動リンク11の基端部に形成したガイド穴11bに操作ハンドル8の先端部に水平姿勢で設けた連結ピン34を挿入係止することにより操作ハンドル8の先端部に回動可能に連結されている。
次に、上述した手動ポンプを用いて建設現場や土木現場等で使用される油圧ジャッキ12に作動油を供給する場合について説明する。
先ず、ポンプ本体3の吐出ポート口14aと油圧ジャッキ12とを耐圧ホース13等により接続すると共に、切替レバー9を常態位置に切替操作し、この状態で操作ハンドル8を上下方向へ揺動操作する(図3参照)。
操作ハンドル8を上下方向へ揺動操作すると、作動リンク11が支持ピン10を支点にして上下方向へ揺動し、作動リンク11に連動連結された高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2のプランジャ1b,2bが上下動して高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2が作動することになる(図4及び図5参照)。
高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2が作動すると、油圧ジャッキ12の頭部が重量物35に当接するまで、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2の両方から油タンク5内の作動油が低圧用吸入油路15、高圧用吸入油路17、低圧用吐出油路19、高圧用吐出油路21、耐圧ホース13を通って油圧ジャッキ12に送られる。
このとき、操作ハンドル8に加えられた操作力は、倍力機構を構成する操作ハンドル8と作動リンク11により大きく倍力されてプランジャ1b,2bに伝えられることになる。即ち、操作ハンドル8の支点となるハンドルピン7と操作ハンドル8のグリップ部9cとの距離がハンドルピン7と連結ピン34との距離に比べて長く設定されているため、操作ハンドル8のグリップ部9cに加えられる操作力が著しく倍力されて作動リンク11に伝えられることになる。
その結果、この手動ポンプは、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2の両方により大流量の低圧の作動油を油圧ジャッキ12に供給する場合であっても、操作ハンドル8の押し下げ時に大きさ操作力を必要とせず、作業者の肉体的な負担が軽減されることになる。
このとき、手動ポンプは、切替レバー9を常態位置に切替操作しているため、支持ピン10とプランジャピン30との距離が長くなってプランジャ1b,2bのストロークが大きくなり、低圧大吐出ポンプとして機能する。
そして、油圧ジャッキ12の頭部が重量物35に当接すると、低圧用吐出油路19及び高圧用吐出油路21の圧力が上昇し、低圧ポンプ2からの作動油が低圧用吐出油路19からアンロード弁24を通って油タンク5に戻されると共に、高圧ポンプ1から吐出される高圧の作動油のみが高圧用吐出油路21及び耐圧ホース13を通って油圧ジャッキ12に供給される。
吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側の油圧が高圧になったら、切替レバー9を常態位置から操作力軽減位置へ切替操作し、この状態で操作ハンドル8を上下方向へ揺動操作する(図6及び図7参照)。
このとき、切替レバー9を操作力軽減位置に切替操作しているため、支持ピン10とプランジャピン30との距離が支持ピン10と連結ピン34との距離よりも短くなり、作動リンク11がプランジャ1b,2bに対して梃子として作用し、操作ハンドル8の操作力がより大きく倍力されてプランジャ1b,2bに伝えられることになる。
その結果、この手動ポンプは、切替レバー9を操作力軽減位置に切替操作しているため、吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高圧になっても、操作ハンドル8の操作力を軽減することができ、作業者の肉体的な負担が大幅に軽減されることになる。
このとき、手動ポンプは、切替レバー9を操作力軽減位置に切替操作しているため、プランジャ1b,2bのストロークが小さくなり、高圧小吐出ポンプとして機能する。
このように、前記手動ポンプは、高圧ポンプ1及び低圧ポンプ2の両方から大流量の低圧の作動油を供給する場合や吐出側に一定以上の負荷が掛かって吐出側油路の油圧が高い圧力になった場合でも、操作ハンドル8の操作を軽い力で行うことができる。
1は高圧ポンプ、1aは小径シリンダ穴、1bは小径プランジャ、1cは高圧室、2は低圧ポンプ、2aは大径シリンダ穴、2bは大径プランジャ、2cは低圧室、3はポンプ本体、4はスタンド、5は油タンク、6はハンドル用ブラケット、7はハンドルピン、8は操作ハンドル、8aはハンドル棒、8bはハンドルソケット、8cはグリップ部、9は切替レバー、9aは位置決め穴、10は支持ピン、11は作動リンク、11aは長穴、11bはガイド穴、12は油圧ジャッキ、13は耐圧ホース、14はポンプボディ、14aは吐出ポート口、15は低圧用吸入油路、16は低圧用吸入弁、17は高圧用吸入油路、18は高圧用吸入弁、19は低圧用吐出油路、20は低圧用吐出弁、21は高圧用吐出油路、22は高圧用吐出弁、23は低圧用戻し油路、24はアンロード弁、25は高圧用戻し油路、26は高圧用安全弁、27は作動油戻し油路、28は戻し弁、29は切欠き溝、30はプランジャピン、31はレバー用ブラケット、32は支持軸、33はロックピン、34は連結ピン、35は重量物。
Claims (1)
- 棒状の操作ハンドル(8)を上下方向へ揺動操作することにより油タンク(5)内の作動油を高圧ポンプ(1)及び低圧ポンプ(2)を備えたポンプ本体(3)により高低圧の作動油として送り出し、吐出側に負荷が掛かってポンプ本体(3)に形成した高圧用吐出油路(21)及び低圧用吐出油路(19)の油圧が一定以上の圧力になったときに高圧吐出に切り替わる高低圧二段吐出形の手動ポンプにおいて、前記手動ポンプは、先端部から一定の距離を置いた部分がポンプ本体(3)にハンドルピン(7)を介して回動可能に支持された上下方向へ揺動操作可能な棒状の操作ハンドル(8)と、ポンプ本体(3)に起立姿勢で揺動操作可能に支持された切替レバー(9)と、切替レバー(9)に設けた支持ピン(10)に上下方向へ揺動可能に支持され、両端部が高圧ポンプ(1)及び低圧ポンプ(2)のプランジャ(1b),(2b)の上端部と操作ハンドル(8)の先端部とにそれぞれ回動可能に連結された作動リンク(11)とを備え、前記切替レバー(9)は、切替レバー(9)に設けた支持ピン(10)が作動リンク(11)に形成した長穴(11a)内に長穴(11a)の長手方向に沿って移動可能に挿入支持されており、支持ピン(10)が作動リンク(11)の長穴(11a)の操作ハンドル(8)の先端部側寄りの位置にある常態位置と、支持ピン(10)が作動リンク(11)の長穴(11a)のプランジャ(1b),(2b)側寄りの位置にある操作力軽減位置とに亘って切替操作可能に構成されていることを特徴とする手動ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2016002270U JP3205514U (ja) | 2016-05-18 | 2016-05-18 | 手動ポンプ |
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JP2016002270U JP3205514U (ja) | 2016-05-18 | 2016-05-18 | 手動ポンプ |
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JP3205514U true JP3205514U (ja) | 2016-07-28 |
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ID=56513181
Family Applications (1)
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