JP3204728U - 雨具 - Google Patents

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Abstract

【課題】フード部分のバンド部の長さ調整が容易で、フード部分が風で脱げるのを防止出来、且つ、フード部分が顔の左右への移動に追随可能な雨具を提供する。【解決手段】バンド部2は、一端部2E1より長さ調整器具5を通じて貫通孔4Aを貫通することでフード部分1Dの背面部分の裏面側に入り込み、布帯部6を介して、フード部分1Dの裏面の右耳上方の第1部分1DP1へ向けて裏面1DISに沿って延在しており、第1部分1DP1よりバンド支持部3へ向けて正面部分の裏面1DISの内の額に対面する部分に沿って延在している。バンド部2は、左耳上方のフード部分1Dの裏面1DISの第2部分1DP2へ向けて額対面部分に沿って延在し、更に第2部分1DP2より布帯部6を介して貫通孔4Bへ向けて背面部分の裏面1DISに沿って延在し、貫通孔4Bを貫通した後に長さ調整器具5を通じて他端部2E2まで延在している。【選択図】図3

Description

この考案は、雨具の構造に関する。
雨具の着用者が雨具のフード部分を被った場合に於いて、1)フード部分を紐で結ぶ必要性が無く、2)フード部分が風に煽られて脱げてしまうことが無くて、且つ、3)顔を横に向けてもフード部分が顔の当該動きに追随して視界を妨げることが無い、雨具が、提案されている(例えば特許文献1を参照。)。斯かるフード部分を具備した雨具は、例えば釣り・ハイキング・バードウォッチング・野外でのカメラ撮影・ゴルフ等の種々の野外活動を行う人が、雨具を着用し、且つ、フード部分をも着用する場合に、最適な雨具を提供し得る。
実用新案登録第3196478号公報 特開2012−001872号公報
しかしながら、特許文献1に於いて提案されている雨具は、以下の諸問題点を有している。
第一に、雨具着用者の頭部のサイズ等に応じたバンド部分の長さ調整が容易ではなくて調整に時間がかかる結果、調整が面倒であるという問題点がある。
加えて、ゴムのバンド部分とフード部分の内面生地との各取付け手段として面ファスナーが採用されている場合には、各面ファスナーの生地への縫い合わせ部分の場所に於いて調整後のバンド部分が反りかえってしまうという問題点もある。
更に、上記の面ファスナーが取り付け手段に採用されている場合には、当該フード部分を雨具本体の収納袋内に巻き付けて収納する際に、各面ファスナーが障害物として収納の邪魔となるために、フード部分が当該収納袋内に入りにくいという問題点もある。
この考案は、以上の問題点に鑑みて成されたものである。その主目的は、1)雨具着用者の頭部のサイズに応じたバンド部分の調整が反りかえる事無くワンタッチ動作で自在に行えて収納袋への収納も容易なフード部分を有すると共に、2)フード部分を紐で結ぶ必要性が無く、3)フード部分が風に煽られて脱げてしまうことが無くて、4)顔を横に向けてもフード部分が顔の当該動きに追随して視界を妨げることが無い、雨具を提案する点にある。
本考案の主題に係る雨具は、A)フード部分と、B)バンド部と、C)前記フード部分の前頭部側の正面部分の内で、雨具装着者が前記フード部分を前記雨具装着者の頭部に被った際の前記雨具装着の額の略中央部分に対面する部分の裏面に配設されている、前記バンド部を支持するためのバンド支持部と、D)前記フード部分の内の後頭部側の背面部分に貫設された第1貫通孔及び第2貫通孔と、E)バンド長さ調整器具と、を備えており、前記バンド部は、1)その一端部より前記第1貫通孔へ向けて外空間を延在して前記第1貫通孔を貫通することで前記フード部分の前記背面部分の表面側より前記フード部分の前記背面部分の裏面側に入り込んでおり、2)更に、前記雨具装着者の前記頭部の内の一方の耳の近隣上部に該当する第1耳近隣頭部側に位置する前記フード部分の前記正面部分の前記裏面の第1部分へ向けて、前記背面部分の前記裏面に沿って延在すると共に、3)前記正面部分の前記裏面の前記第1部分より前記バンド支持部へ向けて前記正面部分の前記裏面の内の前記雨具装着の前記額に対面する部分に沿って延在して前記バンド支持部によって支持されて前記正面部分の前記裏面に配設されており、4)更に、前記バンド支持部より、前記雨具装着者の前記頭部の内の他方の耳の近隣上部に該当する第2耳近隣頭部側に位置する前記フード部分の前記正面部分の前記裏面の第2部分へ向けて、前記正面部分の前記裏面の内の前記雨具装着の前記額に対面する部分に沿って延在しており、5)更に、前記正面部分の前記裏面の前記第2部分より前記第2貫通孔へ向けて前記背面部分の前記裏面に沿って延在して前記第2貫通孔を貫通して前記フード部分の前記後頭部側の前記表面の前記外空間に飛び出すと共に、6)前記第2貫通孔より、前記一端部と一体的に結合されている他端部に向けて前記外空間を延在しており、前記バンド長さ調整器具は、前記バンド部の内の、前記一端部から前記第1貫通孔へ向けて延在した第1延在部分及び前記第2貫通孔より前記他端部へ向けて延在した第2延在部分に対して、第1延在部分及び前記第2延在部分への締め付け動作及び開放動作を通じてスライド自在に配設されていることを特徴とする。
本考案の主題に係る雨具によれば、雨具装着者は、フード部分を頭に被りつつ、バンド部の第1及び第2延在部分を引っ張った状態でバンド長さ調整器具をスライド移動させることで、ワンタッチ動作で以って、速やかに且つ容易に、フード部分の裏面側に配設されているバンド部の部分の長さを適切に調整することが出来る。そのため、雨具装着者は、フード部分を容易に収納袋へ収納することも出来る。
その場合に於いて、雨具装着者の前頭部側のバンド部は、雨具装着者の額部分に密接しつつ、各耳の少し上方近傍領域に向かって延在しており、且つ、後頭部側のバンド部も、各耳の少し上方近傍領域より、雨具装着者の頭の後頭部に密接して延在している。従って、バンド部は、雨具装着者の額部分に直接に接触した密着状態で制止されている。そのため、フード部分の耳側両部分は、恰も、帽子(Cap)の様に、雨具装着者の両耳に対して開いた状態となって、当該両耳を覆うことなく、両耳を、外音を的確に聞き取れる開放状態とする。しかも、前頭部側のバンド部は雨具装着者の額部分に於いて密接された状態で不動状態にあるので、風が吹いてもフード部分が風に煽られて脱げてしまうことが無く、且つ、顔を横に向けてもフード部分が顔の当該動きに追随して視界を妨げることが無い。そして、フード部分の着用時には、フード部分を帽子(Cap)の様に被れば良いだけであり、フード部分を一々紐で結ぶ必要性は無い。
この様に、雨具装着者は、自転車の搭乗時又は釣り等のアウトドア活動時等の様々な場面に於いて、帽子(Cap)を被っている様な感覚で以ってフード部を頭に被りつつ、バンド長さ調整器具をスライド移動させるだけで、確実に上記の諸効果を得ることが出来る。
以下、本考案の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
本考案の実施の形態1に係る雨具を雨具装着者の前方から眺めた際の、当該雨具の正面視の構造を模式的に示す正面図である。 図1に記載の雨具のフード部分の裏面側に取り付けられたバンド部を透視しつつ当該フード部分の前頭部側の正面部分を模式的に示す拡大正面図である。 図1に記載の雨具のフード部分の裏面側に取り付けられて外空間に飛び出しているバンド部を部分的に透視して描きつつ当該フード部分の後頭部側の背面部分を模式的に示す拡大背面図である。
(実施の形態1)
<雨具の特徴点>
本実施の形態に係る雨具の特徴点は、そのフード部分の構造にある。大要、バネ機構によりスライド自在な長さ調整器具(例:コードストッパー)によるスライド動作を介して、その長さがワンタッチ動作で調整可能なバンド部(例:ゴムバンド)が、フード部分に対して、次の通りに配設されている。即ち、バンド部は、フード部分の後頭部側の外空間より上記長さ調整器具を介してフード部分の裏面側に侵入し、その後、フード部分の前頭部側の裏面の内の、頭部の額部分に対面・相当する部分を延在しつつ再びフード部分の後頭部側に戻り、当該後頭部側より上記長さ調整器具を介して外空間に延在する様に、配設されている。
<雨具の構造>
図1は、本実施の形態に係る雨具1を、その前方から眺めた際の、当該雨具1の正面視の構造を模式的に示す正面図である。ここで、雨具1の種類・材質等は、何ら、限定されるものではない。
図1に於いて、雨具1は、大要、胴体部1A、左右の袖部1B,1C及びフード部分1Dを有する。ここで、胴体部1Aの首回り部分に結合したフード部分1Dは、未使用時には丸められて収納可能な、ファスナー付きのタイプのものでも良い。
図1の正面視に於いては、図示及び理解の便宜上、フード部分1Dは、広げられた状態にあって、且つ、頭部に着用可能な状態として描かれている。又、図1に於いては、本実施の形態の中核的な構成要素である各部2,3,4,5が、図示の便宜上、破線で描かれている。
図1に示される様に、概要、バンド部2は、フード部分1Dの前頭部側の裏面に固設されたバンド支持部3によって支持されて当該裏面に固設された上で、フード部分1Dの前頭部側の裏面の内の、頭部の額に対面・相当する部分に沿って延在しつつ更にフード部分1Dの後頭部側の裏面に貫設された2個の貫通孔4を通じて後頭部側のフード部分1Dの表面の外空間に向けて延在している。従って、実質的には、バンド部2は、バンド支持部3及び2個の貫通孔4によって、3点支持された状態で、フード部分1Dの裏面側に設けられている。そして、上記外空間に飛び出しているバンド部2の延在部分の途中には、当該バンド部2の延在部分に沿って上下にスライド可能なバンド部2の長さ調整用のバンド長さ調整器具5が、取り付けられている。
上記の概略記載の通り、バンド部分2は、雨具装着者の顔の額部分(睫毛と、上部の髪の生え際部分との間の部分)に沿って緩やかに湾曲しながら延在しつつ、フード部分1Dの前頭部側及び後頭部側の両裏面側に延在・配設されている。尚、バンド部2それ自体は、単体では、湾曲形状を有するものではない。上記のバンド部分2の配設・位置関係及び構成並びにバンド長さ調整器具5の配設は、後述する通り、人の頭部の大きさの違いに応じて又は人の額部への圧力値の調整に応じて、バンド部2の長さ調整を可能にする。
ここで、バンド部2の材質・種類は限定されるものではない。望ましくは、肌触りの良さ及び人の頭部の額への適度な圧力の観点から、伸縮自在なゴムバンドの様な弾性体のバンドが、バンド部2として用いられる。特に、ゴムバンドより成るバンド部2は、適度な張りを以って人の頭部に当接するため、フード着用時にバンド部2がずれて垂れ落ちない(バンド部2の垂れ下がりの防止。)という利点を奏する。ゴムバンド等の弾性体より成るバンド部2の縦断面は、例えば、円形である。或いは、ゴムバンドに代えて、布製のバンド、又は、ウェットスーツの生地のバンドが、バンド部2として用いられても良い。
ゴムバンドの様な弾性体のバンド部2の変形例として、その縦断面形状が四角形であるものをバンド部2として用いることも出来る。斯かる変形例の場合には、バンド部2が、フード部分1Dを被る雨具装着者の頭部の額と面接触する状態にあるので、当該雨具装着者の額に、バンド部2との接触跡が付きにくいという利点が得られる。
以下では、図2及び図3に基づいて、本実施の形態に係る雨具1の中核部分であるフード部分1Dの構成について詳述する。
<フード部分1Dの構造>
図2は、雨具1のフード部分1Dの裏面1DISに設けられたバンド部2を部分的に透視して示しつつ、フード部分1Dの正面視に於ける構造を模式的に示す拡大正面図である。又、図3は、雨具1のフード部分1Dの裏面1DIS側に設けられつつ表面1DOSの外空間に飛び出しているバンド部2を部分的に透視して描きつつ、フード部分1Dの後頭部側の背面部分を模式的に示す拡大背面図である。図2及び図3に於いて、参照符号1DTPはフード部分1Dの頭上部分であり、参照符号1FSはフード部分1Dの顔が出る枠部の頭部の額側の上縁部である。尚、図2及び図3に示されるバンド部2の取付け構造は、一例である。
図2及び図3に例示される様に、フード部分1Dは、バンド支持部3、バンド部2、帯状で中空の布帯部6、第1貫通孔4A、第2貫通孔4B、及び、バンド長さ調整器具5を有する。各部分2,3,4A,4B,5,6の詳細は、以下の通りである。
A)先ず、バンド支持部3の一端部3Eが、縫合等の取付け手段によって、フード部分1Dの前頭部側の正面部分の裏面1DISの内で、雨具装着者がフード部分1Dを当該雨具装着者の頭部に被った際の雨具装着者の額の略中央部分に対面・相当する部分に、取り付けられている(縫着)。そして、バンド支持部3は、同部3の中央部分から同部3の他端部側に至る部分に、バンド部2を通すための貫通孔3Pを成す支持部分を有している。この貫通孔3P内にバンド部2が通されて成る支持状態に於いて、バンド部2は、当該支持部分と共に、雨具装着者の額の略中央部分に対面するフード部分1Dの前頭部側の正面部分の裏面1DISの部分に、縫合等の取付け手段によって固設されている。ここで、バンド支持部3は、例えば、肌触りの良さの観点から、布生地の部材より構成される。或いは、変形例として、バンド支持部は、上記の様にフード部分1Dに固設されているのではなくて、貫通孔を有しつつバンド部2の延在方向に沿って延びる幅広型の部材より成る支持部でも良い。この場合に於いて、当該変形例に係るバンド支持部は、雨具装着者がフード部分1Dを当該雨具装着者の頭部に被った際の雨具装着者の額の略中央部分に対面・相当する裏面1DISの部分に、ずれることなく、位置決めされて配設されている。そして、バンド部2は、当該変形例に係るバンド支持部の上記貫通孔に通されて位置決めされている。この意味で、上記のバンド支持部3及び当該変形例に係るバンド支持部は、共に、雨具装着者がフード部分1Dを当該雨具装着者の頭部に被った際の雨具装着者の額の略中央部分に対面・相当する裏面1DISの部分に、配設されている。
斯かる支持部分を介した支持・固設(ないしは配設)によって、バンド支持部3は、バンド部2を上記額略中央部分に対面・相当する部分に位置決めして支持する。そのため、バンド支持部3は、バンド部2が左右に非対称に横ずれして垂れ落ちる状態の発生を効果的に防止することが出来るという利点を奏する。このバンド部2の垂れ落ち防止の利点により、例えばメガネを装着している雨具装着者がフード部分1Dを被る際に、バンド部2が当該メガネに引っ掛かるという事態が生じることは無い。
尚、バンド支持部3を介さない変形例として、バンド部2を、直接に、フード部分1Dの前頭部側の正面部分の裏面1DISの内の、雨具装着者の額の略中央部分に対面・相当する部分に、縫合等の手段によって固設・支持しても良い。この変形例の場合に於いては、バンド部2をフード部分1Dの裏面1DISの上記額略中央対面部分に取付けるための縫合等の手段の部分が、「バンド部を支持・固定するためのバンド支持部」を構成することとなる。
B)又、フード部分1Dの内の後頭部側の背面部分の略中央部分には、フード部分1Dの当該背面部分の生地を貫通して成る第1貫通孔4A及び第2貫通孔4Bが、所定の間隔を空けて互いに対峙する様に、設けられている。これらの貫通孔4A,4Bは、当該孔にバンド部2を通すためのものであり、当該貫通状態を通じてバンド部2を実質的に支持している。
C)そして、図2に示す様に、フード部分1Dの正面視に於いて第1貫通孔4A及び第2貫通孔4Bを被覆する配置ないしは態様で以って、フード部分1Dの内の後頭部側の背面部分の略中央部分及びその左右側部分には、その中にバンド部2を通すために中空空間を成している帯状の布製の布帯部6の長手方向周縁部分が、例えば縫合手段によって、取り付けられている(縫着)。即ち、布帯部6は「トンネル部分」を成しており、布帯部6の開口された両端部6EA,6EBより、バンド部2は、布帯部6の内部の中空空間内に侵入し、或いは、当該内部の中空空間より外へ向けて飛び出すこととなる。尚、布帯部6は、以下の利点を奏する部分ではあるが、必須の構成要素ではなく、任意の構成要素であって、布帯部6を設けない変形例を採用しても良い。
ここで、帯状の布帯部6を後頭部側の裏面1DIS上に設ける点の利点について記載しておく。即ち、帯状の布帯部6は、後頭部側の裏面1DISに沿って延在するバンド部2の適切な位置決め機能部を担うため、後頭部側でバンド部2が垂れ落ちるのを確実に防止し得るという利点を奏する。しかも、正面視に於いて、布帯部6は第1貫通孔4A及び第2貫通孔4Bを被覆しているため、雨具装着者がフード部分1Dを被った際に、当該雨具装着者の後頭部側の頭髪が第1貫通孔4A及び第2貫通孔4Bに入って両貫通孔4A,4Bを塞いてしまう事態の発生を未然に防止し得るという利点をも奏する。
D)更に、フード部分1Dの内の後頭部側の背面部分の外空間内には、バンド長さ調整器具5が、次の通りに、設けられている。即ち、バンド長さ調整器具5は、バンド部2の内の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2(図2参照。)の両部分を挟み込んで上下方向D1(図3参照。)に沿ってスライド自在となる様に、第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2に取付けられている。換言すれば、バンド長さ調整器具5は、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2に対して、第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2への締め付け動作及び開放動作を通じて、上下方向D1に沿ってスライド自在に配設されている。このバンド長さ調整器具5は、バンド部2の長さを、雨具装着者自身の手によるワンタッチ動作を通じて、可変・調整する機能を呈する器具である。ここで、第1延在部分2EP1は、バンド部2の内の、一端部2E1から第1貫通孔4Aへ向けて延在した部分であり、第2延在部分2EP2は、バンド部2の内の、第2貫通孔4Bよりバンド部2の他端部2E2へ向けて延在した部分に該当する。
バンド長さ調整器具5の具体的な構成例は、所謂「コードストッパー」であり、詳細な構造は次の通りである。即ち、バンド長さ調整器具5は、その中核部として、雨具装着者自身の手の押し動作による押圧の有無に応じて横方向D2(図3参照。)に移動可能な押釦部5Bを有している。この押釦部5Bは、その中央部に貫通孔(図示せず。)を有しており、押釦部5Bの底部5BSには弾性体のバネ5Eが当接する態様で以って配設されている。そして、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2の両部分は、バンド長さ調整器具5の上部側貫通孔(図示せず。)を貫通した後に、押釦部5Bの上記貫通孔内を貫通する態様で以って通っており、押釦部5Bの上記貫通孔を出た後にはバンド長さ調整器具5の下部側貫通孔(図示せず。)を貫通・通過している。そのため、押釦部5Bが押圧を受けていない通常の状態では、バネ5Eが延びた状態で押釦部5Bの底部5BSを押しているために、押釦部5Bの上記貫通孔内で、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2の両部分は、締め付けられた状態にある結果、不動状態(スライド不可状態)にある。それに対して、雨具装着者自身の手の押し動作による押圧が押釦部5Bに加わって、押釦部5Bがバネ5Eの方へと移動すると、押釦部5Bの底部5BSより押圧を受けるバネ5Eは収縮することとなり、その結果、押釦部5Bの上記貫通孔内で、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2の両部分は、締め付けられていないフリーな開放状態となる。この押釦部5Bへの押圧印加状態を保ちつつ、雨具装着者は、バンド長さ調整器具5を、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2の両部分に沿って、即ち、上下方向D1に沿ってスライドさせながら移動させることが出来る。そして、雨具装着者が押釦部5Bへの押圧印加状態を止めると、バンド部2の第1延在部分2EP1及び第2延在部分2EP2は共に、収縮していたバネ5Eの戻り動作によって再び通常の締め付けられた不動状態となり、以って、フード部分1D内を延在・配置されているバンド部2の部分の長さが可変・調整されることとなる。
E)次に、バンド部2は、フード部分1Dの裏面1DIS側の内部及びフード部分1Dの表面1DOS側の外空間に於いて、次の通りの位置関係に設定されて配設されている。
1)先ず、バンド部2は、その一端部2E1より第1貫通孔4Aへ向けて外空間を延在して第1貫通孔4Aを貫通することで、フード部分1Dの背面部分の表面1DOS側よりフード部分1Dの背面部分の裏面1DIS側に入り込んでいる。
2)更に、バンド部2は、第1貫通孔4Aよりフード部分1Dの背面部分の裏面1DIS側に入り込んだ後、雨具装着者の頭部の内の、一方の耳EAR1の近隣上部に該当する「第1耳近隣頭部」側に位置する、フード部分1Dの正面部分の裏面1DISの第1部分1DP1へ向けて、布帯部6の中空の内部空間内を通り抜けつつ、背面部分の裏面1DISに沿って延在して配設されている。
3)更に、バンド部2は、フード部分1Dの正面部分の裏面1DISの第1部分1DP1より、バンド支持部3の上記支持部分へ向けて、正面部分の裏面1DISの内の、雨具装着者の額部分(顔の睫毛と頭髪生え際部分との間の部分)に対面・相当する部分に沿って延在しつつ、バンド支持部3の上記支持部分にまで至る。既述の通り、バンド部2は、バンド支持部3の上記支持部分によって支持・固設されている。
4)更に、バンド部2は、バンド支持部3より、雨具装着者の頭部の内の、他方の耳EAR2の近隣上部に該当する「第2耳近隣頭部」側に位置する、フード部分1Dの正面部分の裏面の第2部分1DP2へ向けて、正面部分の裏面1DISの内の、雨具装着者の上記額部分に対面・相当する部分に沿って延在して配設されている。
5)更に、バンド部2は、正面部分の裏面1DISの第2部分1DP2より、第2貫通孔4Bへ向けて、布帯部6の他方の端部6EBより布帯部6の中空の内部空間内に入り込んで当該内部空間内を通りつつ、フード部分1Dの背面部分の裏面1DISに沿って延在して配設されている。そして、バンド部2は、当該延在状態より第2貫通孔4Bを貫通して、更に、フード部分1Dの後頭部側の表面1DOSの上記外空間に飛び出している。
6)そして、バンド部2は、第2貫通孔4Bより飛び出した後は、結び目である結合部2CPを介して一端部2E1と一体的に結合されている他端部2E2に向けて、上外空間を延在・配設されている。
尚、変形例として、図3の四角枠VE内に図示されている様に、バンド部2はそれ自体が1本のバンド(例:1本のゴムバンド)より成る物であっても良い。この場合には、バンド部2の一端部2E1と他端部2E2とは同一部分となる。本実施の形態では、「一端部2E1と一体的に結合されている他端部2E2」とは、この変形例の場合の結合状態をも含む概念として定義される。
以上の通り、バンド部2は、フード部分1Dの装着時に、雨具装着者の頭部の額部分に沿ってフード部分1Dの裏面1DIS側を延在配置されつつ双方の耳の少し上側領域を通った上で、雨具装着者の後頭部側を一周して戻ってくる、1本の繋がったバンドとしての状態ないしは態様を有する。そのため、フード部分1Dを装着している雨具装着者は、恰も、帽子(Cap)を頭に被っている感覚で、フード部分1Dを被ることが出来る。その結果、フード部分1Dの装着時に、雨具装着者の両耳はフード部分1Dで覆われて塞がれてしまうことは無くて開放状態となっており、雨具装着者は、開放状態の両耳を通じて外部の音を良く聞こえることが出来るので、快適な気分で以ってフード部分1Dを被ることが出来る。勿論、フード部分1Dの装着時にメガネが曇ることも無い。
<雨具1のフード部分1Dの着用時の説明>
雨具装着者が雨具1のフード部分1Dを頭に被った場合を考える。その場合には、雨具装着者の前頭部側ないしは正面側のバンド部2は、当該雨具装着者の上記額部分に当接・密着(以下「密接」という。)しつつ、各耳の少し上方近傍領域に向かって延在しており、且つ、後頭部側のバンド部2も、各耳の少し上方近傍領域より、雨具装着者の頭の後頭部に密接して延在している。従って、バンド部2は、当該雨具装着者の額の部分に直接に接触した密着状態で制止されている。そのため、フード部分1Dの耳側両部分は、恰も、帽子(Cap)の様に、雨具装着者の両耳に対して開いた状態となって、当該両耳を覆うことなく、両耳を、外音を的確に聞き取れる開放状態とする。しかも、前頭部側のバンド部2は雨具装着者の額部分に於いて密接された状態で不動状態にあるので、風が吹いてもフード部分1Dが風に煽られて脱げてしまうことが無く、且つ、顔を横に向けてもフード部分1Dが顔の当該動きに追随して視界を妨げることが無い。そして、フード部分1Dの着用時に、フード部分1Dを一々紐で結ぶ必要性は無い。この様に、雨具装着者は、自転車の搭乗時又は釣り等のアウトドア活動時等に於いて、フード部1Dを頭に被るだけで確実に上記の諸利点を得ることが出来る。
その上で、フード部分1Dを頭に被りつつ雨具装着者は、フード部分1Dの後頭部側の背面部分の表面1DOSより外空間に飛び出しているバンド部2の第1及び第2延在部分2EP1,2EP2を引っ張りつつ、バンド長さ調整器具5の押釦部5Bを押しながら、バンド長さ調整器具5を第1及び第2延在部分2EP1,2EP2に沿って上下方向D1にスライド移動させる。そして、雨具装着者は、自己の頭又は頭部分の寸法にフード部分1Dが密着して適切にフィットしたと判断した段階で、バンド長さ調整器具5の押釦部5Bの押動作を止めてバンド部2の第1及び第2延在部分2EP1,2EP2を手放せば良い。この様なフード部分1Dを頭に被りながらのワンタッチ動作で以って、雨具装着者は、速やかに且つ容易に、フード部分1Dの裏面1DIS側に配設されているバンド部2の部分の長さを適切に調整することが出来る。このバンド部2の長さ調整動作時に於いても、正面側のバンド部2は、雨具装着者の額部分に密接して配設されており、額部分との当接によって制止された状態を維持している。
斯かる機能ないしは利点は、1)雨具装着者が帽子(Cap)を被ってフード部分1Dを被る際に、或いは、2)風(風力)が強いためにフード部分1Dをより強く頭部にフィットさせたいと思う場合等に、当該機能の適用により、好適な結果を生み出す。
(付記)
以上、本考案の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本考案の適用可能な局面を例示したものであって、本考案はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この考案の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
本考案は、例えば、自転車に乗車している人、雨降りの日に歩行している人、又は、釣り・カメラ撮影・バードウォッチング等のレジャー活動乃至は趣味の活動をしている人が着用する雨具に適用して好適である。
1 雨具
1D フード部分
1DIS 裏面
1DOS 表面
1DP1 第1部分
1DP2 第2部分
2 バンド部
2E1 一端部
2E2 他端部
2EP1 第1延在部分
2EP2 第2延在部分
3 バンド支持部
4 貫通孔
4A 第1貫通孔
4B 第2貫通孔
5 バンド長さ調整器具
5B 押釦部
5E バネ
6 帯状の布帯部
6EA 布帯部の一端部
6EB 布帯部の他端部

Claims (3)

  1. フード部分と、
    バンド部と、
    前記フード部分の前頭部側の正面部分の内で、雨具装着者が前記フード部分を前記雨具装着者の頭部に被った際の前記雨具装着の額の略中央部分に対面する部分の裏面に配設されている、前記バンド部を支持するためのバンド支持部と、
    前記フード部分の内の後頭部側の背面部分に貫設された第1貫通孔及び第2貫通孔と、
    バンド長さ調整器具と
    を備えており、
    前記バンド部は、
    1)その一端部より前記第1貫通孔へ向けて外空間を延在して前記第1貫通孔を貫通することで前記フード部分の前記背面部分の表面側より前記フード部分の前記背面部分の裏面側に入り込んでおり、
    2)更に、前記雨具装着者の前記頭部の内の一方の耳の近隣上部に該当する第1耳近隣頭部側に位置する前記フード部分の前記正面部分の前記裏面の第1部分へ向けて、前記背面部分の前記裏面に沿って延在すると共に、
    3)前記正面部分の前記裏面の前記第1部分より前記バンド支持部へ向けて前記正面部分の前記裏面の内の前記雨具装着の前記額に対面する部分に沿って延在して前記バンド支持部によって支持されて前記正面部分の前記裏面に配設されており、
    4)更に、前記バンド支持部より、前記雨具装着者の前記頭部の内の他方の耳の近隣上部に該当する第2耳近隣頭部側に位置する前記フード部分の前記正面部分の前記裏面の第2部分へ向けて、前記正面部分の前記裏面の内の前記雨具装着の前記額に対面する部分に沿って延在しており、
    5)更に、前記正面部分の前記裏面の前記第2部分より前記第2貫通孔へ向けて前記背面部分の前記裏面に沿って延在して前記第2貫通孔を貫通して前記フード部分の前記後頭部側の前記表面の前記外空間に飛び出すと共に、
    6)前記第2貫通孔より、前記一端部と一体的に結合されている他端部に向けて前記外空間を延在しており、
    前記バンド長さ調整器具は、
    前記バンド部の内の、前記一端部から前記第1貫通孔へ向けて延在した第1延在部分及び前記第2貫通孔より前記他端部へ向けて延在した第2延在部分に対して、第1延在部分及び前記第2延在部分への締め付け動作及び開放動作を通じてスライド自在に配設されている
    ことを特徴とする、雨具。
  2. 請求項1に記載の雨具であって、
    前記フード部分の前記正面部分の正面視に於いて前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔を被覆する様に、前記フード部分の前記背面部分の前記裏面に取付けられている長手方向周縁部、及び、開口された一端部から開口された他端部まで延在した中空の内部空間を有する帯状の布帯部を
    更に備えており、
    前記バンド部は、
    前記第1貫通孔を通じて前記フード部分の前記背面部分の前記裏面側に入り込んだ後に、前記布帯部の前記内部空間内を前記布帯部の前記一端部に向かって延在しており、当該一端部より飛び出した後に前記フード部分の前記正面部分の前記裏面の前記第1部分へ向けて前記背面部分の前記裏面に沿って延在している一方、
    前記バンド部は、
    前記正面部分の前記裏面の前記第2部分より前記第2貫通孔へ向けて前記背面部分の前記裏面に沿って延在しつつ前記布帯部の前記他端部より前記布帯部の前記内部空間内に入り込んだ後、前記布帯部の前記内部空間内を前記第2貫通孔へ向けて延在して前記第2貫通孔より前記外空間へ飛び出している
    ことを特徴とする、雨具。
  3. 請求項1又は2に記載の雨具であって、
    前記バンド部の縦断面形状は四角形である
    ことを特徴とする、雨具。

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