JP3204503U - 拡大観察装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能な拡大鏡を用いつつも使用者の負担をかけず調整が容易な拡大観察装置を提供する。【解決手段】手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置100であって、拡大鏡10、拡大鏡10を正置したとき下方向が開口する逆U字形の連結部20、拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更する際使用者によって操作されるグリップ部30、グリップ部30に接続された先端関節51、該先端関節51に連接された複数のアーム及び該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む支持部50を備える。拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30の相互の位置関係は一のユニットとして固定化され、グリップ部30が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更される。グリップ部30は、拡大鏡10に対して、該使用者が拡大鏡10に眼を当てながら該使用者の手が届く範囲の距離に位置する。【選択図】図1
Description
本考案は、拡大観察装置に関する。
昨今、外科系診療科を中心に若い入局者が減り、医療現場における医師不足が指摘されている。一方で、優れた技術と豊富な経験を有しながら老視等の調節障害があって手術等を続けることができないベテラン医師も存在しており、上記医療現場の医師不足にあって、このようなベテラン医師が継続して活躍することができるよう、外的環境からも支援していくことが重要となっている。
その方法の一つとして、手術等における拡大鏡(医療用ルーペ、サージテルルーペ、サージカルルーペ等とも呼ばれている。以下、これらをまとめて単に「拡大鏡」という。)の活用が挙げられる。拡大鏡を活用することにより、通常の状態(裸眼、コンタクトレンズ着用又は眼鏡着用の状態)では詳しく観察できないような狭く微細な部位であっても、当該部位を拡大して詳しく観察することができ、老視等を補うことができる。また、老視等の調節障害がない場合であっても、繊細な手術等においては、広く拡大鏡が活用されている。
このような医療用の拡大鏡としては、専用のフレーム(ブリッジ、ノーズパッド、テンプル等を含む。)に拡大鏡がマウントされたもの、普段着用している眼鏡に追加的にマウントされて用いられる拡大鏡等が一般に流通している。
しかし、これらは、使用者の鼻、耳、頭部、首(下を向いて手術等を行うため。)等に負担をかけながら使用者自身の体で拡大鏡を支持するものであり、長時間の使用により鼻、耳、頭部、首等の疼痛や倦怠感が生じやすいことが課題となっている。
装着性を向上すべく拡大鏡及びフレームの材質、構造等の改良が進められているものの、いずれにせよ使用者に一定程度の負担がかかることは避けられない。特に、拡大鏡の拡大倍率が高くなると、鏡筒が長くなることから拡大鏡全体の寸法が大きくなり視野が妨げられるという課題が生じるのもさることながら、重量が増加することから使用者自身への負担も大きなものとなる課題が生じる。繊細な手術等を行うにあたり拡大倍率が5倍を超える拡大鏡への要請も強くなっている中、拡大倍率が5倍を超えると上記した重量増加に伴う課題がいよいよ大きくなり、使用者自身の体で拡大鏡を支持することは実用上困難となっている。
しかし、これらは、使用者の鼻、耳、頭部、首(下を向いて手術等を行うため。)等に負担をかけながら使用者自身の体で拡大鏡を支持するものであり、長時間の使用により鼻、耳、頭部、首等の疼痛や倦怠感が生じやすいことが課題となっている。
装着性を向上すべく拡大鏡及びフレームの材質、構造等の改良が進められているものの、いずれにせよ使用者に一定程度の負担がかかることは避けられない。特に、拡大鏡の拡大倍率が高くなると、鏡筒が長くなることから拡大鏡全体の寸法が大きくなり視野が妨げられるという課題が生じるのもさることながら、重量が増加することから使用者自身への負担も大きなものとなる課題が生じる。繊細な手術等を行うにあたり拡大倍率が5倍を超える拡大鏡への要請も強くなっている中、拡大倍率が5倍を超えると上記した重量増加に伴う課題がいよいよ大きくなり、使用者自身の体で拡大鏡を支持することは実用上困難となっている。
このような課題を解決するため、従来より可動式のスタンドを用いた拡大観察装置が提案されている。
図6は、従来の拡大観察装置900を説明するために示す斜視図である。
従来の拡大観察装置は、図6に示すように、手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置900であって、拡大鏡910と、拡大鏡910に接続された結合調整部940と、結合調整部940に接続され複数のアーム及び該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む支持部950とを備える。
従来の拡大観察装置900によれば、結合調整部940及び支持部950が拡大鏡910を支持するので、使用者自身の体を使わずとも拡大鏡910を支持することができ、使用者の負担を軽減することができる。
図6は、従来の拡大観察装置900を説明するために示す斜視図である。
従来の拡大観察装置は、図6に示すように、手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置900であって、拡大鏡910と、拡大鏡910に接続された結合調整部940と、結合調整部940に接続され複数のアーム及び該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む支持部950とを備える。
従来の拡大観察装置900によれば、結合調整部940及び支持部950が拡大鏡910を支持するので、使用者自身の体を使わずとも拡大鏡910を支持することができ、使用者の負担を軽減することができる。
しかしながら、従来の拡大観察装置900には次の課題がある。
(1)多くの調整箇所
拡大鏡910の位置又は/及び姿勢(左右方向の傾き、俯角等)を変更するためには、複数の関節を動かさざる得ない場合も多く、そのため使用者が触れて操作すべき箇所が多い(図6の支持棒954a、支持棒954b、支持具945等。)。
したがって、例えば拡大鏡910から遠い箇所(例えば支持棒954a)を操作した場合には、当該操作箇所から拡大鏡910までの距離が比較的長いことから、当該操作箇所における操作の量が拡大鏡910における変位の量として増幅されてしまい、拡大鏡910の位置及び姿勢の微調整(以下、位置又は/及び姿勢を変更することを「調整」ということがある。調整には微調整も含まれる。)がしづらい。
また、上記したように拡大鏡910から遠い箇所には腕を伸ばして掴むこととなり、拡大鏡910の位置又は/及び姿勢を変更するために、使用者は一時的に観察対象から目線を外さざるを得ない場合もあり、観察が中断してしまう。
さらに、上記したように使用者が触れる可能性のある箇所が多いため、実際の手術等で拡大観察装置900を使用するためには、事前に複雑な形状の多くの箇所について滅菌を行う(いわゆるビニールで覆う、放射線を照射する等。)必要がある。
(2)拡大鏡の姿勢の再現性に乏しい
一般に、手術の際には、拡大鏡を覗きこんで観察対象物を観察する局面、拡大鏡を使用者の面前から退避させて別の作業を行う局面等が交互に切り替わる。その度に、使用者は拡大鏡を、実際に観察できる位置及び姿勢に設定し、次に面前でない位置に設定(退避)し、再び実際に観察できる位置及び姿勢に設定するといった作業を交互に繰り返し行うこととなる。
従来の拡大観察装置900によれば、始めに使用者が拡大鏡910を実際に観察できる位置及び姿勢を設定したとしても、一旦拡大鏡を面前から退避させてしまうと、上記したように複数の関節が相互に影響し合っているため、再び元の使用位置に戻したときには拡大鏡910の姿勢が変わってしまうことも多く、元の使用位置に戻したときの拡大鏡910の姿勢の再現性に乏しい。手術を進行させるためには、元の使用位置に戻す度に拡大鏡910の姿勢を微調整する必要があり、煩わしい。
(3)上記(1)及び(2)のような課題があるため、従来の拡大観察装置900は、全般的に拡大鏡910の位置又は/及び姿勢の調整がしづらく、手術等の進行にも支障をきたすものとなっている。
(1)多くの調整箇所
拡大鏡910の位置又は/及び姿勢(左右方向の傾き、俯角等)を変更するためには、複数の関節を動かさざる得ない場合も多く、そのため使用者が触れて操作すべき箇所が多い(図6の支持棒954a、支持棒954b、支持具945等。)。
したがって、例えば拡大鏡910から遠い箇所(例えば支持棒954a)を操作した場合には、当該操作箇所から拡大鏡910までの距離が比較的長いことから、当該操作箇所における操作の量が拡大鏡910における変位の量として増幅されてしまい、拡大鏡910の位置及び姿勢の微調整(以下、位置又は/及び姿勢を変更することを「調整」ということがある。調整には微調整も含まれる。)がしづらい。
また、上記したように拡大鏡910から遠い箇所には腕を伸ばして掴むこととなり、拡大鏡910の位置又は/及び姿勢を変更するために、使用者は一時的に観察対象から目線を外さざるを得ない場合もあり、観察が中断してしまう。
さらに、上記したように使用者が触れる可能性のある箇所が多いため、実際の手術等で拡大観察装置900を使用するためには、事前に複雑な形状の多くの箇所について滅菌を行う(いわゆるビニールで覆う、放射線を照射する等。)必要がある。
(2)拡大鏡の姿勢の再現性に乏しい
一般に、手術の際には、拡大鏡を覗きこんで観察対象物を観察する局面、拡大鏡を使用者の面前から退避させて別の作業を行う局面等が交互に切り替わる。その度に、使用者は拡大鏡を、実際に観察できる位置及び姿勢に設定し、次に面前でない位置に設定(退避)し、再び実際に観察できる位置及び姿勢に設定するといった作業を交互に繰り返し行うこととなる。
従来の拡大観察装置900によれば、始めに使用者が拡大鏡910を実際に観察できる位置及び姿勢を設定したとしても、一旦拡大鏡を面前から退避させてしまうと、上記したように複数の関節が相互に影響し合っているため、再び元の使用位置に戻したときには拡大鏡910の姿勢が変わってしまうことも多く、元の使用位置に戻したときの拡大鏡910の姿勢の再現性に乏しい。手術を進行させるためには、元の使用位置に戻す度に拡大鏡910の姿勢を微調整する必要があり、煩わしい。
(3)上記(1)及び(2)のような課題があるため、従来の拡大観察装置900は、全般的に拡大鏡910の位置又は/及び姿勢の調整がしづらく、手術等の進行にも支障をきたすものとなっている。
そこで、本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、比較的高い倍率の高性能な拡大鏡を用いつつも、使用者自身の体で拡大鏡を支持することもなく使用者に負担をかけず、且つ、調整が容易な拡大観察装置を提供することを目的とする。また、ひいては手術の進行の円滑化に寄与できる拡大観察装置を提供することを目的とする。
[1]本考案の拡大観察装置は、手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置であって、拡大鏡と、前記拡大鏡に接続され、前記拡大鏡の光軸を水平面と平行になるように設定したとき下方向が開口するように配置された逆U字形の連結部と、 前記連結部に接続され、前記拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更する際、使用者によって操作されるグリップ部と、前記グリップ部に接続された先端関節、該先端関節に連接された複数のアーム、及び、該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む支持部と、を備え、前記拡大鏡、前記連結部及び前記グリップ部の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されてなり、前記グリップ部が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成され、前記グリップ部は、前記拡大鏡に対して、該使用者が前記拡大鏡に眼を当てながら該使用者の手が届く範囲の距離に位置することを特徴とする。
本考案の拡大観察装置によれば、拡大鏡、連結部及びグリップ部の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されてなり、グリップ部が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成されている。このため、グリップ部への操作が拡大鏡の位置及び姿勢に連動し、使用者はあたかも拡大鏡を直接操作するかのように拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更することができる。
また、操作のために力が加えられる箇所(力点)は、拡大鏡から比較的遠いアーム等の箇所ではなく、拡大鏡に比較的近いグリップ部である。このため、グリップ部における操作の量が、作用点となる拡大鏡において大きく増幅されることなく、操作の量がほぼそのまま拡大鏡の位置又は/及び姿勢の変更に反映される。
また、本考案の拡大観察装置によれば、グリップ部は、拡大鏡に対して、使用者が拡大鏡に眼を当てながら使用者の手が届く範囲の距離に位置する構成となっている。このため、使用者は自身の体の位置を変更することなく手を伸ばせばグリップ部を掴むことができ、観察対象物から目線を外すことなく拡大鏡の位置又は/及び姿勢の調整を行うことができる。
また、使用者はある程度脇を締めた状態でグリップ部を握ることになるため、力点が遠くにある従来の拡大観察装置に比べて、微妙な力加減をグリップ部(力点)に伝えやすい。
さらに、連結部は、逆U字形であり、拡大鏡の光軸を水平面と平行になるように設定したとき下方向が開口するように配置されており、いわば、連結部は、顔の前あたりから頭の側あたりにかけての領域(R1)を上方向に迂回するような形で構成されている。このため、仮に、領域R1内で、手を移動させたとしても当該手は連結部に当たらない。また、連結部によって、前方から横方向にかけて視界が妨げられることがない。よって、連結部の存在によって手術の進行を妨げられることもない。
以上より、本考案によれば拡大鏡の位置及び姿勢の変更(調整)が容易な拡大観察装置を提供することができる。また、手術の進行の円滑化に寄与できる拡大観察装置を提供することができる。
ここで「観察対象物」とは、拡大鏡が拡大して使用者に観察させるべき対象物をいい、例えば、手術の際に観察したい部位などが挙げられる。
「水平面」とは、大地に平行な面をいう。
「下」とは、鉛直方向に平行な方向をいう。
「上」とは、「下」とは逆の向きの方向をいう。
「水平面」とは、大地に平行な面をいう。
「下」とは、鉛直方向に平行な方向をいう。
「上」とは、「下」とは逆の向きの方向をいう。
[2]本考案の拡大観察装置においては、前記先端関節は、ボール・ジョイントによって構成され、前記グリップ部は、グリップ本体及びレバーを含み、該レバーが操作されることにより、前記ボール・ジョイントの角度を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われることが好ましい。
このような構成によれば、従来のように、拡大鏡の姿勢を変更する際、複数の関節を考慮しつつ複数の関節の角度を変更することによりようやく所望の姿勢を得るということはなく、ボール・ジョイントのみ角度調整することで拡大鏡の姿勢の微調整を行うことができる。すなわち、ボール・ジョイントの角度を自由化するモードにおいて拡大鏡(実際には拡大鏡、連結部及びグリップ部で構成されるユニットごと)の俯角等の姿勢を変更しつつ、その状態でボール・ジョイントの角度を固定化するモードに切り替えることによって設定した俯角等の姿勢を固定化する、という操作のみで微調整を完了することができる。
[3]本考案の拡大観察装置において、前記拡大鏡は、右眼用拡大鏡及び左眼用拡大鏡を有する双眼形であり、前記右眼用拡大鏡の光軸(OA1)及び前記左眼用拡大鏡の光軸(OA2)をそれぞれ水平面と平行になるように設定したときに、前記右眼用拡大鏡の光軸(OA1)、前記左眼用拡大鏡の光軸(OA2)、前記連結部と前記グリップ部との接続部(雲台の部分P3)、及び前記先端連結部の中心(P4)が、同一水準上に一列に配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、グリップ部を操作することによって変更した角度の操作量が、OA1、OA2、P3及びP4が一列に並んだ軸UAを中心として、直接的に拡大鏡の俯角の変位量に反映されることとなり、調整を直観的に行い易い。
ここで「水準」とは水平面に対する相対的な高さをいう、
また、「右眼用拡大鏡の光軸及び左眼用拡大鏡の光軸をそれぞれ水平面と平行になるように設定したとき」とは、右眼用拡大鏡と左眼用拡大鏡との配置関係が水平面に対して右眼上がりでも左眼上がりでもなく、且つ、俯角が0°の場合をいう。またこのような場合を、拡大鏡を水平面に対して「正置」したときということもある。
また、「同一水準上」とは、完全に同一の水準となっている場合の他、完全に同一でなくても、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ同一の水準となっている場合も含まれる。
また、「一列に配置されている」とは、完全に一直線に配置されている場合の他、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ一直線に配置されている場合も含まれる。
また、「右眼用拡大鏡の光軸及び左眼用拡大鏡の光軸をそれぞれ水平面と平行になるように設定したとき」とは、右眼用拡大鏡と左眼用拡大鏡との配置関係が水平面に対して右眼上がりでも左眼上がりでもなく、且つ、俯角が0°の場合をいう。またこのような場合を、拡大鏡を水平面に対して「正置」したときということもある。
また、「同一水準上」とは、完全に同一の水準となっている場合の他、完全に同一でなくても、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ同一の水準となっている場合も含まれる。
また、「一列に配置されている」とは、完全に一直線に配置されている場合の他、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ一直線に配置されている場合も含まれる。
[4]本考案の拡大観察装置においては、前記グリップ部は、前記拡大鏡の光軸、前記連結部と前記グリップ部との接続部及び前記先端関節を互いに結ぶ軸UAから外側に向けて突出するように構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、使用者はグリップ部を探り当て易く、且つ、グリップ本体を握り易い。また、グリップ部が梃子として機能し、軸UAを中心にユニット(拡大鏡を含む。)を回転させるにあたりモーメントを掛け易い。
[5]本考案の拡大観察装置においては、前記グリップ部は、前記拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更するための当該拡大観察装置を代表する力点であることが好ましい。
このような構成によれば、拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更するために、複数個所を操作する必要がなく、一箇所であるグリップ部を操作することで足りる。この場合、手術を行う前の滅菌もグリップ部のみ処理することで足りる。
なお、グリップ部が唯一の力点である構成としてもよいし、他にも接触して力を加える点があるがグリップ部が主たる力点であるとする構成にしてもよい。
[6]本考案の拡大観察装置においては、前記支持部には、鉛直方向と平行な軸を中心に回る関節、又は、垂直方向にのみ動く関節の少なくともいずれかが含まれ、前記拡大鏡は、前記先端関節に接続されたアームに対する相対的な角度を維持したまま、空間内を移動可能であることが好ましい。
このような構成によれば、ユニット(拡大鏡、連結部及びグリップ部)ごと水平方向又は垂直方向に動かすこと(平行移動機能)ができる。
このため、例えば、拡大鏡の俯角等の姿勢を設定して先の観察を行った後に、拡大鏡を使用者の面前から一旦退避させ、再び元の使用位置に戻したときにも、支持部の所定の関節が有する平行移動機能により、先端関節に接続されたアーム(第1アーム52)に対する相対的な拡大鏡の角度(俯角等)は維持されたままなので、先の観察の条件(適切に観察できる拡大鏡の位置及び姿勢)を再現しやすい。こうすることによって、拡大鏡を用いた観察対象物の観察を円滑に再開することができる。
このため、例えば、拡大鏡の俯角等の姿勢を設定して先の観察を行った後に、拡大鏡を使用者の面前から一旦退避させ、再び元の使用位置に戻したときにも、支持部の所定の関節が有する平行移動機能により、先端関節に接続されたアーム(第1アーム52)に対する相対的な拡大鏡の角度(俯角等)は維持されたままなので、先の観察の条件(適切に観察できる拡大鏡の位置及び姿勢)を再現しやすい。こうすることによって、拡大鏡を用いた観察対象物の観察を円滑に再開することができる。
[7]本考案の拡大観察装置においては、前記拡大鏡と前記連結部との接続部(P1)、前記連結部の上側部分(P2)、前記連結部と前記グリップ部との接続部(P3)、及び、前記先端関節の中心(P4)が同一平面上に配列されていることが好ましい。
このような構成によれば、拡大鏡を正置したときに連結部の開口部が真下を向くことになり、連結部に手が当たらない領域(R1)の容積を大きく確保することができる。
ここで、「同一平面上に配列されている」とは、完全に一の平面上に配置されている場合の他、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ一の平面上に配置されている場合も含まれる。
ここで、「同一平面上に配列されている」とは、完全に一の平面上に配置されている場合の他、本考案の作用効果を奏する範囲内で、凡そ一の平面上に配置されている場合も含まれる。
[8]本考案の拡大観察装置においては、前記拡大鏡は拡大倍率が5倍よりも大きく20倍よりも小さい範囲のものであることが好ましい。
従来、5倍よりも大きい拡大鏡を手術に用いようとした場合に、上記したように使用者本人が当該拡大鏡を支持して使用することは、寸法の大きさ、重量等の制約もあり使用者の負担も大きいことから実用上は困難であった。また、20倍以上で拡大して観察対象物を観察する場合には、本格的な固定型の顕微鏡を用いることとなり、導入コストが高いという課題、適切な観察位置まで顕微鏡を設置/一時退避する手間を要し手術の円滑化の妨げになるという課題等がある。こうしたことから5倍よりも大きく20倍よりも小さい範囲で拡大を行い、使用者に負担を掛けない、比較的簡便な構成による拡大観察装置の要請が高まっている。
しかるに、本考案の拡大観察装置によれば、5倍以上20倍以下の拡大鏡を使用者(手術者)に負担を掛けずに実用的に用いることができる。
しかるに、本考案の拡大観察装置によれば、5倍以上20倍以下の拡大鏡を使用者(手術者)に負担を掛けずに実用的に用いることができる。
[9]本考案の拡大観察装置においては、前記連結部の部材は、中空状又は溝状の部材であることが好ましい。
このような構成によれば、連結部の曲げ等に対する強度を増すことができる。また、中空又は溝の部分にケーブル、光ファイバー等を収容させて配線することができ、連結部の外側にケーブル等を這わせるよりも省スペースで且つ衛生的な拡大観察装置とすることができる。
[10]本考案の拡大観察装置においては、前記拡大鏡の接眼レンズ側から見た前記拡大鏡と前記グリップ部との位置関係を使用者の利き手に合わせて切り替える反転関節を更に備えたことが好ましい。
このような構成によれば、使用者の利き手の如何によらず広く本考案の拡大観察装置を活用することができる。
以下、本考案の拡大観察装置を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
なお、図面に示す構造等は模式図であり、寸法、角度等の表示は必ずしも現実に即したものとはなっていない。
なお、図面に示す構造等は模式図であり、寸法、角度等の表示は必ずしも現実に即したものとはなっていない。
[実施形態1]
1.実施形態1に係る拡大観察装置100の構成
図1は、実施形態1に係る拡大観察装置100を説明するために示す斜視図である。図2は、拡大観察装置100の要部を、図1において背面視して拡大して示す要部拡大図である。図3は、実施形態1に係る拡大観察装置100の使用例を説明するために示す斜視図である。
図4は拡大鏡10の姿勢を変更する様子の一例を側面視したときの図である。図4(a)は拡大鏡10を水平面に正置したときの様子を示し、図4(b)は水平面に対し角度αで俯角が設定されている拡大鏡10及び連結部20、グリップ部30等の様子を示している。
図5は、拡大観察装置100の平行移動機能を用いて拡大鏡10を退避する例を示す図である。図5(a)は、拡大鏡10を覗いて観察対象物を観察(先の観察)している状態を示す図であり、図5(b)は拡大鏡10を水平方向に平行移動させ、使用者Uの顔の前あたりから一旦退避させた状態を示す図である。
1.実施形態1に係る拡大観察装置100の構成
図1は、実施形態1に係る拡大観察装置100を説明するために示す斜視図である。図2は、拡大観察装置100の要部を、図1において背面視して拡大して示す要部拡大図である。図3は、実施形態1に係る拡大観察装置100の使用例を説明するために示す斜視図である。
図4は拡大鏡10の姿勢を変更する様子の一例を側面視したときの図である。図4(a)は拡大鏡10を水平面に正置したときの様子を示し、図4(b)は水平面に対し角度αで俯角が設定されている拡大鏡10及び連結部20、グリップ部30等の様子を示している。
図5は、拡大観察装置100の平行移動機能を用いて拡大鏡10を退避する例を示す図である。図5(a)は、拡大鏡10を覗いて観察対象物を観察(先の観察)している状態を示す図であり、図5(b)は拡大鏡10を水平方向に平行移動させ、使用者Uの顔の前あたりから一旦退避させた状態を示す図である。
(1)全体構成と各構成要素
実施形態1に係る拡大観察装置100は、手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置100であって、大まかに捉えると、図1に示すように拡大鏡10と、連結部20と、グリップ部30と、支持部50とを備える。
実施形態1に係る拡大観察装置100は、手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置100であって、大まかに捉えると、図1に示すように拡大鏡10と、連結部20と、グリップ部30と、支持部50とを備える。
拡大鏡10は、観察対象物を拡大して使用者に観察させるものである。拡大鏡10には、医療用ルーペ、サージテルルーペ、サージカルルーペ等と呼ばれているものを採用することができる。
拡大鏡10は、図2に示すように、右眼用拡大鏡10a及び左眼用拡大鏡10bを備える双眼形の拡大鏡を用いている。右眼用拡大鏡10aは、少なくとも接眼レンズ及び対物レンズを含む複数のレンズ(図示しない。)を有し光軸OA1を構成している。また、該複数のレンズの間を囲う鏡筒(図示しない。)を有する。左眼用拡大鏡10bも同様に光軸OA2を構成する複数のレンズを有し、該複数のレンズの間を囲う鏡筒(いずれも図示しない。)を有する。
拡大鏡10は、拡大鏡10の拡大倍率は何れの倍率であってもよい。例えば、1.5倍以上のものは実施形態1に係る拡大観察装置100に好適に用いることができる。さらに、拡大倍率が5倍よりも大きく20倍よりも小さい範囲の拡大鏡10は、一層好適に実施形態1に係る拡大観察装置100に用いることができる。
拡大鏡10は、拡大倍率、観察距離、瞳孔間距離等を変更できるものであってもよい。
拡大鏡10は、図2に示すように、右眼用拡大鏡10a及び左眼用拡大鏡10bを備える双眼形の拡大鏡を用いている。右眼用拡大鏡10aは、少なくとも接眼レンズ及び対物レンズを含む複数のレンズ(図示しない。)を有し光軸OA1を構成している。また、該複数のレンズの間を囲う鏡筒(図示しない。)を有する。左眼用拡大鏡10bも同様に光軸OA2を構成する複数のレンズを有し、該複数のレンズの間を囲う鏡筒(いずれも図示しない。)を有する。
拡大鏡10は、拡大鏡10の拡大倍率は何れの倍率であってもよい。例えば、1.5倍以上のものは実施形態1に係る拡大観察装置100に好適に用いることができる。さらに、拡大倍率が5倍よりも大きく20倍よりも小さい範囲の拡大鏡10は、一層好適に実施形態1に係る拡大観察装置100に用いることができる。
拡大鏡10は、拡大倍率、観察距離、瞳孔間距離等を変更できるものであってもよい。
連結部20は、拡大鏡10とグリップ部30とを連結する部位である。図1及び図2に示すように、連結部20は、拡大鏡10に接続され、拡大鏡10の光軸(OA1,OA2)を水平面と平行になるように設定したとき下方向が開口するように配置された逆U字形の部材で構成され、図面に向かって(観察対象物を望む方向に向かって)左側に拡大鏡10、その右側にグリップ部30が配置されている。
さらに詳細に説明すると、連結部20は、一体として拡大鏡10を接続するための鏡筒連結梁21と、拡大鏡10を覗く使用者Uの顔の前面付近から頭の側面付近までの領域(図3におけるR1を参照。)を迂回する迂回バー24とを有する。
これらに加えて、連結部20には、拡大鏡10の俯角を半固定的に調節する俯角調節関節22が設けられている。また、連結部20には、拡大鏡10の接眼レンズ側から見た拡大鏡と前記グリップ部との位置関係(図1及び図2では、左側に拡大鏡10その右側に連結部20となっている。)を使用者の利き手に合わせて切り替える反転関節23が設けられている。
さらに詳細に説明すると、連結部20は、一体として拡大鏡10を接続するための鏡筒連結梁21と、拡大鏡10を覗く使用者Uの顔の前面付近から頭の側面付近までの領域(図3におけるR1を参照。)を迂回する迂回バー24とを有する。
これらに加えて、連結部20には、拡大鏡10の俯角を半固定的に調節する俯角調節関節22が設けられている。また、連結部20には、拡大鏡10の接眼レンズ側から見た拡大鏡と前記グリップ部との位置関係(図1及び図2では、左側に拡大鏡10その右側に連結部20となっている。)を使用者の利き手に合わせて切り替える反転関節23が設けられている。
グリップ部30は、拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更する際、使用者によって操作される部位である。すなわち、手術等を行う拡大観察装置100の使用者が、掌で握って、その位置及び角度を変更することにより間接的に拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更するための部位である。
グリップ部30は、連結部20に接続され、連結部20の迂回バー24の端部が接続された雲台36、雲台36に連成されたグリップ本体32、レバー34等を有し、後述する先端関節51を介して支持部50に接続されている。
グリップ部30は、棒状の形をした部材を用いることができる。
グリップ部30は、連結部20に接続され、連結部20の迂回バー24の端部が接続された雲台36、雲台36に連成されたグリップ本体32、レバー34等を有し、後述する先端関節51を介して支持部50に接続されている。
グリップ部30は、棒状の形をした部材を用いることができる。
支持部50は、拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30からなるユニットを支持する部位である。さらに詳しく言うと、支持部50は、拡大鏡10を支持し、必要に応じて拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更する機能を有する部位である。
支持部50は、グリップ部30に接続された先端関節51、該先端関節51に連接された複数のアーム、及び、該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む。支持部50は、図1に示すように、グリップ部30に接続された先端関節51を有し、先端関節51以降はアーム及び関節が交互に連なるようにして、第1アーム52、第1関節53、第2アーム54、第2関節55、第3アーム56、第3関節57、ポール58及び基台59が連接されている構成となっている。
なお、図1においては基台59の下部にローラーが設けられているが、使用時はロックされ基台59の位置が固定できるようになっている。
支持部50は、グリップ部30に接続された先端関節51、該先端関節51に連接された複数のアーム、及び、該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む。支持部50は、図1に示すように、グリップ部30に接続された先端関節51を有し、先端関節51以降はアーム及び関節が交互に連なるようにして、第1アーム52、第1関節53、第2アーム54、第2関節55、第3アーム56、第3関節57、ポール58及び基台59が連接されている構成となっている。
なお、図1においては基台59の下部にローラーが設けられているが、使用時はロックされ基台59の位置が固定できるようになっている。
先端関節51は、支持部50の先端に位置する関節であって、拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30からなるユニットと、支持部50を構成する第1アーム52以降の構造とを接続する部位である。当該先端関節51の動きを自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えを行うことにより、関節の角度等を変更し固定する。
先端関節51は、図2に示すように、ボール・ジョイント51aによって構成され、グリップ部30のレバー34が操作されることにより、ボール・ジョイント51aの角度を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われる。
先端関節51は、図2に示すように、ボール・ジョイント51aによって構成され、グリップ部30のレバー34が操作されることにより、ボール・ジョイント51aの角度を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われる。
支持部50には、鉛直方向と平行な軸を中心に回る関節、又は、垂直方向にのみ動く関節の少なくともいずれかが含まれ、拡大鏡10は、先端関節51に接続されたアーム(第1アーム52)との相対的な角度(俯角等)を維持したまま、空間内を移動可能とするように、いわゆる平行移動機能を持たせた構成としている。
このとき、これらの関節は例えば次のように構成してもよい。第1関節53は、当該第1関節53を挟む第1アーム52と第2アーム54とが水平方向にのみ動くように、鉛直方向と平行な軸RA1を中心に回る関節として構成する。また同様に、第2関節55は、当該第2関節55を挟む第2アーム54と第3アーム56とが水平方向にのみ動くように、鉛直方向と平行な軸RA2を中心に回る関節として構成する。また、第3関節57は、当該第3関節57に接続された第3アーム56が、鉛直方向と平行なポール58の軸PIを中心に旋回する関節として構成する。加えて、第3関節57は垂直方向にのみ動く関節としても構成する(図1参照。)。
これらの関節は、例えば、使用中は常に動きが自由化されている(ある程度の抵抗力は有する)よう構成されていてもよい。また、ロックレバーが操作されることにより、関節の角度又は位置を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われるものであってもよい。また、ロックレバーのロックの程度を加減することにより、関節を動かすと抵抗力によりややブレーキがかかった、いわばハーフロックの状態で使用するモードを有していてもよい。
このとき、これらの関節は例えば次のように構成してもよい。第1関節53は、当該第1関節53を挟む第1アーム52と第2アーム54とが水平方向にのみ動くように、鉛直方向と平行な軸RA1を中心に回る関節として構成する。また同様に、第2関節55は、当該第2関節55を挟む第2アーム54と第3アーム56とが水平方向にのみ動くように、鉛直方向と平行な軸RA2を中心に回る関節として構成する。また、第3関節57は、当該第3関節57に接続された第3アーム56が、鉛直方向と平行なポール58の軸PIを中心に旋回する関節として構成する。加えて、第3関節57は垂直方向にのみ動く関節としても構成する(図1参照。)。
これらの関節は、例えば、使用中は常に動きが自由化されている(ある程度の抵抗力は有する)よう構成されていてもよい。また、ロックレバーが操作されることにより、関節の角度又は位置を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われるものであってもよい。また、ロックレバーのロックの程度を加減することにより、関節を動かすと抵抗力によりややブレーキがかかった、いわばハーフロックの状態で使用するモードを有していてもよい。
(2)各構成要素の位置関係
次に、拡大鏡10、連結部20、グリップ部30及び支持部50の位置関係について説明する。
次に、拡大鏡10、連結部20、グリップ部30及び支持部50の位置関係について説明する。
実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されている。
拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30が別体である場合には、図1で示すように、互いに組み立てられ全体として一のユニットとして固定化されたものでもよいし、これらのいずれか2つの部材又は3つの総て部材が一体となって連続的に連成されたものであってもよい。
この固定化された一のユニットは、グリップ部30が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成されている。例えば、(i)先端関節51が固定化されており、第1関節以降のいずれかの関節が自由化されているときには、グリップ部30を操作(上下方向、左右方向、水平方向等に動かす)ことにより、これに連動するように、該ユニットごと「位置」が変更される。また、(ii)先端関節51が自由化されており、第1関節以降の総ての関節が固定化されているときには、グリップ部30を操作して先端関節51を中心にグリップ部30の角度を変更することにより、これに連動するように該ユニットごと「姿勢」が変更される。
拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30が別体である場合には、図1で示すように、互いに組み立てられ全体として一のユニットとして固定化されたものでもよいし、これらのいずれか2つの部材又は3つの総て部材が一体となって連続的に連成されたものであってもよい。
この固定化された一のユニットは、グリップ部30が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成されている。例えば、(i)先端関節51が固定化されており、第1関節以降のいずれかの関節が自由化されているときには、グリップ部30を操作(上下方向、左右方向、水平方向等に動かす)ことにより、これに連動するように、該ユニットごと「位置」が変更される。また、(ii)先端関節51が自由化されており、第1関節以降の総ての関節が固定化されているときには、グリップ部30を操作して先端関節51を中心にグリップ部30の角度を変更することにより、これに連動するように該ユニットごと「姿勢」が変更される。
また、実施形態1に係る拡大観察装置100において、グリップ部30は、拡大鏡10に対して、使用者Uが拡大鏡10に眼を当てながら該使用者Uの手が届く範囲の距離に位置している(図3参照。)。
すなわち、拡大鏡10とグリップ部30との間の距離は、使用者が観察する態勢になったときに通常の使用者であれば手の届く程度の距離となるように設定されている。
すなわち、拡大鏡10とグリップ部30との間の距離は、使用者が観察する態勢になったときに通常の使用者であれば手の届く程度の距離となるように設定されている。
また、図2に示すように、実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡10は、右眼用拡大鏡10a及び左眼用拡大鏡10bを有する双眼形であり、右眼用拡大鏡10aの光軸OA1及び左眼用拡大鏡10bの光軸OA1をそれぞれ水平面と平行になるように設定したときに、すなわち拡大鏡10を正置したときに、右眼用拡大鏡10aの光軸OA1、左眼用拡大鏡10bの光軸OA2、連結部20とグリップ部30との接続部P3(図では雲台36の中心P3。)、及び先端関節51の中心P4(図ではボール・ジョイント51aを構成するボールの中心P4。)が、同一水準上に一列に配置されている。
なお、図2では、これらのポイントが一列に並ぶ軸をUAで示した。
なお、図2では、これらのポイントが一列に並ぶ軸をUAで示した。
また、図1、図2及び図4に示すように、実施形態1に係る拡大観察装置100において、グリップ部30は、拡大鏡10の光軸、連結部20とグリップ部30との接続部及び先端関節を互いに結ぶ軸(UA)から外側に向けて突出するように構成されている。
また、図1〜図5で示すように、実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡10と連結部20との接続部P1、連結部20の上側部分P2、連結部20とグリップ部30との接続部P3、及び、先端関節51の中心P4が同一平面上に配列されている。
さらに、実施形態1に係る拡大観察装置100において、グリップ部30は、拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更するための拡大観察装置100を代表する力点であるように構成されている。
2.実施形態1に係る拡大観察装置100の使用方法
医療現場によって異なるが、拡大観察装置100は概ね次のような使用方法となる。
医療現場によって異なるが、拡大観察装置100は概ね次のような使用方法となる。
(1)使用者に応じた拡大鏡10の個人設定
まず、拡大鏡10を正置する(図4(a)の状態。)。
次に、グリップ部30に力を加えて第3関節57を動かしながら、使用者が個人設定をしやすい高さに拡大鏡10を調整する。
次に、使用者は拡大鏡10を覗き込みつつ、右眼用拡大鏡10a及び左眼用拡大鏡10bの鏡筒の間隔を変更しながら、使用者の瞳孔間距離に応じて光軸OA1と光軸OA2との間の間隔を調整する。また、使用者に左右の視力差等がある場合には、適宜左右の拡大鏡の焦点を調節する。
まず、拡大鏡10を正置する(図4(a)の状態。)。
次に、グリップ部30に力を加えて第3関節57を動かしながら、使用者が個人設定をしやすい高さに拡大鏡10を調整する。
次に、使用者は拡大鏡10を覗き込みつつ、右眼用拡大鏡10a及び左眼用拡大鏡10bの鏡筒の間隔を変更しながら、使用者の瞳孔間距離に応じて光軸OA1と光軸OA2との間の間隔を調整する。また、使用者に左右の視力差等がある場合には、適宜左右の拡大鏡の焦点を調節する。
(2)グリップ部30の滅菌
手術等を行うにあたり、手術に使用する設備、装置、用具等については、使用者が触れる箇所は予め滅菌を行っておく必要がある。
実施形態1に係る拡大観察装置100において、使用者は基本的にはグリップ部30のみ触れることで、拡大鏡10の位置及び姿勢を変更することが可能であるため、ここではグリップ部30(グリップ本体32、レバー34等)を滅菌する。
滅菌の方法は、目的が達成されれば如何なる方法を採ってもよい。例えば、滅菌処理済のポリエチレン製等の部材(いわゆるビニール)をグリップ部30に被せる方法であってもよい。また、グリップ部30を放射線で予め滅菌する方法であってもよい。また、滅菌の処理を予め済ませたグリップ部30を手術の都度交換するという方法であってもよい。
なお、グリップ部30以外の他の箇所を滅菌しても勿論構わない。
手術等を行うにあたり、手術に使用する設備、装置、用具等については、使用者が触れる箇所は予め滅菌を行っておく必要がある。
実施形態1に係る拡大観察装置100において、使用者は基本的にはグリップ部30のみ触れることで、拡大鏡10の位置及び姿勢を変更することが可能であるため、ここではグリップ部30(グリップ本体32、レバー34等)を滅菌する。
滅菌の方法は、目的が達成されれば如何なる方法を採ってもよい。例えば、滅菌処理済のポリエチレン製等の部材(いわゆるビニール)をグリップ部30に被せる方法であってもよい。また、グリップ部30を放射線で予め滅菌する方法であってもよい。また、滅菌の処理を予め済ませたグリップ部30を手術の都度交換するという方法であってもよい。
なお、グリップ部30以外の他の箇所を滅菌しても勿論構わない。
(3)観察
a)拡大鏡10の位置の変更(移動)
使用者は、グリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて(但しレバー34は先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態とする。)、観察対象物を観察しやすい位置にユニット(拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30)を移動させる。これに連動して拡大鏡10の位置も移動させることができる。
位置ユニットが上下方向に移動する場合、第3関節57が垂直方向に動くことになる。またユニットが水平方向に移動する場合、第1関節53、第2関節55及び第3関節57の少なくともいずれかが回ることでユニットの位置が移動することになる(図1参照。)。
なお、僅かな水平移動の距離であれば、レバー34を先端関節51の角度を自由化するモードに設定して、先端関節51のみの動きによって、移動を行ってもよい。
b)拡大鏡10の姿勢の変更
実施形態1に係る拡大観察装置100は、拡大鏡10の俯角、鏡筒の左右方向の傾き等の姿勢を変更することができる。
まずレバー34を操作して先端関節51の角度を自由化するモードに設定する。次にそのモードの状態で、使用者はグリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて、観察対象物を観察しやすい姿勢にユニットの角度を変更させる。これに連動して拡大鏡10の姿勢も変更させることができる。
使用者は、眼を拡大鏡10の接眼レンズから離した状態で、拡大観察装置100全体を見ながら、姿勢の変更を行ってもよい。また、拡大鏡10とグリップ部30との間の距離は、使用者が観察する態勢になったときに通常の使用者であれば手の届く程度の距離となるように設定されているため、図3及び図4(b)のように、使用者Uは眼を拡大鏡10に当てながら姿勢の変更を行ってもよい。
a)拡大鏡10の位置の変更(移動)
使用者は、グリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて(但しレバー34は先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態とする。)、観察対象物を観察しやすい位置にユニット(拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30)を移動させる。これに連動して拡大鏡10の位置も移動させることができる。
位置ユニットが上下方向に移動する場合、第3関節57が垂直方向に動くことになる。またユニットが水平方向に移動する場合、第1関節53、第2関節55及び第3関節57の少なくともいずれかが回ることでユニットの位置が移動することになる(図1参照。)。
なお、僅かな水平移動の距離であれば、レバー34を先端関節51の角度を自由化するモードに設定して、先端関節51のみの動きによって、移動を行ってもよい。
b)拡大鏡10の姿勢の変更
実施形態1に係る拡大観察装置100は、拡大鏡10の俯角、鏡筒の左右方向の傾き等の姿勢を変更することができる。
まずレバー34を操作して先端関節51の角度を自由化するモードに設定する。次にそのモードの状態で、使用者はグリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて、観察対象物を観察しやすい姿勢にユニットの角度を変更させる。これに連動して拡大鏡10の姿勢も変更させることができる。
使用者は、眼を拡大鏡10の接眼レンズから離した状態で、拡大観察装置100全体を見ながら、姿勢の変更を行ってもよい。また、拡大鏡10とグリップ部30との間の距離は、使用者が観察する態勢になったときに通常の使用者であれば手の届く程度の距離となるように設定されているため、図3及び図4(b)のように、使用者Uは眼を拡大鏡10に当てながら姿勢の変更を行ってもよい。
(4)拡大鏡10の退避
手術においては拡大鏡10を使用者の顔の前あたりから退避させて別の作業を行う局面がある。
実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡10の退避に際しては、基本的には上記した拡大鏡10の位置の変更(移動)と同様の方法で行うことができる。
すなわち、レバー34を先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態として、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度を固定する。
その上で、使用者は、グリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて、第1関節53以降の支持部50の関節を適宜動かし、退避したい位置に拡大鏡10をユニットごと移動させる。
拡大鏡10を退避する方向は、現場の状況に応じて適宜選択することができる。図5のように水平方向に移動させてもよいし、垂直方向に(例えば上方向に)退避させてもよい。
手術においては拡大鏡10を使用者の顔の前あたりから退避させて別の作業を行う局面がある。
実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡10の退避に際しては、基本的には上記した拡大鏡10の位置の変更(移動)と同様の方法で行うことができる。
すなわち、レバー34を先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態として、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度を固定する。
その上で、使用者は、グリップ部30を持ちグリップ部30に力を加えて、第1関節53以降の支持部50の関節を適宜動かし、退避したい位置に拡大鏡10をユニットごと移動させる。
拡大鏡10を退避する方向は、現場の状況に応じて適宜選択することができる。図5のように水平方向に移動させてもよいし、垂直方向に(例えば上方向に)退避させてもよい。
(5)再観察
拡大鏡10を使用者の面前から一旦退避させた後、再び元の使用位置に戻す方法は、基本的に上記した退避と逆の操作を行えばよい。
すなわち、レバー34を先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態として、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度を固定する。そして、上記と同様グリップ部30に力を加えて、拡大鏡10を所望の位置まで復帰させる。このとき、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度(俯角等)は固定されているため、容易に先の観察をしたときの条件(拡大鏡の位置及び姿勢)を再現することができる。
拡大鏡10を使用者の面前から一旦退避させた後、再び元の使用位置に戻す方法は、基本的に上記した退避と逆の操作を行えばよい。
すなわち、レバー34を先端関節51の角度を固定化するモードに設定される状態として、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度を固定する。そして、上記と同様グリップ部30に力を加えて、拡大鏡10を所望の位置まで復帰させる。このとき、第1アーム52に対する拡大鏡10の角度(俯角等)は固定されているため、容易に先の観察をしたときの条件(拡大鏡の位置及び姿勢)を再現することができる。
3.実施形態1に係る拡大観察装置100の効果
(1)拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されてなり、グリップ部30が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成されているため、グリップ部30への操作が拡大鏡10の位置及び姿勢に連動し、使用者はあたかも拡大鏡10を直接操作するかのように拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更することができる。
また、操作のために力が加えられる箇所(力点)は、拡大鏡10に比較的近いグリップ部30であるため、グリップ部30における操作の量が、作用点となる拡大鏡10において大きく増幅されることなく、操作の量がほぼそのまま拡大鏡10の位置又は/及び姿勢の変更に反映される。
また、使用者は自身の体の位置を変更することなく手を伸ばせばグリップ部30を掴むことができ、観察対象物から目線を外すことなく拡大鏡10の位置又は/及び姿勢の調整を行うことができる。
また、使用者はある程度脇を締めた状態でグリップ部30を握ることになるため、力点が遠くにある従来の拡大観察装置900に比べて、微妙な力加減をグリップ部30(力点)に伝えやすい。
さらに、仮に、顔の前面付近から頭の側面付近までの領域(R1)内で、手を移動させたとしても当該手は連結部に当たらない。また、連結部によって、前方から横方向にかけて視界が妨げられることがない。よって、連結部の存在によって手術の進行を妨げられることもない(図3及び図5参照。)。
以上より、実施形態1に係る拡大観察装置100によれば、拡大鏡の位置及び姿勢の変更(調整)が容易な拡大観察装置を提供することができる。また、手術の進行の円滑化に寄与できる拡大観察装置を提供することができる。
(1)拡大鏡10、連結部20及びグリップ部30の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されてなり、グリップ部30が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成されているため、グリップ部30への操作が拡大鏡10の位置及び姿勢に連動し、使用者はあたかも拡大鏡10を直接操作するかのように拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更することができる。
また、操作のために力が加えられる箇所(力点)は、拡大鏡10に比較的近いグリップ部30であるため、グリップ部30における操作の量が、作用点となる拡大鏡10において大きく増幅されることなく、操作の量がほぼそのまま拡大鏡10の位置又は/及び姿勢の変更に反映される。
また、使用者は自身の体の位置を変更することなく手を伸ばせばグリップ部30を掴むことができ、観察対象物から目線を外すことなく拡大鏡10の位置又は/及び姿勢の調整を行うことができる。
また、使用者はある程度脇を締めた状態でグリップ部30を握ることになるため、力点が遠くにある従来の拡大観察装置900に比べて、微妙な力加減をグリップ部30(力点)に伝えやすい。
さらに、仮に、顔の前面付近から頭の側面付近までの領域(R1)内で、手を移動させたとしても当該手は連結部に当たらない。また、連結部によって、前方から横方向にかけて視界が妨げられることがない。よって、連結部の存在によって手術の進行を妨げられることもない(図3及び図5参照。)。
以上より、実施形態1に係る拡大観察装置100によれば、拡大鏡の位置及び姿勢の変更(調整)が容易な拡大観察装置を提供することができる。また、手術の進行の円滑化に寄与できる拡大観察装置を提供することができる。
(2)先端関節51は、ボール・ジョイント51aによって構成され、グリップ部30のレバー34が操作されることにより、ボール・ジョイント51aの角度を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われる。このため、ボール・ジョイントのみ角度調整することで拡大鏡の姿勢の微調整を行うことができる。すなわち、ボール・ジョイント51aの角度を自由化するモードにおいて拡大鏡10の俯角等の姿勢を変更しつつ、その状態でボール・ジョイント51aの角度を固定化するモードに切り替えることによって設定した俯角等の姿勢を固定化する、という操作のみで微調整を完了することができる。例えば図2では、拡大鏡10の右に記したZ方向、D方向及びH方向の微調整を行うことができる。
(3)右眼用拡大鏡10aの光軸OA1、左眼用拡大鏡10bの光軸OA2、連結部20とグリップ部30との接続部P3、及び先端関節51の中心P4が、同一水準上に一列に配置されているため、グリップ部30を操作することによって変更した角度の操作量が、OA1、OA2、P3及びP4が一列に並んだ軸UAを中心として、直接的に拡大鏡の俯角の変位量に反映されることとなり、調整を直観的に行い易い。
例えば図4では、グリップ部30を軸UAを中心に正置の状態から角度αだけ変位させたときには、拡大鏡10には角度αの俯角となって反映されて調整されている。
例えば図4では、グリップ部30を軸UAを中心に正置の状態から角度αだけ変位させたときには、拡大鏡10には角度αの俯角となって反映されて調整されている。
(4)グリップ部30は、上記した軸UAから外側に向けて突出するように構成されているため、使用者はグリップ部30を探り当て易く、且つ、グリップ本体32を握り易い。 また、グリップ部30が梃子として機能し、軸UAを中心にユニット(拡大鏡10を含む。)を回転させるにあたりモーメントを掛け易い(図4参照。)。
(5)グリップ部30は、拡大鏡10の位置又は/及び姿勢を変更するための当該拡大観察装置100を代表する力点であるため、複数個所を操作する必要がなく、一箇所であるグリップ部を操作することで足りる。この場合、手術を行う前の滅菌もグリップ部のみ処理することで足りる。
(6)拡大鏡10の平行移動機能を有するため、例えば、拡大鏡10の俯角等の姿勢を設定して先の観察を行った後に、拡大鏡10を使用者の面前から一旦退避させ、再び元の使用位置に戻したときにも、先端関節51に接続されたアーム(第1アーム52)に対する相対的な拡大鏡10の角度(俯角等)は維持されたままなので、先の観察の条件(適切に観察できる拡大鏡の位置及び姿勢)を再現しやすい。こうすることによって、拡大鏡10を用いた観察対象物の観察を円滑に再開することができる。
(7)拡大鏡10と連結部20との接続部P1、連結部20の上側部分P2、連結部20とグリップ部30との接続部P3、及び、先端関節51の中心P4が同一平面上に配列されていることから、拡大鏡10を正置したときに連結部20の開口部が真下を向くことになり、連結部20に手が当たらない領域R1の容積を大きく確保することができる(図3及び図5参照。)。
(8)実施形態1に係る拡大観察装置100の構成によれば、5倍以上20倍以下の拡大鏡を使用者(手術者)に負担を掛けずに実用的に用いることができる。
(9)拡大鏡10とグリップ部30との位置関係を使用者の利き手に合わせて切り替える反転関節23を更に備えているので、使用者の利き手の如何によらず広く実施形態1に係る拡大観察装置を活用することができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る拡大観察装置100aは、基本的には実施形態1に係る拡大観察装置100と同様の構成を有するが、連結部20の部材が、中空状又は溝状の部材である点が実施形態1に係る拡大観察装置100とは異なる。すなわち、連結部20を構成する迂回バー24(図2、図3等参照。)の部分に中空状又は溝状の部材を採用している。
実施形態2に係る拡大観察装置100aは、基本的には実施形態1に係る拡大観察装置100と同様の構成を有するが、連結部20の部材が、中空状又は溝状の部材である点が実施形態1に係る拡大観察装置100とは異なる。すなわち、連結部20を構成する迂回バー24(図2、図3等参照。)の部分に中空状又は溝状の部材を採用している。
このように実施形態2に係る拡大観察装置100aによれば、連結部20の曲げ等に対する強度を増すことができる。また、中空又は溝の部分にケーブル、光ファイバー等(例えば鏡筒連結梁21の部分に取り付けられるカメラ、照明等のために用いられる)を収容させて配線することができ、連結部20の外側にケーブル等を這わせるよりも省スペースで且つ衛生的な拡大観察装置とすることができる。
なお、実施形態2に係る拡大観察装置100aは、連結部20の部材が中空状又は溝状の部材である以外の点は実施形態1に係る拡大観察装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る拡大観察装置100が有する効果のうち該当する効果をそのまま有する。
以上、本考案を上記の各実施形態に基づいて説明したが、本考案は上記の各実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記各実施形態において記載した構成要素の数、材質、形状、位置、大きさ、角度等は例示であり、本考案の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記各実施形態に係る拡大観察装置は、手術に用いられることを念頭に置いて説明をしたが、各実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、診察等にも用いることもできる。また、外科系に限らず歯科等にも用いることもできる。
(3)実施形態1に係る拡大観察装置100において、拡大鏡は双眼形のものを用いて説明したが、実施形態1はこれに限定されるものではない。例えば、単眼形のものであってもよい。
(4)実施形態1に係る拡大観察装置100において、連結部20の迂回バー24の形状は逆U字形状の連結部を用いて説明したが、実施形態1においては連結部20の形状はU字形に限定されるものではない。例えば、迂回バー24は角がある形状であってもよいし、1点でのみ折り返す三角形状などであってもよい。
(5)実施形態1に係る拡大観察装置100において、支持部50には基台59が含まれている例を用いて説明したが、実施形態1はこれに限定されるものではない。例えば、基台を用いず床、天井、壁等に直接ポール、アーム等が接続されている構成であってもよい。
10、910…拡大鏡、10a…右眼用拡大鏡、10b…左眼用拡大鏡、20…連結部、21…鏡筒連結梁、22…俯角調節関節、23…反転関節、24…迂回バー、30…グリップ部、32…グリップ本体、34…レバー、36…雲台、50,950…支持部、51…先端関節、51a…ジョイント・ボール、52…第1アーム、53…第1関節、54…第2アーム、55…第2関節、56…第3アーム、57…第3関節、58…ポール、59…基台、100,900…拡大観察装置、940…結合調整部、945…支持具、954a,954b…支持棒
Claims (10)
- 手術における観察対象物を拡大して使用者に観察させる拡大観察装置であって、
拡大鏡と、
前記拡大鏡に接続され、前記拡大鏡の光軸を水平面と平行になるように設定したとき下方向が開口するように配置された逆U字形の連結部と、
前記連結部に接続され、前記拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更する際、使用者によって操作されるグリップ部と、
前記グリップ部に接続された先端関節、該先端関節に連接された複数のアーム、及び、該複数のアーム同士を接続する少なくとも1以上の関節を含む支持部と、を備え、
前記拡大鏡、前記連結部及び前記グリップ部の相互の位置関係は一のユニットとして固定化されてなり、前記グリップ部が操作されることにより該ユニットごと位置又は/及び姿勢が変更されるよう構成され、
前記グリップ部は、前記拡大鏡に対して、該使用者が前記拡大鏡に眼を当てながら該使用者の手が届く範囲の距離に位置することを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1に記載の拡大観察装置において、
前記先端関節は、ボール・ジョイントによって構成され、
前記グリップ部は、グリップ本体及びレバーを含み、
該レバーが操作されることにより、前記ボール・ジョイントの角度を自由化するモードと固定化するモードとの間の切り替えが行われること特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1又は2に記載の拡大観察装置において、
前記拡大鏡は、右眼用拡大鏡及び左眼用拡大鏡を有する双眼形であり、
前記右眼用拡大鏡の光軸及び前記左眼用拡大鏡の光軸をそれぞれ水平面と平行になるように設定したときに、
前記右眼用拡大鏡の光軸、前記左眼用拡大鏡の光軸、前記連結部と前記グリップ部との接続部、及び前記先端連結部の中心が、同一水準上に一列に配置されていることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記グリップ部は、前記拡大鏡の光軸、前記連結部と前記グリップ部との接続部及び前記先端関節を互いに結ぶ軸から外側に向けて突出するように構成されていることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記グリップ部は、前記拡大鏡の位置又は/及び姿勢を変更するための当該拡大観察装置を代表する力点であることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記支持部には、鉛直方向と平行な軸を中心に回る関節、又は、垂直方向にのみ動く関節の少なくともいずれかが含まれ、
前記拡大鏡は、前記先端関節に接続されたアームに対する相対的な角度を維持したまま、空間内を移動可能であることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記拡大鏡と前記連結部との接続部、前記連結部の上側部分、前記連結部と前記グリップ部との接続部、及び、前記先端関節の中心が同一平面上に配列されていることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記拡大鏡は拡大倍率が5倍よりも大きく20倍よりも小さい範囲のものであることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記連結部の部材は、中空状又は溝状の部材であることを特徴とする拡大観察装置。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の拡大観察装置において、
前記拡大鏡の接眼レンズ側から見た前記拡大鏡と前記グリップ部との位置関係を使用者の利き手に合わせて切り替える反転関節を更に備えたことを特徴とする拡大観察装置。
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