JP3204322B2 - 塩化アルカリの電解方法 - Google Patents

塩化アルカリの電解方法

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JP3204322B2 JP16415591A JP16415591A JP3204322B2 JP 3204322 B2 JP3204322 B2 JP 3204322B2 JP 16415591 A JP16415591 A JP 16415591A JP 16415591 A JP16415591 A JP 16415591A JP 3204322 B2 JP3204322 B2 JP 3204322B2
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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルタ−プレス型電
解槽を用いてアルカリ金属塩化物水溶液を電解し、塩素
とアルカリ金属水酸化物を生産するためのイオン交換膜
法塩化アルカリの電解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高電流効率で高純度のアルカリ金属水酸
化物を生産するためのイオン交換膜法塩化アルカリ電解
方法については、従来より多数提案されている。例えば
陰極室内圧を陽極室内圧より高く保ちながら電解する特
開昭51−68477号、陽極液中に鉱酸を添加し、陽
極室内の食塩水溶液のpHを3.5以下に維持して電解
する特開昭51−103099号、供給塩水および/又
は淡塩水に塩化水素ガスを吸収させつつ電解する特開昭
54−109076号等がある。これらの電解方法は、
電解電圧を低減したり或いは発生する塩素ガス中に含ま
れる酸素を少なくするなどの効果があるが、高温度で、
且つ高電流密度で電解するためには、まだ十分満足でき
るものではない。
【0003】陽極室内のハロゲンガスおよび陰極室内の
水素ガスを大気圧よりも高圧に加圧しながら電解する特
開昭53−4796号は、加圧することで高温、高電流
密度での電解が低電圧でできる方法を提案している。し
かし、電解槽上部の非通電部に気液分離室を有する電解
槽においては、単なる加圧だけでは通電部分にガスゾー
ンを形成したり、気液分離室内での振動が発生すること
がある。このような場合、イオン交換膜が電極等との擦
れなどにより損傷を受けたり、イオン交換膜内に塩化ア
ルカリの結晶が析出したりすることによる致命的なダメ
ージを受けやすくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術は、イオン交換膜法塩化アルカリの電解方法として適
するよう工夫がなされているが、気液分離室を有する電
解槽においては、高温度、高電流密度、低電圧で電解す
る等の、最近の省力化、高効率化についての要求に対し
ては十分満足ゆくものではない。
【0005】かくして、本発明の目的は、気液分離室を
有するフィルタープレス型電解槽を用いて、電解時の電
解槽内部圧力を調整することにより、高電流密度、高温
度においても、通電面にガスゾーンの形成がなく、振動
も少ない安定した電解ができる電解方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽イオン交換
膜を用いて塩化アルカリを85℃以上の温度で、且つ4
0A/dm2 以上で電解する際に、気液分離室を有する
フィルタ−プレス型電解槽において、(1)式を満足す
るセル圧力以上から3ata以下の圧力範囲で電解する
ことを特徴とする塩化アルカリの電解方法に関する。一
般的に低コストで安定した塩化アルカリの電解を行なう
ために、電解槽や、電解方法として要求されることに
は、設備コストが安価であること、低電圧で電解できる
こと、セル内の振動等によりイオン交換膜が破損しない
こと、セル内の電解液濃度の分布が均一でイオン交換膜
の電圧や電流効率が長期間安定していること等があげら
れる。このような要求は、最近の設備省力化、高効率化
の傾向にともない益々大きくなってきた。例えば、近年
の電力コストの上昇により、電力コストの安価な夜間電
力をできるだけ多く使用し、電力コストの高い昼間は低
い電流で電解することがよく行われるようになり、この
様なことで電流密度が高くできる電解方法が望まれるよ
うになっている。現在、塩化アルカリの電解において、
電解電流密度は、通常最高でも30A/dm2 〜40A
/dm2 の範囲で電解されている。従って、もし40A
/dm2 以上の高電流密度において低電圧で電解できれ
ば、電解槽も含め設備がは小さくできるので建設コスト
が安価になる上、安価な夜間電力が有効に利用できるよ
うにもなり、その経済効果は非常に大きいことになる。
【0007】高電流密度で、低い電解電圧を達成するた
めの電解条件としては、加圧下で高温度で電解し、電解
液や陽イオン交換膜の電気抵抗を小さくすると共に、発
生ガス体積を少なくし気泡等による電気抵抗も小さくす
る方法がある。しかし、本発明者等は、単に加圧し、高
温、高電流密度で電解する方法ではいくつかの欠点があ
ることを見いだした。その一つとして、通電部上部の非
通電部に気液分離室を有する電解槽においては、高電流
密度では、たとえ加圧して電解したとしても、電解槽へ
の電解液の供給量が増加するとともに発生ガス量も増加
するため、気液分離室内でガス気泡の波立ち等が大きく
なることにより電解槽内に振動が発生しやすくなるた
め、陽イオン交換膜が電極等と擦れることにより破損し
て、交換膜のライフが短くなる傾向があることである。
もう一つは、電解温度85℃〜90℃以上において、電
解電流密度40A/dm2 以上にまで電流密度を高くし
てゆくと急速に陽極室側の発生ガス量が増加し、通電面
にガスゾ−ンを形成しやすいことである。特に陽極側通
電面にガスゾーンを形成すると、イオン交換膜内におい
て、陽極側から拡散して来る塩素ガスと、陰極側から浸
透して来るアルカリが中和反応により塩化アルカリの結
晶が生成する場合がある。このような現象が生ずると、
イオン交換膜内で結晶が徐々に成長しイオン交換膜を内
部から破損し、ピンホールや破れが発生して、電流効率
が低下しイオン交換膜のライフが短くなるばかりでな
く、塩素ガス中に水素ガスが混じることによって爆発等
の重大な災害につながる恐れもある。このような現象
は、陰極液の濃度が高くなればなるほどイオン交換膜内
に浸透してくるアルカリ濃度も高くなるため顕著にな
る。一般的には、電解セル内でのガスゾーンの形成は、
通常通電部上部の最もガスの多くなる部分で起きやす
い。その理由は、電解セル内では電極から発生したガス
が上昇し、通電部上部にゆくに従いガスの割合が大きく
なっており、ガスや電解液の抜き出しが不十分で局部的
な滞留を起こしている場合には、ガスが溜りやすくガス
ゾーンを形成することになるからである。しかし、通電
部上部の非通電部に気液分離室を設けることにより、こ
のようなガスゾーンの形成を防止し、さらにセル内の振
動発生も防止しようとしても、従来の電解方法では、高
温、高電密においては、どうしても防ぐことができなか
った。本発明者は、かかる欠点を克服し、高温、高電流
密度でも通電部にガスゾーン形成もなく安定した電解が
出来るようにするために鋭意努力した結果、電解時の電
解槽内圧力を(1)式を満たすように調整することで、
発生ガスの体積を変化させ、気液分離室の圧力損失を一
定以下にすることができ、振動や、通電面へのガスゾ−
ンの形成がなく、高温、高電流密度でも電解電圧が低く
安定した電解が出来ることを見いだし、本発明を完成し
たものである。
【0008】気液分離室は一般にある一定の断面積を有
しており、この中をガスが通過する際ガス量に応じた圧
力損失を生じる。この圧力損失は、通常よく用いられる
Fanningの式から計算できる。しかし本発明者等
は、陽極室側では、85℃以上の電解温度において、通
常の平滑管を仮定して計算した場合よりも、気液分離室
内での液面差は、10〜100倍も大きくなっているこ
とに気付いた。そしてその理由を検討した結果、気液分
離室内の電解液中に大量の気泡が存在しており、そのた
め電解液の見かけ比重が低下し、小さな圧力損失でも液
面差が大きくなるものと推定された。
【0009】非通電面に気液分離室を有している電解槽
において、この気液分離室と通電面とが例えば10mm
以下の比較的薄い板をへだてて接しており、排出ノズル
の高さが気液分離室と通電面との境界部分と等しいかそ
れ以下である場合、気液分離室内の両端の液面差が1〜
3cm程度のわずかな液面差でも通電部にガスゾ−ンを
形成することになる。そこで本発明者は、電解温度85
℃以上において、この液面差が1cm以下となる条件を
種々検討した結果、気液分離室断面積や、電流密度に応
じて圧力を調整することにより常に1cm以下の液面差
に維持できることを見いだした。また、気液分離室内で
は液や気泡が発生ガスの流れによって波立ち、振動が発
生する場合があるが、その発生を防止する効果もあるこ
とがわかった。1cm以下の液面差に維持し、さらに振
動防止を図るために必要な圧力は、発明者の実験では
(1)式に示す如くであった。
【0010】
【数2】
【0011】S:気液分離室断面積(cm2 ) I:電流(A/dm2 ) L:気液分離室長さ(cm) P:電解槽内圧力(ata) D:通電面積(dm2 ) K:比例定数(ata・cm/A) この関係式においてKは、電極構造、電解液温度によっ
ても異なるが1.50×10-4程度が普通である。気液
分離室断面積(S)および気液分離室長さ(L)は電解
槽の仕様で決まるので、電流(I)に応じた電解槽圧力
(P)を求めればよい。
【0012】本発明で言う気液分離室長さとは、電解セ
ルの幅方向に図1に示す排出ノズル13から反対側の端
までの長さに相当する。又、気液分離室断面積とは、図
2に示す鍋状体2と仕切り板6で囲まれる面に相当す
る。気液分離室断面積は、小さすぎると、(1)式から
も明らかな通り電解槽内圧力が高くなり過ぎるので好ま
しくない。電解槽内の圧力は、あまり高くなり過ぎると
電解液やガスのリークを生ずる場合があるので、電解槽
構造にもよるが、3ata以下で電解することが好まし
い。(1)式は、あまりに有効通電面積の小さい電解セ
ルには適用しにくいので、有効通電面積130dm2
上で、気液分離室の断面積が5cm2 以上の電解セルに
適用するのが好ましい。
【0013】このようにして求められた圧力以上で電解
すれば、通電面にガスゾ−ンの形成する恐れがなく、陽
イオン交換膜への悪影響が生じる恐れもない。更に加え
て、気液分離室内のガス流速を低く押さえることができ
るので、気液分離室内での液や気泡の波立ちもなく振動
の発生を防止する効果もある。本発明は、電解槽を新た
に設計する場合、最高電解電流、電解槽内圧を決めれ
ば、(1)式により、気液分離室断面積を決められるの
で非常に有用である。
【0014】本発明において電解セルに供給する陽極液
は、飽和に近い濃度の塩水で、その流量は、電解電流
や、セル内の塩水濃度の設定に応じた量が任意に選択で
きる。陰極液は、希薄苛性ソーダをセルに供給し濃厚苛
性ソーダをセルから抜き出す方法や、水を供給し濃厚苛
性ソーダを得る方法等いずれでもよい。近年、イオン交
換膜の性能向上が著しくNaOH濃度の高濃度化が進ん
でいるが、本発明に用いる電解槽の陰極室の材質が、ス
テンレス、高ニッケル鋼、ニッケルなど電解するNaO
H濃度に応じた材質を選定していれば、50%程度の高
濃度NaOHのようなきびしい電解条件でも高温、高電
流密度で安定した電解ができる。
【0015】本発明に用いる陽イオン交換膜としては、
当業者にはことさら説明を要しない通常公知のものが用
いられる。例えば、旭化成工業(株)ACIPLEX
(登録商標)、デュポン社のNAFION(登録商
標)、旭ガラス(株)FLEMION(登録商標)等い
ずれでも良い。本発明の電解方法で電解するための電解
槽は、大気圧以上の電解槽内圧に耐え得るものであれば
広い範囲電流密度で低電圧の電解が可能になるので有利
である。このような電解槽であれば単極式でも複極式い
ずれでもよい。
【0016】例として、図1、図2に本発明が有効に利
用出来る電解槽を示す。説明の便宜上、塩化アルカリと
しては食塩を例として説明する。本発明は、これら図面
や食塩に限定されるものではない。図1及び図2は本発
明が適用出来る電解槽のユニット(単位セル)の正面図
とA−A’線における断面図であり、図中番号はそれぞ
れに対応しており、同一番号のものは同一物を示す。電
解槽は、図1及び図2に示すように、外縁部を構成して
いる棒状フレーム1、陽極室および陰極室を構成する鍋
状体2、気液分離室を形成するL型の仕切り板6、導電
リブ3、電極4からなる。鍋状体2には導電リブ3と仕
切り板6が溶接されており、導電リブ3には電極4が溶
接されている。陽極室用鍋状体と陰極室用鍋状体は、背
中合わせに配置されている。鍋状体2および導電リブ3
を製作するための材料は、電解条件下で耐蝕性があれば
よく、例えば陽極用鍋状体にはチタン、およびチタン合
金、陰極室鍋状体には鉄、ニッケル、ステンレス等が使
用できる。導電リブ3は、鍋状体2に溶接されており、
電解液および電解生成物の通路となる液ガス流通用孔5
が設けられている。導電リブ3を製作するための材料
は、例えば陽極室用鍋状にはチタンおよびチタン合金が
使用できる。棒状フレーム1の断面形状は鉤型フランジ
部7、周壁部8で構成される空間形状と同一であり、棒
状フレーム1の周囲はゴムライニング、エポキシ系樹脂
等で保護されている。棒状フレーム1の材料は、鉄、ス
テンレス等の金属の他、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニール等のプラスチックも用いることが
できる。気液分離室14はボックス構造のものであれば
何でも良いが最も作りやすく安価な方法を選べば良い。
気液分離室の断面積は、L型に折り曲げた金属板の片側
の面に気液を通電部分から気液分離室へ導くために多数
の開口部を設けた仕切り板によって通電部と仕切られて
いる。通電部と気液分離室との間の仕切り板6には液と
ガスが圧力損失なく通過できるような開口部15を有す
る。開口部の形状としては、例えば丸型、楕円型、角型
の穴やスリット状等いずれでも良い。ガスや液の排出は
排出ノズル13で行なう。排出ノズル13は水平より下
向きで、電解槽の厚みより小さい範囲で十分に大きな径
を有している排出ノズルが好ましい。
【0017】電極4には、エキスパンデッドメタル、有
孔平板、棒状、網状等の多孔性電極が使用できる。電極
材料としては、陽極であれば通常の塩化アルカリ金属水
溶液の電解に使用されるものでよい。すなわち、チタ
ン、ジルコニウム、タンタル、ニオブおよびそれらの合
金を基材とし、その表面に酸化ルテニウム等の白金属酸
化物を主体とした陽極活性物質を被覆した電極が使用さ
れる。陰極であれば、鉄、ニッケル、およびそれらの合
金をそのまま、または、その表面にラネーニッケル、ロ
ダンニッケル、酸化ニッケル等の陰極活物質を被覆して
用いられる。
【0018】このように、本発明に適用する電解槽は陽
極室用鍋状体および陰極室用鍋状体を2つ背中合わせに
配置し、それぞれの鉤型フランジ部と周壁部とにより形
成される空間に棒状フレームを挿入することによって本
体を構成した、組み立てがきわめて簡単な電解槽で、そ
れぞれの鍋状体の製作は1枚の板から製作された、溶接
部が少なく、工歪みおよび電解液のリークを防止でき、
電解槽内部の圧力が高くても十分耐えられる強度を持っ
た安価に製作できる電解槽が好ましい。
【0019】本発明の電解方法は、以上述べたような気
液分離室を有する電解槽において、電流に応じて(1)
式を満足するように圧力をコントロールすることで、従
来公知の電解方法では達成できなかった、高温、高電流
密度において、通電部にガスゾーンの形成がなく、振動
も少ない安定した電解ができる。従って、本発明を用い
ることによりはじめて、安価な夜間電力を最大限に利用
した経済効果の高い電解を可能ならしめる優れた方法で
ある。
【0020】次に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例のみに限定されるものではない。
【0021】
【実施例1】電解セルは、鉤型フランジと気液分離室を
有しており横幅が2400mm、高さが1280mmの
サイズで、図1、図2と同一構造に製作されている。鍋
状体の中央部には、電解液および電解生成物の通路用と
して丸型の孔を設けた補強用リブ11を有している。陽
極鍋状体、陽極側気液分離室及び丸型の孔5を設けた導
電用リブ等の材料はチタンで製作され、陰極室鍋状体、
陰極側気液分離室、丸型の孔5を設けた導電用リブ等は
ニッケルで製作した。気液分離室断面積は、陽極側、陰
極側いずれも9cm2 、12cm2 、15cm2 の三種
類制作した。陽極側気液分離室はチタン板をL型に折り
曲げて仕切り板とし、陰極側気液分離室はニッケル板を
L型に折り曲げて仕切り板とし、それぞれの仕切り板の
通電部と非通電部の境に当たる部分には直径10mmの
液ガス流出孔15を多数設けている。また、それぞれの
気液分離室の一方の端には、25mmの内径を有する排
出ノズルを取り付けた。陽極室鍋状体と陰極室鍋状体と
の間はチタン−鉄の爆発圧着板16をそれぞれの鍋状体
とスポット溶接にて接合している。また棒状フレーム1
が陽極側及び陰極側鉤型フランジ部7の間に差し込まれ
ている。陽極は、エクスパンデッドメッシュ状に加工し
たチタン板の表面に、ルテニウム、イリジウム、チタン
を成分とする酸化物を被覆することにより作成した。陰
極は、エクスパンデッドメッシュ状に加工したニッケル
板の表面に、ニッケル酸化物を被覆することにより作成
した。
【0022】これらの電解セルに、陽イオン交換膜AC
IPLEX(登録商標)F−4100、陽極室ガスケッ
ト、陰極室ガスケットを用いて鋏み、電解槽を構成し
た。この三種類の電解セルを用い、気液分離室両端の液
面差が1cm以下になるように陽極側気液分離室内圧を
調節し、その時の圧力を求めた。この時の陰極側気液分
離室内圧力は、陽極側より0.03ata高く維持し
た。
【0023】陽極側には出口濃度が200g/lとなる
ように300g/lの食塩水を供給し、陰極室には、出
口にカセイソーダ濃度が33重量%になるように希薄カ
セイソーダ水溶液を供給した。電解温度は90℃で、4
0A/dm2 〜60A/dm 2 の範囲で電解電流密度を
変えて電解し、各電流密度における単位セル間の電圧と
陽極側気液分離室内の振動を測定した。さらに、気液分
離室内の液面差を測定するために、陽極側気液分離室の
上部で排出ノズル側及び排出ノズル反対側の端から10
0mmの位置に各々覗き窓を設け、覗き窓の下の気液分
離室内には液面高さの測定できるゲージを設け気液分離
室内の両端の液面差を測定した。振動は、横河電気
(株)アナライジングレコーダー3655Eを用いて、
陽極側気液分離室内の気相部分の圧力変動を測定し、そ
の最大圧力と最小圧力との差を振動とした。測定結果を
表1に示す。測定結果を整理し実験式を求めたところ、
(1)式が得られた。
【0024】
【実施例2】気液分離室断面積が15cm2で、排出ノ
ズルの内径を25mmとし、実施例1と同様な電解セル
を制作した。この電解セルを実施例1と同様に組み立
て、電解温度92℃、陽極側気液分離室内圧力1.3a
ta、陰極側気液分離室内圧力1.33ata、電解電
流密度40A/dm2〜60A/dm2とした以外は実施
例1と同様な電解条件で、陽極側気液分離室内両端の液
面差、振動、単位セル間の電解電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0025】表2から明らかなように、(1)式を満足
しているので、高温、高電流密度でも、陽極側気液分離
室両端での液面差が小さく通電面内にガスゾーンの形成
もない。さらに、振動も小さく本発明の効果が明らかで
ある。
【0026】
【比較例1】気液分離室断面積が9cm2 で、排出ノズ
ルの内径を15mmとし、実施例1と同様な電解セルを
制作した。この電解セルを実施例1と同様に組み立て、
電解温度92℃、陽極側気液分離室内圧力1.5at
a、陰極側気液分離室内圧力1.52ata、電解電流
密度40A/dm2 〜60A/dm2 とした以外は実施
例1と同様な電解条件で、陽極側気液分離室内両端の液
面差、振動、単位セル間の電解電圧を測定した。結果を
表2に示す。
【0027】表2から明らかなように、(1)式を満足
していないので、高温、高電流密度では、陽極側気液分
離室の排出ノズルの反対側では気液分離室内に液面がな
く通電面内にガスゾーンが形成されていた。さらに、振
動も大きかった。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明は、電流に応じて電解圧力をコン
トロールすることにより、40A/dm2 以上の高電流
密度や、85℃以上の高温度でも通電部にガスゾーンの
形成がなく、セル内の振動も少ないので、イオン交換膜
を破損させることなく安定した電解ができる。従って、
安価な夜間電力を有効に利用できるので経済効果が高
く、塩化アルカリの電解方法として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電解槽を構成するユニットの、陽極室
側の正面図。
【図2】図1のA−A’線における断面図。
【符号の説明】
1 棒状フレーム 2 鍋状体 3 導電リブ 4 電極 5 液ガス流通用孔 6 気液分離室仕切り板 7 鉤型フランジ部 11 補強用リブ 12 電解液供給ノズル 13 排出ノズル 14 気液分離室 15 液ガス流出孔 16 爆発圧着板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換膜を用いて塩化アルカリを
    85℃以上の温度で且つ40A/dm2 以上で電解する
    際に、気液分離室を有するフィルタ−プレス型電解槽に
    おいて、(1)式を満足するセル圧力以上から3ata
    以下の圧力範囲で電解することを特徴とする塩化アルカ
    リの電解方法。 【数1】 S:気液分離室断面積(cm2 ) I:電流(A/dm2 ) L:気液分離室長さ(cm) P:電解槽内圧力(ata) D:通電面積(dm2 ) K:比例定数(ata・cm/A)
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