JP3202710U - ウェットスーツ - Google Patents

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一成 浅田
一成 浅田
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Abstract

【課題】伸縮性及び耐久性に優れたウェットスーツを提供する。【解決手段】基布材部と基布材部の厚さ方向両側に配設固定された一対の表面側布材部とを備えた一般被覆材部11aを有する被覆材11により形成されたウェットスーツ10において、外側に配設される表面側布材部が内側に配設される表面側布材部よりも繊維密度の高い素材により構成された強化被覆材部11bが臀部、肩部、一対の腕部外側の肘部から下腕部に亘って、又は一対の脚部正面側の膝部から足首部に亘って設けられている。【選択図】図1

Description

本考案は、保護スーツに係り、特にウェットスーツに関するものである。
従来より、保護スーツは、スクーバダイビング、サーフィン、ウィンドサーフィン、ヨット、釣り、水上オートバイ等のウォータースポーツ、又は、レスキュー・サルベージ、海上建築物上での作業等の職業的な水中・水上活動において、身体を体温損失や外傷、有害生物等から保護するために用いられている。
保護スーツのうち、スーツ内部に水が浸入するものをウェットスーツ、水が浸入しないものをドライスーツという。
一般に、ウェットスーツは、ネオプレン、クロロプレン、その他スポンジ状の発泡性ゴムからなる薄板を基材とし、その表裏両面の表面にナイロン等の伸縮性を備えた布を一体化させた生地を用いて構成されている。このような構成を採用することで、ウェットスーツの着用者の動きやすさや身体へのフィット性が向上すると共に、ウェットスーツの模様や色彩の自由度を高めることが可能となっている。
しかしながら、表面を被覆する布は伸縮性が高い反面、外部の物に触れると磨耗したり、裂損したりするといった不具合があった。特に、岩場に腰掛けた場合に臀部表面が傷つくといった事態や酸素ボンベを背負った場合に肩部表面が傷つくといった事態を生じていた。
前記不具合を解消するために、例えば、特許文献1には、岩石その他による膝、肘の怪我を防止するために、ウェットスーツ用基材に合成樹脂よりなる補強層を一体に形成してなるウェットスーツ用のひざ当て、ひじ当てが開示されている。
また、特許文献2には、酸素ボンベや潜水用のバランスウェイトを取り付ける部位に補強材を別途取り付ける不便を解消するために、肩部、腰部、膝部、或いは、肘部の生地の外側面に更にネオプレンゴム等のゴム薄膜を一体的にラミネートしたウェットスーツが開示されている。
しかしながら、特許文献1又は2においては、堅い合成樹脂やゴム薄膜により補強をしているため、補強箇所が他の部位に比べて耐久性に優れる一方で伸縮性に劣る不具合があった。また、その補強箇所は、堅い合成樹脂やゴム薄膜の補強素材が外方へ露出しているため、外観品質が低下するという不具合もあった。
実開平1−18117号公報 実開昭58−171795号公報
本考案は、以上のような従来からの不具合を解消するためのものであって、その課題は、伸縮性及び耐久性に優れたウェットスーツを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の考案にあっては、基布材部と前記基布材部の厚さ方向両側に配設固定された一対の表面側布材部とを備えた被覆材により形成されたウェットスーツにおいて、前記被覆材には、外側に配設される前記表面側布材部は内側に配設される前記表面側布材部よりも繊維密度の高い素材により構成された強化被覆材部が設けられていることを特徴とする。
従って、前記ウェットスーツの所定の部位は、外側の表面側布材部に内側の表面側布材部よりも繊維密度の高い素材が配設された強化被覆材部によって形成される。
請求項2に記載の考案にあっては、前記強化被覆材部は、臀部相当部に設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の考案にあっては、前記強化被覆材部は、肩部相当部に設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の考案にあっては、前記強化被覆材部は、一対の腕部相当部の外側において、肘部相当部から下腕部相当部に亘って設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の考案にあっては、前記強化被覆材部は、一対の脚部相当部の正面側において、膝部相当部から足首相当部に亘って設けられていることを特徴とする。
請求項1〜5に記載のウェットスーツにあっては、前記ウェットスーツの所定の部位は、外側の表面側布材部に内側の表面側布材部よりも繊維密度の高い素材が配設された強化被覆材部によって形成されるので、前記所定の部位に対する外部からの摩擦や衝撃によって、ウェットスーツが磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
その結果、従来のウェットスーツにあっては、堅い合成樹脂やゴム薄膜により補強をしているため、補強箇所が他の部位に比べて耐久性に優れる一方で伸縮性に劣る不具合があったのに対し、請求項1〜5に記載のウェットスーツにあっては、前記所定の部位を、外側の表面側布材部に繊維密度の高い素材を配設した強化被覆材部によって構成しているので、伸縮性を確保しつつも耐久性に優れたウェットスーツを提供することができる。
またさらに、前記強化被覆材部は、ウェットスーツの一般部と同様に、基布材部と一対の表面側布材部という構成を有しているので、従来の堅い合成樹脂やゴム薄膜による補強がなされたウェットスーツに比して、外観品質の高いウェットスーツを提供することができる。
請求項2に記載のウェットスーツにあっては、前記強化被覆材部は、臀部相当部に設けられているので、例えば、ウェットスーツの着用者が岩場に腰掛けた場合に前記臀部相当部の外側面が摩耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
請求項3に記載のウェットスーツにあっては、前記強化被覆材部は、肩部相当部に設けられているので、例えば、ウェットスーツの着用者が酸素ボンベを背負った場合に前記肩部相当部の外側面が摩耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
請求項4に記載のウェットスーツにあっては、前記強化被覆材部は、一対の腕部相当部の外側において、肘部相当部から下腕部相当部に亘って設けられているので、外部の物に接触しやすい前記肘部相当部の外側面が磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
請求項5に記載のウェットスーツにあっては、前記強化被覆材部は、一対の脚部相当部の正面側において、膝部相当部から足首相当部に亘って設けられているので、例えば、ウェットスーツの着用者が膝をついて作業を行なう場合に前記膝部相当部の外側面が磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
図1は、本考案に係るウェットスーツの一実施の形態を示す正面図である。 図2は、本考案に係るウェットスーツの一実施の形態を示す背面図である。 図3は、本考案に係るウェットスーツの一実施の形態において、ウェットスーツを形成する被覆材の断面図である。 図4は、本考案に係るウェットスーツの他の実施の形態を示し、(a)は、腕部相当部を有していない袖なしで構成された形態を示す正面図、(b)は、腕部相当部が半袖であって脚部相当部が半ズボンで構成された形態を示す正面図である。 図5は、本考案に係るウェットスーツの他の実施の形態を示し、(a)は、上半身相当部のみで構成された形態を示す正面図、(b)は、下半身相当部のみで構成された形態を示す正面図、(c)は、下半身相当部のみで構成され、脚部相当部が半ズボンで構成された形態を示す正面図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づき、本考案を詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10は、被覆材11により形成され、胴部相当部12と、胴部相当部12に連設された一対の腕部相当部13、13と、胴部相当部12に連設された一対の脚部相当部14、14とを有している。
本実施の形態にあっては、被覆材11は、一般被覆材部11aと強化被覆材部11bとにより構成されている。
図示しないが、本実施の形態に係る一般被覆材部11aは、基布材部15と基布材部15の厚さ方向両側に配設固定された一対の表面側布材部16、16とを備えている。
図3に示すように、本実施の形態に係る強化被覆材部11bは、基布材部15と基布材部15の厚さ方向両側に配設固定された表面側布材部16、17とを備え、外側に配設される表面側布材部17は内側に配設される表面側布材部16よりも繊維密度の高い素材により構成されている。
本実施の形態に係る基布材部15は発泡性のクロロプレンゴムにより、表面側布材部16はナイロンにより、夫々、構成されている。また、本実施の形態に係る表面側布材部17は、5%のポリウレタン弾性繊維と、95%のポリエステルとにより構成された素材を使用している。
図3に示すように、本実施の形態に係る強化被覆材部11bにあっては、表面側布材部16、17が基布材部15の厚さ方向両側に、夫々、接着固定されている。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、臀部相当部19と、肩部相当部20とに設けられている。
さらに、図2に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、一対の腕部相当部13、13の背面側(肘側)において、肘部相当部21、21から下腕部相当部22、22に亘って設けられている。
またさらに、図1に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b・・・は、一対の脚部相当部14、14の正面側において、膝部相当部23、23から足首相当部24、24に亘って設けられている。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る胴部相当部12の上端部には、着用者の首を挿通しうる襟部25が設けられている。また、襟部25の下端部からウェットスーツ10の長さ方向略中央に亘ってスライドファスナー26が配設され、引手27によって胴部相当部12の長さ方向に沿って開閉可能に設けられている。
また、図1に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、補強布地が縫着された補強部35、36が、胴部相当部12から脚部相当部14、14に亘って、夫々、逆U字状に設けられている。同様に、図1に示すように、補強布地が縫着された補強部37が、肩部相当部の下端部に沿って略平行に設けられている。さらに、図2に示すように補強布地が縫着された補強部38、38が、臀部相当部19から胴部相当部12の周方向に沿って、夫々、設けられている。またさらに、図2に示すように補強布地が縫着された補強部39、39が、臀部相当部19から脚部相当部14の周方向に沿って、夫々、設けられている。
以上の構成を有する第一の実施の形態はワンピース型のウェットスーツとして構成されているのに対して、図4(a)に示す第二の実施の形態に係るウェットスーツ30は、腕部相当部を有していない袖なしで構成されたロングジョン型のウェットスーツとして構成されている。
従って、図4(a)に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ30にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、臀部相当部19と、肩部相当部20とに設けられている。
またさらに、図1に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、一対の脚部相当部14、14の正面側において、膝部相当部23、23から足首相当部24、24に亘って設けられている。
他の構成は第一の実施の形態に係るウェットスーツ10と同一である。
図4(b)に示す第三の実施の形態に係るウェットスーツ31は、腕部相当部13、13が半袖であって、脚部相当部14、14が半ズボンで構成されたスプリング型のウェットスーツとして構成されている。
従って、図4(a)に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ30にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、臀部相当部19と、肩部相当部20とに設けられている。
図5(a)に示す第四の実施の形態に係るウェットスーツ32は、上半身相当部のみで構成されたジャケット型のウェットスーツとして構成されている。
従って、図5(a)に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ32にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、肩部相当部20、及び、一対の腕部相当部13、13の背面側(肘側)において、肘部相当部21、21から下腕部相当部22、22に亘って設けられている。
図5(b)に示す第五の実施の形態に係るウェットスーツ33は、下半身相当部のみで構成されたボレロ型のウェットスーツとして構成されている。
従って、図5(b)に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ33にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、臀部相当部19、及び、一対の脚部相当部14、14の正面側において、膝部相当部23、23から足首相当部24、24に亘って設けられている。
図5(c)に示す第五の実施の形態に係るウェットスーツ34は、下半身相当部のみで構成され、脚部相当部が半ズボンで構成されたボレロ型のウェットスーツとして構成されている。
従って、図5(c)に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ34にあっては、強化被覆材部11bは、臀部相当部19に設けられている。
以下、本実施の形態に係るウェットスーツ10の作用について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10は、一対の腕部相当部13、13に着用者の腕を、一対の脚部相当部14、14に着用者の脚を、夫々、通し、スライドファスナー26の引手27を襟部25まで引き上げることによって着用することができる。
この際、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、外側の表面側布材部17に内側の表面側布材部16よりも繊維密度の高い素材が配設されているので、強化被覆材部11b、11b・・・に対する外部からの摩擦や衝撃によって、ウェットスーツが磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
その結果、従来のウェットスーツにあっては、堅い合成樹脂やゴム薄膜により補強をしているため、補強箇所が他の部位に比べて耐久性に優れる一方で伸縮性に劣る不具合があったのに対し、本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・を、外側の表面側布材部17に繊維密度の高い素材を配設することによって構成しているので、伸縮性を確保しつつも耐久性に優れたウェットスーツを提供することができる。
またさらに、本実施の形態に係る強化被覆材部11b、11b・・・は、ウェットスーツ10の一般被覆材部11a、11a・・・と同様に、基布材部15と一対の表面側布材部16、17という構成を有しているので、従来の堅い合成樹脂やゴム薄膜による補強がなされたウェットスーツに比して、外観品質の高いウェットスーツを提供することができる。
図示しないが、本考案の他の実施の形態に係るウェットスーツ30、31、32、33、34についても、ウェットスーツ10と同様に着用することができる。その結果、ウェットスーツ30、31、32、33、34においても、ウェットスーツ10と同様の構成を有する強化被覆材部11b、11b・・・が設けられているので、ウェットスーツ10と同様の効果を奏する。
また、図1、図2、図4及び図5に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10、30、31、33、34にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、臀部相当部19に設けられているので、例えば、ウェットスーツ10の着用者が岩場に腰掛けた場合に臀部相当部19の外側面が摩耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
また、図1、図2、図4及び図5に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10、30、31、32にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、肩部相当部20に設けられているので、例えば、ウェットスーツの着用者が酸素ボンベを背負った場合に肩部相当部20の外側面が摩耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
また、図1、図2、図4及び図5に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10、32にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、一対の腕部相当部13、13の背面側(肘側)において、肘部相当部21、21から下腕部相当部22、22に亘って設けられているので、外部の物に接触しやすい肘部相当部21、21の外側面が磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
また、図1、図2、図4及び図5に示すように、本実施の形態に係るウェットスーツ10、30、33にあっては、強化被覆材部11b、11b・・・は、一対の脚部相当部14、14の正面側において、膝部相当部23、23から足首相当部24、24に亘って設けられているので、例えば、ウェットスーツの着用者が膝をついて作業を行なう場合に膝部相当部23、23の外側面が磨耗したり損傷したりするといった事態を効果的に防止することができる。
本実施の形態に係るウェットスーツ10にあっては、基布材部15は発泡性のクロロプレンゴムにより、表面側布材部16はナイロンにより、夫々、構成されている。また、本実施の形態に係る表面側布材部17は、5%のポリウレタン弾性繊維と、95%のポリエステルとにより構成された素材を使用している場合を例に説明したが、前記構成に限定されず、外側に配設される表面側布材部17は内側に配設される表面側布材部16よりも繊維密度の高い素材により構成されていればよい。
本考案は、ウェットスーツに広く適用可能であり、産業上利用可能性を有している。
10、30、31、32、33、34:ウェットスーツ
11:被覆材
11a:一般被覆材部
11b:強化被覆材部
12:胴部相当部
13:腕部相当部
14:脚部相当部
15:基布材部
16、17:表面側布材部
19:臀部相当部
20:肩部相当部
21:肘部相当部
22:下腕部相当部
23:膝部相当部
24:足首相当部
25:襟部
26:スライドファスナー
27:引手
35、36、37、38、39:補強部

Claims (5)

  1. 基布材部と前記基布材部の厚さ方向両側に配設固定された一対の表面側布材部とを備えた被覆材により形成されたウェットスーツにおいて、
    前記被覆材には、外側に配設される前記表面側布材部は内側に配設される前記表面側布材部よりも繊維密度の高い素材により構成された強化被覆材部が設けられていることを特徴とするウェットスーツ。
  2. 前記強化被覆材部は、臀部相当部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のウェットスーツ。
  3. 前記強化被覆材部は、肩部相当部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のウェットスーツ。
  4. 前記強化被覆材部は、一対の腕部相当部の外側において、肘部相当部から下腕部相当部に亘って設けられていることを特徴とする請求項1記載のウェットスーツ。
  5. 前記強化被覆材部は、一対の脚部相当部の正面側において、膝部相当部から足首相当部に亘って設けられていることを特徴とする請求項1記載のウェットスーツ。
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