JP3202479U - パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】チタンアパタイト層を備えて屋内における住環境を良くすることができ、専門的な技術を必要とすること無く、容易に均一な膜厚のチタンアパタイト層を形成可能とするパネルを提供する。【解決手段】パネル本体2と、パネル本体の少なくとも一方の面に形成されたチタンアパタト層を具備したパネルであって、チタンアパタイト層は、スクリーン印刷によって、水又は接着剤で溶いて粘性を持たせたチタンアパタイトをパネル本体に塗布し、あるいは、チタンアパタイトを混ぜた塗料をパネル本体に塗布することで形成したことを特徴としており、屋内の壁や天井に備えることで、チタンアパタイトの作用により、パネル本体に付着した埃や菌、有害物質を分解除去して屋内の住環境を良くすることができるとともに、面倒な作業や専門的な技術を必要とせずに屋内の住環境を良くすることができる。【選択図】図4

Description

本考案は屋内の壁、天井に備えられるパネルに係り、より詳しくは、スクリーン印刷によって表面にチタンアパタイト層を形成したことを特徴とするパネルに関する。
周知のように、建造物における壁や天井の内装は、下地に壁紙を貼着することにより行われ、これにより、下地の保護を行うが、このとき、壁紙の色や模様を好みのものにすることにより、室内の装飾を行い、室内における住環境を良くすることが行われている。また、室内における湿度の調節、消臭、殺菌を行うために、除湿材、消臭剤、芳香剤あるいは空気清浄機を室内に配置したり、観葉植物を置くことが行われている。更に、珪藻土、ゼオライト等の調湿建材を用いて壁の下地を形成することで、室内の除湿等を行うことも試みられている。
しかし、壁紙の色や模様を好みのものに選択するのみでは視覚に訴える住環境が向上するのみである。また、室内に除湿材、消臭剤、芳香剤あるいは空気清浄機を置いた場合は、その交換やメンテナンスが面倒であり、更に観葉植物を置いた場合には、世話が大変であるばかりか、逆に室内が汚れてしまうという問題点が考えられる。更にまた、調湿建材を用いて壁等の下地を形成する場合には、新築家屋の場合は別だが、それ以外の場合には、壁を施工しなおす必要があるため、施工が大掛かりになってしまうという問題点が考えられる。
この点、本考案者は過去に、珪藻土と光触媒を混ぜ合わせて製造したコーティング材を壁紙本体の一方の面に塗布してコーティング層を形成した壁紙を提案しており、これにより、面倒な施工を行うことなく室内における住環境を良くすることができる効果を得ることが可能となったが、その一方、この方法では、室内の壁全域に壁紙を貼着しなければならないため、作業が面倒であり、更に、専門業者でなければきれいに貼ることはできないという問題点が指摘されていた。
そのために、本考案者は更に、上記のような問題点を解決するために、チタンアパタイトを備えたコーティング層を表面に具備したパネルを提案した。即ち、埃、菌、有害物質、花粉などを吸着して、光エネルギーを吸収することで強い酸化分解力を持つチタンアパタイトを備えたパネルでは、吸着した汚れ、ウイルス、花粉などを水と二酸化炭素に完全に分解することが可能であるとともに、壁や天井に係止するのみで壁や天井に備えることができるので、下地材や壁紙と異なり、専門的な技術を必要とすること無く、容易に屋内の住環境を良くすることが可能である。
実用新案登録第3199658号公報 実用新案登録第3186142号公報 特開2009−052376号公報 特開2008−038307号公報 特開2006−348430号公報 特開2003−239199号公報 特開2003−003382号公報 特開2003−003381号公報 特開2002−154178号公報
ところで、前述のパネルにおいてコーティング層を具備するためには、チタンアパタイトを混ぜて製造した紙をパネル本体の表面に貼着する方法や、チタンアパタイトをパネル本体の表面に塗布する方法が考えられるが、いずれの方法を採用するにしても、専門的な技術が必要で、素人が容易に行うことは困難である。
即ち、チタンアパタイトを混ぜて製造した紙をパネル本体の表面に貼着する方法では、壁紙を室内の壁に貼着する場合と同様に、きれいに貼ることはできないという問題点が指摘できる。また、チタンアパタイトをパネル本体の表面に塗布する方法でも、パネル本体の表面に均一にチタンアパタイトを塗布することは素人には困難であり、そのため、見栄えが悪いパネルになってしまうおそれが十分に考えられる。
そこで、本考案は、面倒な作業を経ることなく、容易にかつ見栄え良く製造可能な、チタンアパタイト層を具備したパネルを提供することを課題としている。
本考案のパネルは、屋内の壁や天井に備えられるパネルであって、
パネル本体と、
該パネル本体の少なくとも一方の面に形成されたチタンアパタイト層と、を具備したパネルであって、
前記チタンアパタイト層は、スクリーン印刷により、前記パネル本体にチタンアパタイトを塗布することで形成した、ことを特徴としている。
周知のように、チタンアパタイトは、アパタイト結晶中に酸化チタンを導入したもので、有機物を確実に吸着するアパタイトの機能と、吸着した有機物を水と二酸化炭素に完全に酸化分解する酸化チタンの機能とを併せ持つ。即ち、埃、菌、有害物質、花粉などを吸着して、光エネルギーを吸収することで強い酸化分解力を持ち、吸着した汚れ、ウイルス、花粉などを水と二酸化炭素に完全に分解することが可能である。
従って、このチタンアパタイトをパネル本体に塗布することで形成されたチタンアパタイト層を具備した本考案のパネルでは、屋内の壁や天井に備えることで、屋内に浮遊していた埃、菌、有害物質、花粉等がパネルに付着することで、これを確実に分解し、屋内における住環境を良くすることが可能となる。
また、本考案はパネルであり、これを壁や天井に係止するのみで壁や天井に備えることができるため、下地材や壁紙と異なり、壁や天井に備える際には面倒な作業や専門的な技術が不要であり、容易に屋内の住環境を良くすることが可能である。
そして、本考案のチタンアパタイト層は、スクリーン印刷により形成しているために、特に専門的な技術を必要とすることなく、容易に、かつ均一な膜厚でチタンアパタイトをパネル本体に塗布することが可能である。
本考案のパネルの実施例の断面構造を示した図である。 本考案のパネルの実施例の使用方法を説明するための図である。 本考案のパネルの実施例の使用方法を説明するための図である。 本考案のパネルの実施例におけるチタンアパタイト層を形成する方法を説明するための図である。
本考案のパネルでは、発泡スチロール、厚紙等の素材よりなるパネル本体を有しており、このパネル本体の一方の面、又は一方及び他方の面には、チタンアパタイト層が形成されている。
そして、パネル本体に形成されているチタンアパタイト層は、スクリーン印刷により形成されている。即ち、スクリーン印刷によって、パネル本体にチタンアパタイトを塗布することで、パネル本体にチタンアパタイト層が形成されている。
ここで、チタンアパタイトの粉を水や接着剤で溶いて粘性を持たせたものを用いて、これをスクリーン印刷によってパネル本体に塗布するか、あるいは、チタンアパタイトを混ぜた塗料を用いて、これをスクリーン印刷によってパネル本体に塗布することで、チタンアパタイト層を形成するとよく、これにより、チタンアパタイトを確実にパネル本体に塗布することが可能である。
本考案のパネルの実施例について図面を参照して説明すると、図1は、本実施例のパネルの断面構造を示す図であり、横断平面構造を示している。そして、図において1が本実施例のパネルであり、本実施例のパネル1は、室内の壁や天井に備えられるパネルとしている。
そして、本実施例のパネル1は、パネル本体を有している。即ち、図において2がパネル本体であり、本実施例において前記パネル本体2は、発泡スチロール製としており、長方形状としている。但し、パネル本体の形状は必ずしも長方形状にする必要は無く、その他、正方形状、円形状、三角形状、多角形状等、いずれの形状にしても良い。また、必ずしも発泡スチロール製にする必要は無く、その他、厚紙や、木製、金属製の板によってパネル本体2を形成しても良い。
次に、図において3はチタンアパタイト層である。即ち、本実施例のパネル1では、前記パネル本体2の一方の面にチタンアパタイト層3を形成しており、このチタンアパタイト層3の存在により、室内等に浮遊する埃、菌、有害物質等の有機物を吸着して分解し、室内の住環境を良いものにしている。
即ち、周知のようにチタンアパタイトは、富士通研究所と東京大学先端科学技術研究センターの共同研究で開発されたもので、アパタイト結晶中に酸化チタンを導入して製造され、有機物を確実に吸着するアパタイトの機能と、吸着した有機物を水と二酸化炭素にまで完全に酸化分解する酸化チタンの効果を併せ持つものである。そのために、パネル本体2の一方の面にチタンアパタイト層3を形成した本実施例のパネル1では、パネル本体2に付着した埃、菌、有害物質、花粉等を確実に酸化分解することができ、従って、室内の住環境を良いものにすることができる。なお、チタンアパタイト層3は必ずしもパネル本体2の一方の面にのみ形成する必要はなく、一方及び他方の面の双方に形成しても良い。
ここで、前記チタンアパタイト層3について説明すると、本実施例において前記チタンアパタイト層3は、スクリーン印刷により形成されている。即ち、本実施例において前記チタンアパタト層3は、チタンアパタイトをスクリーン印刷によってパネル本体2に塗布することで形成している。
この方法について図を参照して説明すると、図4はこのスクリーン印刷の方法を説明するための図であり、図において10が、スクリーン印刷を行う作業台である。そして、前記作業台10の上には、ポリエステル等の合成繊維やステンレスなどの金属繊維で織った、チタンアパタイトを通過可能なスクリーン8が可動自在に備えられている。また、スクリーン8の上方には、略円柱形状のローラー9が移動自在に備えられている。
そして、パネル本体2にチタンアパタイト層3を形成する際には、前記作業台10上にパネル本体2を固定し、固定したパネル本体2の上側に前記スクリーン8を重ね合わせる。そしてその状態で、前記ローラー9にチタンアパタイトを付着させた後に、ローラー9をスクリーン8に当接するとともに、当接させた状態でスクリーン8上を移動する。そしてこれにより、パネル本体2にチタンアパタイトを塗布し、チタンアパタイト層3を形成する。
このように、本実施例のパネル1では、スクリーン印刷によりチタンアパタイト層3を形成しているために、特に専門的な技術を必要とすることなく、容易に、かつ均一な膜厚でチタンアパタイト層3を形成することが可能である。
なお、パネル本体2に塗布するチタンアパタイトの形態は特に限定されず、パネル本体2に塗布可能な形態であればいずれの形態でもよいが、チタンアパタイトの粉を水や接着剤で溶いて粘性を持たせたものや、チタンアパタイトを混ぜた塗料を用いるとよく、これにより、確実にパネル本体2にチタンアパタイト層3を形成することが可能である。
また、パネル本体2にチタンアパタイトをスクリーン印刷で塗布するに際しては、前記パネル本体2の表面に細かい傷を多数形成して表面を粗くしておくとよく、これにより、チタンアパタイトの接着性を高めることができる。
次に、このように構成される本実施例のパネルの作用について説明すると、本実施例のパネル1は室内の壁の一部に係止されて使用される。即ち、図2が本実施例のパネル1を室内の壁5に係止した状態を示しており、図2においては、室内の壁5に隣り合う配置で4枚のパネル1を係止している。そうすると、パネル本体2の表面に備えたチタンアパタイト層3により、室内を浮遊してパネル1に付着した埃、菌、有害物質、花粉等が酸化分解され、それにより、室内の住環境を良いものにすることができる。
なお、図3は本実施例のパネル1を壁5に係止する方法を示した図であり、図において6は係止具である。即ち、図3に示す係止具6は、1〜数センチ程度の幅で係止するパネルの上下方向の寸法に対応した長さの長尺状としており、長手方向に沿った両側に、前記パネル1の端部が嵌入する嵌入溝7を有している。そして、この係止具6をネジや接着剤やテープによって壁5に固定した後に、嵌入溝7内にパネル1の端部を嵌入する。そうすると、壁5に本実施例のパネル1を係止することが可能となる。
従って、本実施例のパネル1では、特に面倒な作業や専門的な技術を必要とすることなく、これを壁や天井に係止することができ、容易に室内の住環境を良くすることが可能である。
但し、必ずしも図3に示す係止具を用いて本実施例のパネル1を壁4に係止する必要は無く、一般的にパネルや額縁を壁等に係止する場合と同様に、係止紐、チェーン等の係止部材を用いて、本実施例のパネル1を壁に吊るしても良い。
このように、本実施例のパネルでは、チタンアパタイト層3をパネル本体の表面に形成しているために、室内の埃、菌、有害物質、花粉等をパネルに吸着して分解することができ、室内における住環境を良くすることが可能となる。
また、本実施例のパネルでは、これを壁や天井に係止するのみで良いので、下地材や壁紙と異なり、面倒な作業や専門的な技術が不要であり、容易に室内の住環境を良くすることが可能である。
更に、本実施例において前記のチタンアパタイト層は、スクリーン印刷により形成しているために、特に専門的な技術を必要とすることなく、容易に、かつ均一な膜厚で製造することが可能である。
なお、チタンアパタイトを用いて室内の住環境を良くするためには、壁、天井の面積の1/3程度にチタンアパタイトを備えれば良いと言われているため、壁や天井の全てにチタンアパタイトを備える必要は無いが、下地材や壁紙を用いてチタンアパタイトを壁や天井に備えた場合は、壁や天井の全域に下地材や壁紙を備えなければならずに費用も上がってしまう。しかし、本実施例のパネルでは、下地材と異なり、壁や天井の任意の箇所にのみ係止することができるので、費用を抑えることも可能である。
また、スクリーン印刷によってチタンアパタイト層3を形成するに際しては、パネル本体2の全面にチタンアパタイトを塗布すること無く、前記スクリーン8に塗布パターンを形成し、パネル本体2の一部にチタンアパタイトを塗布し、その他の部分に着色を施して模様等にしてもよい。
本考案のパネルでは、チタンアパタイト層をパネル本体の表面に形成したパネルにおいて、チタンアパタイト層をスクリーン印刷によって形成しているため、チタンアパタト層を備えたパネルの全般に適用可能である。
1 パネル
2 パネル本体
3 チタンアパタイト層
4 糊
5 壁
6 係止具
7 嵌入溝
8 スクリーン
9 ローラー
10 作業台

Claims (3)

  1. パネル本体(2)と、
    該パネル本体(2)の少なくとも一方の面に形成されたチタンアパタイト層(3)と、を具備したパネルであって、
    前記チタンアパタイト層(3)は、スクリーン印刷により、前記パネル本体(2)にチタンアパタイトを塗布することで形成したことを特徴とするパネル。
  2. 水又は接着剤で溶いて粘性を持たせたチタンアパタイトをパネル本体(2)に塗布することで前記チタンアパタイト層(3)を形成したことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
  3. チタンアパタイトを混ぜた塗料をパネル本体(2)に塗布することで前記チタンアパタイト層(3)を形成したことを特徴とする請求項1に記載のパネル。
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