JP3201708U - 携帯型酸素供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】常時持ち歩くことが可能な程度まで携帯性に優れるとともに、一定時間当たりの酸素の供給量を高めることのできる携帯型酸素供給装置を提供すること。【解決手段】空気取入口16が設けられた本体12と、接続ノズル13とを備え、本体12内には、空気取入口16と接続ノズル13との間に連通接続された遠心送風機40と、遠心送風機40を駆動するための乾電池23を備え、接続ノズル13に、先端に鼻腔カニューレが備えられた酸素吸入用チューブが取り付けられ、長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下にその全体が設けられ、上部から下部方向に向かって舌片形状に突設された係止用クリップを備えた。【選択図】 図2
Description
この考案は携帯型酸素供給装置に関し、特に、簡易に酸素供給量を増加させることのできる携帯型酸素供給装置に関する。
従来、通常の空気よりも酸素濃度が高い空気を吸引することが可能な酸素供給装置が知られている。このような酸素供給装置は、吸入酸素濃度(FiO2)を増加させて、動脈血酸素分圧(PaO2)を正常に保ち、組織に十分な酸素を供給して、喘息(ぜんそく),肺気腫,肺炎などの呼吸器疾患や,鬱血(うつけつ)性心不全,著しい貧血,一酸化炭素中毒などに対する治療を行ったり、また、勉強、仕事、作業等を効率よく行なえるよう集中力を高めるために用いられたりしている。このような酸素供給装置としては、シリンダー内に窒素を吸着する機能のある特殊なゼオライトを入れて、加圧と減圧を繰り返すことにより空気中の酸素と窒素を分離する方式(Pressure Swing Adsorption 「PSA方式」)、二種類の薬剤と水を使用して反応させ100%の酸素を発生するペットボトル型の携帯酸素発生器を用いる方式、酸素と窒素を分離する気体分離膜の一種である酸素富化膜を用いる方式などが知られている。
これらのうち酸素富化膜を用いる方式は、有機高分子の平膜より構成した酸素富化膜を用い、酸素富化膜を通過する酸素分子と窒素分子の速度差を利用して、空気中の酸素を濃縮することができる。コンプレッサーやポンプなどを用いて濃縮することができるので、酸素供給装置を比較的簡便にかつ比較的小型に構成することができ、また、電気の供給ができない場所においても使用可能なものである(例えば特許文献1参照)。
従来の酸素供給装置は、簡便な構造で比較的小型であるものの、酸素富化膜を通過させるために一定時間当たりの気体排出量が十分ではなく、場合によっては一定時間当たりに必要な酸素量を供給できないおそれがあった。一方で、必要な酸素量を供給するためには、結局装置が大型化してしまい、常時持ち歩くことができるなどの携帯性を失ってしまうおそれがあった。
本考案が解決しようとする目的は、前述した従来技術の問題点を解決するものであり、常時持ち歩くことが可能な程度まで携帯性に優れるとともに、一定時間当たりの酸素の供給量を高めることのできる携帯型酸素供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するものは以下のものである。
(1)本考案の第一の手段の携帯型酸素供給装置は、
空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口と前記吐出口との間に連通接続された遠心送風機と、前記遠心送風機を駆動するための電源を備えることを特徴とする。
(1)本考案の第一の手段の携帯型酸素供給装置は、
空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口と前記吐出口との間に連通接続された遠心送風機と、前記遠心送風機を駆動するための電源を備えることを特徴とする。
本考案によれば、電源およびこの電源によって駆動される遠心送風機を備えているので、独立して持ち運びが可能であるとともに、遠心送風機によりより強制的に多くの空気を供給することができるので、PSA方式のように多くの部品を必要とせず、また薬剤などを内蔵しておく酸素発生器のように薬剤や水をあらかじめ備えておく必要が無い。よって、携帯型でかつ小型化することが容易であり、ポケットなどに収納できるほど小型化することができる。また、濃縮酸素を生じさせるために酸素富化膜を通過させる必要は無いので、所定時間あたりの十分な酸素量を供給することもできる。
(2)本考案の第二の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第一の手段の携帯型酸素供給装置であって、前記吐出口に、先端に鼻腔カニューレが備えられた酸素吸入用チューブが備えられたことを特徴とするものである。
このような酸素吸入用チューブを備えることにより、従来の酸素供給装置と同様に、酸素吸入用チューブを利用して本携帯型酸素供給装置を利用することができる。そして、本携帯型酸素供給装置を鞄などに収納しておけば、より簡易に場所を問わずに酸素供給を行うことができる。
(3)本考案の第三の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第一の手段の携帯型酸素供給装置であって、前記吐出口は外径が10mm以下の2二つの吐出ノズルであることを特徴とするものである。
(4)本考案の第四の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第三の手段の携帯型酸素供給装置であって、前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とするものである。
(4)本考案の第四の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第三の手段の携帯型酸素供給装置であって、前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とするものである。
このような吐出ノズルとすることにより、鼻腔カニューレとして、酸素吸入用チューブを使用しなくても酸素吸引を容易に行うことができる。
(5)本考案の第五の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第一から第四のいずれかの手段の携帯型酸素供給装置であって、長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられたことを特徴とするものである。
このようなサイズに装置の大きさを設けることにより、使用者がポケット等に収納することを容易にすることができる。
(6)本考案の第六の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第一から第五のいずれかの手段の携帯型酸素供給装置であって、前記電源として乾電池を利用することを特徴とするものである。
このように乾電池を利用することにより、装置の小型化を図ることができ、また、利用容易な電源を用いるものとすることができる。
(7)本考案の第七の手段の携帯型酸素供給装置は、前述した第一から第六のいずれかの手段の携帯型酸素供給装置であって、上部から下部方向に向かって舌片形状に突設された係止用クリップを備えたことを特徴とするものである。
このような係止用クリップを備えることにより、シャツの胸ポケットや、ズボンのポケット内に収納し、かつポケット内から容易には脱落しない供給装置とすることができ、利便性が高まる。
(8)また、本考案の第八の手段の携帯型酸素供給装置は、空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、前記本体内には、前記空気取入口と前記吐出口との間に連通接続された遠心送風機と、前記遠心送風機を駆動するための電源を備え、前記吐出口に、先端に鼻腔カニューレが備えられた酸素吸入用チューブが備えられ、長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下にその全体が設けられ、前記電源として乾電池を利用し、上部から下部方向に向かって舌片形状に突設された係止用クリップを備えたことを特徴とするものである。
本考案の携帯型酸素供給装置は、前述の構成とされているので、電源に接続できない屋外などにおいても持ち運び可能であり、かつ、使用者が常時携帯していても邪魔にならないものとすることができ、一定時間当たりの酸素の供給量を高めることもできる。
以下において、本考案の携帯型酸素供給装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1から図3に示されるように、本考案の携帯型酸素供装置10は、小型に形成された箱状の全体形状に設けられており、使用者がポケット内などに常時携帯しておくことが可能な大きさ・形状とされている。本例においては、通常の酸素吸入装置に用いられる酸素吸入用チューブ1を接続して酸素の吸入を行う。酸素吸入用チューブ1の先端には、耳に係止した上で先端を鼻腔内に挿入保持可能な鼻腔カニューレ2が形成されている。
携帯型酸素供給装置10は、薄長の直方体状の本体12と、この本体12の一端側から突設された円筒状の接続ノズル13とを備えている。携帯型酸素供給装置10は、その長さが約150mm、幅が約50mm、高さが約30mmとされており、前述のように使用者がポケット内などにしまうことが可能な大きさに設けられている。
また、本体12の右側面には、空気を取り入れるための空気取入口16が開口されている。空気取入口16は多数の小孔16aから構成されている。また、接続ノズル14側となる本体12上部の裏面には、胸ポケットなどにしまった際に携帯型酸素供給装置10が胸ポケットなどから脱落しないようにするために、胸ポケットなどに係止することができるクリップ18が備えられている。
ついで、携帯型酸素供給装置10の内部構造について説明する。図2に示されるように、本体12内部には、本体12の長手方向における接続ノズル13側に、遠心送風機40が収納固定されている。一方、接続ノズル13と反対側には遠心送風機40を駆動するための電源である乾電池23が二つ固定されている。
遠心送風機40の吸入口は、前述した空気取入口16に連通接続されている。また、遠心送風機40の排出口は、空気取入口16から吸引した空気を吐出する接続ノズル13に連通接続されている。接続ノズル13は、前述したように、酸素吸入用チューブ1に接続されている。携帯型酸素供給装置10から排出された空気は、図3に示すように、酸素吸入用チューブ1の先端の鼻腔カニューレ2から排出されることになる。
ついで、このように構成された携帯型酸素供給装置10の使用方法について説明する。前述したように、この携帯型酸素供給装置10は小型に形成されているので、使用者のズボンのポケット内などに常時携帯することができる。この際に、本体12裏面のクリップ18をポケットなどの縁に係止しておくと、携帯型酸素供給装置10がポケット内から容易には脱落しないようにすることができる。図3に示されるように、使用する際には、接続ノズル13に接続した酸素吸入用チューブ1の鼻腔カニューレ2を鼻腔内に挿入して、本体12裏側のスイッチ(図示省略)を入れる。スイッチを入れると遠心送風機40が起動して、遠心送風機40に連通接続された空気取入口16から空気を吸引して接続ノズル13側へ排出する。この際に、接続ノズル13側からは、強制的に空気が排出されるので、鼻腔カニューレ2から強制的に空気が排出される。よって、使用者はより多くの空気量を自然に吸入することができる。したがって、大きく深呼吸を行うように、より多くの酸素量を吸入可能となる。本例の携帯型酸素供給装置10では、遠心送風機40の性能により約30L/minの風量で空気を排出することとしているが、適宜変更可能である。
このように、本例の携帯型酸素供給装置10では、酸素富化膜を利用するなどの複雑な構造とする必要は無い。一方で、酸素富化膜を通して空気を排出することが無いので、簡便に一定時間当たりの空気量すなわち一定時間当たりの酸素量を排出させることが容易である。また、携帯用に小型の大きさとされているので、運搬・保管も容易であり、特に携帯して使用するのには好適である。
ついで本考案の別の携帯型酸素供給装置10aについて説明する。この携帯型酸素供給装置10aでは、酸素吸入用チューブ1を接続するための接続ノズル13に代えて、鼻腔カニューレとして直接的に使用可能な吐出ノズル14を備えている。なお、以下において前述した携帯型酸素供給装置10と同一の構成については、同一の符号を図面中に記載して、その説明を省略する。二つの吐出ノズル14は、装置10aの本体12の一端からその軸心間を20mm以内としてそれぞれ突設されており、使用者の鼻腔内に挿入可能な鼻腔カニューレとして機能する。そのために本実施例では、吐出ノズルの長さは約20mmとされ、その外径は約10mmとされている。本例の携帯型酸素供給装置10aは、酸素吸入用チューブを用いることなく利用が可能であり、常時酸素吸入を行う場合に用いられる酸素吸入用チューブなどを利用することなく、使用しない場合には鞄内などにしまっておき、必要な場合にのみ使用するような使用方法においては、酸素吸入用チューブを持ち運ぶことなく利用が可能であるので、このような簡易的な使用方法において利便性が高い。
本考案は前述の例に限られず、本考案の趣旨の範囲内で適宜の変更が可能である。例えば、装置の全体形状は他の形状としても良い。例えば横断面が楕円形状や長円形状としても良い。また、遠心送風機は、適宜適当な種類のものを選択することが可能である。
本考案は、種々の携帯型酸素供給装置について広く用いることができる。
1:酸素吸入用チューブ、2;鼻腔カニューレ、10,10a;携帯型酸素供給装置、12;本体、13;接続ノズル、14;吐出ノズル、16;空気取入口、16a;小孔、18;クリップ、23;乾電池、40;遠心送風機。
Claims (8)
- 空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口と前記吐出口との間に連通接続された遠心送風機と、前記遠心送風機を駆動するための電源を備えることを特徴とする携帯型酸素供給装置。 - 前記吐出口に、先端に鼻腔カニューレが備えられた酸素吸入用チューブが備えられたことを特徴とする請求項1に記載の携帯型酸素供給装置。
- 前記吐出口は外径が10mm以下の2二つの吐出ノズルであることを特徴とする請求項1に記載の携帯型酸素供給装置。
- 前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とする請求項3に記載の携帯型酸素供給装置。
- 長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯型酸素供給装置。
- 前記電源として乾電池を利用することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯型酸素供給装置。
- 上部から下部方向に向かって舌片形状に突設された係止用クリップを備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の携帯型酸素供給装置。
- 空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、前記本体内には、前記空気取入口と前記吐出口との間に連通接続された遠心送風機と、前記遠心送風機を駆動するための電源を備え、前記吐出口に、先端に鼻腔カニューレが備えられた酸素吸入用チューブが備えられ、長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下にその全体が設けられ、前記電源として乾電池を利用し、上部から下部方向に向かって舌片形状に突設された係止用クリップを備えたことを特徴とする携帯型酸素供給装置。
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