JP3187216U - 携帯型濃縮酸素供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】常時持ち歩くことが可能な携帯性に優れた携帯型濃縮酸素供給装置を提供する。
【解決手段】空気取入口16が設けられた本体12と、吐出ノズル14とを備え、本体内には、空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、酸素富化膜および吐出ノズルとの間に連通接続されたエアーポンプ40と、エアーポンプを駆動するための乾電池23を備えた。長さは150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下とした。また、酸素富化膜は、円筒部を有し、円筒部内と連通される取付筒と、空気が流通可能であって円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材を備えた酸素富化膜ユニット30において、緩衝材の外周に取り付けられた。吐出ノズルは外径を10mm以下とし二つ併設した。
【選択図】図2
【解決手段】空気取入口16が設けられた本体12と、吐出ノズル14とを備え、本体内には、空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、酸素富化膜および吐出ノズルとの間に連通接続されたエアーポンプ40と、エアーポンプを駆動するための乾電池23を備えた。長さは150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下とした。また、酸素富化膜は、円筒部を有し、円筒部内と連通される取付筒と、空気が流通可能であって円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材を備えた酸素富化膜ユニット30において、緩衝材の外周に取り付けられた。吐出ノズルは外径を10mm以下とし二つ併設した。
【選択図】図2
Description
この考案は、酸素富化膜を備えた携帯型濃縮酸素供給装置に関する。
従来、通常の空気よりも酸素濃度が高い空気を吸引することが可能な濃縮酸素供給装置が知られている。このような濃縮酸素供給装置は、吸入酸素濃度(FiO2)を増加させて、動脈血酸素分圧(PaO2)を正常に保ち、組織に十分な酸素を供給して、喘息(ぜんそく),肺気腫,肺炎などの呼吸器疾患や,鬱血(うつけつ)性心不全,著しい貧血,一酸化炭素中毒などに対する治療を行ったり、また、勉強、仕事、作業等を効率よく行なえるよう集中力を高めるために用いられたりしている。このような濃縮酸素供給装置としては、シリンダー内に窒素を吸着する機能のある特殊なゼオライトを入れて、加圧と減圧を繰り返すことにより空気中の酸素と窒素を分離する方式(Pressure Swing Adsorption
「PSA方式」)、二種類の薬剤と水を使用して反応させ100%の酸素を発生するペットボトル型の携帯酸素発生器を用いる方式、酸素と窒素を分離する気体分離膜の一種である酸素富化膜を用いる方式などが知られている。
「PSA方式」)、二種類の薬剤と水を使用して反応させ100%の酸素を発生するペットボトル型の携帯酸素発生器を用いる方式、酸素と窒素を分離する気体分離膜の一種である酸素富化膜を用いる方式などが知られている。
これらのうち酸素富化膜を用いる方式は、有機高分子の平膜より構成した酸素富化膜を用い、酸素富化膜を通過する酸素分子と窒素分子の速度差を利用して、空気中の酸素を濃縮することができる。コンプレッサーやポンプなどを用いて濃縮することができるので、濃縮酸素供給装置を比較的簡便にかつ比較的小型に構成することができ、また、電気の供給ができない場所においても使用可能なものである(例えば特許文献1参照)。
従来の濃縮酸素供給装置は、簡便な構造で比較的小型であるものの、常時持ち歩く等の携帯性までは備えていない。よって、設置場所を問わないものではあるが、特定の設置場所に設置して使用する態様に限られていた。
本考案が解決しようとする目的は、前述した従来技術の問題点を解決するものであり、常時持ち歩くことが可能な程度まで携帯性に優れた携帯型濃縮酸素供給装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するものは以下のものである。
(1)本考案の第一の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、
空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、前記酸素富化膜および前記吐出口との間に連通接続された吸引手段と、前記吸引手段を駆動するための電源を備えることを特徴とする。
(1)本考案の第一の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、
空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、前記酸素富化膜および前記吐出口との間に連通接続された吸引手段と、前記吸引手段を駆動するための電源を備えることを特徴とする。
本考案によれば、電源およびこの電源によって駆動される吸引手段とを備えているので、独立して持ち運びが可能であるとともに、酸素富化膜によって濃縮酸素を生じさせることができるので、PSA方式のように多くの部品を必要とせず、また薬剤などを内蔵しておく酸素発生器のように薬剤や水をあらかじめ備えておく必要が無い。よって、携帯型でかつ小型化することが容易であり、ポケットなどに収納できるほど小型化することができる。
(2)本考案の第二の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第一の手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられたことを特徴とするものである。
このようなサイズに装置の大きさを設けることにより、使用者がポケット等に収納することを容易にすることができる。
(3)本考案の第三の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第一または第二の手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、前記電源として乾電池を利用することを特徴とするものである。
このように乾電池を利用することにより、装置の小型化を図ることができ、また、利用容易な電源を用いるものとすることができる。
(4)本考案の第四の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第一から第三のいずれかの手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、円筒状の円筒部を有し、前記円筒部内と連通される取付筒と、空気を流通可能であって前記円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材と、前記緩衝材の外周に取り付けられた酸素富化膜とを備えた酸素富化膜ユニットを備えていることを特徴とするものである。
このような酸素富化膜ユニットを備えることにより、酸素の濃縮を円筒部周りの全周に渡って行え、濃縮を効率良く行えるとともに、緩衝材によって酸素富化膜を保持して、吸引による酸素富化膜の損傷のおそれを低減させることができる。
(5)本考案の第五の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第一から第四のいずれかの手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、前記吸引手段はエアーポンプであることを特徴とするものである。
このような吸引手段とすることにより、装置の全体を小型化することができる。
(6)本考案の第六の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第一から第五のいずれかの手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、前記吐出口は外径が10mm以下の吐出ノズルであることを特徴とするものである。
このような吐出ノズルとすることにより、鼻腔カニューレとして、使用者の酸素吸引を容易にすることができる。
(7)本考案の第七の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述した第六の手段の携帯型濃縮酸素供給装置であって、前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とするものである。
このように吐出ノズルを二つ併設することにより、鼻腔カニューレとして使用者の酸素吸引を容易かつ確実におこなうことができる。
(8)また、本考案の第八の手段の携帯型濃縮酸素供給装置は、空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、前記本体内には、前記空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、前記酸素富化膜および前記吐出口との間に連通接続された吸引手段と、前記吸引手段を駆動するための電源を備え、その長さが150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられ、前記電源として乾電池を利用し、円筒状の円筒部を有し、前記円筒部内と連通される取付筒と、空気を流通可能であって前記円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材と、前記緩衝材の外周に取り付けられた酸素富化膜とを備えた酸素富化膜ユニットを備え、前記吐出口は外径が10mm以下の吐出ノズルであって、前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とするものである。
本考案の携帯型濃縮酸素供給装置は、前述の構成とされているので、電源に接続できない屋外などにおいても持ち運び可能であり、かつ、使用者が常時携帯していても邪魔にならないものとすることができる。
以下において、本考案の携帯型濃縮酸素供給装置について、図面を参照して詳細に説明する。図1に示されるように、本考案の携帯型濃縮酸素供給装置10は、小型に形成された箱状の全体形状に設けられており、使用者がポケット内などに常時携帯しておくことが可能な大きさ・形状とされている。本例においては、二つの吐出ノズル14を鼻腔内に挿入して濃縮酸素を吸入する。
携帯型濃縮酸素供給装置10は、薄長の直方体状の本体12と、この本体12の一端側から突設された円筒状の二つの吐出ノズル14とを備えている。携帯型濃縮酸素供給装置10は、その長さが約150mm、幅が約50mm、高さが約30mmとされており、前述のように使用者がポケット内などにしまうことが可能な大きさに設けられている。
また、本体12の両側面には、後述する酸素富化膜ユニット30に空気を取り入れるための空気取入口16が開口されている。空気取入口16は多数の小孔16aから構成されている。また、吐出ノズル14側の本体12裏面には、胸ポケットなどにしまった際に、携帯型濃縮酸素供給装置10が胸ポケットなどから脱落しないように胸ポケットなどに係止することができるクリップ18が備えられている。
ついで、携帯型濃縮酸素供給装置10の内部構造について説明する。図2に示されるように、本体12内部は、本体12の長手方向における吐出ノズル14側の第一室20と、吐出ノズル14と反対側の第二室22とを備えている。第一室20内には、後述するエアーポンプ40などが収納固定されており、一方、第二室22にはエアーポンプ40を駆動するための電源である乾電池23が二つ固定されている。
第一室20内には、酸素富化膜ユニット30と、この酸素富化膜ユニット30に接続されたエアーポンプ40が取り付けられている。図3に示されるように、酸素富化膜ユニット30は、ユニット本体部32と、円筒状の緩衝材38と、酸素富化膜39とから構成されている。ユニット本体部32は、前後にそれぞれ形成されたフランジ33,34と、フランジ33,34間に形成されるとともに空気が連通可能な小孔が開口された円筒部35とが備えられている。また、円筒部35内と連通されるとともに、円筒部35の軸心に沿う方向に一方のフランジ33から突設された取付筒36が設けられている。
そして、円筒部35の周りには円筒状の緩衝材38が取り付けられ、さらにこの緩衝材38の周りに酸素富化膜39が取り付けられている。緩衝材38は微細な穴が多数形成された発泡ウレタンを用いており、その内外において一定量の空気が流通可能に設けられている。また、一定の形状を保つように所定の固さを備えている。酸素富化膜39は、偏平状の多孔質支持体の表面にポリジメチルシロキサンをコーティングして厚さ約1μmの極薄の平膜状とされている。この酸素富化膜39は公知のものであり、通常の空気における酸素濃度が約21%(窒素約79%)であるのに対して、この酸素富化膜39を通過させることにより、酸素濃度を約25〜30%とすることができる。
酸素富化膜39はこのように極薄に形成されているが、緩衝材38の外周面に装着されることにより、円筒部35側に空気が吸引される際に損傷しないように、緩衝材38によって内側から保持されるように構成されている。
酸素富化膜ユニット30の取付筒36は、エアーポンプ40に連通接続されている。エアーポンプ40は公知のものを利用しており、乾電池20により駆動され、酸素富化膜ユニット30の取付筒36側から吸引した空気を吐出ノズル14側に吐出する。エアーポンプ40は小型のものであり、前述したように、小型に形成された本体12内に収容可能な大きさに設けられ、その第一室20内に収容固定されている。
そして、エアーポンプ40は、酸素富化膜ユニット30側から吸引した空気を吐出する吐出ノズル14に連通接続されている。吐出ノズル14は、前述したように、装置10の本体12の一端からその軸心間を20mm以内としてそれぞれ突設されており、使用者の鼻腔内に挿入可能な鼻腔カニューレとして機能する。そのために本実施例では、その長さは約20mmとされ、その外径は約10mmとされている。
ついで、このように構成された携帯型濃縮酸素供給装置10の使用方法について説明する。前述したように、この携帯型濃縮酸素供給装置10は小型に形成されているので、使用者のズボンのポケット内などに常時携帯することができる。この際に、本体12裏面のクリップ18をポケットなどの縁に係止しておくと、携帯型濃縮酸素供給装置10がポケット内から容易には脱落しないようにすることができる。図4に示されるように、使用する際には、ポケットから取り出して吐出ノズル14を鼻腔内に挿入して、本体12裏側のスイッチ(図示省略)を入れる。スイッチを入れるとエアーポンプ40が起動して、エアーポンプ40に連通接続された酸素富化膜ユニット30側の空気を吸引して吐出ノズル14側へ排出する。エアーポンプ40によって、本体12の両側面の空気取入口16から吸入された外気は、酸素富化膜39を通過して緩衝材38側へ吸引される。この際に、酸素富化膜39によって、通常の空気よりも酸素濃度の高い濃縮酸素が緩衝材38側に吸引される。緩衝材38を通過した濃縮酸素は、ユニット本体部32の円筒部35、取付筒36へ導かれて、さらにエアーポンプ40内を通過し、そして吐出ノズル14から吐出されることになる。
本考案は前述の例に限られず、本考案の趣旨の範囲内で適宜の変更が可能である。例えば、装置の全体形状は他の形状としても良い。例えば横断面が楕円形状や長円形状としても良い。また、酸素富化膜は、適宜適当な種類を選択することが可能である。第四の手段以外の携帯型濃縮酸素供給装置においては、酸素富化膜ユニットの形状は円筒状のものに限られず、断面矩形状の筒状のものや、酸素富化膜および緩衝材を一体として壁面状に形成して空気を一方向にのみ通過させるものと変更することもできる。
本考案は、種々の携帯型濃縮酸素供給装置について広く用いることができる。
10;携帯型濃縮酸素供給装置、12;本体、14;吐出ノズル、16;空気取入口、16a;小孔、18;クリップ、20;第一室、22;第二室、23;乾電池、30;酸素富化膜ユニット、32;ユニット本体部、33,34;フランジ、35;円筒部、36;取付筒、38;緩衝材、39;酸素富化膜、40;エアーポンプ。
Claims (8)
- 空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、
前記本体内には、前記空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、前記酸素富化膜および前記吐出口との間に連通接続された吸引手段と、前記吸引手段を駆動するための電源を備えることを特徴とする携帯型濃縮酸素供給装置。 - 長さ150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 前記電源として乾電池を利用することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 円筒状の円筒部を有し、前記円筒部内と連通される取付筒と、空気を流通可能であって前記円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材と、前記緩衝材の外周に取り付けられた酸素富化膜とを備えた酸素富化膜ユニットを備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 前記吸引手段はエアーポンプであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 前記吐出口は外径が10mm以下の吐出ノズルであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とする請求項6に記載の携帯型濃縮酸素供給装置。
- 空気取入口が設けられた本体と、吐出口とを備え、前記本体内には、前記空気取入口に連通される部位に配設された酸素富化膜と、前記酸素富化膜および前記吐出口との間に連通接続された吸引手段と、前記吸引手段を駆動するための電源を備え、その長さが150mm以下、幅50mm以下、高さ30mm以下に設けられ、前記電源として乾電池を利用し、円筒状の円筒部を有し、前記円筒部内と連通される取付筒と、空気を流通可能であって前記円筒部の外周に取付られた円筒状の緩衝材と、前記緩衝材の外周に取り付けられた酸素富化膜とを備えた酸素富化膜ユニットを備え、前記吐出口は外径が10mm以下の吐出ノズルであって、前記吐出ノズルがその軸心間を20mm以内として二つ併設されたことを特徴とする携帯型濃縮酸素供給装置。
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