JP4636911B2 - 酸素濃縮装置 - Google Patents
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Description
吸気フィルタ102は、消音構造となっており、内部にフィルタを兼ね備えた一体構造となっている。約200cc程度の体積で、重量は120gw程度である。
コンプレッサ105は、総重量約1kgwであり、制御部(CPU)124、モータ制御部123、可変速度制御器123aにより駆動制御が行われる。コンプレッサ105は、加圧機能(加圧手段:P)と減圧機能(減圧手段:VP)の両方の機能を備えるものである。コンプレッサ105は、取出される酸素流量に応じて回転数が制御され、速度が500rpmから3000rpmの間で制御される。
従来装置においては、一般的に直動式と呼ばれる電磁弁が使用されており、弁の動作は電気の力によるものである。この種の電磁弁は直接電気の力だけで主弁を動作させるため消費電力が高いという問題点があった。酸素濃縮装置1に採用されるパイロット式3方向切換弁107は、僅かな消費電力とコンプレッサからの空気圧を利用して動作させることが出来るため大幅に電力が低減される(8Wから0.5Wに低減される)。
酸素濃縮装置1に採用されるコンプレッサ105の形態は加圧機能(加圧手段:P)と減圧機能(減圧手段:VP)の両機能を備えるものである。加圧手段のみで構成された酸素濃縮装置より、この種のコンプレッサを採用することで酸素の回収率が高まり濃縮部の小型化できるという利点がある。しかしながら、一体化されたコンプレッサは加圧専用コンプレッサや真空専用コンプレッサに対して振動が大きいという問題点があった。特に、酸素濃縮プロセスにおいては均圧工程時に振動が激しくなる。均圧工程時には3方向切換弁107の流路は加圧機能側と吸着筒側が連通され、減圧機能側は遮断された状態となるため、3方向切換弁と減圧手段間は極端な高真空状態となるためである。この問題点を解決するために、まず、この流路内に外気と連通する開放弁118を設け、さらには均圧工程と同期して、制御部124により開放弁118を開状態に動作させることで流路内に外気が入り込み、流路内は大気圧により近い状態となる。この作用によりコンプレッサ105は無負荷状態に近い状態となるため、振動の発生を防止できまた、騒音の低減や低電力化にも寄与する結果となる。
気体分離手段としての吸着筒108a,108bは、少なくとも2本以上の吸着筒が並列に配置されており、充填される吸着剤には、1mm未満の顆粒測定値を有し、SiO2/Al2O3比が2.0〜3.0であるX型ゼオライトであり、かつ、Al2O3の四面体単位の少なくとも88%以上をリチウムカチオンと融合させたものが好ましい。
図2の製品タンク111では、吸着筒内圧力と同期して圧力が変動しているため、圧力調整器112は、リリーフ弁(開放弁)112a、減圧弁112cを含み、濃縮酸素を減圧し、ほぼ一定圧力となるよう機能する。更に、図4に示すように、酸素吐出圧(2次側圧力)が異常に上昇した場合のリリーフ機能(リリーフ弁)112aとフィルタ機能(フィルタ112b)を備えており、従来機のような個々に部品を設置するタイプに比べ、小型・軽量化・メンテナンス等の作業性の向上が図れる。
制御部124は、流量設定器115での酸素流量が所定流量(例えば1.25L/分以上)に設定され、かつ、バッテリ127で駆動動作されると判断すると、充電式バッテリ127の消費電力を押さえるため、図5に示すシーケンス制御により、制御部124、呼吸同調制御部(デマンド制御部)122によって、1L/分の濃縮酸素発生能力と呼吸同調制御(デマンド制御)で実質的に2L/分の酸素流量まで対応可能としている。このため、2L/分の濃縮酸素流量時で消費電力は約50Wである。
酸素濃縮装置1の本体重量が10kgw以下の軽量で、可搬可能なシステムとして適切に機能するためには、適切な再充電可能な電源から電源供給を受けなければならない。従来、このようなシステムに使用される電池は残量が不明確で、繰り返し使用による容量減少により、更に電池残量の予測が難しいものであった。酸素濃縮装置1の電源は、数100回程度の充放電が可能で、バッテリ残量、使用充放電サイクル数、劣化程度、出力電圧等のマネジメント機能を有するものが使用され、バッテリ残量、残充電容量、充放電回数が表示部128b(図1(b)参照)に表示または通信コネクタ129(図2参照)を介して外部モニタ装置で読取れるようにされている。
充電式バッテリ127により、酸素濃縮装置1全体が駆動されている場合、濃縮された酸素をより効率的に患者が使用するために、呼吸に同調した制御を行う。通常の呼吸の間、患者は、吸息/呼息サイクル時間の約1/3を吸息に、残りの2/3を呼息に当てている。呼息の間に生成される濃縮酸素は患者にとっては不要のもので、その結果この余剰の濃縮酸素の流れを効率的に提供する追加のバッテリ電力は無駄にされているといえる。呼息の間に生成された濃縮酸素を吸息時に供給することにより、仮に、吸息/呼息サイクルが1(吸息):2(呼息)であるならば、吸息時に3倍の流量まで供給することが可能となる。このように、呼吸同調制御を行うことにより、装置の小型化、低消費電力化が可能となる。
酸素濃縮装置1は、酸素センサ114を標準装備しているが、加速度センサ125、GPS(全地球位置センサ)134、ショックセンサ132等の各種センサ、脈拍センサ、血圧センサ、血中酸素飽和度センサ等をオプションとして付属させることも可能である。採用される酸素センサにはガルバニ電池式、超音波式、ジルコニア式等のセンサが使用可能であるが、大きさの点や測定精度の点からもジルコニア式酸素センサが好ましい。しかしながら、ジルコニア式と呼ばれるその方法はジルコニア高分子膜をヒータで熱せなくてはならず、消費電力が高いという問題点があった。消費電力低減には特にバッテリ動作時には、連続測定(ヒータを連続加熱)でなく、間欠測定(ヒータを間欠加熱)するように動作させることが消費電力を最小限に抑えるうえで有効な手段であり、この酸素センサ114による測定値が所定の範囲を外れる場合には所定期間連続測定に切替えるようにすることで、測定の信頼性も向上できる。なお、所定期間の連続測定で所定範囲内であることが確認されると自動的に間欠測定に戻るようにしてもよい。
図3は、芳香発生部/加湿部2a,20aの芳香発生部材200、加湿部材201の長手方向の断面構造(a)および加湿部材201の横断面構造(b)を示すものである。図3においては、芳香発生部材200、加湿部材201の形状は同一としている。板状の厚さ50〜100μ程度の薄紙と波状の厚さ50〜100μ程度の薄紙を組合せたコルゲート紙が好ましく用いられる。このコルゲート紙を、芳香(香料)、例えば、柑橘系芳香(香料),果実系の芳香(香料),メントール等をエタノール等の溶媒に溶かした後、溶媒を乾燥除去して、芳香発生部が得られる。また、濃縮酸素の流れに対する圧力損失も少なくほぼ設定の流量の濃縮酸素が鼻孔挿入用ノズル2aから患者に供給される。
図1において、鼻カニューレの適所、特に好ましくは鼻孔挿入用ノズル2a,20aに図3に示すように芳香発生部材200に直列に濃縮酸素の流れの下流側に加湿部(加湿部材)201を設ける。この場合、鼻孔挿入用ノズル2aの着脱・交換が容易で、使い捨てにすることが好ましい。
なお、鼻孔挿入用ノズル2aの着脱・交換が容易で、使い捨てにすることが好ましい。
図3は、加湿部を構成する加湿部材201の長手方向の断面構造(a)および横断面構造(b)を示すものである。板状の厚さ50〜100μ程度の薄紙201aと波状の厚さ50〜100μ程度の薄紙201bを組合せたコルゲート紙が好ましく用いられる。このコルゲート紙をそのまま使用するか、このコルゲート紙に吸湿性物質を設けてもよい。吸湿性物質として、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩類、ポリビニルアルコール、グリコール類、塩化カルシウムおよび塩化リチウムよりなる群から選択された少なくとも一種の化合物であることが好ましい。そして吸湿性物質の含有量は5〜50w/w%であるのがよい。こうして、患者の呼気時に鼻孔から水分が放散されるとこの水分が加湿部材200に吸着し、吸気時には濃縮酸素が加湿され鼻孔挿入用ノズル2a,20aから患者に供給される。なお、図3において、加湿部材201の長手方向の長さが長くなるほど、また、鼻孔挿入用ノズル2a,20aの内径断面積に占める比率が大きいほど加湿の程度が高くなるが、圧力損失が増えるので、加湿部材200の長手方向の長さ,鼻孔挿入用ノズル2a,20aの内径断面積に占める比率が異なる複数の組合せにより、複数の種類の鼻孔挿入用ノズル2a,20aから患者に適合した選択できるようにすることが好ましい。
Claims (3)
- 空気の取り入れ口から取り入れられた空気を圧縮するためのコンプレッサ(105)と、前記圧縮された空気の酸素以外の成分を除去するための吸着筒(108a,108b)と、前記酸素以外の成分が除去された濃縮酸素を蓄積するための製品タンク(111)とを備え、鼻カニューレ(2,20)が着脱可能な可搬型医療用酸素濃縮装置(1)であって、
前記鼻カニューレ(1)のノズル(2a,20a)に加湿部及び芳香発生部を一体にして設け、
前記加湿部を構成する加湿部材(201)及び前記芳香発生部を構成する芳香発生部材(200)は、
板状の厚さ50〜100μmの薄紙(200a)と波状の厚さ50〜100μmの薄紙(200b)を組合せたコルゲート紙で形成され、
前記コルゲート紙に吸湿性物質を設け、前記吸湿性物質は、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩類、ポリビニルアルコール、グリコール類、塩化カルシウムおよび塩化リチウムよりなる群から選択された少なくとも一種の化合物であることを特徴とする可搬型医療用酸素濃縮装置。 - 前記コルゲート紙は、植物繊維、ビスコースレーヨン、セルロース、アセテートが好ましく、またポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアクリルニトリル系、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアクリルニトリル系、ポリビニルアルコール系の合成繊維を3次元網目構造の多孔質に形成またはスポンジ状に形成したものであることを特徴とする請求項1記載の可搬型医療用酸素濃縮装置。
- 携帯型酸素ボンベから鼻カニューレにより、濃縮酸素を患者へ供給する医療用酸素供給装置であって、
前記鼻カニューレが着脱可能で、前記鼻カニューレのノズルに加湿部及び芳香発生部を一体にして設け、
前記加湿部を構成する加湿部材及び前記芳香発生部を構成する芳香発生部材は、
板状の厚さ50〜100μmの薄紙と波状の厚さ50〜100μmの薄紙を組合せたコルゲート紙で形成され、
前記コルゲート紙に吸湿性物質を設け、前記吸湿性物質は、グリセリン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩類、ポリビニルアルコール、グリコール類、塩化カルシウムおよび塩化リチウムよりなる群から選択された少なくとも一種の化合物であることを特徴とする医療用酸素供給装置。
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