JP3200549U - 埋め込み印刷コード - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用のモバイル端末装置のカメラ機能を用いて、特別の補助器具を用いることなく直接読み取ることのできる視認性を抑制した埋め込み印刷コードを提供する。【解決手段】埋め込み印刷コード10は、埋め込み印刷コード10を構成する各印刷ドット11の大きさを、その径または1辺が140μm〜200μmの範囲となるように黄色のインクを用いて印刷する。黄色にすることによりこの大きさでも視認性を低く抑えることができ、かつレンズ等の拡大装置を用いることなく汎用カメラにより埋め込み印刷コードを高い精度で読み取ることが可能となる。【選択図】図1

Description

本考案は、紙面等の印刷媒体に印刷して埋め込む印刷コードに関し、特に人間の視覚では識別し難いドットパターンコードとして、紙面その他の印刷媒体に印刷して埋め込まれる埋め込み印刷コードであって、スマートフォンその他の汎用のモバイル機器等で直接読みとることができる埋め込み印刷コードに関する。
ラベルや包装容器、製品や書類等の一部に印刷される情報コードとして、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等の各種2次元コードがある。これら2次元コードを特殊な読取ペン等の読取装置、スマートフォン又は携帯電話で読取ることにより、2次元コードに記録された各種情報を取得することができ、これらの情報に基づき各種処理を行なうことや、読み取ったアクセス情報等に基づいて離れた場所にあるサーバにアクセスしてすることができる。
こられの2次元コードの読取技術では、2次元コードが印刷媒体の所定の場所に視覚的に認識できるように印刷されており、操作者が意識してその2次元コードを読み取るものであった。したがって、このような2次元コードは、その存在が明確に視認できるように印刷されているのが一般的である。
しかし、このような視認可能に印刷された2次元バーコードの存在は、美的観点からはノイズであり、画像全体の美観を損なうおそれがある。例えば、化粧品やワイン等の高級商品等のラベル等は、商品のブランドイメージを高めるために細部まで周到かつ精緻にデザインされているのが通常である。このような緻密にデザインされたラベル等にバーコード等の2次元コードが印刷されると、精緻にデザインされたラベルのコンセプトや美観を害して、ブランドイメージに悪影響を与える恐れがある。また、契約用紙や証明書等に使用する用紙に「見えないコード」、すなわち、概観上視認できないように情報コードを埋め込むことができる技術も存在する。この見えない埋め込みコードに関する技術は、各種の利用態様が可能となり、ビジネス上に有用な技術として確立しつつある。
このようなドット情報を視認できないように印刷して埋め込みコードの技術として、例えば特許文献1または2に記載されているような技術がある。この技術では、小さなドット(以下、印刷ドットと称する)を、互いに比較的大きな間隔をあけて印刷するとともに、予め決められている所定の基準位置又は基準ラインからの印刷ドットの印刷位置の“ずれ”または“配置の違い”をパターン化し、各パターン化した“ドットの位置ずれ”または“ドットの異なる配置”に2値または3値以上の多値情報を化体させてデジタル情報化している。このような埋め込み印刷コードは、「スクリーンコード」または「グリッドコード」とも呼ばれている。また、複数の印刷ドットを視認できないように印刷する埋め込み印刷コードとして、印刷ドットの“位置ずれ”ではなく、印刷ドットの“集中”と“分散”により“0”又は“1”を表わすことも可能であり、このような“集中”と“分散”構成の印刷ドットによる埋め込み印刷コードも本願考案の対象となる埋め込みコードである。
埋め込み印刷コード(スクリーンコード)は、紙面等(紙面に限らず、印刷可能であればどのような材料の印刷媒体であってもよい)に印刷されている印刷ドットが非常に小さい上に、各印刷ドットが比較的大きな間隔を開けて印刷されることにより、非視認性を確保している。このように印刷密度を小さくした埋め込み印刷コードを紙面全体に黒色のインクでほぼ均一に印刷すると、紙面全体が僅かに暗い色になるものの、視覚的には紙面にドットが印刷されていることを認識することはできず、何も印刷されていないように見える。一方、このような埋め込み印刷コードを読み取る読取装置は、印刷されているドットが非常に小さなドットである上に、印刷されている印刷ドットの位置を正確に読み取る必要がある。そのため、高い解像度(通常、約1800DPI程度以上)の画像読取能力が必要となり、埋め込み印刷コードの読取には専用の読取ペン等を用いるのが一般的であった。
これに対して、特許文献3では、このような小さなドットからなる埋め込み印刷コードを、専用の読取ペンに比べて解像度の低いスマートフォンや携帯電話等のモバイル装置のカメラ機能を用いて読取ることを可能にするための技術が紹介されている。特許文献3では、微細なドットを読み取るために拡大レンズを用いている。すなわち、埋め込み印刷コードの読取時にスマートフォンのカメラの近くに簡単に着脱可能な画像拡大機構(レンズ等を用いた拡大器、以下「拡大器」と称する)を装着する。この拡大器を用いて小さな印刷ドットにより構成された埋めこみ印刷コードを約5倍程度に拡大して撮像することにより、専用の読取ペンではなく汎用のスマートフォン等により埋め込み印刷コードを読み取るものである。このように拡大器を補助器具として用いることにより、比較的解像度の低いカメラ(CCD画像読取装置)であっても、従来の微細なドットの埋め込み印刷コードを読み取ることが可能となる。
特開2005−102264号公報 特開2006−319632号公報 登録実用新案第3184862号公報
上記した特許文献3に開示されている技術は、広く普及しているスマートフォンや携帯電話でスクリーンコードを読み取ることを可能とするものであるため、埋め込みコードの利用範囲が格段に広げることが可能となり、ビジネスへの利用の可能性を大きく広げることができる。
しかし、特許文献3に記載の技術は、埋め込み印刷コードを読み取る際に、読取画像をマイクロレンズ等からなる拡大器を付属カメラの前に取り付ける必要がある。このように、埋め込み印刷コードを読み取るたびに拡大器を取り付ける作業は煩雑であり、埋め込み印刷コードを読み取る際の利便性を大幅に妨げるものである。また、子供や老人、または手の不自由な人等にとっては拡大器具の取り付けができないために、埋め込み印刷コードの読取操作ができないという問題もあった。
本願考案者等は、埋め込み印刷コード(スクリーンコード)の利用技術について長年調査・製品化努力を重ねてきた。この埋め込み印刷コード及びその読取技術は、ビジネス利用に極めて有用な技術である。例えば、この埋め込み印刷技術は、視覚上認知されるデザインを損ねることなく機械読取可能な情報を提供できるので、商品デザインやブランドイメージを損なうことなく、所望の情報を商品やカタログに直接埋め込んで商品のマーケティングや宣伝広告をすることができる。また、離れた場所にあるサーバへのリンク情報等を個々の商品やカタログに直接埋め込むことにより、埋め込み情報を読み取ることによりその場でサーバへアクセスし、サーバからその商品等の動画情報をスマートフォン等で受信することもできる。これは、その商品に興味を有する個々の顧客に対して、直接動画マーケティングを行うことができることを意味しており、ビジネス利用に極めて有用な技術である。
例えば、埋め込みコードとして、各種説明情報、音声出力情報、動画アクセス情報、コミュニケーション補助情報等を記録しておくなど、埋め込み情報に種々の工夫を施すことにより、社会的弱者の補助ツールや支援ツールともなり得る。特に、老人や子供等の細かな操作を不得手とする人、自由なコミュニケーションをとり難い社会的弱者は、商品または所定書類等に印刷された埋め込みコードを撮像するという簡単な操作だけで、各種情報の入手または意思表示を行うことが可能となる。このように、埋め込み印刷コードは、社会的弱者のコミュニケーションや意思表示等を補助する支援ツールの提供にも極めて有用な技術となり得るものであり、その普及は今後の高齢化社会における社会的要請にも貢献できる技術でもある。
しかし、老人や子供、及び細かな操作を不得手とする手の不自由な人等にとって、スマートフォン等に上述のような拡大器を取り付ける操作は、非常に困難な場合がある。したがって、この埋め込み印刷コードをより普及させ、真に利便性の高いものとするためには、特殊な読取装置や補助器具を必要とせず、すでに普及しているスマートフォン等を汎用性の高い読取装置を用いて簡単な操作で読み取ることができることが重要となるとの認識に至った。
本願考案は、上記問題に着目してなされたものであり、一定程度の非視認性を確保しつつ、広く普及しているスマートフォン等のモバイル端末に付属のカメラ機能を用いて、特別な器具を使用することなく読取可能な埋め込み印刷コードを提供することを目的とする。
本願考案者達は、上記課題を達成するために、光学拡大器等の補助器具を用いないで、汎用のスマートフォン等のモバイル端末器のカメラ機能等により読取ることができ、かつ一定限度で非視認性を確保できる埋め込み印刷コードを開発すべく、各種検証実験を重ねた。その結果、ビジネス利用の観点から、非視認性と読取精度の双方を満足できる所定の埋め込み印刷コードを突き止めた。本願考案はこれらの検証実験の成果に基づき、ビジネス利用可能な新たな埋め込み印刷コードを提供するものである。
本考案に係る埋め込み印刷コードは、機械読取可能なドットパターンコードを構成する複数の印刷ドットを紙面その他の印刷媒体に所定の間隔を空けて印刷することにより、視認され難い状態で印刷した埋め込み印刷コードであって、
前記埋め込み印刷コードを構成する前記印刷ドットがCMYKのイエロー(Y)のインクにより印刷され、該印刷ドットの大きさが140μm〜200μmの範囲となるように印刷されていることを特徴とする。
上記した構成の埋め込み印刷コードによれば、埋め込み印刷コードを構成する印刷ドットを大きくすることで、拡大器具を装着しなくても、比較的解像度の低いスマートフォン等のモバイル機器での読み取りが可能となる。一方で、印刷ドット径を大きくすることで埋め込み印刷コードは視認されやすくなるが、黄色のインクを用いて印刷することで視認性が低下させて、非視認性と読取精度を均衡させている。
本考案にかかる埋め込み印刷コードは、各印刷ドットが黄色のインクにより印刷し、同時に、印刷ドットの径または一辺の大きさを140μm〜200μmとすることにより、読取精度と、視認性のバランスを確保している。これにより、本願考案の埋め込み印刷コードは、視認性が抑制されているにも拘わらず、汎用のモバイル機器を用いて付属器具を用いることなく、読み取ることが可能となる。埋め込み印刷コードのより高い非視認性を確保する必要がある場合には、印刷ドットの径または一辺の大きさを140μm〜160μmとすることが望ましい。
これにより、利用者は読取ペン等の専用の読取装置を購入する必要がなく、スマートフォン等のモバイル端末に読取ソフトをインストールするだけで埋め込み印刷コードを読み取ることができる。そのため、埋め込み印刷コードを読み取る情報取得者の使用コストを極めて廉価にすることができる。また、常時携帯している汎用の携帯電話やスマートフォンの付属カメラにより、商品レベル等から埋め込み印刷コードをそのまま読み取りことが可能となるため、特殊な読取装置や拡大装置を持ち運ぶ必要がない。さらに、拡大機器を取り付ける必要がないので、高齢者、幼児、手の不自由な人であっても、簡単に埋め込み印刷コードを読み取ることができる。
また、ラベル等に埋め込み印刷コードを導入する側のメリットは、ラベル等のデザイン価値を損なうことなく、リンク情報を埋め込むことができるので、サーバ内にその商品に関する各種情報を記録しておくことにより、動画等を用いて商品の機能、商品コンセプト等を顧客へ訴求することができる。このように顧客(消費者等)に対して有用かつ刺激的な訴求情報を廉価でかつ極めて容易に提供できるので、商品情報を求めている顧客(利用者)、商品コンセプトや機能を顧客へ訴求したい商品提供者の双方にとって極めた有用なツールとなる。特に普及率の高いスマートフォン等のカメラ機能を用いてラベルを写真撮影するだけで商品情報へアクセスできるので、多くのアクセスを期待できる。すなわち、本願考案は、特殊な読取装置の利用を前提とした従来の埋め込み印刷コードの普及阻害要因を取り除き、ビジネス利用の門戸を大きく開く新規な埋め込み印刷コードを提供するものである。
本願考案に係る埋め込み印刷コードの構成例を説明するため図であり、(a)は埋め込み印刷コードの全体構成を拡大して示す図である。(b)は、1個の印刷ドットが印刷される範囲となるドット領域の一例(3×3ドットマトリクスセル)を説明する模式図であり、 図1に示す埋め込み印刷コードを構成する基準ドット、情報ドット、開始きードット、及び終了キードットの各印刷ドットの印刷位置(配置)を説明するための図である。 図1に示す埋め込み印刷コードの拡大参考図である。図1をさらに拡大するとともに、図1に示す各印刷ドットの配置がわかるように、本来は印刷されない各印刷ドットのドット領域(3×3マトリクス)を明示的に示している。 埋め込み印刷コードの他の構成例を示す拡大図である。本来は埋め印刷コードとして印刷されない各ドット領域(5×5マトリクス)を明示的に示している。 図4に示す埋め込み印刷コードの基準ドット、情報ドットを説明するための参考図である。 埋め込み印刷コードの他の構成例を示す拡大図である。 図6に示す埋め込み印刷コードの基準ドット、情報ドットを説明するための参考図である。 図4、図6に示す埋め込み印刷コードの印刷ドットの形状と大きさを説明するため参考図である。 本願考案に係る埋め込み印刷コードの視認性テスト及び読取精度テストに使用した実寸サイズの埋め込み印刷コード示す図である。黄色のインクで印刷した埋め込み印刷コードは、図として表示できないので黒色のインクで印刷した状態を示している。 視認性の検証テスト結果を示す図表である。 埋め込み印刷コードの印刷例を示す図である。
図を参照して本考案に係る埋め込み印刷コードの例を説明する。本願考案における埋め込み印刷コードとは、紙面等に印刷されるドットパターンからなる2次元コードである。なお、本明細書において、埋め込み印刷コードのドットパターンの構成例をいくつか説明するが、本明細書において示すドット配置パターンは例示であり、以下に例示する埋め込みコードのドットパターンは、本願考案を適用可能な埋め込み印刷コードのドット配置パターンを例示するものであり、本願考案の対象となる埋め込み印刷コードのドット配置パターンの構成を限定することを意図するものではない。
以下にこのような埋め込み印刷コードの例として、一般的にスクリーンコードと呼ばれている埋め込み込印刷コードを用いて、埋め込み印刷コードのドットパターンの一例を説明する。本願考案に係る埋め込み印刷コードは、紙面等(紙面に限らず、印刷可能であればどのような材料の印刷媒体であってもよい)に印刷されるドットの大きさとインクの色の範囲を規定している。このようなドットを比較的大きな間隔を開けて印刷密度を小さくした埋め込み印刷コードを紙面全体に印刷すると、紙面全体が僅かに暗い色になるものの、視覚的には紙面にドットが印刷されていることを認識しにくくなり何も印刷されていないように見える。また、埋め込み印刷コードを所定の印刷模様とともに一部に印刷することも可能である。埋め込み印刷コードを一部に印刷する場合、埋め込み印刷コードは視認されやすくなるが、印刷模様を工夫することで、視認性を緩和することが可能である。本願考案は、以下に例示するドットパターンの埋め込みコードに限らず、特許文献1〜3に記載されているドットパターンその他の各種ドットパターンにも適用可能である。
以下の説明においては、従来から使用されている典型的なスクリーンコードの一例である9×9個の印刷ドット(9×9個のドット領域)のマトリクスからなる3種類の埋め込み印刷コードを例示する。図1〜図3に示す3×3マトリクスセルを一つのドット領域とする埋め込み印刷コードの例、また、図4及び図5に示す5×5のマトリクスセルを一つのドット領域とする埋め込み印刷コードの例、及び図6、7に示す斜めの基準ラインを有する3×3マトリクスのドット領域を備える埋め込み印刷コードの例である。いずれの埋め込み印刷コードにおいても、ドット領域には1つの印刷ドットのみが印刷されている。なお、生み込み印刷コードは、以下に例示するもの以外であっても、ドット領域の大きさや形及び埋め込み印刷コードの構成は自由に変更することができる。また、以下の例では、印刷ドットは四角及び円形の例を示しているが、印刷ドットの形状や大きさ、配置も自由に変形することができる。
<用語の定義>
埋め込み印刷コードの例をスクリーンコードのドットパターン例を用いて説明する前に、本明細書等において使用する用語の定義について説明する。本願明細書及び特許請求の範囲の記載に置いて、「印刷ドット」とは、埋め込み印刷コードを構成する実際に印刷されるドットを指し、「ドット領域」とは、一単位のデジタル情報を表す領域である。例えば、図1(b)に示す3×3の9個のセル領域からなるマトリクスの領域12が「ドット領域」に相当する。図1(b)、図2、図3等ではドット領域が破線または実線で示されているが、実際にはこのようなマトリクス枠は印刷されない。以下の実施例では、ドット領域12に相当する2次元のマトリクス空間領域中のいずれか一つのセルの位置にだけ、印刷ドット11が印刷される例を示す。すなわちこれらの実施例においては、ドット領域12中に印刷ドット11が1個だけ印刷される。しかし、これに限定されず、一つのドット領域中に2個以上の印刷ドットを印刷した構成の埋め込み印刷コードとすることも可能である。
ドット領域12のマトリクスセルのどの位置に、印刷ドット11が印刷されるかによって、印刷ドット11にはそれぞれ特殊な意味、機能または情報が付与される。ドット領域中の印刷ドットの印刷位置により、「特殊ドット」(図2の12a、12c、12d)または「情報ドット」(図2の12b)となる。「特殊ドット」には、デジタル情報を表わすのではなく、特殊な機能を付与することができる。例えば、「特殊ドット」として、情報ドットの位置を判定するための基準となるラインを定める「基準ドット」や、埋め込み印刷コードの所定の位置を知らせるために「キードット」を定めることができるほか、その他の特別の機能を持たせることもできる。以下の例では、特殊ドットの例としては、基準ドット、開始キードット、及び終点キードットのみ説明するが、それ以外に特殊な機能を持つ特殊ドットを定めても良い。
「情報ドット」とは、ドット領域中の印刷ドットの位置、形状、または印刷ドットの集中・分散等により、デジタル情報を表すドットである。情報ドットは、ドット領域中の特殊ドットとは異なる位置に印刷ドットが印刷されたもので、ドット領域中のどの位置に印刷ドットが配置されているかにより予めデジタル値が定められている。
<埋め込み印刷コードのドットパターンの構成の例示>
図1に本考案にかかる埋め込み印刷コードの一例を示す。但し、本発明の埋め込み印刷コードは、印刷ドットが非常に小さく、かつ黄色のインクで印刷されるものである。そのため肉眼では視認できない。従って、図1はでは各印刷ドット11を黒色のインクで印刷し、かつ埋め込み印刷コード全体を拡大して表示している。
図1(a)に示す埋め込み印刷コードを説明するために、図1(b)および図2を用いて、まず「基準ドット」、「開始キードット」及び「終点キードット」からなる特殊ドットと、「情報ドット」について説明する。図1(b)に示す通り、各印刷ドット11は3×3のマトリクスセル中のいずれかの位置に印刷される。印刷ドット11が3×3マトリクス中のどの位置に印刷されるかにより、情報ドット、特殊ドットの所定の意味が付与されている。
「基準ドット」とは、埋め込み印刷コードの各印刷ドットの位置を定めるための基準を定めるために使用される「特殊ドット」である。図2では、ドット領域12中の中央の位置に印刷ドット11が印刷されたものを、基準ドット12aと定めている。また、印刷ドット11が3×3のマトリクスセル中の最左列中央のセルに印刷されたものを「開始キードット12c」とし、最右列中央のセルに印刷されたものを「終点キードット12d」と定めている。
図2の(b)〜(e)に例示するように、情報ドット12bでは、ドット領域12の4隅の位置に印刷ドットが配置されている。これにより例えば、右上角に印刷ドットが印刷されているものデジタル値“00”、右下角に印刷されたものをデジタル値“01”、左下角を“10”、左上角を“11”と決めることにより、4つのデジタル値(2ビット)を表すことができる。
図1(a)および図3を参照する。
図1(a)に示す埋め込み印刷コード10は、ドット領域12に1個の印刷ドット11が印刷される。また、図3からわかるように、埋め込み印刷コード10の各印刷ドット領域12は、隣接する印刷ドット12の間にドット領域12とほぼ同じ大きさ程度の十分な隙間ができるように距離をおいて配置されている。さらに、図1(a)に示す本発明の一実施形態に係る埋め込み印刷コード10は、3本の縦基準線15aと、3本の横基準線15bにより9個のブロックに区画されている。右下角のブロック以外のブロックでは、各ブロックを区画する縦基準線15aと横基準線15bの交点に、「開始キードット12c」が配置されており、右下角のブロックの基準線の交点には、「終点キードット12d」が配置されている。
印刷ドット11の配置は、ドット領域12のマトリクスが実線で示されている図3を参照するとより分かり易い。図3を参照すると、まず、「基準ドット12a」の配列により、縦基準線15aと横基準線15bが規定されている。そして、これらの基準線15a、15bで区画される9個の各ブロックのなかは、それぞれ4個の「情報ドット12b」が配置されている。例えば、右上角のブロックを構成する4個の「情報ドット12b」は、左上から“00”、その右隣が“00”、左下が“10”その右隣が“10”となる。すなわち、1ブロックで2×4=8ビットのデジタルデータを記録することが可能となる。
埋め込み印刷コード10を読取る装置は、複数の基準ドット12aの配列から基準線15a、15bを検出して各ブロックを検出し、基準線に基づいて、各情報ドット12bの印刷ドット11がドット領域12のどの位置にあるかを検出する。これにより、情報ドット12bのデジタル値が判明し、埋め込み印刷コード10全体で示される情報を読み取ることができる。読み取った埋め込み印刷コード10の各情報印刷ドット16bがどの順番で配列されて所定の情報を構成するかは(ビットバリュー配列)、予め定められている。
埋め込み印刷コード10には、1ブロック8ビットのブロックが9個あるので、8×9=72ビットのデジタルデータを記録することが可能となる。これは固有のサーバや記憶装置へアクセスするためには十分な情報量である。埋め込み印刷コードの向きやブロックの並びは、「開始キードット12c」と「終点キードット12d」の位置から認識することが可能となる。
図3の埋め込み印刷コード10よりも記憶容量の大きい埋め込み印刷コードの実施形態を、図4及び図5を用いて説明する。図4、図5に示す埋め込み印刷コード20の実施形態では、ドット領域22が5×5のマトリクスセルで構成されている。図4でも図3と同様に、実際の埋め込み印刷コードでは印刷されない5×5のマトリクスルセルを実線で示しており、縦基準線および横基準線も図3と同様の番号を付している。図4の埋め込み印刷コード20も、図1(a)に示す埋め込み印刷コード10と同様に、ドット領域に1個の印刷ドット11が印刷される。また、隣接する印刷ドット11は、ドット領域とほぼ同じ大きさの間隔をあけて印刷される。
図5は、図4に示す埋め込み印刷コード20の「基準ドット」及び「情報ドット」を説明するための図である。
図5(a)は、「基準ドット22a」を示している。基準ドット22aは、5×5のドットマトリクスセルの中央に印刷ドット11が印刷されている。図5(b)〜(i)は、それぞれ、8個の「情報ドット22b」を示している。例えば、図5(b)はデジタルデータ“000”、(c)は“001”、(d)は“010”、(e)は“011”、(f)は“100” 、(g)は“101”、(h)は“110”、及び(e)は“111”と規定することにより、1個の情報ドット22bにより、8個(3ビット)のデジタルデータを記録することが可能となる。図5の例も4個の情報ドット22bで1ブロックを構成し、1つの埋め込み印刷コード20は9ブロックあるので、3×4×9=108ビットのデジタル情報を記録することができる。
図6に、他の埋め込み印刷コードの例を示す。図6の埋め込み印刷コード30は、斜めの基準線35を有している。読み取られた埋め込み印刷コード10は、複数の基準ドット32aの配列から斜めの基準ライン35が検出される。この斜めの基準ライン35に基づいて、各情報ドット12b中の印刷ドット31の縦方向及び横方向の位置が計算されて、各「情報ドット32b」のデジタルデータが読み出される。読み取った埋め込み印刷コード30の各情報印刷ドット12bがどの順番で配列されて所定の情報を構成しているかは(ビットバリュー配列)、予め定められている。
図7に、基準ドット32aと、情報ドット32bの構成例を示す。ドット領域は3×3マトリクスとし、基準ドット32a、情報ドット32bにおける印刷ドットの配置は、図1の埋め込みコードと同じとした。
図1の印刷コードと同じ図6、図7の埋め込み印刷コード30では、印刷ドット31を円形とした。このように、印刷ドットは四角に限らず、円形その他の形状としても良い。
図6に示すように、基準線を一本の斜めの線とすることにより、基準線を規定する基準ドット32aの数を大幅に減少することができるので、たとえドット領域が3×3のマトリクスであっても、記憶できるデジタルデータの量は大幅に向上する。例えば、図6示す構成において、9×9=81個の印刷ドットからなる埋め込みコード30を形成すると仮定する。この場合、斜めの基準線35を規定するのに必要な基準ドット32aは、9個で足りる。開始キードット及び終点キードットとして2個を使用するとしても、特殊ドットとして必要な印刷ドット31は、11個だけである。従って、81−11=70個の情報ドット32bを設けることが可能となる。これにより、ドット領域が3×3のマトリクスであっても、2ビット×70=140ビットのデジタル情報を記録することが可能となる。これにより、小さな埋め込み印刷コードにより、多くのデジタル情報を埋め込むことが可能となる。
以上、埋め込み印刷コードの構成例を示したが、本願考案に係る埋め込み印刷コードの構成はこれらに限定されることはなく、参考文献1〜3に示すような構成等も採用可能である。一方、視認され難くするために、隣接する印刷ドットの平均間隔は印刷ドットの大きさ(印刷ドットの径、長方形の場合:長辺の長さ又は長辺と短辺の長さの合計の1/2、その他の多角形:対角線の長さ等で確定する)のおおよそ4倍以上の間隔を空けることが望ましい。ここで平均間隔とは、埋め込み印刷コードの印刷ドット全体の隣接する印刷ドット間隔を平均したものをいう。さらに望ましくは、印刷ドットの平均間隔を印刷ドットの大きさの5倍以上とすることが望ましい。
上述したように、各ドット領域12,22、32は、隣のドット領域に対してそれぞれ一つのドット領域とほぼ同じ幅の間隔を開けて配置されるので、結果として、各印刷ドットは大きな間隔をあけて配置される。図1の埋め込み印刷コードでは、ドット領域12が3×3のマトリクスセルから構成されるので、各印刷ドット11は、多少の偏りはあるものの、平均すると、隣接する各印刷ドット11はドット領域を構成するセルの大きさ(印刷ドットの径)5個分の間隔を空けて配置されていることになる。このように各ドット領域15を、一定の大きさ以上の間隔を空けて配置することにより、埋め込み印刷コードの印刷ドット11の印刷密度を小さくしている。これにより、印刷ドットの存在は視覚的に認識し難くなる。また、このような埋め込み印刷コード10を紙面全体に一様に印刷して、紙面全体に同じような薄い模様が繰り返されることにより、人間の眼の性質上、印刷ドットが視覚的にさらに認識され難くなる。これにより埋め込み印刷コード10の視認性が大きく低下する。
読取解像度の高い読取ペンで読み取る従来技術の埋め込み印刷コードでは、3×3のセルマトリクスからなるドット領域中に「42μm」の大きさの印刷ドットを1個だけ印刷している。この印刷ドットの大きさを図3に示す構成の埋め込み印刷コードに適用すると、ドット領域15の大きさは、1辺が42μm×3=126μmとなる。図3の例では、各ドット領域15はドット領域15と同じ幅の間隔を空けて配置されるので、埋め込み印刷コード10の一辺の長さは、126μm×17=2142μmとなる。このような埋め込み印刷コードを紙面全体に均等に印刷すると、紙面が僅かに暗く感じる程度であり、埋め込み印刷コードが印刷されていることを認識することはできず、何も印刷されていないように見える。
しかし、大きさが42μm程度しかない従来の印刷ドットの場合、ドット領域中の印刷ドットの配置を正確に読み取るために、高い解像度(1800DPI以上程度)の読取専用ペンが必要となり、世の中に普及している一般的なスマートフォンやモバイル端末では埋め込み印刷コードを読み取ることはできない。
そのため、本件考案者達は、高解像度の特殊な専用読取ペンではなく、スマートフォン等の撮像カメラを備える汎用機器で読み取ることができる埋め込み印刷コードを開発することとした。
埋め込み印刷コードを解像度の低い汎用のスマートフォン等で読み取るためには、印刷ドットを拡大する必要があるが、拡大すると非視認性を確保するのが難しくなる。
図1(b)及び図8に示すドット領域中12、22、32の印刷ドット11、31の大きさ“d”により、埋め込み印刷コードの大きさが変わり、読取精度及び非視認性が異なってくる。そこで、本願考案者達は、汎用的なスマートフォンやモバイル端末で読取可能であり、かつ非視認性を確保することのできる埋め込み印刷コードが可能かどうかを検証するため、埋め込みコードの印刷ドットの大きさや印刷インクの色を変えて、各種検証実験を行った。
検証実験には、図1〜図3に示す実施形態の埋め込み印刷コード10を用いた。検証実験では、埋め込み印刷コード10の印刷ドット11の大きさを順次大きくするとともに、印刷ドット11を印刷するインクの色を変えて、読取精度のテスト及び視認性のテストを行った。本考案の埋め込み印刷コードの構成は、このような検証実験により得た知見に基づき得られたものである。
初期検証実験により、まず、印刷ドットを黒色で印刷した埋め込み印刷コードの場合、汎用のスマートフォンで読み取ることができる大きさにすると、非視認性が確保できないことが判明した。一方、印刷ドットを黄色のインクで印刷すると、一定の範囲であるが、非視認性を確保しかつ汎用のスマートフォンで読み取ることができる大きさが存在することがあることが分かった。そこで、ビジネス的に実用化可能な範囲を確定すべく、印刷ドット11の大きさを次順大きくし、黄色のインクで印刷した埋め込み印刷コードを用いて検証実験を行った。
図9は、検証実験に使用した埋め込み印刷コード10を順次拡大して示す図であり、各図の下段に示す数値は、埋め込み印刷コード10を構成する印刷ドットの大きさ(一辺の長さ又は径)を示している。図9に示す埋め込み印刷コード10では、図面に明確に表示するため、黒色のインクを用いて印刷したものだけを示している。実際には、黒インクを用いて印刷した埋め込み印刷コード10と黄色のインクを用いて印刷した埋め込み印刷コード10を用意して、後述する非視認性のテストおよび読取テストなどの検証テストを行った。
視認テストおよび読取テストでは、図9に示すように、印刷ドットのサイズ(図1(b)の“d”=ドット領域35のセルの一辺サイズにほぼ等しい)を最小値である80μmから20μmずつ増加させて200μmの大きさまで拡大した埋め込み印刷コードを作成し、これらを用いて検証した。ここで埋め込み印刷コードは、黄色のインクで印刷したものだけでなく、比較のために黒色で印刷したものも検証した。なお、ここで印刷ドットを印刷する黄色のインクとは、CMYK系で使用される“Y”色のインクである。
図10に、非視認性のテストの結果を示す。
図10を用いて、非視認性についての検証テストの結果について説明する。非視認性のテストは、8名のモニターによる目視により行った。図1中、A〜Hは、視認テストの8名のモニターを示しており、数字1〜7はテスト対象となった大きさの異なるサンプルを示している。サンプル1〜7は、埋め込み印刷コードの印刷ドット11の大きさが80μmのものをサンプル1として、それを最小値として印刷ドット11の大きさを200μmまで順次20μmずつ大きくしていくことにより作製した埋め込み印刷コードをそれぞれサンプル1〜7としている。図9からわかるように、印刷ドット11のサイズが大きくなると、ドット領域だけでなく、隣接するドット領域の間隔も大きくなるので、埋め込み印刷コード全体が急激に大きくなっていく。
なお、非視認性テストの評価に当たっては、各モニターA〜Hには、黒色及び黄色の各サンプル1〜7の視認性について、以下のa〜eの5段階に分けて評価してもらった。
a:印刷された埋め込み印刷コードが、ほぼ完全に見えない
b:意識してみるとぼんやり見える
c:特に注意してみなくてもぼんやり見える
d:注意してみなくても見える
e:完全に見える
モニターによる非視認性テストの結果、黒色の埋め込み印刷コードについては、サンプル1〜7のすべてについて、評価e(完全に見える)であった。なお、図10には示していないが、従来のドット領域サイズ42μm(印刷ドット14μm)の埋め込み印刷コードは、黒色で印刷したものでも視認することはできず、視認性の評価は“a”であった。
これに対して、黄色のインクで印刷した埋め込み印刷コードは、サンプル1及び2については評価“a”(完全に見えない)であり、サンプル3についても6名が評価“a”、2名が評価“b”(意識してみるとぼんやり見える)であった。また、サンプル4については7名が評価“b”、1名が評価“c”(特に注意しなくてもぼんやり見える)という評価であり、サンプル5、6については6名が評価“b”、2名が評価“c”であった。しかし、サンプル7になると、モニター全員が評価“c”となった。
以上の非視認性の検証テストの結果、黒色のインクで印刷ドットを印刷した埋め込み印刷コードは、サンプル1〜7のすべてにおいて、非視認性を確保することができないことがわかった。一方黄色の印刷ドットにより印刷した埋め込み印刷コード10では、多少の個人差はあるものの、印刷ドットの大きさが80μm〜160μm(サンプル1〜4)の範囲内にある場合には、埋め込み印刷コードの非視認性をほぼ確保できるが、サンプル7(印刷ドットが200μm)の大きさになると、注意しなくともぼんやり見えてしまう程度の視認性がでてくるということが検証された。
次に、汎用のスマートフォンを用いて、読取精度テストを行った結果について説明する。読取精度の確認に使用したスマートフォンは、iphone 5Sを用いた。また、使用した読取ソフトウェアは、拡大器具を装着して埋め込み印刷コードを読取る場合に使用する既存のソフトウェアを用いた。読取精度テストに使用した埋め込み印刷コードは、非視認性の検証テストと同じサンプル1〜7を使用(黒色及び黄色についてそれぞれサンプル1〜7を使用)した。また読取の検証は、サンプル1〜7についてそれぞれ10回ずつ読取テストを行った。拡大器具を使用することなく、埋め込み印刷コードを印刷した紙面から7cm離して焦点を合わせて、日中の部屋の明るさの中で読取テストを行った。
読取テストの結果、黒色で印刷した埋め込み印刷コードはサンプル1〜7のすべてについて、10回とも1秒以内に問題なく読み取ることができた。
一方、黄色で印刷した埋め込み印刷コードについては、サンプル1及びサンプル2(印刷ドットの大きさが80μm及び100μmのサンプル)は、埋め込み印刷ドットを読み取ることができないか、または読み取れたとしても読取に11秒以上の時間かかる場合があり、実際の使用には適していないことが判明した。これに対して、サンプル3以上の大きさ(印刷ドットの大きさが120μm以上)の場合には、黄色のインクで印刷したものでも1秒以内に確実に読み取ることができ、読取精度の観点からは印刷ドット11の大きさが120μm以上であることが望ましいことが確認できた。
以上の検証テストを総括すると、非視認性の観点からは、黒色のインクで印刷した埋め込み印刷コードは、少なくとも印刷ドット80μm以上の大きさではすべて視認されてしまう。しかし、黄色のインクで印刷した埋め込み印刷コードであれば、印刷ドット11の大きさが180μm以下であれば、非視認性をほぼ確実に確保することができることがわかった。
また、黄色のインクで印刷した場合、印刷ドットの大きさが200μmの場合には、若干視認され易くなることが確認された。この程度であれば、厳格な非視認性が要求されない状況では使用することができる場合もあり、使用目的や環境に応じた使用条件に適合する場合には使用可能となる。
一方読取テストの結果からは、埋め込み印刷コードを黄色のインクで印刷した場合には、印刷ドットの大きさが120μm以上であることが望ましいことが判明した。
以上から、印刷ドットを黄色のインクにより印刷することにより、印刷ドットの大きさを120μm以上200μm以下の大きさとすることにより、埋め込み印刷コードの非視認性を一定程度確保しつつ、拡大装置等の補助器具を使用しなくともスマートフォンを用いて高い精度で読み取ることができることを突き止めた。非視認性と読取精度を汎用スマートフォンで補助器具なしで読み取るには、印刷ドットの大きさを120μmから200μmという範囲にするしかないことが、これらの検証で明確になった。
なお、埋め込み印刷コードの採用に際して、比較的高い非視認性が求められる場合には、印刷ドットの大きさを120μm〜180μmとすることが望ましく、さらに高い非視認性を確保する場合には、印刷ドットの大きさを120μ〜160μmとすることが望ましい。
図11に、本考案に係る埋め込み印刷コードの実際に使用する場合の各種応用形態を示す。図11では、全体をA4サイズに収めるために、実際のサイズを80%の大きさに縮小して示している。黄色で印刷した場合の非視認性を示すために、図11では、黒色だけでなく、黄色のインクで印刷した埋め込み印刷コードも示している。図11の(a)、(b)はそれぞれ黒色及び黄色の埋め込み印刷コードを単独で印刷した状態を示している。図11(c)〜(h)は、ひよこやアヒル、鳥などの他の模様と埋め込み印刷コードを組み合わせて印刷した印刷パターンの例を示している。図11(a)、(c)、(e)、(g)はそれぞれ「黒色のインク」で埋め込み印刷コードの印刷ドットを印刷したものであり、図11(b)、(d)、(f)、及び(h)は、「黄色のインク」で印刷ドットを印刷した例を示している。
図11において、(a),(b)は埋め込み印刷コードだけが印刷されているため、黄色で印刷された埋め込み印刷コードを示す図11(b)には、何も印刷されていないように見える。図11の(c)、(d)では、ひよ子の模様の額の部分に埋め込み印刷コードが印刷されており、(e)、(f)では白鳥の模様の背中の上の部分に印刷され、(g)、(h)では2羽のハトの模様の間に埋め込み印刷コードが印刷されている。
図11(a)、(c)、(e)、(g)に示す黒色のインクで印刷した埋め込み印刷コードはすべて視認可能である。
図11はカラー図面ではないためわかりづらいが、カラー印刷によると、印刷ドットの大きさが100μm〜180μmまではほぼ完全に視認できず、印刷ドットの大きさが200μm以上になると埋め込み印刷コードの存在が若干視認されやすくなる。
しかし、埋め込み印刷コードをひよこやアヒル、鳥などの他の模様と組み合わせることにより、他の模様の強いトーンに視覚が惑わされて、埋め込み印刷コードが視認され難くなる。
また、図11(b)からわかるように、黄色で印刷した印刷ドットの大きさが120μmから180μmの埋め込み印刷コードはほぼ視認できないため、埋め込み印刷コードだけ印刷されているとどの場所に埋め込み印刷コードが印刷されているのかを識別することができない。そのため使用状況によっては、どこに埋め込み印刷コードが印刷されているのか、その位置を知らせる必要が出てくる場合がある。このような場合に、図11(c)〜(h)に示すような他の模様と組合せて印刷することにより、埋め込み印刷コードの位置を知らせることが可能となる。
すなわち、模様と埋め込み印刷コードを組合せることにより、模様により埋め込みコードが視認され難くするという効果、または、模様が埋め込み印刷コードの位置を示す目印となる機能を付与することができる。
なお、図11においては、紙面等の一か所に埋め込み印刷コードを印刷する例を説明したが、紙面の全域にわたって同一情報の埋め込み印刷コードを印刷することもできる。また模様や写真のそれぞれに1対1で対応するように、複数の埋め込み印刷コードを印刷することもできる。紙面全域にわたって同一情報の埋め込み印刷コードを印刷する場合、その紙面のどこからでも簡単に同一の埋め込み印刷コードを読み取ることができるので、契約書等の書類の真偽性判定等に応用可能である。また、個々の模様や写真に1対1に対応づけて埋め込み印刷コードを印刷することにより、個々の模様または写真の関連づけたデータやリンク情報等を埋め込み印刷コードにより提供することが可能となる。
図1乃至図4の埋め込み印刷コードでは、直交する複数の基準ライン15a、15bを用いて、情報ドットのデジタル値を読み出す例を示した。また、図6では、基準ラインを45°に傾斜した斜めの一本の基準ライン35とする例を示した。しかし、これらに限らず、90度に交差する2本の基準ラインだけとすることや、他の態様により情報ドットのデジタル値を計算するように構成することもできる。基準ラインをどのように設定するかについては当業者が自由に設計することができ、例えば基準ラインの角度を変える等、上記以外の基準ラインを設定することも可能である
また、図3及び図6では、ドット領域15の4隅の位置にドットを印刷したものを「情報ドット」としたが、上下左右の4辺の各辺の中央の位置(4か所)を各デジタル値に割り当てることも可能である。また、図1〜図6に示した例では、印刷ドット11の形状を矩形とし、図6及び図7の例では円形としたが、他の形状としても良い。さらに、ドット領域15を7×7個以上のセルマトリクスに拡大して、より多値のデジタル表示ができるようにしても良い。また本願考案はドットの大きさと黄色のインクを所定のドットの大きさで印刷することを特徴とするものであり、埋め込み印刷コードのドット配列の形式には限定されない。そのため、特許文献1、2に記載されている埋め込み印刷コードにも、本願考案を適用することができる。
さらに、印刷ドットの配置で情報を表現するだけでなく、各印刷ドットの占有空間内において一つの方向を表わす形状の印刷ドット(例えば一方向に突出している形状)を印刷することにより、方向にデジタル値を化体させることも可能である。また、各ドットの形状を異なる形状として、異なる形状毎にデジタル値を化体させることもできる。さらに、一つのドットを所定の数の細かいドットから構成するとともに、細かいドットを一か所に集中配置するか、または分散配置するかにより情報を化体させることも可能である。
このような埋め込み印刷コードを各種商品やそれらの包装部材等に印刷することにより、外観上は所定の写真や精錬されたデザインしか印刷されていないように見える商品等(各種商品、アルバム、ノートや書籍、またはそれらの包装紙や包装容器等)に埋め込み印刷されている埋め込み印刷コードを、スマートフォン等の汎用モバイル機器を使用して直接読み取ることができる。
これにより、読み取った埋め込み印刷コードの情報に基づいて、各種処理を起動して、スマートフォン等のモバイル機器の出力部(画面やマイク等)を通じて、各種情報を出力することができる。例えば、音声による写真や絵の説明、映像や音声による商品関連情報の提供、遠隔サーバへアクセスして動画の提供を起動する等、各種処理を行うことができる。
10,20,30 埋め込み印刷コード
11,31 印刷ドット
12,22,32 ドット領域
12a,22a,32a 基準ドット
12b,22b,32b 情報ドット
12c 開始キードット
12d 終点キードット
15a、5b 基準線
35 斜めの基準ライン
d 印刷ドットの大きさ

Claims (7)

  1. 機械読取可能なドットパターンコードを構成する複数の印刷ドットを紙面その他の印刷媒体に所定の間隔を空けて印刷することにより、視認され難い状態で印刷した埋め込み印刷コードであって、
    前記埋め込み印刷コードを構成する前記印刷ドットがCMYKのイエロー(Y)のインクにより印刷され、該印刷ドットの大きさが140μm〜200μmの範囲となるように印刷されていることを特徴とする埋め込み印刷コード。
  2. 前記印刷ドットの径または一辺の大きさが、140μm〜160μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の埋め込み印刷コード。
  3. 前記埋め込み印刷コードが印刷される領域の背景色が、何も印刷されていない白色無地、または一定濃度のシアン(C)若しくはマゼンタ(M)の無地であることを特徴とする請求項1または2に記載の埋め込み印刷コード。
  4. 前記埋め込み印刷コードは、前記印刷ドットが該印刷ドットの大きさの4倍以上の間隔を空けて、印刷されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の埋め込み印刷コード。
  5. 前記埋め込みコードは、前記印刷ドットが該印刷ドットの大きさの5倍以上の間隔を空けて、印刷されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の埋め込み印刷コード。
  6. 前記埋め込み印刷コードが、繰り返し複数印刷されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の埋め込み印刷コード。
  7. 前記埋め込み印刷コードが、所定の印刷模様と組み合わされて印刷されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の埋め込み印刷コード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017228258A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 株式会社アポロジャパン 物品駆動型情報収集・発信管理システム及び物品を核として情報の収集・発信を行う物品駆動型情報収集管理方法

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