JP3200463U - 測量装置 - Google Patents
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従来の測量方法では、部品や部材等の測定物の高さを測定する際に、メジャー等の測定機器を用いてFL+1000に対する各測定箇所の高さを測定し、測定値から計算によりFLに対する高さを算出していた。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右の位置関係は、通常の設置位置を基準とする。
筐体部10は、縦長の箱体であり、図3のように、第1巻尺取付部6に取り付けた状態において、下面に目盛部材11を引き出し可能な引き出し孔13を備えている。引き出し孔13は、筐体部10の内外を連通させる連通孔であり、目盛部材11の一部を引き出し可能となっている。
また目盛部材11は、少なくとも片面に目盛りが設けられている。具体的には、目盛部材11は、巻尺側係合部12から長手方向に1mm刻みで副目盛りが設けられており、1cm刻みで主目盛が設けられている。すなわち、巻尺部材2は、筐体部10から目盛部材11を引き出すことによってその先端に位置する巻尺側係合部12からの距離を目視可能となっている。なお、本実施形態の巻尺部材2は、汎用品のメジャーを採用している。
第1支持部15は、図2,図3,図5から読み取れるように、断面形状が「コ」字状であって、上下方向Zに延びた長尺体である。第1支持部15は、第1正面形成部20と、第1正面形成部20の幅方向Xの両端部から、前後方向Yの後方に向けて立設された第1側面形成部21,22を備えている。すなわち、第1支持部15は、第1正面形成部20及び第1側面形成部21,22に囲まれた第1空間23を備えている。
第1空間23は、図3に示されるように、上下方向Zに直線上に延びた空間であり、その一部に第2支持部16の一部を収納可能となっている。
一方の側面形成部21は、図5に示されるように、後述する固定部材17の押圧部材33の一部を挿通可能な挿通孔24を備えている。挿通孔24は、側面形成部21を部材厚方向に貫通した貫通孔である。
第2支持部16は、第1支持部15と接続される接続部25と、第2巻尺取付部7が取り付けられる支持本体26を備えている。
接続部25は、上下方向Zに延びた長尺体であり、その長手方向の上端部を第1支持部15の第1空間23内に出し入れ可能となっている。
具体的には、接続部25は、幅方向に離間した2本の長尺状の接続片31a,31bから構成されており、支持本体26の上端部からその一部が張り出している。
接続片31a,31bは、断面形状が「コ」字状の部材であり、互いに平行であって、支持本体26によって片持ち状に支持されている。
本体部32は、第1支持部15の外周の一部を覆う部位であり、断面形状が「コ」字状の部位である。本体部32は、正面覆部35と、正面覆部35の幅方向Xの両端部から前後方向Yの後方に向けて立設した側面覆部36,37から形成されている。
側面覆部36は、図4に示されるように、厚み方向に貫通した取付孔34を備えている。取付孔34は、その内側面の一部がねじ切りされており、内ねじとなっている。
頭部38は、使用者が摘持可能な摘持部であり、押圧部材33全体を周方向に回転操作可能な操作部でもある。
軸部39は、頭部38から棒状の延びた部位であり、その外周面がねじ切りされている。軸部39は、取付孔34と対をなしており、取付孔34と螺合可能となっている。軸部39の軸方向の長さは、取付孔34の深さよりも長い。
取付部40は、断面形状が「コ」字状の部材であり、正面覆部45と、正面覆部45の幅方向Xの両端部から前後方向Yの後方に向けて立設した側面覆部46,47から形成されている。
正面覆部45は、第1支持部15の第1正面形成部20を覆う部位であり、側面覆部46,47は、第1支持部15の第1側面形成部21,22を覆う部位である。
側面覆部46は、固定部材42を取り付けるための取付孔48を備えている。取付孔48は、部材厚方向に貫通した貫通孔であり、その内周面がねじ切りされている。
本実施形態の基準側係合部41は、正面覆部45から前方に向かって直立しており、その張出方向の中間部に幅方向Xに延びた切り欠き部50を備えている。
切り欠き部50は、基準側係合部41の厚み方向に貫通し、幅方向Xの一方の端部から他方の端部に向けて延びている。また、切り欠き部50は、幅を持った切り欠きであり、その内部に目盛部材11を挿通可能となっている。本実施形態の切り欠き部50は、四角形状の切り欠きであり、前後方向に対向する二辺51,52を備えている。
固定部材42は、頭部55と、頭部55の中心から直立した軸部56を備えている。
頭部55は、使用者が摘持可能であり、固定部材42を周方向に回転操作可能な操作部でもある。
軸部56は、頭部55から棒状に延びており、その外周面がねじ切りされている。軸部56は、取付孔48と対をなしており、取付孔48と螺合可能となっている。軸部56の軸方向の長さは、取付孔48の深さよりも長い。
載置部60は、図5に示されるように、底面部65と、底面部65の幅方向Xの両端部から立ち上がった立壁部66,67から構成されている。
底面部65は、巻尺部材2を載置する載置面を構成する部位であり、目盛部材11の一部を挿通可能な挿通孔61を備えている。
挿通孔61は、目盛部材11を下方に向けて引き込むための引き込み孔であり、底面部65を部材厚方向に貫通した貫通孔である。
規制部70は、上下方向Z(高さ方向)に対して直交する方向において目盛部材11を所定の範囲に収める部位であり、目盛部材11の振れを抑制する部位である。
規制部70は、断面形状が「コ」字状の部位であり、正面側覆部75と側面側覆部76,77とから形成されている。
側面側覆部76,77は、第2支持部16の第2側面形成部28,29に接続され、第2支持部16から前方に向けて延びた部位である。
正面側覆部75は、幅方向に対向する側面側覆部76,77間を接続する部位である。すなわち、規制部70は、第2支持部16の第2正面形成部27と、正面側覆部75と、側面側覆部76,77とによって囲まれた制限空間78を形成している。
取付部80は、第2支持部16の周囲を囲んで取り付けられる部位であり、四角環状の部位である。すなわち、取付部80は、第2支持部16の前面側を覆う正面側覆部82と、側面側を覆う側面覆部83,84と、後面側を覆う後面覆部85から構成されている。
各覆部82〜85には、各覆部82〜85に対して直立し、外側に向けて張り出した張出片86〜89がそれぞれ設けられている。
正面側覆部82に設けられた張出片86は、後面側覆部85に設けられた張出片89に対して互いに離反する方向に張り出しており、側面側覆部83に設けられた張出片87は、側面側覆部84に設けられた張出片88に対して互いに離反する方向に張り出している。すなわち、各張出片86〜89は、前後左右の四方に向けて張り出している。
固定部材81は、第2支持部16を締め付けて載置部71を任意の位置に固定するものである。
固定部材81は、頭部91と、頭部91の中心から直立した軸部92を備えている。
頭部91は、使用者が摘持可能であり、固定部材81を周方向に回転操作可能な操作部でもある。
軸部92は、頭部91から棒状に延びており、その外周面がねじ切りされている。軸部92は、取付孔90と対をなしており、取付孔90と螺合可能となっている。軸部92の軸方向の長さは、取付孔90の深さよりも長い。
巻尺部材2は、筐体部10が縦姿勢となるように載置部60に載置されており、上下方向Zにおいて、筐体部10の引き出し孔13が底面部65の挿通孔61と連通している。
巻尺部材2の目盛部材11は、引き出し孔13と挿通孔61を挿通して下方に延びており、その先端に位置する巻尺側係合部12が基準設定部5の切り欠き部50をなす辺51に係合している。
また、目盛部材11の目盛は、第1支持部15に対して反対側を向いており、前方側から露出しており、目視できる。
第2支持部16の接続部25は、その一部が第1支持部15の第1空間23に挿入されており、その重なり部分に固定部材17が配されている。
具体的には、押圧部材33は、その軸部39の中間部が取付孔34と係合しており、軸部39の先端部は、第1支持部15の挿通孔24を挿通して、第2支持部16の接続部25の接続片31aを押圧している。
また、間隔維持部18は、図5から読み取れるように、その挿入部19が接続片31a,31bの間に挿入されている。そのため、接続片31aは、押圧部材33によって接続片31b側に押圧されるが、間隔維持部18の挿入部19が挿入されているので、第1支持部15が第2支持部16に対して相対的に固定される。
正面側覆部82の張出片86は、規制部70の制限空間78の下方に位置している。
固定部材81は、図2に示されるように、軸部92の中間部が取付孔90と係合しており、その先端部が第2支持部16の第2正面形成部27を押圧している。すなわち、載置部71は、固定部材81の押圧力によって姿勢が保持されている。
筐体部10の引き出し孔13は、上下方向Zにおいて、規制部70の制限空間78を向いており、目盛部材11は、引き出し孔13及び制限空間78を通過して上方に延びており、その先端に位置する巻尺側係合部12が基準設定部5の切り欠き部50をなす辺51に係合している。
具体的には、図7(a)から読み取れるように、巻尺部材2の目盛部材11を伸ばして、建物にあらかじめ設けられたFL+1000mmの基準墨に目盛部材11の100cmの目盛に合わせる。そして、その状態で位置確認装置101によって、目視によって目盛部材11の同一高さの目盛を読み、必要に応じて当該目盛位置にマーキング又は記録を行う。そして、図7(b)のように、必要であればマーキングを用いて、測量装置1の下端部から基準設定部5の下端部の長さを前記位置確認装置101によって確認した目盛部材11の先端から目盛位置までの長さに合うように基準設定部5の下端部の位置を調整する。すなわち、基準設定部5の下端部のFLからの高さは、位置確認装置101のFLの高さと同じ高さとなる。
なお、本実施形態の位置確認装置101は、高低差を測る水準測量機器(いわゆる、レベル)であり、光学式レベルである。すなわち、レンズを覗くことによって視覚的に同一の高さの位置を確認できる。
そして、図8に示されるように、測定対象の測定物100の測定点に測量装置1の下端部を載置し、その状態で位置確認装置101によって視覚的に目盛部材11の目盛位置を確認する。
ここで、位置確認装置101による確認位置の高さαは、図8から読み取れるように、測量装置1の下端部から基準設定部5の下端部までの距離(目盛部材11の0cm位置)と同じであるから、目盛部材11の目盛は、FLからの高さβ(FLに対する高低差)となる。そのため、余計な計算を行わずとも視覚的に直接測定物100の測定点のFLからの高さを確認できる。
すなわち、上記と同様にして、位置確認装置101の確認位置と同じ高さに基準設定部5の下端部を合わせ、図9(a)に示されるように、測定物100の複数の測定点において、それぞれ測量装置1の下端部を載置し、その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取る。そして、各測定点での目盛の変化量が測量装置1の移動量Dに該当し、移動量Dから測定物100の測定点間の高低差であるから、測定物100の勾配を算出することができる。
次に、図6のように、第2巻尺取付部7に巻尺部材2を取り付け、筐体部10から目盛部材11を引き出して基準設定部5の基準側係合部41に係合させる。すなわち、図10(c)のように第2巻尺取付部7に取り付けられた目盛部材11の0cm位置を位置確認装置101の確認位置に一致させ、ともに高さαにする。
そして、図11のように、測定対象の測定物100の測定点に測量装置1の下端部を載置し、その状態で位置確認装置101によって視覚的に目盛部材11の目盛位置を確認する。
ここで、図11に示されるように位置確認装置101による確認位置の高さαは、測量装置1の下端部から基準設定部5の下端部までの距離(目盛部材11の0cm位置)と同じであるから、目盛部材11の目盛は、FLからの高さγ(FLに対する高低差)となる。そのため、余計な計算を行わずとも視覚的に直接測定物100の測定点のFLからの高さを確認できる。
すなわち、上記と同様にして、位置確認装置101の確認位置と同じ高さに測量装置1の下端部を合わせ、図12(a)に示されるように、測定物100の複数の測定点において、それぞれ測量装置1の下端部を載置し、その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取る。そして、各測定点での目盛の変化量が測量装置1の移動量に該当し、移動量から測定物100の測定点間の高低差であるから、測定物100の勾配を算出することができる。
次に、図13(a)に示されるように、円筒状の測定物100の一方の端部の開口内に測量装置1の張出片86を挿入し、測定点たる測定物100の内周面の底部上に載置する。その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取り、測定物100の一方の端部の開口の底部のFLからの高さを記録する。
続いて、図13(b)に示されるように、円筒状の測定物100の他方の端部の開口内に測量装置1の張出片86を挿入し、測定点たる測定物100の内周面の底部上に載置する。その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取り、測定物100の一方の端部の開口の底部のFLからの高さを記録する。そして、記憶した各測定点での目盛の変化量を算出し、測定物100の端部間の高低差から測定物100の勾配を算出することができる。
具体的には、まずあらかじめ張出片86の上下方向Zの厚みを計測しておく。位置確認装置101の確認位置と同じ高さに測量装置1の下端部を合わせる。そして、図2のように巻尺部材2を第1巻尺取付部6に設置し、目盛部材11の巻尺側係合部12を基準設定部5の基準側係合部41に係合させる。
次に、図14(a)に示されるように、円筒状の測定物100の端部の開口内に測量装置1の張出片86を挿入し、測定点たる天部に接触させる。その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取り、当該測定値に張出片86の厚みtを加算して、測定物100の開口の天部のFLからの高さを記録する。
続いて、測定点たる底部に接触させる。その状態で位置確認装置101を用いて目盛部材11の目盛を読み取り、測定物100の開口の底部のFLからの高さを記録する。記憶した各測定点での目盛の変化量を算出し、測定物100の開口径を測量することができる。
円形状や正多角形の場合には、周方向の所望の位置に基準設定部5及び載置部71を設置可能であるため、少なくとも一つの張出片86を備えていればよい。
また、例えば、巻尺部材2を第1巻尺取付部6に取り付けた状態から目盛部材11を下端部まで伸ばして目盛部材11の0cmを測量装置1の下端部に合わせる。そしてその状態で目盛部材11の100cm位置を建物のFL+1000の基準墨に合わせてもよい。
2 巻尺部材
5 基準設定部
6 第1巻尺取付部(巻尺取付部)
7 第2巻尺取付部
10 筐体部(筐体)
11 目盛部材
12 巻尺側係合部(係合部)
15 第1支持部
16 第2支持部
86〜89 張出片
100 円筒物
101 光学式水平器(光線照射装置)
Claims (6)
- 位置確認装置を使用して基準点に対する測定点の高さを測量する測量装置であって、
全体として長尺状に延びる測量装置において、
巻尺部材と、前記巻尺部材を固定可能な巻尺取付部と、前記巻尺取付部から高さ方向に離間した基準設定部を有し、
前記巻尺部材は、筐体内に目盛部材の一部が収納されたものであって、前記目盛部材を前記筐体内から引き出し可能であり、
前記目盛部材は、その引き出し方向の先端から目盛が振られているものであって、その先端部又はその近傍に前記基準設定部と係合可能な係合部を有し、
測量する際には、前記測量装置の長手方向の端部を前記基準点の高さに調整し、前記位置確認装置を使用して前記基準点に対して所定の高さとなる基準位置に前記基準設定部を配し、
さらに、前記巻尺部材を前記巻尺取付部に固定した状態で前記目盛部材を前記筐体から引き出して前記基準設定部を前記巻尺部材の係合部と係止させ、その状態から前記測定点に前記測量装置の長手方向の端部を載置させて、前記位置確認装置によって前記目盛部材の目盛位置が確認されることを特徴とする測量装置。 - 前記巻尺部材を固定可能な第2巻尺取付部をさらに有し、
前記第2巻尺取付部は、前記巻尺取付部に対して下方にあって、かつ、前記基準設定部を挟んで高さ方向に対向しており、
前記測定点が前記基準点よりも高い位置にある際には、前記巻尺部材を前記第2巻尺取付部に固定した状態で、前記目盛部材を前記筐体から引き出して前記基準設定部を前記巻尺部材の係合部と係止させることを特徴とする請求項1に記載の測量装置。 - 前記巻尺取付部と前記基準設定部とを支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、長尺状であって、長手方向に前記基準設定部をスライド移動可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の測量装置。 - 前記巻尺取付部と前記基準設定部と前記第2巻尺取付部とを支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、長尺状であって、長手方向に前記基準設定部をスライド移動可能であり、
前記支持部材は、前記巻尺取付部を支持する第1支持部と、前記第2巻尺取付部を支持する第2支持部を備えており、
前記第1支持部は、前記第2支持部に対して相対的に移動可能に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の測量装置。 - 前記基準点は、固定構造物に墨出しされた基準墨と略同一の高さであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の測量装置。
- 少なくとも前記巻尺取付部と前記基準設定部とを支持する支持部材を有し、
前記測定点は、円筒物の内周面の一部であり、
前記支持部材は、長手方向の端部又はその近傍に長手方向に対して交差する方向に張り出した張出片が設けられており、
測量する際には、前記測定点に前記張出片を接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の測量装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
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CN108332019A (zh) * | 2018-02-07 | 2018-07-27 | 大连晶硕机械有限公司 | 水准测量用尺仪一体化安装架 |
CN113028943A (zh) * | 2021-03-08 | 2021-06-25 | 新乡职业技术学院 | 一种建筑工程管理用测量装置 |
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2015
- 2015-07-31 JP JP2015003893U patent/JP3200463U/ja active Active
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