JP3199752U - 和装用補整パッド及び補整下着 - Google Patents

Abstract

【課題】より美しい着姿が得られるとともに、着用感にも優れた和装用補整パッド及び和装用補整下着を提供する。【解決手段】中綿入りキルティング生地からなり、当該キルティング生地の升目サイズが１．５ｃｍ〜２．０ｃｍである和装用補整パッドである。和装用補整パッドは、肩胸パッド１１、胴回り用パッド１３、及び／又は、ヒップ・腰パッド１４であることが好ましい。また、肩胸パッド１１及び胴回り用パッド１３を収容可能な前身頃と、当該前身頃の脇部から延在し背部で止着可能な脇ベルト７と、前身頃の左右の肩部からそれぞれ延在し脇ベルト７の背部に縫着された背中ベルトと、を有する補整着本体１と、和装用補整パッドとを含む和装用補整下着である。【選択図】図５

Description

本考案は、和装の際に使用する補整パッド、及び、当該補整パッドを含む補整下着に関する。

着物では洋服と違って立体的な裁断をしないため、凹凸のない、いわゆる寸胴型に体型を整えることによって、着姿を美しく見せることができる。このため、タオルやパッドを用いて腰回り等の凹みを無くすように補整をすることが行われている。

従来、和装用補整下着として様々なものが提案されており、例えば特許文献１は、胸の膨らみを押さえ、肩から胸のラインをなだらかにしつつ、胸上部および腰回りに補整ポケットを設け、利用者がそれぞれの体型にあわせて補整ポケットに補整パッドやタオルなどを入れることで、一枚の下着で着物に合った体型に補整するオールインワン補整下着を開示している。

特許文献２は、和装用補整下着であって、前身頃の肩下付近と胸下付近にパッド収容部が設けられ、さらに、後身頃の中央に背中パッドの収容部が設けられたものが開示されている。

特開２０１２−１６２８３４号 実用新案登録第３１０８７３４号

上述のとおり、和装用補整下着において、パッドの収容位置や大きさに関しては多くの提案がされてきたが、パッドそのものについては、適切な形状に成形されたパッドであるか、タオルや綿を詰めることで代用可能である等の記載に留まり、その材質までは検討が進んでいなかった。しかしながら、パッドの形や厚みが適切でない場合には十分な補整効果が得られず、また、着心地が良くないことがあった。
上記の状況に鑑みて、本考案は、より美しい着姿が得られるとともに、着用感にも優れた和装用の補整パッドを提供することを目的とする。

考案者は上記課題について検討を進め、従来のパッドやタオル等の補整材料によって十分な補整効果が得られない原因の一つは、着付けの際に柔らかい補整材料の上から紐を締めると、補整材料に紐がくいこんでしまうこと、このような紐のくいこみによって生じる凹凸が、着姿に好ましくない影響を及ぼすことを見出した。そして、パッドとして、綿入りキルティング地のパッドを用いること、さらにキルティングの升目を特定の大きさにすることで、紐のくい込みによる凹凸が生じにくくより美しい着姿が得られるとともに、適度な柔軟性を有するために着用感にも優れたパッドが得られることを見出して、本考案に至った。

すなわち本考案は、中綿入りキルティング生地からなり、当該キルティング生地の升目サイズが１．５ｃｍ〜２．０ｃｍである和装用補整パッドに関する。

前記和装用補整パッドは、肩胸パッド、胴回り用パッド、及び／又は、ヒップ・腰パッドであることが好ましい。

また本考案は、前記肩胸パッド及び前記胴回り用パッドを収容可能な前身頃と、当該前身頃の脇部から延在し背部で止着可能な脇ベルトと、前記前身頃の左右の肩部からそれぞれ延在し前記脇ベルトの背部に縫着された背中ベルトとを有する補整着本体と、前記の和装用補整パッドと、を含む和装用補整下着に関する。

また本考案は、さらに、前記ヒップ・腰パッドを収容する収容部が設けられたヒップバンドを含む和装用補整下着に関する。

本考案によれば、中綿入りキルティングパッドによって体型をなだらかに補整することが可能であり、また、升目の細かいキルティング生地からなるパッドを用いることによって、紐を締めた際に紐のくいこみが生じにくく、不要な凹凸が生じることがなく、より美しい着姿を簡単に得ることができる。さらに、本考案のパッドは、適度な柔軟性を有しているため着用感にも優れ、長時間にわたる着用においても着くずれしにくく、暑い、苦しいなどの不快感を生じにくい。

本考案の補整下着（前面）を示す。 本考案の補整下着（後面）を示す。 本考案の補整パッドを示す。 本考案の補整下着（ヒップバンド）を示す。 本考案の補整下着の着用例を示す。

以下、図面も参照しながら本考案の補整パッド及び補整下着について説明するが、本考案は図面に示された例に限定されるものではない。

本考案の補整下着は通常、肌襦袢（和装用下着）の上に着用して使用する。
図１は本考案の補整下着の前面を示している。補整着本体１の前身頃は、肩から下腹部まで前身頃の全体を覆うように形成され、衿元はＶ字に形成されている。前身頃の全体は二重構造になっており、表地２及び裏地３を有する。表地２と裏地３とは、縁部を縫製することで一体化されているが、縁部のうち、左右脇の上部、及び、下辺全体から左右辺の下に至る部分においては、表地２と裏地３とが縫製されず、脇側開口部４、下側開口部５となっている。それぞれの開口部から、後述のパッドを挿入することができる。

表地２及び裏地３は図１の例では一重の綿生地であるが、適切な着心地と厚みを有する生地であれば任意のものでよく、特に制限されない。例えば、表地２及び／又は裏地３を中綿入り綿生地で構成することもできる。

また補整着本体１の腹部の中央に、面ファスナー６が取り付けられている。面ファスナー６は、後述するヒップパッドを使用する際に、ヒップパッドの腰ベルトの末端を止着するために用いられる。

補整着本体１の脇部から背中側へ、脇ベルト７が延在している。脇ベルト７の素材は若干の伸縮性と通気性とを有することが好ましく、例えば、ツーウェイトリコットやパワーネット等の編地を二重にして用いることができる。

図２は本考案の補整下着の後面を示している。補整着本体１の肩部８は、肩山を超えて肩甲骨近傍まで達し、その末端から背中ベルト９が延在する。背中ベルト９は、両肩から背中中央部に向かうよう斜めに取り付けられており、その末端は脇ベルト７に縫着されている。背中ベルト９を斜めに取り付けることによって、肩部がずり落ちてしまうことがなく、より確実に補整効果を得ることができるとともに、着心地がよい。背中ベルト９の素材は、脇ベルト７同様であり、例えばツーウェイトリコットやパワーネット等の編地を二重にして用いることができる。

脇ベルト７は、左右それぞれの末端に、着脱自在な一対の係止材１０が取り付けられている。係止材１０としては、例えば、面ファスナーやホックなど公知の係止材を使用することができるが、使用の簡単さ等から面ファスナーであることが好ましい。面ファスナーとする場合、フック側もしくはループ側の一方を幅広に形成して、着用者の体型に合わせて任意の位置で止められるようにすることが好ましい。着用の際には、係止材１０を外した状態で補整着本体１に手を通し、背面で係止材１０を止着するのみである。

図３は本考案の補整パッドを示している。図３Ａ，Ｂはいずれも肩ないし胸元の補整に用いる、肩胸パッド１１、１２である。肩や衿回りのみを補整したい場合には図３Ｂの肩胸パッド（小）１２を用いればよく、より全体的なボリュームが必要な場合には、図３Ａの肩胸パッド（大）１１を用いるなど、使用者の体型に合わせていずれかを選択して用いればよい。図３Ａ，Ｂのパッドは中綿入りキルティング生地からなり、キルティングの升目は約１．７ｃｍ角、キルティング生地の中綿量は４００ｇ／ｍ^２程度である。既存のキルティング生地パッドのキルティング升目は３．５ｃｍ角程度であったが、本考案のパッドでは、より升目の細かい（１．５ｃｍ〜２．０ｃｍ角程度）キルティング生地を採用することによって、補整効果に優れたパッドを提供できる。キルティング生地の材質は特に制限されるものではないが、例えば、中綿がポリエステル、表面生地が綿生地であることが好ましい。また、キルティングの中綿の量を３００〜５００ｇ／ｍ^２程度とすることで、適度な柔軟性と硬さを両立することができる。

図３Ａ，Ｂのパッドは、補整着本体１の脇側開口部４から、表地２と裏地３との間に挿入し、位置を合わせて用いる。衿元の位置を合わせるとともに、肩側の末端が肩山を越えて背中側に位置するように合わせることが好ましい。パッドと補正着本体との生地表面同士の摩擦があることから、特に止着部品を設ける必要が無い場合もあるが、例えば面ファスナー、リボン、ホックなどを設けて、パッドと補整着本体１とを互いに固定できるような構造としてもよい。

図３Ｃのパッドは、みぞおちからウェストの補整に用いる胴回り用パッド１３である。胴回り用パッド１３は、下部の隅が丸く形成された略四角形であり、みぞおち部分を全体的にガードすることによって、みぞおちの補整ができるとともに、帯枕の紐の結び目が肋骨にくいこむのを防ぐことができる。胴回り用パッド１３の素材は、図３Ａ、Ｂのパッドと同様であり、中綿入りキルティング生地であって、キルティング升目が約１．７ｃｍ角であるものが好ましい。キルティング生地の中綿量を３００〜５００ｇ／ｍ^２程度とすることで適度な柔軟性と硬さを両立することができ、また、厚みの異なる複数種類の生地からなるパッドを準備しておき、体型に応じて選択できるようにしてもよい。

胴回り用パッド１３は、補整着本体１の下側開口部５から、表地２と裏地３との間に挿入し、体型に合わせて位置を調整して用いる。胴回り用パッド１３には、肩胸パッド１１、１２と同様に、特に止着部品を設ける必要は無いが、例えば面ファスナー、リボン、ホック、ボタンなどを設けてパッドと補整着本体１とを互いに固定できるような構造としてもよい。

図３Ｄのパッドは、腰からヒップ上部の凹みを補整するためのヒップ・腰パッド１４である。ヒップ・腰パッド１４の素材は前述のパッドと同様であり、中綿入りキルティング生地であって、キルティング升目が約１．７ｃｍ角であるものが好ましい。キルティング生地の中綿量を３００〜５００ｇ／ｍ^２程度とすることで適度な柔軟性と硬さを両立することができ、また、厚みの異なる複数種類を準備しておき、体型に応じて選択できるようにしてもよい。

図４は、ヒップ・腰パッド１４を収容する収容部を有するヒップバンド１５である。収容部はヒップ・腰パッド１４と略同形に形成されている。つまり、ヒップバンド１５の上辺は直線状であり、下辺は中央部が最も幅広く、両端部に向かって幅が狭くなる曲線状に形成されている。上辺には開口１６が設けられており、開口１６からヒップ・腰パッド１４を挿入することができる。また、収容部の両端にはウェストベルト１７が延在しており、左右のウェストベルト１７の先端にはそれぞれ、例えば面ファスナーである係止材１８が取り付けられている。係止材１８が面ファスナーであるとき、当該面ファスナーは補整着本体１の前面に取り付けられた面ファスナー６と対になっており、面ファスナー６の任意の位置にウェストベルト１７の面ファスナー１８を止着することができる。

ヒップバンド１５の素材は特に制限されないが、表地を一重の綿生地とし、裏地を綿入り綿素材とすることも好ましい。ウェストベルト１７の素材は、若干の伸縮性と通気性を有することが好ましく、例えば、ツーウェイトリコットやパワーネット等の編地を二重にして用いることができる。

図５は本考案の補整下着の着用例である。補整着本体１には、肩・胸パッド１１、胴回りパッド１３が挿入されている。また、補整着本体１の上から、ヒップ・腰パッド１４を挿入したヒップバンド１５を巻き、ウェストベルト１７の両末端は、補整着本体の面ファスナー６に止着されている。

本考案の補整パッドは上記の例に限定されず、例えば、パッド自体にベルトを付けて、補整着本体を用いずに下着の上に装着できるようにしてもよい。また例えば、パッドのみを着物や帯の下に挿入して用いることもできる。補整パッドの厚みを所望のボリュームに合わせて任意に変更することも可能である。

１ 補整着本体
２ 表地
３ 裏地
４ 脇側開口部
５ 下側開口部
６、１０、１８ 面ファスナー（係止材）
７ 脇ベルト
８ 肩部
９ 背中ベルト
１１、１２ 肩胸パッド
１３ 胴回り用パッド
１４ ヒップ・腰パッド
１５ ヒップバンド
１６ 開口
１７ ウェストベルト

Claims (4)

1. 中綿入りキルティング生地からなり、当該キルティング生地の升目サイズが１．５ｃｍ〜２．０ｃｍである和装用補整パッド。
2. 前記和装用補整パッドが、肩胸パッド、胴回り用パッド、及び／又は、ヒップ・腰パッドである、請求項１に記載の和装用補整パッド。
3. 前記肩胸パッド及び前記胴回り用パッドを収容可能な前身頃と、当該前身頃の脇部から延在し背部で止着可能な脇ベルトと、前記前身頃の左右の肩部からそれぞれ延在し前記脇ベルトの背部に縫着された背中ベルトと、を有する補整着本体と、
   請求項１又は２に記載の和装用補整パッドと、
   を含む和装用補整下着。
4. さらに、前記ヒップ・腰パッドを収容する収容部が設けられたヒップバンドを含む、請求項３に記載の和装用補整下着。

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