JP3199475U - 装着具 - Google Patents

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Abstract

【課題】足や腕の骨折・脱臼・捻挫等の外傷時に固定・冷却による適切な処置を施しながら、同時に長軸方向に軸圧を付加して治癒過程の促進が期待できる装着具を提供する。【解決手段】患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具1であって、対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に掛け回される環状のベルト部材11と、ベルト部材11の両端を纏めるように係止して固定し、ベルト部材11を任意の径を有する環状に維持する係止具12と、ベルト部材11の一端又は両端に設けられ、係止具12から延びたベルト部材11の余剰部分を固定する端部固定部材13とを備え、第1骨及び第2骨に掛け回されたベルト部材11は、対象骨に平行となるように固定され、係止具12から延びたベルト部材11の余剰部分11bは、対象骨と直交するように固定される。【選択図】図1

Description

本考案は、骨折・脱臼・捻挫、関節拘縮等の患部に適切な応急処置・施術をしながら、対象骨および対象関節に軸圧を付加する装着具に関する。
スポーツ時のアクシデントやその他種々の事故、災害などで足や腕を骨折した場合、その部位を冷却して炎症を抑えるとともに、患部を固定して動きを制限する方法が、応急処置や初期施術として行われている。こういった処置方法は「RICE」と称され、R(rest=安静にする)・I(ice=冷やす)・C(compression=圧迫する)・E(elevation=患部を高く保つ)の4要素は骨折時の対処方法の基本として医療やスポーツ等の現場では広く知られている。通常、患部の固定・圧迫には包袋や三角巾等を使用して副木と結びつけたり、部位によっては専用の固定具を使用するのが一般的である。また、患部の冷却には、氷嚢や医療用の冷却剤等を手で宛てがうか、水道から直接冷水を流し当てるのが一般的である。
この場合、骨折した患部を固定・圧迫をしながら冷却を行うには、冷却剤の固定が十分でないとすぐに外れたりしてしまう問題があったため、固定・圧迫と冷却を同時に行うための各種装着具が考案されてきた。例えば特許文献1に開示された手法では、柔軟な2つのシートにより形成された密閉空間を有する二重筒状体又は二重袋体と、密閉空間に連通するように設けられたシート状逆上弁、更に気体吹き込み管及びその固定手段から構成することによって、他に特別な道具を必要とせずに、簡単にかつ確実に冷却剤や応急処置用部材等を患部に固定することを可能としたものである。
特開2012−205870
ところで、骨折の施術において、対象骨の長軸方向に軸圧を付加することによって、早期に新生骨が形成され治癒過程が促進されることが知られている。かかる施術方法は、骨折部分の両側の骨にワイヤーやピンを打ち込んで金属製の創外固定器を連結し、皮膚の外側で骨折を固定しながら機械的に圧力を付加する等の方法によって行われるのが一般的である。
しかしながら、この方法では、外科的な手術等による処置が必須であり、医療設備の整った医療機関でなければ行うことができない上、侵襲も伴うため患者への身体的負担も大きい。また、小規模の医院・接骨院・家庭レベルでの初期施術としてや、負傷した現場における応急処置として行うこともできないという問題がある。
また、従来から骨折の初期施術・応急処置のために使用されてきた装着具は患部を周径方向に覆うことによって固定・圧迫を行うものであるため、長軸方向に軸圧を付加することはできず、治癒過程の促進という効果を得ることはできなかった。
このような問題は骨折ばかりに限られたことではなく、捻挫・挫傷・打撲等の外傷の場合においても、患部に軸圧を付加することによって細胞間の圧力を増大させ治癒過程を促進させる効果があることが知られているが、従来の装着具では、かかる処置を施すことができなかった。
そこで、本考案は、上記のような問題を解決するものであり、足や腕の骨折、脱臼、捻挫、関節拘縮等の患部に固定・冷却による適切な処置を施しながら、同時に長軸方向に軸圧を付加して治癒過程の促進が期待できる装着具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案は、患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具であって、前記対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に掛け回される環状のベルト部材と、前記ベルト部材の両端を纏めるように係止して固定し、前記ベルト部材を任意の径を有する環状に維持する係止具と前記ベルト部材の一端又は両端に設けられ、前記係止具から延びた前記ベルト部材の余剰部分を固定する端部固定部材とを備え、前記第1骨及び前記第2骨に掛け回されたベルト部材は、前記対象骨に平行となるように固定され、前記固定部材から延びたベルト部材の前記余剰部分は、前記対象骨と直交するように固定されることを特徴とする。
このような考案は、患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具の装着方法により利用することができる。
すなわち、対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に環状のベルト部材を掛け回し、
係止具を用いて、ベルト部材の両端を纏めるように係止して固定し、ベルト部材を任意の径を有する環状に維持し、
ベルト部材の一端又は両端に設けられ、係止具から延びたベルト部材の余剰部分を、端部固定部材を用いて固定し、
前記第1骨及び前記第2骨に掛け回されたベルト部材は、前記対象骨に平行となるように固定され、前記固定部材から延びたベルト部材の前記余剰部分は、前記対象骨と直交するように固定される。
このような考案によれば、ベルト部材の環状部を対象骨と平行になるように掛け回すことによって、ごく簡便な手法により、患部の固定・圧迫に加えて、対象骨の長軸方向に軸圧を付加することができるようになる。
上記考案において、端部固定部材は、ベルト部材端部の表裏に貼設された面ファスナーであることを特徴とする。このような考案によれば、より簡易に端部の固定が可能であるほか、ベルト部材の環状部の長さを無段階で調節することができるようになる。
上記考案において、可撓性を有する素材で形成され、流体物を封入可能な水密性を有する容器部と、前記容器部に連通する開口を閉止する栓部材とを備えた水容体、空気袋状等冷却体をさらに備え、前記ベルト部材には、前記冷却体を前記患部に当接させるように保持する保持部が設けられていることを特徴とする。このような考案によれば、ごく簡便な手法により、患部の固定・圧迫に加えて、対象骨の長軸方向に軸圧を付加して骨折の治癒過程を促進させることができると同時に、冷却体を患部に当接させて保持することができる。
上記考案において、保持部は、前記ベルト部材に形成されたスリットであることを特徴とする。このような考案によれば、冷却体の栓部等からなる凹凸をスリットに嵌め込むことで冷却体を簡単に固定できる。
上記考案において、保持部は、前記冷却体側に設けられ、前記ベルト部材にスライド可能に係合された係合部を含むことを特徴とする。このような考案によれば、ベルト部材の側の構成をより簡易に済ませることが可能になり、様々な部位、体格の大きさに対する汎用性が増すことになる。また、保持部が冷却体に備えられたスライド可能に係合された係合部であれば、冷却体はベルト部材に強固に固定されて装着後の型崩れがなくなる上、細かな位置調節にも対応できる。
上記考案において、ベルト部材は、2本以上、平行に配置することができる。このような考案によれば、平行に配置されたベルト部材によって、より確実に軸圧を付加することができるとともに、ベルト部材間の隙間に、
冷却体等(水類)の栓部等からなる凹凸をスリットに嵌め込むことで冷却体を簡単に固定できる。
さらに、上記考案では、ベルト部材の中途に着脱自在に接着されるシート状の延長アタッチメントをさらに設け、前記延長アタッチメントは、一端を前記ベルト部材の中途に着脱自在に接着され、他端を前記ベルト部材の他の部位、若しくは前記余剰部分に着脱自在に接着され、前記ベルト部材の伸縮力の方向を変化させることが好ましい。この場合には、ベルト部材の長さが足りない場合に延長させることにより、様々な形でベルト部材を固定することができる。また、この延長アタッチメントを、ベルト部材の長さ方向とは異なる方向に向けて貼り付け、他の部位との間に掛け渡すことにより、ベルト部材の伸縮方向を変更させるベクトル変換ベルトとして用いることができる。例えば、掌から肘にかけて、対象骨の長軸方向に軸圧を付加する場合などには、ベルト部材の伸縮方向が対象骨の長軸方向と一致せずに手首などの関節に回転モーメントが生じ、その関節に負荷が掛かってしまうようなときに、ベルト部材の伸縮方向を異なる方向に変換し、手首などの関節に負荷が掛かるのを回避することができる。
以上述べたように、本考案に係る装着具によれば、骨折、脱臼、捻挫、打撲、関節拘縮等の患部を適切に固定・圧迫・冷却を行いながら、同時に長軸方向に軸圧を付加することができる。この結果、本考案によれば、患者への身体的負担をかけることなく、関節に面圧が加わり関節に潤滑が形成され、治癒過程が促進されることが期待でき、小規模の医院・接骨院・家庭レベルでの初期施術や、負傷した現場における応急処置においても利用できることから、広汎な施術が可能となる。
本考案に係る装着具の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る装着具を下肢部に装着した状態を示す説明図である。 第2実施形態に係る冷却体の構成を示す斜視図である。 第2実施形態に係る装着具を下肢部に装着した状態を示す説明図である。 第2実施形態に係る冷却体にスライド可能な保持部を備えた構成を示す斜視図である。 変更例に係る装着具の装着状態を示す説明図である。 変更例に係る装着具の装着状態を示す説明図である。 変更例に係る装着具において、延長アタッチメント14を追加した場合の装着状態を示す説明図である。 変更例に係る装着具において、延長アタッチメント14を追加した場合の装着手順を示す説明図である。
[第1実施形態]
(装着具の構成)
以下に添付図面を参照して、本考案に係る装着具の実施形態を詳細に説明する。図1は、本考案に係る装着具の構成を示す斜視図である。
本実施形態において、装着具1は、患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具であって、図1に示すように、一本のベルト部材11の両端が係止具12によって纏めるように係止してされて環状となっている。そして、ベルト部材11の一端又は両端には端部固定部材13を備える。
ベルト部材11は、適度な強度を有する伸縮性材料から形成される帯状体である。人の肌に直接触れるものであるから、通気性・保湿性を有するメッシュ素材であることが望ましいが、かかる素材に限定されるものではない。また、後述するように端部固定部材13が面ファスナーである場合は、面ファスナーとオスメスの関係になるような起毛素材等で形成されていてもよい。
係止具12は、ベルト状の部材の両端にバックル12a、12aを備えた部材であり、ベルト部材11の両端を纏めるようにバックル12a,12aのそれぞれに係止して固定し、ベルト部材11が、任意の径を有する環状部11aと、余剰部分11bとを形成するように係止する。この係止具12は、膝や、肘、肩、腿部に宛がわれるものであり、患者の肌に接する部分にスポンジやシリコン製ゴム等のクッション性の部材や、ゲルや水などが充填された保冷剤などを交換可能に取付けるようにしてもよい。また、ベルト部材11の所定位置を係止するとともに、摺動可能となっており、環状部11aと余剰部分11bの長さを自在に調整することができるようになっている。また、係止具12は一対のバックル12a,12aがゴムバンド等の部材によって接合されている構成であってもよい。このような構成によれば、装着する部位に応じてより柔軟に長さを調整することができるようになる。
端部固定部材13は、ベルト部材11の一端又は両端に設けられ、係止具12から延びたベルト部材11の余剰部分11bを固定する。端部固定部材13は、ベルト部材11の表裏に貼設された面ファスナーであることが望ましい。
(使用態様)
次いで、上述した装着具1の使用態様について説明する。図2は、本考案の第1実施形態に係る装着具を下肢部に装着した状態を示す説明図である。なお、本実施形態では下肢部に装着する場合を例に説明するが、本考案は下肢部のみの使用に限定されるものではなく、肩部から肘部、肘部から手関節、足関節から大腿部といったといった四肢の各骨にも使用可能である。
例えば、下肢部に使用する場合には、図2に示すように、ベルト部材11は、対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に掛け回され、対象骨と平行になるように固定される。すなわち、下肢部の腓骨若しくは脛骨を対象骨とすると、膝関節を介した大腿骨を第1骨、足首関節を介した踵骨を第2骨とし、ベルト部材11を大腿骨及び踵骨に掛け回し、対象骨である腓骨若しくは脛骨と平行になるように巻いて固定される。次に、ベルト部材11の両端を係止具12のバックル12a,12aのそれぞれに通して纏めるようにして係止して固定し、ベルト部材11を任意の径を有する環状部11aを形成するように維持する。
この際、係止具12は摺動可能であるから、対象骨の長軸方向に掛け回したベルト部材11の環状部11aを使用者の下肢部の長さに適した径に調整することができるとともに、より強く締め付けを行うことができるようになる。さらに、ベルト部材11の一端又は両端において、係止具12から延びたベルト部材11の余剰部分11bを、端部固定部材13で固定される。この際、ベルト部材11の余剰部分11bは、対象骨と直交するように、固定される。すなわち、患部の周径に沿って巻いて固定され、長軸方向に巻かれた環状部11aに直交しつつ上から覆うように巻かれるので、環状部11aと患部との密着度を高め、より強固に固定することができるようになる。
また、本実施形態において、端部固定部材13は、ベルト部材11端部の表裏に貼設された面ファスナーであり、ベルト部材11の余剰部分11bは、対象骨と直交するように巻き回されて、その端部において面ファスナーにより固定されることが望ましい。さらに本実施の形態では、ベルト部材11の余剰部分11bを対象骨に直交して巻く際に、副木等の固定材を巻き込んでもよい。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、ベルト部材11の環状部11aを対象骨と平行になるように掛け回すことによって、ごく簡便な手法により、患部の固定・圧迫に加えて、対象骨の長軸方向、すなわち図2の矢印に示した方向に軸圧を付加することができるようになり、骨折の治癒過程の促進させることができる。また、係止具12によってベルト部材11の環状部11aの径が調節可能なので、大人から子供に至るまで、あらゆる患者に対して汎用性がある。また、ベルト部材11の環状部11aの長さを短くするほどに対象骨及び対象関節に対する圧力も強まるため、骨折の程度や治癒具合によって圧力の強度を自在に調節することができる。
また、本実施形態によれば、端部固定部材13に面ファスナーを使用することによって、より簡易に端部の固定が可能であるほか、ベルト部材11の環状部11aの長さをより細かく調節することができ、患部に付加する圧力の調整がより簡便になる。
[第2実施形態]
次いで、本考案の第2実施形態について説明する。図3は、第2実施形態に係る冷却体の構成を斜視図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
本実施形態に係る装着具1は、上述した第1実施形態にて説明したように、ベルト部材11の環状部11aを対象骨と平行に、ベルト部材11の余剰部分11bを対象骨と直交させて巻いた上で、さらに冷却体2を備えた構成となっている。
冷却体2は、図3に示すように、容器部21と、栓部材22とから構成される。
容器部21は、可撓性を有する素材で形成され、流体物を封入可能な水密性を有し、水や冷却剤等を封入しても液漏れすることがないよう、十分な水密性を備えている。詳しくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、塩化ビニル等の柔軟で防水性又は撥水性を有する合成樹脂素材が望ましい。栓部材22は、容器部21に連通する開口を閉止するための部材であり、本実施形態では、キャップ状のものを例示している。
さらに、装着具1のベルト部材11には、冷却体2を患部に当接させるように保持する保持部3が設けられており、冷却体2を患部に当てたままの状態を維持しやすくなる。また、本実施形態において、保持部3は、図4に示すように、ベルト部材11に形成されたスリットで3aであってもよい。
本実施形態において、保持部3は、冷却体2の側に設けられていてもよい。例えば、図3に示すように、装着した際に容器部21の表面とベルト部材11とが接する面に設けられている。詳しくは、面ファスナー、接着シール、滑り止め部材等が望ましい。また、保持部3は、図5に示すように、冷却体2の側に設けられ、ベルト部材11にスライド可能に係合された係合部3cであってもよい。例えば、冷却体2の両端にベルト部材11を通して固定できるような合成樹脂製の部材を設けてもよい。
次いで、上述した冷却体2を備えた装着具1の使用態様について説明する。図4は、第2実施形態に係る装着具を下肢部に使用した状態を示す説明図であり、図5は、第2実施形態に係る冷却体にスライド可能な保持部を備えた構成を示す斜視図である。なお、本実施形態では下肢部に装着する場合を例に説明するが、本考案は下肢部のみの使用に限定されるものではなく、肩部から肘部、肘部から手関節、足関節から大腿部といった四肢の各骨にも使用可能である。
本実施形態においては、図4に示すように、可撓性を有する素材で形成され水密性を有する冷却体2の開口から水や冷却剤等の流体物を充填し、栓部材22で閉止する。そして、第1実施形態と同じように、ベルト部材11の環状部11aを対象骨と平行に、ベルト部材11の余剰部分11bを対象骨と直交させて装着した状態において、ベルト部材に設けられた保持部3によって、冷却体2を患部に当接させて保持する。これにより、対象骨の長軸方向に軸圧を付加すると同時に、冷却体2を患部に当てたまま保持することができる。例えば、保持部3は、対象骨と直交して巻くベルト部材11の余剰部分11bであってもよく、その場合は、ベルト部材11の余剰部分11bで冷却体2を当接させた患部を覆うようにして対象骨に巻くことで、冷却体2を保持することができる。
また、図4に示すように、冷却体2は、ベルト部材11に設けられたスリット3aに嵌合されて保持することもできる。これにより、冷却体2の栓部22による突起がベルト部材11の妨げとなることがない。
さらに、保持部3は冷却体2の側に設けた場合、冷却体2の容器部21の表面にベルト部材11にスライド可能に係合された係合部3cを含み、冷却体2がベルト部材11に沿ってスライド移動可能となっていてもよい。これにより、冷却体2がベルト部材11に固定することができる。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、ベルト部材11の環状部11aを対象骨と平行になるように掛け回すことによって、ごく簡便な手法により、患部の固定・圧迫に加えて、対象骨の長軸方向に軸圧を付加して整復後の骨折や脱臼、捻挫等の治癒過程を促進させることができると同時に、冷却体2を患部に保持することによって、炎症を抑え、適切な応急処置・施術を施すことが可能になる。
また、本実施形態によれば、ベルト部材11に形成されたスリット3aによって冷却体2を保持することによって、冷却体2の栓部22等からなる凹凸によって妨害されることなく、ベルト部材11を容易に対象骨及び対象関節に巻くことができ、装着後に型崩れしなくなる。
また、本実施形態によれば、保持部3が冷却体2の側に設けられることによって、ベルト部材11の側の構成をより簡易に済ませることが可能になり、様々な部位、体格の大きさに対する汎用性が増すことになる。保持部3が冷却体2に備えられたスライド可能に係合された係合部11cであれば、冷却体2はベルト部材11に強固に固定されて装着後の型崩れがなくなる上、細かな位置調節にも対応できる。
(変更例)
なお、上述した各実施形態の説明は、本考案の一例である。このため、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、本考案に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更や、それぞれの構成を組み合わせることが可能であることはもちろんである。例えば、上述した第2実施形態では、1本の装着具1を患部に使用したが、本考案はこれに限定されるものではなく、例えば図6に示すように、ベルト部材11を2本以上、平行に配置する構成としてもよい。その場合、平行に配置された2本以上のベルト部材11それぞれの間に冷却体2が保持されることになる。
さらに別の変更例では、装着具1を上腕部に装着する場合において、ベルト部材11における係止具12の位置を調整することにより、図7の(a)から(d)に示すような様々な装着方法によって、上腕部の対象骨の長軸方向に軸圧を付加することが可能である。
また、上述した各実施形態では、ベルト部材の伸縮方向のベクトルを変換する延長アタッチメント14をさらに用いることができる。この延長アタッチメント14は、伸縮性のあるベルト状の部材であり、両端の表裏に面ファスナーが貼設され、ベルト部材11や余剰部分11bの任意の部位に着脱可能な面ファスナーを備えている。この延長アタッチメント14により、ベルト部材11の長さが足りない場合に延長させることにより、様々な形でベルト部材を固定することができる。
例えば、図8(a)に示すように、例えば、掌から肘にかけて、対象骨の長軸方向に軸圧を付加する場合などには、肘にベルト12を当てて、掌から肘にかけてベルト部材11を掛け回すとともに、余剰部分11bを螺旋状に腕に巻き回す。このとき、図8(b)に示すように、親指の付け根にベルト部材11を掛け回すとともに、ベルト12を肘に当てることにより、腕の骨に軸力を付加する際、そのまま親指から肘にベルト部材11を掛け回すと、ベルト部材の伸縮方向が対象骨の長軸方向と一致しないため、伸縮方向のズレに伴い回転モーメントが生じ、手首などの関節が負荷作用点となってその関節に過度な負荷が掛かってしまう。
本変更例では、図9(a)〜(c)に示すように、手首付近において、延長アタッチメント14の一端14bをベルト部材11の中途に接着し、手首に螺旋状に絡ませた後に他端14aをベルト部材11の他の部位に接着させる。この一端14bや他端14aの固定方法としては、ここでは、面ファスナーで貼り付けるようにしたが、ベルト部材11などに面ファスナー部分を絡めるようにして接続し、ベルト部材の伸縮力を利用して、延長アタッチメント14との一体性を高めるようにしてもよい。
そして、延長アタッチメント14を、ベルト部材11の長さ方向とは異なる方向に引っ張るようにして貼り付け、ベルト部材11を屈曲させ、上腕部辺りのベルト部材11部位との間に掛け渡すことにより、ベルト部材の伸縮方向を変更させる。具体的には、延長アタッチメント14を、直線で伸ばしたベルト部材11に接着し、尺骨を回って直線に通っていたベクトルを変更し、尺屈位に変換する。それから2本の余剰部分12bを螺旋状に腕に巻いて固定する。
これにより、手首などの関節に不自然な回転モーメントのような負荷が掛かり、手首が橈屈位になってしまい手首を傷めてしまうのを、回避することができる。なお、ここでは、ベルト部材11を親指までかけた場合を例に説明したが、親指にかけないで手関節に巻き回す方式でも、手首にかかる負荷を低減させて、痛みを軽減することができる。
1…装着具、2…冷却体、3…保持部、3a…スリット、3c…係合部、11…ベルト部材、11a…環状部、11b…余剰部分、11c…係合部、12…係止具、12a…バックル、13…端部固定部材、14…延長アタッチメント、21…容器部、22…栓部材
上記課題を解決するために、本考案は、患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具であって、前記対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に掛け回される環状のベルト部材と、前記ベルト部材の両端を纏めるように係止して固定し、前記ベルト部材を任意の径を有する環状に維持する係止具と前記ベルト部材の一端又は両端に設けられ、前記係止具から延びた前記ベルト部材の余剰部分を固定する端部固定部材とを備え、前記第1骨及び前記第2骨に掛け回されたベルト部材は、前記対象骨に平行となるように固定され、前記係止具から延びたベルト部材の前記余剰部分は、前記対象骨と直交するように固定されることを特徴とする。
すなわち、対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に環状のベルト部材を掛け回し、
係止具を用いて、ベルト部材の両端を纏めるように係止して固定し、ベルト部材を任意の径を有する環状に維持し、
ベルト部材の一端又は両端に設けられ、係止具から延びたベルト部材の余剰部分を、端部固定部材を用いて固定し、
前記第1骨及び前記第2骨に掛け回されたベルト部材は、前記対象骨に平行となるように固定され、前記係止具から延びたベルト部材の前記余剰部分は、前記対象骨と直交するように固定される。

Claims (7)

  1. 患部に係る対象骨及び対象関節に軸圧を付加する装着具であって、
    前記対象骨及び対象関節の両端に関節を介してそれぞれ接続される第1骨及び第2骨に掛け回される環状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の両端を纏めるように係止して固定し、前記ベルト部材を任意の径を有する環状に維持する係止具と、
    前記ベルト部材の一端又は両端に設けられ、前記係止具から延びた前記ベルト部材の余剰部分を固定する端部固定部材と
    を備え、
    前記第1骨及び前記第2骨に掛け回されたベルト部材は、前記対象骨に平行となるように固定され、前記固定部材から延びたベルト部材の前記余剰部分は、前記対象骨と直交するように固定される
    ことを特徴とする装着具。
  2. 前記端部固定部材は、前記ベルト部材端部の表裏に貼設された面ファスナーであることを特徴とする請求項1に記載の装着具。
  3. 可撓性を有する素材で形成され、流体物を封入可能な水密性を有する容器部と、
    前記容器部に連通する開口を閉止する栓部材と
    を備えた冷却体をさらに備え、
    前記ベルト部材には、前記冷却体を前記患部に当接させるように保持する保持部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装着具。
  4. 前記保持部は、前記ベルト部材に形成されたスリットであることを特徴とする請求項3に記載の装着具。
  5. 前記保持部は、前記冷却体側に設けられ、前記ベルト部材にスライド可能に係合された係合部を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の装着具。
  6. 前記ベルト部材が、2本以上、平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の装着具。
  7. 前記ベルト部材の中途に着脱自在に接着されるシート状の延長アタッチメントをさらに備え、
    前記延長アタッチメントは、一端を前記ベルト部材の中途に着脱自在に接着され、他端を前記ベルト部材の他の部位、若しくは前記余剰部分に着脱自在に接着され、前記ベルト部材の伸縮力の方向を変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の装着具。
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