JP3199352U - 緩み止め機能付ナット - Google Patents

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博史 村上
博史 村上
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Abstract

【課題】製作が容易に行えながら作業性の向上化を図り、ナットの緩み止め効果を確実に維持できる緩み止め機能付ナットを提供する。【解決手段】ねじ孔1aの上端側内面に、複数のテーパ溝1b・・・1bをもつナット本体1と、テーパ溝1b・・・1bに嵌合可能な嵌合爪2b・・・2bをもつリング体2とからなり、ナット本体1のテーパ溝1b・・・1bにリング体2の嵌合爪2b・・・2bを嵌め込んだとき、リング体2の嵌合爪2b・・・2bの内面がナット本体1のねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するように嵌合爪2b・・・2bの厚みがテーパ溝1b・・・1bの深さに対して形成されている構成とした。【選択図】図1

Description

本考案は、緩み止め機能付ナットに関するものである。
従来、緩み止め機能付ナットとしては、たとえば中心部に軸方向に貫通するねじ孔が形成されたナット本体の上端面に環状カシメ部が設けられ、そのカシメ部の内部にねじ孔と同心で扁平板状の弾性ワッシャーがカシメ固定される一方、弾性ワッシャーの内周面に、半径方向内方に突出する複数の凸状係合部と複数の切欠凹部とが等間隔で交互に形成されると共に、各凸状係合部の内周面がねじ孔の内径とほぼ同径の円弧状に形成され、かつ、各凹状切欠部の内周面がねじ孔の谷径よりも大径の円弧状に形成された構成のものが知られている。
そして、この緩み止めナットのボルトへの螺入時、上記弾性ワッシャーの一方側凸状係合部をボルトのねじ山を探るためのものとしてボルトのねじ山の間に入り込ませる一方、残りの円弧幅の凸状係合部を弾性変形させながらボルトのねじ山を強圧し、これにより自然回動を防止する摩擦トルクを発生させてナットの緩み止めを図るようになされている。
ところで、上記した構造の緩み止め機能付ナットにあっては、中心部に軸方向に貫通するねじ孔が形成されたナット本体の上端面に環状カシメ部を特別に形成し、そのカシメ部の内部にねじ孔と同心に扁平板状の弾性ワッシャーを嵌め込み、そのうえで、上記環状カシメ部の先端を内方にカシメてナット本体に弾性ワッシャーを固定する必要があり、その製造が非常に複雑で、コスト面でも高く付く問題があった。また、単純な一枚の扁平板状で凸状係合部を備えた弾性ワッシャーにあっては、弾性ワッシャーの厚みを大きくして設定すると、円弧幅の凸状係合片をボルトのねじ山の間に入り込ませづらくなり作業性が悪いといった問題も有していた。
そこで、本考案は、ナット本体と緩み止めリング体の形状を工夫することにより、製作が容易でコストを安価にでき、しかも、緩み止め機能付ナットをボルトに容易にねじ込めるようにして作業性の向上化を図り、かつナット本体の緩み止め効果を確実に維持できる緩み止め機能付ナットの提供を課題とする。
本願の請求項1記載の考案は、中心部に軸方向に貫通するねじ孔1aが形成されたナット本体1と、貫通孔2aを有する緩止用のリング体2とからなり、ナット本体1におけるねじ孔1aの上端側内面に、上面側に行くほど深くなる複数のテーパ溝1b…1bが形成されている一方、リング体2の貫通孔2aが、ねじ孔1aの谷径と同径もしくはやや大径に形成されていると共に、リング体2の内面に上記テーパ溝1b…1bに嵌め込み可能な複数の嵌合爪2b…2bが中心軸方向に向って突設され、かつ、ナット本体1のテーパ溝1b…1bにリング体2の嵌合爪2b…2bを嵌め込んだとき、リング体2の嵌合爪2b…2bの内面がねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するように嵌合爪2b…2bの厚みがテーパ溝1b…1bの深さに対して形成されていることを特徴とする。
上記した本考案の緩み止め機能付ナットによれば、ねじ孔1aの上端側内面に、複数のテーパ溝1b…1bをもつナット本体1と、テーパ溝1b…1bに嵌合可能な嵌合爪2b…2bをもつリング体2とからなり、ナット本体1のテーパ溝1b…1bにリング体2の嵌合爪2b…2bを嵌め込んだとき、リング体2の嵌合爪2b…2bの内面がナット本体1のねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するように嵌合爪2b…2bの厚みがテーパ溝1b…1bの深さに対して形成されている構成としたから、従来の緩み止めナットに較べて製作が容易に行えると共にコストも安価に抑えることができ、しかも、緩み止め機能付ナットをボルトに簡単容易にねじ込むことができるので作業性を向上でき、かつ、ナット本体1のテーパ溝1b…1bとボルト3のねじ部3aとの間に介在される嵌合爪2b…2bのクサビ効果によりナットの緩み止め効果を確実に発揮することができる。
本考案に係る緩み止め機能付ナットの使用時の縦断面図である。 同ナット本体の縦断側面図である。 同ナット本体の正面図である。 リング体の側面図である。 リング体の中間成形品の正面図である。 リング体の中間成形品の一部拡大断面図である。 別のリング体の使用状態の説明図である。
以下本考案に係る緩み止めナットを図に基づいて説明する。
図1は、本考案に係る緩み止め機能付ナットNの使用状態を示し、この緩み止め機能付ナットNは、中心部に軸方向に貫通するねじ孔1aが形成されたナット本体1と、貫通孔2aを有する緩み止め用のリング体2とを備える。
ナット本体1は、図2及び図3に示すようにねじ孔1aの上端側内面に、上面側に行くほど深く(a<b)なる複数(図では3個)のテーパ溝1b…1bが形成されている。また、図に示す実施形態ではテーパ溝1b…1bにおける先端1c…1cはナット本体1の中心軸とほぼ平行状に形成されている。
一方、リング体2は、図4〜5に示すように3つの嵌合爪2b…2bを有するリング状金属板からなり、その貫通孔2aが、ねじ孔1aの谷径と同径もしくはやや大径に形成されていると共に、リング体2の内面に上記テーパ溝1b…1bに嵌め込み可能な複数(図では3個)の嵌合爪2b…2bが中心軸方向に向って突設されている。そして、ナット本体1のテーパ溝1b…1bにリング体2の嵌合爪2b…2b嵌め込まれたとき、リング体2の嵌合爪2b…2bの内面がねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するように嵌合爪2b…2bの厚みがテーパ溝1b…1bの深さに対して形成されている。
リング体2は、図5及び図6に示すように、金属板から、切欠部2c…2cを介して内方に突出する3つの嵌合爪2b…2bを備えた板状リング体2が打ち抜き形成され、後工程で嵌合爪2b…2bをテーパ溝1b…1bの溝底に符合する径に合わせてほぼ90度折り曲げて図4に示すように中心軸方向に向うよう突出形成されている。
その場合、図に示す実施の形態では、嵌合爪2b…2bの突出長さはテーパ溝1b…1bの長さとほぼ同じ長さに形成されている。また、嵌合爪2b…2bの幅は、嵌め込みを容易にするため基部cから先端d側に行くほどやや狭く(c>d)なるように形成され、さらに嵌合爪2b…2bの厚みも、嵌合を容易にするため先端側に行くほどやや薄くなるクサビ状に形成されている。なお、この嵌合爪2b…2bの幅及び厚みは同一であってもよいこと勿論である。
また、図1において、符号3はボルト、符号4は押込用ナット、符号5は座金、符号6は被締結体である。
次に、以上のように構成する緩み止め機能付ナットNの作用について説明する。
使用時には、図1に示すように、まず、適宜締付工具によりナット本体1のみを締め付けてボルト3に螺合固定する。次に、その固定状態にあるナット本体1のテーパ溝1b…1bにリング体2の嵌合爪2b…2bを差し込む。その後、押込用ナット4を用いてリング体2をナット本体1側に締付ける。これにより、嵌合爪2b…2bがナット本体1のテーパ溝1b…1bとボルト3のねじ山3aとの間にクサビとして作用しながら押し込まれることになる。その結果、嵌合爪2b…2bがクサビ効果によりボルトのねじ山を強圧することになり大きな緩み止め作用が機能することになる。
なお、嵌合爪2b…2bの押し込み完了後、締付けナット4はボルト3から取り外してもよいし、そのまま残しておいてもよい。
また、別の使用例としては、例えば予めナット本体1にリング体2を嵌合してセット化し、そのセット化した緩み止めナットNをボルト3に適宜締付工具により締め付けて、ボルト3のねじ山3aでリング体2の嵌合爪2b…2bにねじ溝を切るように螺合させて固定するようにしてもよい。
つまり、ナット本体1にリング体2をセット化したとき、嵌合爪2b…2bの厚みがテーパ溝1b…1bの深さよりもやや大きいことから嵌合爪2b…2bの内面側がねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するようにセットされている。これにより、ねじ山3aが嵌合爪2b…2bの内面にねじ孔を新たに切るように螺入されることになる。その結果、嵌合爪2b…2bによるクサビ作用によりボルト3のねじ山3aとテーパ溝1b…1bとを強圧することになり大きな緩み止め作用が機能することになる。
なお、この場合、リング体2として、塑性変形し易い金属製材料や、樹脂或いは合成ゴム製のものを適宜用いるのがこのましい。また、リング体2は、上記した実施例のように板状材料を用いて打ち抜き、嵌合爪2b…2bを折り曲げて形成する他、型成形により形成し、嵌合爪2bの断面形状をテーパ溝1bの断面形状に符合するように形成してもよい。
以上のように、緩み止め機能付ナットNによれば、ねじ孔1aの上端側内面に、複数のテーパ溝1b…1bをもつナット本体1と、テーパ溝1b…1bに嵌合可能な嵌合爪2b…2bをもつリング体2とからなる簡単な構成としたから、従来の緩み止め機能付ナットに較べてその製作が容易に行えると共にコストも安価に提供でき、しかも、緩み止め機能付ナットをボルトに簡単容易にねじ込むことができるので作業性を向上でき、かつ、ナット本体1のテーパ溝1b…1bとボルト3のねじ部3aとの間に介在される嵌合爪2b…2bのクサビ効果によりナットの緩み止め効果を確実に発揮することができる。
A 緩み止め機能付ナット
1 ナット本体
1a ねじ孔
1b テーパ溝
2 リング体
2a 貫通孔
2b 嵌合爪

Claims (1)

  1. 中心部に軸方向に貫通するねじ孔1aが形成されたナット本体1と、貫通孔2aを有する緩止用のリング体2とからなり、ナット本体1におけるねじ孔1aの上端側内面に、上面側に行くほど深くなる複数のテーパ溝1b…1bが形成されている一方、リング体2の貫通孔2aが、ねじ孔1aの谷径と同径もしくはやや大径に形成されていると共に、リング体2の内面に上記テーパ溝1b…1bに嵌め込み可能な複数の嵌合爪2b…2bが中心軸方向に向って突設され、かつ、ナット本体1のテーパ溝1b…1bにリング体2の嵌合爪2b…2bを嵌め込んだとき、リング体2の嵌合爪2b…2bの内面がねじ孔1aの谷径よりやや内方に突出するように嵌合爪2b…2bの厚みがテーパ溝1b…1bの深さに対して形成されていることを特徴とする緩み止め機能付ナット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113586576A (zh) * 2021-09-02 2021-11-02 潍坊职业学院 一种新型防盗防松螺栓螺母套装

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