JP3199250U - リップ付樹脂カバーシール - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルシールのゴムや金属に影響を与える密封液との接触を回避し、オイルシールを保護するためのリップ付カバーシールを提供する。【解決手段】オイルシール20を収容して保護するリップ付カバーシール10は、オイルシールの中心を中心軸Aとして筒状に設けられ、かつオイルシールの外周面に当接する外周部11、外周部よりオイルシール中心軸方向に延在し、オイルシールを密封液より保護する密封液側面12、および密封液側面に設けられ、密封液側面からオイルシール中心軸に向かって傾斜して延在するリップ部13を有し、これら外周部、密封液側面、およびリップ部によりオイルシールを収容する。【選択図】図1
Description
本考案は、オイルシールに用いるリップ付カバーシールに関する。
一般的にオイルシールに使用されているゴム(例:二トリルゴムやフッ素ゴムなど)及び環やばねに使用される金属(例:鉄系材料やステンレス系材料)などの材料は密封液によって材料を使い分けている。しかし、密封液の種類が多岐にわたる場合、密封液の種類によってはオイルシールに使用しているゴムや金属が影響を受ける。この結果、シール性能を失い漏れに至ることがある。
これらの対策として一般的には耐薬品性が高い樹脂(例:フッ素樹脂やエンプラなど)をリップ材質としたシールが使用される(図6)。ここで、シール全体を樹脂製とした場合には、熱膨張・熱収縮により寸法が安定せず取付上不具合が発生することやシール性能の低下などが懸念される。他方、金属環と樹脂リップを組み立てている場合は使用している金属に影響を与える液には使用できないことなどが問題となることがある。
また、一部産業機械や食品機械においてはオイルシールが単独または複数使われていることがある。ベアリングやギアなどに使われる潤滑油などと機械の加工物や外部からの異物が混入することを避けるためである。しかしこれは、加工物や異物の噛み込みによるオイルシールのシール性能の低下や、洗浄などによるゴムや金属への影響などの不具合が発生することがある。オイルシールを複数で用いる場合、取付スペースが大きくなることや取付方向の選定で問題となることがある。
特に食品機械などでは洗浄によりオイルシールに付着した残留物を取り除ける構造にする必要がある。よって、一般的なオイルシールの取付方向と比較して、より残留物の発生しにくい取付方向にしていることがある(図7)。しかしこのような取付け方向は、一般的なオイルシールの取付方向とは逆向きであり、オイルシールの密封性能の低下や、一般的なオイルシールにおける溝となる部分に残留物などが付着し、これが十分に洗い流されないことが懸念される。
本考案の課題は、オイルシールのゴムや金属に影響を与える密封液との接触を回避し、オイルシールを保護するためのリップ付カバーシールの構造を提供することである。その際、当該リップ付カバーシールは、多様な密封液に対する耐性が高い素材を採用することにより、多様な環境で使用可能であることを目的とする。そして本考案は更に、当該リップ付カバーシールにより、加工物や異物かみ込みの発生を低減させること、および複数のオイルシールを取り付けるよりも取付けスペースの小さい構造を提供することを目的とする。
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する、オイルシールの為のリップ付カバーシールにより解決される。本考案に従い、オイルシールの為のリップ付カバーシールは、オイルシール中心軸を中心軸として筒状に設けられ、かつオイルシールの外周面に当接する外周部、当該外周部よりオイルシール中心軸方向に延在し、オイルシールを密封液より保護する密封液側面、および当該密封液側面に設けられ、密封液側面からオイルシール中心軸に向かって傾斜して延在するリップ部を有する。そして、これら外周部、密封液側面、およびリップ部によりオイルシールが収容されている。これによって、オイルシールのゴムや金属に影響を与える密封液との接触を回避される。
有利には、リップ付カバーシールは樹脂からなる。樹脂の材料には充填材入りフッ素樹脂が推奨されるが、用途により様々な材料が使用可能である。オイルシールにリップ付樹脂カバーシールを取付け、リップ付樹脂カバーシールの材質として密封液に対する耐性の高い材料を選定することで、これまで一般的にオイルシールが使用できなかった環境でも使用可能とすることができる。
有利には、リップ付カバーシールの密封液側面は平坦に形成されている。これにより、食品機械などで懸念される残留物を防ぐことも可能となる。有利には、リップ付カバーシールのリップは軸と接触しており、組み合わされるオイルシールに加工物や異物の噛み込みの発生が低減される。
本考案の一つの態様に従い、リップ部にばね溝が設けられ、当該ばね溝内にばねが設けられる。これによってリップ部はオイルシール中心軸方向へ付勢される。本態様は、リップ付カバーシール側からの圧力下で特に有利である。このように、リップ付カバーシールの密封液側面に適切な構造を付与することにより、密封液が固体、液体、気体のいずれであっても使用可能となる。他方で、密封液側が低圧の場合や食品機械など残留物が少なくなる構造とする必要がある場合は、このようなばねを有さないリップが推奨される。
オイルシールとリップ付カバーシールの取付の向きは、変更可能である。これにより、片方向からのシールとしたり、両方向のシールとすることが可能である。
リップ付き樹脂カバーシール側からの圧力環境下ではリップ付き樹脂カバーシールがオイルシール側に押され変形することによりシール性能を失う可能性がある。そこで、オイルシールの金属環により変形を抑える構造とすると有利である。特に片方向の組み合わせの場合はJIS B 2402−1のタイプ3またはタイプ6のような組立形のオイルシールが推奨される。
本考案に係るリップ付カバーシールに取り付けられるオイルシールは、ゴム製のリップに限らず、樹脂リップシールやパッキンなども使用可能である。構造上の剛性を向上させるため金属環入りが望ましい。尚、リップ付き樹脂カバーシールに補強のための環のみを入れ、単独で用いることも可能である。
以下に本考案を添付の図面に表された実施例に基づき詳細に説明する。図1は、本考案に係るオイルシール20の為のリップ付カバーシール10の斜視図を示す。断面が視認できるよう一部がカットされた状態で表されている。
考案の理解の為まずオイルシール20について説明する。当該オイルシール20は、一般的に使用される公知のものである。本実施形においては、オイルシール20は、ゴムまたは樹脂製のシール本体21及び金属製の環22よりなっている。シール本体21内には、ばね23が設けられ、シール本体21のシールリップ24をオイルシール20の中心軸A方向に付勢している。
本考案に係るリップ付カバーシール10について説明する。リップ付カバーシール10は、外周部11、密封液側面12、およびリップ部13から成っている。外周部11は、オイルシール20の中心軸Aを中心軸とする筒状に形成されている。外周部11の内周面には、オイルシール20の外周面(本実施形においては、環22の外周面)が当接している。カバーシール10の外周部11の外周面は、ハウジング(図では表されていない)に設けられた孔部の内周面に当接する(図2参照)。外周部11の図下方には返し14が設けられ、オイルシール20の脱落を防止している。
外周部11上方から、オイルシール20の中心軸Aの方向に向かって密封液側面12が延在している。当該密封液側面12は、本実施形においては水平方向に平坦に形成されている。本実施形においては、密封液側面12の内側面に、オイルシール20の密封液側面が当接しているのが図より見て取れる。
密封液側面12に続いて、リップ部13が形成されている。リップ部13は密封液側面12から発し、オイルシール20の中心軸Aの方向に向かい、かつ図における上方に向かって傾斜して形成されている。リップ部13の先端は、回転するシャフト等(図2参照)に接し、当該箇所におけるシール作用を発揮する。
カバーシール10の外周部11、密封液側面12およびリップ部13は、全体としてオイルシール20を覆うように構成されている。これにより、オイルシール20が密封液と接することを回避する。
当該カバーシール10は、本実施形においては樹脂から形成されており、特に、樹脂の材料として充填材入りフッ素樹脂が好適である。しかし当然、他の樹脂も使用可能である。
本考案に係るカバーシール10の製造は、切削加工により行う。他には射出成形なども考えられる。カバーシール10に対するオイルシール20の取付は焼き嵌めにより行う。焼き嵌めを行わないですむよう、カバーシール10の外周部11の返し14を一部キリカケ構造としておくことも可能である。
図3は、本考案に係るカバーシール10にオイルシール20を取付けた状態の断面図を示す。オイルシール20は外周がゴムのものでシールリップにはばねを有している。カバーシール10のリップ部13にはばねは設けられていいない。オイルシール20とカバーシール10は、逆方向に向けて取り付けられており、いわゆる両方向シールを形成する。
図4は、図3と同様、カバーシール10にオイルシール20を取付けた状態の断面図を示す。図3における実施形とは、オイルシール20の取付方向が異なっている。図3におけるオイルシール20およびカバーシール10がいわゆる両方向シールを形成するのに対し、図4の実施形では、オイルシール20およびカバーシール10が同一方向に取り付けられ、いわゆる片方向シールを形成している。その他の点においては、本実施形において使用されるオイルシール20及びカバーシール10は図3におけるものと同じものである。
図5は、カバーシール10のリップ部13にばね溝15を設け、当該ばね溝15内にばね16を設けた構成の実施形を示す。図5においてリップ部13は、その先端近傍においてアールを描いて丸められており、これによってばね溝15を形成している。そしてばね溝15内にはばね16が配置されている。ばね16は、オイルシールの中心軸を中心軸とする円環ばねとして形成されている。図5におけるオイルシール20は、図3または4におけるものと構成上の相違が無い。図3または4における実施形同様、オイルシール20はカバーシール10内に取り付けられている。カバーシール10のリップ部13に設けられたばね16により、リップ部13はオイルシール20の中心軸Aの方向に向かって付勢されるので、リップ部13先端におけるシール作用はより強く作用することとなる。これにより、密封液側の圧力が高い場合などでも、十分シール作用が得られる。
図5における二つの実施形は、一方がオイルシール20とカバーシール10を逆方向に取り付けた態様、他方が同方向に取り付けた態様である。これらは図3および図4に記載した態様同様、両方向シール、片方向シールを形成している。
Claims (5)
- オイルシール(20)の為のリップ付カバーシール(10)であって、オイルシール中心軸(A)を中心軸として筒状に設けられ、かつオイルシール(20)の外周面に当接する外周部(11)、当該外周部(11)よりオイルシール中心軸方向(A)に延在し、オイルシール(20)を密封液より保護する密封液側面(12)、および当該密封液側面(12)に設けられ、密封液側面(12)からオイルシール中心軸(A)に向かって傾斜して延在するリップ部(13)を有し、これら外周部(11)、密封液側面(12)、およびリップ部(13)によりオイルシール(20)を収容することを特徴とするリップ付カバーシール(10)。
- 樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のリップ付カバーシール(10)。
- 密封液側面(12)が平坦に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のリップ付カバーシール(10)。
- 外周部(11)が返し部(14)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のリップ付カバーシール(10)。
- リップ部(13)にばね溝(15)が設けられ、当該ばね溝(15)内にばね(16)が設けられることにより、リップ部(13)がオイルシール中心軸(A)方向へ付勢されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のリップ付カバーシール(10)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015002768U JP3199250U (ja) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | リップ付樹脂カバーシール |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015002768U JP3199250U (ja) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | リップ付樹脂カバーシール |
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Family Applications (1)
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JP2015002768U Active JP3199250U (ja) | 2015-06-02 | 2015-06-02 | リップ付樹脂カバーシール |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3199250U (ja) |
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2015
- 2015-06-02 JP JP2015002768U patent/JP3199250U/ja active Active
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