JP3199188U - 電力変換器、磁界システム、及びこれら両方と同期する制御装置を含むアーク溶接システム - Google Patents

電力変換器、磁界システム、及びこれら両方と同期する制御装置を含むアーク溶接システム Download PDF

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Abstract

【課題】電力変換器、磁界システム、及びこれら両方と同期する制御装置を含むアーク溶接システムを提供する。【解決手段】アーク溶接システム10は、溶接信号36に基づいて溶接波形24を出力する電力変換器22を含む。電力変換器22は、溶接波形24に基づいて溶接トーチ26とワーク18との間に電気アーク14を形成するために、溶接トーチ26に作動可能に接続される。アーク14によって、溶融材料の少なくとも1つの液滴をワーク18に移動させる。アーク溶接システム10は、磁気ステアリング信号に基づいて磁界を発生させる磁界発生器と、電力変換器22及び磁界制御装置に作動可能に接続された制御装置34とを備えた磁界システムを含む。制御装置22は、溶接信号36に応じて電力変換器22の動作を制御するとともに、同時に磁気ステアリング信号に応じて磁界システムを制御する。【選択図】図1

Description

本出願は、米国特許出願第13/534,119号の一部継続出願であり、これについて優先権を主張するものであり、この文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、また、米国特許出願第13/438,703号の一部継続出願であり、これについて優先権を主張するものであり、この文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本考案は、アーク溶接システムの制御装置、及びアーク溶接システムで使用するための制御方法に関し、より具体的には、アーク溶接システム及びアーク溶接電源に関する。
状態ベースの制御原理を、溶接中にワークに印加される溶接波形を制御するために用いることができる。溶接電源に格納された状態テーブルは、溶接波形の異なる部分にそれぞれに対応する複数の制御状態によって溶接波形を規定する。例えば、ある状態が、溶接波形のピーク電流に対応することができ、他の状態が、溶接波形のバックグラウンド電流に対応することができる。状態テーブルの個々の状態が、一緒に全体的な溶接波形を規定する。
追加の別個の制御装置(すなわち、溶接電源から分離した制御装置)が、アーク溶接システムの他の態様を制御するために設けられている。例えば、アーク溶接システムは、溶接トーチの動きを位置決めし且つ制御するために、モータ制御装置等の専用の制御装置と、消耗ワイヤ電極のワイヤ送り速度を制御するための別の専用の制御装置とを有することができる。アーク溶接システムは、アークの動きを制御するために、溶接中の溶接トーチのウィービング(weaving)、ワークの長さに沿ったトーチの並進又は移動、パイプの周りに溶接トーチの周方向(軌道)運動等を制御するためのさらなる制御装置を有することができる。
そのような制御装置は、状態ベースの溶接制御装置から分離されており、そのような制御装置と状態ベースの溶接制御装置との間にほとんど統合が存在していない。こうして、分離した制御装置の間には相乗効果がない。分離した追加の制御装置は、全体的な溶接制御システム内の不安定性を回避するために、状態ベースの溶接制御装置よりもはるかに遅い制御周波数で動作する傾向がある。例えば、分離した追加の制御装置は、1〜10ヘルツ(Hz)の範囲の制御周波数で動作するが、溶接制御装置の制御周波数は、数百又は数千倍速くなり得る。さらに、分離した制御装置は、多くの場合、溶接システム内に重複するセンサ(例えば、電圧、電流等)の使用を必要とする。
本考案の一態様によれば、アーク溶接システムが提供される。アーク溶接システムは、溶接トーチを有する。電極が、溶接トーチに作動可能に接続されており、溶接トーチから電気エネルギーを受け取る。電極は、アーク溶接システムからの電気アークを確立する。溶接電源は、溶接波形に応じて電気アークを発生させるための電気エネルギーを供給する。溶接電源は、スイッチ切替式電力変換器を有する。スイッチ切替式電力変換器は、電気エネルギーを溶接トーチに供給するために溶接トーチに作動可能に接続される。並列状態ベースの制御装置が、スイッチ切替式電力変換器に作動可能に接続されており、且つこのスイッチ切替式電力変換器の動作を制御するためのスイッチ切替式電力変換器に波形制御信号を供給する。並列状態ベースの制御装置は、電極及び溶接トーチの少なくとも一方の動きを制御するための動作制御信号を生成する。並列状態ベースの制御装置は、プロセッサを有する。センサは、並列状態ベースの制御装置に作動可能に接続された出力を有しており、溶接電圧及び溶接電流の少なくとも一方を感知する。メモリ部は、プロセッサに動作可能に接続されており、且つ第1の複数のシーケンス制御状態を含む溶接状態テーブルと、第2の複数のシーケンス制御状態を含む動作制御システムの状態テーブルとを格納する。溶接波形は、溶接状態テーブルに規定される。並列状態ベースの制御装置は、溶接状態テーブルに応じて波形制御信号を用いてスイッチ切替式電力変換器の動作を制御し、同時に動作制御システムの状態テーブルに応じて動作制御信号を調整する。並列状態ベースの制御装置は、センサから受信した信号に応じて溶接状態テーブルの制御状態同士の間で移行し、且つセンサから受信した信号に応じて動作制御システムの状態テーブルの制御状態同士の間で移行する。いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、溶接状態テーブルに応じて波形制御信号を用いてスイッチ切替式電力変換器の動作を制御し、同時に磁気アークシステムの状態テーブルに応じて磁気アーク信号を調整する。並列状態ベースの制御装置は、センサから受信した信号に応じて溶接状態テーブルの制御状態同士の間で移行し、且つセンサから受信した信号に応じて磁気アークシステムの状態テーブルの制御状態同士の間で移行する。当然のことながら、いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、スイッチ切替式電力変換器、動作制御システム、及び磁気アークシステムの動作を同時に制御することができる。
本考案の別の態様によれば、アーク溶接システムを制御する方法が、提供される。この方法は、アーク溶接システムを提供するステップを含む。アーク溶接システムは、溶接トーチと、溶接電源とを有する。溶接電源は、溶接トーチに作動可能に接続されたスイッチ切替式電力変換器を有する。並列状態ベースの制御装置は、溶接状態テーブルと、動作制御システムの状態テーブルとを含む。アーク溶接システムは、溶接電圧センサと、溶接電流センサとを有する。電気アークが、アーク溶接システムとワークとの間に発生する。並列状態ベースの制御装置は、スイッチ切替式電力変換器を制御して、溶接状態テーブルに応じて溶接波形を発生させる。溶接状態テーブルは、溶接波形を規定するような第1の複数のシーケンス制御状態を含む。スイッチ切替式電力変換器を制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、溶接状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。並列状態ベースの制御装置は、スイッチ切替式電力変換器を同時に制御しながら、動作制御システムの状態テーブルに応じて溶接トーチの動きを制御する。動作制御システムの状態テーブルは、第2の複数のシーケンス制御状態を含む。溶接トーチの動きを制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、動作制御システムの状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、スイッチ切替式電力変換器を同時に制御しながら、磁気アークシステムの状態テーブルに応じてアークの動きを制御する。磁気アークシステムの状態テーブルは、複数のシーケンス制御状態を含む。アークの動きを制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、磁気アークシステムの状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。当然のことながら、いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、スイッチ切替式電力変換器、動作制御システム、及び磁気アークシステムの動作を同時に制御することができる。
本考案の別の態様によれば、アーク溶接システムを制御する方法が提供される。この方法は、アーク溶接システムを提供するステップを含む。アーク溶接システムは、溶接用電極と、溶接電源とを有する。溶接電源は、溶接用電極に作動可能に接続されたインバータを有する。並列状態ベースの制御装置は、溶接状態テーブルと、動作制御システムの状態テーブルとを含む。アーク溶接システムは、溶接電圧センサと、溶接電流センサとを有する。電気アークが、溶接用電極とワークとの間に発生する。並列状態ベースの制御装置は、インバータを制御して、溶接状態テーブルに応じて溶接波形を発生させる。溶接状態テーブルは、溶接波形を規定するような第1の複数のシーケンス制御状態を含む。インバータを制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、溶接状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。並列状態ベースの制御装置は、インバータを同時に制御しながら、動作制御システムの状態テーブルに応じて溶接用電極の動きを制御する。動作制御システムの状態テーブルは、第2の複数のシーケンス制御状態を含む。溶接用電極の動きを制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、動作制御システムの状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、インバータを同時に制御しながら、磁気アークシステムの状態テーブルに応じてアークの動きを制御する。磁気アークシステムの状態テーブルは、複数のシーケンス制御状態を含む。アークの動きを制御するステップは、溶接電圧センサからの溶接電圧信号及び溶接電流センサからの溶接電流信号の少なくとも一方に基づいて、磁気アークシステムの状態テーブルの制御状態同士の間でシーケンスで移行させるステップを含む。当然のことながら、いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、インバータ、動作制御システム、及び磁気アークシステムの動作を同時に制御することができる。
いくつかの実施形態では、アーク溶接システムは、溶接信号に基づいて溶接波形を出力するような電力変換器を含む。電力変換器は、溶接トーチに作動可能に接続されており、溶接波形に基づいて溶接トーチとワークとの間に電気アークを形成する。アークによって、溶融材料の少なくとも1つの液滴がワークに移動する。アーク溶接システムは、磁気ステアリング信号に基づいて磁界を発生する磁界発生器を含む磁界システムと、電力変換器及び磁界制御装置に作動可能に接続された制御装置とを含む。この制御装置は、溶接信号に応じて電力変換器の動作を制御し、同時に磁気ステアリング信号に応じて磁界システムを制御する。溶接信号は、各波形サイクルについてのピーク部とバックグラウンド部とを含み、磁気ステアリング信号は、ピーク部を含む。本考案のさらなる実施形態、態様、及び詳細は、以下の詳細な説明、図面及び実用新案登録請求の範囲から推論可能である。
例示的なアーク溶接システムの概略図である。 状態図である。 例示的なアーク溶接システムの概略図である。 例示的なアーク溶接システムの概略図である。 状態図である。 例示的なアーク溶接システムの概略図である。 例示的なアーク溶接システムの概略図である。 例示的なアーク溶接システムの概略図である。 本考案の例示的な実施形態に係る溶接システムの概略表現を示す図である。 図9の例示的なアーク溶接システムの概略図である。 本考案の例示的な実施形態に係る例示的な溶接波形及び磁気ステアリング波形を示す図である。 本考案の例示的な実施形態に係る例示的な状態図である。 本考案の例示的な実施形態に係る例示的な溶接波形及び磁気ステアリング波形を示す図である。 本考案の例示的な実施形態に係る例示的な状態図である。
本考案は、アーク溶接システムの制御装置、及びアーク溶接システムで使用するための制御方法に関する。本考案について、図面を参照しながら説明する。同じ参照符号は、全体を通して同様な要素を指すために使用される。様々な図面は、必ずしも1つの図面から別の図面において同じ縮尺で描かれておらず、所定の図面内でその寸法で描かれていないことを理解すべきであり、特に、部品の大きさは、図面の理解を容易にするために任意の大きさで描かれていることを理解されたい。以下の詳細な説明では、説明の目的のために、多数の特定の詳細が、本考案の完全な理解を提供するために述べられる。しかしながら、本考案は、これらの特定の詳細なしに実施できることは明らかであろう。さらに、本考案の他の実施形態が可能であり、本考案は、説明する以外の他の方法で実践し且つ実施することが可能である。本考案を説明する際に使用される用語及び表現は、本考案の理解を促進する目的のために使用され、限定するものとして解釈すべきではない。
本明細書中で使用される場合に、用語「溶接」は、アーク溶接プロセスを意味する。例示的なアーク溶接プロセスには、ガス金属アーク溶接(GMAW)、ガスタングステンアーク溶接(GTAW)、フラックス芯入りアーク溶接(FCAW)、サブマージアーク溶接(SAW)、金属芯入り溶接アーク(MCAW)、プラズマアーク溶接(PAW)等が挙げられる。
本明細書中で使用される場合に、用語「電極」及び「溶接用電極」は、電気エネルギーを溶接電源からワークに伝達させるような、溶接トーチに関連する電極を指す。例示的な「電極」及び「溶接用電極」には、溶接中に消費される消耗(例えば、ワイヤ)電極、(例えば、溶接トーチの一部を形成する)非消耗電極、及び電気エネルギーを消耗電極に伝達させるためのトーチ内の接触チップが挙げられる。電極/溶接用電極の動きは、消耗ワイヤ電極をトーチを介してワークに向けて供給するような、溶接トーチ及び/又はワークに対する電極の動きを指す。電極/溶接用電極の動きはまた、トーチの接触チップ又は非消耗電極と共に、ワークに対するトーチ自体の動きを指す。
例示的なアーク溶接システム10が、図1に概略的に示される。アーク溶接システム10は、溶接電源12を含む。溶接電源12は、電極16とワーク18との間に電気アーク14を発生させて溶接作業を行う。溶接電源12は、商用電力源又は発電機等の電源20からアーク14を発生させるための電気エネルギーを受け取る。電源20は、単相又は三相電源とすることができる。
溶接電源12は、所望の溶接波形24に応じてアークを発生させるためのスイッチ切替式電力変換器22を含む。例示的なスイッチ切替式電力変換器22には、インバータ、チョッパー等が挙げられる。
アーク溶接システム10は、電力変換器22に作動可能に接続された溶接トーチ26を含む。電力変換器22は、電気エネルギーを溶接トーチ26に供給して、溶接作業を行う。図1では、トーチ26は、電力変換器22から供給される電気エネルギーを電極16に伝達するための接触チップ28を有する。電極16は、溶接トーチ26から延びる溶接作業中に消費される消耗電極、又は溶接トーチの一部である非消耗電極のいずれかとすることができることを理解すべきである。
電気リード線30,32は、アーク溶接電流が、電力変換器22からトーチ26及び電極16を介して、アーク14を横切って、ワーク18を通じて流れる完成した回路を提供する。
溶接電源10は、並列状態ベースの制御装置である制御装置34を含む。並列状態ベースの制御装置の動作について、以下で詳細に説明する。並列状態ベースの制御装置34は、電力変換器22に作動可能に接続されており、且つ波形制御信号36を電力変換器22に供給する。並列状態ベースの制御装置34は、波形制御信号36を用いて電力変換器22の出力を制御し、この制御装置34は、所望の溶接波形24に応じて波形制御信号36を生成する。溶接波形24は、溶接サイクルの様々な状態又は位相によって形成される任意の数の形状を有することができる。例えば、溶接波形24は、アークを維持するためのバックグラウンド電流状態38、短絡クリア状態40、ピーク電流状態42、テールアウト(tail out)電流状態44、又はオーバーシュート(図示せず)を含む又は含まないランプアップ(ramp up)状態を有することができる。溶接波形24は、ピーク時間、ランプアップ率、テールアウト速度等の関連する時間パラメータを含むことができる。並列状態ベースの制御装置34は、所望の溶接波形24に従って溶接作業を達成するために、波形制御信号36を調整する。波形制御信号36は、電力変換器22内の各種スイッチ(例えば、半導体スイッチ)の動作を制御するために複数の別個の制御信号を含むことができる。また、波形制御信号36は、電力変換器22の一部である別個の制御装置(例えば、インバータ制御装置)に供給される。
並列状態ベースの制御装置34は、フィードバック信号を介して溶接プロセスの様々な態様を監視する。例えば、シャント46又は変流器(CT)は、溶接電流フィードバック信号を並列状態ベースの制御装置34に供給することができ、電圧センサ48は、溶接電圧フィードバック信号を制御装置34に供給することができる。
並列状態ベースの制御装置34は、電子制御装置とすることができ、且つプロセッサを含むことができる。並列状態ベースの制御装置34は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロ・コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理回路等を含むことができる。並列状態ベースの制御装置34は、メモリ部50(例えば、RAM又はROM)を含む。メモリ部50は、並列状態ベースの制御装置34に本明細書で説明される機能を提供させるような、アーク溶接プログラム及び動作制御プログラムを規定するプログラム命令を格納することができる。特定の実施形態では、並列状態ベースの制御装置34は、制御装置によって使用されるプログラム及び/又はパラメータを格納するようなリモートメモリ(図示せず)にアクセスすることができる。並列状態ベースの制御装置34は、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネット等のネットワークを介して、リモートメモリ等にアクセスすることができる。例示的なリモートメモリには、リモートサーバ、クラウドベースのメモリ等が挙げられる。
上述したように、制御装置34は、並列状態ベースの制御装置である。並列状態ベースの制御装置34は、状態テーブル・コンセプトに応じて溶接作業を制御する。溶接作業は、所望の溶接波形24を含んでおり、一連のシーケンス制御状態に分解される。波形制御信号36を用いて、並列状態ベースの制御装置34は、現在の制御状態に従って電力変換器22の出力を制御する。例示的な制御状態には、OFF、ピーク電流、バックグラウンド電流等が含まれる。並列状態ベースの制御装置34は、溶接作業のパラメータに基づいて制御状態からある制御状態に移行する。例えば、並列状態ベースの制御装置34は、溶接電流フィードバック信号からの溶接電流レベル、溶接電圧フィードバック信号からの溶接電圧レベル、経過時間(例えば、電流状態での経過時間等)、他のフィードバック信号(例えば、位置信号、リミットスイッチの状態)等のパラメータに基づいて、制御状態同士の間で移行することができる。
メモリ部50は、並列状態ベースの制御装置34で使用するための複数の状態テーブル52を格納する。格納された状態テーブル52は、溶接状態テーブルと、動作制御システムの状態テーブルとを含む。並列状態ベースの制御装置34は、溶接作業を制御するために、少なくとも1つの動作制御システムの状態テーブルと同時に溶接状態テーブルを実装する。
状態テーブル52は、様々な状態の機能を表すようなコード化パラメータを含むことができる。例えば、ピーク電流状態を有する状態テーブルは、所望のピーク電流を表すようなパラメータを有するだろう。状態テーブル52には、状態が終了したときを示すためのパラメータが含まれ、現在の状態が終了すると、次の状態を入力する。各状態は、溶接中に監視される種々のパラメータに基づいて、複数の次の状態に関連付けることができる。例えば、現在の状態は、短絡状況が検出された場合に、第1の次の状態に移行し、あるいはまた、経過時間に基づいて(第1の次の状態とは異なる)第2の次の状態に移行するかもしれない。
一般に、各溶接状態テーブルは、溶接波形及び溶接作業の態様を一緒に規定するような複数の別個の状態を含む。溶接状態テーブル内の個々の状態は、その状態(例えば、ピーク電流レベル)によって提供される関数に対応する少なくとも1つのパラメータ又は命令、その状態の終了を示すパラメータ又はチェック、次の状態(複数可)を示すパラメータを含む。その状態によって提供される関数に対応するパラメータ又は命令に加えて、各状態は、実行するための追加の維持管理タスクを有することができる。例示的な維持管理タスクには、タイマの再設定、カウンタの消去等が挙げられる。各状態テーブルは、状態テーブルで使用される各種パラメータを格納するような関連データテーブル53を有することができる。データテーブルは、集計表のように構成することができ、状態テーブルの操作は、その関連するデータテーブルの入力を変更することによって修正することができる。多数の波形は、複数の状態を一緒に紐付けするによって形成することができ、溶接プログラムは、状態の追加、状態の削除、及び/又は状態の順序を変更することによって修正することができることを理解すべきである。
並列状態ベースの制御装置34は、2つ以上の状態テーブルを使用して、2つ以上の別々の制御操作を同時に(すなわち、並列に)行う。図1では、並列状態ベースの制御装置34は、溶接状態テーブル54及び動作制御システムの状態テーブル56を使用して、溶接波形24と溶接トーチ26の位置との両方を同時に制御する。溶接状態テーブル54は、溶接波形24を制御するための第1の複数のシーケンス制御状態を含み、及び動作制御システムの状態テーブル56は、溶接トーチ26の動きを制御するための第2の複数のシーケンス制御状態を含む。説明を簡単にするために、各種制御操作は、並列状態ベースの制御装置34によって、溶接状態テーブル54によって、又は動作制御システムの状態テーブル56によって実行されるものとして以下に説明される。このような全ての制御は、並列状態ベースの制御装置34が、状態テーブル54,56のそれぞれで規定された制御動作を実行する際に、並列状態ベースの制御装置34によって実行されることを理解すべきである。
溶接トーチ26は、トーチを移動させるような動作制御システムに取り付けられる。図1では、動作制御システムは、溶接トーチ26をワーク18に直線的に接近離間させるモータ58と、このモータ58を作動させる動作制御システムの制御装置60(例えば、モータ制御装置)とを含むものとして概略的に示されている。動作制御システムは、ロボットによって行われる際に、トーチ26を複数の次元に移動させる、又はトーチをワークの長さに沿って移動させる、又は溶接中にトーチを振動させる(例えば、ウィービングさせる)ことができることを理解すべきである。しかしながら、図1では、動作制御システムは、トーチを1つの次元に(例えば、垂直方向に)移動させる。動作制御システムの制御装置60は、並列状態ベースの制御装置34から動作制御信号62を受信する。動作制御システムの制御装置60は、位置を調整するか、そうでなければ、並列状態ベースの制御装置34から受信した動作制御信号62に従ってトーチ26の動きを制御する。動作制御信号62は、アナログ信号(例えば、0−10VDC、4−20mA等)、又はデジタル信号とすることができる。特定の実施形態では、動作制御システムの制御装置60と並列状態ベースの制御装置34とは、双方向シリアル通信(例えば、USB、イーサネット(登録商標)等)等を介して、双方向に通信する。
位置センサ64は、トーチ26の位置や動きを感知し、位置フィードバック信号66を、並列状態ベースの制御装置34に及び/又は動作制御システムの制御装置60に供給することができる。位置フィードバック信号66は、並列状態ベースの制御装置34と動作制御システムの制御装置60とによって、それぞれの制御動作において使用される。また、溶接状態テーブル54及び動作制御システムの状態テーブル56の両方が、それぞれの状態テーブル内の1つ以上の状態に関連付けられたパラメータとして、トーチ位置を含むことができる。位置センサ64は、絶対位置、移動量、速度、又は移動方向を感知することができる。
位置センサ64は、トーチ26の位置を感知するように概略的に示されている。しかしながら、位置センサ64は、モータ58の回転、ワーク18の位置、アークの長さ等の他の条件を感知することができる。
動作制御システムの状態テーブル56は、溶接トーチ26の動きに関連付けられた複数の状態を含む。動作制御システムの状態テーブル56内の状態は、所望の溶接作業を達成するために、溶接状態テーブル54内の状態と連動して動作する。溶接状態テーブル54及び動作制御システムの状態テーブル56にそれぞれ含まれるような溶接制御命令と動作制御命令とが、共通の制御装置34によって実行されるので、状態ベースの動作制御は、状態ベースの溶接制御に密接に結合することができる。これによって、別々の溶接制御装置及び動作制御装置を用いる従来の制御システムと比較した場合に、状態ベースの動作制御を高速で行うことが可能になる。別々の溶接制御装置及び動作制御装置の使用は、多くの場合、重複するセンサを必要とし、制御装置の動作間に(例えば、50ミリ秒以上の)遅延が追加され、このような遅延は、制御装置間の密接な制御が必要な場合に、望ましくないことである。また、従来の動作制御装置によって使用されるフィードバック信号(例えば、溶接電圧、溶接電流等)は、時々ノイズが多く、それは、動作制御装置の迅速及び/又は正確な動作能力に影響を及ぼすことがある。溶接状態と、溶接トーチや溶接用電極の動きとの間の密接な制御は、次のような動作中に望まれる:(a)タッチ後退の開始(b)短絡を感知した際の停止又は後退(c)電極ワイヤ送り速度プロセスの適合又は変調(d)自動突出し制御(例えば、作業距離に対して接触チップを調節する)(e)自動電圧制御を含む又は含まないウィービング・システム(f)継ぎ目の追跡(g)バグの位置に基づく制御でバグシステムを使用する軌道パイプ溶接等の動作である。図1に示される一般的な制御装置のアプローチによって、情報がリアルタイムで状態テーブル同士の間で共有することができ、各状態テーブルは、他の状態テーブルの制御動作に基づいて調節を迅速に行う、又は他の状態テーブルの制御動作を考慮することができる。一般的な制御装置のアプローチによって、各状態テーブル54,56における状態移行が、同じパラメータ(例えば、共有パラメータ又はフィードバック信号)に基づいて発生することが可能になる。従って、動作制御システムによって、位置「ハンチング(hunting)」等の制御の不安定性を引き起こすことなく、状態ベースの動作制御を迅速に行うことができる。例えば、電力変換器22を制御しながら、並列状態ベースの制御装置34は、100Hz以上の周波数で動作制御信号62を更新する(例えば、信号レベルを更新する)ことができ、その周波数は、典型的には1Hzの範囲で動作するような従来のシステムよりもはるかに速い制御速度である。
図2は、溶接インバータ及び動作制御システムを、上述したように、並列状態テーブルを使用してどの様に同時に制御することができるかを示す例示的な状態図を提供する。制御状態は、共通の制御装置34(図1)によって実現されるため、1つの状態テーブルの実行中に発生するパラメータ又は計算は、他の状態テーブルに迅速に共有され、且つ他の状態テーブルによって使用することができる。こうして、状態テーブルは、情報を共有又は交換するような概念的な考えとすることができる。また、溶接電圧、溶接電流、トーチ位置等の同じフィードバック信号が、両方の状態テーブルで使用されて、状態テーブル内の状態移行を制御することができる。
図2には、溶接状態テーブルの態様が、左側に示されており、動作制御システムの状態テーブルの態様が、右側に示されている。溶接状態テーブルと動作制御システムの状態テーブルを一緒に動作させて、溶接作業のタッチ後退の開始(touch retract starting)を実行するとともに、溶接トーチのワークに対する接触チップの距離(CTWD)を調節するように実行する。CTWDは、図1に距離「D」として示されており、及びCTWDは、溶接トーチを上下に移動させることによって調整することができる。CTWD調節することは、溶接アークのアーク長さを調節するのに役立つであろう。
溶接トーチに関連するトリガのスイッチをオンにするときに、並列状態ベースの制御装置は、最初に、状態1aに応じてインバータを制御するとともに、状態1bに応じてトーチの動きを制御する。状態1aでは、並列状態ベースの制御装置は、ワークに向けてトーチを移動させながら、溶接電源の開回路電圧(OCV)を調節する。溶接状態テーブルと動作制御システムの状態テーブルとの両方は、電圧センサからの減少した溶接電圧(例えば、<10V)に応答する。その減少した溶接電圧は、溶接ワイヤがワークに接触したことを示す。従って、溶接状態テーブル及び動作制御システムの状態テーブルは、状態2a,2bにそれぞれ移行する。状態2aでは、並列状態ベースの制御装置は、20Aの溶接電流を達成するために、インバータに供給される波形制御信号を調整するとともに、トーチを後退させるように動作制御信号を調整する。溶接電圧が上昇する(例えば、>15V)ときに、アークが確立しており、状態テーブルは、状態3a,3bに移行する。状態3aでは、並列状態ベースの制御装置は、供給装置に指示して、所望のワイヤ送り速度(WFS)で溶接ワイヤの供給を開始させ、トーチの後退を停止させるように動作制御信号を調整する。溶接状態テーブルは、動作制御システムの状態テーブルがCTWDを調節する間に(状態4b)、所定の時間(例えば、ピーク時間及びバックグラウンド時間)に基づいて、ピーク電流状態(4a)とバックグラウンド電流状態(5a)との間で交互に切り替えることによって溶接作業を制御する。ピーク電流状態での経過時間が、ピーク時間を超えるときに(t>ピーク時間)、溶接状態テーブルが、バックグラウンド状態に移行し、タイマがリセットされる。バックグラウンド状態での経過時間が、バックグラウンド時間を超えるときに(t>バックグラウンド時間)、溶接状態テーブルが、ピーク電流状態に再び移行し、タイマが再びリセットされる。溶接状態テーブルは、トリガのスイッチがオフにされるまで動作制御システムの状態テーブルがCTWDを調節する間に(状態4b)、ピーク電流状態(4a)及びバックグラウンド電流状態(5a)を交互に切り替えることを継続する。その後、両方の状態テーブルは、OFF6a状態又は停止5b状態に入る。
なお、CTWDは、ワークの形状及び/又はワークの不完全性(例えば、あらゆるスポット)によって影響されることを理解すべきである。従って、CTWDは、溶接中に変化し得る。CTWDは、並列状態ベースの制御装置34によって、(例えば位置測定によって)適切なフィードバック信号(複数可)から直接的に決定することができる。CTWDは、溶接パラメータにも関連しており(例えば、溶接電圧に比例する)、こうして、溶接電圧、溶接電流等の溶接パラメータから決定することもできる。定電流中に又は調節された電流の溶接手順の間に、増大したCTWDは、増大した平均溶接電圧として観測可能になる一方、減少したCTWDは、減少した平均溶接電圧として観測可能になる。定電圧中に又は調節された電圧の溶接手順では、増大したCTWDは、減少した平均溶接電流として観測可能になる一方、減少したCTWDは、増大した平均溶接電流として観測可能になる。動作制御システムの状態テーブルは、フィードバック信号(例えば、溶接電圧、溶接電流等)を基準と比較することにより、CTWDを調節することができ、フィードバック信号と基準信号との差である誤差信号に基づいて、CTWDを調整する。CTWDを調節する際に、動作制御システムの状態テーブルは、その平均値(例えば、平均電圧)、そのピーク値(例えば、ピーク電流)、積算値等のフィードバック信号の特定の特性を考慮することができる。
溶接電源が、一定のアーク長を維持するように溶接電流制御することにより、CTWDの変化を調整するような適応制御方式が知られている。電力変換器は、40〜120kHzの範囲の周波数で動作し、従って、溶接波形を非常に迅速に調整することができる。適応制御は、平均電圧に基づいて溶接電流を調整する。一般に、溶接波形は、20〜300Hzの間の周波数を有しており、適応制御は、このような範囲で動作する。適応制御は、電力変換器よりもゆっくりと動作するため、適応制御及び電力変換器は、一緒にうまく機能する。トーチ及び/又は電極の動作制御が上述したように追加されるときに、それは適応制御を排除し、動作制御システムの状態テーブル56がCTWDの変化を単独で調整することを可能にすることが望ましい場合がある。この場合には、動作制御信号62は、適応制御の速度と同様の100Hz以上の周波数で更新することができる。あるいはまた、適応制御を維持して、動作制御の速度を、例えば約10Hzに低減することができる。
図1を参照すると、溶接状態テーブル54及び動作制御システムの状態テーブル56は、フィードバック信号(溶接電圧、溶接電流、位置等)を直接的に使用することができ、すなわちフィードバック信号が処理され、次に状態テーブルによって使用することができる。例えば、並列状態ベースの制御装置34は、フィードバック信号を処理するための1つ又は複数のフィルタ68又は計算ブロック70を含むことができる。フィルタ及び他の処理ブロックを用いて、状態テーブル54,56は、平均電流及び平均電圧、平均位置、ピーク電流及びピーク電圧、平均ピーク電力、積算値、微分値等のパラメータを使用することができる。溶接電力は、電圧及び電流フィードバック信号を乗算する計算ブロックによって計算することができ、溶接電力は、追加の計算ブロック(図示せず)によって処理することができる。
メモリ部50は、複数の溶接状態テーブル、複数の動作制御システムの状態テーブル、及びそれらに関連するデータテーブルを格納することができる。並列状態ベースの制御装置34は、溶接電源12におけるユーザ入力に基づいて、溶接作業を制御するのに使用するための特定の溶接状態テーブル及び/又は動作制御システムの状態テーブルを選択することができる。例えば、溶接電源12は、ユーザが、特定の溶接プログラムを選択することを可能にする入力装置72と、WFS、ボルト、アンペア、溶接サイズ(例えば1/4インチ、5/16インチ)等の種々のパラメータを設定するための入力装置74,76,78とを含む。並列状態ベースの制御装置34は、ユーザ入力に基づいて、適切な溶接状態テーブル及び/又は動作制御システムの状態テーブルを選択及び/又は修正することができる。特定の実施形態では、溶接電源12は、溶接サイズ、WFS等の単一のユーザ入力から、溶接状態テーブル及び動作制御システムの状態テーブルを含む溶接プログラムを選択するように構成される。溶接電源12は、選択された溶接プログラム、種々の溶接パラメータ等をユーザに知らせるための、ディスプレイ等の出力装置をさらに含む。
溶接電圧、溶接電流、及び溶接トーチの位置等のフィードバック信号に加えて、状態テーブル54,56は、溶接システムからのアナログとデジタルの入力、内部タイマ及びフラグの状態、入力装置74,76,78の設定等の、それらの制御機能を実行する際の多数の追加のパラメータを利用することができることを理解すべきである。
特定の実施形態では、並列状態ベースの制御装置34は、溶接作業で使用するために選択された溶接状態テーブル54の特性に基づいて、特定の動作制御システムの状態テーブルを自動的に選択する。例えば、溶接状態テーブル54は、定電流又は調節された電流、或いは一定の電力レベル又は調節された電力レベルで溶接するように構成することができ、並列状態ベースの制御装置34は、電圧(例えば、平均電圧、ピーク電圧、電圧変化等)に基づいてCTWDを調節するような適切な状態テーブルを、動作制御システムの状態テーブル56として自動的に選択することができる。同様に、溶接状態テーブル54は、一定の電圧レベル又は調節された電圧レベルで溶接するように構成することができ、並列状態ベースの制御装置34は、電流(例えば、平均電流、ピーク電圧、電流変化等)に基づいてCTWDを調節するような適切な状態テーブルを、動作制御システムの状態テーブル56として自動的に選択することができる。溶接状態テーブル54が、溶接電圧を調整するテーブルから溶接電流を調節するテーブルに変更された場合に(例えば、異なる溶接状態テーブルが、溶接作業を制御するために選択された場合に)、並列状態ベースの制御装置34は、溶接電流に基づいてCTWDを調節するテーブルから電圧に基づいてCTWDを調節するテーブルに、それに応じて、動作制御システムの状態テーブル56を自動的に変更することができる。CTWDを調節するよりもむしろ、自動的に選択された動作制御状態テーブルは、WFS、ワークに沿った溶接トーチの移動、パイプの周りの溶接トーチの移動等の溶接作業の態様を制御することができる。
異なる溶接状態テーブルによって実行される溶接手順のタイプと、CTWDを制御するためにそれぞれの動作制御システムの状態テーブルで使用されるフィードバック信号との関連する例は、次の通りである:
Figure 0003199188
図3を参照すると、例示的な実施形態では、動作制御システムは、アーク継ぎ目追跡システムの一部であるウィーバー(weaver)制御部60aとウィーバーモータ58aとを有している。ウィーバーモータによって、溶接トーチ26を、動作制御信号62に従ってウィービング溶接運動を行うように振動させる。溶接電源12は、上述したように並列状態ベースの制御装置等を使用して、溶接作業と溶接トーチ26の動きとの双方を制御する。この場合に、(図3の「ウィーバー状態テーブル」として示される)動作制御システムの状態テーブルは、溶接トーチ26の振動ウィービング溶接運動を制御するように構成される。溶接電源12は、複数の状態テーブルを用いて所定の溶接サイズ(例えば、わずかな長さ)を得るために、溶接電流、及び溶接トーチ26の振動ウィービング溶接運動を制御することができる。溶接中に溶接トーチ26のウィービングを制御する際に、溶接電源12は、上述したようにCTWDを調節し、及び/又はトーチの振動速度を制御することができる。溶接電源12は、溶接電圧の及び/又は溶接電流のフィードバック信号に基づいて、溶接接合部のエッジを判定することもできる。動作制御信号62を用いて(例えば、動き制御信号の信号レベルに応じて)、溶接電源12は、ワーク18に対するトーチの振動速度及び/又はトーチの位置を制御することができる。また、溶接電圧の及び/又は溶接電流のフィードバック信号を使用して、溶接電源12は、振動の中心を調整することにより、接合部のエッジを追跡することができる。
図4を参照すると、図4は、並列状態ベースの制御装置34が、電極16のワイヤ送り速度(WFS)を制御するような実施例を示している。電極16は、電動ピンチローラ82によってスプール80から供給される。電動ピンチローラ82は、電極16の動作制御システムの一部である。動作制御システムは、ピンチローラ82を作動させるような動作制御システムの制御装置61(例えば、モータ制御装置)をさらに含む。動作制御システムの制御装置61は、並列状態ベースの制御装置34から動作制御信号63を受信し、動作制御システムの制御装置61は、並列状態ベースの制御装置から受信した動作制御信号63に従ってWFSを調整する。図4では、動作制御信号63は、動作制御システムの状態テーブル57によって決定されるWFSの制御信号である。動作制御信号63は、アナログ信号又はデジタル信号とすることができる。
動作制御システムの状態テーブル57は、溶接状態テーブル54で規定された溶接作業と協働して、CTWDというよりもむしろWFS又は堆積速度を制御するように構成されることを除いて、上述した動作制御システムの状態テーブル56に類似している。このように、動作制御システムの状態テーブル57は、図1,図2に関連して上述したテーブルとは16個の異なる状態を有することができる。例えば、動作制御システムの状態テーブル57は、モータ速度、上昇速度、ブレーキ、ブレーキ及び逆転等を調整するような状態を有することができる。
並列状態ベースの制御装置34及び動作制御システムの制御装置61は、電動ピンチローラ82の速度や電極16の速度を示す速度フィードバック信号84を速度センサ86から受信する。例示的な速度センサ86は、ピンチローラの実際の速度、ピンチローラを駆動するモータの速度、又はピンチローラを駆動するギアの速度を感知するようなエンコーダ又は他の回転センサである。センサ86は、電極16の速度及び方向を直接的に測定することができる。
図5は、溶接インバータ及び電極ワイヤ送り装置を、上述したように並列状態テーブルを使用してどの様に同時に制御することができるかを示す例示的な状態図を提供する。溶接状態テーブルの態様が、左側に示されており、動作制御システムの状態テーブルの態様が、右側に示されている。溶接状態テーブル及び動作制御システムの状態テーブルを一緒に作動させて、溶接作業のタッチ後退の開始を行い、WFSを調節する。溶接トーチに関連付けられたトリガのスイッチをオンにするときに、並列状態ベースの制御装置は、最初に、状態1aに応じてインバータを制御し、且つ状態1bに応じて電極の動きを制御する。状態1aでは、並列状態ベースの制御装置は、ワークに向けてワイヤ電極を移動させながら、溶接電源の開回路電圧(OCV)を調節する。溶接状態テーブル及び動作制御システムの状態テーブルの両方が、電圧センサからの減少した溶接電圧(例えば、<10V)に応答する。その減少した溶接電圧は、ワイヤ電極がワークに接触したことを示している。従って、溶接状態テーブル及び動作制御システムの状態テーブルは、状態2a,2bにそれぞれ移行する。状態2aでは、並列状態ベースの制御装置は、20Aの溶接電流を達成するために、インバータに供給される波形制御信号を調整するとともに、ワイヤ電極のブレーキによってワークから後退させるような動作制御信号を調整する。溶接電圧が上昇するときに(例えば、>15V)、アークが確立しており、状態テーブルが、状態3a,3bに移行する。状態3aでは、並列状態ベースの制御装置は、実際の溶接を開始し、ワイヤ電極が、後退を停止し、ワークに向けて再び移動し、溶接WFSまで上昇させるように、動作制御信号を調整する。速度フィードバック信号からの実際のWFSが、溶接WFSの80%を超えるときに、溶接状態テーブルは、所定の時間に基づいてピーク電流状態(4a)とバックグラウンド電流状態(5a)との間で交互に切り替えることで溶接作業を制御する一方、動作制御システムの状態テーブルは、所定の溶接又はアーク電圧を維持するようにWFSを調節する(状態4b)。溶接状態テーブルは、ピーク電流状態(4a)とバックグラウンド電流との間で交互に切り替えることを継続する一方、動作制御システムの状態テーブルは、トリガのスイッチがオフにされるまで、WFSを調節する(状態4b)。その後、両方の状態テーブルは、OFF6a状態又は停止5b状態に入る。
並列状態ベースの制御装置34は、複数の並列状態テーブルを使用してアーク溶接システム10のいくつかの態様を同時に制御することができる。図6では、例えば、並列状態ベースの制御装置34は、3つの並列状態テーブル54,56,57を用いて、同時に溶接波形を制御し、CTWDを調節し、WFSを調節する。一方の動作制御システムの状態テーブル56は、CTWDを制御するように構成されており、及び他方の動作制御システムの状態テーブル57は、WFSを制御するように構成されている。並列状態ベースの制御装置34がCTWD及びWFSを制御するための動作制御信号62,63の値を調整する頻度は、位置ハンチング等の不安定性を回避するように調整することができる。例えば、並列状態ベースの制御装置34は、例えば100Hzの第1の周波数でCTWD用の動作制御信号62を更新することができ、及び例えば10Hz以下の第2のより遅い周波数でWFS用の動作制御信号63を更新することができる。
図7は、溶接電源12が、ウィーバー制御装置60a及びバグ制御装置65の溶接波形と動作とを同時に制御することを示している。バグ制御装置は、溶接バグ90を使用してパイプ88の周りに溶接トーチ26の周方向(軌道)運動を制御する。こうして、溶接電源12は、溶接トーチ12の振動ウィービング溶接運動と、パイプ88であるワークに沿った溶接トーチの移動との両方を同時に制御する。これを行うには、溶接電源12は、3つの並列状態テーブル、1つが溶接波形用であり、1つがウィービングの制御用であり(すなわち、「ウィーバー状態テーブル」)、1つがパイプ88の周りの溶接トーチ26の移動制御用である(すなわち、「バグの状態テーブル」)、を使用する並列状態ベースの制御装置を用いる。
図8は、キャリッジ(carriage)制御装置92及びトラッカー(tracker)制御装置94の溶接波形と動作とを同時に制御する溶接電源12を示す。再び、溶接電源12は、3つの並列状態テーブル、1つが溶接波形用であり、1つがキャリッジ96(すなわち、「キャリッジ制御装置」)の動き制御用であり、1つがトラッカー制御装置94(すなわち、「トラッカー制御装置」)用である、を使用する並列状態ベースの制御装置を用いる。キャリッジ制御装置92は、溶接電源12から動作制御信号を受信し、その制御信号に基づいて、ワーク18の長さの長手方向に沿ってキャリッジ96及び溶接トーチ26の移動を制御する。接合部の追跡は、入力装置(左又は右/上又は下方向に継ぎ目を追跡する)と出力装置(トーチを継ぎ目に位置決めするために上/下、左/右方向にスライドさせる)との両方を追加することができる。
少なくとも溶接電力変換器(すなわち、インバータ)と磁気アーク制御装置とを含む様々な溶接システム構成で使用することができるような、並列状態ベースの制御装置のさらなる例示的な実施形態について以下に説明する。しかしながら、この例示的なシステム構成は、限定されるものではなく、本明細書で説明する並列状態ベースの制御装置の概念は、実質的に任意の溶接システム構成に組み込むことができる。例えば、米国特許出願第13/438,703号は、本考案に組み込むことができるような溶接電源(インバータ)と磁気アーク制御装置構成とを含み、この文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図9は、本考案の実施形態に従った例示的なGMAW式溶接システム100を示す。システム100は、少なくとも1つの溶接電源101を含む。電源101は、パルス状溶接波形で溶接することが可能であり、且つ溶接電流を溶接トーチ111を介して消耗溶接用電極113に導き、この溶接用電極は、液滴移動、又は同様の移動操作を介して溶接パドルに堆積される。システム100は、少なくとも1つの磁界プローブ107を有する磁界発生装置105に結合された磁界電源/制御装置103も含み、磁界プローブは、溶接作業中に溶接アーク115に近接して位置決めされる。図10に示される溶接電源101は、図1の電源12と類似している。しかしながら、この実施形態では、並列状態ベースの制御装置は、磁界制御装置103を制御するように設定することもできる。図10に示されるように、並列状態ベースの制御装置134は、図1の並列状態ベースの制御装置34と同様に動作するが、少なくとも溶接状態テーブル154と、磁界システムの状態テーブル158とを含む。当然のことながら、溶接電源101は、他の状態テーブル、例えば上述した動作制御システムの状態テーブルを含むことができる。
当業者に理解されるように、GMAW式溶接作業は、パルス状溶接波形を使用して溶接アーク115を形成し、溶接用電極113の一部を溶融する。この波形パルスの間に、電極115の溶滴117は、電極からアーク115を介して溶接パドルに移動する。典型的に、溶滴17は、溶接電流パルスのピークの間に移動する。このような溶接作業は、非常によく知られているので、ここでは詳細に説明しない。本明細書に参照されるようなGMAW式溶接又はパルス溶接は、GMAW、MIG、FCAW、MCAW式溶接パルスを含むが、これらに限定されないようなパルス状溶接波形が使用される任意の溶接を指すことが理解される。
なお、明確性と効率性の目的のために、本明細書の議論の多くは、図に示すようなGMAW式溶接を参照する。しかしながら、本考案の実施形態は、GMAW式溶接システムを用いる使用に限定されるものではない。特に、本考案の実施形態は、本出願の範囲及び精神から逸脱することなく、TIG/GTAW(ガスタングステンアーク溶接)システムを用いて使用することもできる。本明細書での議論と同様に、磁界を使用して、溶接中にTIGアークの動きを制御する。TIG/GTAW溶接において、アークを形成するために使用される電極は、(GMAWプロセスのように)消耗電極でないことが知られており、本考案の実施形態では、磁界によって、このアークの動きを制御する。従って、本明細書での議論及び図面の多くは、GMAWシステム及びプロセスを参照し且つ描写するが、これは例示を目的としており、本考案の実施形態をGMAWタイプのプロセスに限定するものではない。例えば、図9及び図10のそれぞれにおいて、GMAW電源(例えば、101)及びトーチ(例えば、111)は、本考案の範囲及び精神から逸脱することなく、GTAW電源及びGTAW電極に置き換えることができる。当然のことながら、消耗電極の供給は、GTAWトーチによるものではなく、公知の手段を介して行われることに留意されたい。また、本明細書で議論及び示される電流波形、及び磁界電流と溶接電流との関係は、GMAW及びGTAW式溶接作業に同様に適用可能である。当然のことながら、GMAW式溶接中に、溶滴を提供する消耗品は、電極であることが知られているが、GTAW式溶接において、消耗品は、電極から分離されている。
図9に戻ると、システム100は、磁界電源/制御装置103と、磁界発生装置105とを含む。磁界制御装置103は、磁界109がプローブ107によって生成されるように、電流を装置105に導く。磁界電源/制御装置103は、電流を磁界装置に供給して磁界を発生させるような任意のタイプの電源を含むことができる。制御装置103は、例えば溶接電源101の並列状態ベースの制御装置134からの信号162に基づいて、パルス溶接電源に適切に反応できるように磁界発生電流の高い周波及び正確な制御を提供することが可能とすべきである。
本考案の実施形態では、プローブ107は、溶接アーク115に近接して位置決めされており、それによって、磁界109は、液滴117が飛行する間に、アーク115と液滴117とに影響を及ぼすことができる。上述した動作制御システムのように、本考案の実施形態は、最適化された溶接作業が達成されるように、磁界109とパルス溶接波形との発生を同期させる。磁界109の発生をアーク115及び液滴移送に同期させることにより、特に特殊な溶接接合部を得ようとするときに、最適化された溶接作業を実現することができる。この同期について以下で詳細に説明する。
図9に示されるように、トーチ111は、ワークWの溶接接合部の上方でセンター決めされていない。これは、例えば溶接接合部の付近の障害物等の、複数の理由のために必要とされる。従って、単一の磁界発生装置105を使用して、溶接中に、アーク115及び液滴117を溶接接合部の一方の側に誘導する。つまり、磁界電源103は、溶接電源101によって生成された溶接波形と同期している電流を装置105に供給する。磁界109の発生によって、アークをその一方の側に移動させ、アークの動きによって、溶滴117を、接触チップ111及びフィラー113の直下というよりは異なる位置に配置する。
図11は、単一の磁気装置105を用いる実施形態で使用することができる例示的な溶接波形と磁界波形とを示す。示されるように、電流は、複数の電流ピーク1,2,3を有するパルス状波形である。一般的に知られるように、多くのパルス溶接作業において、溶滴117は、ピーク電流の間に、フィラー113から分離する。このように、いくつかの実施形態では、磁気ステアリング(steering)電流は、溶接電流と同相であり、それによって、溶接電流及び磁界電流のそれぞれが同時に立ち上がるように開始し、ピークに達する。このような実施形態では、磁界109は、液滴117がフィラーワイヤ113から分離する前に完全な強さであろう。また図11に示されるように、いくつかの例示的な実施形態では、磁気ステアリング電流は、全ての溶接電流パルスでパルス化されない。示される実施形態では、ステアリング電流は、他の全ての溶接パルス(パルス1及び3)についてパルス化される。このような実施形態では、溶接中に、いくつかの液滴117は、第1の位置で溶接パドルに衝突する一方、他の液滴117は、別の領域でこの溶接パドルに衝突する。これによって、フィラー113を溶接パドルの様々な場所に堆積させることが可能になる。当然のことながら、本考案の実施形態は、他の全ての溶接パルスでステアリング電流をパルス化することに限定されないが、異なるパルス数を使用することができる。例えば、ステアリング電流は、10個の連続した溶接パルスに対してパルス化することができ、その後、次の10個の溶接パルスに対してオフにすることが企図される。他の実施形態では、必要に応じてパルスの数を変更することができる。つまり、いくつかの例示的な実施形態では、磁界システムの状態テーブル158は、磁気ステアリング電流が、N個の溶接パルス毎に一度にパルス化するように構成することができ、ここで、Nは正の整数であり、例えば、Nは、1〜20の包括的な整数とすることができ、又は他の値とすることができる。当然のことながら、所望の溶接操作に基づいて、当業者は、磁気ステアリング電流パルスに対する溶接パルスの任意の所望の比を得るために他の方法を使用することができる。また示される実施形態では、ステアリング電流パルスの持続時間は、溶接パルスの持続時間と同じである。しかしながら、他の実施形態では、その持続時間は、必要に応じてステアリングパルスを長くする又は短くするようなケースではないかもしれない。
図12は、並列状態ベースの制御装置134によって、少なくとも電力変換器22及び磁界制御装置103を同時に制御するように使用することができるような例示的な状態図を示している。上述したように、電力変換器22は、溶接動作を行うために使用される溶接電流波形を生成し、磁界制御装置103は、磁界装置105によって使用される磁気ステアリング電流を発生させて、磁界109を発生させる。上述した実施形態と同様に、制御状態が、共通の状態ベースの制御装置134(図10参照)によって実装されているため、1つの状態テーブルの実行中に発生したパラメータ又は計算が迅速に共有され、他の状態テーブル(複数可)によって使用することができる。こうして、状態テーブルは、概念的に共有又は交換する情報として考えることができる。また、溶接電圧、溶接電流、トーチ位置等の同じフィードバック信号を両方の状態テーブルで使用して、状態テーブル内の状態移行を制御することができる。当然のことながら、並列状態ベースの制御装置134は、他の状態テーブル、例えば上述したようなワイヤ送り装置の速度及びCTWDを調節するための状態テーブルを含むことができる。
図12では、溶接状態テーブル154の態様が、左側に示されており、磁界システムの状態テーブル158の態様が、右側に示されている。溶接状態テーブル154は、電力変換器22によって生成された溶接電流波形を少なくとも規定し、磁界システムの状態テーブル158は、アークの動きを調節するような磁界を発生するために使用される磁気ステアリング電流を少なくとも規定する。溶接状態テーブル154と磁界システムの状態テーブル158とを一緒に操作して、アークの位置が上述したように調節される間に溶接作業を行う。溶接状態テーブルは、図2及び図5において上述したような状態テーブルと同様である。従って、図2及び図5と相違する関連項目のみについて説明する。また、明確にするために、ワイヤ供給速度及び/又はCTWDを調節する状態テーブルは、省略されている。当然のことながら、いくつかの実施形態では、並列状態ベースの制御装置134は、ワイヤ送り装置制御、CTWD制御装置、及び/又は任意の他の所望の制御装置を含むことができる。
図12を参照すると、アークが確立され且つ溶接プロセスが開始された後で(すなわち、状態3aの後で)、並列状態ベースの制御装置134は、電力変換器22に命令して、その溶接波形信号を送信することにより、溶接作業を行うとともに、磁界システム制御装置103に命令して、その磁気ステアリング電流信号を送信することにより、アークの動きを調節する。溶接波形信号は、ステップ4a及び5aにおいてそれぞれピーク電流信号とバックグラウンド電流信号との間で交互に切り替えるように形成される。ピーク電流信号とバックグラウンド電流信号とは、図11のピーク電流とバックグラウンド溶接電流とに対応する。溶接状態テーブル154は、所定の時間(例えば、ピーク時間及びバックグラウンド時間)に基づいて波形を調節する。すなわち、溶接が状態3aで開始した後に、溶接状態テーブルは、溶接波形信号が、所定時間に亘ってピーク電流に設定される状態4aに移行する。ピーク電流状態での経過時間が、予め設定されたピーク時間を超えるときに(t>ピーク時間)、溶接状態テーブル154は、バックグラウンド状態5aに移行し、溶接タイマが、リセットされる。同様に、バックグラウンド状態での経過時間が、予め設定されたバックグラウンド時間を超えたとき(t>バックグラウンド時間)、溶接状態テーブル154は、ピーク電流状態4aに再び移行し、溶接タイマが、再びリセットされる。溶接状態テーブルは、溶接プロセス中に、ピーク電流状態4aとバックグラウンド電流状態5aとの間で交互に切り替えるように継続する。
状態4aの開始時に、溶接状態テーブル154は、ピーク電流信号が開始されたことを示す磁界システムの状態テーブル158の状態1cにおいて、カウント信号をカウンタに送信する。磁界システムの状態テーブル158の状態1cは、溶接状態テーブル154からのカウント信号を受信し、カウンタをインクリメントする(増加させる)。状態1cのカウントNが、予め設定されたカウント値に到達したときに(N=プリセット値)、磁界システムの状態テーブル158は、磁気ステアリング電流信号を開始する状態2cに移行する。並列状態ベースの制御装置134は、次に、磁界制御装置103に命令して、ステアリング電流を開始させる。例えば、図11のシステムでは、磁気ステアリング電流が、他の全ての溶接ピークパルスについて開始されるので、プリセット値は、2に等しい。従って、状態1cのカウントNが、2に等しいとき、磁界システムの状態テーブルが、状態2cに移行し、上述したように磁気ステアリング電流信号を開始する。当然のことながら、プリセット値は、2に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。つまり、磁気ステアリング電流信号が、10番目のピーク溶接パルス毎に必要とされる場合に、次に、プリセット値は、10に等しくなる。全ての溶接パルスについて磁気ステアリングの電流信号を開始するシステムでは、状態1cは、磁界システムの状態テーブル158から排除することができ、又はプリセット値を1に設定することができる。
状態2cでは、磁界システムの状態テーブル158は、所定のステアリング電流時間に亘って磁気ステアリング電流信号を開始する。ステアリング電流タイマが所定ステアリング電流時間を超えたときに(t>ステアリング時間)、磁界状態テーブル158は、磁気ステアリング電流信号がオフにされ、且つピーク電流カウンタ及びステアリング電流タイマがリセットされるような状態3cにトランザクションする。溶接条件及び所望の溶接特性に基づいて、所定の磁気ステアリング電流時間は、所定の溶接電流時間と同じ、より長いか、より短くてもよい。例えば、図11は、磁気ステアリング電流時間が、ピーク電流の時間と同じであるような実施形態を示している。カウンタ及びタイマをリセットした後に、磁界システムの状態テーブル158は、状態1cでのピーク溶接パルスをカウントするために再びトランザクションする。溶接状態テーブル154がOFF状態6aに入るときに、磁気アークシステムの状態テーブルは、停止状態4cに入る。
図11にも示されるように、ステアリングパルスは、溶接パルスと位相をずらすことができる。具体的には、ステアリングパルスは、例えば45〜135°だけ溶接パルスと位相をずらしてもよいことが企図される。アーク溶接のいくつかの実施形態では、液滴117は、溶接パルスピークの終了近くまでワイヤ113から分離しておらず、液滴117はアーク電流が減少する際に、飛行中である。このような実施形態では、ステアリング電流は、溶接パルスと位相をずらすようにパルス化することができ(図11中の破線)、それによって、磁界109は、液滴117が自由になるとき、又は液滴117がその限界点にあるときのみ発生する。このような実施形態では、状態2c(図12参照)は、磁気ステアリング電流信号を磁界制御装置103に送る際に、適切な遅延を含む。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、磁気ステアリング電流は、溶接パルスの開始後、1〜100ミリ秒(ms)だけ遅延させることができる。いくつかの実施形態では、遅延は、5〜20msとすることができる。当然のことながら、他の実施形態は、異なるタイミング遅延を使用してもよい。位相遅延を使用する実施形態では、磁界109は、自由になる前にアーク115と干渉しておらず、液滴が飛行している間に、磁界109はそのピークにある。また、位相のずれたステアリング電流を用いることにより、磁界109は、アーク電流が降下するが、液滴が依然として飛行中にある間であっても、そのピークにあるだろう。いくつかの実施形態では、ステアリング電流は、アーク電流がそのバックグラウンドレベルに達するまで、ピーク電流のままである。
別の例示的な実施形態では、ステアリング電流は、アーク溶接電流と180°位相をずらすことができる。このような実施形態では、磁界状態テーブル158の状態2cは、適切な位相遅延を含むことができ、及び/又は状態テーブル158の状態1cに対するカウント信号は、溶接状態テーブル154の状態5aにおけるバックグラウンド電流の開始(又はピーク電流の完了)に基づくことができる。また、このような実施形態では、磁界109は、飛行中の液滴117を移動させるために使用されるものではなく、溶接パドルを制御する、溶接パドルを引き延ばす、又はワーク表面を予備洗浄するために使用される。例えば、磁気装置105及びプローブ107は、チップ111の(進行方向の)前面又は背面のいずれかに位置決めすることができる。このような実施形態では、磁界109は、溶接パドルを引き延ばすために、必要に応じてアークを前方又は後方に移動させることができる。例えば、アークは、アークの熱が、液滴117が溶接パドルに渡される前に、任意のコーティング又は表面汚染物を除去するように、(アーク中の液滴無しに)前方に偏向させることができる。同様に、アークは、溶接パドルが、所望の冷却又は固化プロファイルに引き延ばされるように、後方に偏向させることができる。図13は、上述したような例示的なクリーニング波形を示す。示されるように、磁気ステアリング電流は、その電流が、アーク溶接パルスの前に始まるが、液滴117がワイヤ113から放出されるポイントの前に終了するようにパルス化される。クリーニングパルスは、N個のアークパルス溶接毎に、又は所定の持続時間の後に通電される(エネルギーが与えられる)。図13の実施形態では、磁気ステアリング電流が、全ての溶接電流パルスに提供されることを示す、すなわちN=1である。図14は、図13に示される磁気ステアリングパルス及び溶接パルスを実施するための例示的な磁界システムの状態テーブルを示す図である。
図14では、溶接状態テーブルは、図2、図5、及び図12に関して上述した状態テーブルと同様である。従って、相違する関連項目のみについて説明する。溶接が状態3aで開始された後に、溶接状態テーブルは、ピーク溶接パルスが所定の遅延時間後に開始されることを示すような磁界システムの状態テーブルにカウント信号が送信される状態4aに移行する。一旦、時間が所定の遅延時間を超えると(t>遅延時間)、溶接状態テーブルは、ピーク溶接電流信号が開始する状態5aに移行する。時間が所定のピーク時間を超えた後に(t>ピーク時間)、溶接状態テーブルは、バックグラウンド溶接電流信号が開始する状態6aに移行する。時間がバックグラウンド時間を超えた後に(t>バックグラウンド時間)、溶接状態テーブルは、次の溶接サイクルを開始するために、状態4aに再び移行する。
磁界システムの状態テーブルの状態1cにおいて、カウンタは、磁界状態テーブルが、溶接状態テーブルからカウント信号を受信した後に更新される。一旦、カウント値Nが、予め設定されたカウント値に等しくなると、磁界状態テーブルは、磁気ステアリング電流信号が開始する状態2cに移行する。磁気ステアリング電流が、全ての溶接ピークパルスの直前に開始するような図13に示される実施形態では、プリセットカウント値は1である。当然のことながら、プリセットカウント値は、1に限定されるものではなく、任意の所望の値とすることができる。例えば、磁気ステアリング電流が、10番目の溶接ピーク電流パルス毎に一回パルス化された場合に、プリセットカウント値は10になり、磁界状態テーブルは、N=10になったときに、状態1cから状態2cに移行する。
状態2cでは、磁気ステアリング電流信号が開始する。時間がステアリング時間を超えた後に(t>ステアリング時間)、磁界状態テーブルは、カウンタ及びタイマがリセットされる状態3cに移行し、磁界状態テーブルは、状態1cに再び移行する。
当然のことながら、状態テーブルの用途は、上述した溶接/動作制御/磁界システム構成の例示的な実施形態に限定されるものではない。本考案は、米国特許出願第13/438,703号に開示された構成を含むような、溶接システム、動作制御システム、及び磁界システムの任意の組み合わせを組み込むことができる。
溶接システムの例示的な実施形態は、図面に示されるように、別々の構成要素として、溶接電源、磁界電源、及びシステム制御装置を示している。しかしながら、これらの構成要素は、単一のユニットに統合することができるケースでなくてもよい。また、磁界の制御ハードウェア及びソフトウェア(例えば、制御状態テーブル)は、溶接電源、システム制御装置及び/又は磁界電源のいずれかに見出すことができる。本考案の実施形態は、この点に限定されるものではなく、システムの構成要素が別々に提供されるが、組み合わせ可能なモジュールとすることができるようなモジュール構造も同様に有することができる。
本考案は、例示的な実施形態を参照して特に図示及び説明してきたが、本考案は、これらの実施形態に限定されるものではない。形式及び詳細における様々な変更は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本考案の精神及び範囲から逸脱することなく、行うことができることが当業者によって理解されるであろう。
本開示は一例であり、種々の変更は、本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく細部を追加、変更、又は除去することによって行うことができることは明らかである。従って、本考案は、以下の特許請求の範囲がそのように限定されている場合を除き、本開示の特定の詳細に限定されるものではない。
1a 状態
1b 状態
1c 状態
2a 状態
2b 状態
2c 状態
3a 状態
3b 状態
3c 状態
4a 状態
4b 状態
5a 状態
5b 状態
10 アーク溶接システム
12 溶接電源
14 電気アーク
16 電極
18 ワーク
20 電源
22 電力変換器
24 溶接波形
26 溶接トーチ
28 接触チップ
30 電気リード線
32 電気リード線
34 制御装置
36 波形制御信号
38 バックグラウンド電流状態
40 短絡クリア状態
42 ピーク電流状態
44 テールアウト電流状態
46 シャント
48 電圧センサ
50 メモリ部
52 状態テーブル
53 データテーブル
54 溶接状態テーブル
56 動作制御システムの状態テーブル
57 動作制御システムの状態テーブル
58 モータ
58a ウィーバーモータ
60 動作制御システムの制御装置
60a ウィーバー制御装置
61 動作制御システムの制御装置
62 動作制御信号
63 動作制御信号
64 位置センサ
65 バグ制御装置
66 位置フィードバック信号
68 フィルタ
70 計算ブロック
72 入力装置
74 入力装置
76 入力装置
78 入力装置
80 スプール
82 ピンチローラ
84 速度フィードバック信号
86 速度センサ
88 パイプ
90 溶接バグ
92 キャリッジ制御装置
94 トラッカー制御装置
96 キャリッジ
100 GMAW式溶接システム
101 溶接電源
103 電源/制御装置
105 磁界発生装置
107 磁界プローブ
109 磁界
111 溶接トーチ
113 溶接用電極
115 溶接アーク
117 溶滴
134 状態ベースの制御装置
154 溶接状態テーブル
158 磁界システムの状態テーブル
N 溶接パルス
t バックグラウンド時間
W ワーク

Claims (14)

  1. アーク溶接システム(10)であって、当該システムは:
    溶接信号に基づいて溶接波形(24)を出力するとともに、該溶接波形(24)に基づいて溶接トーチ(26)とワーク(18)との間で電気アーク(14)を形成するために前記溶接トーチ(26)に作動可能に接続される電力変換器(22)であって、前記アーク(14)は、溶融材料の少なくとも1つの溶滴(117)を前記ワーク(18)上に移動させる、電力変換器と;
    磁気ステアリング信号に基づいて磁界(109)を発生する磁界発生器(105)を含む磁界システムと;
    前記電力変換器(22)と前記磁界発生器(105)とに作動可能に接続された制御装置(34)と;を備えており、
    前記制御装置(34)は、前記溶接信号に応じて前記電力変換器(22)の動作を制御するとともに、同時に前記磁気ステアリング信号に応じて前記磁界システムを制御し、
    前記溶接信号が、各波形サイクルについてのピーク部とバックグラウンド部とを含み、
    前記磁気ステアリング信号は、ピーク部を含む、
    システム。
  2. 前記磁気ステアリング信号のピーク部は、前記溶接信号のピーク部と同期され、それによって、全てのN個の溶接信号ピークについて、1つの前記磁気ステアリング信号のピークが存在し、ここで、Nは正の整数であり、
    前記磁界は、前記溶融材料の溶滴の移動中に前記溶滴の経路に影響を及ぼす、
    請求項1に記載のシステム。
  3. Nは、1〜20の包括的な数である、
    請求項2に記載のシステム。
  4. 前記磁気ステアリング信号のピークは、前記溶接信号のピークからオフセットしており、それによって、前記磁界は、前記溶接波形がピーク値に達した後に、ピーク値に到達する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記磁気ステアリング信号のピーク部は、前記溶接信号のバックグラウンド部と同期しており、
    前記磁界(109)は、前記アーク(14)によって形成された溶接パドルを前記ワーク(18)上で制御する、前記溶接パドルを引き伸ばす、及び前記ワーク(18)の表面を予備洗浄することのうちの1つを実行する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記制御装置(34)は、並列状態ベースの制御装置であり、該並列状態ベースの制御装置は:
    前記溶接信号を少なくとも規定するような第1の複数の制御状態を含む溶接状態テーブル(154)と;
    前記磁気ステアリング信号を少なくとも規定するような第2の複数の制御状態を含む磁界システムの状態テーブル(158)と;を有する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 第1の複数の制御状態は、ピーク波形の制御状態を含み、前記溶接信号は、並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク波形の制御状態に入ったときに、ピーク値に移行し、
    第2の複数の制御状態は、ピーク磁界の制御状態を含み、前記磁気ステアリング信号は、前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク磁界の制御状態に入ったときに、ピーク値に移行し、
    全てのN回について、Nは、正の整数であり、前記並列状態ベースの制御装置は、前記ピーク波形の制御状態に入り、前記並列状態ベースの制御装置は、前記ピーク磁界の制御状態に入り、
    前記磁界(109)は、溶融材料の溶滴(117)の移動中に、前記溶滴(117)の経路に影響を及ぼす、
    請求項6に記載のシステム。
  8. 前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク波形の制御状態にN回入った後で、前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク磁界の制御状態に入る前に、遅延が存在する、
    請求項7に記載のシステム。
  9. 前記遅延は、1〜100ミリ秒である、
    請求項8に記載のシステム。
  10. アーク溶接電源(10)であって、当該電源は:
    溶接信号に基づいて溶接波形(24)を出力するような電力変換器(22)と;
    少なくとも前記溶接信号と磁気ステアリング信号とを生成する制御装置(34)と;を備えており、
    前記磁気ステアリング信号は、前記磁気ステアリング信号に基づいて磁界(109)を発生させるような磁界システムに出力され、
    前記電力変換器(22)は、前記溶接波形(24)に基づいて溶接トーチ(26)とワーク(18)との間で電気アーク(14)を形成するために、前記溶接トーチ(26)に作動可能に接続され、前記アークによって、溶融材料(14)の少なくとも1つの液滴(117)がワーク(18)上に移動され、
    前記制御装置(34)は、前記溶接信号に応じて前記電力変換器(22)の動作を制御するとともに、同時に前記磁気ステアリング信号に応じて前記磁界システムを制御し、
    前記溶接信号は、各波形サイクルについてピーク部とバックグラウンド部とを含み、
    前記磁気ステアリング信号は、ピーク部を含む、
    電源。
  11. 前記磁気ステアリング信号のピーク部は、前記溶接信号のピーク部と同期され、全てのN個の溶接信号ピークについて、1つの前記磁気ステアリング信号のピークが存在しており、ここで、Nは正の整数であり、及び前記磁界は、溶融材料の溶滴の移動中に、前記溶滴の経路に影響を与え、及び/又はNは、1〜20の間の包括的な数である、
    請求項10に記載の電源。
  12. 前記磁気ステアリング信号のピークが、前記溶接信号のピークからオフセットされており、それによって、前記磁界は、前記溶接波形がピーク値に達した後に、ピーク値に到達する、
    請求項10又は11に記載のシステム。
  13. 前記磁気ステアリング信号のピーク部は、前記溶接信号のバックグラウンド部と同期されており、前記磁界は、前記アークによって形成された溶接パドルを前記ワーク上で制御する、前記溶接パドルを引き延ばす、及び前記ワークの表面を予備洗浄することのうちの1つを実行する、
    請求項10乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記制御装置は、並列状態ベースの制御装置であり、該並列状態ベースの制御装置は、前記溶接信号を少なくとも規定するような第1の複数の制御状態を含む溶接状態テーブルと、前記磁気ステアリング信号を少なくとも規定するような第2の複数の制御状態を含む磁界システムの状態テーブルとを含んでおり、
    好ましくは:第1の複数の制御状態は、ピーク波形の制御状態を含み、前記溶接信号は、前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク波形の制御状態に入るときに、ピーク値に移行し、第2の複数の制御状態は、ピーク磁界の制御状態を含み、前記磁気ステアリング信号は、前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク磁界の制御状態に入ったときに、ピーク値に移行し、
    全てのN回について、Nは正の整数であり、前記並列状態ベースの制御装置は、前記ピーク波形の制御状態に入り、前記並列状態ベースの制御装置は、前記ピーク磁界の制御状態に入り、前記磁界は、溶融材料の溶滴の移動中に、前記溶滴の経路に影響を与え、
    好ましくは:前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク波形の制御状態にN回入った後に、前記並列状態ベースの制御装置が、前記ピーク磁界の制御状態に入る前に遅延が存在しており、
    好ましくは:前記遅延は、1〜100ミリ秒である、
    請求項10乃至13のいずれか一項に記載のシステム。
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