JP3198504B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法

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JP3198504B2
JP3198504B2 JP1597499A JP1597499A JP3198504B2 JP 3198504 B2 JP3198504 B2 JP 3198504B2 JP 1597499 A JP1597499 A JP 1597499A JP 1597499 A JP1597499 A JP 1597499A JP 3198504 B2 JP3198504 B2 JP 3198504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の製
造方法に関し、特に、ラビング後の洗浄工程での配向ム
ラを防止することを目的としたラビング後の洗浄処理の
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液晶表示装置は、RGBの色を
配したカラーフィルター基板とトランジスターを配した
TFT基板とを貼り合わせて、セルを構成し、そのセル
の中に液晶を注入して、できている。そして、このカラ
ーフィルター基板やTFT基板(以下、これらについ
て、単に「基板」と記載する)の上には、配向膜が塗布
される。
【0003】一般的な配向膜は、ポリイミドとポリイミ
ドの前駆体であるポリアミック酸であり、配向膜の塗布
方法としては、通常、凸版印刷法、スピンコート法が採
用されている。そして、基板に塗布された配向膜は、オ
ーブンで170〜250℃、1〜3時間程度をかけて焼
成される。この焼成の目的は、ポリイミドを用いた場合
については、溶媒を飛ばして、膜の緻密化を図ることで
あり、ポリアミック酸を用いた場合については、溶媒を
飛ばすこと、および、ポリアミック酸を加水分解してポ
リイミドにすることである。
【0004】また、配向膜が基板上に塗布される位置
は、液晶表示装置の製法上、基板の中心部分だけに限ら
れる。よって、ポリイミド膜の周辺には、基板表面がむ
き出しとなった部分が存在する。基板の中心部分のみに
配向膜が塗布される理由は、配向膜周囲にTFT基板と
モジュール端子とを接続する引き出し配線が位置するこ
と、および、2枚の基板を貼り合わせるためのシール材
を塗布する部位が存在するためである。なお、基板むき
出し部分の最表面の材質は、Cr・Al・Mo・ITO
膜などの配線金属材料、SiNx・SiOxや有機絶縁
膜などの絶縁膜材料やガラスなどである。
【0005】この配向膜付きの基板は、次に、配向膜分
子の方向を一方向に整列するためにラビング処理され
る。ラビング処理とは、ラビング布を巻きつけたロール
で、配向膜を擦る工程である。この時、配向膜表面と共
に配向膜周辺に位置する基板むき出し部も、同時に擦ら
れることとなる。なお、ラビング布材としては、コット
ン・レーヨンなどが一般的である。そして、この物理現
象をともなうラビング処理では、どうしても配向膜の削
れ屑が問題となる。削れの程度は、配向膜硬度・布材硬
度・ラビング条件(ロールの押し付け量・ロール回転数
・テーブルまたはロール移動速度)によって、差が有る
が、削れ屑が問題であることに変わりはない。
【0006】ラビング処理の次に基板は洗浄される。そ
の目的はラビング布から抜けた繊維および配向膜の削れ
屑の除去である。この洗浄処理は、スループットの面か
ら、枚葉方式が一般的に採用されている。
【0007】従来のラビング処理後の洗浄方法(以下、
ラビング洗浄)として、特開平7−120739号公報
に所載のものが知られている。これを図7を用いて説明
すると、ここでは、枚葉方式洗浄装置において、ラビン
グ後、基板の進行方向について、その斜め前方で、基板
に対して35°以上60°以下の方向から、純水などの
液体を噴射する。このために、ノズル701〜704が
設けられており、これらから噴射する液体を、基板上に
流す(流水洗浄を行う)。そして、この洗浄後、次室へ
と搬送された基板には液溜りができるが、これに、エア
ーによる液切り方法に代えて、液体を噴射させ、液溜り
の拡散および持ち出し量の低減を行っている。
【0008】このような処理のメリットは、以下の通り
である。 1.濡れ始めた部分以外、あるいは、待機中の基板上へ
の水跳ねが減少するために、濡れムラが少なくなり、配
向乱れや洗浄ムラに対する対策ができる。 2.基板上に残る水を十分に洗い流せるため、配向膜へ
の、液の残渣による汚れた成分の再付着がなく、この再
付着によるシミ・ムラが発生しない。
【0009】また、特開平7−77677号公報に所載
のラビング洗浄方法については、図8を用いて、以下に
説明する。即ち、この従来例では、洗浄ムラ防止を目的
とする枚葉洗浄機を用いており、具体的には、ラビング
後において、基板を洗浄する洗浄室の手前側に、前段処
理室801を配設し、この前段処理室に、基板表面に付
着した異物を除去するためのエアーナイフ802と、基
板に対して純水を流下させ、その流動純水で基板の表面
全体を層状に覆うための高圧スプレー管803とを具備
している。
【0010】ここでは、先ず、エアーナイフで、基板上
の異物を取り除く。その結果、その後の高圧スプレー管
からの噴射水圧によって、異物が基板表面から除かれ
る。このため、従来のように、純水の洗浄の際に、水圧
で異物が引きずられて、その異物が核となって、純水の
流れに沿って、新たな「しみ」を発生することを、防止
できるのである。
【0011】即ち、高圧スプレー管の設置目的は、洗浄
ムラの防止である。通常、洗浄ムラは、水や純水などの
洗浄液によって、ラビング後の基板を洗浄した場合に、
純水などによって濡れ始める時期に、基板表面でしばし
ば発生しており、この洗浄ムラが消えずに、基板表面に
残ってしまうのであるが、その原因は、配向膜と基板と
の密着性を強化するために、予め、配向膜の下地面に塗
布されたシランカップリング剤が、入水時に、一部、溶
出し、その溶出したカップリング剤が、基板表面に、瞬
時に固着してしまうからである。しかしながら、高圧ス
プレー管を用いれば、基板がカーテン状の純水で速やか
に濡らされるため、シランカップリング剤などの界面活
性剤(異物)が固着し難く、かつ、純水が基板上に滞留
することなく、カーテン状に流れているので、洗浄ムラ
の発生が防止できるのである。
【0012】なお、近年、液晶パネルの製造において、
配向膜塗布前の洗浄能力の向上、クリーンルーム雰囲気
のクリーン化に伴い、基板と配向膜との密着性が悪く
て、配向膜がはじくといった現象は殆ど発生しなくなっ
ており、上述の特開平7−77677号で示されている
ような、シランカップリング剤などの密着強化剤が使用
されるケースは希となり、一般的には使用されなくなっ
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これらの工夫によっ
て、基板上での配向異常(配向ムラ)を防止してきた
が、近年においては、従来の縦電界駆動型パネル(以
下、TNパネル)で問題にならなかったレベルの配向異
常が、横電界駆動型パネル(以下、IPSパネル)では
問題になっている。
【0014】その理由は、主としてパネル構造にあり、
前者(TNパネル)が、一般的にノーマリーホワイトモ
ードパネルであるのに対して、後者(IPSパネル)
が、ノーマリーブラックモードパネルであるためであ
る。後者において洗浄ムラが顕在化する理由は、前者が
電圧無印可状態で白画面あるために、多少の配向ムラが
あっても、画面自体が明るいので、相対的にムラが見え
難いのに対して、後者が黒画面であるために、液晶のダ
ーレクター方向(液晶の並び方向)が一定の向きでない
と配向ムラとして目立つことによる。
【0015】即ち、電圧印可状態においては、前者では
黒画面となるが、その液晶の配向状態は、基板に対して
立ち上がった状態であるために、液晶の並びが一定でな
いことを原因とする配向ムラがあっても、トランジスタ
ー基板とカラーフィルター基板との間で、正規な電圧が
かかれば、配向ムラとはならない。一方、後者では白画
面であるために、TNパネルの電圧無印可状態で説明し
たのと同様に、画面全体が明るいので、配向ムラは見え
難いが、反対に、電圧無印加状態において、配向ムラが
顕著となる。
【0016】本発明において解決すべき課題は、上述の
IPSパネルで発生している配向ムラについてである。
ただし、TNパネルでも、従来から潜在的には発生して
いた配向ムラであるが、上述のような事情から、問題視
されなかった。
【0017】この本発明が対象とする配向ムラは、正規
のラビング方向から液晶のダイレクター方向のずれた
「ムラ」のことで、この定義を、便宜上、IPSパネル
を例にとって説明をする。まず、マクロ的に、パネルの
ムラの部分を目視観察すると、数ミリ〜数センチの範囲
で、筋状または楕円状に、全黒状態で、不均一に光が漏
れる現象が確認できる。さらに、この配向ムラの特徴
は、配向膜端面から水が流れたように、配向膜、即ち、
パネル面内の内側に向かって発生していることである。
次に、ミクロ的に、偏光顕微鏡を用いて観察すると、上
述の「ムラ」は、約10〜50ミクロン程度の大きさ
で、正規のダイレクター方向から約3〜40°程度ずれ
たものの集合体であり、それぞれ、個々のダイレクター
のずれ量の程度は異なるのである。
【0018】パネルを分解して、基板状態において、S
EM観察しても、30万倍程度の観察では、不良部位に
異物は観察されない。また、AFMを用いても、同様に
異物は観察できなかった。このような事情から、本発明
で対象とする配向ムラの原因物質は、先述で取り上げた
ような異物というよりも、寧ろ、分子レベルのコンタミ
ネーション(以下、コンタミ)に起因した「ムラ」とす
るのが妥当である。即ち、本発明で対象とする「配向ム
ラ」は、従来技術でのターゲットである配向ムラとは一
線を画すものである。
【0019】このような、本発明で対象とする「配向ム
ラ」の発生する原因について、以下の製造工程の説明の
中で、明らかにする。配向膜が塗られた後で、基板はラ
ビングされるが、このラビングの際に、配向膜が削られ
るのは、既述したように、布と配向膜とが物理的に接触
するためで、やむなきことである。そして、このラビン
グ布は、数百〜数千枚程度が、製造工程で使用される。
【0020】故に、ラビングの過程で、配向膜の削れ屑
(明らかに異物として削れた配向膜の部分、あるいは、
分子レベルで、異物としては確認できないレベルのもの
を含む)が、布地の毛の間および毛表面へ付着・累積す
る。よって、この汚れた布で基板を処理すると、基板の
周辺に位置する基板むき出し部(配向膜の無い部分)
に、この配向膜の削れ屑が付着あるいは吸着されること
となる。
【0021】また、配向膜上では、配向膜削れ屑が吸着
されるよりも、削れる方向にあり、その削れ屑は吸着し
ているというよりも、寧ろ、付着している程度であるか
ら、エアーナイフなどで容易に取り除くことができる。
このことは、既述の特開平7−77677号公報の中で
も、確認されている。即ち、基板むき出し部に付着ある
いは吸着される配向膜削れ屑には、通常の異物レベルの
ものと、本発明で対象とするコンタミ・レベルのものと
がある。そして、異物レベルのものは、配向膜上と同様
に、エアーナイフなどで容易に取り除くことができる
が、基板に吸着したコンタミ・レベルのものは、殆ど、
取り除くことができない。
【0022】その裏付けテストでは、ラビング後の基板
を、エアーナイフを用いてドライ洗浄した後、400倍
の光学顕微鏡で、異物が無いことを確認しているが、そ
の基板むき出し部を、顕微赤外分光法(マイクロFT−
IR)およびマイクロ質量分析法(マイクロMS)を用
いて分析したところ、配向材に起因したジアミンが確認
されたのである。また、この分析で、吸着量の程度は、
基板むき出し部の材質によって異なることも解った。そ
の程度は、SiNxが最も多く、次にSiOx膜・有機
絶縁膜・ガラスの順であり、ITO膜が最も少ないこと
が解った。
【0023】以上の結果から結論されるのは、配向膜上
および基板むき出し部に付着した配向膜削れによる異物
レベルのものは、従来のエアーナイフを用いた方式で
も、容易に取り除くことができ問題はないが、基板周辺
部に吸着した、配向膜に起因したコンタミは、エアーナ
イフなどのドライ洗浄方式では取り除くことができず、
純水を用いたウエット系洗浄方式でなければならないと
いうことである。
【0024】しかし、従来方法で用いられた、搬送コロ
による単なる枚葉式洗浄方法では、水は、先ず最初に、
基板むき出し部の配向膜の無い部分に当たり、そして、
配向膜上に流れ込むので、その時、基板むき出し部に吸
着されていた配向膜に起因したコンタミも、配向膜上に
流れ込む。この際に、流れ込んだコンタミは、配向膜
上、即ち、パネル表示部分に対して、配向の並びがラン
ダムな状態で再吸着することとなる。その結果、液晶表
示に際して、前述したような、液晶のダイレクター方向
が、正規の向きからずれた配向ムラを引き起こしてしま
う。
【0025】この従来の洗浄方法の致命的な問題点は、
水の流れのみを制御し、水溜りの排除にだけに注目し
て、配向膜周辺の基板むき出し部に、配向膜に起因した
コンタミが吸着していること、および、ラビング直後の
配向膜表面は分子の再配列を行ったばかりで、非常に表
面活性に富んでおり、コンタミなどの不純物を非常に吸
着し易いことを看過していることである。そのため、ラ
ビング後の洗浄で、基板むき出し部に付着したコンタミ
が、配向膜上、即ち、パネル表示面内に吸着し、配向ム
ラをしばしば発生させ、表示品位の低下・歩留まり低下
を引き起こしていた。
【0026】この配向ムラを抑制・回避する方法は、配
向膜表面が吸着活性な状態で、基板むき出し部に付着し
たコンタミと配向膜とを接触させないことである。ラビ
ング後の配向膜表面を不活性にする方法としては、先
ず、大気中に長時間放置し、表面を水和する方法が考え
られる。しかし、パネル製造上、スループット面、クリ
ンルーム大気中に含まれるクリンルーム構成材に起因す
るシロキサン類・フタル酸エステル類、その他プロセス
部材に起因した洗浄液・シール材他の有機物などが大気
中から、配向膜表面への若干の付着が考えられ、配向ム
ラを抑制・回避する方法としては、得策でない。
【0027】そこで、本発明者は、他の方法として、本
発明の骨子となる、強制的に配向膜の吸着活性を落とす
方法を案出した。この方法の要点は、基板中央部に位置
する配向膜表面に、直接、清浄な純水を流下させ、先
ず、配向膜表面の吸着活性を落とすことである。
【0028】即ち、本発明の目的とするところは、配向
膜表面に、直接、清浄な水を流下させ、配向膜表面の吸
着活性を落とした後に、基板むき出し部へ純水を流下
し、洗浄することで、コンタミによる配向ムラのない液
晶表示装置の製造方法を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
基板上に配向膜を塗布し、これをラビング処理した後の
洗浄工程において、前記基板の中央部から周辺部に向か
って、配向膜の表面に純水を流し、配向膜の吸着活性を
落とす工程と、その後、純水シャワー処理により、前記
基板のむき出し部の洗浄を行う工程とを有することを特
徴とする。
【0030】この場合、本発明の実施の形態として、前
記基板の洗浄方向に関して、前記洗浄工程でのノズルシ
ャワーの噴射角が60度〜120度であって、洗浄水を
基板上に拡げるようにしたこと、配向面が複数連続する
多面取りの基板においては、各配向面毎にノズルシャワ
ーが対応して使用されることがそれぞれ望ましい。
【0031】この方法を用いれば、たとえ、基板むき出
し部に吸着していたコンタミが、配向膜上、即ち、パネ
ル表示面内に入り込んだとしても、コンタミは吸着され
ず、配向ムラを引き起こすことがない。なお、洗浄液に
は、純水以外に、低級アルコール、その他の薬液を滴下
しても、配向ムラは抑えられるが、純水と比較して配向
規制力の緩和が大きいため、性能面・価格面・取り扱い
上、特に有利とは言えない。
【0032】また、文意上の理由により、今までの説明
で、基板むき出し部に吸着した配向膜に起因したコンタ
ミについてのみ記載してきたが、ラビングロールに起因
した漂白剤(特に、コットンのような天然繊維に含有)
・合成助材・界面活性材(特に、レーヨンのような合成
繊維に含有)などのコンタミも、同様に、本発明が対象
とする「配向ムラ」を発生させることが分析・実験から
解っており、この技術的課題、解決手段も本発明の範疇
である。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を、図
面を参照して、詳細に説明する。なお、図1はインライ
ン式枚葉洗浄装置を用いた洗浄工程を説明するための模
式図、図2はノズルシャワーによる基板の洗浄の状況を
示す模式的斜視図である。また、図3は搬送コロ方式の
ノズルシャワーによる基板の洗浄の状況を示す模式的正
面図であり、同じく、図4はスピン方式のノズルシャワ
ーについての模式的正面図である。更に、図5は搬送コ
ロ移動方式のノズルシャワーの経時的状況を示す模式的
平面図、図6は多面取り基板についてのノズルシャワー
の配置を示す模式的斜視図である。
【0034】(第1の実施の形態)この実施の形態にお
いて、ラビング処理の終わった基板101は、ラビング
洗浄工程に移される。基板は、搬送コロ102にて搬送
され、先ず、ノズルシャワーユニット103にかけら
れ、次いで、直純水シャワーユニット104、超音波流
下水シャワーユニット105、エアーナイフ・乾燥ユニ
ット106の順で、表面処理される。ここでの本発明の
新規な点は、ノズルシャワーユニット103を新たに設
けて、基板を処理することであり、他のユニットについ
ては、従来例と特に差異はない。
【0035】ノズルシャワーユニット103に搬送され
た基板101は、塗布された配向膜107の中心がノズ
ルシャワー108の真下に位置するまで搬送された後
に、停止される。その後、ノズルシャワー108から純
水が流下して洗浄されるが、基板101上での純水の流
れは、配向面側から、基板むき出し面に向けられる。
【0036】そして、純水の流下終了から2秒後に、基
板は直ちに、直純水シャワーユニット104へ向かって
搬送される。直純水シャワーユニット104から以降の
各ユニットでは、従来の枚葉洗浄機における処理と同
様、基板を停止しないで搬送する。その搬送速度は0.
9m/minとした。直純水シャワーノズル109の純
水流量は、40リットル/分とした。
【0037】また、超音波流下水シャワーユニット10
5には、例えば、芝浦製作所製のMSシャワーSMS−
420のための超音波発信機(例えば、SMP−080
3)110が用いられており、これにより、1.6MH
zで、純水流量:45リットル/分にて、基板上を洗浄
した。更に、エアーナイフ・乾燥ユニット106で使用
したエアーナイフ111は、SUS304製であり、そ
のスリット幅:0.15mm、ドライエアー流量180
リットル/分とした。
【0038】この発明で、最初に使用するノズルシャワ
ーユニット103について、図2を用いて、更に詳述す
る。ノズルシャワー108の構造として、次の4種類に
ついて検討した。これらは、ストレートに真直ぐ水が落
ちるタイプ(噴射角0゜)、噴射角60°、90°、1
20°のものであり、それぞれ、基板上に円形かつ広角
に落ちるタイプを用いた。
【0039】ノズルシャワー108からの純水は、基板
101に印刷された配向膜107の中心に流下される。
その後、純水は配向膜の中心部から周辺へと広がり、基
板むき出し部201を洗浄した後に、基板端面から基板
外へ流れ落ちる。このノズルシャワー流下条件と配向ム
ラとの関係は表1〜表4(○:配向ムラなし、×:配向
ムラあり)に示されている。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】 その結果、ノズルの形状に関係なく、純水流下条件が妥
当ならば、配向ムラは発生しないことが解った。また、
配向ムラの発生した基板では、いずれも、配向膜の全面
が純水にて被覆されないまま、直純水シャワーユニット
104に搬送された基板であることが確認できた。これ
は、基板むき出し部201に吸着したコンタミが、直純
水シャワーユニット104以降で、配向膜表面が吸着活
性な状態のままで、配向膜表面上へ運び込まれたことに
よると結論付けられる。
【0044】なお、実験に使用した基板の大きさは、3
60×470mmサイズの無アルカリガラスであり、印刷
した配向膜の大きさは、320×410mmとした。ま
た、印刷位置は基板に対してセンター割付とした。
【0045】次に、この実施の形態で用いたノズルシャ
ワーユニット103の具体的動作を図3を用いて説明す
る。基板がノズルシャワーユニット103の定位置(配
向膜の中心位置)に搬送されると、エアーナイフ301
からドライエアーが放出される。エアーナイフ条件はス
リット幅:0.2mm、エアー放出量は、それぞれ、2
00リットル/分とした。その後、ノズルシャワー10
8から純水が流下される。なお、ノズルシャワーユニッ
ト103には、純水の廃液配管302と排気管303を
配置した。
【0046】ここで、エアーナイフ301の目的は、純
水ミストが他のユニットに飛散するのを防止するためで
あり、排気管303の目的は、純水ミストが基板へ再付
着するのを防止するためである。
【0047】本発明は先ずラビング後の配向膜表面の吸
着活性を落とした後に、基板周辺部に位置した基板むき
出し部に吸着したコンタミを洗い流すため、たとえ配向
膜上へコンタミが流れ込んだとしても吸着することはな
い。よって、配向ムラは発生しない。
【0048】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態として、図4にノズルシャワーユニット103の
方式を搬送コロ方式からスピン方式に変えた事例を示
す。なお、ここで、ノズルシャワーユニット103に、
排気管402を配置したのは、図3の搬送コロ方式と同
様の目的である。なお、シャッター403は、基板を出
し入れする際に開閉するもので、その目的は、純水の外
部への飛散防止である。基板101の保持は、スピンチ
ャック404で行い、スピン条件は20rpm、4秒間
とした。なお、使用した基板の形状は第1の実施の形態
の場合と同様である。
【0049】ノズルシャワー108は、60°タイプを
用い、純水の流下は、スピン回転と同時に開始し、5秒
間、8リットル/分とした。ここで、ノズルシャワーユ
ニット103以降の基板処理条件は、第1の実施の形態
と同様とした。パネル組した結果、本条件で基板を処理
すれば、配向ムラが発生しないことが確認できた。この
ようにして、第1の実施の形態と同様に、スピン方式も
有効であることが解ったのである。
【0050】(第3の実施の形態)次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。先述の搬送コロ方式の
構成では、ノズルシャワー処理をする際に、基板を一時
停止させていた。しかしながら、この方式では、製造ラ
イン上で、タクトを落としてしまうこととなる。そこ
で、生産性向上のため、基板を停止さぜずに、ノズルシ
ャワー処理をした。
【0051】その実験に用いた基板は、第1の実施の形
態と同様である。これを図5を用いて詳細に説明する。
ここで用いた基板は実施例1で用いたものと同様であ
る。ここでは、基板101が搬送コロにて、0.9m/
分の速度で、ノズルシャワーユニットに搬送されると、
透過式センサーにより、その存在を検出されて、シーケ
ンサー・タイマーがオンする。
【0052】このタイマー稼働中、設定したシーケンス
に従って、ノズルシャワー108から純水が噴射され、
基板上に流下される。即ち、ノズルシャワーの下を、基
板が、その端縁から200mm通過した時、純水を8リ
ットル/分で、5秒間、流下させる。また、ここで使用
したノズルは、60°タイプとした。なお、ノズルシャ
ワーユニットの処理以降の処理条件は、第1の実施の形
態と同様とした。
【0053】パネル組した結果、本条件で基板を処理す
れば、配向ムラが発生しないことが解り、第1の実施の
形態での、基板を停止させる方式に代えて、移動方式に
しても、本発明の目的を達成できることが解った。
【0054】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態では、1枚の基板からパネルを多面取りする場合
が示されている。これを図6を用いて具体的に説明す
る。ここでの基板の大きさは、第1の実施の形態と同様
に、360×470mmであり、印刷した配向膜の大き
さは、基板の、短辺方向:320mm×長辺方向:19
0mmとし、基板の長辺方向に配向膜を2面、並列配置
した。なお、基板端縁から各配向膜端縁、および、これ
ら配向膜の間隔は、それぞれ、30mmとした。
【0055】このような配向膜パターンを印刷した基板
を、第1の実施の形態(純水の流下の条件:10リット
ル/分、5秒、60°タイプノズル)で、更には、第2
および第3の実施の形態と全く同様に処理し、それぞ
れ、パネル組みした結果、全条件で、配向ムラが観察さ
れた。ここで配向ムラが発生した理由は、配向膜の表面
全体が清浄な純水で覆われる前の活性な状態で、基板む
き出し部に吸着したコンタミが、純水と共に配向膜へ流
れ込んだためである。
【0056】そこで、同じ枚葉洗浄機において、図6に
示したノズルシャワー601を用いて、多面取りの基板
について、洗浄を行う場合について検証した。ここで
は、ノズルシャワーの形状は、スリット幅:0.2m
m、長さ:220mmであって、カーテン状に純水が流
下する。また、ノズルシャワーの設置位置は、基板に印
刷した配向膜の各面の中心とした。なお、この実施の形
態で採用した方式は、搬送コロ方式であり、基板を停止
して、純水を噴射する方式とした。
【0057】ここでは、20リットル/分で、5秒間、
純水を流下させた。この条件で、パネルを製造した場合
の結果を検証すると、配向ムラは観察されない。その理
由は、配向膜表面が活性な状態では、コンタミを含んだ
純水が、配向膜面上に流れ込まないためである。
【0058】
【発明の効果】本発明は、以上詳述したようになり、配
向膜表面に、直接、清浄な水を流下させ、配向膜表面の
吸着活性を落とした後に、基板むき出し部へ純水を流下
し、洗浄することで、コンタミによる配向ムラのない液
晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明でのインライン式枚葉洗浄装置を用いた
洗浄工程を説明するための模式図である。
【図2】同じく、ノズルシャワーによる基板の洗浄の状
況を示す模式的斜視図である。
【図3】同じく、搬送コロ方式のノズルシャワーによる
基板の洗浄の状況を示す模式的正面図である。
【図4】同じく、スピン方式のノズルシャワーについて
の模式的正面図である。
【図5】搬送コロ移動方式のノズルシャワーの経時的状
況を示す模式的平面図である。
【図6】多面取り基板についてのノズルシャワーの配置
を示す模式的斜視図である。
【図7】従来例の模式図である。
【図8】他の従来例の模式図である。
【符号の説明】
101 基板 102 搬送コロ 103 ノズルシャワーユニット 104 直純水シャワーユニット 105 超音波流下シャワーユニット 106 エアーナイフ・乾燥ユニット 107 配向膜 108、601 ノズルシャワー 109 直純水シャワーノズル 110 超音波発振器 111、301、802 エアーナイフ 201 基板むき出し部 302、401 純水廃液配管 303、402 排気管 403 シャッター 404 スピンチャック 701,702,703,704 ノズル 801 前段処理室 803 高圧スプレー管

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に配向膜を塗布し、これをラビン
    グ処理した後の洗浄工程において、前記基板の中央部か
    ら周辺部に向かって、配向膜の表面に純水を流し、配向
    面の吸着活性を落とす工程と、その後、純水シャワー処
    理により、前記基板のむき出し部の洗浄を行う工程とを
    有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板の洗浄方向に関して、前記洗浄
    工程でのノズルシャワーの噴射角が60度〜120度
    あって、洗浄水を基板上に拡げるようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 配向面が複数連続する多面取りの基板に
    おいては、各配向面毎にノズルシャワーが対応して使用
    されることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の液
    晶表示装置の製造方法。
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