JP3198424U - 身体の運動機能障害を回復させる電流刺激装置 - Google Patents

身体の運動機能障害を回復させる電流刺激装置 Download PDF

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Abstract

【課題】経皮を電流刺激することにより即時的に筋出力の向上または低下をさせ、身体の運動機能障害を回復させることができる電流刺激装置を提供する。【解決手段】患部に対し電流刺激を与える電流を発生させる電流発生部と、電流発生部に電流を発生させる制御部と、電流発生部で発生させた電流を出力する出力部と、出力部で出力された電流を患部の皮膚表面へ印加する導子14とを備える。制御部は、筋の出力を向上又は抑制させるために、設定電流まで電流を徐々に上昇させるランプアップタイムと設定電流から徐々に電流を弱めるランプダウンタイムを制御する。出力部は制御部で制御されたランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より大きくすることで筋出力を向上させる第1の出力モードと、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より小さくすることで筋出力を低下させる第2の出力モードの少なくとも一方のモードを出力する。【選択図】図1

Description

本考案は、電流刺激装置に関し、より詳しく述べると経皮を電流刺激することにより筋出力の向上または低下をさせ、身体の運動機能障害を回復させる電流刺激装置に関する。
電流刺激により身体機能を回復させる装置として、筋収縮をさせることで筋出力を向上させるEMSが知られている。
EMSとは、Electrical Muscle Simulationのことであり、外部から電気的に運動神経を刺激することで、その神経に繋がる筋肉を断続的に収縮させて、効率的な筋力トレーニングを行わせる装置である。
筋組織に対し強度の負荷をかけ、筋繊維を破壊した後に修復することで筋肉を肥大化し、筋出力を向上させることで身体の運動機能障害を回復させる装置である。
それゆえ、EMSは筋収縮を引き起こすような強い電流刺激を与える。しかしながら、筋肉に突然強度の電流刺激を与えると刺激が強すぎるので、設定電流へ徐々に電流を上げていく「電流のかけ方」に様々な工夫がされている。(例えば引用文献1)
特開2009−225810号公報
EMSは強い電流刺激により筋肉を断続的に収縮させて、効率的な筋力トレーニングを行わせ、筋肉を肥大化させるものである。その結果として筋出力が向上するものであり、筋が肥大化するまでは筋出力を向上させることはできない。
つまり、即時的に筋出力を向上させることはできないという課題があった。
一方、運動機能障害には様々な状態の障害があり、筋が過度に収縮することにより運動機能障害を引き起こしている障害もある。
この様な運動機能障害には過度な筋収縮を脱力させて弛緩させる必要があるが、従来の電流刺激装置では、この様な運動機能障害を回復させることは出来なかった。
この様な過度の筋収縮を緩和させる手段として、例えば脳性麻痺患者に対するボトックス注射がある。この治療は、ボツリヌス菌を筋に収縮している筋に注射し、筋収縮を弛緩させるものである。しかしながら、効果に永続性はなく、定期的に注射を繰り返す必要がある。また、定期的に投与すると、菌に対して免疫がついてしまい、効果が弱くなってしまうという課題や、呼吸障害や嚥下障害が起きるリスクがあるという課題があった。また、医療機関にて治療を受けるしかないという課題がある。
上記した課題を解決するために本考案にかかる電流刺激装置は、患部に対し電流刺激を与える電流を発生させる電流発生部と、前記電流発生部に電流を発生させる制御部と、前記電流発生部で発生させた電流を出力する出力部と、前記出力部で出力された電流を患部の皮膚表面へ印加する導子とを備え、前記制御部は、筋の出力を向上又は抑制させるために、設定電流まで電流を徐々に上昇させるランプアップタイムと設定電流から徐々に電流を弱めるランプダウンタイムを制御し、前記出力部は前記制御部で制御された前記ランプアップタイムと前記ランプダウンタイムを1秒より大きくすることで筋出力を向上させる第1の出力モードと、前記ランプアップタイムと前記ランプダウンタイムを1秒より小さくすることで筋出力を低下させる第2の出力モードの少なくとも一方のモードを出力することを特徴とする。
このように第1の出力モードと第2の出力モードの少なくとも一方を用いて患部に施術することにより、即時的に筋出力を向上又は低下させることができるので運動機能障害を即時的に緩和することができる。また、医療機関に罹ることなく簡易に過度な筋収縮を脱力させて弛緩させることができる。
また、本考案の電流刺激装置の出力部は複数設けられており、各々の出力部は、筋出力を向上させる前記第1の出力モードと筋出力を低下させる前記第2の出力モードとをユーザが任意に選択することができ、かつ、前記第1の出力モードと第2の出力モードとを同時に出力させることを特徴とする。
このように異なる出力モードを同時に出力することができるという構成により、例えば、拮抗筋に関する障害を起している患者に対し、収縮しすぎている筋に対しては筋出力を低下させる第2の出力モードを選択して電気刺激を与えることで筋出力を低下させ、筋出力が足りない筋については、筋出力を向上させる第1の出力モードを選択し、筋出力を向上させることで、運動機能障害の要因となっている複数の要因に対して同時に電流刺激を与えることができる。このような構成とすることにより、運動機能障害を効果的に回復させることができる。
本考案は、機能回復させたい筋の経皮上から電流刺激を与えることにより、即時的に筋出力の向上又は低下をさせることができる。
特に、筋の収縮が強すぎることで生じている運動機能障害に対し、その筋出力を低下させることで運動機能障害を回復することができる。
本考案にかかる電流刺激装置100の正面図である。 本考案にかかる電流刺激装置のブロック図である。 本考案に係る第1の出力モードを示す波形である。 本考案に係る第2の出力モードを示す波形である。 本考案にかかる電流刺激装置400の正面図である。
通常、筋が収縮するためには、脳から神経を通じて動かしたい筋に命令(電気信号)を出し、その命令を受けて筋は収縮する。
その際、筋の発揮できる力(筋力)は基本的には筋肉の断面積に比例する。しかし、実際に出力する筋力は、単純に筋肉の断面積だけでは決まらず、その筋肉の総量の内、何パーセントを使いこなしているか否かが筋力発揮の大きな要因となる。
つまり、脳が神経を通じて、筋に命令を伝えるときの命令量が多いほど、筋はたくさんの筋線維を収縮させる事ができ、大きな力(筋力)を発揮できる。
そして、一般的には、最大筋力を発揮しているつもり(最大努力)であっても、実際は筋に最大の命令が伝わっているわけではなく、全体の何割かの筋に命令がいっているだけの事が多い。
その割合には個人差があり、同じ量の筋肉を持っていても筋力差が生じる原因となっている。また、通常は、最大の命令でも筋の約60%〜70%の筋にしか命令が届いていないと考えられている。何故なら、筋の持つ筋力を100%発揮すると、腱や骨、関節、さらには筋自身に負担がかかりすぎるため、一種の防衛措置として100%の命令がされない様に制御されている。
本考案は、この筋に伝わる約60%〜70%の命令量を増やす事で筋出力を向上させ、命令量を減らす事で筋出力を低下させると考えられる。
本考案について、この筋に伝わる約60%〜70%の命令量を増やす事を促通と定義し、命令量を減らす事を抑制と定義する。
つまり、「促通」を選択すると筋出力が向上し、「抑制」を選択すると、筋出力を低下させる。
本考案は、筋出力を向上させる第1の出力モードと、筋出力を低下させる第2の出力モードとのいずれか一方、又は両方のモードを出力することができ、身体に運動機能障害を抱えている患者の機能回復を図ることができる。
例えば、関節等に障害を抱え、痛みを抱えている患者等は、本来使うべき筋肉がうまく使えていない運動機能障害をもっている。また、このうまく使えてない筋肉を補うために、その周囲の特定の筋肉を使用している。
これらのうまく使えていない筋肉は筋力が弱っているため、筋出力を向上させて筋の機能を回復し、逆に、周囲の特定の筋肉は筋出力が強すぎるため、筋出力を低下させることで運動機能障害から回復させる。
このような筋収縮の異常による運動機能障害から回復させることを目的とする装置について提供する。
ここで、本考案の特徴について述べる。
本考案の特徴は、即時的に筋出力の向上と低下ができることである。
この効果を得るには、ランプアップタイムとランプダウンタイムにかける時間が重要となる。
ランプアップタイムとは、ライズタイムコントロールとも呼ばれるもので、開始後すぐに設定した電流をかけるのではなく、徐々に設定された電流まで上昇させる時間をいい、ランプダウンタイムはその逆で、徐々に電流を低下させる時間をいう。一般的には筋に対する刺激を緩和するために設けられている。
本考案者は、筋出力を向上させるには、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より大きくすることであり、筋出力を低下させるには、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より小さくすることが条件であることを見出した。
このランプアップタイムとライプダウンタイムは図2に示すように、CPU19にて制御され、出力回路20を経て導子14から出力される。
第1の出力モードは、図3aに示すように、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より大きくした出力モードであり、筋出力を向上させるモードである。(以下、促通モードといいう。)つまり、低下した筋出力の回復を図るモードである。
例えば、介護現場での寝たきり患者や、心疾患、呼吸器疾患、糖尿病患者などの廃用性筋委縮により低下した筋出力を回復させたり、整形疾患の術後の廃用性筋委縮予防等、リハビリテーションに用いる事ができる。
整形外科や接骨院においても、肩関節や膝関節の疼痛で筋力低下や筋バランスを主な原因とする疾患の治療・可動域制限改善に有用である。
第2の出力モードは、図3bに示すように、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より小さくした出力モードであり、筋出力を低下させるモードである。つまり、必要以上に筋収縮を起こしている状態の筋肉の収縮を弛緩し、抑制するモードである。(以下、抑制モードという。)
例えば、腰痛や肩こりなどの患部に過度の筋緊張のある患者に対して有効である。
[実施例1]
以下、本考案について、図面を参照しながら述べる。
本実施例は、低周波治療装置(1Hzから1,200Hz)を用いて運動機能障害を回復させることを目的とした電流刺激装置100について述べる。
運動機能が低下している患者の患部上に、経皮的に刺激を与えることで、その神経に付随する筋肉の筋出力を向上又は低下させ、低下した身体機能の障害を回復させる電流刺激装置100であり、図1に示すように、本体10と、その電流を印加する導子14から構成される。
電流刺激装置100の正面には、各種SW(操作スイッチ)が設けられている。11は電源SWである。12はスタート/ストップSWである。また、装置100の下面には導子14を接続する出力口が設けられている。
出力モードとしては、筋出力を向上させる第1の出力モードと、筋出力を低下させる第2の出力モードがある。この出力モードは装置ごとに固定したモードとしてもよいし、いずれかのモードをユーザが選択するものとしてもよい。使用する患者の運動機能障害の状態に合わせてモードを選択する。
図2は電流刺激装置100の主要な構成を示すブロック図である。
図2において、電源部15から出力される電源電圧Vccは、制御電圧回路17で必要な電圧に制御され、CPU19、メモリ21、昇圧回路16、その他必要な回路に供給される。また、CPU19で制御される出力回路20へも供給される。
まず、電流発生部について述べる。
電流発生部は、出力回路20と、昇圧回路16から供給された電圧Vccと、CPU19から構成される。
出力回路20は、昇圧回路16から供給された電圧Vccと、CPU19からの信号を受けて、電流を生成する。
本考案は、筋収縮を起こさせるような電流を用いる。
次に制御部について述べる。
制御部は、CPU19と、制御電圧回路17、電源電圧監視回路18、メモリ21から構成される。CPU19はEEPROMからなるメモリ21や、上述した各SW、更にクロックを発生する源発振機が接続され、周波数の制御をしている。また、CPU19は、電源電圧監視回路18により電源電圧Vccを監視している。また、CPU19は、ランプアップタイムやホールドタイム、ランプダウンタイムやオフタイムについての時間制御もおこなっている。
尚、制御プログラム用ROMや作業用RAM等のメモリ21はCPU19とワンチップに構成されている。
制御電圧回路17は、電源部15から供給された電源をCPU19等の制御に必要な電圧に変換し、供給する。
次に出力部について述べる。
出力部は、出力回路20と極性切替回路22とで構成される。
出力回路20で生成された電流と電圧は、極性切替回路22で極性が切替られてパルス信号となり、出力端子から導子14へ出力される。
操作部は、SW(スイッチ)11、SW12から構成され、電源の投入(SW11)や、スタート/ストップSW12を押すことで、施術が開始される。
次に、動作について説明する。
電源SW11により電源を投入し、スタート/ストップSW12を押して施術を始める。
施術が完了したら、再度スタート/ストップSW12を押して終了する。
尚、モード選択SWを設け、出力部ごとにモードを選択する構成としてもよい。
まず、第1の出力モードについて説明する。
第1の出力モードは、筋出力を向上させるモードであり、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より大きくした出力モードである。
つまり、設定した電流まで1秒より長い時間をかけて徐々上げていき、その設定した電流にて数秒間出力した後、1秒より長い時間をかけて徐々に電圧を下げていく制御である。このような制御はCPU19と出力回路20にて行う。
第2の出力モードは、筋出力を抑制するモードであり、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より小さくした出力モードである。
つまり、設定した電流まで1秒より短い時間で上げていき、その電流にて数秒間出力した後、1秒より短い時間で電流を下げていく制御である。このような制御はCPU19と出力回路20にて行う。
ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒に設定すると、筋出力の促通、抑制のどちらも起こらない。
しかし、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より大きく設定すると、筋出力の向上効果が認められる。好ましくは1.1秒から4.0秒の範囲で促通の効果があり、特に促通の効果があるのは1.1秒から3.0秒の範囲である。
一方、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1秒より小さく設定すると、筋出力の抑制効果が認められる。好ましくは0.1から0.9秒の範囲で抑制の効果がある。
この様な数値範囲を導き出した実験については後ほど試験例2として詳述する。
導子14は公知技術の導子14で構わない。また、導子14の設置場所は、機能回復させたい筋肉の上であればどこでもいい。
以下、試験例について述べる。
[試験例1]
この試験は、電流刺激装置100により、筋出力の向上や低下をさせることができたことを証明する試験である。また、即時的に筋出力を変化させることから、筋出力の向上が筋肥大によるものではないことを証明する試験である。
20代から40代の各年代の男性を被験者として、電流刺激装置100に接続した導子14を右脚の中臀筋に貼付け、第1の出力モードである筋出力促通モードと、第2の出力モードである抑制モードを施術し、施術前後の右脚外転の力を計測した。
計測には株式会社アニマ社製の筋力計 μTas F−1を用いた。これを右脚の外踝の上に設置した。
また、トリックモーション(代替えの筋肉による運動)を起こりにくくするために、左側の足は壁へ密着させた。
A群として、施術前の被験者各々の力を計測し、その後、促通モードを施術して計測、次に抑制モードを施術し計測、その後に再び促通モードを施術して計測を行った。
尚、次の施術までのインターバル間隔は20分とした。
B群として、施術前の被験者各々の力を計測し、その後、抑制モードを施術して計測、次に促通モードを施術し計測、その後に再び抑制モードを施術して計測を行った。
尚、次の施術までのインターバル間隔は20分とした。
促通モードのパラメータは以下の通りである。
周波数70Hz、出力30mA、出力時間5分、ランプアップタイム1.5秒、ホールド2.0秒、ランプダウンタイム1.5秒、オフタイム3.0秒
一方、抑制モードのパラメータは以下の通りである。
周波数70Hz、出力30mA、出力時間5分、ランプアップタイム0.5秒、ホールド4.0秒、ランプダウンタイム0.5秒、オフタイム3.0秒
A群の結果を以下の表1として表す。尚、単位Nはニュートンである。
Figure 0003198424
B群の結果を以下の表2として表す。尚、単位Nはニュートンである。
Figure 0003198424
結果から解るように、A群・B群ともに促通では筋出力の向上が、抑制では筋出力の低下を起こすことが証明された。
また、即時的に筋出力の向上(促通)と低下(抑制)を起こすことができることが証明された。
以上の試験結果から、電流刺激装置100を用いることで、即時的に筋出力の向上と低下をさせることができる。
また、施術後すぐに効果が表れていることから、筋収縮により筋を肥大させ、その結果として筋出力を増強したものではないことが証明された。
一方、抑制モードで刺激を与えると、筋出力の低下がみられる。このような効果は従来のEMSにはできないものである。更に、筋出力の向上、低下効果には持続性も見られた。
また、促通モードでは、命令量を増やした筋に対して筋を収縮させることができるので、通常のEMSでは収縮させることができない筋も収縮させることができる。これにより効率的に筋肥大をさせることができる。また、この筋肥大の結果として筋出力の更なる向上が望める。
一方、抑制モードでは、命令量を減らした筋に対して、筋出力を低下させた状態で筋を収縮させることができるので、代償動作等に起因した「コリ」などの過度の筋緊張生じている筋に対し、筋収縮させることによりマッサージ効果で緩解させ、かつ抑制することで再び筋緊張状態になることを予防することができる。
[試験例2]
次に、ランプアップタイムとランプダウンタイムの範囲について試験した。
試験はランプアップタイムとランプダウンタイムの秒数を変化させ、その他の条件は試験例1と同様の条件で行った。各秒数での試験後に都度、抑制を行い施術前の筋出力に戻ったことを確認した上で、次秒数の試験を行った。
促通モードについてのランプアップタイムとランプダウンタイムを以下の表3のように設定した。尚、単位は(秒)である。
Figure 0003198424
結果として、1.1秒〜3.5秒の範囲で筋出力の向上が見られた。中でも3.0秒は最も出力が向上した。尚、施術前よりは向上しているものの4.0秒では多少の低下が見られた。
抑制モードも同様に、ランプアップタイムとランプダウンタイムを以下の表4のように設定した。各秒数での試験後に都度、促通を行い施術前の筋出力に戻ったことを確認した上で、次秒数の試験を行った。尚、単位は(秒)である。
Figure 0003198424
結果として0.9から0.1の範囲で筋出力の低下が見られた。なかでも、0.5秒は最も出力が低下した。
以上の試験より、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1.1秒から4.0秒、好ましくは1.1秒から3.0秒に設定することで筋出力の向上をさせることができる。
一方、ランプアップタイムとランプダウンタイムを0.9秒から0.1秒に設定することで筋出力を低下させることができる。
結果として、促通モードを施術した患者には即時的に筋出力の向上がみられ、抑制モードを施術した患者も即時的に筋出力の低下が見られた。
以上の結果より、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1.1秒以上4秒以下とすることで筋出力を向上させることができ、ランプアップタイムとランプダウンタイムを0.1秒以上0.9秒以下とすることで筋出力低下させることができることが証明された。
また、施術後すぐに効果が表れていることから、筋収縮により筋を肥大させ、その結果として筋出力を増強していないことも証明された。
また、即時的に筋出力の低下もみられる。このような結果は従来のEMSにおいてはできないものである。更に、筋出力の向上、低下効果には持続性も見られた。
[実施例2]
本実施例は、中周波治療器(1,201Hzから10,000Hz)を用いて運動機能障害を回復させることを目的とした電流刺激装置200について述べる。
尚、実施例1とは、周波数と電流値が異なるだけであるので、その他については説明を省略する。また、行った試験及び結果も同様であった。
促通モードのパラメータは以下の通りである。
周波数2500Hz、出力45mA、出力時間5分、ランプアップタイム1.5秒、ホールド2.0秒、ランプダウンタイム1.5秒、オフタイム3.0秒
促通モードでは、命令量を増やした筋に対して筋を収縮させることができるので、通常のEMSでは収縮させることができない筋も収縮させることができる。これにより効率的に筋肥大をさせることができる。また、この筋肥大の結果として筋出力の向上が望める。
また、中周波を用いることで、体内深部への刺激が可能となり、例えば大腿四頭筋、腹筋、脊柱起立筋等の運動機能障害を回復させることができる。
一方、抑制モードのパラメータは以下の通りである。
周波数2500Hz、出力45mA、出力時間5分、ランプアップタイム0.5秒、ホールド4.0秒、ランプダウンタイム0.5秒、オフタイム3.0秒
抑制モードでは、命令量を減らした筋に対して、筋出力を低下させた状態で筋を収縮させることができる。代償動作等に起因した「コリ」などの過度の筋緊張生じている体内深部の筋に対し、筋収縮させることによりマッサージ効果で緩解させ、かつ抑制することで再び筋緊張状態になることを予防することができる。
結果として、促通モードを施術した患者には筋出力の向上がみられ、抑制モードを施術した患者には筋出力の低下が見られた。
以上の結果より、周波数や電流値に関係なく、ランプアップタイムとランプダウンタイムを1.1秒以上3秒以下とすることで筋出力を向上させることができ、ランプアップタイムとランプダウンタイムを0.1秒以上0.9秒以下とすることで筋出力低下させることができることが証明された。
また、即時的に筋出力の向上と低下を起こすことができることが証明された。
[実施例4]
本実施例では、電流刺激装置400について述べる。電流刺激装置400は、出力部が2個ある多チャンネル式電流刺激装置である。各チャンネルはユーザが任意に出力モードを設定可能である。
多チャンネル式の出力にする構成は既知の構成を用いればよい。例えば、CPU19から複数の出力回路へ出力させる構成とすればよい。
出力チャンネルが複数個あることで、運動機能障害を起こしている患部の過度に収縮している筋には抑制モードを、筋出力が足りない筋には促通モードを設定し、同時に施術することでより効果的に運動機能障害を回復させることができる。主として運動機能障害を引き起こしている拮抗筋へ施術する。
本実施例では、一例としてチャンネル1は促通モード、チャンネル2は抑制モードを選択した。
促通モードのパラメータは以下の通りである。
周波数2500Hz、出力45mA、出力時間5分、ランプアップタイム1.5秒、ホールド2.0秒、ランプダウンタイム1.5秒、オフタイム3.0秒
一方、抑制モードのパラメータは以下の通りである。
周波数2500Hz、出力45mA、出力時間5分、ランプアップタイム0.5秒、ホールド4.0秒、ランプダウンタイム0.5秒、オフタイム3.0秒
これを、上腕に麻痺を有する患者に施術した。この患者は、上腕二頭筋が過度に収縮しており、上腕三頭筋が弛緩している。
この筋収縮を過度に引き起こしている上腕二頭筋には抑制モードを、筋収縮を起こさせたい上腕三頭筋には促通モードを施術した。
結果として、麻痺を起している上腕の可動部の可動範囲が拡大したことから、運動機能障害の回復が見られた。
以上の結果より、運動機能障害を起こしている患部に促通モードと抑制モードとを同時に施術することで、より効果的に運動機能障害を回復させることができる。更に、従来よりも優れた持続性も見られた。
その他、装置本体には現在の施術モードやパラメータ、経過時間等を表示する表示部を設けても構わない。また、導子14への出力チャンネルは2つと例示したが、これに限定されるものではなく、複数であればチャンネル数は問わない。
更に、選択スイッチを設けて一つの装置で低周波、中周波を発生させるような装置としてもよい。
また、促通モード、抑制モードの出力はユーザが任意に変更できるようにしてもよい。例えば、5段階の出力レベル調整SWを設けて、ユーザの好みの出力としてもよい。
尚、記載したパラメータは一例であって、このパラメータに限定するわけではなく、均等の範囲に及ぶことを注意的に記載しておく。
10 本体
11 電源スイッチSW11
12 スタート/ストップSW13
14 導子
15 電源部
16 昇圧回路
17 制御電圧回路
18 電源電圧監視回路
19 CPU
20 出力回路
21 メモリ
22 極性切替回路
100 電流刺激装置
400 多チャンネル式電流刺激装置

Claims (5)

  1. 患部に対し電流刺激を与える電流を発生させる電流発生部と、
    前記電流発生部で発生させた電流を制御する制御部と、
    前記制御部で制御した電流を出力する出力部と、
    前記出力部で出力された電流を患部の皮膚表面へ印加する導子とを備え、
    前記制御部は、筋の出力を向上又は抑制させるために、設定電流まで電流を徐々に上昇させるランプアップタイムと前記設定電流から徐々に電流を下降させるランプダウンタイムとを制御し、
    前記出力部は前記制御部で制御された前記ランプアップタイムと前記ランプダウンタイムを1秒より大きくすることで筋出力を向上させる第1の出力モードと、前記ランプアップタイムと前記ランプダウンタイムを1秒より小さくすることで筋出力を低下させる第2の出力モードの少なくとも一方のモードを出力することを特徴とする電流刺激装置。
  2. 前記第1の出力モードのランプアップタイムとランプダウンタイムは1.1秒以上4秒以下であり、前記第2の出力モードのランプアップタイムとランプダウンタイムは0.1秒以上0.9秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の電流刺激装置。
  3. 前記出力部は複数であって、各々の出力部は、筋出力を向上させる前記第1の出力モードと筋出力を低下させる前記第2の出力モードとをユーザが選択できる選択部を備え、前記第1の出力モードと前記第2の出力モードとを同時に出力させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電流刺激装置。
  4. 前記制御部は低周波パルスを制御することを特徴とした請求項1乃至3に記載の電流刺激装置。
  5. 前記制御部は中周波パルスを制御することを特徴とした請求項1乃至3に記載の電流刺激装置。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111053973A (zh) * 2019-12-31 2020-04-24 北京雅果科技有限公司 一种用于电刺激腹部穴位和肌肉的刺激信号控制方法

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CN111053973A (zh) * 2019-12-31 2020-04-24 北京雅果科技有限公司 一种用于电刺激腹部穴位和肌肉的刺激信号控制方法

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