JP3198259U - コリメータ - Google Patents

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Abstract

【課題】回転照射法による精度の高い半価層測定が可能なコリメータを提供する。【解決手段】コリメータ100は、回転照射法による半価層測定に用いられ、内部に線量計10を収容する。コリメータ100は、筐体110と線量計固定手段120とを備える。筐体110は、箱状をなす支持材114の外周がX線遮蔽材112で覆われ、X線源に向く一面に、X線源から照射されたX線が通過するスリット110bが形成されている。線量計固定手段120は、筐体110内に線量計10を着脱可能に固定する。スリット110bと、線量計固定手段120によって筐体110内に固定された線量計10が備える検出器領域10aと、の間は、X線源から照射されたX線の散乱線成分が半価層測定値に影響を与えない所定距離を有する。【選択図】図1

Description

本考案は、コリメータに関する。
近年、CT検査における被ばく線量の増加が懸念されており、装置の出力線量の把握や線質評価が重要視されている(非特許文献1)。
実効線量や組織の吸収線量を算出するためには、実効エネルギーを知ることが不可欠であり、実効エネルギーを算出するためには、半価層測定が必要となる(非特許文献2)。
半価層測定の方法については、従来から、X線管球を0度(下側)に固定して半価層測定を行う“固定照射法”が知られていた。しかしながら、X線管球を固定するためには、CT装置におけるメンテナンスモードからの設定が必要となるため、すべての施設のCT装置で固定照射法が実施可能とは限らなかった。
回転照射法の代替法として、X線管球を固定せずに半価層測定を行う“回転照射法”が提案されている。回転照射法は、CT装置のX線管球の固定が困難な施設においても、簡便に行うことができる方法といえる。
回転照射法では、X線管球が回転しているため、ガントリ内の寝台に置かれた線量計には、X線管球からの0度方向以外のX線も照射されることになる。その結果、固定照射法に比して、半価層測定値が高くなるという問題点がある。これを防ぐために、X線管球からの0度方向以外のX線が、線量計に照射されないようにする工夫が必要である。
回転照射法において、X線管球からの0度方向のみのX線を線量計に入射させるように、鉛枠の上部にX線が通過可能な隙間を設けたX線遮蔽器具の使用が提案されている。この場合、線量計は、X線遮蔽器具の中に収容されて、回転照射法による半価層測定に供される。
回転照射法で使用可能なX線遮蔽器具がいくつか提案されている。
非特許文献3には、1辺25cm程度の鉛枠で構成され、上部に2cm程度の隙間が設けられた、電離箱線量計用のX線遮蔽器具が開示されている。
非特許文献4には、鉛板で構成された、扁平な直方体形状のX線遮蔽器具であって、上部に隙間が設けられた、半導体線量計用のX線遮蔽器具が開示されている。
長島他、日本放射線技術学会誌、2005;61(3):385−391. Gonzalez et al.Arch Intern Med 2009;169(22):2071−2077. 標準 X線CT画像計測、監修者:日本放射線技術学会、編著者:市川 勝弘、村松 禎久:230−234頁 赤石 泰一他、北海道放射線技術雑誌、76:March,2014:30−31.
しかしながら、非特許文献3に記載のX線遮蔽器具は、大型であり、かつ重いため、持ち運びや使い勝手の点で難点を有しており、また、より精度の高い測定が可能な半導体線量計には使用できないものであった。また、非特許文献4に記載のX線遮蔽器具では、電離箱線量計を用いた固定照射法と比較した場合、半価層測定値の相対誤差が大きく、測定精度の点で課題を残していた。
本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、回転照射法による精度の高い半価層測定が可能なコリメータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案の第1の観点に係るコリメータは、
回転照射法による半価層測定に用いられ、内部に線量計を収容するコリメータであって、
箱状をなす支持材の外周がX線遮蔽材で覆われ、X線源に向く一面に、当該X線源から照射されたX線が通過するスリットが形成された筐体と、
前記筐体内に前記線量計を着脱可能に固定する線量計固定手段と、
を備え、
前記スリットと、前記線量計固定手段によって前記筐体内に固定された前記線量計が備える検出器と、の間は、前記X線源から照射されたX線の散乱線成分が半価層測定値に影響を与えない所定距離を有する、
ことを特徴とする。
例えば、前記線量計固定手段は、前記線量計を載置するトレーである。
例えば、前記筐体の外表面に、X線照射基準線が設けられている。
例えば、前記X線遮蔽材の外側は、さらにカバー材で覆われている。
例えば、前記スリットと、前記線量計固定手段によって前記筐体内に固定された前記線量計が備える検出器と、の間の距離は、36mm以上である。
本考案によれば、回転照射法による精度の高い半価層測定が可能なコリメータを提供することができる。
本考案の一実施形態であるコリメータの斜視図である。(a)は、筐体内に、線量計が載置されたトレーを収容した状態を表す図であり、(b)は、筐体から、線量計が載置されたトレーを引き出した状態を表す図である。 トレーの斜視図である。 筐体の積層構造、及びスリットと、トレーによって筐体内に固定された線量計が備える検出器と、の間の距離を説明する断面図である。 本考案の一実施形態であるコリメータを用いて、回転照射法による半価層測定を行う様子を説明する図である。
まず、本考案の一実施形態によるコリメータ100について詳細に説明する。
本考案の一実施形態によるコリメータ100は、図1(a)、(b)に示すように、X線遮蔽材112を備える筐体110と、筐体110内に線量計10を着脱可能に固定するためのトレー(線量計固定手段)120と、を備える。なお、コリメータ100の前後の向きは、図1、図3に示す通りである。
コリメータ100は、図4に示すように、CT装置のX線源(X線管球)20を固定しないで半価層を測定する回転照射法において、X線源20からの0度方向のX線Rが線量計10に照射されるように、0度方向以外のX線を遮蔽するために用いるものである。なお、本実施形態によるコリメータ100に用いられる線量計10は、半導体線量計である。線量計10の上面には、検出器領域10a(図1(b)、図3)が設けられており、検出器領域10aの鉛直方向の下方部(線量計10内部)には、検出器10b(図3)が備えられている。
筐体110は、図4に示すように、X線源20からの0度方向のみのX線Rが線量計10の検出器領域10aに照射されるように、0度方向以外のX線を遮蔽する役割を果たす。筐体110は、図1(a)、(b)、図3に示すように、側方の一面が開放された直方体矩形状の箱形状をなす。筐体110を構成する各面は、X線遮蔽材112を、その内側から支持する支持材114と、その外側を覆うカバー材116と、で挟み込んだ三層構造で構成されている。X線遮蔽材112は、X線源20からの0度方向以外のX線をカットする役割を果たし、厚さ3mmの鉛板で構成されている。3mmの鉛板では、計算上、100kVのX線を10万分の1に低減可能であり、十分なX線遮蔽能力が得られる。支持材114は、厚さ3mmの鉛板であるX線遮蔽材112の変形を防ぎ、かつ、X線遮蔽材112を支持する役割を果たし、厚さ3mmのアクリル板で構成されている。カバー材116は、厚さ3mmのアクリル板(艶無し、黒色)である。筐体110は、前方に、トレー120を出し入れするための開口部110aを有し、筐体110の上面、両側面、底面及び背面(つまり、開口部110aを有する面以外の面)は、支持材114とカバー材116とで挟み込まれたX線遮蔽材112で覆われている。筐体110の上面(X線源20に向く一面)には、スリット110bが形成されている。スリット110bは、収容される線量計10の検出器領域10aの水平方向の大きさ及び形状と略同一の大きさ及び形状で形成され、本実施形態においては、幅3mm、長さ22mmの矩形型に形成されている。X線源20から照射されたX線Rは、スリット110bを通過して、線量計10の検出器領域10aに入射する。なお、筐体110の外表面(本実施形態において、カバー材116の外表面)には、前後方向及び左右方向にX線照射基準線110c(L1、L2、L3、L4)が設けられている。X線照射基準線110cは、筐体110の上面に描かれた、スリット110bの略中央点で直交する2本の直線(L1、L2)と、筐体110の両側面に描かれた、線量計10の検出器10bの高さ方向の水平延長線(L3)及び直線(L1)を筐体110の両側面に延長させた直線(L4)の直交2直線(L3、L4)と、からなる。X線照射基準線110cは、回転照射法による半価層測定の際に、線量計10の検出器10bの位置(検出中心)を、CT装置のアイソセンターに合わせるために用いられる。
トレー120は、筐体110内に線量計10を着脱可能に固定する役割を果たす(図1(a)、(b))。トレー120は、図2に示すように、矩形状プレート120cの前後の端部に、線量計10を載置して固定するための前方固定枠120a及び後方固定枠120bを備える。矩形状プレート120c、前方固定枠120a及び後方固定枠120bは、アクリル板で構成されている。線量計10は、前方固定枠120aと後方固定枠120bとの間に隙間無く収容され、矩形状プレート120c上に固定されて載置される。矩形状プレート120cの幅は、筐体110の開口部110aの幅と略同一であり、矩形状プレート120cの奥行きは、筐体110内部の前後方向の奥行きと略同一であり、トレー120に線量計10を載せた状態で、筐体110内の底部に収容して固定することができる(図1(a)、(b))。なお、前方固定枠120aの中央部には、線量計10に接続されたUSBコネクタ(図示せず)をコリメータ100の外部に通すことのできるU字切欠120dが形成されている。線量計10にUSBコネクタを接続することで、充電しながらの半価層測定が可能となる。
スリット110bと、トレー120によって筐体110内に固定された線量計10が備える検出器10bと、の間の距離(以下、本明細書において「スリット−検出器間距離」という)は、本明細書において、スリット110bにおけるX線遮蔽材112の下縁と、線量計10の検出器10bと、の間の鉛直方向の距離であり、図3において距離“D”で表される。「スリット−検出器間距離」は、“X線源20から照射されたX線の散乱線成分が半価層測定値に影響を与えない所定距離”とされる。本明細書において、“X線源20から照射されたX線の散乱線成分が半価層測定値に影響を与えない所定距離”とは、コリメータ100を用いた回転照射法による半価層測定に基づき算出された実効エネルギーが、固定照射法による半価層測定に基づき算出された実効エネルギーに対して、相対誤差が、好ましくは3%未満、より好ましくは2%未満、さらに好ましくは1%未満となる、「スリット−検出器間距離」の距離と定義される。「スリット−検出器間距離」は、検出器領域10aまで届く散乱線成分を減少させる観点から、例えば36mm以上であり、例えば36mm〜200mmであってもよく、例えば36mm〜150mmであってもよい。本実施形態において、「スリット−検出器間距離」は、58mmである。
次に、本実施形態に係るコリメータ100の使用方法の一例について説明する。
まず、線量計10を載せたトレー120を、筐体110内に収容し、固定する(図1(a)、(b))。次に、CT装置の寝台40上に、線量計10を収容したコリメータ100を置く(図4)。この際、CT装置から射出された位置決め用レーザービームに、筐体110の外表面に設けられたX線照射基準線110cを位置合わせすることで、線量計10の検出器10bの位置(検出中心)を、CT装置のアイソセンターに合わせる。次に、CT装置を作動させて、ガントリ30内でX線源(CT管球)20を回転させる。この際、X線源20から照射された0度方向のX線Rが、スリット110bを通過して、線量計10の検出器領域10aに入射し、線量計10による測定が行われる。線量計10の測定値に基づき、半価層の値を得、それに基づき実効エネルギーを算出する。
次に、本実施形態に係るコリメータ100の製作方法の一例について説明する。
まず、線量計10を収容するトレー120を製作する。より具体的には、線量計10よりも略大きい矩形状プレート120cをアクリル板で製作し、線量計10を矩形状プレート120c上で固定できるように、前方固定枠120a及び後方固定枠120b(いずれもアクリル製)を矩形状プレート120c上に接着等によって取り付ける。
次に、3mm厚の透明アクリル板製の支持材114で、筐体を組み立てる。より具体的には、矩形状プレート120cと略同一の大きさのアクリル製板の上面及び底面の支持材114と、高さが前述の「スリット−検出器間距離」が58mmとなるように設計され、奥行きが矩形状プレート120cの奥行きと略同一となるアクリル板製の両側面の支持材114と、で製作する。筐体の上面、底面及び両側面を組み立て、後方側にも大きさの合うアクリル板を取り付けて、前方に開口部110aを有する筐体を製作する。
次に、スリット110bの位置を決める。より具体的には、前述の通り支持材114を組み立てた筐体内に、線量計10を載せたトレー120を収容して、CT装置の寝台40上に置き、位置決め用レーザービームを照射する。この際、X線源20からの0度方向のX線Rが線量計10の検出器領域10aに照射されるように位置合わせを行い(支持材114は透明アクリル板から構成されるため、位置決め用レーザービームが支持材114を通過して、支持材114の内側に収容された線量計10の検出器領域10aの部分に照射される様子を目視で確認することができる)、上面のスリット110bの位置を決める。
筐体状に組み立てられた支持材114上に、3mm厚の鉛板のX線遮蔽材112を接着等により貼り合わせ、さらにX線遮蔽材112上に3mm厚のアクリル板(艶無し、黒色)のカバー材116を接着等により貼り合わせて、三重構造の筐体110を製作する(図1(a))。筐体110の上面には、前述の通り位置決めした箇所に、幅3mm、長さ22mm(収容される線量計10の検出器領域10aの水平方向の大きさ及び形状と略同一の大きさ及び形状)の矩形型のスリット110bを形成させる。
X線照射基準線110c(図1(a))として、筐体110の上面(カバー材116の外表面)に、スリット110bの略中央点で直交する2本の直線(L1、L2)を描き、筐体110の両側面(カバー材116の外表面)に、線量計10の検出器10bの高さ方向の水平延長線(L3)及び直線(L1)を筐体110の両側面に延長させた直線(L4)の直交2直線(L3、L4)を描く。なお、カバー材116には、艶無しで黒色のアクリル板を用いているため、CT装置から射出された位置決め用レーザービームが、筐体110の外表面に照射される様子を、目視で容易に確認できる。
以上説明したように、本考案の実施形態に係るコリメータ100を用いることで、X線管球を固定しない回転照射法において、散乱線成分の影響が低減され、固定照射法と同程度の精度で半価層測定を行うことができる。特に、X線管球を固定することが困難な施設においては、固定照射法の代替法として、本考案の実施形態に係るコリメータ100を用いた回転照射法によって、簡便に、精度の高い半価層測定を行うことができる。
また、本考案の実施形態に係るコリメータ100では、「スリット−検出器間距離」が所定距離設けられているため、検出器領域10aに入射する散乱線成分を減少させることができ、固定照射法と同程度の精度の高い半価層測定が可能となる。
また、本考案の実施形態に係るコリメータ100は、コンパクトな設計が可能であるため、持ち運びにも便利である。
なお、この考案は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、本実施形態においては、図1に示したように、筐体110の前方にトレー120を出し入れするための開口部110aを有する形態について説明したが、0度方向以外のX線を遮蔽するために筐体110の上面及び両側面がX線遮蔽材112で覆われていればよく、例えば、筐体110の後方が開口している形態であってもよい。この場合、トレー120が筐体110内で確実に固定されるように、例えば、筐体110の後方にトレー120を留めるためのストッパーを設けてもよい。
また、本実施形態においては、図1に示したように、筐体110の前方の開口部110aからトレー120を出し入れする形態について説明したが、トレー120を出し入れする箇所は、筐体110の前方に限られず、例えば、筐体110の側面のいずれか一辺に蝶番を取り付けて、側面の壁を開閉できるようにすることで、筐体110の側面からトレー120を出し入れするようにしてもよい(この場合、筐体110の側面におけるX線遮蔽能を高めるために、側面の壁を隙間無く閉じることができるように設計する)。また、筐体110の上面及び両側面の壁を一体成形して、線量計10が載せられたトレー120に被せる形態としてもよい。さらに、筐体110の上面、両側面、前面及び後面の壁を一体成形して蓋型形状とし、線量計10が載せられたトレー120に被せる形態としてもよい。0度方向以外のX線を遮蔽するように筐体110の上面及び両側面がX線遮蔽材112で覆われており、「スリット−検出器間距離」が上記の所定距離設けられている限り、トレー120の設置方法については限定されない。
また、本実施形態においては、図1に示したように、トレー120に線量計10を載せて筐体110内に固定する形態について説明したが、線量計10を筐体110内に固定できる手段であれば適宜採用することができ、例えば、トレー120を設けずに、筐体110の底部に線量計10を着脱可能に嵌め込むことのできるアタッチメント機構を設けてもよい。線量計10を筐体110内に確実に固定でき、「スリット−検出器間距離」が上記の所定距離設けられている限り、コリメータ100内への線量計10の設置方法については限定されない。
また、本実施形態においては、図1に示したように、筐体110の上部に、前後方向にスリット110bを形成した形態について説明したが、スリットの形状、向き、大きさ等は、筐体110内に設置される線量計10の検出器領域10aの形状、向き、大きさ等にあわせて適宜変更が可能である。
また、本実施形態においては、X線遮蔽材112として3mm厚の鉛板を用いた形態について説明したが、鉛板の厚さは、X線遮蔽能の観点から、3mm以上であればよく、3mmより厚い鉛板を使用してもよい。
また、本実施形態においては、支持材114として、3mm厚の透明アクリル板を用いた形態について説明したが、鉛製のX線遮蔽材112の重量に耐えることができ、X線遮蔽材112の変形を防ぎ、かつX線遮蔽材112を支持できる素材であれば適宜採用され、また、厚さについても適宜設定が可能である。また、事前にスリット110bを形成させる位置を決める必要のない場合には(工業生産によりスリット110bの位置について設計済みの場合等)、支持材114として、例えば、透明ではない有色のアクリル板、鉄板等を使用することができる。また、支持材114については、例えば、筐体110を製作した後に、美観を高めるためにカバー材116に合わせて塗装を施してもよく、トレー120の摺動性を高めるための塗装を施してもよい。
また、本実施形態においては、カバー材116として、厚さ3mmのアクリル板(艶無し、黒色)を用いた形態について説明したが、CT装置の位置決め用レーザービームが見えやすく、かつ、X線照射基準線110cを描くことのできる素材及び色であれば適宜採用することができる。また、筐体110にカバー材116を設けずに、X線遮蔽材112及び支持材114からなる二層構造としてもよく、この場合、例えば、X線遮蔽材112に直接、X線照射基準線110cを設けてもよく、X線遮蔽材112に艶無しの黒色の塗装を施した後にX線照射基準線110cを描いてもよい。
また、本実施形態においては、図2に示すように、矩形状プレート120cの前後の端部に、線量計10を載置して固定するための前方固定枠120a及び後方固定枠120bを備える、アクリル製のトレー120の形態について説明したが、トレー120の形状及び素材については、線量計10を載置して固定できる限り、これに限られず、例えば、矩形状プレート120c上に、線量計10を着脱可能に嵌め込むことのできるアタッチメント機構を設けてもよい。
また、本実施形態においては、図2に示すように、前方固定枠120aの中央部に線量計10に接続されるUSBコネクタを通すことのできるU字切欠120dを形成させたトレー120の形態について説明したが、USBコネクタを通すことのできる形態であれば限定はされず、例えば、前方固定枠120aの中央部に孔を形成させて、この孔にUSBコネクタを通すようにしてもよい。また、U字切欠120dについては、充電済みの線量計10を用いる場合には、設けなくてもよい。
また、本実施形態においては、図1に示すように、筐体110の底部にトレー120を設置する形態について説明したが、トレー120を筐体110内で上下方向に位置調節することで、「スリット−検出器間距離」を上記の所定距離の範囲内で調節可能にしてもよい。例えば、X線源(CT管球)20の管電圧80kVと120kVとで半価層測定する場合、120kVで測定の際の「スリット−検出器間距離」を、80kVで測定の際の「スリット−検出器間距離」よりも長く設定することで、120kVで測定する際の、線量計10の検出器領域10aに入射する散乱線成分を減少させることができる場合がある(この場合、120kVで測定する際には、トレー120を筐体110内で下方の位置にずらして固定する)。トレー120を筐体110内で上下方向に位置調節させる手段については、例えば、筐体110の内側の両側面にトレー120を嵌合することのできる突起部材を所定間隔設けてもよく、トレー120の底部に着脱可能な高さ調節部材を設けてもよい。
また、本実施形態においては、図1に示すように、矩形状の筐体110の形態について説明したが、0度方向以外のX線を遮蔽するために筐体110の上面及び両側面がX線遮蔽材112で覆われており、スリット110bが上部に設けられ、「スリット−検出器間距離」が上記の所定距離設けられている限り、筐体110の形状については限定されない。
以下、実施例を挙げて本考案を具体的に説明する。ただし、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1のコリメータ(ただし、カバー材116を備えておらず、筐体110の内側の両側面には、「スリット−検出器間距離」が14mm、36mm、58mm、80mm、102mm、122mmに各々調節可能な、トレー120を嵌合することのできる突起部材(図示せず)を備えるコリメータ)(以下、“実施例コリメータ”という)を用いた回転照射法による半価層測定及び従来の固定照射法による半価層測定を行い、「スリット−検出器間距離」が測定精度に及ぼす影響を検討した。
CT装置として、Aquilion CX 64DAS(東芝社製)を使用した。撮影条件は、以下の通りである。
管電圧:80kV、100kV、120kV
ビーム幅:32mm
焦点サイズ:L
ボウタイフィルタ:S
実施例コリメータを用いた回転照射法では、線量計として、半導体線量計(Piranha(RTI社製))を用いた。半導体線量計の検出感度中心をガントリの中心に設置し、回転照射を行った。「スリット−検出器間距離」14mm、36mm、58mm、80mm、102mm、122mmで、各々5回測定を行い、最大値と最小値とを除いた3つの値の平均値を測定値とした。
従来の固定照射法では、線量計として、電離箱線量計(model9015(Radcal社製))を用いた。管球を固定し、アルミ板の厚さを調整しながら測定した。得られたデータを内挿補間し、半価層を算出した。条件ごとに3回ずつ測定を行い、平均を測定値とした。
実施例コリメータを用いた回転照射法及び従来の固定照射法によって半価層測定を行い、得られた測定値から実効エネルギーを算出した。結果を以下に示す。
Figure 0003198259
Figure 0003198259
Figure 0003198259
実施例コリメータを用いた回転照射法による実効エネルギーの、従来の固定照射法によるそれに対する相対誤差について、管電圧80kVでは「スリット−検出器間距離」が36mm以上で相対誤差が2%未満となり、管電圧100kVでは「スリット−検出器間距離」が36mm以上で相対誤差が3%未満となり、管電圧120kVでは「スリット−検出器間距離」が58mm以上で相対誤差が1%未満となることが示された。また、「スリット−検出器間距離」58mmにおいて、実施例コリメータを用いた回転照射法による実効エネルギーは、従来の固定照射法に対して、相対誤差2%未満となり、固定照射法と同等の精度で測定できることが示された。
したがって、回転照射法において、線量計として半導体線量計(Piranha(RTI社製))を用いた場合、コリメータの「スリット−検出器間距離」を36mm以上とすることで、線量計の検出器に入射する散乱線成分が減少し、より精度の高い半価層測定が可能となることが示唆された。
10 線量計
10a 検出器領域
10b 検出器
20 X線源(CT管球)
30 ガントリ
40 寝台
100 コリメータ
110 筐体
110a 開口部
110b スリット
110c X線照射基準線
112 X線遮蔽材
114 支持材
116 カバー材
120 トレー(線量計固定手段)
120a 前方固定枠
120b 後方固定枠
120c 矩形状プレート
120d U字切欠

Claims (5)

  1. 回転照射法による半価層測定に用いられ、内部に線量計を収容するコリメータであって、
    箱状をなす支持材の外周がX線遮蔽材で覆われ、X線源に向く一面に、当該X線源から照射されたX線が通過するスリットが形成された筐体と、
    前記筐体内に前記線量計を着脱可能に固定する線量計固定手段と、
    を備え、
    前記スリットと、前記線量計固定手段によって前記筐体内に固定された前記線量計が備える検出器と、の間は、前記X線源から照射されたX線の散乱線成分が半価層測定値に影響を与えない所定距離を有する、
    ことを特徴とするコリメータ。
  2. 前記線量計固定手段は、前記線量計を載置するトレーである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコリメータ。
  3. 前記筐体の外表面に、X線照射基準線が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコリメータ。
  4. 前記X線遮蔽材の外側は、さらにカバー材で覆われている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコリメータ。
  5. 前記スリットと、前記線量計固定手段によって前記筐体内に固定された前記線量計が備える検出器と、の間の距離は、36mm以上である、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコリメータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110381834A (zh) * 2017-02-28 2019-10-25 富士胶片株式会社 放射线照射装置

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