JP3197294U - 裁断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、作業者の負担を軽減可能な裁断装置を提供する。【解決手段】切断刃550と、切断刃を駆動するためのモータ100と、モータを収納するための筐体200とを備えた裁断装置600であって、モータは、サーボモータであり、裁断装置に取付け可能な重り300と、サーボモータを制御する制御装置400とを備える。制御装置は、裁断装置が共振を起こさないように、サーボモータの回転速度を制御する。また重りは、筐体内に収容可能であり、モータ軸110に挿入可能な貫通孔を備える。重りを取り付けたことで、裁断装置自体の重量が増加し、重くて厚い生地を複数積層した状態で裁断していく場合でも、裁断装置の姿勢が安定し、作業者の負担を軽減できる。【選択図】図1
Description
本考案は、布等を裁断するための裁断装置に関する。
従来から、裁断装置を利用して、布等のシート材を任意の形状に、例えば衣類等の型の形状に裁断していた。具体的には、作業者が、裁断装置を手で押し進めてゆき、その裁断装置の切断刃によって布を裁断していく。
また、このシート材には、様々な種類があり、ニットやメリヤス等の比較的軽くて薄い生地や、デニムやレザー等の比較的重くて厚い生地が用いられることがある。そして、生産性を向上させるために、シート材は複数積層した状態で裁断されている。
しかしながら、デニムやレザー等の比較的重くて厚い生地を、複数積層した状態で裁断していく場合、裁断時に生地から反力(抵抗力)がかかる。そのため、この反力により、裁断装置を押し進めることが困難となる。また、切断刃は反力によって前に進んで行かないのに、作業者は裁断装置を前に押し進めようとするので、裁断装置は前方へ向けて倒れそうになる。そのため、作業者は、裁断装置が前方へ倒れないように、裁断装置の姿勢を保ちながら、裁断作業を行わなければならず、大きな負担を強いられていた。
そこで、本考案は、上記問題に鑑み、簡単な構成で、作業者の負担を軽減可能な裁断装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本考案の裁断装置は、切断刃と、当該切断刃を駆動するためのモータと、当該モータを収納するための筐体と、を備えた裁断装置であって、前記モータは、サーボモータであり、前記裁断装置に取付け可能な重りと、前記サーボモータを制御する制御装置と、を備えたことを特徴とする。
上記特徴によれば、重りを取り付けたことで、裁断装置自体の重量が増加する。そのため、デニムやレザー等の比較的重くて厚い生地を、複数積層した状態で裁断していく場合、作業者が裁断装置の姿勢を維持しなくても、裁断装置自体の重量によって裁断装置の姿勢が安定するので、裁断装置を押し進めやすく、また裁断装置が前方へ向けて倒れそうになることもない。したがって、重りを取り付けるという簡単な構成により、作業者の負担を軽減できるのである。
さらに、本考案の上記特徴によれば、サーボモータを備え、当該サーボモータを任意の回転速度で制御可能な制御装置を備える。これにより、布地の種類に応じて、裁断しやすい適切な回転速度でサーボモータを制御できるので、更に作業者の負担を軽減できる。
さらに、本考案の裁断装置は、前記制御装置が、前記裁断装置が共振を起こさないように、前記サーボモータの回転速度を制御することを特徴とする。
本考案では、重りを取り付けたことで裁断装置の固有振動数が変化し、共振を引き起こすモータの回転速度(または、回転周波数)の領域が変わる。しかしながら、上記特徴により、サーボモータの回転速度が、その共振を起こす回転速度の領域と一致しないように、制御装置によってサーボモータの回転速度を制御して、裁断装置が共振を起こさないようすることができる。
さらに、本考案の裁断装置は、前記重りが、前記筐体内に収容可能であり、
前記サーボモータのモータ軸に挿入可能な貫通孔を備えることを特徴とする。
前記サーボモータのモータ軸に挿入可能な貫通孔を備えることを特徴とする。
上記特徴によれば、重りは、筐体内に収容可能なので、非常にコンパクトに収まる。さらに、重りは貫通孔を備えているので、重りを筐体の内部に収容する際は、重りの貫通孔をサーボモータのモータ軸に挿入すればよく、取付作業が容易となる。
上述したように、本考案によれば、簡単な構成で、作業者の負担を軽減可能な裁断装置を提供できる。
100 サーボモータ
200 筐体
300 重り
400 制御装置
550 切断刃
600 裁断装置
200 筐体
300 重り
400 制御装置
550 切断刃
600 裁断装置
以下に、本考案の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本考案は、図面における寸法比率に限定されるものではない。
図1は、本考案の裁断装置600の全体側面図を示す。この裁断装置600は、土台部510、当該土台部510に固定された支柱530、当該支柱530に固定された本体部540、当該本体部540に連結されたクランク機構560を備える(クランク機構560は、裁断装置600の内部に存在するので、図面上は仮想線で示す。)。さらに、裁断装置600は、支柱530の前方に、押板520と、上下方向へ往復運動する切断刃550を備える。
本体部540は、その内部に筐体200を備え、この筐体200の上側には制御装置400を、筐体200の内部にはサーボモータ100と重り300を備える。さらに、本体部540の前方には、サーボモータ100のモータ軸110と連結するクランク機構560が取り付けられている。このクランク機構560には、切断刃550が固定された駆動軸570が連結している。このクランク機構560は、従来から利用されている、サーボモータ100の回転運動を駆動軸570の上下方向へ往復する直線運動へと変換するものである。そして、サーボモータ100が回転駆動すると、クランク機構560の作用によって、駆動軸570に固定された切断刃550は、上下に往復直線運動する。なお、クランク機構560は、サーボモータ100の回転運動を切断刃550の上下方向への直線運動へ変換できる機構であればよく、本実施形態で示す構造以外にも、従来から利用されている、その他の構造を採用してもよい。
では次に、図2を参照して、本体部540の内部構造について詳細に説明する。
この本体部540は、内部に備える筐体200を囲むように、下カバー541、上カバー542、後カバー543、及び前カバー544を備える。そのため、内部の筐体200は、外部環境に直接晒されることなく、保護されている。
また、筐体200の内部にはサーボモータ100が収容されており、このサーボモータ100の中心に位置するモータ軸110が、筐体200の前後方向に延びている。このサーボモータ100の前方には重り300が取り付けられ、さらにその前方にはファン545が取り付けられている。なお、このファン545は前カバー544に覆われているので、外部環境に直接露出することがなく、安全である。
また、モータ軸110の先端111は前カバー544の表面から突出しており、この先端111にクランク機構560が連結される。そのため、サーボモータ100の回転運動が、モータ軸110によりクランク機構560へ伝達される。一方、モータ軸110の後端112にはエンコーダ120が取り付けられており、エンコーダ120は、サーボモータ100の回転位置を検出することができる。なお、このエンコーダ120は後カバー543に覆われて保護されている。
では、次に、本体部540を分解した状態を示す図3から図5を参照して、本体部540の構造について更に詳しく説明する。
まず、図3(a)には、本体部540の内部に備えられる筐体200を示している。図に示すように、筐体200は、円筒形状の収容部210と、当該収容部210の上側に一体形成された平坦な上面部220から構成される。収容部210の表面には、放熱板が複数取り付けられている。この収容部210の内部の後側にはサーボモータ100が収容されており、収容部210の内部の前側には、重り300が収容可能な空間Xが存在している。また、上面部220の上面には、制御装置400が取り付けられ、この制御装置400はサーボモータ100及びエンコーダ120と電気的に接続されている。なお、サーボモータ100及び制御装置400には、外部電源から電力が供給されている。
さらに、制御装置400は、サーボモータ100を制御するプログラムを保存したメモリと、当該プログラムを実行する演算装置(CPU)と、ユーザからの指令(例えば、任意の速度でサーボモータ100を回転させる指令)を受ける入力部を備える。そして、図3(b)に示すように、制御装置400は、エンコーダ120からの出力値である回転位置信号を微分して、サーボモータ100の回転速度を検出する。次に、制御装置400は、この検出したサーボモータ100の回転速度と、所望のサーボモータ100の目標回転速度とを比較して、この目標回転速度を達成できるように、サーボモータ100への出力値(電流値、電圧値等)を調節する。このようにして、サーボモータ100は、一定の目標回転速度で回転できるように、制御装置400によって制御されている。
なお、目標回転速度は、ユーザにより適宜変更可能で、例えば、生地の種類によって変更することができる(また、後述するように、裁断装置600が共振しないように、サーボモータ100の目標回転速度を、制御装置400により制御することもできる。)。もし、摩擦熱に弱いビニール系の生地を使用する場合は、目標回転速度を遅く設定する。すると、切断刃550の上下往復運動も遅くなり、生地との間の摩擦が減らせるので、生地が傷まないのである。また、比較的軽くて薄い生地であって、痛みにくいものであれば、目標回転速度を速く設定してもよい。すると、切断刃550の上下往復運動も速くなり、生地を素早く効率的に裁断できる。一方、比較的重くて厚い生地であれば、目標回転速度を遅く設定してもよい。すると、切断刃550の上下往復運動も遅くなり、生地にしっかりと力を加えながら、確実に裁断できる。
では次に、この筐体200内部に重り300を取り付ける状態を、図4に示す。図4に示すように、重り300は、収容部210の内部に収容可能な円柱形状をしており、その中心に、モータ軸110が貫通可能な貫通孔310を備える。また、重り300は、重り取付板546の固定孔P1に対応する位置に固定孔320を備える。
そして、重り300を筐体200内部に収容して取り付ける際は、まず、重り300を重り取付板546に取り付ける。具体的には、重り300の固定孔320を重り取付板546の固定孔P1に一致させ、固定孔P1側からネジ等を螺合して、重り300を重り取付板546に固定する。すると、重り300の貫通孔310と重り取付板546の貫通孔P3は連通する。次に、重り300の貫通孔310から重り取付板546の貫通孔P3まで貫通するように、モータ軸110を挿入し、重り300を収容部210の空間Xに嵌め込む。そして、重り取付板546の固定孔P2と収容部210の固定孔211を一致させ、固定孔P2側からネジ等を螺合して、重り取付板546を収容部210に固定する。このようにして、重り300は筐体200内部に収容して取り付けられる。
また、収容部210内部に取り付けられた重り300は、サーボモータ100の前端面から少し離れた状態で、重り取付板546側に固定されているので、サーボモータ100に接触することがなく、サーボモータ100の回転運動が重り300に妨害されることはない。また、貫通孔310の内周面とモータ軸110の外周面とが、非接触状態となるように、重り300は取り付けられているので、サーボモータ100の回転運動を妨害することはない。
次に、図5に示すように、重り300を取り付けた筐体200に、更に他の部材を取り付ける。具体的には、重り取付板546の貫通孔P3から突出したモータ軸110の先端111に、ファン545の貫通孔P4を挿入する。そして、このファン545を覆うように、前カバー544を重り取付板546に固定する。このファン545は、前カバー544の内側で、モータ軸110の回転に伴って回転するもので、サーボモータ100や制御装置400を冷却する役割を果たす。また、筐体200の下方には、収容部210を覆うようにU字状の下カバー541が取り付けられ、筐体200の上方には、制御装置400を覆うように上カバー542が取り付けられ、筐体200の後方には、後カバー543が取り付けられる。
なお、前カバー544の前面に取り付けられるクランク機構560の円板561は、モータ軸110の先端111と連結される。そして、この円板561に形成された偏心軸562は駆動軸570に連結されるので、サーボモータ100の回転運動が、クランク機構560を介して切断刃550の往復直線運動に変換される。
そして、裁断作業時には、作業員が、この本体部540を搭載した裁断装置600を用いて、複数重ねた状態のシート状の布地等を所望の形状に裁断していく。具体的には、布地の下面側に、土台部510(図1参照)を差し込み、その布地の上面側を押板520で押さえる。この状態で、作業員はハンドルHを手で持ち、裁断装置600を前方へ押し進めていく。すると、上下に往復運動する切断刃550が、布地に対して切り込みながら進んでいくので、所望の形状に布地を裁断していくことができる。
特に、デニムやレザー等の比較的重くて厚い生地を、複数積層した状態で裁断していく場合、生地から裁断装置600の切断刃550に対して、裁断装置600の進行方向とは反対向きに強い反力(抵抗力)がかかる。そして、この反力によって、裁断装置600を押し進めることが困難となる。また、切断刃550は反力によって前に進んで行かないのに、作業者はハンドルHを持って、裁断装置600を前に押し進めようとするので、裁断装置600は前方へ向けて倒れそうになる。そのため、作業者は、裁断装置600が前方へ倒れないように、裁断装置600の姿勢を保ちながら、裁断作業を行わなければならず、大きな負担を強いられる。
しかしながら、本考案の裁断装置600では、重り300を取り付けたことで、裁断装置600自体の重量が増加する。そのため、作業者が裁断装置600の姿勢を維持しなくても、裁断装置600自体の重量によって裁断装置600の姿勢が安定するので、裁断装置600を押し進めやすく、また裁断装置600が前方へ向けて倒れそうになることもない。したがって、重り300を取り付けるという簡単な構成により、作業者の負担を軽減できるのである。
さらに、本考案の裁断装置600は、サーボモータ100を備え、当該サーボモータ100を一定の目標回転速度で制御可能な制御装置400を備える。これにより、生地の種類に応じて、裁断しやすい適切な回転速度でサーボモータ100を制御できるので、更に作業者の負担を軽減できる。
ところで、一般的に、モータを備えた裁断装置では、モータの所定の領域の回転速度(または、回転周波数)によって、裁断装置が共振する現象が知られている。しかしながら、本考案では、裁断装置が共振を起こさないように、サーボモータ100の回転速度を制御装置400により制御することができる。つまり、サーボモータ100の目標回転速度が、共振を引き起こす所定の領域内の回転速度と一致しないように、言い換えると、共振を引き起こす所定の領域の回転速度を飛ばすように、制御装置400がサーボモータ100の回転速度を制御すれば、裁断装置600が共振することを避けることができる。
また、モータの所定の領域の回転速度(または、回転周波数)と、裁断装置の固有振動数が一致すると、裁断装置が共振する。そして、その裁断装置の固有振動数は、裁断装置自体の重量によって変化する。そのため、重りを取り付けたことで裁断装置の固有振動数が変化し、共振を引き起こすモータの回転速度(または、回転周波数)の領域も変わる。
しかしながら、本考案によれば、制御装置400によって、サーボモータ100を任意の目標回転速度で制御できる。そのため、重り300を備えたことで、共振を引き起こすモータの回転速度(または、回転周波数)の領域が変わっても、サーボモータ100の目標回転速度が、その共振を起こす回転速度の領域と一致しないように、制御装置400によってサーボモータ100の回転速度を調節すればよいのである。つまり、重り300を備えたことで、裁断装置が共振を起こす固有振動数が変化しても、その変化に対応して、裁断装置が共振しないように、制御装置400によってサーボモータ100の回転速度を制御することができる。
また、図4に示すように、本考案の重り300は、筐体200内に収容可能な円柱形状をしているので、非常にコンパクトに収まる。さらに、重り300は貫通孔310を備えているので、重り300を筐体200の内部に収容する際は、重り300の貫通孔310をサーボモータ100のモータ軸110に挿入すればよく、取付作業が容易となる。
なお、この重り300の重量は、裁断する布地等の種類に応じて適宜変更してもよい。さらに、この重り300の重量を変更する以外にも、筐体200に取り付ける下カバー541の重量を変更してもよい。また、重り300を、裁断装置600の後方側、つまり、ハンドルH側に配置したことで、裁断装置600が前方へ倒れることをより効果的に防止できる。
なお、本考案の裁断装置は、上記の実施例に限定されず、実用新案登録請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせも本考案の範囲に含むものである。
Claims (3)
- 切断刃と、当該切断刃を駆動するためのモータと、当該モータを収納するための筐体と、を備えた裁断装置であって、
前記モータは、サーボモータであり、
前記裁断装置に取付け可能な重りと、
前記サーボモータを制御する制御装置とを備えたことを特徴とする裁断装置。
- 前記制御装置は、前記裁断装置が共振を起こさないように、前記サーボモータの回転速度を制御することを特徴とする請求項1に記載の裁断装置。
- 前記重りは、前記筐体内に収容可能であり、
前記サーボモータのモータ軸に挿入可能な貫通孔を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の裁断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015000765U JP3197294U (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 裁断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015000765U JP3197294U (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 裁断装置 |
Publications (1)
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JP3197294U true JP3197294U (ja) | 2015-04-30 |
Family
ID=53277559
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015000765U Active JP3197294U (ja) | 2015-02-19 | 2015-02-19 | 裁断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3197294U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107034658A (zh) * | 2017-06-12 | 2017-08-11 | 缙云县帅马针车有限公司 | 一种偏心结构可360度旋转往复直线运动的电动刀 |
CN112296727A (zh) * | 2019-07-25 | 2021-02-02 | 拓卡奔马机电科技有限公司 | 固刀机构及裁床 |
-
2015
- 2015-02-19 JP JP2015000765U patent/JP3197294U/ja active Active
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