JP3197255B2 - 離型剤 - Google Patents

離型剤

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JP3197255B2
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清治 新谷
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルオロシリコーン
共重合体からなる離型剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、耐熱・耐寒性に優れた合成油とし
てジメチルシリコーンオイル、その耐油・耐溶剤性を改
良したグレードとしてケイ素上の1つの置換基をトリフ
ルオロプロピル基とするフルオロシリコーンオイルが知
られている。一方、近年シリコーンオイルの産業上での
使用分野が拡大するにつれて、オイルの諸物性(屈折
率、表面張力、有機溶剤に対する溶解性等)を幅広い範
囲にわたり厳密にコントロールし、個々の用途に対応す
る必要が生じてきた。上記既存オイルは基本的にホモポ
リマーであるため、このような要求に応えられなかっ
た。
【0003】また、ジメチルシロキサン単位とトリフル
オロプロピルメチルシロキサン単位からなる共重合体オ
イルも知られているが、トリフルオロプロピル基自体の
物性が不分なため、オイル物性を変え得る範囲はわず
かであった。
【0004】さらに特開昭59−189933には、ジ
メチルシロキサン単位と長鎖パーフルオロアルキルエチ
ルメチルシロキサン単位からなるコポリマーをオキシ
アルキレン基とパーフルオロアルキル基を有するオル
ガノポリシロキサンと併用すると消泡効果・自己乳化性
に優れることが記載されているが、コポリマー単品とし
ての評価についてはなんら記載がな
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジメ
チルシロキサン単位と長鎖パーフルオロアルキルエチル
メチルシロキサン単位からなる共重合オイルよりなる離
型剤を提供することにより、上記要求に応えようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記式1で表
されるフルオロシリコーン共重合体オイルからなること
を特徴とする離型剤を提供する。ただし、式1中、Rf
は炭素数4〜9のパーフルオロアルキル基、 F はCH3
−またはRfCH2CH2−、n≧1、m≧1である。
【0007】
【化2】
【0008】本発明において、式1中のRfは炭素数4
〜9のパーフルオロアルキル基であり、 F はCH3−ま
たはRfCH2CH2−である。このような長鎖パーフル
オロアルキル基含有フルオロシリコーン共重合体オイル
は、通常、連鎖移動剤 F (CH32SiOSi(C
32 F の存在下に[fCH2CH2 (CH3)S
iO]3および[(CH32SiO]p(pは3または
4)を適当な触媒下に開環重合させて製造される。Rf
が長鎖になるにつれて[fCH2CH2 (CH3)S
iO]3の製造が困難になるため、好ましいRfはパーフ
ルオロブチル基である。一方、 F は原料入手の容易さ
からメチル基が特に好ましい。n、mは、n≧1、m≧
1であり、nおよびmの値は該範囲を満たせば特に制限
を受けるものではなく、本オイルの用途によって決定さ
れるべき数値である。
【0009】本発明に係るオイルは、後に示すように共
重合組成を変えることによりその表面張力・屈折率等の
諸物性を精度良く変えることができる。したがって細分
化されたシリコーンオイルの利用分野における様々な諸
物性を有するフルオロシリコーンオイルを製造でき、そ
の使用条件を特に限定することなく使用できる。
【0010】本発明に係るオイルは、低表面張力等の性
質を利用して離型剤として使用する
【0011】また本発明に係るフルオロシリコーン共重
オイルは、動粘度が10000センチストークス
(以下、cStと略す)程度以下であることが好まし
い。粘度があまりに高すぎると、流動性、特に低温で
の流動性が低下するため好ましくない。
【0012】
【作用】本発明において長鎖パーフルオロアルキル基
は、フッ素に由来する各種性能(耐油・耐溶剤、低表面
張力、低屈折率)をオイルに付与する。そこでf
2CH2 (CH3)SiO2/2と(CH32SiO2/2
の共重合比を変えることによりオイルの諸物性を幅広い
範囲にわたり厳密にコントロールでき、オイルの各種用
途に対応できる。
【0013】
【実施例】[製造例1] 撹拌器・還流冷却器・温度計のついた4つ口フラスコを
アルゴンによりパージし、[(C4 924)(C
3)SiO]3の15g、[(CH32SiO]3の1
5g、(CH33SiOSi(CH33の1gを仕込ん
だ。内温を75℃に上昇せしめ、トリフルオロメタンス
ルホン酸48mgをマイクロシリンジによりフラスコ内
に導入した。6時間後にモノマーが完全に消費されたこ
とを確認した。生成物を5%重曹水および水により連続
洗浄した後、200℃にて低沸分を除去し、動粘度11
2cStのフルオロシリコーンオイル27.9g(90
%)を得た。このオイルは1H−NMR、IRにより下
記構造を有することを確認した。
【0014】
【化3】
【0015】[製造例2] [(C4 924)(CH3)SiO]3を6.1g、
[(CH32SiO]3を14.1g、(CH33Si
OSi(CH33を0.85g、トリフルオロメタンス
ルホン酸を26mg、に変えた他は製造例1と同様にし
て動粘度104cStのフルオロシリコーンオイル1
8.7g(88.9%)を得た。このオイルは1H−N
MR、IRにより下記構造を有することを確認した。
【0016】
【化4】
【0017】[実施例] 〈共重合組成を変えることによりオイルの物性を調整で
きることの証明〉 本発明に係るオイルは(RfCH2CH2)(CH3)Si
2/2と(CH32SiO2/2の共重合比を変えることに
よりオイルの諸物性を幅広い範囲にわたりコントロー
きる。RfをC49とした場合の共重合組成と物性の
関係を表1に示す。表1において動粘度は25℃におけ
る値、比重は20℃における値、ゲル化時間は200℃
における値、誘電率は25℃、60Hzにおける値、誘
電正接は25℃、60Hzにおける値である。
【0018】
【表1】
【0019】
【0020】〈離型剤への応用〉 (C4924)(CH3)SiO2/2/(CH32Si
2/2=50/50(wt/wt)のオイル、トリフル
オロプロピルフルオロシリコーンオイル、ジメチルシリ
コーンオイルの5%トリクロロトリフルオロエタン溶液
を調製し、はけで金型に塗布した。次にブチルゴム製の
ゴム1万個をこの金型を使用して成形加工したときの結
果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】本発明に係るフルオロシリコーンオイル
は、表面張力が低いので離型性が優れ、ゴム生地の型流
れがよくなり、寸足らずの製品を生ずることがほとんど
なかった。これに対してトリフルオロプロピルフルオロ
シリコーンオイルは表面張力が高いので離型剤として使
用に耐えなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明に係るオイルはパーフルオロアル
キル基の存在により耐熱・潤滑性に優れる。さらにジメ
チルシリコーンとの共重合割合を調整することにより、
オイルの諸物性をコントロールできる効果も認められ
離型剤に適する。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式1で表されるフルオロシリコーン共
    重合体オイルからなることを特徴とする離型剤。ただ
    し、式1中、Rfは炭素数4〜9のパーフルオロアルキ
    ル基、 F はCH3−またはRfCH2CH2−、n≧1、
    m≧1である。 【化1】
  2. 【請求項2】Rfがパーフルオロブチル基であり、 F
    メチル基である請求項1に記載の離型剤
  3. 【請求項3】式1中の(CH32SiO2/2単位の全重
    量に対する(Rf24)(CH3)SiO2/2単位の全
    重量の比が、50/50〜10/90である請求項1ま
    たは2に記載の離型剤
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