JP3196810U - コークス炉用炉蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化室のコークスの乾留を促進することと炉内ガスの大気中への漏れを防ぐことを目的とした金属空洞プラダを併設したコークス炉用炉蓋を提供する。【解決手段】石炭を装入する炭化室の端部に設けられた炉枠19にスプリング13によって圧接されるシールプレート12を介して炭化室の出入口を開閉する炉蓋構造体の炭化室内側に、耐火煉瓦16を充填した耐火煉瓦受15を設け、さらに該耐火煉瓦受の炭化室側端部に金属製空洞プラグ17を併設構成した事を特徴とする。【選択図】図3
Description
本考案は、コークス炭化室8のコークス9を取出す為にコークス炭化室8の両端開口部に装着されたコークス炉炉蓋(炉蓋C)に関するものである。
炉蓋は、炭化したコークス9を炭化室8から取出すために装脱着される。
石炭粒子は炭化させるために炭化室8で高温に加熱され乾留されるが、その過程においてコークスガスが大量に発生し、炭化室8はコークスガス圧によって高圧の状態になる。
炉蓋Cは炭化室8の乾留熱の流出を抑制することと、コークスガスを炉蓋から大気中に漏洩をさせないことが要求されている。
石炭粒子は炭化させるために炭化室8で高温に加熱され乾留されるが、その過程においてコークスガスが大量に発生し、炭化室8はコークスガス圧によって高圧の状態になる。
炉蓋Cは炭化室8の乾留熱の流出を抑制することと、コークスガスを炉蓋から大気中に漏洩をさせないことが要求されている。
コークスガスを漏洩させないために、炭化室8両端の開口部周囲に埋め込まれた炉枠7に、鋼板を枠上に溶接結合し、枠内を薄鋼板で塞いだガスシール装置(シールプレート2)をスプリング3の力で押し付けることでコークスガスの漏洩を防ぐ仕組みになっている。炉蓋周辺で発生したコークスガスは、炉蓋によって構成されたガス道10を通って炭化室8上部の空間へ導かれるが、このガス道10の断面積が炉蓋の構造上大きくできないことから、ガス道10のガス圧が高圧になる傾向にあり、前述のシールプレート2がガス圧によって浮上ることで、ガス漏れが生じている。
また、炭化室8の乾留熱流失を防ぐために、炉蓋には炭化室8開口部を塞ぐ大きさの耐火物(耐火レンガ6)が設けられている。この耐火レンガ6が乾留熱を吸収するため、耐火レンガ6付近の石炭粒子は乾留されにくくなり、焼成不良のコークスになっている。この不良コークを出来るだけ少なくするために乾留時間を長くする方策がとられているが、結果として無駄なエネルギー損失を招いている。
また、炭化室8の乾留熱流失を防ぐために、炉蓋には炭化室8開口部を塞ぐ大きさの耐火物(耐火レンガ6)が設けられている。この耐火レンガ6が乾留熱を吸収するため、耐火レンガ6付近の石炭粒子は乾留されにくくなり、焼成不良のコークスになっている。この不良コークを出来るだけ少なくするために乾留時間を長くする方策がとられているが、結果として無駄なエネルギー損失を招いている。
課題に対応した本考案の要旨は、炭化室の熱流失を抑制する目的で設けられた既存炉蓋の耐火レンガ6は、一体成型されているので熱伝達効率が良く、耐火レンガ6周辺の乾留熱を吸収してしまい、耐火レンガ6近傍のコークスが焼成不良を招いている。
本考案は、耐火レンガ6の炉内側約半分を空洞化し、その空洞部分に炉内で発生している高温のガスを導き入れることで、耐火レンガ6近傍のコークス温度の低下を抑制することに加え、耐火レンガ6の約半分を空洞化したことにより、この部分はガス道となるので、ガス道面積は従来に比べてはるかに大きくなり、炉蓋近傍の炉内ガス圧が低下し、シールプレート2からのガス漏れを防ぐ効果をもたらす。
耐火物レンガ6は全体を空洞化するのでなく、炉蓋本体との結合部分を含め約半分を従来構造のままとし、先端部分の約半分のみを空洞化する。
本考案は、耐火レンガ6の炉内側約半分を空洞化し、その空洞部分に炉内で発生している高温のガスを導き入れることで、耐火レンガ6近傍のコークス温度の低下を抑制することに加え、耐火レンガ6の約半分を空洞化したことにより、この部分はガス道となるので、ガス道面積は従来に比べてはるかに大きくなり、炉蓋近傍の炉内ガス圧が低下し、シールプレート2からのガス漏れを防ぐ効果をもたらす。
耐火物レンガ6は全体を空洞化するのでなく、炉蓋本体との結合部分を含め約半分を従来構造のままとし、先端部分の約半分のみを空洞化する。
金属空洞プラグ17の空洞部に高温の炉内ガスが流入することで、炉内端部のコークス温度の低下を防止できるので、焼成不良のコークスの発生を防止できるうえ、乾留時間も短縮できる。
また、金属空洞プラグ17の空洞部がガス道の役目をするので、炉蓋近傍の炉内ガス圧が低下し、炉蓋からのガス漏れも解消できる。
金属空洞プラグ17内の熱流失を防ぐために従来の耐火レンガ6の約半分を残すことで、耐火レンガ受け15の構造が従来の耐火レンガ受け5と同じ構造にできるので、既存の炉蓋本体を改造することなく、短期間に低コストで本考案の耐火物に容易に取り替えることができる
また、金属空洞プラグ17の空洞部がガス道の役目をするので、炉蓋近傍の炉内ガス圧が低下し、炉蓋からのガス漏れも解消できる。
金属空洞プラグ17内の熱流失を防ぐために従来の耐火レンガ6の約半分を残すことで、耐火レンガ受け15の構造が従来の耐火レンガ受け5と同じ構造にできるので、既存の炉蓋本体を改造することなく、短期間に低コストで本考案の耐火物に容易に取り替えることができる
以下本考案について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1はコークス炭化室Aに炉蓋Cを装着したイメージ図である。
炭化したコークスBを炭化室内から取出すために炭化室Aの両端は開口状態になっているが、乾留中は炭化室内のガスの漏洩防止と乾留熱の抑制するために、開口部は炉蓋Cによって密閉されている。
図2は従来炉蓋の断面図である。炭化室10のサイズは一般的に約500mm幅x約6000mm高さx約15000mm奥行きであり、炭化室10に挿入された石炭粒子は両側壁から乾留熱が加えられ、約20時間で乾留されコークスになる。
石炭粒子が乾留される間に発生するコークスガスは、炭化室10の両開口部周囲に設けられた炉枠7に、炉蓋本体1に設けられたシールプレート2をスプリング3の反力で押し付けることで密封される。
しかしながら、既存炉蓋はガス道12の面積が小さいので、ガスの流れが悪くなり、ガス道12のガス圧が高い状態になる。このガス圧でシールプレート2が持ち上げられることでスキマが生じて、そのスキマからガスが漏れる。
また、大気への乾留熱の放出を抑えるために耐火レンガ6が設けられている。
耐火レンガ6は耐火レンガ受5によって保持されており、結合ボルト4によって炉蓋本体1に結合されている。
耐火レンガ6で乾留熱の放出を完全に遮断することは不可能であり、そのために耐火レンガ6に接する部分のコークスは乾留が遅れるので多くの時間を要している。また、一部のコークスは期待する温度まで到達出来ずに焼成不良コークスになってしまう。
図3は本考案の炉蓋の断面図である。炉蓋本体11、シールプレート12及びスプリング13は既存炉蓋と全く同じ構造である。
耐火レンガ16は断熱を目的として、既存炉蓋の耐火レンガ6の約半分を残している。この耐火レンガ16を保持している耐火レンガ受15も既存炉蓋の形状とほぼ同じ形状である。
従って、耐火レンガ受15と炉蓋本体11の結合方法は既存炉蓋と全く同じである。耐火レンガ6の約半分を切除した部分に金属製空洞プラグ17を配し、耐火レンガ受15に結合ボルト18によって固定している。
金属製空洞プラグ17の空洞部はガス道として機能する。従来のガス道20に新たなガス道21が加わることで、全体のガス道面積が格段に大きくなり、炉蓋周辺のガス圧は既存炉蓋に比べて非常に低くなり、結果としてシールプレート12からのガス漏れが改善される。
また、既存炉蓋の耐火レンガ6からの乾留熱の流失によって生じていた乾留遅れの問題も、空洞部を流れる高温ガスによって解決される。
この考案の特徴は従来の耐火レンガ6を断熱を目的として約半分残したことで、耐火レンガ受15の構造を従来炉蓋と全く同じにすることができるので、既存炉蓋に改造を加えることなく本考案の耐火物に取り替えることが出来ることである。
図1はコークス炭化室Aに炉蓋Cを装着したイメージ図である。
炭化したコークスBを炭化室内から取出すために炭化室Aの両端は開口状態になっているが、乾留中は炭化室内のガスの漏洩防止と乾留熱の抑制するために、開口部は炉蓋Cによって密閉されている。
図2は従来炉蓋の断面図である。炭化室10のサイズは一般的に約500mm幅x約6000mm高さx約15000mm奥行きであり、炭化室10に挿入された石炭粒子は両側壁から乾留熱が加えられ、約20時間で乾留されコークスになる。
石炭粒子が乾留される間に発生するコークスガスは、炭化室10の両開口部周囲に設けられた炉枠7に、炉蓋本体1に設けられたシールプレート2をスプリング3の反力で押し付けることで密封される。
しかしながら、既存炉蓋はガス道12の面積が小さいので、ガスの流れが悪くなり、ガス道12のガス圧が高い状態になる。このガス圧でシールプレート2が持ち上げられることでスキマが生じて、そのスキマからガスが漏れる。
また、大気への乾留熱の放出を抑えるために耐火レンガ6が設けられている。
耐火レンガ6は耐火レンガ受5によって保持されており、結合ボルト4によって炉蓋本体1に結合されている。
耐火レンガ6で乾留熱の放出を完全に遮断することは不可能であり、そのために耐火レンガ6に接する部分のコークスは乾留が遅れるので多くの時間を要している。また、一部のコークスは期待する温度まで到達出来ずに焼成不良コークスになってしまう。
図3は本考案の炉蓋の断面図である。炉蓋本体11、シールプレート12及びスプリング13は既存炉蓋と全く同じ構造である。
耐火レンガ16は断熱を目的として、既存炉蓋の耐火レンガ6の約半分を残している。この耐火レンガ16を保持している耐火レンガ受15も既存炉蓋の形状とほぼ同じ形状である。
従って、耐火レンガ受15と炉蓋本体11の結合方法は既存炉蓋と全く同じである。耐火レンガ6の約半分を切除した部分に金属製空洞プラグ17を配し、耐火レンガ受15に結合ボルト18によって固定している。
金属製空洞プラグ17の空洞部はガス道として機能する。従来のガス道20に新たなガス道21が加わることで、全体のガス道面積が格段に大きくなり、炉蓋周辺のガス圧は既存炉蓋に比べて非常に低くなり、結果としてシールプレート12からのガス漏れが改善される。
また、既存炉蓋の耐火レンガ6からの乾留熱の流失によって生じていた乾留遅れの問題も、空洞部を流れる高温ガスによって解決される。
この考案の特徴は従来の耐火レンガ6を断熱を目的として約半分残したことで、耐火レンガ受15の構造を従来炉蓋と全く同じにすることができるので、既存炉蓋に改造を加えることなく本考案の耐火物に取り替えることが出来ることである。
自然エネルギーの枯渇化及び大気汚染による環境悪化が叫ばれる中、本考案の炉蓋構造でこれらの改善に大いに役立つものと考えます。
A 炭化室
B コークス
C 炉蓋
1 炉蓋本体
2 シールプレート
3 スプリング
4 結合ボルト
5 耐火レンガ受
6 耐火レンガ
7 炉枠
8 炭化室
9 コークス
10 ガス道
11 炉蓋本体
12 シールプレート
13 スプリング
14 結合ボルト
15 耐火レンガ受
16 耐火レンガ
17 金属製空洞プラグ
18 結合ボルト
19 炉枠
20 ガス道
21 ガス道
B コークス
C 炉蓋
1 炉蓋本体
2 シールプレート
3 スプリング
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5 耐火レンガ受
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7 炉枠
8 炭化室
9 コークス
10 ガス道
11 炉蓋本体
12 シールプレート
13 スプリング
14 結合ボルト
15 耐火レンガ受
16 耐火レンガ
17 金属製空洞プラグ
18 結合ボルト
19 炉枠
20 ガス道
21 ガス道
Claims (1)
- 金属空洞プラグ17内の熱流失を防ぐことを目的とした断熱部に耐火レンガ16を設けたことで、それを保持する耐火レンガ受15を既存炉蓋の耐火レンガ受5と同形状にしたことから、既存炉蓋に改造を加えることなく本考案の耐火物が容易に低コストで取付可能であることを特徴とするコークス炉炉蓋。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2014005464U JP3196810U (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | コークス炉用炉蓋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014005464U JP3196810U (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | コークス炉用炉蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3196810U true JP3196810U (ja) | 2015-04-09 |
Family
ID=52986434
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014005464U Expired - Fee Related JP3196810U (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | コークス炉用炉蓋 |
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JP (1) | JP3196810U (ja) |
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2014
- 2014-09-24 JP JP2014005464U patent/JP3196810U/ja not_active Expired - Fee Related
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