JP3196381U - 繊維製品 - Google Patents

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敬久 藤原
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Abstract

【課題】着用感や機能性を損なうことなく、血行促進効果および消臭効果を有する繊維製品を提供する。【解決手段】厚さ0.5mm、目付け50g/m2の、経緯の引裂強度がそれぞれ23N、30Nであり、マテリアルリサイクルポリエステル繊維50重量%、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維40重量%、レーヨン繊維10重量%からなるからなるニードルパンチ不織布シートを裁断して2枚合わせにした。次いで、市販のパジャマ(綿30%,ポリエステル70%)の内側に、前記不織布シートを、表地と裏地の間に縫いつけた。その際、該パジャマに対して15%の面積となるように内部に取り付けた。【選択図】図1

Description

本考案は、血行促進効果および消臭効果を有する繊維製品に関する。
近年、防寒等に対する機能性繊維製品として、汗等の水分を吸収して発熱する吸湿発熱性繊維を用いた製品が人気となっている。例えば、特許文献1では、ビスコースレーヨンを混紡した糸を使用した衣服等が提案されている。また、特許文献2では、血行促進に効果的な体のツボの部位を局所的に温めることができる繊維製品が提案されている。
しかしながら、体のツボの部位を局所的に温めるだけでなく、発汗時の臭いを消臭できる繊維製品はこれまであまり提案されていない。
特開2010−216053号公報 実用新案登録第3193385号公報
本考案は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、血行促進効果および消臭効果を有する繊維製品を提供することにある。
本考案者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維を含む生地を血行促進に効果のある体の部位に効果的に含めることにより、繊維製品の着用感や機能性を損なうことなく、血行を促進させる吸湿発熱性および消臭効果を有する繊維製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に到達した。
かくして、本考案によれば「架橋アクリル繊維を含む生地が、部分的に配されてなることを特徴とする繊維製品。」が提供される。
その際、繊維製品に対して、前記生地が部分的に積層されていることが好ましい。また、前記生地が、繊維製品の表裏どちらか一方の表面積に対して5〜50%の面積で積層されていることが好ましい。また、前記生地が、前記架橋アクリル繊維を5〜90重量%含むことが好ましい。また、前記生地の目付けが5〜100g/mであることが好ましい。また、前記架橋アクリル繊維の単繊維繊度が0.5〜5.0dtexであることが好ましい。また、前記生地は、ニードルパンチ不織布からなることが好ましい。また、前記生地において、臭気吸着率が80%以上であることが好ましい。また、前記繊維製品はパジャマまたはポンチョであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際、肩部、背部、および腹部のうち少なくともいずれかに対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品はネックウォーマーであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の首筋に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品はハンドウォーマーであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の手の甲に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品はアンクルウォーマーであり、かつ、該繊維製品を着用した際の足首に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品はスリッパであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の足の甲に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品は腹巻であり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の腹部に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、前記繊維製品はエプロンであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の腹部に対応する位置に積層されていることが好ましい。
本考案によれば、繊維製品の着用感や機能性を損なうことなく、血行促進効果および消臭効果を有する繊維製品が得られる。
本考案のパジャマを示す図である。 本考案のネックウォーマーを示す図である。 本考案のポンチョを示す図である。 本考案のハンドウォーマー、アンクルウォーマーおよびスリッパを示す図である。 本考案の腹巻およびエプロンを示す図である。
以下に本考案の実施するための形態を詳述するが、本考案はこれらによって限定されるものではない。
〈ツボについて〉
現代の日本人の体温は低くなり過ぎているといわれている。体温をコントロールしている自律神経は、緊張感に影響する「交感神経」とリラックス感に影響する「副交感神経」の2種類に分けられる。この2種の神経は、6対4程度のバランスで働いている。これらの神経に精神的なストレスがかかると、交感神経が働き、血管が収縮し、冷えを発生させる。通常は、交感神経が働くと共に、副交感神経も働いてバランスが保持される。しかし、継続的なストレス状態に置かれると、それらの神経のバランスが崩れてしまい、交感神経が過度に働き、体温が低下し、体調不良となる。さらに極端な場合では、反動で鬱(交換神経が全く働かなくなる状態)になることもある。このように、体温低下(冷え)は、現代人の様々な病気の原因になっていると考えられている。また、冷えは血行を低下させ、様々な健康阻害の原因となる。そのため、血行を改善することは健康において有効である。
血行を促進させるためには、お灸で使用する「ツボ」が有効である。「ツボ」は今から約2000年前に中国で誕生した漢方医学に登場する体の要所のことで、経穴ともいわれる。ツボは全身に361ケ所(WHO(世界保健機関)が2006年に定めた国際基準)あり、ここを刺激することで体調を整えることができるとされており、その効果は周知の通りである。そのツボとしては以下の様なものが例示される。
(1)首すじ・肩を温めるツボ
脳は寒いと感じると熱を逃がさないように末梢の血管を収縮するため、全身の血行が悪化する。首すじ・肩を温めて暖かい血液が脳に流れるようにすると脳が温かいと判断し血管を拡張して体温を下げようとする。血管が拡張して血流が良くなると体全体が暖かくなる。
(1−1)風門
背中側の首の付け根辺りにあり、風邪予防、免疫力強化、肩こり等への効果が期待される。
(1−2)肩井(けんせい)
首の付け根と左右それぞれの肩の先端部分との真ん中付近に一つずつある。肩や首周辺の血流を良くして、「こり」の解消に効果的で、肝臓の調子を整える効果も期待できる。また、ニキビ体質の改善も期待できる。
(2)手足の甲・手足首を温めるツボ
寒さにより血流が内臓に集中することで起こる末端の冷えには、手足の甲・手足首を温めることが効果的である。指先で冷えた血液の温度を上げて心臓に戻すことより、体内の血流が循環する。
(2−1)三陰交
内踝の突き出した骨から指の幅3本分ほど上に進むと脛の骨があり、その後ろの少し窪んだ場所にある。ここは、脾経、腎経、肝経といわれる漢方医学の気が流れる3つの経路が交わっているツボに当たり、3つの経路を同時に刺激できる。ここを刺激したり温めたりすると、体全体を温めることができる。また、体力の回復、女性の月経、更年期等にまつわる不調にも効果的である。但し、妊娠初期には強い刺激を与えない方がよいとされる。
(2−2)交信
内踝の突き出した骨の頂点から指の幅3本分ほど上にある。三陰交の斜め下にあたる。腎臓系の機能を整え、体温を高め、活力を取り戻すことができるとされる。他に、太谿、照海、内関、等、多種の血行を高めるツボがある。
(3)腹・腰を温めるツボ
脳は寒さを感じると内臓に多くの血液を循環させて体を温めようとするため、末端の血流が悪くなり手足が冷えてしまう。その冷えを防ぐには腹・腰を温めて内臓を冷やさないことが重要である。冷えを防ぐ他に、腸の血行が良好となるため、下痢・便秘の予防や女性の生理痛の緩和が期待できる。
(3−1)中かん
みぞおちと臍の中間地点にある。体の中心線を顎から下腹部に向けて走っている「任脈」という特殊な経路に属しているツボである。ここを温めることにより、むくんだ胃を治し、食欲を取り戻すことができるとされる。
(3−2)関元兪
腰にあるツボで背骨をはさんで2カ所ある。腰痛に効果があるとされる。
上記の通り、体の各所には種々の効果をもたらすツボがあり、本考案の繊維製品は、それらのツボを効果的に温めて血行を促進することができる。さらに、本考案の繊維製品に用いられる、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維を含む生地(以下、「吸湿発熱性生地」ということもある。)が、繊維製品に部分的に配されることにより、着用感や機能性に優れた製品となる。
その際、前記吸湿発熱性生地は、繊維製品に対して全面に含まれるのではなく、部分的に含まれることが肝要である。全面に含まれる場合は、繊維製品の着用感や機能性を著しく損なうからである。また、ツボのみを局所的に刺激するように含ませることも考えられるが、その場合、着用している間に吸湿発熱性生地がツボの適所からが外れてしまい、効果的な刺激を実現できないおそれがある。
本願明細書において「部分的に」とは、吸湿発熱性生地が繊維製品の一部分に含まれていることをいう。例えば、繊維製品において該繊維製品の一部分に吸湿発熱性生地が積層される場合や繊維製品において一部分が吸湿発熱性生地で継ぎ合わされたもの(すなわち、パッチワーク状になっているもの)も含む。表地と裏地を有する繊維製品において、吸湿発熱性生地が表地と裏地との間にはさまれていてもよい。
その際、吸湿発熱性生地は、繊維製品の表裏どちらか一方の表面積に対して5〜50%(特に好ましくは10〜30%)の面積で含まれることが好ましい。
ここで、繊維製品の表裏どちらか一方の全表面積をA0、吸湿発熱性生地の面積をA1とするとき、かかる面積はA1/A0×100(%)で算出される。
本願明細書において「繊維製品」とは、繊維から構成された製品であれば特に限定されず、例えば、シャツ、スポーツウエア、アウトドアウエア、レインコート、紳士衣服、婦人衣服、作業衣、防護服、パジャマ(寝衣、寝間着とも称される)、ポンチョ(肩掛け、ケープとも称される)、エプロン等の衣服の他、アンダーシャツ、シミーズ、腹巻等の肌着、ハンドウォーマー(手袋とも称される)、アンクルウォーマー、スリッパ、ソックス等の肌に直接的に接するものが含まれる。
前記吸湿発熱性生地は、厚さが3.0mm以下(好ましくは0.5〜1.0mm)であることが好ましい。ここで、吸湿発熱性生地の厚さが3.0mmよりも大きいと、着用感、外観、審美性が低下するおそれがある。
前記吸湿発熱性生地が繊維製品に積層される際、表地(または裏地)と吸湿発熱性生地との多層構造になって肌側または外気側に積層されていてもよいし、前記吸湿発熱性生地が、表地と裏地との間にはさまれていてもよい。着用感、外観、審美性の点で好ましいのは後者である。前記吸湿発熱性生地の積層の方法としては、表地および/または裏地に縫着されていてもよいし、熱接着または接着剤による化学接着等により直接的にまたは間接的に接着していてもよい。
前記吸湿発熱性生地は、さらには合成繊維等の他の繊維を含んでいてもよい。その際、吸湿発熱性は、所定の試験片を102〜108℃の条件にて2時間放置し絶乾状態にした後、温度18〜22℃の環境にてシリカゲル入りデシケーター内にて20℃になるまで冷却し、その後、温度18〜22℃、湿度85〜95%RHの高湿度環境に移し、試験片内部中央に温度センサーを取り付け、30分間測定し、吸湿発熱性を評価する。その際、試験片について0.5℃以上(より好ましくは2.0℃以上、特に好ましくは2.0〜10.0℃)の温度上昇が測定される吸湿発熱性生地が、優れた吸湿発熱性を有するものとして好ましい。
ここで、架橋アクリル繊維は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。まず、アクリル繊維原料モノマーとしては、アクリロニトリル、および、架橋および加水分解の反応を促進させるため、酸性基を有するコモノマー単位を20質量%以下含有させることが好ましく、1〜15質量%含有させることが特に好ましい。
この酸性基を有するコモノマーとしては、アクリロニトリルと共重合できる酸性基を有する通常使用されているビニルモノマーが挙げられる。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー又はその塩類、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸等のスルホン酸基を有するモノマーまたはその塩類が挙げられる。
上記モノマーは、必要によりジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイト、アセトン、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダンソーダ水溶液などの溶媒に添加される。
さらに、モノマー溶液には、過硫酸ナトリウム、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、アゾ―ビス―イソブチロニトリル等の単独重合開始剤、または、過酸化水素―酸化鉄塩、過硫酸塩―還元性スルホキシ化合物、過硫酸カリ―第一鉄塩、過硫酸カリ―硝酸銀、過硫酸カリ―トリエタノールアミン、塩素酸ソーダ―亜硫酸ソーダ、過マンガン酸カリ―蓚酸等のレドックス系重合開始剤が添加され、重合反応処理される。重合反応方法としては、水溶液レドックス重合、溶液レドックス重合、溶液重合、水溶液重合、塊状重合などを適宜用いることができる。重合反応温度は、10〜90℃が好ましい。重合反応時間は、0.5〜8時間が好ましい。
この重合反応により、ポリマー濃度5〜30質量%、平均分子量5〜50万のポリマー溶液が得られる。
得られたポリマー溶液は綿布濾布等で濾過され、ポリマー溶液中の夾雑物を除去される。
紡糸ノズルを用い、DMF等の有機溶媒と水との溶液などからなる5〜30℃の紡糸浴中に前記ポリマー溶液を紡出することによりゲル状繊維が得られる。
得られるゲル状繊維は、5〜30℃の冷延伸浴、続いて、80〜95℃熱延伸浴を3〜15倍のストレッチで通過し、脱溶媒(湿熱延伸)処理が施される。
湿熱延伸処理された繊維は、内部温度90〜150℃に設定されたサクションドラムドライヤー等で繊維水分を除去(乾熱乾燥)すると共に繊維内部構造を緻密化して アクリル繊維が得られる。
得られたアクリル繊維は、アクリル系繊維中の主としてニトリル基を、ヒドラジン化合物を用いて架橋処理すると同時に、または架橋処理後、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウム等の無機塩基を用いて加水分解されることが好ましい。
ヒドラジン化合物を用いて架橋処理をした後、無機塩基を用いて加水分解する場合について説明すると、以下のようになる。
架橋処理は、上記酸性基を有するコモノマー単位を15質量%以下含むアクリル繊維にヒドラジン化合物を反応させることにより、アクリル系繊維の窒素含有量の増加を1.0〜8.0質量%となるようにして架橋構造を導入させることが好ましい。
反応条件は、特に制限はないが、例えば酸性基含有コモノマー単位を15質量%以下含むアクリル繊維を、ヒドラジン濃度1〜3質量%の水溶液を用いて、温度90〜140℃下で、1〜5時間の架橋処理を行うことが好ましい。
ヒドラジン化合物としては、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、水加ヒドラジン、炭酸ヒドラジン等が使用でき、特に制限はない。
ここでヒドラジン濃度とは、前記ヒドラジン化合物中のヒドラジン成分の濃度をいう。
次いで、上記架橋構造を導入したアクリル系繊維中の主としてニトリル基を、無機塩基を用いて加水分解することが好ましい。
無機塩基を用いる加水分解反応は、水溶液、または、水と混和可能な溶媒との混合溶液中で行うことが好ましい。無機塩基濃度は2.0〜10.0質量%が好ましい。反応温度は80〜160℃が好ましい(より好ましくは90〜120℃)。反応時間は1〜3時間が好ましい。加水分解処理後、酢酸または蟻酸水溶液で中和および水洗を行うことが好ましい。
前記架橋アクリル繊維として、市販のものでは東邦テキスタイル社製「サンバーナ」(登録商標)や東洋紡社製「エクス」(登録商標)が好ましい。とくに東邦テキスタイル社製「サンバーナ」(登録商標)は高い吸湿発熱機能だけでなく、酢酸やアンモニアなどに対する消臭効果、pH緩衝性、制電性、難燃性、皮膚に対する安全性にも優れ好ましい。
前記架橋アクリル繊維には、艶消し剤、抗菌剤、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記架橋アクリル繊維は長繊維でもよいし短繊維でもよい。短繊維の場合は、繊維長が75mm以下であることが好ましい。また、繊維に捲縮がかかっていてもよいし、かかっていなくてもよい。単繊維繊度としては0.5〜5.0dtexの範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0dtexの範囲内である場合、ソフトな風合いが得られる点から特に好ましい。
ここで、前記吸湿発熱性生地が、前記架橋アクリル繊維を5〜90重量%含む(すなわち前記前記架橋アクリル繊維以外の他の繊維を95〜10重量%含む)ことが好ましい。
その際、他の繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリウレタン繊維等の合成繊維が挙げられる。本考案の繊維製品では、風合いの点から、ポリエステル繊維が好ましい。ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸、第3成分を共重合させたポリエステル等からなるポリエステル繊維が好ましい。なお、かかるポリエステルとしては、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
前記他の繊維には、艶消し剤、抗菌剤、微細孔形成剤、カチオン染料可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤、吸湿剤、無機微粒子が1種または2種以上含まれていてもよい。
前記他の繊維は、長繊維でもよいし短繊維でもよい。短繊維の場合は、繊維長が75mm以下であることが好ましい。また、繊維に捲縮がかかっていてもよいし、かかっていなくてもよい。単繊維繊度としては0.5〜5.0dtexの範囲内であることが好ましく、1.0〜3.0dtexの範囲内である場合、ソフトな風合いが得られる点から特に好ましい。
前記吸湿発熱性生地において、布帛組織は特に限定されないが、ソフトな風合いを得る上で、不織布または織物または編物であることが好ましい。
その際、不織布としては乾式不織布、湿式不織布、エアレイド不織布のいずれでもよい。繊維の固定方法としては、ニードルによる繊維同士の絡み合い(ニードルパンチ法)、高圧水流による繊維同士の絡み合い(スパンレース法)、バインダー繊維による接着(エアースルー法)、収縮による絡み合い、熱ロールによるプレス等を適宜用いることができる。薄く、軽く、ソフトな風合いを実現できる点から、ニードルパンチ不織布が特に好ましい。
前記吸湿発熱性生地は、前記のような繊維を用いて常法により製造することができる。その際、通常の染色加工、起毛加工、カレンダー加工、エンボス加工、蓄熱加工、吸水加工、抗菌加工等の後加工を適宜施してもよい。
前記吸湿発熱性生地において、目付けは5〜100g/m(より好ましくは30〜70g/m)であることが好ましい。該目付けが100g/mよりも大きいと、着用感、外観、審美性が低下する虞がある。逆に該目付けが5g/mより小さいと、十分な吸湿発熱性が得られない虞がある。また、前記吸湿発熱性生地において、経方向および緯方向の引裂強度が1N以上(好ましくは10〜30N)であることが好ましい。
前記吸湿発熱性生地が配される部位は、繊維製品の種類に応じて変わり、限定されるものではないが、ツボを効果的に刺激するために、パジャマまたはポンチョの場合は、パジャマまたはポンチョを着用した際、肩部、背部、および腹部のうち少なくともいずれかに対応する位置に積層されていることが好ましい。また、ネックウォーマーの場合は、ネックウォーマーを着用した際の首筋に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、ハンドウォーマーの場合は、ハンドウォーマーを着用した際の手の甲に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、アンクルウォーマーの場合は、アンクルウォーマーを着用した際の足首に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、スリッパの場合は、スリッパを着用した際の足の甲に対応する位置に積層されていることが好ましい。また、腹巻やエプロンの場合は、腹巻やエプロンを着用した際の腹部に対応する位置に積層されていることが好ましい。
本願明細書において「肩部」とは、人の胴体の腕が接する部分の上部を意味する。また「背部」とは、頸部から臀部に至る間の面を意味する。また「首筋」とは、頭と胴とをつなぐ部分のうち後部を意味する。また「甲」とは、手足の上の方の面を意味する。また「足首」とは、足の踝の上部を意味する。また「腹部」とは、胸部と股部との間の部位を意味し下腹部も含む。
本考案の繊維製品において、前記の吸湿発熱性生地が部分的に含まれているので、繊維製品の着用感や機能性を損なうことなく血行を促進させることが可能となり、また同時に消臭も可能となる。
次に、本考案の実施例及び比較例を詳述するが、本考案はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<吸湿発熱性の評価方法>
試験片を102〜108℃の条件にて2時間放置し絶乾状態にした後、温度18〜22℃の環境にてシリカゲル入りデシケーター内にて20℃になるまで冷却した。その後、温度18〜22℃、湿度85〜95%RHの高湿度環境に移し、試験片内部中央に温度センサーを取り付け、30分間測定し、吸湿発熱性を評価した。
<吸湿発熱性生地の繊維製品に対する面積比率の算出方法>
繊維製品の表裏どちらか一方の全表面積をA0、吸湿発熱性生地の面積をA1とするとき、吸湿発熱性生地の繊維製品に対する面積比率をA1/A0×100(%)で算出した。
<消臭性の評価方法>
下記に示した濃度の悪臭成分を含む空気3Lがそれぞれ入ったテドラーバッグに、繊維構造体2gを入れ、2時間後のテドラーバッグ内の悪臭成分濃度をガステックス社製検知管にて測定し、減少量から臭気吸着率を求めた。
・悪臭成分:アンモニア 初期濃度40ppm
[実施例1]
厚さ0.5mm、目付け50g/mの、経緯の引裂強度がそれぞれ23N、30Nであり、マテリアルリサイクルポリエステル繊維(単繊維繊度1.6dtex)50重量%、アクリル繊維に架橋処理を施した架橋アクリル繊維「サンバーナ」(登録商標)(単繊維繊度2.3dtex)40重量%、レーヨン繊維(単繊維繊度1.7dtex)10重量%からなるからなるニードルパンチ不織布シートを10×10cmに裁断して2枚合わせにし、四辺を縫い合わせて試験片とした。
該試験片は比較例1で得られたものに対して2.1℃高い温度上昇が測定され、優れた吸湿発熱性を有することを確認した。また、消臭性を測定すると消臭率90%と優れたものであった。
次いで、市販のパジャマ(綿30%,ポリエステル70%)について、図1に示す位置(パジャマの内側)に、前記不織布シートを1枚、表地と裏地の間に縫いつけた。その際、該パジャマに対して15%の面積となるように内部に取り付けた。着用評価の結果、背中の部分だけが架橋アクリル繊維を含まないものより一層暖かくなり、数日間の着用の結果、血行が良くなった感じがして、肩こりがやわらぎ、体調が改善されたと感じた。着用快適性も問題なく快適であった。また汗をかいても臭いが気にならず快適であった。
[比較例1]
前記架橋アクリル繊維「サンバーナ」(登録商標)(単繊維繊度2.3dtex)を使用せず、マテリアルリサイクルポリエステル繊維(単繊維繊度1.6dtex)50重量%、レーヨン繊維(単繊維繊度1.7dtex)50重量%とする以外は実施例1と同様にした。
実施例1で得られたものと比較して吸湿発熱性は小さく、消臭性を測定すると、40%であった。また、睡眠時に汗をかいた際、不快とまではいかないが、やや臭いが感じられた。
[比較例2]
実施例1において、前記不織布シートを取付けず、それ以外は実施例1と同様に評価した。その結果、背中は温かくならず、肩こりや体調も良くなることはなかった。
[比較例3]
実施例1において、前記不織布シートをパジャマの生地内部全体に縫いつけたこと以外は、実施例1と同様に評価した。その結果、背中のみが温かくなることはなく、体全体が暑くなり過ぎ、着用感もごわつき、不快であり、肩こりも体調も良くなることはなかった。
[実施例2]
市販のネックウォーマー(ポリエステル100%)について、図2に示す位置(ネックウォーマーの裏側)に、前記不織布シートを1枚、表地と裏地の間に縫いつけ、該ネックウォーマーに対して35%の面積となるように内部に縫い付けた。着用評価の結果、首筋の部分だけが暖かくなり、血行が良くなった感じがして、肩こりがやわらぎ、体調が改善されたと感じた。着用快適性も問題なく、快適であった。
[比較例4]
実施例2において、前記不織布シートを取付けず、それ以外は実施例2と同様に評価した。その結果、背中は温かくなることなく、肩こりや体調も変わらなかった。
[実施例3]
市販のポンチョ(ポリエステル100%)について、図3に示す位置(ポンチョの裏側)に、前記不織布シートを1枚、表地と裏地の間に縫いつけ、該ポンチョに対して18%の面積となるように内部に縫い付けた。着用評価の結果、首筋の部分だけが暖かくなり、血行が良くなった感じがして、肩こりがやわらぎ、体調が改善されたと感じた。着用快適性も問題なく、快適であった。
[比較例5]
実施例3において、前記不織布シートを取付けず、それ以外は、実施例3と同様に評価した。その結果、背中は温かくなることなく、肩こりや体調も良くなることはなかった。
[実施例4]
市販のハンドウォーマー(アクリル100%)、アンクルウォーマー(ポリエステル100%)、スリッパ(ポリエステル100%)について、図4に示す位置(各製品の裏側)に、前記不織布シートを1枚、表地と裏地の間に縫いつけ内部に取り付けた。各製品に対する不織布シートの面積比は、それぞれ、30%、45%、35%であった。着用評価の結果、手の甲、足首、足の甲の部分だけが暖かくなり、血行が良くなった感じがして、体調が改善して体力が増したと感じた。着用快適性も問題なく快適であった。
[比較例6]
実施例4において、前記不織布シートを取付けず、それ以外は、実施例4と同様に評価した。その結果、手の甲、足首、足の甲は温かくなることはなく、体調も変わらなかった。
[実施例5]
市販の腹巻き(綿30%,ポリエステル70%)、エプロン(綿100%)について、図5に示す位置(各製品の裏側)に、前記不織布シートを1枚、表地と裏地の間に縫いつけた。各製品に対する不織布シートの面積比は、それぞれ、40%、10%であった。着用評価の結果、腹部だけが暖かくなり、数日間着用したところ、食欲が改善し、体調が改善されたと感じた。着用快適性も問題なく、快適であった。
[比較例7]
実施例5において、前記不織布シートを取付けず、それ以外は実施例5と同様に評価した。その結果、腹部は温かくならず、食欲や体調も良くなることはなかった。
本考案によれば、着用感や機能性を損なうことなく、血行促進効果および消臭効果を有する繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:吸湿発熱性生地(内部に縫製)
2:ベース生地
3:パジャマの前側
4:パジャマの後側
5:ネックウォーマーの前側
6:ネックウォーマーの後側
7:ポンチョの前側
8:ポンチョの後側
9:ハンドウォーマー
10:アンクルウォーマー
11:スリッパ
12:腹巻
13:エプロン

Claims (15)

  1. 架橋アクリル繊維を含む生地が、部分的に配されてなることを特徴とする繊維製品。
  2. 繊維製品に対して、前記生地が部分的に積層されている、請求項1に記載の繊維製品。
  3. 前記生地が、繊維製品の表裏どちらか一方の表面積に対して5〜50%の面積で積層されている、請求項2に記載の繊維製品。
  4. 前記生地が、前記架橋アクリル繊維を生地重量対比5〜90重量%含む、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維製品。
  5. 前記生地の目付けが5〜100g/mである、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維製品。
  6. 前記架橋アクリル繊維の単繊維繊度が0.5〜5.0dtexの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維製品。
  7. 前記生地がニードルパンチ不織布からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維製品。
  8. 前記生地において、臭気吸着率が80%以上である、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維製品。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がパジャマまたはポンチョであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際、肩部、背部、および腹部のうち少なくともいずれかに対応する位置に積層されている繊維製品。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がネックウォーマーであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の首筋に対応する位置に積層されている繊維製品。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がハンドウォーマーであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の手の甲に対応する位置に積層されている吸湿発熱性繊維製品。
  12. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がアンクルウォーマーであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の足首に対応する位置に積層されている繊維製品。
  13. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がスリッパであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の足の甲に対応する位置に積層されている繊維製品。
  14. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品が腹巻であり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の腹部に対応する位置に積層されている繊維製品。
  15. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維製品がエプロンであり、かつ、前記生地が、該繊維製品を着用した際の腹部に対応するベース生地に積層されている繊維製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017089072A (ja) * 2015-11-17 2017-05-25 帝人フロンティア株式会社 衣料
JP6218053B1 (ja) * 2016-07-20 2017-10-25 東洋紡株式会社 使い捨て保温性不織布

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