JP3190916B2 - 噴気と磁石による玩具 - Google Patents

噴気と磁石による玩具

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、噴気と磁石の働きを
利用する玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の、噴気を用いる玩具では、噴気で
被噴射物を遠くに或いは特定の位置へ飛ばすこと、磁石
を用いる玩具では磁着対象物を磁着することを目的に、
それぞれの力を、方向を正確に或いは強さを加減して又
は出来るだけ大きくというように、比較的単純にコント
ロールする遊技で、それぞれに単独に使用するものであ
。本願のように、噴気と磁石とを併せて使用する玩具
はない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の噴気磁石を用
いる玩具は、噴気は押す、磁石は引く、というそれぞれ
の力の働きに従って単独に用いるものであり、比較的単
純なものであった。特に、被噴射物に噴気を当てる遊技
において、被噴射物と噴射口との関係を保つことについ
ては遊技の要素が無く、被噴射物に直接接して押した
とと、噴気により押し出したこと、の違いが明瞭にでき
ないため、興味の大きい遊技とはできなかった。本案
は、上述の従来の玩具の欠点を補い、噴気は押す、磁石
は引く、という相反する力の要素が同時に働く状況の
で、噴気によって被噴射物をコントロールして成果を競
玩具、を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本書で、「係装」とは、
貼着,吊着,持着その他、「特定の関係に取り付ける
ことを、また、「擦動する」とは、転動,滑動,歩行な
どのように「体の一部が常に接地した状態で移動する」
ことをいう。上記の目的を達成するために、 (1)噴気を発生する噴射源と、上記噴気を任意の位置
で噴射できるよう形成された噴射口と、上記噴射口の先
端に係着された永久磁石と、磁性材が係装され、上記噴
気による圧力を噴射方向に受け、上記噴射口に対し所定
範囲内に接近したとき上記永久磁石に磁着されるように
形成された被噴射物とを有する噴気と磁石による玩具
する。 (2)噴気の流路に発音部を設けたことを特徴とする噴
気と磁石による玩具とする。 (3)噴射源がゴム風船であることを特徴とする噴気と
磁石による玩具とする。 (4)被噴射物が動物あるいは器物の模型であり、か
つ、磁性材を被覆物で隠蔽したことを特徴とする噴気と
磁石による玩具とする。 (5)被噴射物が擦動手段を備えたものであることを特
徴とする噴気と磁石による玩具とする。
【0005】
【作用】上記のような構成の噴気と磁石による玩具であ
り、噴気は、人間の口よりの吹気,空気ポンプ,ふい
ご,風船の排出気その他、適宜遊技に応じて使う。噴射
源よりの噴気を被噴射物に当てて所期の遊技成果を挙げ
るために、噴射筒の噴射口を被噴射物に近付け、所定の
遊技操作としての噴射をおこなうが、このとき噴射口を
被噴射物に近付けすぎると、噴射口に係着した磁石の
着の範囲内に被噴射物に係装した磁性材が入り、噴射口
の磁石はその磁性材を磁着する。被噴射物に接すること
なしに、噴気により効果を競う遊戯において、被噴射物
に対し噴射の効果を大きくするには、噴射口を出来るだ
け近付ける方がよいが、近付け過ぎると磁着し、磁着は
遊戯の失格となる。本案はこのように相反する条件の下
で、噴気を用いて成果を競う玩具となる。噴気の流路に
空気の流れにより音を発する発音器を設けると、噴気の
度にまたはその強さによって音を発するので、遊技の環
境をより刺激的にする。被噴射物に係装した磁性材を被
覆物で隠して外部より見えなくすると、噴射口を近接さ
せる際に磁性材との間隔が目視で確認することができ
なる。被噴射物を噴気により飛ばすだけでは、噴気に
よる操作の余地は少なく遊技としての面白味が少ない。
噴気の操作では飛ばないが、転動,滑動,歩行など擦動
移動する構造の被噴射物は、噴気により連続して操作で
きる。ゴム風船を噴射源とすると、連続噴射源として被
噴射物の操作ができる。また、風船内空気を噴出し尽く
せば終了となり遊技の区切りが明瞭になる。更に、風船
膨らませ方に相関して噴気時間すなわち遊技時間が変
わるが、膨らませ過ぎると破裂し遊技の結果に影響し
風船を膨らませることも遊戯要素となる
【0006】
【実施例】実施例を、図面を参照して説明すると、図1
は第1の実施例で、ボール1は、表面を磁性材で構成し
た軽量な被噴射物である。空気ポンプ5からの噴気は可
撓管6を通じて噴射筒2の先端の噴射口3よりボール1
に噴射する。噴射口3の周囲にリング状の磁石4を固定
し、これらの先端部に逃し溝8を切ってある。また、噴
射筒2の中間に発音器7を装着している。ボール1に噴
射口3を近付け空気ポンプ5を押してその噴気によりボ
ール1を遠くまで吹き飛ばす遊技において、噴気の効果
を高めようと、噴射口3をボール1に近付け過ぎると、
磁石4の磁力でボール1は磁着する。磁着したボール1
が噴気の圧力により外れないように逃し溝8により噴気
をバイパスさせる。発音器7は内部に笛など発音する仕
掛をもち、噴気の都度あるいは強い噴気時に発音して遊
技の雰囲気を盛り上げる。遊技の噴射源としては吹気や
風船の排出気などの噴気でもよく、被噴射物は磁性材が
磁石と対面する位置に係装してあれば形状は任意でよ
い。また、磁石も被噴射物に合わせた任意の位置で噴射
口3に係着してあればよい。遊技はこれらの条件のなか
で、興味が大きくなるような工夫を加えて任意に組立れ
ばよい。
【0007】図2は、被噴射物の例である。動物の形を
した人形9は軽量で、後部に磁性材の磁着板10を糸1
1で吊着してあり、体の後半は体に植生した軽量の毛糸
の毛12で被い磁着板10は外部より目視できない。こ
の人形9を噴気で飛ばすため噴射口3を近付けるとき、
磁着板10の位置が目視できないので磁着位置が判断し
難くなる。また、磁着時に磁着板10が毛12の間から
飛び出し興味が増す。人形9や磁着板10の形や色彩な
ど遊技の工夫ができる。
【0008】図3は、発音器7の例である。噴射筒2の
中間に、図(a)の和紙製の紙13を取付座14に貼付
けた発音部を、図(b)のようにユニオンネジ筒16,
フランジ17に挟んで、ユニオンナット15で締め付け
てある。図2に示す人形9のような被噴射物を噴気で飛
ばす際に、空気ポンプ5を急激に強く操作すると、紙1
3が裂けて破裂音を発し、遊技を盛り上げる。
【0009】図4は、第2の実施例である。被噴射物
は、噴気により飛ばないが走行可能な重量に調整してあ
る。磁着板10は面板22に蝶番23で蝶着され、面板
22は支持棒24を介して台25に取り付けられてい
る。台25は2軸の車輪26に乗り、その1軸は中心ピ
ン27で回動自在となっている。噴射口3に係着した磁
石4を有する噴射筒2には膨らませた風船20を噴射源
として取り付け、風船20の空気はクリップ21により
開閉する。風船内の空気量を使って、磁着板10の磁着
を起こさずに、中心ピン27で回動する被噴射物をコン
トロールして押す遊技である。磁着させずに噴気を上手
く使用する興味と共に、風船が噴射源であるため、風船
20を破裂させないように一杯に膨らませて、噴射源の
空気を多く確保し、これを噴出させることから遊技が始
まり、排気が無くなると共にゲームは終了するので、結
果が判り易く興味も更に大きいものとなる。磁着板10
面を曲面にしたりその支持方法を変えたり、支持棒24
に弾力性を持たせたり、全体を動物の形にする等の変化
をつけ遊技に変化を与えることができる。噴射源は風船
以外としてもよい。
【0010】図5は、被噴射物への磁着板10の係装の
例である。(a)は磁性材の鎖28を面板22に吊着し
磁着板としてある。(b)は面板22を後方に傾け、そ
の面上の窪孔29に磁着板10を緩嵌入したものを、多
数設けてある。(c)はヒンジ31で支持棒24と蝶着
したL字形の腕30は、一端に磁着板10を他端に重錘
32をとりつけ、磁着板10が垂直の位置でピン33を
支点として重錘32側が僅かに重く構成してあり、支持
棒24の止め34で支えている。噴射口3に係着した磁
石4の磁着力の内に(a)(b)の磁着板が入ると明確
な状態で磁着するが、(c)では腕30が回転する。被
噴射物への磁着板10の係装の方法は、これら以外にも
種々考えられるが、遊技により種々に工夫選択して変化
をつけることができる。
【0011】図6は、第3の実施例であり、(a)は斜
視操作図(b)は正面図(c)は平面で見た作用説明図
である。被噴射物は、噴気により飛ばないが転動,滑動
が可能な重量としてある。磁着板10は面板22にリン
グ38で吊着されている。面板22は推力を受ける方向
に4面あり、台25に固定の支持棒24上部の取付板3
7に固定してある。台25は二等辺三角形で下面の底辺
中央と頂点には、表面が滑らかで摩擦係数の少ない材質
で作った半球形の球35を、両下辺端には球35より小
径で表面に多数の突起状の摩擦片を持つ摩擦係数の大き
い材質で作った半球径のストッパー36を取り付けてあ
る。球35の点をA,D、ストッパー36の点をB,
C、三角形ABCの重心をEとしここに支持棒24を固
定してあり、三角形ABDの重心をF、AD線の中点を
P、面板QRはADと平行で、面板PQと線BPとの交
わる角αは鈍角とする。このような構造の台25は、三
角形ABD又はACDのいずれかの球部が接地する。い
ま三角形ACDが接地している状態からの操作を説明す
ると、QR面への噴気bにより被噴射物はA,Dの球3
5で転動し三角形ABDが接地する。このとき、噴気を
PQ面のaにすると被噴射物はBを支点として時計回り
方向へ回転し前進する。或る程度前進したら、同様の操
作を反対側から行い、これらの操作の繰り返しで被噴射
物を前進させる。風船20を噴射源とするときは風船内
の空気が無くなるまでの進行距離を競う遊技となる。面
板22を4面としたが、全体を1曲面にすると噴射点の
選定が難しくなり遊技に変化を与えることができる。ま
た、本例のように被噴射物を左右交互に動かし推進して
歩行させることもできる。
【0012】図7は、第4の実施例である。磁着板10
は糸11で面板22に吊着してあり、面板22の中央部
に圧力センサー39を表出して固定し被噴射物を構成し
ている。圧力センサー39は表示器40と結合してあ
る。噴射源には、風船20の吹口部に磁石4を嵌めて噴
射筒2とする。風船20の噴気を圧力センサー39に当
て、その際に表示される最高圧力を競うものであるが、
風船20をどれだけ膨らませるかと、磁着をさせないで
どれだけ噴射口3を面板に近付けることができるかが
技となる。
【0013】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、 (1)遊技の、押す作動力として噴気と、引きつける
磁力、との相反する力を効果的に活用できる。 (2)被噴射物に噴射源よりの噴気を噴射することで所
定の成果を競う遊技において、噴射口を近付け過ぎると
磁着するという、目視できる形のマイナス要素をつく
り、直接に接して押すことを防ぎ、遊技者は磁着が起き
る間隔について予測し、その限界を狙って操作する必要
があり、この判断を要することで興味の大きい玩具とな
る。 (3)噴気の流路に発音器を設けることで、遊技の環境
がより刺激的になる。 (4)被噴射物の磁性材を被覆し目視出来ないことで、
遊技不明確要素が増し興味の多いものとなる。(5) 噴射源にゴム風船を用いると、噴気による継続操
作ができ、排気完了で遊技の終了となり区切りの明確な
遊技と出来る。また、風船を破裂させないでどれだけ膨
らませるかが遊技要素の1つとなり、風船を膨らませる
ときからが遊技となり、興趣の多い玩具となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 空気ポンプを噴射源とする実施例の斜視図で
ある。
【図2】 吹き飛ばす被噴射物の実施例の正面図と側面
図及び一部断面図。
【図3】 発音器の発音部とその取り付け状態及び一部
断面図。
【図4】 風船の噴射源と、走行移動する被噴射物とよ
りなる実施例の斜視図である。
【図5】 磁着板の被噴射物への係装の例図。
【図6】 風船の噴射源と、転,滑移動する被噴射物と
よりなる実施例の斜視図,正面図及び説明図である。
【図7】 風船の口に磁石を嵌め、圧力センサーに噴射
する実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1はボール,2は噴射筒,3は噴射口,4は磁石,5は
空気ポンプ,7は発音器,10は磁着板,13は紙,1
4は取付座,20は風船,22は面板,24は支持棒,
25は台,31はヒンジ,35は球,36はストッパ
ー,39は圧力センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A63H 27/10 A63H 27/10 Z 33/26 33/26 A

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴気を発生する噴射源と、上記噴気を任
    意の位置で噴射できるよう形成された噴射口と、上記噴
    射口の先端に係着された永久磁石と、上記噴気を受ける
    部分に上記噴射口を近接させると磁着するように磁性材
    が係装され、かつ、磁着していないときは上記噴気によ
    り移動できるように形成された被噴射物とを備え、上記
    噴気により上記被噴射物を移動させてその移動量を競う
    ようにしたことを特徴とする噴気と磁石による玩具。
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